JPH0735573B2 - 金属材料の蒸発量制御装置 - Google Patents
金属材料の蒸発量制御装置Info
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- JPH0735573B2 JPH0735573B2 JP1172136A JP17213689A JPH0735573B2 JP H0735573 B2 JPH0735573 B2 JP H0735573B2 JP 1172136 A JP1172136 A JP 1172136A JP 17213689 A JP17213689 A JP 17213689A JP H0735573 B2 JPH0735573 B2 JP H0735573B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は金属材料の蒸発量制御装置に関するものであ
る。
る。
[従来の技術] 真空蒸着を始めとしてイオンプレーティングやイオンミ
キシング等に用いられる従来の電子ビーム蒸発装置とし
ては、例えば第8図に示すものがある。
キシング等に用いられる従来の電子ビーム蒸発装置とし
ては、例えば第8図に示すものがある。
第8図中、1は真空容器、2は金属材料8蒸発用の坩堝
3付き電子銃、4は電子銃2の上方に配設された、蒸着
等を行う基板、5は基板4の側部直下に配設され、坩堝
3から蒸発する金属材料8の蒸発速度及び基板4に付着
した金属材料の膜厚を検出する水晶式膜厚計であり、坩
堝3付き電子銃2、基板4、水晶式膜厚計5は真空容器
1内に収納されている。
3付き電子銃、4は電子銃2の上方に配設された、蒸着
等を行う基板、5は基板4の側部直下に配設され、坩堝
3から蒸発する金属材料8の蒸発速度及び基板4に付着
した金属材料の膜厚を検出する水晶式膜厚計であり、坩
堝3付き電子銃2、基板4、水晶式膜厚計5は真空容器
1内に収納されている。
又、6は水晶式膜厚計5からの信号を監視するモニタ
ー、7はモニター6からの信号を基に水晶式膜厚計5に
より検出された金属材料の蒸発速度及び膜厚を求め、電
子銃2から坩堝3内の金属材料8に射出される電子ビー
ム9の出力をコントロールする電子銃コントローラであ
る。
ー、7はモニター6からの信号を基に水晶式膜厚計5に
より検出された金属材料の蒸発速度及び膜厚を求め、電
子銃2から坩堝3内の金属材料8に射出される電子ビー
ム9の出力をコントロールする電子銃コントローラであ
る。
上記装置では、電子銃2から射出された電子ビーム9に
より坩堝3内の溶融した金属材料8が表面から蒸発し、
その蒸気が基板4下面に付着して蒸着が行われる。
より坩堝3内の溶融した金属材料8が表面から蒸発し、
その蒸気が基板4下面に付着して蒸着が行われる。
又金属材料8の蒸気は水晶膜厚計5にも付着し、水晶振
動子の振動により蒸発速度及び膜厚が検出され、その信
号はモニター6を経て電子銃子コントローラ7へ送ら
れ、電子銃コントローラ7からの指令により電子銃2か
らの電子ビーム9の出力がコントロールされる。
動子の振動により蒸発速度及び膜厚が検出され、その信
号はモニター6を経て電子銃子コントローラ7へ送ら
れ、電子銃コントローラ7からの指令により電子銃2か
らの電子ビーム9の出力がコントロールされる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上述の電子ビーム蒸発装置にあっては、
下記のような問題がある。
下記のような問題がある。
(i)水晶式膜厚計5は、付着した金属材料の膜厚が数
10μmになると水晶振動子の固有振動数が低下し、蒸発
速度や膜厚の検出が困難となるため、交換する必要が生
じる。
10μmになると水晶振動子の固有振動数が低下し、蒸発
速度や膜厚の検出が困難となるため、交換する必要が生
じる。
(ii)水晶式膜厚計5は数時間の操業で膜厚が数μmに
なるため、長時間操業を行うには数時間ごとに水晶式膜
厚計5を交換する必要がある。しかるに水晶式膜厚計5
交換のために真空容器1をあけると操業が中止され、又
交換後操業を再開した場合には、基板4に対する金属の
蒸着状態が当初と異なり均一な蒸着を行うことができな
い。従って水晶式膜厚計5は長時間操業に適さない。
なるため、長時間操業を行うには数時間ごとに水晶式膜
厚計5を交換する必要がある。しかるに水晶式膜厚計5
交換のために真空容器1をあけると操業が中止され、又
交換後操業を再開した場合には、基板4に対する金属の
蒸着状態が当初と異なり均一な蒸着を行うことができな
い。従って水晶式膜厚計5は長時間操業に適さない。
(iii)操業は通常スタートから終了までプログラム制
御による連続的に行われるが、水晶式膜厚計5交換後操
業を再開した場合には蒸着状態が当初とは異なり、プロ
グラム制御が困難である。従って自動化運転を行うのは
不可能である。
御による連続的に行われるが、水晶式膜厚計5交換後操
業を再開した場合には蒸着状態が当初とは異なり、プロ
グラム制御が困難である。従って自動化運転を行うのは
不可能である。
(iv)水晶式膜厚計5は1個当り1500円程度であるが、
1つの装置に水晶式膜厚計5を2個使用し1日3回交換
し年間240日稼動する場合、水晶式膜厚計5の予備品だ
けでも年間約200万円にもなり、ランニングコストが高
価になる。
1つの装置に水晶式膜厚計5を2個使用し1日3回交換
し年間240日稼動する場合、水晶式膜厚計5の予備品だ
けでも年間約200万円にもなり、ランニングコストが高
価になる。
(v)複数の坩堝3から蒸発を行うときには、坩堝3近
傍で計測が必要となるが、水晶式膜厚計5は耐熱性がな
い(200℃以下の雰囲気でしか使用できない)ため、坩
堝3近傍での計測は不可能であり、又坩堝3から離れた
位置で複数の坩堝3の制御を行っても各坩堝3を独立し
て制御することができない。
傍で計測が必要となるが、水晶式膜厚計5は耐熱性がな
い(200℃以下の雰囲気でしか使用できない)ため、坩
堝3近傍での計測は不可能であり、又坩堝3から離れた
位置で複数の坩堝3の制御を行っても各坩堝3を独立し
て制御することができない。
(vi)蒸着した金属材料が膜応力の大きい材料の場合に
は、水晶式膜厚計5は破損する虞れがある。
は、水晶式膜厚計5は破損する虞れがある。
本発明は上述に実情に鑑み、長時間運転可能で、耐熱性
に富み、ランニングコストが安価で、複数の坩堝からの
蒸発量を独立して制御できるようにすることを目的とし
てなしたものである。
に富み、ランニングコストが安価で、複数の坩堝からの
蒸発量を独立して制御できるようにすることを目的とし
てなしたものである。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、第1の手段においては、坩堝
に収納された、溶融した金属材料を蒸発させるための直
線式電子銃と、該金属材料の表面から放出された熱電子
を捕捉する熱電子電流検出用電極と、該電極で捕捉され
た熱電子を誘導し熱電子放出電流とするための正バイア
ス電源と、該熱電子放出電流を検出することにより前記
金属材料の蒸発速度を求める電流検出/積算器と、求め
られた蒸発速度と設定された蒸発速度の偏差に対応して
前記電子銃に指令を与える電子銃コントローラを設けた
構成としている。
に収納された、溶融した金属材料を蒸発させるための直
線式電子銃と、該金属材料の表面から放出された熱電子
を捕捉する熱電子電流検出用電極と、該電極で捕捉され
た熱電子を誘導し熱電子放出電流とするための正バイア
ス電源と、該熱電子放出電流を検出することにより前記
金属材料の蒸発速度を求める電流検出/積算器と、求め
られた蒸発速度と設定された蒸発速度の偏差に対応して
前記電子銃に指令を与える電子銃コントローラを設けた
構成としている。
又、第2の手段においては、坩堝に収納された、溶融し
た金属材料を蒸発させるための電子銃と、該金属材料の
表面から放出された熱電子を捕捉する熱電子電流検出用
電極と、該電極で捕捉された熱電子を誘導し熱電子放出
電流とするための正バイアス電源と、該熱電子放出電流
を検出することにより前記金属材料の蒸発速度を求める
電流検出/積算器と、求められた蒸発速度と設定された
蒸発速度の偏差に対応して前記電子銃に指令を与える電
子銃コントローラと、前記坩堝から蒸発した金属材料を
基板にイオンプレーティングする前にプラズマ化するた
めのプラズマ発生用のホローカソードプラズマ銃を設け
た構成としている。
た金属材料を蒸発させるための電子銃と、該金属材料の
表面から放出された熱電子を捕捉する熱電子電流検出用
電極と、該電極で捕捉された熱電子を誘導し熱電子放出
電流とするための正バイアス電源と、該熱電子放出電流
を検出することにより前記金属材料の蒸発速度を求める
電流検出/積算器と、求められた蒸発速度と設定された
蒸発速度の偏差に対応して前記電子銃に指令を与える電
子銃コントローラと、前記坩堝から蒸発した金属材料を
基板にイオンプレーティングする前にプラズマ化するた
めのプラズマ発生用のホローカソードプラズマ銃を設け
た構成としている。
更に、第3の手段においては、坩堝に収納された、溶融
した金属材料を蒸発させるための電子銃と、該金属材料
の表面から放出された熱電子を捕捉する熱電子電流検出
用電極と、該電極で捕捉された熱電子を誘導し熱電子放
出電流とするための正バイアス電源と、該熱電子放出電
流を検出することにより前記金属材料の蒸発速度を求め
る電流検出/積算器と、求められた蒸発速度と設定され
た蒸発速度の偏差に対応して前記電子銃に指令を与える
電子銃コントローラと、前記坩堝から蒸発した金属材料
を基板にイオンプレーティングする前にイオン化するた
めの高周波コイルを設けた構成としている。
した金属材料を蒸発させるための電子銃と、該金属材料
の表面から放出された熱電子を捕捉する熱電子電流検出
用電極と、該電極で捕捉された熱電子を誘導し熱電子放
出電流とするための正バイアス電源と、該熱電子放出電
流を検出することにより前記金属材料の蒸発速度を求め
る電流検出/積算器と、求められた蒸発速度と設定され
た蒸発速度の偏差に対応して前記電子銃に指令を与える
電子銃コントローラと、前記坩堝から蒸発した金属材料
を基板にイオンプレーティングする前にイオン化するた
めの高周波コイルを設けた構成としている。
更に又、第4の手段においては、坩堝に収納された、溶
融した金属材料を蒸発させるための電子銃と、該金属材
料の表面から放出された熱電子を捕捉する熱電子電流検
出用電極と、該電極で捕捉された熱電子を誘導し熱電子
放出電流とするための正バイアス電源と、該熱電子放出
電流を検出することにより前記金属材料の蒸発速度を求
める電流検出/積算器と、求められた蒸発速度と設定さ
れた蒸発速度の偏差に対応して前記電子銃に指令を与え
る電子銃コントローラと、前記坩堝内の金属材料の表面
にイオンを衝突させるためのイオン源を設けた構成とし
ている。
融した金属材料を蒸発させるための電子銃と、該金属材
料の表面から放出された熱電子を捕捉する熱電子電流検
出用電極と、該電極で捕捉された熱電子を誘導し熱電子
放出電流とするための正バイアス電源と、該熱電子放出
電流を検出することにより前記金属材料の蒸発速度を求
める電流検出/積算器と、求められた蒸発速度と設定さ
れた蒸発速度の偏差に対応して前記電子銃に指令を与え
る電子銃コントローラと、前記坩堝内の金属材料の表面
にイオンを衝突させるためのイオン源を設けた構成とし
ている。
[作用] 何れの手段においても、電子ビームにより、溶融した金
属材料表面から金属材料が蒸発させられ、金属材料の蒸
発により放出された熱電子の放出電流が検出され、該放
出電流から金属材料の蒸発速度が求められ、該蒸発速度
と設定された蒸発速度の偏差に対応して前記電子ビーム
の出力が制御される。
属材料表面から金属材料が蒸発させられ、金属材料の蒸
発により放出された熱電子の放出電流が検出され、該放
出電流から金属材料の蒸発速度が求められ、該蒸発速度
と設定された蒸発速度の偏差に対応して前記電子ビーム
の出力が制御される。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
なお、第1図〜第5図において第8図に示すものと同一
のものには同一の符号が付してある。
のものには同一の符号が付してある。
第1図は本発明の第1実施例で、金属材料の蒸着を行う
場合を示している。
場合を示している。
外側部両側に夫々電子銃2が設置された1基の真空容器
1内には、材料蒸発用の、坩堝3が2組配設され、各坩
堝3の斜め直上部には、夫々耐熱材(Mo、Ta等)又は水
冷銅から成る熱電子電流検出用電極10が設置されてい
る。
1内には、材料蒸発用の、坩堝3が2組配設され、各坩
堝3の斜め直上部には、夫々耐熱材(Mo、Ta等)又は水
冷銅から成る熱電子電流検出用電極10が設置されてい
る。
電極10には熱電子誘導用の正バイアス電源11が接続さ
れ、該正バイアス電源11には電流検出/積算器12が接続
され、電流検出/積算器12は電子銃コントローラ7を介
して電子銃2に接続されている。本実施例における電子
銃2は直線式電子銃である。
れ、該正バイアス電源11には電流検出/積算器12が接続
され、電流検出/積算器12は電子銃コントローラ7を介
して電子銃2に接続されている。本実施例における電子
銃2は直線式電子銃である。
金属材料8の基板4に対する蒸着時には、電子銃コント
ローラ7に設定された蒸発速度aoに対応した指令Vが電
子銃2に与えられ、電子銃2からは蒸発速度aoに対応し
た出力Fの電子ビーム9が坩堝3内の金属材料8に向っ
て射出され、該金属材料8の表面8aから金属材料8の蒸
気と一緒に熱電子et -(第5図参照)が放出される。
ローラ7に設定された蒸発速度aoに対応した指令Vが電
子銃2に与えられ、電子銃2からは蒸発速度aoに対応し
た出力Fの電子ビーム9が坩堝3内の金属材料8に向っ
て射出され、該金属材料8の表面8aから金属材料8の蒸
気と一緒に熱電子et -(第5図参照)が放出される。
金属材料8の蒸気は上昇して基板4に蒸着され、一方熱
電子は熱電子電流検出用電極10により捕捉されて正バイ
アス電源11により誘導され、電流検出/積算器12で熱電
子に基づく熱電子放出電流Iが求められると共に該熱電
子放出電流Iに対応した蒸発速度aが求められ、電子銃
コントローラ7で求められた蒸発速度aと設定された蒸
発速度aoが比較され、両者に偏差Δa(=a−ao)があ
る場合には、電子銃コントローラ7からは指令Vが電子
銃2に与えられ、電子銃2からは偏差Δaに対応した出
力Fの電子ビーム9が出力される。
電子は熱電子電流検出用電極10により捕捉されて正バイ
アス電源11により誘導され、電流検出/積算器12で熱電
子に基づく熱電子放出電流Iが求められると共に該熱電
子放出電流Iに対応した蒸発速度aが求められ、電子銃
コントローラ7で求められた蒸発速度aと設定された蒸
発速度aoが比較され、両者に偏差Δa(=a−ao)があ
る場合には、電子銃コントローラ7からは指令Vが電子
銃2に与えられ、電子銃2からは偏差Δaに対応した出
力Fの電子ビーム9が出力される。
なお、設定された蒸発速度aoと電子銃2からの出力F、
或いは偏差Δaと電子銃2からの出力Fは、Focao、Foc
Δaのような一定の関数関係がある。
或いは偏差Δaと電子銃2からの出力Fは、Focao、Foc
Δaのような一定の関数関係がある。
次に、蒸発速度aの求め方を第5図により説明する。
電子ビーム9により坩堝3内の金属材料8を加熱蒸発さ
せたときの蒸発速度aは、 で表わされ、又金属材料8からの熱電子et -に起因する
放出電流Iは、 で表わされる。このため、式からTを求め、該Tを
式のTsに直接代入するか、或いはTに係数を掛けたもの
をTsに代入することにより蒸発速度aが求められる。
せたときの蒸発速度aは、 で表わされ、又金属材料8からの熱電子et -に起因する
放出電流Iは、 で表わされる。このため、式からTを求め、該Tを
式のTsに直接代入するか、或いはTに係数を掛けたもの
をTsに代入することにより蒸発速度aが求められる。
ここで、Pa;溶融した金属材料8の温度T(°K)にお
ける飽和蒸気圧(Pa) Md;蒸発した金属材料8の分子量 Ts;坩堝3内の溶融した金属材料8の表面温度
(°K) S ;坩堝3内の溶融した金属材料8の表面積(m
2) A ;リチャードソン定数 R ;ボルツマン定数 ;定数 従って、実際の装置では、Ps、Md、S、A、R、は予
め電子銃コントローラ7に設定しておき、電流検出/積
算器12により求めた蒸発速度aを電子銃コントローラ7
に送り、上述のような制御を行うことになる。
ける飽和蒸気圧(Pa) Md;蒸発した金属材料8の分子量 Ts;坩堝3内の溶融した金属材料8の表面温度
(°K) S ;坩堝3内の溶融した金属材料8の表面積(m
2) A ;リチャードソン定数 R ;ボルツマン定数 ;定数 従って、実際の装置では、Ps、Md、S、A、R、は予
め電子銃コントローラ7に設定しておき、電流検出/積
算器12により求めた蒸発速度aを電子銃コントローラ7
に送り、上述のような制御を行うことになる。
第2図は本発明の第2実施例であり、イオンプレーティ
ングを行うものである。
ングを行うものである。
図中、13はプラズマ発生用のホローカソードプラズマ
銃、14は電子銃2と基板4との間に配設された基板バイ
アス電源、15はプラズマである。イオンプレーティング
時には、ホローカソードプラズマ銃13からプラズマ15が
射出され、坩堝3から蒸発した金属材料8の蒸気はホロ
ーカソードプラズマ銃13によりプラズマ化され、基板4
にイオンプレーティングされる。
銃、14は電子銃2と基板4との間に配設された基板バイ
アス電源、15はプラズマである。イオンプレーティング
時には、ホローカソードプラズマ銃13からプラズマ15が
射出され、坩堝3から蒸発した金属材料8の蒸気はホロ
ーカソードプラズマ銃13によりプラズマ化され、基板4
にイオンプレーティングされる。
第3図は本発明の第3実施例で、第2実施例と同様イオ
ンプレーティングを行うものであるが、坩堝3から蒸発
した金属材料8の蒸気のイオン化を高周波コイル16によ
り行うようにした点が第2実施例と異なる。
ンプレーティングを行うものであるが、坩堝3から蒸発
した金属材料8の蒸気のイオン化を高周波コイル16によ
り行うようにした点が第2実施例と異なる。
第4図は本発明の第4実施例で、イオンミキシングを行
うものであり、基板4はイオンミキシングを行うため、
イオン源17から射出されたイオンが坩堝3内の金属材料
8の表面に衝突するよう傾斜して配設されている。
うものであり、基板4はイオンミキシングを行うため、
イオン源17から射出されたイオンが坩堝3内の金属材料
8の表面に衝突するよう傾斜して配設されている。
坩堝3から蒸発した金属材料8の蒸気はイオン源17から
射出されたイオンにより活性化され、基板4にプレーテ
ィングされる。
射出されたイオンにより活性化され、基板4にプレーテ
ィングされる。
第2図〜第4図の各実施例においても、電子ビーム9の
出力Fの制御は第1実施例と同様、放出された熱電子を
熱電子電流検出用電極10により捕捉することにより行
う。
出力Fの制御は第1実施例と同様、放出された熱電子を
熱電子電流検出用電極10により捕捉することにより行
う。
蒸発速度aの制御は、電子ビーム9の出力Fを制御する
ことにより行う以外に、電子銃2に内蔵されたフォーカ
スコイルにより、坩堝3内の金属材料8表面8aに射出さ
れる電子ビーム9のスポット径を制御することによって
も行うことができる。
ことにより行う以外に、電子銃2に内蔵されたフォーカ
スコイルにより、坩堝3内の金属材料8表面8aに射出さ
れる電子ビーム9のスポット径を制御することによって
も行うことができる。
すなわち、第6図に示すように、坩堝3内の溶融金属の
表面8aに照射する電子ビーム9のスポット径をd1とする
と、電子銃2の出力がFの場合、溶融金属の表面8aの単
位面積当りに照射されるエネルギー密度Qは、 で表わされ、スポット径d1は となる。この場合、エネルギー密度Qは一定に保持され
るから、スポット径d1を変えることは出力Fを変えるこ
とになる。従ってスポット径d1を変えることにより上述
の蒸発速度aの制御が可能となる。なお、実際には電子
銃2のビーム集束コイルを制御する。
表面8aに照射する電子ビーム9のスポット径をd1とする
と、電子銃2の出力がFの場合、溶融金属の表面8aの単
位面積当りに照射されるエネルギー密度Qは、 で表わされ、スポット径d1は となる。この場合、エネルギー密度Qは一定に保持され
るから、スポット径d1を変えることは出力Fを変えるこ
とになる。従ってスポット径d1を変えることにより上述
の蒸発速度aの制御が可能となる。なお、実際には電子
銃2のビーム集束コイルを制御する。
又蒸発速度aの制御は、電子銃2から射出される電子ビ
ーム9の走査方法(走査時間、滞在時間等)を制御する
ことにより行うことができる。
ーム9の走査方法(走査時間、滞在時間等)を制御する
ことにより行うことができる。
すなわち、第7図に示すように、走査により電子銃2か
ら出力された電子ビーム9を2個の坩堝3に振り分ける
ことにより1個の坩堝3当りのビームエネルギーを実質
的に変えることができる。この場合には、電子銃2のビ
ーム走査コイルを制御する。各坩堝3に対する電子ビー
ム9の出力をF、滞在時間をt1,t2とすると、各坩堝3
への入力エネルギーF1,F2は となり、t1=t2の場合は となる。なお式において、各坩堝3間の電子ビーム9
移動中のロスは、移動に要する時間が短時間(数μn)
のため無視できる。又1台の電子銃2で坩堝3は5基ほ
ど使用できる。
ら出力された電子ビーム9を2個の坩堝3に振り分ける
ことにより1個の坩堝3当りのビームエネルギーを実質
的に変えることができる。この場合には、電子銃2のビ
ーム走査コイルを制御する。各坩堝3に対する電子ビー
ム9の出力をF、滞在時間をt1,t2とすると、各坩堝3
への入力エネルギーF1,F2は となり、t1=t2の場合は となる。なお式において、各坩堝3間の電子ビーム9
移動中のロスは、移動に要する時間が短時間(数μn)
のため無視できる。又1台の電子銃2で坩堝3は5基ほ
ど使用できる。
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え
得ることは勿論である。
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え
得ることは勿論である。
[発明の効果] 上述したごとく、本発明の金属材料の蒸発量制御装置に
よれば、下記のごとき種々の優れた効果を奏し得る。
よれば、下記のごとき種々の優れた効果を奏し得る。
(I)熱電子電流検出用電極は付着した金属材料の膜厚
が厚くなっても測定不能になったり破損したりする虞れ
がないため、交換する必要がなく長時間操業を行うこと
ができ、且つランニングコストもバイアス電源(30V/5
A)の消費電力使用代程度であるため安価になる。
が厚くなっても測定不能になったり破損したりする虞れ
がないため、交換する必要がなく長時間操業を行うこと
ができ、且つランニングコストもバイアス電源(30V/5
A)の消費電力使用代程度であるため安価になる。
(II)長時間操業が可能となるため自動化が容易に可能
となる。
となる。
(III)熱電子電流検出用電極は耐熱性が良いため高融
点材料に対しても使用できると共に2点坩堝以上の多元
蒸発システムにおいて、各坩堝近傍に熱電子電流検出用
電極の配置が可能であるため各元素を独立して制御する
ことができる。
点材料に対しても使用できると共に2点坩堝以上の多元
蒸発システムにおいて、各坩堝近傍に熱電子電流検出用
電極の配置が可能であるため各元素を独立して制御する
ことができる。
(IV)金属材料の蒸発原子の量に対応させて反応ガスを
イオン化又は励起状態にすることにより、生成した薄膜
の組成比を調整でき、従って蒸発原子の蒸発速度を設定
値に対して安定な状態にすることができ、生成された薄
膜も安定なものとなる。
イオン化又は励起状態にすることにより、生成した薄膜
の組成比を調整でき、従って蒸発原子の蒸発速度を設定
値に対して安定な状態にすることができ、生成された薄
膜も安定なものとなる。
第1図は本発明の第1実施例の系統図、第2図は本発明
の第2実施例の系統図、第3図は本発明の第3実施例の
系統図、第4図は本発明の第4実施例の系統図、第5図
は本発明における金属材料の蒸発速度を説明するための
概念図、第6図は本発明において、金属材料の蒸発量の
制御を電子ビームのスポット径を変えることにより行う
場合の概念図、第7図は本発明において、金属材料の蒸
発量の制御を電子ビームの坩堝に対する滞在時間を変え
ることにより行う場合の概念図、第8図は従来装置の系
統図である。 図中1は真空容器、2は電子銃、3は坩堝、4は基板、
7は電子銃コントローラ、8は金属材料、8aは表面、9
は電子ビーム、10は熱電子電流検出用電極、11は正バイ
アス電源、12は電流検出/積算器、13はホローカソード
プラズマ銃、16は高周波コイル、17はイオン源、et -は
熱電子、Iは熱電子放出電流(放出電流)、a,aoは蒸発
速度、Δaは偏差、Fは出力を示す。
の第2実施例の系統図、第3図は本発明の第3実施例の
系統図、第4図は本発明の第4実施例の系統図、第5図
は本発明における金属材料の蒸発速度を説明するための
概念図、第6図は本発明において、金属材料の蒸発量の
制御を電子ビームのスポット径を変えることにより行う
場合の概念図、第7図は本発明において、金属材料の蒸
発量の制御を電子ビームの坩堝に対する滞在時間を変え
ることにより行う場合の概念図、第8図は従来装置の系
統図である。 図中1は真空容器、2は電子銃、3は坩堝、4は基板、
7は電子銃コントローラ、8は金属材料、8aは表面、9
は電子ビーム、10は熱電子電流検出用電極、11は正バイ
アス電源、12は電流検出/積算器、13はホローカソード
プラズマ銃、16は高周波コイル、17はイオン源、et -は
熱電子、Iは熱電子放出電流(放出電流)、a,aoは蒸発
速度、Δaは偏差、Fは出力を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】坩堝に収納された、溶融した金属材料を蒸
発させるための直線式電子銃と、該金属材料の表面から
放出された熱電子を捕捉する熱電子電流検出用電極と、
該電極で捕捉された熱電子を誘導し熱電子放出電流とす
るための正バイアス電源と、該熱電子放出電流を検出す
ることにより前記金属材料の蒸発速度を求める電流検出
/積算器と、求められた蒸発速度と設定された蒸発速度
の偏差に対応して前記電子銃に指令を与える電子銃コン
トローラを設けたことを特徴とする金属材料の蒸発量制
御装置。 - 【請求項2】坩堝に収納された、溶融した金属材料を蒸
発させるための電子銃と、該金属材料の表面から放出さ
れた熱電子を捕捉する熱電子電流検出用電極と、該電極
で捕捉された熱電子を誘導し熱電子放出電流とするため
の正バイアス電源と、該熱電子放出電流を検出すること
により前記金属材料の蒸発速度を求める電流検出/積算
器と、求められた蒸発速度と設定された蒸発速度の偏差
に対応して前記電子銃に指令を与える電子銃コントロー
ラと、前記坩堝から蒸発した金属材料を基板にイオンプ
レーティングする前にプラズマ化するためのプラズマ発
生用のホローカソードプラズマ銃を設けたことを特徴と
する金属材料の蒸発量制御装置。 - 【請求項3】坩堝に収納された、溶融した金属材料を蒸
発させるための電子銃と、該金属材料の表面から放出さ
れた熱電子を捕捉する熱電子電流検出用電極と、該電極
で捕捉された熱電子を誘導し熱電子放出電流とするため
の正バイアス電源と、該熱電子放出電流を検出すること
により前記金属材料の蒸発速度を求める電流検出/積算
器と、求められた蒸発速度と設定された蒸発速度の偏差
に対応して前記電子銃に指令を与える電子銃コントロー
ラと、前記坩堝から蒸発した金属材料を基板にイオンプ
レーティングする前にイオン化するための高周波コイル
を設けたことを特徴とする金属材料の蒸発量制御装置。 - 【請求項4】坩堝に収納された、溶融した金属材料を蒸
発させるための電子銃と、該金属材料の表面から放出さ
れた熱電子を捕捉する熱電子電流検出用電極と、該電極
で捕捉された熱電子を誘導し熱電子放出電流とするため
の正バイアス電源と、該熱電子放出電流を検出すること
により前記金属材料の蒸発速度を求める電流検出/積算
器と、求められた蒸発速度と設定された蒸発速度の偏差
に対応して前記電子銃に指令を与える電子銃コントロー
ラと、前記坩堝内の金属材料の表面にイオンを衝突させ
るためのイオン源を設けたことを特徴とする金属材料の
蒸発量制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1172136A JPH0735573B2 (ja) | 1989-07-04 | 1989-07-04 | 金属材料の蒸発量制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1172136A JPH0735573B2 (ja) | 1989-07-04 | 1989-07-04 | 金属材料の蒸発量制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0336268A JPH0336268A (ja) | 1991-02-15 |
JPH0735573B2 true JPH0735573B2 (ja) | 1995-04-19 |
Family
ID=15936236
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1172136A Expired - Fee Related JPH0735573B2 (ja) | 1989-07-04 | 1989-07-04 | 金属材料の蒸発量制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0735573B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4972299B2 (ja) * | 2005-08-17 | 2012-07-11 | 株式会社アルバック | 電子ビーム蒸着装置、および、当該装置を用いて行う基板の表面への蒸着被膜の形成方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58185768A (ja) * | 1982-04-23 | 1983-10-29 | Shinko Seiki Kk | 蒸発速度制御装置 |
-
1989
- 1989-07-04 JP JP1172136A patent/JPH0735573B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS58185768A (ja) * | 1982-04-23 | 1983-10-29 | Shinko Seiki Kk | 蒸発速度制御装置 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0336268A (ja) | 1991-02-15 |
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