JPH0736113U - カメラ用レンズ駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型化に有利であり、かつ撮像用レンズ手段
と光学式のビューファインダーを備える場合において、
各移動レンズ系の動力伝達系をシンプルに構成できるよ
うにする。 【構成】 ビデオカメラ用レンズ駆動装置であって、移
動レンズ系とファインダー用レンズ系の夫々の光学的条
件を満たす形状を有してなるカム溝４、５、６を複数分
設けてなる平板状のカム板１と、カム板１を各レンズ系
の光軸方向に略直交する方向に平行に駆動する駆動手段
１０、１１、１２と、移動レンズ系とファインダー用の
各移動枠に固定された案内ピン７、８、９とを具備して
なり、案内ピンをカム溝により摺動案内するように構成
している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はカメラ用レンズ駆動装置に係り、特に高さ方向に小型に構成すること ができるので、例えばビデオカメラ内蔵の際の自由度を増すことができるレンズ 駆動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、カメラ用レンズ駆動装置において、変倍レンズ鏡胴に設けられる移 動光学系の変倍用レンズを駆動する構成として、レンズ鏡胴の外周面において回 動可能に設けられたカムリングにカム溝を設けておき、このカム溝に潜入する案 内ピンに変倍用レンズを固定した移動枠を設ける一方、カムリングをモータ駆動 乃至マニュアル駆動する構成が多く採用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の従来構成によれば、撮像用のレンズ鏡胴の外周面におい てカムリングを回動自在に設けていることから、その外形寸法が、少なくともカ ムリング分は大きくなってしまう。このことから、ビデオカメラに組み込む際の 自由度が損なわれてしまい扁平に構成できなくなる等のレイアウト上の問題点が ある。

【０００４】 また、例えば撮像用のレンズ鏡胴と光学式のビューファインダーを備える場合 においては、変倍レンズの駆動に同期して光学式ビューファインダー用のレンズ を駆動する必要があることから、駆動モータによる動力伝達系がさらに複雑にな るという問題点がある。

【０００５】 したがって、本考案のカメラ用レンズ駆動装置は上述の事情に鑑みてなされた ものであり、その目的とするところは小型化に有利であり、かつ撮像用レンズ手 段と光学式のビューファインダーを備える場合において、各移動レンズ系の動力 伝達系をシンプルに構成できるようにすることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述の課題を解決し、目的を達成するために本考案のカメラ用レンズ駆動装置 は以下の構成を備える。即ち、固定レンズ系と移動レンズ系を備えてなる撮像用 レンズ手段と光学式ビューファインダーとを備えてなり、移動レンズ系を所定駆 動するにともない同期して光学式ビューファインダーのファインダー用レンズ系 を駆動するカメラ用レンズ駆動装置であって、移動レンズ系とファインダー用レ ンズ系の夫々の光学的条件を満たす形状を有してなるカム溝を複数分設けてなる 平板状のカム板と、カム板を各レンズ系の光軸方向に略直交する方向に平行に駆 動する駆動手段と、移動レンズ系とファインダー用の各移動枠に固定された案内 ピンとを具備してなり、案内ピンをカム溝により摺動案内するように構成されて いる。

【０００７】 また、好ましくは、固定レンズ系と移動レンズ系を備えてなる撮像用レンズ手 段と光学式ビューファインダーとを備えてなり、移動レンズ系を所定駆動するに ともない同期して光学式ビューファインダーのファインダー用レンズ系を駆動す るカメラ用レンズ駆動装置であって、移動レンズ系とファインダー用レンズ系の 夫々の光学的条件を満たす形状を有してなるカム溝を複数分設けてなるとともに 固定軸により揺動自在に保持されるカム板と、カム板を揺動駆動する駆動手段と 、移動レンズ系とファインダー用の各移動枠に固定された案内ピンとを具備して なり、案内ピンをカム溝により摺動案内するように構成している。

【０００８】

【作用】

上述の構成により、移動レンズ系とファインダー用レンズ系の夫々の光学的条 件を満たす形状を有してなるカム溝を複数分設けてなる平板状のカム板が駆動手 段により各レンズ系の光軸方向に略直交する方向に平行に駆動されると、移動レ ンズ系とファインダー用の各移動枠に固定された案内ピンがカム溝内を摺動案内 されるように働く。 また、移動レンズ系とファインダー用レンズ系の夫々の光学的条件を満たす形 状を有してなるカム溝を複数分設けてなるとともに固定軸により揺動自在に保持 されるカム板が駆動手段により揺動駆動されると、移動レンズ系とファインダー 用の各移動枠に固定された案内ピンがカム溝により摺動案内されるように働く。

【０００９】

【実施例】

以下に、本考案のカメラ用レンズ駆動装置の好適な実施例について、図面を参 照しながら説明する。

【００１０】 図１は第１実施例のカメラ用レンズ駆動装置の平面図である。また、図２は図 １のＸ−Ｘ矢視断面図である。両図において、固定レンズ系と移動レンズ系を備 えてなる撮像用レンズ手段の内、移動レンズは第１移動枠１７、第２移動枠１８ に固定されており、鏡胴２０内において案内軸１４、１６により光軸方向に移動 自在になるように保持されており、独立して移動するように構成されている。こ れら第１移動枠１７、第２移動枠１８には第１案内ピン７、第２案内ピン８が夫 々固定されている。

【００１１】 一方、これらの第１案内ピン７、第２案内ピン８は、移動レンズ系とファイン ダー用レンズ系の夫々の光学的条件を満たす形状を有した第１カム溝４、第２カ ム溝５内に潜入するように組み付けられている。

【００１２】 また、光学式ビューファインダー１３の移動枠２５（破線図示）にはファイン ダー用の案内ピン９が固定される一方、移動枠２５は案合軸１５により光軸方向 に移動自在に設けられている。また、このファインダー用の案内ピン９は上述の カム板１において光学的条件を満たす形状を有した第３カム溝６内に潜入されて いる。

【００１３】 以上の複数のカム溝を一体形成した平板状のカム板１には、さらにラック１０ と直線溝３が設けられており、鏡胴２０において固定された案内ピン２により直 線溝３が２ケ所で案内される一方、ラック１０にはモータ１２の出力軸に固定さ れたピニオン１１が歯合しており、モータ１２の正逆方向の駆動にともない図１ 中の矢印方向にカム板１が平行駆動するように構成されている。

【００１４】 以上の構成により、移動レンズを固定した移動枠１７、１８とファインダー用 の移動レンズを固定した移動枠２５が夫々の光学的条件を満たす形状を有したカ ム溝４、５、６によリモータ１２の駆動にともない光軸方向に完全に同期して移 動されることになる。また、モータ１２は図１に示すように、任意の位置に設け ることができるようになる結果、従来のカムリングを駆動する構成との比較にお いて配設の自由度が格段に増すことになる。

【００１５】 さらに、移動レンズ系を備えてなる撮像用レンズ手段と、光学式ビューファイ ンダーの移動枠駆動用に、カム板１を共通に使用できるので部品点数が削減でき るとともに、同期のための精度確保はカム板１のみの寸法管理で良くなる。

【００１６】 図３は、以上説明の第１実施例の構成例の外観斜視図である。本図において、 既に説明済の構成については、同一符号を付して説明を割愛して未説明部分に限 定して述べると、光学式ファインダー１３には対物レンズ１３ａが撮像用レンズ の対物レンズ１９と隣り合う位置に設けられている。この対物レンズ１９の隣り には、撮像レンズ系の自動絞り駆動用のアイリスモータ２１が設けられている。 以上の構成により、図３から一見して分かるように上下方向に薄く構成できるの で、特にビデオカメラに内蔵する場合に非常に都合がよい構成となる。

【００１７】 次に、図４は第２実施例に関わる平面図である。また、図５は図４に基づく外 観斜視図である。

【００１８】 両図において、第１実施例において説明済の構成については、同一符号を付し て説明を割愛して未説明部分乃至相違部分に限定して述べると、カム板１は図示 のような略扇型をしており、鏡胴から垂設された回転軸２２回りに図中の矢印Ｄ １、Ｄ２方向に揺動自在にされている。このカム板１には円弧状のラック１０が 一体形成されており、このラック１０に歯合するピニオン１１の正逆方向の回動 動作にともない、カム板１を矢印Ｄ１、Ｄ２方向に揺動するように構成されてい る。

【００１９】 以上の構成によれば、カム板１は回転軸２２回りに揺動自在に設けられている ので、組み付け時の作業性及び耐久性が第１実施例に比較してより向上する利点 がある。

【００２０】 尚、上記各実施例によれば、ビデオカメラ用に限定したが、これに限定されず 一般スチールカメラにも適用可能なことは無論である。また、移動枠の設置数は 適宜設定可能であり、これにしたがってカム溝が設けられる。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明のように、本考案のカメラ用レンズ駆動装置によれば、小型化に有利 であり、かつ撮像用レンズ手段と光学式のビューファインダーを備える場合にお いて、各移動レンズ系の動力伝達系をシンプルに構成できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例のカメラ用レンズ駆動装置の平面図
である。

【図２】図１のＸ−Ｘ矢視断面図である。

【図３】第１実施例のカメラ用レンズ駆動装置の外観斜
視図である。

【図４】第２実施例のカメラ用レンズ駆動装置の平面図
である。

【図５】第２実施例のカメラ用レンズ駆動装置の外観斜
視図である。

【符合の説明】

１…カム板、２…案内ピン、４…第１カム溝、５…第２
カム溝、７…第１案内ピン、８…第２案内ピン、１０…
ラック、１２…モータである。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定レンズ系と移動レンズ系を備えてな
   る撮像用レンズ手段と光学式ビューファインダーとを備
   えてなり、前記移動レンズ系を所定駆動するにともない
   同期して光学式ビューファインダーのファインダー用レ
   ンズ系を駆動するカメラ用レンズ駆動装置であって、 前記移動レンズ系と前記ファインダー用レンズ系の夫々
   の光学的条件を満たす形状を有してなるカム溝を複数分
   設けてなる平板状のカム板と、 該カム板を各レンズ系の光軸方向に略直交する方向に平
   行に駆動する駆動手段と、 前記移動レンズ系と前記ファインダー用の各移動枠に固
   定された案内ピンと、を具備してなり、 該案内ピンを前記カム溝により摺動案内するように構成
   したことを特徴とするカメラ用レンズ駆動装置。
2. 【請求項２】 固定レンズ系と移動レンズ系を備えてな
   る撮像用レンズ手段と光学式ビューファインダーとを備
   えてなり、前記移動レンズ系を所定駆動するにともない
   同期して光学式ビューファインダーのファインダー用レ
   ンズ系を駆動するカメラ用レンズ駆動装置であって、 前記移動レンズ系と前記ファインダー用レンズ系の夫々
   の光学的条件を満たす形状を有してなるカム溝を複数分
   設けてなるとともに固定軸により揺動自在に保持される
   カム板と、 該カム板を揺動駆動する駆動手段と、 前記移動レンズ系と前記ファインダー用の各移動枠に固
   定された案内ピンと、を具備してなり、 該案内ピンを前記カム溝により摺動案内するように構成
   したことを特徴とするカメラ用レンズ駆動装置。