JPH0735804Y2

JPH0735804Y2 - シートベルト収納構造

Info

Publication number: JPH0735804Y2
Application number: JP1989077882U
Authority: JP
Inventors: 太志安井; 秀雄新堀
Original assignee: Tachi S Co Ltd
Current assignee: Tachi S Co Ltd
Priority date: 1989-06-30
Filing date: 1989-06-30
Publication date: 1995-08-16
Anticipated expiration: 2004-06-30
Also published as: JPH0316562U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案は、シートベルトのウェービング端末を保持、
収納可能なシートベルト収納構造に関する。

〔従来の技術〕

着座者の飛出しを防止するシートベルトが自動車用シー
トに広く装着されている。シートベルトは、端末にバッ
クル、または、タングの固定された一対のウェービング
を備えて構成されている。そして、タングをバックルに
挿入、固定し、ウェービング端末を相互に連結するとと
もに、長さを適当に調整して、シートベルトが使用され
ている。

たとえば、ベンチシートからなるリヤシートに装着され
たシートベルトにおいて、非使用時のシートベルトのウ
ェービングは、一般に、端末のバックル、タングととも
にシートクッション上に放置される。ここで、一般に、
タングサイドのウェービングは、バックルサイドのウェ
ービングに比較して長く形成される。そのため、特に、
タングサイドのウェービングが着座者の乗降を妨げた
り、シートクッション上から落下して、シートベルトの
使用を煩雑化する虞れがある。また、シートクッション
上に放置されたウェービング端末のバックル、タング
が、走行中の振動等によってバタつき、ドライバーの集
中力を散漫化させる虞れがあるため、好ましくない。そ
こで、シートベルトの非使用時に、ウェービング端末の
バックル、タングを収納するシートベルト収納構造が知
られている。

公知のシートベルト収納構造として、たとえば、ウェー
ビング端末を収納可能に別部材から成形された収納ボッ
クスや袋状の収納ポケットを、シートバックに備えたも
のが知られている。たとえば、収納ボックスは合成樹脂
等から、また、収納ポケットは布等から成形され、シー
トバックのクッション体に予め形成された凹部に組込ま
れて構成されている。

このような構成によれば、シートベルトの非使用時に、
ウェービング端末のバックル、タングが収納ボックスや
収納ポケットに収納できるため、走行時でのバックル、
タングのバタつきの発生が防止されるとともに、バック
ル、タングによって、乗降が妨害されることもない。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記のように、公知のシートベルト収納構造は、シート
ベルトのウェービング端末を収納可能に別部材から形成
された収納ボックスや袋状の収納ポケットを、シートバ
ックに設けて構成されている。

しかしながら、公知の構成においては、収納ボックスは
合成樹脂等から、また、収納ポケットは布等から別部材
として成形され、シートバックのクッション体に形成さ
れた凹部に組込まれているる。つまり、収納ボックス、
収納ポケット等の別部材が必要であるため、コスト的に
高価となる虞れがある。また、シートバックのクッショ
ン体に予め凹部を形成する必要があるとともに、その凹
部内に収納ボックス、収納ポケット等を組込むため、シ
ートバックの組立作業が煩雑化される。

更に、シートバックのクッション体の凹部のために、ク
ッション体を覆う表皮に切欠きを設ける必要がある。表
皮の切欠きは、シートバックの外観品質を低下させるた
め、好ましくない。

この考案は、外観品質の低下を防止するとともに、構成
の簡素化された安価なシートベルト収納構造の提供を目
的としている。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するために、この考案によれば、シート
バック上端に設けられたヘッドレストホルダーに着目し
ている。そして、この考案の一実施例によれば、ヘッド
レストホルダーを左右一体形に成形し、シートベルトの
ウェービング端末の保持、収納可能な係止手段を、ヘッ
ドレストホルダーに一体的に設けている。

〔実施例〕

以下、図面を参照しながらこの考案の実施例について詳
細に説明する。

第１図、第２図に示すように、この考案に係るシートベ
ルト収納構造10は、シートバック12上端に取付けられて
ヘッドレスト14の一対のステー16の挿入されるヘッドレ
ストホルダー18を利用して構成されている。

ヘッドレストホルダー18は、たとえば、合成樹脂等から
左右一体形に成形され、第１図、第３図に示すように、
ステー16の挿通可能な貫通孔20を有する一対のステーガ
イド22が下方に延出されている。そして、シートバック
12上端の挿通孔24にステーガイド22が挿入され、シート
バック内のブラケット26に嵌入、固定されて、ヘッドレ
スホルダー18がシートバック上端に取付けられる。ブラ
ケット26は、たとえば、上端のシートバックフレーム28
に固着されている。ここで、第１図、第３図に示すよう
に、たとえば、ヘッドレストホルダーのステーガイド22
は、たとえば、切欠き30による弾性のもとで、ブラケッ
ト26に係止可能なフック32を下端に有して構成されてい
る。このような構成では、ブラケット26へのステーガイ
ド22の嵌入と同時に、フック32が弾性のもとでブラケッ
トに係止されて、ヘッドレストホルダー18がシートバッ
ク12上端に固定される。

ここで、この考案によれば、たとえば、シートベルトの
ウェービング34端末のタング36を保持、収納可能な係止
手段38が、ヘッドレストホルダー18に一体的に形成され
ている。第１図、第２図を見るとわかるように、係止手
段38は、たとえば、一対の貫通孔20間に設けられ、前方
にタングの挿入可能な開口40を有するボックス状に成形
されている。そして、第１図、第４図を見るとよくわか
るように、係止手段38は、たとえば、タング36の係止孔
42に係止可能な係止片44を上端に備え、係止片は、略コ
字形の切溝46を介して形成されている。係止片44は、前
端、後端にテーパ面44a,44bをそれぞれ有する形状とさ
れる。

このような構成によれば、ウェービング34端末のタング
36が、開口40から係止手段38に挿入され、タングの先端
が、係止片前端のテーパ面44aに当接されると、テーパ
面44aによって、係止片44が弾性のもとで上方へ逃げ、
タングの挿入が許容される。そして、タング36が更に挿
入されて、タングの係止孔42が係止片44と整列される
と、係止片が弾性のもとで初期位置に復帰して係止孔に
係止され、タングが係止手段38に保持、収納される。ま
た、係止手段38の係止片44の弾性に抗する牽引力によっ
てタング36を牽引すると、タングの係止孔42の周壁、テ
ーパ面44bが当接し、テーパ面に沿って係止片が上方に
逃げ、係止手段からのタングの取外しが許容される。

ここで、タング36の幅に対応する距離において、係止手
段38の下方でヘッドレストホルダー18に段差47を設け、
タング挿入時のガイドとすることが好ましい。

上記のように、この考案によれば、シートバック12上端
に取付けられたヘッドレストホルダー18を利用し、シー
トベルトのウェービング34端末に取付けられたタング36
を保持、収納可能な係止手段38をヘッドレストホルダー
に一体的に設けている。つまり、公知の構成のように、
収納ボックス、収納ポケット等の別部材を必要しないた
め、シートベルト収納構造10が安価に構成できる。

また、ヘッドレストホルダー18は、シートバック12に凹
部を形成することなく、シートバック上端に取付けられ
るため、シートバックの組立作業が容易に行なえる。

更に、シートバック12のクッション体、表皮等に凹部を
設ける必要がないため、シートバックの外観品質が向上
される。

なお、タング36と一対をなすウェービング48の端末のバ
ックル50は、たとえば、シートクッション52の貫通孔
（図示しない）に取付けられたシートプロテクター54を
介して、シートクッションの下方からシートクッション
上面に延出される（第２図参照）。そして、ヘッドレス
トホルダーの係止手段38から取外されたタング36をバッ
クル50に挿着して、シートベルトが使用される。また、
非使用時において、バックル50は、たとえば、ウェービ
ング48とともに、シートプロテクター54内に収納され
る。シートプロテクター54は、たとえば、公知の構成と
され、ウェービング48とともにバックル50を収納可能で
あれば足りるため、詳細に説明しない。

ここで、実施例において、シートベルト収納構造10は、
タング36を保持、収納可能に構成されているが、この構
成に限定されず、たとえば、バックル50を保持、収納可
能な構成としてもよい。しかし、バックルサイドのウェ
ービング48は、一般に、タングサイドのウェービング34
に比較して短く形成されるため、この実施例のように、
タング36を保持、収納可能なシートベルト収納構造10と
して構成することが好ましい。

また、実施例において、係止手段38は、タング36の係止
孔42に係止可能な係止片44を上端に有して構成されてい
る。しかし、ウェービング34端末のタング36を保持、収
納可能であれば足りるため、係止手段38は、他の構成と
してもよい。

また、係止手段38は、ヘッドレストホルダー18の一対の
貫通孔20間に設けられた構成に具体化されているが、こ
れに限定されず、左右の貫通孔のいずれか一方の外方に
設ける構成としてもよい。しかし、係止手段38を一対の
貫通孔20間に設ける構成とすれば、ヘッドレストホルダ
ー18がより小さく成形できるため、ヘッドレストホルダ
ー自体が安価に成形できるとともに、左右対称形となる
ため、外観品質の低下が防止できる。

更に、実施例において、ヘッドレストホルダー18は、左
右一体形に成形され、ステー16の挿入される一対の貫通
孔22間に、タング36を保持、収納可能な係止手段38が一
体的に設けられている。しかし、左右一体形のヘッドレ
スホルダー18に限定されず、たとえば、左右独立形のヘ
ッドレスホルダーにもこの考案のシートベルト収納構造
10が応用できる。この場合、ウェービング34端末のタン
グの保持される係止手段38は、左右一対のヘッドレスト
ホルダーのうち、いずれか一方に、一体的に設けられ
る。そして、係止手段が一対のヘッドレストホルダー間
に位置するように、係止手段38の設けられたヘッドレス
トホルダーをシートバック12上端に取付けるとよい。

上述した実施例は、この考案を説明するためのものであ
り、この考案を何等限定するものでなく、この考案の技
術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの考案
に包含されることはいうまでもない。

〔考案の効果〕

上記のように、この考案に係るシートベルト収納構造に
よれば、シートバック上端に取付けられたヘッドレスト
ホルダーを利用し、シートベルトのウェービング端末を
保持、収納可能な係止手段をヘッドレストホルダーに一
体的に設けている。そのため、収納ボックス、収納ポケ
ット等の別部材を必要とすることなく構成でき、安価な
シートベルト収納構造が容易に得られる。

また、ヘッドレストホルダーは、シートバックに凹部を
形成することなく、シートバック上端に取付けられるた
め、シートバックの組立作業が容易に行なえる。

更に、シートバックのクッション体、表皮等に凹部を設
ける必要がないため、シートバックの外観品質が向上さ
れる。

また、係止手段を一対の貫通孔間に設ける構成とすれ
ば、左右一体形のヘッドレストホルダーが小さく成形で
きるため、ヘッドレストホルダー自体が安価に成形でき
るとともに、左右対称形となり、外観品質の低下が防止
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係るシートベルト収納構造の概略
斜視図、第２図は、シートベルト収納構造の挿着されたシートの
概略斜視図、第３図は、第２図の線III-IIIに沿った端面図、第４図は、第２図の線IV-IVに沿った端面図である。 10:シートベルト収納構造、12:シートバック、14:ヘッ
ドレスト、16:ステー、18:ヘッドレストホルダー、20:
貫通孔、22:ステーガイド、34:タングサイドのウェービ
ング、36:タング、38:係止手段、44:係止片、48:バック
ルサイドのウェービング、50:バックル。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】シートベルトのウェービング端末を保持、
収納可能なシートベルト収納構造において、シートバック上端に取付けられ、ヘッドレストの一対の
ステーの挿着されるヘッドレストホルダーを左右一体形
に成形し、シートベルトのウェービング端末を保持、収納可能な係
止手段が、ヘッドレストホルダーに一体的に設けられた
ことを特徴とするシートベルト収納構造。
【請求項２】シートベルトのウェービング端末を保持、
収納可能なシートベルト収納構造において、シートバック上端に取付けられ、ヘッドレストの一対の
ステーの挿着されるヘッドレストホルダーを左右一体形
に成形し、シートベルトのウェービング端末を保持、収納可能な係
止手段が、ヘッドレストのステーの挿入される一対の貫
通孔間でヘッドレストホルダーに一体的に設けられたこ
とを特徴とするシートベルト収納構造。