JP2021071459A - 高レベル及び低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法 - Google Patents

高レベル及び低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】人工島の造成に低レベル放射性廃棄物である土砂を収容したフレキシブルコンテナバッグを埋立材料として利用することで、この土砂を大量に処理することができるほか、強度を確保しつつ安定した地盤を広い区域に設けることが可能な高レベル又は低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法及びコンクリートの打設による放射線を封じ込める方法を提供する【解決手段】堤防23により島造成区域21を外海11と仕切り、島造成区域21内に低レベル放射性廃棄物である土砂を収容した多数の塊状体31を互いに当接させて配置し、土及びセメント成分を含有するセメント固化土用混合スラリーを塊状体31間に導入し、セメント固化土用混合スラリーを固化させることでセメント固化土33により塊状体31間の間隙を埋めることで地盤を造成する。【選択図】図2

Description

本発明は、放射性廃棄物を処理するための高レベル及び低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法及びコンクリートの打設による放射線を封じ込める方法に関する。
我が国は地震が頻発する国として知られ、特に、東北地方に甚大な被害が発生した東日本大震災では津波によって計り知れない被害を受けたうえ、さらに福島原子力発電所の原子炉が損壊するという事故に見舞われた。原子炉事故に伴い大量に放出された放射性物質は、エアロゾルなどの形で広域に拡散し、降雨に伴って地上に降下沈着した結果、地域住民の生活環境に大きな影響を及ぼすに至った。
このような背景の下、放射性物質汚染対処特別措置法が施工され、放射性物質が沈着した土壌や、草木、がれき等の除去といったいわゆる除染措置が鋭意進められている。地域の被ばくリスク低減のための除染措置は不可欠であるものの、この除染措置には難題が山積みしている。特に、放射性物質に汚染された廃棄物の仮置き、中間貯蔵や最終処分といった処分場所がいまだ確保されていないことは、極めて重要な問題である。なぜなら、除染によって生じる除染廃棄物の処分場所の確保がボトルネックとなり、除染措置が思うように進められていないからである。
仮置き場さえ十分に確保されていない一方で除染措置は継続して進められており、その結果、発生した土壌や、草木、がれきといった放射性廃棄物は、例えば民家の庭など暫定的に確保した仮置き場で保管されているというが実情である。
そこで、特許文献1に記載の発明は、大量の放射性廃棄物を処分するための処分場が開示されている。
特許文献1に記載の発明によれば、沿岸海底下の地盤中に放射性廃棄物の貯蔵空間を形成し、貯蔵空間と臨海地間の地盤中に、鉛直方向に海水の流通性を有する孔を複数個、塩水地下水流に交差する形で穿孔設形成し、各々の孔に形状保持材を設け、各々の孔の上部に海水導入手段を設けて構成した放射性廃棄物処分場が提案されている。
特開平5−203797号公報
しかしながら、沿岸海底下の地盤中に放射性廃棄物の貯蔵空間の形成は多大なコストがかかるほか、沿岸地域の住人や漁業関係者等に反対されるおそれがあることを考慮すると、このような処分場を構築することは困難である。
そこで本発明では、除染措置で発生した高レベル又は低レベルの放射性廃棄物である土砂が収納された大量のトン袋を人工島の造成に利用することで一度で大量に処理することができるほか、放射性廃棄物から放射線の漏れによる放射能汚染を防止するための高レベル又は低レベルの放射性廃棄物である土砂を収容したトン袋の大量処理方法及びコンクリート打設による放射線封じ込め方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の高レベル及び低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法は、堤防により島造成区域を外界と仕切り、前記島造成区域内に高レベル又は低レベル放射性廃棄物である土砂を収容したトン袋からなる多数の塊状体を互いに当接させて配置し、土及びセメント成分を含有するセメント固化土用混合スラリーを前記塊状体間に導入し、前記セメント固化土用混合スラリーを固化させることでセメント固化土により前記塊状体間の間隙を埋め、前記塊状体の上面にコンクリートを打設してコンクリート地盤を形成することを特徴とする。
また、本発明の高レベル及び低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法は、前記塊状体を多数配置するとともに前記間隙に前記セメント固化土用混合スラリーを導入及び固化して形成される堆積層を複数積層して地盤を造成することを特徴とする。
また、本発明の高レベル及び低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法は、前記島造成区域内に前記外海の海面より高い位置まで埋立てた埋立基礎を設け、前記埋立基礎上に前記塊状体を配置して前記セメント固化土用混合スラリーを導入及び固化することを特徴とする請求項1又は2に記載の高レベル及び低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法。
また、本発明の高レベル及び低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法は、前記塊状体の少なくとも一部として土壌を収容したフレキシブルコンテナバッグを配置することを特徴とする。
また、本発明のコンクリート打設による放射線を封じ込める方法は、コンクリート壁により外部を仕切り、多数の塊状体を互いに当接させて配置し、土及びセメント成分を含有するセメント固化土用混合スラリーを前記塊状体間の間隙に流入し、固化させて堆積層を形成し、該堆積層の上面にコンクリートを打設してコンクリート地盤を形成することを特徴とする。
さらに、本発明のコンクリート打設による放射線を封じ込める方法は、前記多数の塊状体は高レベル又は低レベル放射性廃棄物である土砂を収容したフレキシブルコンテナバッグからなることを特徴とする。
本発明の高レベル又は低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法によれば、島造成区域内に互いに当接させて配置した高レベル又は低レベル放射性廃棄物である土砂が収容された多数の塊状体を、塊状体間の間隙にセメント固化土用混合スラリーを導入して固化させてセメント固化土により埋めている。そのため、低レベル放射性廃棄物である土砂を大量に処理することが可能である。
本発明の高レベル又は低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法において、塊状体を多数配置するとともに間隙にセメント固化土用混合スラリーを導入して固化した堆積層を複数積層して地盤を造成すれば、各堆積層毎に塊状体の間隙に確実にセメント固化土用混合スラリーを導入でき、各堆積層毎に塊状体の間隙を確実にセメント固化土で充填できる。そのためより強い地盤を造成できる。
本発明の高レベル又は低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法において、島造成区域内に外海の海面より高い位置まで埋立てた埋立基礎を設け、この埋立基礎上に塊状体を配置してセメント固化土用混合スラリーを導入及び固化すれば、島造成時には、多数の塊状体間の間隙に海水が存在せず、確実に塊状体間にセメント固化土用混合スラリーを導入でき、またセメント固化土用混合スラリーが海水に分散、流出したりすることもない。そのため十分量のセメント固化土用混合スラリーを塊状体間の間隔に導入して固化させることができ、十分量のセメント固化土を多数の塊状体間に充填してより安定した地盤を造成できる。
また島造成後には、塊状体及びセメント固化土に海水に浸食されたり、これらの成分が海水中に溶出したり分散したりすることを防止でき、長期間安定に地盤を保つことができる。
本発明の高レベル又は低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法において、塊状体の少なくとも一部として土壌を収容したフレキシブルコンテナバッグを配置すれば、各塊状体の外周が埋立基礎や周囲の塊状体と当接した際、多少変形でき、設置面や当接面をより広くして多数の塊状体をより安定に密集して配置でき、より安定な地盤を造成できる。
また塊状体が埋立基礎上に配置されるため、土壌を収容したフレキシブルコンテナバッグが島造成時やその後に海水に接することを防止でき、フレキシブルコンテナバッグに収容された土壌やその成分が海水中に流出することがなく、長期間安定した地盤を保つことができる。
本発明のコンクリートの打設による放射線を封じ込める方法によれば、島造成区域内に外海の海面より高い位置まで埋立てた埋立基礎を備え、この埋立基礎上に互いに当接させて高レベル又は低レベル放射線廃棄物である土砂を収容した多数の塊状体が配置されるとともに塊状体間の間隙がセメント固化土により埋められている。そのため塊状体やセメント固化土が海水に接して浸食されたり、その成分が海水中に溶出や分散したりすることが防止できる。これにより多数の塊状体と塊状体間に充填されたセメント固化土とにより、十分な強度を確保しつつ広い面積で安定な地盤であって、長期間安定に保つことができる地盤が設けられた人工島を提供することができる。
本発明のコンクリートの打設による放射線を封じ込める方法では、多数の塊状体の少なくとも一部が土壌を収容したフレキシブルコンテナバッグからなるものであれば、塊状体の外周が埋立基礎や周囲の塊状体と当接した際、多少変形することで設置面や当接面をより広くでき、多数の塊状体をより安定して密集配置することができ、より安定な地盤を確保できる。
また塊状体が埋立基礎上に配置されるため、土壌を収容したフレキシブルコンテナバッグが海水に接することを防止でき、フレキシブルコンテナバッグに収容された低レベル放射性廃棄物である土砂やこの土砂に含まれる低レベル放射性物質が海水中に流出することがなく、長期間安定した地盤を保つことができる。
図1(a)は、本実施形態に係る人工島の構成を示した図であり、図1(b)は、人工島の大きさを示した図である。 本実施形態に係る人工島の堤防近辺の構成を示した図である。 本実施形態に係る人工島の造成手順を示した図である。 本実施形態に係る人工島の造成手順を示した図である。 本実施形態に係る人工島の完成図である。
以下、本発明の実施形態について図を用いて詳細に説明する。
本実施形態では、高レベル又は低レベルの放射性廃棄物である土砂を処分する方法として、この土砂を人工島の造成に利用する例として説明する。
本実施形態の高レベル又は低レベルの放射性廃棄物である土砂の処分施設10は、図1(a)に示すように、外海11に囲まれた人工島13からなる。この人工島13には所定構造の地盤15が造成されていて、地盤15上に滑走路17が設けられている。人工島13にはさらに砂浜19や図示しない居住区域及びリゾート区域などが設けられている。
図1(b)には、人工島の実際の大きさを示す構成図が示されている。
本実施形態の人工島13は、陸地から離れた海中における浅瀬や珊瑚礁近くの区域に造成されており、図1及び図2に示すように、人工島13は島造成区域21を外海11と仕切る堤防23と、島造成区域21内に外海11の海面11aより高い位置まで埋立てた埋立基礎25と、島造成区域21内の埋立基礎25上に複数積層して設けられた堆積層27と、を備え、埋立基礎25に複数の堆積層27が積層されてコンクリート地盤15が構成されている。
堤防23は、海中の島造成区域21の外周囲に造成されている。この堤防23は、外周囲に環状に連続して設けられていてもよいが、自然状態で海面11aよりも隆起した部位が存在する場合には、その部位に連続して堤防23を設けていてもよい。
堤防23は、コンクリート構造物として構築してもよいが、本実施形態では、コンクリート廃材を活用し、適宜、蛇籠や岩石等も合わせて使用することで造成されている。この堤防23では外海11側に大きいコンクリート廃材を堆積させるとともに島造成区域21の内側に小さいコンクリート廃材を堆積させた状態でセメントによりコンクリート廃材同士が一体化されている。
本実施形態では、堤防23とその内側の島造成区域21との間に明確な仕切を設けることなく連続的に形成されている。また堤防23の外海11側には、隣接して多数のテトラポット29などが配置されいる。
埋立基礎25は、島造成区域21内の略全体に造成されている。埋立基礎25は、例えば岩石、コンクリート廃材、蛇籠等の耐水性材を多数積み重ねて構成されており、上面が外海11の海面11aより高い位置に設けられている。
堆積層27は、島造成区域21内の埋立基礎25上に多数の塊状体31を互いに当接して配置した構造を有し、互いに近接する塊状体31間の間隙に充填材としてのセメント固化土33が充填されて埋められている。堆積層27が上下に複数層積層されており、上下に配置される各塊状体31の間、上下に近接する塊状体31間の間隙にも充填材としてのセメント固化土33が介在していてもよい。
塊状体31は十分な圧縮強度を確保できる部材であれば適宜使用できるが、本実施形態では、多数の塊状体31の少なくとも一部、好ましくは大多数乃至全部が、トン袋と称される土壌を収容したフレキシブルコンテナバッグにより構成されている。
各フレキシブルコンテナバッグは、十分な耐水性を有する樹脂シート材料等により袋状に形成されており、内部に土壌を収容した状態で、全周を漏れなく液密に包んで固縛可能な部材である。
各フレキシブルコンテナバッグに収容される土壌としては、本実施形態では除染作業により発生した高レベル又は低レベル放射性廃棄物である土砂を収容している。
この塊状体31は、外形寸法が岩石やコンクリート廃材などに比べてバラツキが少ないため、本実施形態では上下に配置された塊状体31ごとに堆積層27を構成しやすい。
また、堆積層27を構成するためには、この塊状体31を大量に利用する。即ち、塊状体31に収容されている高レベル又は低レベル放射性廃棄物である土砂を大量に処理することが可能である。
一方、多数の塊状体31間の間隙を埋める充填材は、セメント固化土33からなる。セメント固化土33とは、多量の土とセメント成分とを含有するセメント固化土用混合スラリー33Xを固化させたもので、泥コン、流動化処理土、セメント固化処理土などと称され、セメント成分の硬化反応により土を経時的に固化させた構造材である。セメント固化土33の土としては、荒木田土等の粘性土などが特に好適に使用できる。
このセメント固化土33により多数の塊状体31を配置した堆積層27の強度を向上するとともに防水性を向上することが可能である。
本実施形態では、埋立基礎25上に多数の塊状体31及びセメント固化土33からなる堆積層27が造成されている。そして、この堆積層27の上面にコンクリートを打設することでコンクリート地盤15が造成されている。
コンクリート廃材、蛇籠、岩石等を積み重ねて構成された堤防本体23aの上部には、コンクリート構造物からなる防潮堤23bが設けられている。
また、コンクリート地盤15の上部には、コンクリート層17a及びアスファルト層17bを設けて滑走路17が形成されるとともに、管理道路17cや排水溝18aが形成されている。さらに緑地帯18bなどが設けられていてもよい。
次に、このような人工島13及び汚染土壌の処分施設10の造成方法について説明する。
本実施形態の人工島13は、堤防23により島造成区域21を外海11と仕切り、島造成区域21内に外海11の海面11aより高い位置まで埋立てて埋立基礎25を設け、埋立基礎25上に多数の塊状体31及びセメント固化土33からなる堆積層27を積層して地盤15を造成する。
まず図3に示すように、陸地から離れた海中における浅瀬や珊瑚礁近くの区域に島造成区域21を設定して、島造成区域21を外海11と仕切るように堤防23を造成する。
本実施形態では、堤防23はコンクリート廃材や蛇籠を活用して造成する。ここではコンクリート廃材や蛇籠を大きさごとに選別し、外海11側に大きいコンクリート廃材や蛇籠を堆積させるとともに島造成区域21の内側に小さいコンクリート廃材を堆積させ、表面側からセメントスラリーを流し込んでコンクリート廃材及び蛇籠を繋ぎとめ、全体を固定化し、コンクリート壁を形成する。
次いで図3に示すように、堤防23により島造成区域21を外海11と仕切った後、島造成区域21内に岩石、コンクリート廃材、蛇籠等の耐水性材を多数積重ねて配置することで、外海11の海面11aより高い位置まで埋立てて埋立基礎25を設ける。
次いで図4に示すように、埋立基礎25を所定高さまで築造した区域で、埋立基礎25上に多数の塊状体31及びセメント固化土33からなる堆積層27を複数積層する。各堆積層27は、上下方向に1段乃至数段の塊状体31と塊状体31間の間隙を埋めるセメント固化土33とからなる。
各堆積層27を形成するには、塊状体31を略水平方向に多数、互いに当接させ、好ましくは並べて配置するとともに、1段毎に、互いに隣接又は近接する塊状体31間や間隙にセメント固化土用混合スラリー33Xを導入し、固化することで形成する。本実施形態では、横方向に隣接する塊状体31同士の間や上下に隣接する塊状体31同士の間にもセメント固化土用混合スラリー33Xを導入して固化することもよい。
本実施形態では、塊状体31の一部又は全部に、上述のように土壌として汚染土壌を収容した上述のようなフレキシブルコンテナバッグを使用する。
一方、セメント固化土用混合スラリー33Xは、上述のように土とセメント成分とを含有したセメント固化土33を得るための固化前のスラリーであり、本実施形態では、好ましくは荒木田土等の粘性土を使用したスラリーである。このスラリーは、土、セメント成分、水とが必須の成分として含有され、適宜骨材やその他の物質が含有された状態で、流動性を有する程度に混錬したものである。
このセメント固化土用混合スラリー33Xを多数の塊状体31間の間隙に導入して固化させると、セメント固化土用混合スラリー33Xがセメント成分の硬化によりスラリー中の土及び他の混合物を一体に固化したセメント固化土33となる。
セメント固化土33により塊状体31間の間隙が埋められるとともに、互いに近接する塊状体31同士が接合されることで、多数の塊状体31及びセメント固化土33が一体化した堆積層27が形成される。
このようにして埋立基礎25上に堆積層27を積層し、この上面にコンクリートを打設することでコンクリート地盤15を形成することで人工島13が造成される。
ここで、コンクリート地盤15を5〜20cmの厚さで堆積層27の上面に形成する。
つまり、堆積層27の上面に蓋をするような形で放射線を封じ込めることが可能な厚さのコンクリート地盤15を形成することで堆積層27を構成する塊状体31から漏れる放射線を封じ込めることができる。
そして、図5に示すように、この人工島13のコンクリート地盤15の上面に、コンクリート層17a及びアスファルト層17bを設けて滑走路17や管理道路17c、排水溝18aや緑地帯18bなどを設けることで、人工島13を用いた汚染土壌の処分施設10の造成することができる。
以上のような本実施形態の高レベル又は低レベル放射性廃棄物である土砂の大量処理方法によれば、島造成区域21内に互いに当接させて配置した多数の塊状体31(上記の土砂が収納されている)を、塊状体31間の間隙にセメント固化土用混合スラリー33Xを導入して固化させてセメント固化土33により埋めている。
そのため、多数の塊状体31を利用することにより、高レベル又は低レベル放射性廃棄物である土砂を大量に処理することが可能であるほか、多数の塊状体31をセメント固化土33の強度で接合して安定に配置でき、強度を確保しつつ安定したコンクリート地盤15が広い区域に設けて人工島を造成することが可能である。
また、本実施形態によれば、塊状体31を多数配置するとともに間隙にセメント固化土用混合スラリー33Xを導入して固化した堆積層27を複数積層し、コンクリートを打設して、堆積層27の上面にコンクリート地盤15を造成している。
そのため各堆積層27に塊状体31の間隙に確実にセメント固化土用混合スラリー33Xを導入でき、各堆積層27毎に塊状体31の間隙を確実にセメント固化土33で充填することで強固な堆積層27を形成することができ、また、この堆積層27の上面に蓋をするようにしてコンクリートを打設して5〜20cm程度の厚さのコンクリート地盤15を形成する。
これにより、堆積層27を構成する塊状体31からの放射線の漏れを防止することが可能となる。
また、本実施形態によれば、島造成区域21内に外海11の海面11aより高い位置まで埋立てた埋立基礎25を設け、この埋立基礎25上に塊状体31を配置してセメント固化土用混合スラリー33Xを導入及び固化している。
そのため島造成時には、多数の塊状体31間の間隙に海水が存在せず、確実に塊状体31間にセメント固化土用混合スラリー33Xを導入でき、またセメント固化土用混合スラリー33Xが海水に分散、流出したりすることもない。これにより十分量のセメント固化土用混合スラリー33Xを塊状体31間の間隔に導入して固化させることができ、より安定した地盤15を造成できる。
また、島造成後には、塊状体31及びセメント固化土33が海水に浸食されることがないため、塊状体31に収容されている土砂から放射性物質が溶出したり分散したりすることを防止することができるほか、さらに長期間安定に地盤15を保つことができる。
本実施形態の人工島13の造成方法では、土壌を収容したフレキシブルコンテナバッグを塊状体31として配置している。そのため各塊状体31の外周が埋立基礎25や周囲の塊状体31と当接した際、多少変形できる。これにより各塊状体31の設置面や当接面をより広くして多数の塊状体31をより安定に密集して配置でき、より安定な地盤15を造成できる。
また塊状体31が埋立基礎25上に配置されるため、土壌を収容したフレキシブルコンテナバッグが島造成時やその後に海水に接することを防止でき、フレキシブルコンテナバッグに収容された土砂から放射性物質が海水中に流出することがなく、長期間安定した地盤15を長期間保つことができる。
さらに、このようにして造成された本実施形態の人工島13によれば、島造成区域21内に外海11の海面11aより高い位置まで埋立てた埋立基礎25を備え、この埋立基礎25上に互いに当接させて多数の塊状体31が配置されるとともに塊状体31間の間隙がセメント固化土33により埋められている。
そのため塊状体31やセメント固化土33が海水に接して浸食されたり、その成分が海水中に溶出や分散したりすることが防止できる。これにより多数の塊状体31と塊状体31間に充填されたセメント固化土33とにより、十分な強度を確保しつつ広い面積で安定な地盤15であって、長期間安定に保つことができる地盤15が設けることができる。
特に、本実施形態の人工島13では、多数の塊状体31の少なくとも一部が土壌を収容したフレキシブルコンテナバッグからなるものとなっている。そのため塊状体31の外周が埋立基礎25や周囲の塊状体31と当接した際、多少変形できる。これにより設置面や当接面をより広くできて多数の塊状体31をより安定して密集配置することができ、より安定な地盤15を確保できる。
また塊状体31が埋立基礎25上に配置されるため、土壌を収容したフレキシブルコンテナバッグが海水に接することを防止でき、フレキシブルコンテナバッグに収容された土壌やその成分が海水中に流出することがなく、長期間安定したコンクリート地盤15を保つことができる。
そして本実施形態の人工島13を上述のような低レベル放射性廃棄物である土砂の処分施設10として用いれば、フレキシブルコンテナバッグにこの土砂を収容したものを、塊状体31として用いて埋立基礎25上に配置しており、その間隙にセメント固化土33を充填して安定させてコンクリート地盤15を形成し、地盤15上に滑走路を設けている。そのため十分な強度を有して安定したコンクリート地盤15に滑走路を設けることができる上に、低レベルの放射性物質を周囲の環境から隔離して長期間安定に保持したり処分したりすることが可能である。
なお上記実施形態は、本発明の範囲内において適宜変更可能である。
例えば上記実施形態では、塊状体31として土壌を収容したフレキシブルコンテナバッグを用いたため、各塊状体31の大きさのバラツキが少なく、そのために埋立基礎25上に堆積層27が複数層積層されて地盤15が造成されていたが、堆積層27を埋立基礎25上に層状に複数積層する構造でなくてもよく、例えばランダムに塊状体31が配置されてセメント固化土33により固定された構造であってもよい。
また上記実施形態では、島造成区域21の全周を堤防23により仕切った後で埋立基礎25を造成したが、特に限定されるものではない。例えば島造成区域21の少なくとも一部を堤防23により仕切った後であれば、工事可能な区域から、適宜、埋立基礎25を造成することが可能である。
10 処分施設
11 外海
11a 海面
13 人工島
15 コンクリート地盤
17 滑走路
17a コンクリート層
17b アスファルト層
17c 管理道路
18a 排水溝
18b 緑地帯
19 砂浜
21 島造成区域
23 堤防
23a 堤防本体
23b 防潮堤
25 埋立基礎
27 堆積層
29 テトラポット
31 塊状体
33 セメント固化土
33X セメント固化土用混合スラリー
そこで本発明では、除染措置で発生した高レベル又は低レベルの放射性廃棄物である土砂が収納された大量のトン袋を人工島の造成に利用することで一度で大量に処理することができるほか、放射性廃棄物から放射線の漏れによる放射能汚染を防止するための高レベル又は低レベルの放射性廃棄物である土砂を収容したトン袋の大量処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の高レベル及び低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法は、堤防により島造成区域を外海と仕切り、前記島造成区域内に高レベル又は低レベル放射性廃棄物である土砂を収容したトン袋からなる多数の塊状体を互いに当接させて配置し、土及びセメント成分を含有するセメント固化土用混合スラリーを前記塊状体間に導入し、前記セメント固化土用混合スラリーを固化させることでセメント固化土により前記塊状体間の間隙を埋め、前記塊状体の上面にコンクリートを打設してコンクリート地盤を形成することを特徴とする。

Claims (6)

  1. 堤防により島造成区域を外界と仕切り、
    前記島造成区域内に高レベル又は低レベル放射性廃棄物である土砂を収容したトン袋からなる多数の塊状体を互いに当接させて配置し、
    土及びセメント成分を含有するセメント固化土用混合スラリーを前記塊状体間に導入し、
    前記セメント固化土用混合スラリーを固化させることでセメント固化土により前記塊状体間の間隙を埋め、
    前記塊状体の上面にコンクリートを打設してコンクリート地盤を形成することを特徴とする高レベル及び低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法。
  2. 前記塊状体を多数配置するとともに前記間隙に前記セメント固化土用混合スラリーを導入及び固化して形成される堆積層を複数積層して地盤を造成することを特徴とする請求項1に記載の高レベル及び低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法。
  3. 前記島造成区域内に前記外海の海面より高い位置まで埋立てた埋立基礎を設け、前記埋立基礎上に前記塊状体を配置して前記セメント固化土用混合スラリーを導入及び固化することを特徴とする請求項1又は2に記載の高レベル及び低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法。
  4. 前記塊状体の少なくとも一部として土壌を収容したフレキシブルコンテナバッグを配置することを特徴とする請求項3に記載の高レベル及び低レベル放射性廃棄物を収容したトン袋の大量処理方法。
  5. コンクリート壁により外部を仕切り、
    多数の塊状体を互いに当接させて配置し、
    土及びセメント成分を含有するセメント固化土用混合スラリーを前記塊状体間の間隙に流入し、固化させて堆積層を形成し、
    該堆積層の上面にコンクリートを打設してコンクリート地盤を形成することを特徴とするコンクリート打設による放射線を封じ込める方法。
  6. 前記多数の塊状体は高レベル又は低レベル放射性廃棄物である土砂を収容したフレキシブルコンテナバッグからなることを特徴とする請求項5に記載のコンクリートの打設による放射線を封じ込める方法。
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