JPH0735660B2 - ヘドロ固化処理浚渫工法 - Google Patents
ヘドロ固化処理浚渫工法Info
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- JPH0735660B2 JPH0735660B2 JP63323973A JP32397388A JPH0735660B2 JP H0735660 B2 JPH0735660 B2 JP H0735660B2 JP 63323973 A JP63323973 A JP 63323973A JP 32397388 A JP32397388 A JP 32397388A JP H0735660 B2 JPH0735660 B2 JP H0735660B2
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- hydrogen sulfide
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はヘドロの固化処理浚渫工法に関する。
従来の技術 従来、海底や河川、湖沼に堆積したヘドロ(有機質、無
機質の微細な沈澱物)をグラブによって浚渫排除する方
法は、たとえば特公昭58-54216号公報に開示されてい
る。これは、ヘドロ堆積域を鋼製止水壁で区画し、区画
内の表層水を排出した後、この区画内のヘドロ層中へ、
水ガラス系薬剤と酸性中和剤を注入混合し、これにより
区画内のヘドロ層全体を元位置でゲル化して、流動性を
消滅させたゼリー状にした後にグラブにより浚渫を行な
うものである。
機質の微細な沈澱物)をグラブによって浚渫排除する方
法は、たとえば特公昭58-54216号公報に開示されてい
る。これは、ヘドロ堆積域を鋼製止水壁で区画し、区画
内の表層水を排出した後、この区画内のヘドロ層中へ、
水ガラス系薬剤と酸性中和剤を注入混合し、これにより
区画内のヘドロ層全体を元位置でゲル化して、流動性を
消滅させたゼリー状にした後にグラブにより浚渫を行な
うものである。
発明が解決しようとする課題 しかし、従来の方法では、ヘドロをゲル化する場合に、
酸性中和剤を注入して撹拌すると、ヘドロに含有される
硫黄分が悪臭物質(以下硫化水素という)化し、もとも
とヘドロ中に含まれた前記物質と共に、大気中に放散し
て浚渫工事現場の周囲に悪臭公害を発生させ、浚渫工事
の中断を余儀無くさせられることがあった。
酸性中和剤を注入して撹拌すると、ヘドロに含有される
硫黄分が悪臭物質(以下硫化水素という)化し、もとも
とヘドロ中に含まれた前記物質と共に、大気中に放散し
て浚渫工事現場の周囲に悪臭公害を発生させ、浚渫工事
の中断を余儀無くさせられることがあった。
本発明は上記問題点を解決して、硫化水素の発生をきわ
めて少なくでき、浚渫工事現場およびその周囲の環境を
向上できるヘドロ固化処理浚渫工法を提供することを目
的とする。
めて少なくでき、浚渫工事現場およびその周囲の環境を
向上できるヘドロ固化処理浚渫工法を提供することを目
的とする。
課題を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明は、ヘドロ堆積域を
止水壁で区画し、区画内の表層水を排出した後、この区
画内のヘドロ層中へ、水ガラス系薬剤と酸性中和剤を注
入混合し、これにより区画内のヘドロ層全体を原位置で
ゲル化して、流動性を消滅させたゼリー状にした後に浚
渫を行うヘドロ固化処理浚渫工法において、最初に水ガ
ラス系薬剤をヘドロ層に注入して撹拌した後、次に酸性
中和剤を区画内のヘドロ層の中層部および下層部の両方
または一方に注入し、酸性中和剤と反応して発生する硫
化水素を上層部のヘドロにより封じ込めるものである。
止水壁で区画し、区画内の表層水を排出した後、この区
画内のヘドロ層中へ、水ガラス系薬剤と酸性中和剤を注
入混合し、これにより区画内のヘドロ層全体を原位置で
ゲル化して、流動性を消滅させたゼリー状にした後に浚
渫を行うヘドロ固化処理浚渫工法において、最初に水ガ
ラス系薬剤をヘドロ層に注入して撹拌した後、次に酸性
中和剤を区画内のヘドロ層の中層部および下層部の両方
または一方に注入し、酸性中和剤と反応して発生する硫
化水素を上層部のヘドロにより封じ込めるものである。
作用 上記方法において、酸性中和剤を中層部および下層部で
比較的温度の低い部分に注入混合することで、硫化水素
の発生量を減少させるとともに、硫化水素を上層部のヘ
ドロによって大気拡散を封じ込めること、水ガラス系薬
剤によりアルカリ性で溶解度の高いヘドロ中の水に硫化
水素を効果的に溶解させること、酸性中和剤を前もって
注入撹拌された水ガラス系薬剤(アルカリ性)とを反応
させて中性域にすることにより、硫化水素の発生を抑制
して大気への拡散を大幅に減少させ、作業環境や周囲住
民の生活環境への悪臭公害を防止できる。
比較的温度の低い部分に注入混合することで、硫化水素
の発生量を減少させるとともに、硫化水素を上層部のヘ
ドロによって大気拡散を封じ込めること、水ガラス系薬
剤によりアルカリ性で溶解度の高いヘドロ中の水に硫化
水素を効果的に溶解させること、酸性中和剤を前もって
注入撹拌された水ガラス系薬剤(アルカリ性)とを反応
させて中性域にすることにより、硫化水素の発生を抑制
して大気への拡散を大幅に減少させ、作業環境や周囲住
民の生活環境への悪臭公害を防止できる。
実施例 以下本発明の第1の実施例を第1図〜第4図に基づいて
説明する。
説明する。
第1図〜第3図において、1は鋼板製あるいは鋼矢板な
どからなる筒状の止水壁で、陸上または台船2付クレー
ンなどの重機2aによりヘドロ堆積域に降下して設置さ
れ、ヘドロ堆積域を区画3する。4は区画3内の表層水
5を排水する水中ポンプで、止水壁1の設置後に重機2a
により区画3内に搬入配置され、排水後は区画3内から
搬出される。
どからなる筒状の止水壁で、陸上または台船2付クレー
ンなどの重機2aによりヘドロ堆積域に降下して設置さ
れ、ヘドロ堆積域を区画3する。4は区画3内の表層水
5を排水する水中ポンプで、止水壁1の設置後に重機2a
により区画3内に搬入配置され、排水後は区画3内から
搬出される。
6は止水壁1内のヘドロ7に上方から水ガラス系薬剤溶
液(たとえば珪酸ソーダや硅酸カリ溶液)を注入供給す
る水ガラス注入管で、前記水ガラスは強いアルカリ性で
あるが、酸(硫酸、塩酸、炭酸、有機酸など)を加えて
PH=7前後の中性域にすると、硅酸(SiO2)が重合し、
SiO2の濃度が高い(2%以上)と水とも固体化する。ま
たSiO2の濃度が低い(0.5%〜2%)ときは、ゲル化し
てゼリー状を呈する。したがって水ガラスをヘドロ中に
混合し中和すれば、ヘドロ全体がゼリー状になり浚渫に
好都合になる。また水ガラスは、その中に含まれるナト
リウムイオン、カリウムイオンと金属イオンM+とが交
換される性質があり、したがって重金属を結合すること
はよく知られていることである。水ガラスは無機質であ
り、ゲル化点がPH=7であることから水質を悪化させる
こともない。また水ガラスはセメントや石灰のような固
定ではなく液体であることから、ヘドロとの混合が比較
的容易である。
液(たとえば珪酸ソーダや硅酸カリ溶液)を注入供給す
る水ガラス注入管で、前記水ガラスは強いアルカリ性で
あるが、酸(硫酸、塩酸、炭酸、有機酸など)を加えて
PH=7前後の中性域にすると、硅酸(SiO2)が重合し、
SiO2の濃度が高い(2%以上)と水とも固体化する。ま
たSiO2の濃度が低い(0.5%〜2%)ときは、ゲル化し
てゼリー状を呈する。したがって水ガラスをヘドロ中に
混合し中和すれば、ヘドロ全体がゼリー状になり浚渫に
好都合になる。また水ガラスは、その中に含まれるナト
リウムイオン、カリウムイオンと金属イオンM+とが交
換される性質があり、したがって重金属を結合すること
はよく知られていることである。水ガラスは無機質であ
り、ゲル化点がPH=7であることから水質を悪化させる
こともない。また水ガラスはセメントや石灰のような固
定ではなく液体であることから、ヘドロとの混合が比較
的容易である。
8は陸上または台船2付重機2aに配設されたグラブで、
止水壁1内のヘドロ7を撹拌するとともに、ゲル化後の
ヘドロ7を運搬船などに積み込む。このグラブ8にはヘ
ドロ7の撹拌を促進するアングル材9が取付けられてい
る。10は前記グラブ8に配設された酸性中和剤注入管
で、グラブ8の先端内外部複数ヶ所に開口する。前記酸
性中和剤はたとえば硫酸、塩酸、炭酸、有機酸などが、
酸性ゾルとして使用され、これら酸性中和剤は、水ガラ
ス系薬剤溶剤に比べて粘性が低くヘドロ層内への浸透性
がよい。
止水壁1内のヘドロ7を撹拌するとともに、ゲル化後の
ヘドロ7を運搬船などに積み込む。このグラブ8にはヘ
ドロ7の撹拌を促進するアングル材9が取付けられてい
る。10は前記グラブ8に配設された酸性中和剤注入管
で、グラブ8の先端内外部複数ヶ所に開口する。前記酸
性中和剤はたとえば硫酸、塩酸、炭酸、有機酸などが、
酸性ゾルとして使用され、これら酸性中和剤は、水ガラ
ス系薬剤溶剤に比べて粘性が低くヘドロ層内への浸透性
がよい。
次に固化処理浚渫工法について説明する。
まず、第2図に示すように、台船2付の重機2aにより止
水壁1をヘドロ堆積域の所定位置に降下させて位置し、
区画3を形成する。次に、第3図に示すように、水中ポ
ンプ4により、区画3内の表層水5を排水する。そし
て、水ガラス注入管6から水ガラスをヘドロ7上に供給
し、第1図に示すように、グラブ8を上下開閉運動させ
て区画3内のヘドロ7を撹拌する。その後、酸性中和剤
注入管10からヘドロ7の中層部および下層部の両方また
はどちらか一方に酸性ゾルを注入する。(この時にはグ
ラブ8の上下運動は行わない。)これにより、酸性ゾル
の浸透圧でヘドロ7の中層部および下層部から上層部に
いたるまで酸性ゾルを浸透させて、水ガラスの中性化を
図る。
水壁1をヘドロ堆積域の所定位置に降下させて位置し、
区画3を形成する。次に、第3図に示すように、水中ポ
ンプ4により、区画3内の表層水5を排水する。そし
て、水ガラス注入管6から水ガラスをヘドロ7上に供給
し、第1図に示すように、グラブ8を上下開閉運動させ
て区画3内のヘドロ7を撹拌する。その後、酸性中和剤
注入管10からヘドロ7の中層部および下層部の両方また
はどちらか一方に酸性ゾルを注入する。(この時にはグ
ラブ8の上下運動は行わない。)これにより、酸性ゾル
の浸透圧でヘドロ7の中層部および下層部から上層部に
いたるまで酸性ゾルを浸透させて、水ガラスの中性化を
図る。
この時発生する悪臭物質、特に硫化水素はヘドロ7の上
層部によって封じ込められるとともに、硫化水素がヘド
ロ7の表面に上昇する途中にヘドロ7中の水に溶解され
て、ヘドロ7からの硫化水素の発生を大幅に抑制するこ
とができる。
層部によって封じ込められるとともに、硫化水素がヘド
ロ7の表面に上昇する途中にヘドロ7中の水に溶解され
て、ヘドロ7からの硫化水素の発生を大幅に抑制するこ
とができる。
すなわち、 (1)悪臭物質の発生量はヘドロの温度と密接な関係が
あり、外気温度が1度下がれば発生量が約10%減少する
ことが知られている。したがって、ヘドロ7の上層部と
中層部あるいは下層部とは大きい温度差があって中層
部、下層部の方が低温であるため、硫化水素の発生量を
抑制できること。
あり、外気温度が1度下がれば発生量が約10%減少する
ことが知られている。したがって、ヘドロ7の上層部と
中層部あるいは下層部とは大きい温度差があって中層
部、下層部の方が低温であるため、硫化水素の発生量を
抑制できること。
(2)また上層部のヘドロにより硫化水素が封じ込めら
れることにより、発生した硫化水素が少なくとも上層部
のヘドロを通過して大気中に放散されることになり、硫
化水素は、中和前でアルカリ性であり溶解度が高いヘド
ロ中の水に大部分が溶解されること。
れることにより、発生した硫化水素が少なくとも上層部
のヘドロを通過して大気中に放散されることになり、硫
化水素は、中和前でアルカリ性であり溶解度が高いヘド
ロ中の水に大部分が溶解されること。
(3)前に注入混合した水ガラス系薬剤(アルカリ性)
とによる中和化によって、硫化水素の発生を抑制できる
こと。
とによる中和化によって、硫化水素の発生を抑制できる
こと。
などの点において、大気中に放散される硫化水素量を大
幅に抑制することができる。
幅に抑制することができる。
また、酸性中和剤(酸性ゲル)は浸透性が高いことか
ら、酸性中和剤の浸透圧を所定以上に付加することによ
り、ヘドロ7の中層部および下層部内から上層部に至る
まで均等に浸透させて、水ガラス系薬剤によりアルカリ
性になったヘドロを中性化してゲル化することができ
る。
ら、酸性中和剤の浸透圧を所定以上に付加することによ
り、ヘドロ7の中層部および下層部内から上層部に至る
まで均等に浸透させて、水ガラス系薬剤によりアルカリ
性になったヘドロを中性化してゲル化することができ
る。
つぎに、酸性ゾルを充分に浸透させた後、浸透が不十分
となりやすいヘドロ層7の上層部に酸性ゾルの浸透をよ
り促進するために、グラブ8を上下開閉運動させてヘド
ロ7を撹拌し、その後十数分静置してヘドロ7をゲル化
し、流動性を消滅させたゼリー状にする。そして、浚渫
用のグラブ8あるいはバケット等によってゼリー状のヘ
ドロ7を運搬船などに積み込み、ヘドロ7を浚渫除去す
る。
となりやすいヘドロ層7の上層部に酸性ゾルの浸透をよ
り促進するために、グラブ8を上下開閉運動させてヘド
ロ7を撹拌し、その後十数分静置してヘドロ7をゲル化
し、流動性を消滅させたゼリー状にする。そして、浚渫
用のグラブ8あるいはバケット等によってゼリー状のヘ
ドロ7を運搬船などに積み込み、ヘドロ7を浚渫除去す
る。
次にこの固化処理浚渫工法による硫化水素の発生濃度を
第4図と第1表に基づいて説明する。
第4図と第1表に基づいて説明する。
第4図に示すようにヘドロ堆積域の周囲の陸上に防護シ
ート11を立設し、空気より重い硫化水素などの放散と流
出を防止している。濃度測定は止水壁1上方の発生源
(イ)と防護シートの境界位置(ロ)で、発生源(イ)
については生ヘドロ時、2倍希釈の水ガラス系薬剤(水
ガラスJIS3号)の注入撹拌時と酸性中和剤(2倍希釈の
水ガラスJIS3号+10%硫酸溶液)注入後の撹拌時に測定
し、境界位置(ロ)については酸化ゾル注入撹拌時に測
定した。そして、複数の区画について測定を行った結果
を第1表に示す。
ート11を立設し、空気より重い硫化水素などの放散と流
出を防止している。濃度測定は止水壁1上方の発生源
(イ)と防護シートの境界位置(ロ)で、発生源(イ)
については生ヘドロ時、2倍希釈の水ガラス系薬剤(水
ガラスJIS3号)の注入撹拌時と酸性中和剤(2倍希釈の
水ガラスJIS3号+10%硫酸溶液)注入後の撹拌時に測定
し、境界位置(ロ)については酸化ゾル注入撹拌時に測
定した。そして、複数の区画について測定を行った結果
を第1表に示す。
上記第1表によれば発生源(イ)においては、労働安全
衛生法における基準値10ppmを下まわり、作業員につい
ても良好な作業環境が維持できることがわかる。また、
境界位置(ロ)においては、硫化水素はほとんど検出さ
れず、周囲環境に悪臭公害を及ぼすこともなかった。
衛生法における基準値10ppmを下まわり、作業員につい
ても良好な作業環境が維持できることがわかる。また、
境界位置(ロ)においては、硫化水素はほとんど検出さ
れず、周囲環境に悪臭公害を及ぼすこともなかった。
第5図は第2の実施例を示し、これは酸性中和剤注入管
20を止水壁1の内部に配設して止水壁1の中間部および
下部に開口20aさせたもので、この酸性中和剤注入管20
からヘドロ7の中層部および下層部の両方または一方に
酸性ゾルが注入される。
20を止水壁1の内部に配設して止水壁1の中間部および
下部に開口20aさせたもので、この酸性中和剤注入管20
からヘドロ7の中層部および下層部の両方または一方に
酸性ゾルが注入される。
また、第6図は第3の実施例を示し、これはヘドロ7の
撹拌装置にスクリュウオーガ装置31を使用したものであ
る。このスクリュウオーガ装置31は中空軸付のスクリュ
ウ32が設けられ、中空軸が酸性中和剤注入管30に構成さ
れる。そして回転しながら横方向に移動してヘドロ7を
撹拌する。そしてスクリュウ32下端の注入管30の開口か
らヘドロ7の中層部および下層部の少なくとも一方に酸
性ゲルが注入され撹拌される。そして、浚渫用グラブま
たはバケットによりヘドロ7が浚渫除去される。
撹拌装置にスクリュウオーガ装置31を使用したものであ
る。このスクリュウオーガ装置31は中空軸付のスクリュ
ウ32が設けられ、中空軸が酸性中和剤注入管30に構成さ
れる。そして回転しながら横方向に移動してヘドロ7を
撹拌する。そしてスクリュウ32下端の注入管30の開口か
らヘドロ7の中層部および下層部の少なくとも一方に酸
性ゲルが注入され撹拌される。そして、浚渫用グラブま
たはバケットによりヘドロ7が浚渫除去される。
発明の効果 以上に述べたごとく本発明によれば、酸性中和剤をヘド
ロ層の中層部や下層部の比較的温度の低い部分に注入す
ることにより、硫化水素の発生量を抑制するとともに、
ヘドロ層の中層部や下層部で発生する硫化水素を上層部
のヘドロにより封じ込めて大気への放散を防止し、さら
にこの硫化水素を、アルカリ性で溶解度の高いヘドロ中
の水に溶解させ、さらに前もって注入撹拌された水ガラ
ス系薬剤(アルカリ性)との反応で中性域となることに
より、硫化水素の発生量が抑制されて大気中への解散を
大幅に減少させることができる。したがって、作業員の
作業環境も改善できるとともに、周囲住民に悪臭公害を
及ぼすのを防止することができる。
ロ層の中層部や下層部の比較的温度の低い部分に注入す
ることにより、硫化水素の発生量を抑制するとともに、
ヘドロ層の中層部や下層部で発生する硫化水素を上層部
のヘドロにより封じ込めて大気への放散を防止し、さら
にこの硫化水素を、アルカリ性で溶解度の高いヘドロ中
の水に溶解させ、さらに前もって注入撹拌された水ガラ
ス系薬剤(アルカリ性)との反応で中性域となることに
より、硫化水素の発生量が抑制されて大気中への解散を
大幅に減少させることができる。したがって、作業員の
作業環境も改善できるとともに、周囲住民に悪臭公害を
及ぼすのを防止することができる。
第1図〜第4図は本発明の第1の実施例を示し、第1図
〜第3図はそれぞれ固化処理作業を示す断面図、第4図
は悪臭物質の濃度検出位置を示す図、第5図は第2の実
施例の固化処理作業を示す断面図、第6図は第3の実施
例の固化処理作業を示す断面図である。 1…止水壁、3…区画、5…表層水、6…水ガラス注入
管、8…グラブ、10,20,30…酸性中和剤注入管。
〜第3図はそれぞれ固化処理作業を示す断面図、第4図
は悪臭物質の濃度検出位置を示す図、第5図は第2の実
施例の固化処理作業を示す断面図、第6図は第3の実施
例の固化処理作業を示す断面図である。 1…止水壁、3…区画、5…表層水、6…水ガラス注入
管、8…グラブ、10,20,30…酸性中和剤注入管。
Claims (1)
- 【請求項1】ヘドロ堆積域を止水壁で区画し、区画内の
表層水を排出した後、この区画内のヘドロ層中へ、水ガ
ラス系薬剤と酸性中和剤を注入混合し、これにより区画
内のヘドロ層全体を原位置でゲル化して、流動性を消滅
させたゼリー状にした後に浚渫を行うヘドロ固化処理浚
渫工法において、最初に水ガラス系薬剤をヘドロ層に注
入して撹拌した後、次に酸性中和剤を区画内のヘドロ層
の中層部および下層部の両方または一方に注入し、酸性
中和剤と反応して発生する硫化水素を上層部のヘドロに
より封じ込めることを特徴とするヘドロ固化処理浚渫工
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63323973A JPH0735660B2 (ja) | 1988-12-22 | 1988-12-22 | ヘドロ固化処理浚渫工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63323973A JPH0735660B2 (ja) | 1988-12-22 | 1988-12-22 | ヘドロ固化処理浚渫工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02167931A JPH02167931A (ja) | 1990-06-28 |
JPH0735660B2 true JPH0735660B2 (ja) | 1995-04-19 |
Family
ID=18160700
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63323973A Expired - Fee Related JPH0735660B2 (ja) | 1988-12-22 | 1988-12-22 | ヘドロ固化処理浚渫工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0735660B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111608221A (zh) * | 2020-05-20 | 2020-09-01 | 苏州市相城生态建设管理有限公司 | 河道高效治理清淤系统 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6056852B2 (ja) * | 1979-07-17 | 1985-12-12 | 日立造船株式会社 | ヘドロ浚渫工法 |
-
1988
- 1988-12-22 JP JP63323973A patent/JPH0735660B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02167931A (ja) | 1990-06-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |