JPH0735530B2 - 高クロム鋼の真空取鍋精錬における溶鋼温度制御方法 - Google Patents

高クロム鋼の真空取鍋精錬における溶鋼温度制御方法

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JPH0735530B2
JPH0735530B2 JP62208839A JP20883987A JPH0735530B2 JP H0735530 B2 JPH0735530 B2 JP H0735530B2 JP 62208839 A JP62208839 A JP 62208839A JP 20883987 A JP20883987 A JP 20883987A JP H0735530 B2 JPH0735530 B2 JP H0735530B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高クロム鋼の真空取鍋精錬における溶鋼温度制
御方法に係り、特に超低炭素高クロム鋼の溶鋼温度制御
方法に関する。
〔従来の技術〕
VOD法等の真空取鍋精錬炉における高クロム鋼の脱済精
錬方法は良く知られた技術であり、中でも超極低炭素高
クロム鋼の精錬方法については、例えば本出願人が特開
昭57−43925号に開示した次の方法が知られている。す
なわち、「高クロム溶鋼を真空取鍋脱ガス方式によって
処理する高クロム鋼の製造方法において、C:0.8〜2.5
%、Cr:10〜35%を含有する高クロム溶鋼に減圧下で取
鍋底部より溶鋼屯当り15Nl/minを越える不活性ガスを吹
込むと共に溶鋼表面に酸素ガスを吹付けて脱炭し、溶鋼
中のC含有量を0.07%に低下させ、その後不活性ガスを
次式 ここで、G:不活性ガス流量 Qo2:酸素ガス流量 〔%Cr〕:溶鋼中のCr含有量 を満すように供給し、SiO2・20%以上、Cr2O3が25%以
下を含有する溶鋼トン当り1kg以上のスラグを生成せし
め、溶鋼中のCが目標炭素含有量以下になつたとき酸素
吹付けを停止することを特徴とする超極低炭素.窒素高
クロム鋼の製造方法。」である。
このような真空精錬炉における高クロム鋼の真空脱炭精
錬方法における溶鋼温度のコントロールは非常に重要で
あり、第7図に示す如く高温であればある程、同一のCr
濃度(%)と平衡する鋼中のC濃度(%)が低く、Cの
優先脱炭が起こりやすくCrの酸化が少ないので極低炭素
鋼や超極低炭素鋼の製造が容易であり、例えば前記の特
開昭57−43925号では、C含有量が0.1%以下での溶鋼温
度Tは次式を満たすことが望ましいとしている。
T≧1576+4×〔%Cr〕℃ 一方、溶鋼温度が高温になる程、取鍋内張り耐火物や不
活性ガス底吹き用耐火物の溶損が激しく、取鍋耐火物コ
ストが上昇するばかりでなく、時として漏鋼事故を招き
甚だしい損害をもたらすことがある。
また、溶鋼温度が低いと優先脱炭の条件がくずれ、Crの
酸化が進行し、スラグ中のCr2O3濃度が高くなり、第8
図に示す如く酸素吹精停止後の真空脱炭期における脱炭
速度定数K(sec-1)を著しく低下せしめる結果とな
り、超極低炭素鋼の製造に際して、真空脱炭時間の著し
い延長を招き、到達C濃度も高くなるという弊害を伴
う。
このように溶鋼の温度が、高温、低温のいづれにずれて
も精錬に悪影響を及ぼすが、従来の溶鋼の温度制御方法
は上吹酸素ガス流量を変化させて、単位時間当りのC、
Si、Al等の酸化発熱量を制御し、取鍋炉壁や炉蓋の内張
りれんがを通じた放散熱量や排ガスの顕熱等による熱放
散速度とのバランスにより、温度の上昇、一定温度の維
持あるいは温度の降下を図るものであつた。この方法で
は温度を上昇させる場合は、酸素ガス流量を増加したり
場合によつてはAlを添加して、その酸化発熱を利用して
急速に温度を上げることが行われている。ところが、一
定温度に維持したり温度を低下させようとする場合は、
上吹酸素ガス流量を減少させると、ある流量以下では上
吹ランスからの酸素ガスジェット速度が弱まり、鋼浴面
に到達せずに未反応の酸素ガスがそのまま排出されてし
まう割合が多くなり、酸化発熱量が急激に低下して正確
な温度制御ができないという問題点があつた。そこで、
温度降下を図る場合には一定時間酸素吹錬を停止して、
温度降下後に再度酸素吹錬を再開する方法も行われてい
るが、この場合は精錬時間の大幅な延長と、それに伴う
耐火物コストの上昇を招くという問題があつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、高クロム鋼の脱炭精錬時の温度制御に
おける上記従来技術の問題点を解消し、溶鋼温度を一定
に維持したりあるいは低下させる場合に正確かつ迅速に
温度制御が可能な高クロム鋼の真空取鍋精錬における溶
鋼温度制御方法を提供するにある。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
本発明の要旨とするところは次の如くである。すなわ
ち、高クロム鋼を真空取鍋精錬炉で取鍋底部から不活性
ガスを吹き込んで強攪拌しつつ上吹ランスから酸素ガス
を取鍋内鋼浴表面に吹き付けて脱炭する真空取鍋精錬に
おいて、前記取鍋精錬炉から排出されるガスの連続分析
を行つて該排出ガスの酸素ガス濃度が急激に増加し始め
る酸素ガス限界流量を求める段階と、前記上吹ランスか
らの酸素ガスにアルゴンガスおよび/または窒素ガスを
混合して上吹混合ガス流量を前記酸素ガス限界流量以上
に保持しつつ、前記混合ガス中の酸素ガス流量を変化す
ることにより溶鋼温度を制御する段階と、を有して成る
ことを特徴とする高クロム鋼の真空取鍋精錬における溶
鋼温度制御方法である。
本発明法で使用するVOD式真空取鍋精錬炉を第1図によ
り説明する。高クロム溶鋼2を収容する取鍋4は真空タ
ンク6の中に設けられ、真空タンク蓋8でカバーされ、
排気ダクト10により真空の密閉空間が形成される。取鍋
4は取鍋蓋12でカバーされ、溶鋼2からの熱放散を少な
くすると共に真空タンク6内側を輻射熱から保護してい
る。取鍋4の底部には単原子不活性ガス吹込み装置14が
単数あるいは複数装着され溶鋼2を攪拌できる。取鍋4
内の上部空間には上吹ランス16が挿入され酸素ガスとア
ルゴンガスおよび/または窒素ガスとの混合ガスを取鍋
4内の溶鋼2に吹付けることができる。排気ダクト10に
は排ガス分析用の導管18が接続され、排ガス連続分析装
置20で排ガスのCO、CO2、O2等の組成が連続的に分析さ
れ記録できる。従来、上吹ランス16は酸素ガスのみの上
吹であつたが、本発明においては酸素ガスの外にアルゴ
ンガス、窒素ガス等の混合ガスを上吹することができ
る。
次に上記の装置における本発明方法を説明する。まず、
排ガス連続分析装置20で連続分析を行つて排ガス中の酸
素ガス濃度が急激に増加し始める酸素ガス限界流量Lを
あらかじめ求める。従来の上吹においては酸素ガスのみ
が使用されていたので上吹ガスが限界流量L未満になる
と、酸素ガスにジエツト速度が弱まり鋼浴面に達せず未
反応の酸素ガスが増加することは前記の如くであるが、
本発明においては、必要に応じてアルゴンガスおよび/
または窒素ガスを酸素ガスに混合して限界流量L以上と
することにより、上吹ガスは常に十分なジエツト速度を
有するので酸素ガスと鋼浴面は十分な反応を行い、上吹
ガス中の酸素ガス量が減少しても未反応の酸素ガスが増
加することはなく、上吹酸素ガス量に比例した酸化反応
を維持することができる。従つて上吹の混合ガス量を酸
素ガス限界流量L以上とし、混合する酸素ガス量をコン
トロールすることによつて溶鋼温度の維持あるいは降下
を正確に実施することでできる。
上吹酸素ガス量と溶鋼温度との関係について概念的に従
来例を第2図に本発明例を第3図に示した。図において
各記号は次の如き意味である。
線…酸素ガス吹錬による昇温速度(℃/min.) 線…放散熱による降温速度(ほぼ一定)(℃/min.) 線…溶鋼の温度変化量(℃/min.) L…酸素ガス限界流量(Nm3/min.t) 溶鋼の温度変化量は酸素ガス吹錬による昇温速度と
放散熱による降温速度の和で示される。
従来例の第2図においては、限界流量L未満で未反応の
酸素ガスの排出が増加するため昇温速度が急激に低下
し、結果として溶鋼の温度変化量が非直線的になり温
度のコントールが困難であつた。
これに対し本発明例は第3図に示す如く、酸素ガス量が
限界流量L未満の場合でも、アルゴンガスおよび/また
は窒素ガスを混合することによつて混合ガス量は限界流
量L以上となし、昇温速度は直線的に変化し、従つて
溶鋼温度変化量も直線的に変化し、溶鋼温度を一定温
度に維持したり下降させる場合も上吹酸素ガス量を減ら
して容易に温度を制御することができる。
〔実施例〕
第1表に示す条件で50TのVOD式真空取鍋精錬炉で脱炭精
錬を行つた。なお、上吹については第2表に詳細を示す
如く、酸素ガスのみを上吹する従来例(イ)と上吹酸素
ガス流量が酸素ガス限界流量未満の場合は、0.2あるい
は0.3Nm3/min.tのアルゴンガスを酸素ガスに混合する本
発明例(ロ)、(ハ)の3種類について行つた。
上吹において、酸素ガスのみを使用した従来例(イ)に
ついて酸素ガス流量と排ガス中の酸素ガス濃度との関係
を第4図に示した。第4図において排ガス中の酸素ガス
濃度が急激に増加している0.2Nm3/min.tを酸素ガス限界
流量と推定できる。酸素ガス流量が酸素ガス限界流量未
満の場合について、0.2あるいは0.3Nm3/min.tのアルゴ
ンガスを混合した本発明例(ロ)、(ハ)の酸素ガス流
量と排ガス中の酸素ガス濃度との関係を第5図に示し
た。第5図において、酸素ガス流量が0.2Nm3/min.t以上
の場合は従来例(イ)と本発明例(ハ)、(ロ)は同一
であるが、0.2Nm3/min.t未満の場合は本発明例(ハ)、
(ロ)は第4図に比較して未反応の酸素ガスは大幅に減
少している。
第6図に酸素ガス流量と溶鋼温度変化量との関係を示し
たが、酸素ガス流量が酸素ガス限界流量未満の場合に、
従来例(イ)は非直線的に温度が下降しているが、一
方、本発明例(ハ)、(ロ)ではほぼ直線的に温度が下
降しているので、温度の制御が容易に実施できる。
〔発明の効果〕
本発明では上記実施例からも明らかな如く、高クロム鋼
の真空取鍋精錬において、上吹ランスから酸素ガス限界
流量以上となるように上吹混合ガス流量を保持しつつ混
合ガス中の酸素ガス流量を制御することによって、酸素
ガスが低流量の場合に正確な温度調整が可能となり次の
効果を挙げることができた。
(イ)従来の酸素吹精の一時停止による精錬時間の延長
や耐火物コストの上昇を防止できる。
(ロ)必要以上の高温精錬による耐火物溶損激化に起因
する取鍋耐火物コストの上昇や漏鋼事故を防止できる。
(ハ)必要以下の低温精錬に起因するCr酸化の増加、こ
れによる超極低炭素鋼精錬時間の延長、到達可能炭素濃
度の上昇、炭素濃度の目標外れ等を防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で使用する真空取鍋精錬炉の模式断面
図、第2図は従来例の上吹酸素ガス流量と溶鋼温度変化
量との関係を示す概念図、第3図は本発明例の上吹酸素
ガス流量と溶鋼温度変化量との関係を示す概念図、第4
図は従来例の上吹酸素ガス流量と排ガス中酸素ガス濃度
との関係を示す線図、第5図は本発明例の上吹酸素ガス
流量と排ガス中酸素ガス濃度との関係を示す線図、第6
図は従来例及び本発明例の上吹酸素ガス流量と溶鋼温度
変化量との関係を示す線図、第7図は各種の温度T及び
CO分圧PcoにおけるC−Cr平衡図、第8図は酸素吹錬後
のスラグ中のCr2O3含有量と酸素吹精停止後の真空脱炭
期における脱炭速度定数Kとの関係を示す線図である。 2…溶鋼、4…取鍋 6…真空タンク、10…排気ダクト 14…単原子不活性ガス吹込み装置 16…上吹ランス 20…排ガス連続分析装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高クロム鋼を真空取鍋精錬炉で取鍋底部か
    ら不活性ガスを吹き込んで強攪拌しつつ上吹ランスから
    酸素ガスを取鍋内鋼浴表面に吹き付けて脱炭する真空取
    鍋精錬において、前記取鍋精錬炉から排出されるガスの
    連続分析を行って該排出ガスの酸素ガス濃度が急激に増
    加し始める酸素ガス限界流量を求める段階と、前記上吹
    ランスからの酸素ガスにアルゴンガスおよび/または窒
    素ガスを混合して上吹混合ガス流量を前記酸素ガス限界
    流量以上に保持しつつ、前記混合ガス中の酸素ガス流量
    を変化することにより溶鋼温度を制御する段階と、を有
    して成ることを特徴とする高クロム鋼の真空取鍋精錬に
    おける溶鋼温度制御方法。
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