JP3232929U - コンクリート構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】原子力発電所からのトリチウムを含んだ処理水を好適に処分することができるコンクリート構造物を提供する。【解決手段】コンクリート構造物1は、所定のセメント材料11と、トリチウムを含んだトリチウム水12と、の混錬物13が固化されて生成されたコンクリート構造物である。そして、このコンクリート構造物1では、セメント材料11の水和反応によってトリチウムが固定化される。【選択図】図2
Description
本考案は、トリチウムを含んだ処理水からトリチウムを固定化して該処理水を利用するコンクリート構造物に関する。
日本では、2011年3月11日の大震災の後、原子力発電所の事故があり、この原子力発電所からの放射性物質の飛散により、福島県を中心として、東北地方で広域的な放射性物質による汚染が生じることとなった。これにより、日常の生活環境からの被曝や食品を通じた被曝などが懸念される一方で、放射性物質を含む廃棄物などの処理の問題が深刻化している。上記の原子力発電所の事故処理が続く中で日々多量の放射性物質による汚染水が発生しており、この汚染水は、例えば、多核種除去設備により浄化処理され処理水としてタンクに保管されているが、上記の多核種除去設備ではトリチウムを除去できないことと、トリチウムを含んだ処理水のタンクへの保管量が上限に達していることと、が問題となっている。
ここで、放射性物質を含む土壌などの廃棄物を格納して保管する技術として、例えば、特許文献1には、コンクリート製の本体及び蓋体に防水シートを備えた容器が開示されている。
また、重大事故の被災地で処理した放射性瓦礫を、被災地以外の場所に搬送することなく速やかに処理する技術として、例えば、特許文献2には、放射性瓦礫と放射性物質吸着材の混合物を構造体の内部に盛土材として詰めて、その構造体を造成する技術が開示されている。
放射性廃棄物の最終処分に当たって、現在のところ、高レベル放射性廃棄物は、ガラス固化体を地層処分することとなっており、低レベル放射性廃棄物は、余裕深度処分、浅地中ピット処分或いは浅地中トレンチ処分することになっている。ここで、従来の廃棄物用の容器では、ゴム系材料の経年劣化による密閉性の低下やコンクリートからの水分の浸み出しなどで放射性物質が容器外部に漏れ出る虞があり、放射性セシウムのように長い半減期の放射性物質を含む汚染土を長期間格納して保管する用途には適していなかった。そこで、特許文献1に記載の技術によれば、放射性セシウムを含む汚染土を密閉保管するのに好適な容器が提供されるようにも思われる。しかしながら、上述した地層処分や余裕深度処分、浅地中ピット処分、浅地中トレンチ処分などの処分方法は、高度の技術を要し、コストがかさんでいた。
また、特許文献2に記載の技術によれば、放射性瓦礫を盛土材として利用することで、重大事故の被災地において、放射性物質の処分とともに瓦礫処理を進めることができるようにも思われる。しかしながら、特許文献2に記載の技術では、放射性物質吸着材に放射性物質を吸着させるため、放射性物質のうち水から分離することが困難なトリチウムを処分できない虞がある。そして、トリチウムを含んだ処理水を処分する技術については、未だ改良の余地を残すものである。
本開示の目的は、原子力発電所からのトリチウムを含んだ処理水を好適に処分することができる技術を提供することにある。
本開示のコンクリート構造物は、所定のセメント材料と、トリチウムを含んだトリチウム水と、の混錬物が固化されて生成されたコンクリート構造物である。そして、このコンクリート構造物では、前記セメント材料の水和反応によって前記トリチウムが固定化される。
上記のコンクリート構造物では、セメント材料とトリチウム水とが混合されることで混錬物が生成され、該混錬物は、セメント成分の水和反応によって固化し、固化体を形成する。これによれば、セメント成分の水和生成物によって、放射性物質であるトリチウムの封じ込め効果を得ることができる。そして、上記の固化体から所定のコンクリート製品が製造されることで、放射性廃棄物を産業利用しながら好適に長期保管することができる。このように、放射性物質で汚染された汚染水からの除去が困難なトリチウムをコンクリート構造物に水和固定化することで、トリチウムの環境への気化、蒸散や流出を抑制することができる。したがって、トリチウムを含んだ処理水が海洋放出される事態を抑制することができる。なお、前記セメント材料は、ポルトランドセメントであってもよい。
また、本開示のコンクリート構造物は、沿岸海洋構造物又は海底構造物に用いられてもよい。ここで、沿岸海洋構造物とは、例えば、防潮堤、防波堤、消波堤、岸壁、護岸等である。また、海底構造物とは、例えば、魚礁ブロックや海洋の埋立ブロック等である。
本開示によれば、原子力発電所からのトリチウムを含んだ処理水を好適に処分することができる。
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
本実施形態におけるコンクリート構造物の概要について、図1および図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態におけるコンクリート構造物の概略構成を示す図である。本実施形態に係るコンクリート構造物1は、沿岸海洋構造物であって、詳しくは防潮堤である。
そして、コンクリート構造物1は、所定のセメント材料と、トリチウムを含んだトリチウム水と、の混錬物が固化されて生成される。ここで、図2は、セメント材料とトリチウム水とから生成されるコンクリート構造物1を説明するための図である。図2に示すように、コンクリート構造物1を生成するために、セメント材料11とトリチウム水12とが混合される。つまり、コンクリートの硬化に寄与するセメント水和物に必要な水にトリチウム水12が利用される。なお、上記のセメント材料11は、例えば、ポルトランドセメントである。
ここで、原子力発電所からは、多核種除去設備では除去できないトリチウムを含んだトリチウム水が生じている。日本では、原子力発電所の事故処理が続く中で日々多量の放射性物質による汚染水が発生しており、例えば、多核種除去設備によりこの汚染水が浄化処理されているが、処理水には除去できないトリチウムが含まれている。そのため、処理水は、タンクに保管されているが、トリチウムを含んだ処理水のタンクへの保管量が上限に達していること等により、この処理水を海洋放出せざるを得ない事態が生じ得る。そして、トリチウムを含んだ処理水が海洋放出されると、海洋生物の体内にトリチウムが蓄積され、該海洋生物を食した人への被曝などが懸念される。
そこで、本開示人は、原子力発電所からのトリチウムを含んだ処理水を好適に処分できる技術として、トリチウム水を利用してセメント水和物を生成することで、セメント材料の水和反応によってコンクリート構造物にトリチウムを固定化することができることを新たに見出した。
図2に示すように、セメント材料11とトリチウム水12とが混合されると、混錬物13は、セメント成分の水和反応によって固化し、固化体を形成する。ここで、混錬物13には、砂、砕砂、砂利、砕石等の骨材が配合され得る。これによれば、セメント成分の水和生成物によって、放射性物質であるトリチウムの封じ込め効果を得ることができる。
そして、上記の固化体から所定のコンクリート製品が製造される。本実施形態では、混錬物13が固化されて生成されたコンクリート構造物1として、防潮堤が製造される。このように、セメント成分の水和生成物によってトリチウムが固定化されたコンクリート構造物1が防潮堤のような製品として活用されることで、放射性廃棄物を産業利用しながら好適に長期保管することができる。防潮堤のような構造物は、その寿命が非常に長いため、例えば、100年間構造物として使用されれば、該構造物に固定化されたトリチウムは、元の量の1%以下にまで減少する。つまり、このような活用によれば、好適にトリチウムを処分することができる。
また、コンクリート構造物1に含まれるトリチウムは、セメント成分の水和生成物によって固定化されている。そのため、このコンクリート構造物1が産業利用される際に、トリチウムが環境に流出することはない。
更に、コンクリート構造物1を、沿岸海洋構造物や海底構造物として利用することで、トリチウムを含んだ処理水の搬送に伴うコストと時間を削減することができる。原子力発電所は、冷却水の確保や燃料の運搬などの観点で、海に面して設置されることが多い。つまり、トリチウムを含んだ処理水も、海に面した立地に保管される傾向にある。したがって、このような立地で、トリチウムを含んだ処理水を用いてコンクリート構造物1を生成することで、該処理水の搬送に伴うコストと時間を可及的に削減することができる。そして、コンクリート構造物1を、沿岸海洋構造物や海底構造物として利用することで、該構造物の搬送に伴うコストと時間も可及的に削減することができる。
このように、本開示の技術によれば、放射性物質で汚染された汚染水からの除去が困難なトリチウムをコンクリート構造物1に水和固定化することで、トリチウムの環境への気化、蒸散や流出を抑制することができる。したがって、トリチウムを含んだ処理水が海洋放出される事態を抑制することができる。
以上に述べたコンクリート構造物1によれば、原子力発電所からのトリチウムを含んだ処理水を好適に処分することができる。
<その他の変形例>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
例えば、本開示のコンクリート構造物は、沿岸海洋構造物として防潮堤以外の用途に用いられてもよい。図3は、本変形例におけるコンクリート構造物の概略構成を示す第1の図である。図3に示すように、本開示のコンクリート構造物は、沿岸海洋構造物として消波ブロックに用いられてもよい。また、本開示のコンクリート構造物は、海底構造物の用途に用いられてもよい。図4は、本変形例におけるコンクリート構造物の概略構成を示す第2の図であって、図5は、本変形例におけるコンクリート構造物の概略構成を示す第3の図である。本開示のコンクリート構造物は、海底構造物として、図4に示すように魚礁ブロックに用いられてもよいし、図5に示すようにアンカーに用いられてもよい。
1・・・・・コンクリート構造物
11・・・・セメント材料
12・・・・トリチウム水
13・・・・混錬物
11・・・・セメント材料
12・・・・トリチウム水
13・・・・混錬物
Claims (3)
- 所定のセメント材料と、トリチウムを含んだトリチウム水と、の混錬物が固化されて生成されたコンクリート構造物であって、
前記セメント材料の水和反応によって前記トリチウムが固定化されることを特徴とする、
コンクリート構造物。 - 前記セメント材料は、ポルトランドセメントである、
請求項1に記載のコンクリート構造物。 - 沿岸海洋構造物又は海底構造物に用いられることを特徴とする、
請求項1又は請求項2に記載のコンクリート構造物。
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- 2021-04-30 JP JP2021001631U patent/JP3232929U/ja active Active
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