JPH0735292B2 - β―アルミナ磁器の焼成方法 - Google Patents
β―アルミナ磁器の焼成方法Info
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- JPH0735292B2 JPH0735292B2 JP1190155A JP19015589A JPH0735292B2 JP H0735292 B2 JPH0735292 B2 JP H0735292B2 JP 1190155 A JP1190155 A JP 1190155A JP 19015589 A JP19015589 A JP 19015589A JP H0735292 B2 JPH0735292 B2 JP H0735292B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は例えばナトリウム−硫黄電池用あるいは溶融塩
電解装置等の固体電解質管として使用されるβ−アルミ
ナ磁器の焼成方法に係わり、さらに、詳しくは、焼成さ
れるβ−アルミナ成形体素地中の揮散成分の散逸を極力
少なくしながら焼成を行い、焼結性、イオン伝導性の良
好なβ−アルミナ磁器を製造する方法に関するものであ
る。
電解装置等の固体電解質管として使用されるβ−アルミ
ナ磁器の焼成方法に係わり、さらに、詳しくは、焼成さ
れるβ−アルミナ成形体素地中の揮散成分の散逸を極力
少なくしながら焼成を行い、焼結性、イオン伝導性の良
好なβ−アルミナ磁器を製造する方法に関するものであ
る。
[従来の技術] 焼成によりβ−アルミナ磁器を製造する際、焼成される
β−アルミナ成形体素地中に含有される揮散成分(例え
ばNa2O、Li2O)が散逸する。素地中の揮散成分が散逸す
ると、β−アルミナ成形体内に組成の不均一を生じ、焼
結性、微構造、あるいはイオン伝導性等の諸物性に悪影
響を与える。この問題を解消するため、特公昭57-34236
号公報あるいは特公昭62-53472号公報においては、前記
揮散成分(例えばNa2O、Li2O)とは結合反応を生じない
例えば酸化マグネシウム(MgO)のような物質で形成し
た雰囲気保持材により、前記β−アルミナ成形体素地の
外周を包囲して、前記揮散成分が散逸しないように焼成
していた。
β−アルミナ成形体素地中に含有される揮散成分(例え
ばNa2O、Li2O)が散逸する。素地中の揮散成分が散逸す
ると、β−アルミナ成形体内に組成の不均一を生じ、焼
結性、微構造、あるいはイオン伝導性等の諸物性に悪影
響を与える。この問題を解消するため、特公昭57-34236
号公報あるいは特公昭62-53472号公報においては、前記
揮散成分(例えばNa2O、Li2O)とは結合反応を生じない
例えば酸化マグネシウム(MgO)のような物質で形成し
た雰囲気保持材により、前記β−アルミナ成形体素地の
外周を包囲して、前記揮散成分が散逸しないように焼成
していた。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上記両公報に記載の焼成方法では、β−アル
ミナ成形体素地の外周面と同成形体素地の外周を包囲す
る保護筒としての雰囲気保持材内周面との間に揮散成分
の散逸を許容する揮散空間が存在するため、揮散成分の
散逸抑制という観点からは好ましくないという問題があ
った。
ミナ成形体素地の外周面と同成形体素地の外周を包囲す
る保護筒としての雰囲気保持材内周面との間に揮散成分
の散逸を許容する揮散空間が存在するため、揮散成分の
散逸抑制という観点からは好ましくないという問題があ
った。
一方、かかる問題を回避するためには、前記β−アルミ
ナ成形体素地外周面と雰囲気保持材内周面との間に未焼
成の雰囲気保持材を埋粉として充填する方法も考えられ
る。
ナ成形体素地外周面と雰囲気保持材内周面との間に未焼
成の雰囲気保持材を埋粉として充填する方法も考えられ
る。
しかしながら、その方法を採用すると、該埋粉とβ−ア
ルミナ成形体素地との間に焼成収縮差がある場合、焼成
されたβ−アルミナ磁器の外周面にキズが付いてしま
い、固体電解質管として使用されるβ−アルミナ磁器の
耐久性を低下させるという新たな問題があった。さらに
は、焼成時においてβ−アルミナ磁器の外周面に前記埋
粉が焼結結合してしまい、焼成後に前記保護筒内からβ
−アルミナ磁器を容易に取り出せず、生産性が低下する
という問題もあった。
ルミナ成形体素地との間に焼成収縮差がある場合、焼成
されたβ−アルミナ磁器の外周面にキズが付いてしま
い、固体電解質管として使用されるβ−アルミナ磁器の
耐久性を低下させるという新たな問題があった。さらに
は、焼成時においてβ−アルミナ磁器の外周面に前記埋
粉が焼結結合してしまい、焼成後に前記保護筒内からβ
−アルミナ磁器を容易に取り出せず、生産性が低下する
という問題もあった。
又、後者の公報に記載されたβ−アルミナ成形体素地の
ように、該成形体素地が内部に空洞を有する筒状である
場合には、該空洞内に成形体素地の内周面側から揮散成
分が散逸し易く、組成の不均一を招いてβ−アルミナ磁
器の特性に悪影響を与えるという問題があった。
ように、該成形体素地が内部に空洞を有する筒状である
場合には、該空洞内に成形体素地の内周面側から揮散成
分が散逸し易く、組成の不均一を招いてβ−アルミナ磁
器の特性に悪影響を与えるという問題があった。
そこで、本発明は、焼成時においてβ−アルミナ成形体
素地内部からの揮散成分の散逸を殆どなくすとともに、
焼成されるβ−アルミナ磁器の外周面にキズを付けるこ
とがなく、β−アルミナ磁器の諸物性を向上することが
でき、かつ、焼成後における保護筒からの取り出しを容
易にして生産性を向上し得ることを目的とした。
素地内部からの揮散成分の散逸を殆どなくすとともに、
焼成されるβ−アルミナ磁器の外周面にキズを付けるこ
とがなく、β−アルミナ磁器の諸物性を向上することが
でき、かつ、焼成後における保護筒からの取り出しを容
易にして生産性を向上し得ることを目的とした。
[課題を解決するための手段] 前記目的を達成するため、本願請求項1の発明は筒状磁
器製の保護筒の内部に、筒状のβ−アルミナ成形体素地
を収容し、該β−アルミナ成形体素地の外周面に白金、
ロジウム等の遮蔽部材を被履し、該遮蔽部材の外周面と
前記保護筒の内周面との間に前記β−アルミナ成形体素
地とほぼ同一組成の埋粉よりなる外側雰囲気保持材を充
填した状態で、前記保護筒を1550〜1680℃加熱制御して
β−アルミナ成形体素地を焼成することを要旨としてい
る。
器製の保護筒の内部に、筒状のβ−アルミナ成形体素地
を収容し、該β−アルミナ成形体素地の外周面に白金、
ロジウム等の遮蔽部材を被履し、該遮蔽部材の外周面と
前記保護筒の内周面との間に前記β−アルミナ成形体素
地とほぼ同一組成の埋粉よりなる外側雰囲気保持材を充
填した状態で、前記保護筒を1550〜1680℃加熱制御して
β−アルミナ成形体素地を焼成することを要旨としてい
る。
又、本願請求項2の発明は前記β−アルミナ成形体素地
の筒状内部空間にも、外側雰囲気保持材とほぼ同一組成
の雰囲気保持材又は酸化マグネシウム又はスピネルより
なる体積減少部材を収容して焼成することを要旨として
いる。
の筒状内部空間にも、外側雰囲気保持材とほぼ同一組成
の雰囲気保持材又は酸化マグネシウム又はスピネルより
なる体積減少部材を収容して焼成することを要旨として
いる。
さて、本願請求項1の発明では、β−アルミナ成形体素
地の外周面が白金、ロジウム等の遮蔽部材により被覆さ
れ、前記成形体素地の外周面側には揮散成分の散逸を許
容する空間が形成されない。そして、前記遮蔽部材及び
外側雰囲気保持材によりβ−アルミナ成形体素地外周面
側からの揮散成分の散逸が防止される。又、埋粉よりな
る外側雰囲気保持材とβ−アルミナ成形体素地との間に
焼成収縮差が存在しても、両者間には遮蔽部材が介在す
るため、前記外側雰囲気保持材により焼成されたβ−ア
ルミナ磁器の外周面にキズが付くことはない。さらに、
前記遮蔽部材の介在により、埋粉よりなる外側雰囲気保
持材とβ−アルミナ成形体素地とが焼結結合することも
ない。
地の外周面が白金、ロジウム等の遮蔽部材により被覆さ
れ、前記成形体素地の外周面側には揮散成分の散逸を許
容する空間が形成されない。そして、前記遮蔽部材及び
外側雰囲気保持材によりβ−アルミナ成形体素地外周面
側からの揮散成分の散逸が防止される。又、埋粉よりな
る外側雰囲気保持材とβ−アルミナ成形体素地との間に
焼成収縮差が存在しても、両者間には遮蔽部材が介在す
るため、前記外側雰囲気保持材により焼成されたβ−ア
ルミナ磁器の外周面にキズが付くことはない。さらに、
前記遮蔽部材の介在により、埋粉よりなる外側雰囲気保
持材とβ−アルミナ成形体素地とが焼結結合することも
ない。
又、本願請求項2の発明では、前記請求項1の発明の作
用に加えて、筒状をなすβ−アルミナ成形体素地の内部
空間に体積減少部材が収容されるため、前記成形体素地
の内部空間における揮散成分の散逸空間が小さくなる。
又、焼成時には体積減少部材からも揮散成分が散逸する
ため、β−アルミナ成形体素地内周面側からの揮散成分
の散逸が抑制される。
用に加えて、筒状をなすβ−アルミナ成形体素地の内部
空間に体積減少部材が収容されるため、前記成形体素地
の内部空間における揮散成分の散逸空間が小さくなる。
又、焼成時には体積減少部材からも揮散成分が散逸する
ため、β−アルミナ成形体素地内周面側からの揮散成分
の散逸が抑制される。
[第1実施例] 次に、本発明のβ−アルミナ磁器の焼成方法を具体化し
た第1実施例を説明する。
た第1実施例を説明する。
まず、第1図により前記焼成方法に使用される焼成装置
について説明すると、符号1はα−アルミナを焼結して
なる有底円筒状の保護筒であって、その上部開口端に
は、同材質のキャップ2が嵌合固定されている。
について説明すると、符号1はα−アルミナを焼結して
なる有底円筒状の保護筒であって、その上部開口端に
は、同材質のキャップ2が嵌合固定されている。
前記保護筒1の内部にはβ−アルミナ成形体素地3が収
容されている。このβ−アルミナ成形体素地3は例え
ば、その組成分がβ−Al2O3、β″−Al2O3で表され、主
要成分として、Al2O3とNa2Oから成り、微量添加物とし
てLi2OやMgOなどを含有してなるものである。この製造
に際しては、例えば粒径が10μm以下の上記β−アルミ
ナ素地の粉体をアルミナ製ボールミルで約20時間湿式粉
砕後、必要に応じてバインダーを添加し、脱水乾燥して
所望の形に圧縮成形する。
容されている。このβ−アルミナ成形体素地3は例え
ば、その組成分がβ−Al2O3、β″−Al2O3で表され、主
要成分として、Al2O3とNa2Oから成り、微量添加物とし
てLi2OやMgOなどを含有してなるものである。この製造
に際しては、例えば粒径が10μm以下の上記β−アルミ
ナ素地の粉体をアルミナ製ボールミルで約20時間湿式粉
砕後、必要に応じてバインダーを添加し、脱水乾燥して
所望の形に圧縮成形する。
前記β−アルミナ成形体素地3の外周面には白金あるい
はロジウム等の遮蔽部材4が被履されている。この遮蔽
部材4と前記保護筒1の内周面との間には、前記β−ア
ルミナ成形体素地3とほぼ同一成分の埋粉(平均粒径40
〜120μm)よりなる未焼成の外側雰囲気保持材5が充
填されている。
はロジウム等の遮蔽部材4が被履されている。この遮蔽
部材4と前記保護筒1の内周面との間には、前記β−ア
ルミナ成形体素地3とほぼ同一成分の埋粉(平均粒径40
〜120μm)よりなる未焼成の外側雰囲気保持材5が充
填されている。
前記β−アルミナ成形体素地3の内部空間R内にはβ−
アルミナよりなる未焼成の体積減少部材6が該β−アル
ミナ成形体素地3の内周面と所定の間隙を保持するよう
に収容され、該体積減少部材6の上端に一体形成したフ
ランジ部6aを前記外側雰囲気保持材5の上端面に係止さ
せている。
アルミナよりなる未焼成の体積減少部材6が該β−アル
ミナ成形体素地3の内周面と所定の間隙を保持するよう
に収容され、該体積減少部材6の上端に一体形成したフ
ランジ部6aを前記外側雰囲気保持材5の上端面に係止さ
せている。
以上のようにして構成されたβ−アルミナ成形素地3を
収容した保護筒1は、図示しない焼成炉中に配置され
て、最高温度約1600℃で5分〜30分間加熱焼成される。
このとき、前記β−アルミナ成形体素地3の外周面には
遮蔽部材4が密接するように被覆されており、β−アル
ミナ成形体素地3の外周面側には揮散成分の散逸空間が
しないので、焼成時における揮散成分の散逸を抑制する
ことができる。しかも、前記遮蔽部材4の外周側にはβ
−アルミナ成形体素地3と同一組成の外側雰囲気保持材
5がさらに充填されているので、前記遮蔽部材4の存在
と相まってβ−アルミナ成形体素地3の外周面側から揮
散成分が散逸することは殆どない。
収容した保護筒1は、図示しない焼成炉中に配置され
て、最高温度約1600℃で5分〜30分間加熱焼成される。
このとき、前記β−アルミナ成形体素地3の外周面には
遮蔽部材4が密接するように被覆されており、β−アル
ミナ成形体素地3の外周面側には揮散成分の散逸空間が
しないので、焼成時における揮散成分の散逸を抑制する
ことができる。しかも、前記遮蔽部材4の外周側にはβ
−アルミナ成形体素地3と同一組成の外側雰囲気保持材
5がさらに充填されているので、前記遮蔽部材4の存在
と相まってβ−アルミナ成形体素地3の外周面側から揮
散成分が散逸することは殆どない。
又、β−アルミナ成形体素地3と外側雰囲気保持材5と
の間に熱収縮差があったとしても、両者3,5間には遮蔽
部材4が介在するので、焼成時にβ−アルミナ成形体素
地3の外周面が埋粉よりなる外側雰囲気保持材5によっ
てキズ付くことはなく、固定電解質管として使用される
β−アルミナ磁器の耐久性が低下するおそれを回避する
ことができる。さらに、前記遮蔽部材4の介在により、
β−アルミナ成形体素地3と外側雰囲気保持材5とが焼
結結合することを防止できるので、焼成後には保護筒1
内からβ−アルミナ磁器を容易に取り出すことができ、
生産性を向上することができる。
の間に熱収縮差があったとしても、両者3,5間には遮蔽
部材4が介在するので、焼成時にβ−アルミナ成形体素
地3の外周面が埋粉よりなる外側雰囲気保持材5によっ
てキズ付くことはなく、固定電解質管として使用される
β−アルミナ磁器の耐久性が低下するおそれを回避する
ことができる。さらに、前記遮蔽部材4の介在により、
β−アルミナ成形体素地3と外側雰囲気保持材5とが焼
結結合することを防止できるので、焼成後には保護筒1
内からβ−アルミナ磁器を容易に取り出すことができ、
生産性を向上することができる。
そして、さらに前記β−アルミナ成形体素地3の内部空
間に、体積減少部材6を収容すると、β−アルミナ成形
体素地3の内表面から揮散成分が散逸しようとしても、
散逸空間が小さく、かつ体積減少部材6からも揮散成分
が揮散するので、β−アルミナ成形体素地3の内表面か
らの散逸量も抑制され、組成変動の少ない品質の安定し
たβ−アルミナ磁器が得られる。
間に、体積減少部材6を収容すると、β−アルミナ成形
体素地3の内表面から揮散成分が散逸しようとしても、
散逸空間が小さく、かつ体積減少部材6からも揮散成分
が揮散するので、β−アルミナ成形体素地3の内表面か
らの散逸量も抑制され、組成変動の少ない品質の安定し
たβ−アルミナ磁器が得られる。
なお、焼成温度が1550℃未満ではβ−アルミナの焼結が
完了せず、又、焼成温度が1680℃を超えると遮蔽部材に
よる揮散成分の阻止が十分にできず、品質の安定なβ−
アルミナ磁器は得られない。
完了せず、又、焼成温度が1680℃を超えると遮蔽部材に
よる揮散成分の阻止が十分にできず、品質の安定なβ−
アルミナ磁器は得られない。
[第2実施例] 次に、本発明のβ−アルミナ磁器の焼成方法を具体化し
た第2実施例を第2図により説明する。
た第2実施例を第2図により説明する。
この実施例の焼成方法は、第1実施例で説明した保護筒
1の上下両端開口端に蓋板7,8を設置するとともに、下
部の蓋板8上面とβ−アルミナ成形体素地3の下端開口
面との間に、β−アルミナよりなる未焼成の上部セッタ
9と、未焼成のアルミナ又は白金等よりなる下部セッタ
10とを介在させている。又、上部セッタ9の上面には前
記体積減少部材6を載置している。
1の上下両端開口端に蓋板7,8を設置するとともに、下
部の蓋板8上面とβ−アルミナ成形体素地3の下端開口
面との間に、β−アルミナよりなる未焼成の上部セッタ
9と、未焼成のアルミナ又は白金等よりなる下部セッタ
10とを介在させている。又、上部セッタ9の上面には前
記体積減少部材6を載置している。
このように構成したβ−アルミナ成形体素地3を収容し
た保護筒を最高温度約1600℃で5分ないし30分間加熱し
て焼成すると、前記第1実施例のβ−アルミナ磁器の焼
成方法と同様の効果が得られ、諸物性の良いβ−アルミ
ナ磁器が製造される。
た保護筒を最高温度約1600℃で5分ないし30分間加熱し
て焼成すると、前記第1実施例のβ−アルミナ磁器の焼
成方法と同様の効果が得られ、諸物性の良いβ−アルミ
ナ磁器が製造される。
そして、さらにこの焼成工程においては、β−アルミナ
成形体素地3は、半径方向に約16〜17%収縮するが、こ
のとき、β−アルミナ成形体素地3の下端面と上部セッ
タ9が同時に半径方向へ収縮しても上部セッタ9と、下
部セッタ10との間に滑り生じ、この結果、β−アルミナ
成形体素地3の下端開口部が収縮を阻止されることはな
く全体が均一に収縮し、焼成後のβ−アルミナ磁器の寸
法精度が向上し、不良品の発生率が低下する。
成形体素地3は、半径方向に約16〜17%収縮するが、こ
のとき、β−アルミナ成形体素地3の下端面と上部セッ
タ9が同時に半径方向へ収縮しても上部セッタ9と、下
部セッタ10との間に滑り生じ、この結果、β−アルミナ
成形体素地3の下端開口部が収縮を阻止されることはな
く全体が均一に収縮し、焼成後のβ−アルミナ磁器の寸
法精度が向上し、不良品の発生率が低下する。
なお、上部セッタの焼成収縮率が13〜20%以外である
と、β−アルミナ成形体素地3との焼成収縮差が大きく
なるため、β−アルミナ成形体素地3の開口端でクラッ
クを発生するか、寸法精度不良の発生率が高くなるので
好ましくない。
と、β−アルミナ成形体素地3との焼成収縮差が大きく
なるため、β−アルミナ成形体素地3の開口端でクラッ
クを発生するか、寸法精度不良の発生率が高くなるので
好ましくない。
なお、本発明は次のように具体化することも可能であ
る。
る。
第3図に示すように仮焼した体積減少部材6を使用する
とともに、下部のセッタ9を未焼成とする等、本発明の
特許請求の範囲内で構成を任意に変更して具体化するこ
とも可能である。
とともに、下部のセッタ9を未焼成とする等、本発明の
特許請求の範囲内で構成を任意に変更して具体化するこ
とも可能である。
[発明の効果] 以上詳述したように、本願請求項1の発明によれば、β
−アルミナ成形体素地の外周面を遮蔽部材にて被覆した
ことにより、β−アルミナ成形体素地の外周面側におけ
る揮散成分の散逸空間をなくして揮散成分の散逸を抑制
しつつ、同遮蔽部材の外周面側へ充填された外側雰囲気
保持材との相乗作用により、β−アルミナ成形体素地の
外周面側から揮散成分が散逸するのを殆どなくすことが
でき、優れた物性のβ−アルミナ磁器を製造することが
できる。又、前記β−アルミナ成形体素地と外側雰囲気
保持材との間に焼成収縮差があったとしても、前記遮蔽
部材の介在により、β−アルミナ磁器の外周面にキズが
付くことはなく、固体電解質管として使用されるβ−ア
ルミナ磁器の耐久性が低下するおそれを回避することが
できる。さらに、焼成時にβ−アルミナ成形体素地と外
側雰囲気保持材とが焼結結合することも前記遮蔽部材の
介在により回避できるので、焼成後には保護筒内からβ
−アルミナ磁器を容易に取り出すことができ、生産性を
向上することができるという効果がある。
−アルミナ成形体素地の外周面を遮蔽部材にて被覆した
ことにより、β−アルミナ成形体素地の外周面側におけ
る揮散成分の散逸空間をなくして揮散成分の散逸を抑制
しつつ、同遮蔽部材の外周面側へ充填された外側雰囲気
保持材との相乗作用により、β−アルミナ成形体素地の
外周面側から揮散成分が散逸するのを殆どなくすことが
でき、優れた物性のβ−アルミナ磁器を製造することが
できる。又、前記β−アルミナ成形体素地と外側雰囲気
保持材との間に焼成収縮差があったとしても、前記遮蔽
部材の介在により、β−アルミナ磁器の外周面にキズが
付くことはなく、固体電解質管として使用されるβ−ア
ルミナ磁器の耐久性が低下するおそれを回避することが
できる。さらに、焼成時にβ−アルミナ成形体素地と外
側雰囲気保持材とが焼結結合することも前記遮蔽部材の
介在により回避できるので、焼成後には保護筒内からβ
−アルミナ磁器を容易に取り出すことができ、生産性を
向上することができるという効果がある。
又、本願請求項2の発明によれば、前記請求項1の発明
の効果に加えて、焼成されるβ−アルミナ成形体素地が
筒状の場合において、同成形体素地の内周面側における
揮散成分の散逸空間を体積減少部材によって小さくでき
るとともに、同体積減少部材からの揮散成分の散逸によ
り、β−アルミナ成形体素地の内周面側からの揮散成分
の散逸をも抑制でき、より一層優れた物性のβ−アルミ
ナ磁器を製造することができるという効果がある。
の効果に加えて、焼成されるβ−アルミナ成形体素地が
筒状の場合において、同成形体素地の内周面側における
揮散成分の散逸空間を体積減少部材によって小さくでき
るとともに、同体積減少部材からの揮散成分の散逸によ
り、β−アルミナ成形体素地の内周面側からの揮散成分
の散逸をも抑制でき、より一層優れた物性のβ−アルミ
ナ磁器を製造することができるという効果がある。
第1図は本発明を具体化した第1実施例を示す焼成装置
の中央部縦断面図、第2図は第2実施例の焼成装置の中
央部縦断面図、第3図は本発明の別例を示す焼成装置の
中央部縦断面図である。 1……保護筒、2……キャップ、3……β−アルミナ成
形体素地、4……遮蔽部材、5……外側雰囲気保持材、
6……体積減少部材、R……内部空間。
の中央部縦断面図、第2図は第2実施例の焼成装置の中
央部縦断面図、第3図は本発明の別例を示す焼成装置の
中央部縦断面図である。 1……保護筒、2……キャップ、3……β−アルミナ成
形体素地、4……遮蔽部材、5……外側雰囲気保持材、
6……体積減少部材、R……内部空間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 幹夫 愛知県海部郡大治町大字西條字坂牧島83番 地 (72)発明者 藤井 通正 愛知県名古屋市中川区中郷3丁目166番地 中郷住宅5―305 (56)参考文献 特公 昭57−34236(JP,B2) 特公 昭62−53472(JP,B2)
Claims (2)
- 【請求項1】筒状磁器製の保護筒の内部に、筒状のβ−
アルミナ成形体素地を収容し、該β−アルミナ成形体素
地の外周面に白金、ロジウム等の遮蔽部材を被覆し、該
遮蔽部材の外周面と前記保護筒の内周面との間に前記β
−アルミナ成形体素地とほぼ同一組成の埋粉よりなる外
側雰囲気保持材を充填した状態で、前記保護筒を1550〜
1680℃加熱制御してβ−アルミナ成形体素地を焼成する
ことを特徴とするβ−アルミナ磁器の焼成方法。 - 【請求項2】請求項1記載のβ−アルミナ磁器の焼成方
法において、β−アルミナ成形体素地の筒状内部空間に
も、外側雰囲気保持材とほぼ同一組成の雰囲気保持材又
は酸化マグネシウム又はスピネルよりなる体積減少部材
を収容して焼成することを特徴とするβ−アルミナ磁器
の焼成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1190155A JPH0735292B2 (ja) | 1989-07-21 | 1989-07-21 | β―アルミナ磁器の焼成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1190155A JPH0735292B2 (ja) | 1989-07-21 | 1989-07-21 | β―アルミナ磁器の焼成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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