JPH0735847Y2 - 車止め用支柱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は支柱を用いた車止め装置に関し、さらに具体的
に言えば、支柱間に掛け渡されるチェーン等長尺部材を
内部に収納できるタイプの車止め用支柱に関する。

（従来の技術及び考案が解釈しようとする課題） 立設した支柱間にチェーン等長尺部材を掛け渡して車の
侵入を阻止する車止め装置が広く用いられている。この
ような車止め装置の中には、使用時に支柱とは別体のチ
ェーンを支柱の掛留め部に掛ける型式のものもあるが、
一本の支柱の内部にチェーンの大部分が収納されてい
て、その支柱の側部開口の外側に留まるチェーンの一端
を引いてチェーンを引き出し、その一端を他の支柱に掛
留めする型式のものもある。この場合、支柱内部にチェ
ーンホイールを装置してチェーンを掛け、チェーンの引
出しを容易にすると共に、支柱内部にあるチェーンの他
端に錘しを吊し、チェーンを支柱内の収容し易くしたも
のがある。しかし、この場合でも、錘しが支柱内底部に
到達してしまうと錘しはそれ以上チェーンへ下向の力を
作用させることはできず、チェーンホイールから支柱底
部の間に吊り下がるチェーンの部分が下向き荷重として
作用するのみで、これだけではチェーンの残余を自動的
に収納するには不足であり、支柱の外に残っているチェ
ーンの部分を手に持って負荷を軽くして補助してやらね
ばならないのが実情である。

またチェーン収納型の支柱には、支柱本体内でその軸方
向に伸びる軸上端にカサ歯車を設け、チェーンホイール
用のカサ歯車をこれに噛合させ、軸の周囲にトーション
バネを配したものがある。この場合チェーンを引き出す
につれてトーションバネが諦められ、その復元力により
チェーンを巻取り、収納するのであるが、トーションバ
ネによるバネ力の変化量が極めて大きく、チェーンの最
大引き出し時には極めて大きな力を要する反面、チェー
ンの巻取り最終時には力が小さくなり、巻取りを手で補
助しなければならない場合も生ずる。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記課題を解決すべくなされたものであり、チ
ェーンの引出しが容易でチェーンの支柱内への収納は完
全に自動的になされるようにしたチェーン内蔵型の車止
め用支柱を提供することを目的とする。また本考案は構
造が簡単で比較的に小型で、かつ安価に製造できる車止
め用支柱の提供もその目的とする。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案は、車止め装置に使用
する支柱であって、支柱間に架け渡すチェーンを一方の
支柱内部に設けたチェーンホイールに掛け回し、チェー
ンの一端をその支柱の壁に形成した開口を通して支柱の
外に留どめ、他端を支柱内部に留どめ、チェーンの支柱
内部からの引き出し、収納を可能にしたチェーン収納可
能型支柱において、固定軸回りに前記チェーンホイール
と一体回転する回転部材と、移動滑車と、一端が回転部
材に取り付けられ、移動滑車に掛け回されたワイヤと、
移動滑車に回転部材から遠ざかる方向への付勢力を常時
付与する付勢手段と設けて構成したものである。

（実施例） 以下図面に基づき本考案の一実施例を説明する。

第１図は本考案の実施例に係る支柱１の側断面図であ
り、第２図は支柱の本体２の背壁2aを切欠いてある背面
図である。

３は本体２の側壁2bに固設された軸４上で回転自在なチ
ェーンホイールであり、チェーン５が図示の如く掛け回
わされ、そのチェーンの一端は本体２内にあり、他端は
本体２の外にある。

６は後述のワイヤ７の一端が固定されたワイヤドラムで
あり、これが回転することによりワイヤ７が巻取られ、
あるいはほどかれる。尚、ワイヤドラム６はチェーンホ
イールと一体に回転するようになっている。

8a,8bは同一寸法の滑車で、軸９上でそれぞれ回転自在
に装置され、固定滑車アセンブリ10を構成している。

11a,11bはやはり同一寸法の滑車であり、ホルダ12に設
けられた軸13上で回転自在となっており、移動滑車アセ
ンブリ14を構成している。

15は引張りコイルバネであり、その一端は移動滑車14の
ホルダ12に、他端は本体２の下部に設けられたピン16に
掛止めされている。

ワイヤ７は第１図に示されるように、その一端がワイヤ
ドラムに固定され、移動滑車アセンブリ14の第１の滑車
11a、固定滑車アセンブリ10の第１の滑車8a、移動滑車
アセンブリ14の第２の滑車11b、固定滑車アセンブリ10
の第２の滑車8bにこの順序で掛け回わされ、その反対側
端部がホルダ12に取付けられている。尚、第２図におい
ては図面が不明瞭化するのを避けるために、ワイヤ７は
省略してある。

以上の如く構成された支柱１において、バネ15は移動滑
車アセンブリ14を下方へ移動させ、それに伴ないワイヤ
ドラム６は第１図において時計方向へ回転し、ワイヤド
ラム６からワイヤ７がほどかれる。同時にチェーンホイ
ール３も時計方向に回転し、チェーン５を本体内へと巻
取り、収納する。チェーン５を他の支柱等に掛ける場合
には、本体２の外部に留まるチェーンの一端を持ってバ
ネ15の力に抗して引張って本体２内から引出すことがで
きる。この際移動滑車アセンブリは上方へ移動する。
尚、本実施例においてはチェーン７の移動量は移動滑車
アセンブリ14の移動量の５倍となる。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、本考案によるチェーン
収納可能型支柱によれば、チェーンの引き出し、巻戻し
がスムーズに行なえ、特にその支柱本体内への巻戻し収
納が完全に自動的に行なうことができ、極めて便宜であ
る。

また、移動滑車を用いているので、バネの僅かな伸縮量
をチェーンの大きな移動量に変換できる。このことによ
り、バネ力の変化量が比較的に小さく、チェーンの最大
引き出し時にも過大な引張り力を必要とせず、一方巻取
り最終的にも巻取りに十分な力を得ることができる。ま
た移動滑車の移動量が極めて少くて済むので、支柱の高
さは低くすることができ、軽量化が可能で、取扱いに便
宜である。

さらに、本考案の構成はきわめて簡単で、その構成部材
の製作、それらの組立ても容易であり、安価な車止め用
支柱が提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る支柱の側断面図、第２図
はその背面図である。 ２…本体、３…チェーンホイール、５…チェーン、６…
ワイヤドラム、７…ワイヤ、10…固定滑車アセンブリ、
14…移動滑車アセンブリ、15…バネ。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車止め装置に使用する支柱であって、支柱
   間に架け渡すチェーンを前記支柱内部に設けたチェーン
   ホイールに掛け回し、前記チェーンの一端を前記支柱の
   壁に形成した開口を通して前記支柱の外に留どめ、他端
   を支柱内部に留どめ、前記チェーンの前記支柱内部から
   の引き出し、収納を可能にしたチェーン収納可能型支柱
   において、固定軸回りに前記チェーンホイールと一体回
   転する回転部材と、移動滑車と、一端が前記回転部材に
   取り付けられ、前記移動滑車に掛け回されたワイヤと、
   前記移動滑車に前記回転部材から遠ざかる方向への付勢
   力を常時付与する付勢手段とを備えたことを特徴とする
   車止め用支柱。
2. 【請求項２】請求項１に記載の車止め用支柱において、
   前記回転部材と前記移動滑車との間において固定軸に装
   置された固定滑車をさらに備えている車止め用支柱。
3. 【請求項３】請求項２に記載の車止め用支柱において、
   前記移動滑車と前記固定滑車とはそれぞれ２個並列に設
   けられ、前記ワイヤの他端は前記移動滑車のホルダに固
   定されている車止め用支柱。