JPH0736305B2 - 真空バルブ用接点材料の製造方法 - Google Patents

真空バルブ用接点材料の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、真空バルブに係り、特にその接点材料の製造
方法の改良に関する。
〔発明の技術的背景とその問題点〕 周知のように、真空バルブは、小形、軽量、メンテナン
スフリー、環境調和等他の遮断器に比較して種々優れた
特徴を有するため、近年次第にその適用範囲が拡大して
きた。このような真空バルブの接点に要求される基本的
要件としては、(1)溶着性が少ないこと、(2)耐電
圧が高いこと、(3)しや断特性がよいこと、が挙げら
れ、この他にさい断電流値が小さいこと、接触抵抗が低
く安定していること、耐消耗性がよいこと等も重要な要
件となつている。
しかしながら、これらの要件の中には相反するものがあ
る関係上、単一の金属種によつて全ての要件を満足させ
ることは不可能である。このため、実用されている多く
の接点材料においては、不足する性能を相互に補なえる
ような2種以上の元素を組合せ、かつ大電流用あるいは
高電圧用等のように特定の用途に適した接点材料の開発
が行なわれ、それなりに優れた特性を有するものが開発
されているが、さらに強まる高耐圧化および大電流化の
要求を充分満足する真空しや断器用接点材料は、未だ得
られていないのが実情である。
例えば、大電流化を指向した接点材料として、Biのよう
な溶着防止成分を5%以下の量で含有するCu−Bi合金が
知られている(特公昭41−12131号公報)が、Cu母相に
対するBiの溶解度が極めて低いため、しばしば偏析を生
じ、しや断後の表面荒れが大きく、加工成形が困難であ
る等の問題点を有している。また、大電流化を指向した
他の接点材料として、Cu−Te合金も知られている(特公
昭44−23751号公報)。
この合金は、Cu−Bi系合金が持つ上記問題点を緩和して
はいるが、Cu−Bi系合金に比較して雰囲気に対し、より
敏感なため接触抵抗等の安定性に欠ける。さらに、これ
らCu−Te、Cu−Bi等の接点の共通的特徴として、耐溶着
性に優れているものの、耐電圧特性が従来の中電圧クラ
スへの適用には充分であるとしても、これ以上高い電圧
分野への応用に対しては、必ずしも満足でないことが明
らかとなつてきた。
一方、高耐圧化を指向した接点材料としてCu(又はAg)
等の高導電成分と、Cr、Tiなどとの焼結合金が知られて
いる。これらの合金は、強いゲツタ作用を持つ以外に蒸
気圧特性がCrの場合Cuに近似し、Tiにおいても他の接点
材料として用いられているW、MoよりはCuに近いため、
Cu−Cr、Cu−Ti、Ag−Cr、およびAg−Ti(以下、本発明
の説明上高導電性成分としてCuが、またCrとTiとについ
てCrが代表する)接点のしや断後の接点表面は、W、Mo
系接点より平滑さを維持する結果、耐電圧特性などに良
い傾向を示すことが知られている。
しかしながら、Crは極めて酸化しやすい金属であるた
め、粉末あるいは成形体の管理または熱処理の条件が重
要になり、また、Cuなどの高導電性成分量(すなわち、
CrとCuとの比率)もしや断特性などに与える影響が大き
い。したがつて、従来の方法には、次のような問題点が
ある。
(1)最終目標のCrとCuとをあらかじめ混合し、その後
焼結する方法では、焼結のみで工程が終了するため残存
ガス量および残存空孔が多くなる欠点がある。
(2)Crの成形体を焼結して純Cr焼結体(スケルトン)
中の残存空隙にCuを溶浸させる方法では、接点材料中の
Cu含有量を高くすることができないという欠点がある。
すなわち、この第二の方法でCu量は、Cr焼結体中に存在
する空孔のみに依存し、この空孔は成形圧力や焼結条件
に関係する。Cr粉を成形するとき、成形体を強度的に不
便なく取扱える成形圧力は、種類によつては少なくとも
2トン/cm2を要することが多い。これはそれ以下で取
り扱いの際に崩れて工業的でないと考えられ、通常ほぼ
2トン/cm2以上の圧力で成形されるためである。しか
し、2トン/cm2以上の従来の成形圧力を用いると、高C
u量を維持するために必要な空孔が成形時に消失し、そ
の結果、高Cu量を確保することが出来ないという問題が
生じる。
(3)Cr粉中にCuの一部をCu粉として混合し、この混合
粉の成形体を焼結してCu−Cr焼結体中の残存空孔にCuの
残量を溶浸させる方法で、Cu粉による汚染物質によつて
満足な接点を得ることが出来ないという欠点がある。
すなわち、この第三の方法でのCu量は、あらかじめ混合
したCu量とCr−Cu焼結体の空孔中へあとから溶浸させる
Cu量との和によつて決まる。高Cu量(例えば50重量%Cu
またはそれ以上の含有量)を望む場合には、あらかじめ
混合するCu量を調整することによつて容易に得られ、第
二の方法の欠点を償うことが可能である。しかし、予め
混合するCu粉を多量に使うときには比表面積が多いた
め、表面吸着ガス、表面酸化物など汚染の原因となる物
質も相対的に多くなり、したがつて焼結中にCrが悪影響
を受けて満足な接点を得難いという欠点がある。
前記した(2)と(3)の方法、すなわち、焼結体を形
成し次いでCuを溶浸させる方法(以下、焼結−溶浸方式
と略記する)は、上述した問題点があるものの真空バル
ブ用接点材料の製造方法として他の従来方法より優れた
ものである。なぜならば、焼結−溶浸方式は、溶浸工程
を経るため、合金中に残存するガスや空孔などを少量化
する観点から好ましいこと、およびCu−Crの溶解・鋳造
による方法では偏析の傾向があること、さらに固相温度
で焼結する方法ではポーアの存在が除かれずしかも固相
焼結後に機械的外力によつてポーアを除いても含有ガス
を充分に除去できないことからである。したがつて、従
来の焼結−溶浸方式の問題点を解決した接点材料の製造
方法の開発が強く望まれていた。
〔発明の目的〕
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、その目的
とするところは高しや断性および高耐電圧性を安定して
発揮させる合金からなる真空バルブ用接点材料の製造方
法を提供することである。
〔発明の概要〕
高導電性成分としてCuまたは/およびAgを含む接点材料
のしや断性能に影響を与える因子の1つとして、その成
分の含有量がある。本発明者らの研究によつて、例えば
Cu含有量が概ね90%以上になると耐溶着性低下の懸念が
生じて好ましくないが、通常ある一定値以上のCuが含有
する場合、例えば25%以上のCu含有量の場合一定基準以
上のしや断性能を維持することができ、更に多いCu含有
量(例えば50%近傍またはそれ以上)ではより一層すぐ
れたしや断特性を発揮することがわかつた。
本発明者らは、焼結溶浸方式により例えば50%近傍また
はそれ以上の高導電性成分を含有する接点材料を製造す
る方法を開発すべく試験研究を行つた結果、従来より著
しく低い成形圧で形成した成形体を容器と共に焼結すれ
ば、処理中に金属粉末の成形体を支持しかつその形状を
維持することができ、さらにその焼結体に大きな空隙を
多数確保してその空隙に多量の高導電性成分を溶浸させ
うることを見い出した。
所で、Cu−Cr系、Cu−Ti系、Ag−Cr系などの材料は、真
空バルブ用接点として耐電圧性が一般的に優れている。
しかし、さらに安定した耐電圧性を得るために例えばCu
マトリツクス中に均一に分散させること、また高度に分
散させるために所定粒径のCrを用いるなどの手段を採用
すること、さらにCuとCrとの濡れ性を促進させるために
補強材料を用いることなどが提案されている。これらの
手段によつてこれらの接点の高耐電圧性が維持される。
しかしながら、従来の焼結溶浸方式による真空バルブで
は必ずしも再点弧特性が十分でないものが認められ、製
造ロツト間のばらつきも存在している。特に工業レベル
ではこのようなばらつきのない安定した真空バルブを製
造する方法の確立が強く望まれている。
本発明者らの研究により、従来の焼結溶浸方式によりつ
くられた真空バルブでその製造ロツトによつて再点弧現
象の発生にばらつきが認められるという不安定さは、Cu
やCrなどの素材の密度、材料の健全性に係るものである
との知見を得た。例えば、Cuなどの高導電性成分の表面
皮膜層の解離時の放出ガス、表面吸着ガス、内蔵ガスな
どによつて、活性度の高いCrが焼結時にその表面に汚染
を受け、したがつて、完全な溶浸を行わせることができ
なくてこの不安定性が生じたものと考えられる。本発明
者らはこのような好ましくない表面汚染を軽減する方法
として、その原因となるCuなどの高導電性成分を溶浸工
程前に配合することを極力避けることが、その軽減に有
効であることを確認した。すなわち、焼結溶浸方式によ
る接点材料の製造プロセスにおいて、高導電性成分のCr
への配合を極力少量にしたもしくは配合しない成形体を
焼結し、高導電性成分の大部分もしくは全部を溶浸時に
供給することが好ましいことがわかつた。
本発明は上述の知見に基いて完成され、その真空バルブ
用接点材料の製造方法は、焼結溶浸方式により高導電性
成分としてのAgまたは/およびCuとCrまたは/およびTi
とを含む接点材料を製造する方法であつて、器状もしく
は平板状などの容器にCrまたは/およびTiの金属粉末を
1.5トン/cm2以下の低い外圧もしくは粉末の自重の圧力
で充填して成形し、この成形体を成形時と同じまたは別
の容器とともに焼結して、次いでCuなどの高導電性金属
で焼結体を溶浸することを特徴とするものである。
次いで本発明の製造方法を具体的に説明する。
本発明において容器に充填される金属粉末は、Crまたは
/およびTiからなる。TiやCrの他にこの金属粉末には、
接点の用途に応じ補助成分としてTe、Bi、W、Moなど添
加することもできる。しかしながら、成形工程であらか
じめCuやAgなどの高導電性成分の粉末をCrなどの金属粉
末中に配合することを、極力少量にし、好ましくは避け
るべきである。本発明の金属粉末の寸法は、平均粒径で
40〜250μm、好ましくは、60〜200μmである。これは
250μmを超えると純Cu部同志の接触の確率が高くなつ
て耐溶着性の低下が起るので好ましくないからであり、
他方、粒径が細かすぎると活性度が増して取り扱いがむ
ずかしい上に溶浸後に気孔が残りやすくなるためであ
る。
本発明において用いられる容器は、金属粉末を収納する
うつわであり、例えば、中空部を有しかつ少なくとも一
面に開口部を有する器状の、もしくは、平板状のもので
ある。この容器は、金属粉末とともに焼結される。した
がつて、焼結温度で溶融する材料で容器がつくられてい
る場合、接点に含有することのできる材料に限定され
る。例えは、CuやAgである。器壁の厚さについては、収
容物を強度的に十分支えられる厚さが下限となり具体的
には10μm以上と考えられ、又その上限は、焼結溶浸後
の組成の狂いを増長させたり、ガス源とならないよう極
力薄い方が好ましく、例えば1mm以内である。しかし、
焼結温度で溶融しない材料である場合、特に限定されな
いが、例えば、炭素質材料やセラミツクス材料などを用
いることができる。
本発明において金属粉末の容器への充填・成形は、好ま
しくは、1.5トン/cm2以下の外圧もしくは充填された粉
末の自重の圧力で行われる。すなわち、容器が成形体の
型になつている場合には、金属粉末を容器内に自然落下
させたままで粉末の自重の圧力で成形することができ
る。さらに、外部から1.5トン/cm2以下の低圧で粉末を
直接的に、もしくは容器ごと成形することもできる。
本発明において、焼結および溶浸は従来の方法と同様で
あるが、成形体は容器とともに加熱されて焼結される。
また、焼結時に用いる成形体の容器は、金属粉末を成形
したときに用いたものをそのまま利用してもよく、ま
た、成形時のものと異なるものであつてもよい。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例−1 厚さ100μmの銅箔て内径30mm、高さ15mmの器状の容器
を作製し、この容器中へ平均粒径74μmのCr粉を自然落
下によつて充填してこのCr粉の自重の圧力で成形した。
Crを充填した容器をそのままH2雰囲気中、1150℃、2時
間で焼結しCrスケルトンを作製した。このCrスケルトン
内部では結合力が極めて弱くてハンドリングが出来ない
程度であつたが、焼結中にCu容器はCrと合金(Cr≒88
%)を形成してCu容器の存在は極めて有効であつた。得
られたCrスケルトンを真空中、1200℃、1時間で加熱し
てCuをそのスケルトンに溶浸させた。
得られた接点材料中のCu含有量を検査するとともに、こ
の材料より接点を切り出して再点弧発生確率を試験し
た。その結果を表1に示す。この表1から示されるよう
に、Cu含有量が約61重量%であり、目的とする高Cu量の
接点が外部から圧力をかけず、粉末の自重のみの成形圧
で焼結溶浸法によつてしかもCrのみのスケルトンを出発
材料として使用して得られた。
実施例−2、3 比較例−A、B 厚さ100μmの銅箔で、内径30mm、高さ15mmの器状の容
器を作製した。この4個の容器それぞれに平均粒径74μ
mのCr粉を自然落下により充填させ、Crを充填させた容
器のまま成形用金型に移して、0.5トン/cm2(実施例−
2)、1.5トン/cm2(実施例−3)、2.5トン/cm2(比
較例−A)、および3.5トン/cm2(比較例−B)の各外
圧で成形した。次いで、容器とともに成形体をH2雰囲気
中、1150℃で2時間焼結してCrスケルトンを作製した。
これらのCrスケルトンのうち0.5トン/cm2および1.5ト
ン/cm2の成形圧の場合(実施例−2、3)、Crスケル
トン内部は結合力が極めて弱くてハンドリングが不可能
な状態であつたので、焼結中にCrと合金を形成するCu容
器の存在は有効であつた。これに対し2.5トン/cm2およ
び3.5トン/cm2の成形圧の場合(比較例−A、B)、例
えCu容器がなくてもCrスケルトンの結合力が充分に強か
つた。各Crスケルトンを真空中、 1200℃、1時間Cuで溶浸させた。
得られた接点材料中のCu含有量を検査するとともに、こ
の材料から接点に加工してこの接点について再点弧発生
確率を測定した。その結果を表1に示す。表1に示すよ
うに、2.5トン/cm2および3.5トン/cm2の高い成形圧で
は、目的とする高Cu量接点を得ることができなかつたの
に対し、0.5トン/cm2および1.5トン/cm2(実施例−
1、2)の低い成形圧で高Cu量の接点が、焼結−溶浸方
式によつてしかもCrのみのスケルトンを出発材料として
使用して得られた。
実施例−4 比較例−C 内径80mm、深さ15mmのカーボン製の器状の容器に平均粒
径149μmのCr粉を自然落下によつて充填させ、その容
器のまま真空中、1200℃で2時間焼結した。焼結後のCr
スケルトンを容器から取り出し、別に用意したCu(1500
℃、真空溶融)を用いて真空中、1200℃で1時間Crスケ
ルトンを溶浸した(実施例−4)。表1に示されるよう
に、得られた接点材料のCu含有量は65重量%であり、ガ
ス含有量は240〜260ppmと低くかつた。
実施例−4と対比するために、あらかじめCu粉をCr粉に
混合して、実施例−4と同様の約65重量%Cu含有の接点
材料を作製した(比較例−C)。
50重量%に相当するCu粉を実施例−4と同様のCr粉に混
合し、この混合粉を自然落下によりカーボン容器に充填
し、その容器のまま水素雰囲気中、1150℃で2時間焼結
してCu・Crスケルトンを作製した。65重量%の残量に相
当する15重量%のCuを真空中、1200℃で1時間溶浸させ
た。得られた材料中のCu含有量を分析した結果、ほぼ目
標通りの66重量%であつたが、表1に示すようにガス含
有量は800〜2450ppmと著しく高かつた。
実施例−5 比較例−D 厚さ100μmの銅箔で、内径30mm、高さ15mmの器状の容
器を作製し、この容器のなかへ平均粒径100μmのTi粉
を自然落下によつて充填してこのTi粉の自重の圧力で成
形した。この成形体を容器とともに2時間、1350℃、真
空中で焼結した。Tiスケルトン内部は極めて弱い結合力
であつたが、銅箔が溶融した結果、能率的なハンドリン
グが可能であつた。次いで真空中、1200℃で1時間Cuで
Tiスケルトンを溶浸させて、外径30mm、高さ15mmのCu−
Ti素材を得た(実施例−5)。この素材のCu含有量を測
定した結果、表1に示すように50重量%であつた。
実施例−5と対比するために、あらかじめCu粉をTi粉に
混合して、実施例−5と同様の約50重量%Cu含有の接点
材料を作製した。40重量%に相当するCu粉をTi粉に混合
し、この混合粉を実施例−5と同様に成形した。この成
形体を真空中、1250℃、2時間で焼結してCr−Tiスケル
トンを作製した。次いで、残量に相当する10重量%のCu
を真空中、1200℃、1時間の条件でこのスケルトンに溶
浸させた(比較例−D)。得られた接点材料中のCu分析
値は54%Cu含有であつた。しかし、表1に示すように実
施例−5と比較して著しくガス含有量(1200〜1900pp
m)が高かつた。
上述した実施例−4、5と比較例−C、Dとから教示さ
れるように、従来のように焼結前にCu粉をCrまたはTiに
混合すると、接点材料中のガス含有量が著しく高くな
り、したがつて再点弧発生の確率が高くなる。これは前
述のように配合したCu粉による表面汚染層の影響と考え
られる。
実施例および比較例の考案 真空バルブ用接点として十分なしや断性能を維持するた
めには、前述したように一定値以上のCuを含有している
必要がある。例えば25%以上、好ましくは30%以上のCu
含有量が必要である。実施例1〜3と比較例A〜Bとの
対比から明らかなように、Cr粉の焼結に際し容器を用い
たために、Cr粉末の成形圧力を1.5トン/cm2以下の外圧
もしくは粉末の自重のみの圧力を低圧力とすることがで
きて、高Cu含有量を確保することができた(実施例1〜
3)。
さらに、実施例1〜3と比較例A〜Bとの対比より接点
材料中のガス含有量を低減化する観点からも容器を用い
低い成形圧にすることが好ましいことがわかる。これ
は、焼結中に通気性が充分確保された結果脱ガス効率が
高かつたためだと考えられる。その結果付随的に再点弧
発生確率もすぐれた水準にありしかも静耐圧測定時にス
パークを起す電圧も高い値を示すことが表1より理解さ
れる。
次いで、実施例−4、5と比較例−C、Dとを対比す
る。従来のように焼結前にCu粉をCr粉またはTi粉に混合
すると(比較例−C、D)、表1に示されるように、接
点材料中のガス含有量が著しく高くなり、したがつて再
点弧発生確率が高くなる。これは前述のように配合した
Cu粉による表面汚染層の影響と考えられる。これに対し
高導電性成分であるCu粉を焼結前に配合することを極力
避けた実施例−4、5では、成形圧力を低くしたことと
相俟つて、材料中のガス含有量を低減して再点弧発生確
率を下げていることがわかる。また、実施例−3と実施
例−5との対比から、容器に高導電性成分であるCuを用
いてもそれは焼結時にCrとともに溶融してCu−Cr合金を
形成し、次いで溶浸時に接点素材と一体化するだけで、
Crに配合するCu粉のような悪影響はなかつた(実施例−
3)。
〔発明の効果〕
以上述べたように、従来のCu−Cr系などの接点材料の製
造方法では高い成形圧力で成形体を得ていたので、純Cr
スケルトンを経る製造では、高Cu含有接点の作製が出来
なかつた。しかしながら、本発明において容器を用いた
ことから、充填や成形時の圧力を1.5トン/cm2以下の低
圧とすることができて、純Crスケルトンを経る製造で高
Cu含有接点の作製が可能となる。しかも、純Crスケルト
ンに高導電性成分の全部もしくは大部分を溶浸すること
ができるために、接点材料中のガス含有量を低減して再
点弧特性のばらつきの少ない真空バルブを経済的に製造
することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−68820(JP,A) 特公 昭57−2122(JP,B1) 特公 昭59−30761(JP,B1)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Crまたは/およびTiの金属粉末よりなりか
    つ1.5トン/cm2以下の外圧もしくは該粉末の自重の圧力
    で形成された成形体を容器とともに加熱して焼結する工
    程と、得られた焼結体にCuまたは/およびAgよりなる高
    導電性金属で溶浸する工程とを含むことを特徴とする真
    空バルブ用接点材料の製造方法。
  2. 【請求項2】金属粉末が平均粒径40〜250μmを有する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の真空バル
    ブ用接点材料の製造方法。
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