JPH0736504A - Pid制御装置の制御定数調整装置 - Google Patents

Pid制御装置の制御定数調整装置

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JPH0736504A
JPH0736504A JP17818093A JP17818093A JPH0736504A JP H0736504 A JPH0736504 A JP H0736504A JP 17818093 A JP17818093 A JP 17818093A JP 17818093 A JP17818093 A JP 17818093A JP H0736504 A JPH0736504 A JP H0736504A
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JP
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pid
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JP17818093A
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Hiroshi Tanaka
洋志 田中
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】PID制御装置の制御特性の改良。 【構成】制御中は、P,I,D切換回路4において、現
在の制御対象2の制御状態量の大きさに応じた組合せの
PID制御定数が選択され、各制御定数の値が上記大き
さに応じた値に調整される。そしてPIDコントローラ
1で上記選択、調整された制御定数を使用して制御対象
2に加えるべき操作量yが演算される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PID制御装置に関
し、特に、「立上り時間の短縮かつ安定性強化」といっ
た予め定められた目標整定条件に沿った制御を精度よく
行うことができる制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、制御対象の制御量を目標値に
するための制御を行う場合に、PID制御方式が広く行
われている。これは比例(P)動作、積分(I)動作、
微分(D)動作を含んだ制御方式であり、制御定数とし
てP定数、I定数、D定数が使用される。
【0003】比例動作は制御入力(操作量)uが制御偏
差eに比例する制御動作であり、 u=Ke …(1) と表される。ここで、Kを比例感度(比例ゲイン)とい
い、実際の場合には、制御定数Pとして1/Kに相当す
る比例帯が用いられる。
【0004】また、積分動作は制御入力uが制御偏差e
の積分値に比例する制御動作であり、 u=K∫edt …(2) と表される。すなわち、制御偏差eに比例した速度で訂
正動作が行われ、偏差が残れば必ず積分されるので、残
留偏差を少なくできるという制御特性を有している。
【0005】また、微分動作は制御入力uが制御偏差の
微分値に比例する動作であり、 u=Kde/dt …(3) と表される。すなわち、制御偏差速度deに比例した訂
正動作が行われ、偏差の変動を減衰させる作用をなし、
安定化が迅速に行われるという制御特性を有している。
【0006】上記の3つの動作を組み合わせたのがPI
D動作であり、 u=K(e+(1/Ti)∫edt+Tdde/dt) …(4) K=1/P:比例感度 Ti=I:積分時間 Td=D:微分時間 と表される。すなわち、制御定数P、I、Dに応じた比
例、積分、微分動作を行うものである。ほとんどの制御
装置は、一つの目標値に対して上記各制御定数をステッ
プ応答法、リミットサイクル法、限界感度法等を用い
て、追値制御か定値制御かを選択することにより、決定
しており、この決定された制御定数によるPID制御を
行なうようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のPID制御装置
にあっては、制御中は、制御装置自身の持つ各PID制
御定数の値は一義的な値に定められている。ここに、P
ID制御系を2自由度化して、それぞれのPID制御定
数の値、使用すべきPID制御定数の種類を異ならせ
て、制御の最適化を行う試みが、たとえば文献「複合フ
ィルタ形2自由度PIDアルゴリズム」(計測自動制御
学会論文集vol.27、No.4、1991年発行)
に記載されているごとくなされているが、制御中、PI
D制御定数は一義的な値に定められている点には変わり
はない。
【0008】このように、PID制御定数の値および使
用すべき制御定数の種類が一義的に定められて制御が行
われる場合には、立上り時間を短縮させようとすると安
定性が損なわれ、安定性を重視すると立上り時間が長く
なってしまうというように、「立上り時間の短縮かつ安
定性の強化」といった所望の目標整定条件に沿った制御
を行うことができない場合があった。
【0009】本発明はこうした実状に鑑みてなされたも
のであり、所望の目標整定条件に沿った制御を精度よく
なし得るPID制御装置を提供することを目的とするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明では、比例ゲインと積分時間と微分時
間とからなるPID制御定数に基づいて制御対象の制御
量と目標値との偏差に応じた操作量を演算し、該演算さ
れた操作量を前記制御対象に加えることにより、前記制
御対象の制御量が前記目標値に達するよう前記制御対象
をPID制御するPID制御装置において、前記制御対
象の制御状態を示す制御状態量の大きさに応じて、制御
中に使用すべきPID制御定数の組合せと該制御定数の
値を予め設定しておき、制御中は、現在の制御状態量に
対応して設定されている組合せのPID制御定数をそれ
ぞれ設定されている値にして前記操作量を演算するよう
にしている。
【0011】
【作用】かかる構成によれば、制御中は、現在の制御状
態量に応じた組合せのPID制御定数が使用されるとと
もに、各制御定数の値が現在の制御状態量に応じた値に
調整されて操作量が演算される。このため、制御対象の
制御状態量に応じた最適な制御特性が得られ、制御を所
望の目標整定条件に沿って精度よく行うことができる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係るPID制
御装置の制御定数調整装置の実施例について説明する。
【0013】図1は、実施例装置の構成を示すブロック
図であり、たとえば流体の温度制御装置において流体の
温度(制御量)を目標温度(目標値)に制御する場合に
適用することができる同図に示すようにPIDコントロ
ーラ1は、目標値vと制御出力(制御量)yとの偏差e
を入力し、この入力された偏差eに対して前述した
(4)式の演算を行ない制御入力(操作量)uを演算
し、これを制御対象2に加える。
【0014】制御対象2では、加えられた操作量uに応
じて制御出力(制御量)yが変化される。制御出力yは
図示せぬ検出部で検出され、これを調節部5に加える。
【0015】調節部5では、上記偏差eを演算し、これ
を上記PIDコントローラ1に加えるとともに、P,
I,D切換回路4および微分器3に加える。微分器3は
入力された偏差eを微分し、微分値de/dtをP,
I,D切換回路4に加える。
【0016】P,I,D切換回路4では、入力された偏
差eおよび微分値de/dtに基づいて制御対象2の現
在の制御状態を示す制御状態量zを下記(5)式に基づ
いて演算する。ここで制御状態量とは、制御対象2の制
御量yが目標値vにどの程度近づいているかを示す度合
いのことをいう。
【0017】z=g(e、de/dt) …(5) ただし、g()はe、de/dtをパラメータとする関
数である。
【0018】上記演算された制御状態量zに応じて後述
するようにして、制御に使用すべきPID制御定数P、
I、Dの組合せおよびこれら制御定数P、I、Dの値が
決定される。
【0019】そして、この決定された組合せの制御定数
P、I、Dを、同じく決定された値にしてPIDコント
ローラ1に送り、これら制御定数P、I、Dを使用して
操作量uが演算される。
【0020】上記制御状態量zの大きさは所定のしきい
値により複数の領域に分割され、各分割領域ごとに制御
に使用すべきPID制御定数P、I、Dの組合せおよび
これら制御定数P、I、Dの値が予め設定されている。
そこで、説明の便宜のため、制御状態量zの一方のパラ
メータである偏差eについて、上記分割の様子を図2を
参照して説明する。
【0021】図2では、偏差eの大きさが加速領域、制
動領域、整定領域に分割されており、しきい値th1によ
り加速領域と制動領域が仕切られ、しきい値th2により
制動領域と整定領域が仕切られている。加速領域、制動
領域、整定領域の順に目標値vに近づいていく。
【0022】ここで、制御対象2に対するPIDコント
ローラ1の加速能力および制動能力は図4に示すように
表すことができる。なお、図4は制御対象2をオンオフ
制御した場合を想定している。
【0023】すなわち、加速能力γaは、制御対象2に
オンの制御入力uを加え始めてからの時間ta(図4
(b)参照)と、制御出力yの増加量yaとをパラメー
タとして定まり、f()を所定の関数として、 加速能力:γa=f(ya、ta) …(6) と表される。一方、制動能力γbは、制御対象2にオフ
の制御入力uを加え始めてからの時間tb(図4(b)
参照)と、制御出力yの増加量ybとをパラメータとし
て定まり、f()を所定の関数として、 制動能力:γb=f(yb、tb) …(7) と表される。結局、制御量yを加速させるべき範囲を画
するしきい値th1は、上記加速能力γaに応じた値とし
て定まり、次式(8)のようにして求められる。
【0024】th1=αγa …(8) 同様に、制御量yを制動すべき範囲を画するしきい値t
h2は上記制動能力γbに応じた値として定まり、次式
(9)のようにして求められる。
【0025】th2=βγb …(9) ただし、α、βは制御量yの初期値から目標値vに至る
までの大きさに応じた定数である。
【0026】制御状態量zについての領域の分割の仕方
も上述した偏差eについての領域の分割の仕方と同様に
考えることができ、制御状態量zについて加速領域、制
動領域、整定領域を同じく定めることができる。
【0027】各領域ごとの制御定数の組合せおよび値
は、目標整定条件に応じて予め設定される。
【0028】たとえば「立上り時間の短縮かつ安定性の
強化」という目標整定条件が与えられたとする。この場
合、現在の制御状態量zが加速領域(z=g(e、de
/dt)≦th1)の範囲に属している場合には、制御出
力yの立上り時間を短縮させるために制御入力uを最大
にするためにP制御のみを行う必要がある。そこで、加
速領域に応じて、P=P1、I=0、D=0が記憶され
る。また、現在の制御状態量zが制動領域(th1≦z=
g(e、de/dt)<th2)の範囲に属している場合
には、オーバーシュートを抑えるためのP、I、D制御
を行う必要がある。そこで、制動領域に応じて、P=P
2、I=I2、D=D2が記憶される。
【0029】そして、現在の制御状態量zが整定領域
(th2≦z=g(e、de/dt))の範囲に属してい
る場合には、制御量yを目標値vに整定させるための
P、I、D制御を行う必要がある。そこで、整定領域に
応じて、P=P3、I=I3、D=D3が記憶される。
【0030】PID制御定数の各値P1…は、リミット
・サイクル法等によって求めるものとする。
【0031】図3は、制御中の制御出力yの過渡特性
(図3(a))と制御入力uの変化を示すものである。
【0032】制御中は、現在の制御状態量zとしきい値
th1、th2とが比較され、この結果、現在の制御状態量
zが上記加速領域の範囲内にあると判断されると、制御
定数Pが記憶、設定された値P1にされ、比例動作のみ
による制御がなされる。この結果、制御入力uが最大値
umaxにされて制御対象2に加えられ、制御出力yが迅
速に立ち上り、立上り時間を短縮することができる。つ
いで、上記比較の結果、現在の制御状態量zが上記制動
領域の範囲内にあると判断されると、制御定数P、I、
Dがそれぞれ記憶、設定されたP2、I2、D2にされ、
比例、積分、微分動作による制御がなされる。この結
果、制御入力uが最大値umaxから急激に減少され、制
御出力yに制動がかかり、オーバーシュートを抑えるこ
とができる。
【0033】さらに、上記比較の結果、現在の制御状態
量zが上記整定領域の範囲内にあると判断されると、制
御定数P、I、Dがそれぞれ記憶、設定されたP3、I
3、D3にされ、比例、積分、微分動作による制御がなさ
れる。この結果、制御入力uがなだらかに低下され、制
御出力yを目標値vに整定することができる。
【0034】以上のように、目標整定条件に沿った制御
が精度よくなされることになる。
【0035】なお、実施例では、制御対象2の制御状態
量zを偏差e、偏差の微分値de/dtをパラメータと
して求めるようにしているが、これに限定されることな
く、偏差eのみを使用して求めてもよく、また微分値d
e/dtのみを使用して求めるようにしてもよい。ま
た、制御対象2の制御状態を表すパラメータが他にあれ
ば、それを用いて制御状態量を求める実施も可能であ
る。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、現
在の制御状態量に応じた組合せのPID制御定数が使用
されるとともに、各制御定数の値が現在の制御状態量に
応じた値にされて操作量が演算されるので、常に最適な
制御特性が得られ、制御を所望の目標整定条件に沿って
精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係るPID制御装置の制御定数
調整装置の実施例の構成を示す制御ブロック図である。
【図2】図2は偏差の大きさを各領域に分割した様子を
示す図である。
【図3】図3は実施例の制御装置による制御結果を示す
グラフである。
【図4】図4は実施例の制御装置の加速能力および制動
能力を説明するために用いたグラフである。
【符号の説明】
1 PIDコントローラ 2 制御対象 3 微分器 4 P,I,D切換回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比例ゲインと積分時間と微分時間と
    からなるPID制御定数に基づいて制御対象の制御量と
    目標値との偏差に応じた操作量を演算し、該演算された
    操作量を前記制御対象に加えることにより、前記制御対
    象の制御量が前記目標値に達するよう前記制御対象をP
    ID制御するPID制御装置において、 前記制御対象の制御状態を示す制御状態量の大きさに応
    じて、制御中に使用すべきPID制御定数の組合せと該
    制御定数の値を予め設定しておき、 制御中は、現在の制御状態量に対応して設定されている
    組合せのPID制御定数をそれぞれ設定されている値に
    して前記操作量を演算するようにしたPID制御装置の
    制御定数調整装置。
  2. 【請求項2】 前記制御状態量は、前記偏差と該偏
    差の微分値とに基づいて定められる請求項1記載のPI
    D制御装置の制御定数調整装置。
  3. 【請求項3】 前記制御状態量の大きさを所定のしき
    い値により複数の範囲に分割し、該分割された複数の範
    囲ごとに、制御中に使用すべきPID制御定数の組合せ
    と該制御定数の値を予め設定しておき、 制御中は、現在の制御状態量と前記しきい値とを比較
    し、前記分割された複数の範囲の中から現在の制御状態
    量が属している範囲を判断し、該判断された範囲に対応
    して設定されている組合せのPID制御定数をそれぞれ
    設定されている値にして前記操作量を演算するようにし
    た請求項1記載のPID制御装置の制御定数調整装置。
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