JP2007061704A - 重金属含有廃棄物の早期安定化方法 - Google Patents

重金属含有廃棄物の早期安定化方法 Download PDF

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正明 海老原
Fusao Tanizawa
房郎 谷澤
Toshiro Oshikata
利郎 押方
Hideo Fujimoto
秀夫 藤本
Shiyuuichi Niue
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Abstract


【課題】 廃棄物と覆土層敷設を繰り返して埋立てがおこなわれるに際して、覆土層内に重金属捕集剤が含まれることで、廃棄物内の含有重金属の不溶化を効率的かつ早期に実現することのできる重金属含有廃棄物の早期安定化方法を提供すること。
【解決手段】 廃棄物処分場をはじめとする処分場内の所定高さまで重金属含有廃棄物G1を埋立てた後に、その表層に重金属捕集剤を含有した覆土層1を敷設する第一工程と、該第一工程を計画埋立高さまで繰り返す第二工程とからなり、覆土層1,1を水が浸透することによって重金属捕集剤が溶け出して下方の廃棄物G1,G2内に浸漬し、廃棄物内の重金属を不溶化する方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、廃棄物を処分または保管する場内に埋立てられた重金属含有廃棄物を早期に安定化させる重金属含有廃棄物の早期安定化方法に係り、特に、廃棄物と覆土層敷設を繰り返して埋立てがおこなわれるに際して、覆土層内に重金属捕集剤が含まれることで、廃棄物内の含有重金属の不溶化を効率的かつ早期に実現することのできる重金属含有廃棄物の早期安定化方法に関するものである。
我が国における廃棄物処理は、主に一般家庭から排出される廃棄物を行政の責任で処理処分する一般廃棄物と、工場等から排出され排出者が責任を持って処理処分する産業廃棄物に大別される。何れの廃棄物も中間処理によりリサイクルや減容化された後、最終的に最終処分場に埋立処分される。その最終処分場には、一般廃棄物を処分する一般廃棄物最終処分場と、産業廃棄物の中で分解性の廃棄物を処分する管理型最終処分場(構造や維持管理方法が一般廃棄物最終処分場と同じ)、産業廃棄物の中で分解しない安定な廃棄物だけを処分する安定型最終処分場、有害物質を含んだ産業廃棄物(有害物質が基準を超えて含まれる燃えがら、ばいじん、汚泥、鉱さい等)を処分する遮断型最終処分場がある。立地場所としては、谷等の窪地を利用した物(山間埋立)や平地を掘り込んだり盛り立てたりした物(平地埋立、何れも陸上埋立)と海面を護岸等で仕切って埋立てる物(水面埋立)がある。また最近は、廃棄物の飛散や廃棄物層への雨水の浸透を防止するため、埋立地の上に屋根等の覆蓋を掛けたクローズドシステム処分場も増加している。
一方、廃棄物中には鉛や水銀、カドミウムといった重金属などの有害物質も含まれており、重金属は雨水の浸透による洗い出しに伴って浸出水中に溶出し、浸出水処理設備にて無害化が図られている。この重金属の溶出は非常に緩やかにおこなわれるため、廃棄物中に含有する重金属の濃度が低減するまでに長期間を要し、したがって、重金属含有廃棄物が無害化されるまでの浸出水処理設備のランニングコストの問題や、処分場跡地利用の遅延の問題などが招来されている。酸やアルカリによって重金属の溶出を促進させることも可能であるが、一定期間内にその殆どを溶出させることは事実上不可能である。そこで、重金属の溶出を促進させるのではなく、廃棄物と重金属捕集剤とを混練することによって、重金属を安定化(不溶化)させる方法も考えられるが、処分場に持ち込まれた廃棄物の全量を重金属捕集剤と混練することは膨大なコストを要することから得策とは言えない。
例えば、特許文献2においては、廃棄物内に、汚染物質捕捉材を収容したケーシングを水平方向に配設し、汚染物質をかかるケーシングに導く方法にかかる発明が開示されている。かかるケーシングを廃棄物内に配設することで重金属を捕捉することも考えられるが、ケーシングの近傍とそれ以外の場所において重金属の捕捉量に大きな差異が生じること、処分場の平面内に多数のケーシングを配設することによってその施工コストが高騰することなどの問題が生じる。一方、特許文献3には、処分場内に一定の廃棄物高さごとに敷設される覆土を活性覆土とし、浸出水を廃棄物内で循環させることにより、廃棄物層内で浸出水を浄化する方法の発明が開示されている。
特開2004−337675号公報 特開2001−334250号公報 特開平11−216440号公報
廃棄物中の重金属を早期に安定化させることに鑑みれば、特許文献1に開示の廃棄物安定化方法では効果を得ることはできず、特許文献2に開示の汚染物質捕捉方法では、施工コストの高騰や、捕捉効果のあるエリアと効果の期待できないエリアが生じてしまうといった問題がある。一方、特許文献3に開示の廃棄物埋立処分工法では、埋立地内に廃棄物が埋立てられた後に、浸出水を循環させ、活性化覆土に浸出水内の汚染物質を吸着させるものであるため、重金属の安定化には大きな効果が期待できない。廃棄物処分場における埋立期間は、一般に15年程度と長期に及ぶため、この期間をも有効に利用することなしには、有害物質の早期安定化を図ることは難しい。特に上記する重金属の安定化に際しては、安定化までの時間が長期に及ぶことから、埋立期間を有効に利用しながら、可及的に低廉な施工コストの安定化処理方法の開発が望まれるところである。
本発明の重金属含有廃棄物の早期安定化方法は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、廃棄物処分場をはじめとする廃棄物を処分または保管する場内において、廃棄物の埋立期間も廃棄物内に含有された重金属の安定化に有効利用することで、早期に重金属汚染物質を安定化させることができ、さらには、その施工コストも従来の廃棄物の埋立て方法とほとんど変わることのない、重金属含有廃棄物の早期安定化方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による重金属含有廃棄物の早期安定化方法は、廃棄物を処分または保管する場内に埋立てられた重金属含有廃棄物を早期に安定化させる重金属含有廃棄物の早期安定化方法であって、前記場内の所定高さまで重金属含有廃棄物を埋立てた後に、その表層に、重金属捕集剤を含有した覆土層を敷設する第一工程と、該第一工程を計画埋立高さまで繰り返す第二工程とからなり、覆土層に浸透する水によって重金属捕集剤が溶け出して下方の廃棄物内に浸漬し、廃棄物内の重金属を不溶化することを特徴とする。
ここで、廃棄物を処分または保管する場内とは、一般廃棄物処分場や管理型最終処分場等の廃棄物処分場、廃棄物保管施設、土壌汚染エリア、不法投棄されたエリアなどを含む広範な概念である。また、廃棄物最終処分場として、クローズドシステム処分場が含まれるのは当然のことである。
例えば、廃棄物処分場を例に挙げれば、通常は、沢部を利用して造成された断面凹部の埋立地内に、2〜3m程度の高さで廃棄物を埋立て、その表面に、廃棄物の飛散防止や悪臭拡散防止、衛生害虫発生防止を目的として50cm程度の覆土層が敷設される。本発明は、主に、重金属含有廃棄物内の重金属(鉛、水銀、カドミウムなど)の早期安定化(早期不溶化)を目的としたものであるが、かかる早期不溶化に供される重金属捕集剤を覆土層内に含有させ、順次、廃棄物の埋立てとその表層の覆土層の敷設を繰り返す施工方法とすることにより、廃棄物の埋立期間を有効に利用しながら、重金属の不溶化を図ることが可能となり、従来に比して格段に早期な重金属物質の安定化を図ることができる。すなわち、覆土層を施した後に、該覆土層に雨水などが浸透し、雨水の浸透によって溶け出した重金属捕集剤が覆土層下方の廃棄物内に浸漬することにより、重金属捕集剤が廃棄物内の重金属を不溶化するものであり、廃棄物の埋立期間をすべて利用することが可能となるものである。
ここで、覆土層の敷設方法は、廃棄物の埋立て日ごとにその表面に覆土層を施すいわゆるセル方式であっても、一定高さに廃棄物が埋立られ、重機にて広範なエリアが転圧された後にその表層に覆土層を敷設する方式であってもよい。また、覆土層を構成する重金属捕集剤は特に限定するものではないが、従来から使用されている公知の捕集剤、例えば、重金属をフロックとして沈殿させる捕集剤、鉱滓や汚泥などの重金属を含有する固体状廃棄物に添加することで重金属を固定化する捕集剤などを使用できる。かかる重金属捕集剤は、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子などの原子を含み、重金属に対する錯形成能を有する化合物である。また、その性状は、液状、粘土状、粉状、粒状、シート状など、適宜の性状の材料を使用できる。
また、本発明による重金属含有廃棄物の早期安定化方法の他の実施形態において、前記覆土層は、原位置または別途のヤードにて覆土に重金属捕集剤を注入する方法、または、原位置または別途のヤードにて覆土に重金属捕集剤を散布する方法、または、原位置または別途のヤードにて覆土と重金属捕集剤を混合撹拌する方法のいずれかの方法によって造成されることを特徴とする。
覆土は、購入土であっても現地発生土であってもよく、該覆土と重金属捕集剤とから覆土層を製造する実施例は使用される土粒子の粒径や粘性などに応じた適宜の製造方法を適用することができる。ここで、原位置とは、覆土層の敷設位置であり、別途のヤードとは、覆土を製造するための処分場内のヤードのほか、処分場外の製造ヤードなどを含む意味である。覆土の土質性状に応じて、適宜の重金属捕集剤を注入する方法、重金属捕集剤を覆土に散布する方法、双方を混合撹拌する方法などが適用できる。
また、本発明による重金属含有廃棄物の早期安定化方法の他の実施形態において、前記覆土層は、重金属捕集剤からなるシートであることを特徴とする。
本発明は、別途の工場にて、重金属捕集剤からなるシート状の覆土層を製造し、かかる覆土層を現場搬入し、埋立てられた廃棄物表面にシート状の覆土層を敷設する方法であり、例えば、覆土層を現地にて製造する工程を省略することができること、工場製造とすることで覆土層の高品質を確保できることなどの利点がある。なお、覆土層として、本発明のシート状の覆土層と、既述する覆土と重金属捕集剤とが混合撹拌等された覆土層の双方を組み合わせて使用する方法であってもよい。例えば、中間覆土層としてシート状の覆土層を使用し、最終覆土層として覆土と重金属捕集剤とが混合撹拌等された覆土層を使用する実施例などである。
また、本発明による重金属含有廃棄物の早期安定化方法の他の実施形態において、前記重金属捕集剤は、燐酸やその誘導体、ジチオカルバミン酸、1級アミノ基または2級アミノ基を少なくとも1つ有するアミノ化合物であって窒素原子に結合した活性水素原子と置換して導入された官能基を有する化合物を含む、重金属に対する錯形成能を有する化合物からなることを特徴とする。
ジチオカルバミン酸としては、ジメチルジチオカルバミン酸、ジエチルジチオカルバミン酸、ジブチルジチオカルバミン酸などが一例として挙げられる。また、ピペラジンジチオカルバミン酸、ピロリジンジチオカルバミン酸、モノエタノールアミンジチオカルバミン酸、ジエタノールアミンジチオカルバミン酸、ピペラジン−モノジチオカルバミン酸、ピペラジン−ビスジチオカルバミン酸などもある。
アミノ基を少なくとも1つ有するアミノ化合物であって窒素原子に結合した活性水素原子と置換して導入された官能基を有する化合物としては、例えば、ジチオ酸基あるいはその塩、オキシム基、アミドオキシム基などを1種または2種以上含む化合物が挙げられる。これらの官能基の塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、ベリリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが挙げられるが、通常は、アルカリ金属塩としてはナトリウム塩、カリウム塩が、アルカリ土類金属塩としてはマグネシウム塩、カルシウム塩が使用できる。1分子中に2以上の官能基を有する化合物の場合には、異なる型の官能基(酸型、アルカリ金属塩型、アルカリ土類金属塩型、アンモニウム塩型など)が混在するものを使用することもできる。さらには、異なる官能基を有する(官能基自体が異なる場合や官能基型が異なる場合など)化合物を混合使用することもできる。
さらに、本発明による重金属含有廃棄物の早期安定化方法の他の実施形態において、前記1級アミノ基または2級アミノ基を少なくとも1つ有するアミノ化合物が、アミン類またはアミン類とエピハロヒドリンとが重縮合してなる重縮合アミンのいずれか1種からなることを特徴とする。
アミン類としては、例えば、エチルアミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、アミノエチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、メチルエチルアミン、メチルブチルアミン、エチルブチルアミン、ジエチレンアミン、ジプロピレンアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレンジアミン、ジブチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、トリプロピレンテトラアミン、トリブチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン、テトラプロピレンペンタミン、テトラブチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビスプロピルアミン、モノメチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミンなどの脂肪族アミン類、フェニレンジアミン、o−、m−,p−キシリレンジアミン、3,5−ジアミノクロロベンゼンなどの芳香族アミン類、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどのシクロアルカン系アミン類、1−アミノエチルピペラジン、ピペラジンなどのピペラジン類、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリ−3−メチルプロピルイミン、ポリ−2−エチルプロピルイミンなどの環状イミンの重合体、アリルアミンなどの不飽和アミンと、ジメチルアクリルアミド、スチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸など及びその塩類などの共重合可能な不飽和結合を有する他のモノマーとの共重合体が挙げられる。なお、環状イミンの重合体や不飽和アミンの重合体及びその共重合体の場合には、平均分子量が50〜1000万程度のものが好ましく、中でも200〜300万程度がより好ましい。
アミン類としては、さらに、ヒドロキシアルキル基、アシル基、アルキル基などをN−置換基として有するものでもよい。N−ヒドロキシアルキル置換基は、例えば、上記アミン類にエポキシアルカンを反応させることにより導入することができ、N−アシル置換基は、上記アミン類に脂肪酸類を反応させることにより導入することができ、N−アルキル置換基は、上記アミン類にハロゲン化アルキルを作用させることにより導入することができる。また、重縮合ポリアミンとしては、上記アミン類と、アピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、ブロモメチルオキシラン、クロロメチルオキシラン、ヨードメチルオキシランなどのエピハロヒドリンとの重縮合体が挙げられる。
以上の説明から理解できるように、本発明の重金属含有廃棄物の早期安定化方法によれば、一定高さごとに埋立てられた廃棄物表面に敷設される覆土層内に重金属捕集剤が含有されているため、廃棄物の埋立期間をも重金属の不溶化期間として利用することができ、従来に比して格段に含有重金属の早期安定化(早期不溶化)を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、廃棄物の埋立てが完了した状態の廃棄物処分場の概要を示した断面図を、図2は、本発明の重金属含有廃棄物の早期安定化方法の一実施形態を説明した断面図を、図3は、覆土層を製造する一実施形態を示した説明図を、図4は、本発明の重金属含有廃棄物の早期安定化方法の他の実施形態を説明した断面図を、図5は、覆土層を製造する他の実施形態を示した説明図をそれぞれ示したものである。なお、図示する実施形態は、廃棄物処分場における重金属含有廃棄物の早期安定化方法に関するものであるが、本発明がかかる処分場に限定されるものではないこと、及び、覆土層の製造方法も図示する実施形態に限定されるものでないことは勿論のことである。
図1は、計画埋立高さまで重金属含有廃棄物G1,G2の埋立てが完了した状態の埋立地10を示したものである。埋立地10は、地盤を凹部に造成した埋立て場の斜面および底面に敷設された遮水工11と、底面に設けられ、廃棄物処分場敷地内に別途設けられた浸出水を無害化するための浸出水処理設備まで通じる浸出水集排水管12、図示しないガス抜き竪管などから大略構成されている。図示する実施形態は、後述するように、一定レベルまでの廃棄物の埋立てを平面的に複数に分割した態様で順次埋立てていく、いわゆるセル方式の埋立て方法によって廃棄物の埋立てが完了したものである。例えば、1日単位で一定量の埋立てが完了した段階で、該埋立廃棄物の斜面部に斜面覆土2を敷設し、さらには、廃棄物の上面には、覆土に重金属捕集剤が含有された覆土層1が敷設されている。かかる廃棄物の埋立ては、その処分場規模にもよるが、通常は、数十数年と長期に及ぶため、埋立廃棄物のセル単位で覆土層1が敷設されることにより、定期的に降り注がれる雨水(図中の矢印)によって覆土層1下方の廃棄物に重金属捕集剤が浸漬していくこととなり、廃棄物の埋立て直後から、廃棄物内の含有重金属の不溶化がなされることとなる。
図2は、図1の埋立てが完了した埋立地における廃棄物の埋め立てと覆土層の敷設の概要を模式的に示したものである。まず、埋立廃棄物が廃棄物処分場内に搬入された段階で、廃棄物の量と該廃棄物に含まれる重金属の含有量およびその種類を検査する。この検査作業を搬入廃棄物の全てに対して実施し、例えば、本実施例のように即日覆土をおこなう場合には、当日埋立てられる廃棄物内の重金属の量および種類を把握した上で、該重金属の安定化(不溶化)に必要な重金属捕集剤の量および種類を決定し、必要な覆土にかかる重金属捕集剤を混合して捕集剤混合覆土を作成し、これを使って覆土層を敷設する。なお、本実施例のようなセル方式ではなく、一定レベルまでの埋立てを埋立地の全平面にておこなった後に覆土層の敷設を一気におこなう(サンドイッチ工法)等の方法の場合においても、原則的には、覆土層内に含有される重金属捕集剤の量や種類は、下部廃棄物内の重金属の量や種類に応じて適宜変更/調整されながら覆土層の敷設がおこなわれることとなる。なお、使用される重金属捕集剤としては、既述するように、燐酸やその誘導体、ジチオカルバミン酸、1級アミノ基または2級アミノ基を少なくとも1つ有するアミノ化合物であって窒素原子に結合した活性水素原子と置換して導入された官能基を有する化合物を含む、重金属に対する錯形成能を有する化合物、アミン類またはアミン類とエピハロヒドリンとが重縮合してなる重縮合アミンなどを使用することができる。
図2では、1段目の重金属含有廃棄物G1の埋立てとその上面への覆土層1の敷設が完了し、最上段(2段目)の途中段階における重金属含有廃棄物G2の埋立てが終了し、その側方に覆土層1aが仮置きされた状況が示されている。ここで、覆土層の造成方法の一実施例が図3に示されている。これは、処分場のヤード内に設けられた簡易な撹拌容器6内に、購入または現地発生の覆土5bと重金属捕集剤5aを投入し、バックホー7などの重機にて十分に混合撹拌することで覆土層1用の覆土が造成されるものである。造成された覆土は、図2に示す敷設横に仮置きされ、廃棄物の埋立て後にその上部(図中の2点鎖線部)に敷設される(矢印)。なお、現地にての混合撹拌は、かかる簡易容器を使用しない造成方法であってもよく、さらには、覆土5bの上から単に重金属捕集剤5aを散布または注入するような造成方法であってもよい。
図4は、廃棄物の埋め立てと覆土層の敷設方法の他の実施例を示したものであり、覆土層が重金属捕集剤からなるシート3と、その上部に埋立てられた覆土4とから構成された廃棄物処分場10aを示したものである。覆土4をシート3上に敷設することにより、シート3の飛散や破れなどを防止することができる。図では、仮置きされた覆土4aが2点鎖線部に敷設され(矢印)、即日覆土として下部のシート3を防護することとなる。シート3は、不織布や樹脂系材料を基材とし、その内部に適宜量の重金属捕集剤が含まれた構成や、重金属捕集剤のみを構成材料とするなど、適宜の材料構成にてシートの製造がおこなわれる。搬入廃棄物内の重金属の種類や量を測定した結果、シート内の重金属捕集剤が所望量に達していない場合には、シートを二重または三重に重ね合わせるなどの措置を講じることもできるし、シート上に不足分の重金属捕集剤を散布または注入するなどの措置を講じることもできる。
図5は、原位置にて撹拌翼8を使用し、覆土5bと重金属捕集剤5aとを混合撹拌することで覆土層1を造成している状況を示したものである。まず、覆土5b上に重金属捕集剤5aを散布し、撹拌翼8(土壌改良で用いられるスタビライザーや農作業で用いられる耕耘機など)で所定深度まで混合撹拌することにより、所望の覆土層厚を有する覆土層1の造成がおこなわれる。ここで、作業効率を勘案し、一度に造成エリアの全てにわたって重金属捕集剤を散布しない方がよい場合には、造成エリアを数箇所にわけて重金属捕集剤の散布と撹拌翼による混合撹拌を順次おこなう方法であってもよい。
上記するように、覆土と重金属捕集剤とから覆土層を造成するに際しては、覆土に重金属捕集剤を注入する方法、散布する方法、双方を撹拌する方法など、適宜の方法を使用でき、さらには、原位置による造成、別途ヤードによる造成など、その現地状況に即応した適宜の造成方法を使用できる。また、図示を省略するが、中間の覆土層を覆土と重金属捕集剤との混合材料から構成し、最終の覆土層(最上層)はシート状の覆土層と保護土から構成する方法、さらにはその逆パターンの実施例など、工費と工期などに応じて適宜の実施例の覆土層の組み合わせを適用することもできる。また、最下段の重金属含有廃棄物の埋立てとその表面への覆土層の敷設からなる第一工程と、この第一工程をその上段に順次繰り返していく第二工程においては、廃棄物処分場の規模が大きくなるにしたがい(埋立地の深度が深くなるにしたがい)、第二工程が複数回に及ぶことは勿論のことである。いずれの実施例を適用する場合でも、廃棄物の埋立て後に敷設される覆土層内の重金属捕集剤が雨水などの浸透によって下方の廃棄物内に浸漬していくため、廃棄物の埋立期間を含有重金属の不溶化期間として有効利用することができ、重金属含有廃棄物の早期安定化を促進することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
廃棄物の埋立てが完了した状態の廃棄物処分場埋立地の概要を示した断面図。 本発明の重金属含有廃棄物の早期安定化方法の一実施形態を説明した断面図。 覆土層を製造する一実施形態を示した説明図。 本発明の重金属含有廃棄物の早期安定化方法の他の実施形態を説明した断面図。 覆土層を製造する他の実施形態を示した説明図。
符号の説明
1…覆土層、2…斜面覆土、10,10a…廃棄物処分場の埋立地、11…遮水工、12…浸出水集排水管、3…シート、4,4a…覆土、5a…重金属捕集剤、5b…覆土、6…撹拌容器、7…バックホー、8…撹拌翼、G1,G2…重金属含有廃棄物

Claims (5)

  1. 廃棄物を処分または保管する場内に埋立てられた重金属含有廃棄物を早期に安定化させる重金属含有廃棄物の早期安定化方法であって、
    前記場内の所定高さまで重金属含有廃棄物を埋立てた後に、その表層に、重金属捕集剤を含有した覆土層を敷設する第一工程と、該第一工程を計画埋立高さまで繰り返す第二工程とからなり、覆土層を水が浸透することによって重金属捕集剤が溶け出して下方の廃棄物内に浸漬し、廃棄物中の重金属を不溶化することを特徴とする重金属含有廃棄物の早期安定化方法。
  2. 前記覆土層は、原位置または別途のヤードにて覆土に重金属捕集剤を注入する方法、または、原位置または別途のヤードにて覆土に重金属捕集剤を散布する方法、または、原位置または別途のヤードにて覆土と重金属捕集剤を混合撹拌する方法のいずれかの方法によって造成されることを特徴とする請求項1に記載の重金属含有廃棄物の早期安定化方法。
  3. 前記覆土層は、重金属捕集剤からなるシートであることを特徴とする請求項1に記載の重金属含有廃棄物の早期安定化方法。
  4. 前記重金属捕集剤は、燐酸やその誘導体、ジチオカルバミン酸、1級アミノ基または2級アミノ基を少なくとも1つ有するアミノ化合物であって窒素原子に結合した活性水素原子と置換して導入された官能基を有する化合物を含む、重金属に対する錯形成能を有する化合物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の重金属含有廃棄物の早期安定化方法。
  5. 前記1級アミノ基または2級アミノ基を少なくとも1つ有するアミノ化合物が、アミン類またはアミン類とエピハロヒドリンとが重縮合してなる重縮合アミンのいずれか1種からなることを特徴とする請求項4に記載の重金属含有廃棄物の早期安定化方法。
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