JPH073485A - アルカリ金属塩化物の電解方法 - Google Patents

アルカリ金属塩化物の電解方法

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JPH073485A
JPH073485A JP6027565A JP2756594A JPH073485A JP H073485 A JPH073485 A JP H073485A JP 6027565 A JP6027565 A JP 6027565A JP 2756594 A JP2756594 A JP 2756594A JP H073485 A JPH073485 A JP H073485A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 硫酸塩を不純物として含有するアルカリ金属
塩化物の原塩を溶解した水溶液を、イオン交換膜方式に
より電解する方法において、電解槽から排出されてくる
淡ブラインを、吸着剤として陰イオン交換基と陽イオン
交換基とを有し、これら両イオン交換基が内部塩を形成
している両性イオン交換体を用い、また溶離剤として水
を用い、クロマトグラフ手法によって成分分離し、硫酸
塩を実質的に含まないアルカリ金属塩化物含有分画液を
採取し、上記原塩の溶解に循環使用する。 【効果】 電解槽から排出されてくる淡ブライン中に含
まれる硫酸塩を、特別の薬剤を用いることなく、簡単な
操作で効率よく除去し、電解用ブラインの調製に繰り返
し使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルカリ金属塩化物の電
解方法に関する。特に、イオン交換膜を用いる電解方法
において電解槽から排出される濃度が低下したアルカリ
金属塩化物含有液を循環使用するに当たり、この液中に
残存している不純物の硫酸塩の蓄積を防止して電解を行
う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアル
カリ金属塩化物をイオン交換膜方式で電解してアルカリ
金属水酸化物、塩素および水素を製造する方法は、一般
に、原料のアルカリ金属塩化物(原塩)の濃厚水溶液、通
常飽和塩水即ち飽和ブラインを電解槽に導入して電解
し、濃度が低下した希塩水即ち淡ブラインを抜き出し、
再びアルカリ金属塩化物と水を加えて飽和ブラインとし
て循環使用している。この場合、原塩中に不純物として
含まれている硫酸塩は電解槽から排出される塩水中に残
留し、循環使用されることにより蓄積される。硫酸塩は
イオン交換膜の損傷、電解効率の低下などの不都合を引
き起こすので、その蓄積を防止する必要がある。塩水中
の硫酸塩の除去方法としては現在、飽和ブラインに塩化
バリウム、炭酸バリウム等のバリウム塩を添加し、生成
する不溶性の硫酸バリウムを沈澱させ除去する方法が採
られているが、バリウム塩は高価であり、毒性が懸念さ
れ、また、硫酸バリウム沈澱は産業廃棄物として処理す
る必要があり、運転管理及び経済性の点で問題が多い。
【0003】特開昭60-228691号公報には、陰イオン交
換体を用いて、電解槽から排出される淡ブラインを処理
し、硫酸塩を吸着、除去する方法が提案されているが、
淡ブラインはかなり高濃度の塩素イオンを含有している
ため、硫酸イオンの吸着量が小さい。更に、硫酸イオン
を吸着した陰イオン交換体は濃厚なブラインで再生し、
その再生廃液から塩水を回収する必要がある。また、再
生廃液を濃縮、冷却して硫酸塩を除去する操作が必要と
なり、非常に煩雑な工程を実施しなければならない。
【0004】特開平4-55313号公報には、ポリアミン基
を有するイオン交換樹脂を用い、また、特開平3-153522
号公報には、水酸化ジルコニウムを用いて塩水を処理す
る方法が提案されている。これらの方法は塩素イオンと
硫酸イオンの選択吸着性の差を利用するものであるが、
塩素イオンが高濃度であるため、硫酸イオンの吸着量が
小さく、大量の陰イオン交換体を使用する必要がある。
更に、吸着した硫酸イオンを脱離するために再生用の苛
性ソ−ダと、再吸着用の塩酸を多量に使用する必要があ
り、また、多量の再生廃液の処理も必要である。従っ
て、経費がかかり、操作が煩雑でシステム化が困難であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
硫酸塩の除去方法は多量の薬剤を必要とし、また、厄介
な廃棄物処理や煩雑な操作を必要とするものであった。
本発明は運転管理が簡単で、経済的にも有利に硫酸塩を
効果的に除去する方法の開発を目的に種々検討し、イオ
ンリタ−デイション機能を有する両性イオン交換体を利
用してアルカリ金属塩化物と硫酸塩を分離することによ
って、工業的に有利なアルカリ金属塩化物の電解法を完
成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶解槽におい
て硫酸塩を不純物として含有するアルカリ金属塩化物と
溶解水から調製した飽和ブラインを、イオン交換膜電解
槽へ供給して電解を行い、この電解槽から抜き出された
アルカリ金属塩化物の濃度が低下した淡ブラインを溶解
槽へ循環し、アルカリ金属塩化物及び溶解水を加えて再
び飽和ブラインとして電解槽へ供給する電解方法におい
て、電解槽から抜き出された上記淡ブラインの少なくと
も1部を、陰イオン交換基と陽イオン交換基とを有し、
該両イオン交換基が内部塩を形成している両性イオン交
換体が充填された分離塔に通液して上記両性イオン交換
体にアルカリ金属塩化物を吸着させた後、この分離塔に
溶離剤として溶解水を通水し、主として硫酸塩を含有す
る流出分画液を循環系外に除去し、主としてアルカリ金
属塩化物を含有する流出分画液を上記溶解槽へ循環する
ことを特徴とするアルカリ金属塩化物の電解方法に存す
る。
【0007】次に本発明方法を図1を用いて詳細に説明
する。図1は本発明方法を実施するプラントの一例を示
すフロ−シ−トである。溶解槽1において送給路2から
送られるアルカリ金属塩化物の原塩(不純物として硫酸
塩を含有する)と、導管3の枝管3aからの溶解水、電
解槽7から循環される淡ブライン及び硫酸塩が実質的に
除去された分画液を用いて電解槽7に供給する高濃度塩
水を調製する。上記の分画液とは、後に詳しく説明され
るが、分離塔15によって硫酸塩が実質的に除去された
アルカリ金属塩化物含有分画液を指すものである。即ち
アルカリ金属塩化物水溶液を電解槽7で電解処理した
後、電解槽7から排出されるアルカリ金属塩化物の含有
割合が低下しているアルカリ金属塩化物水溶液(淡ブラ
イン)を本発明方法によるクロマトグラフ手法に従って
分画した硫酸塩を実質的に含まず、アルカリ金属塩化物
を含有するように処理した液であって、この分画液は導
管4を経て溶解槽1に導出されるのである。
【0008】塩水中のアルカリ金属塩化物濃度はできる
だけ高濃度であることが望ましく、通常飽和濃度の塩水
(飽和ブライン)が調製される。溶解槽1で調製された飽
和ブラインは、導管5により精製設備6に送られ、原塩
に由来する飽和ブライン中のカルシウム塩、マグネシウ
ム塩、ストロンチウム塩等の不純物が除去される。精製
方法としては、例えば、炭酸ソ−ダ、苛性ソ−ダを順次
添加して、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムとして
沈澱させる。更に必要であれば、キレ−ト樹脂処理等の
精製法を併用してもよい。次いで飽和ブラインはイオン
交換膜方式の電解槽7に送られ常法に従って電解が行わ
れる。
【0009】電解槽7はイオン交換膜からなる隔膜20
により陰極室と陽極室とに分けられ、陰極室で生成した
苛性アルカリは導管11から、また水素ガスは導管9か
ら排出され、陽極室で生成した塩素ガスは導管8から排
出され、夫々回収される。電解により飽和ブライン中の
アルカリ金属塩化物の約50%及び水の約20%が消費さ
れ、残った塩水(淡ブライン)は導管12から抜き出され
溶解槽1へ循環される。電解槽7からから抜き出される
淡ブライン中には、通常、アルカリ金属塩化物が180〜2
00 g/l、硫酸塩が6〜12 g/l程度含まれている。本発
明方法はかかる淡ブラインを、好ましくは、脱塩素塔1
3で脱塩素後、要すれば、図示されていないが一旦、貯
槽に貯えた後、バルブ14aを開き、少くともその一部
を一定量づつ分離塔15へ送給する。
【0010】分離塔15には陰イオン交換基と陽イオン
交換基とを有し、これら両イオンが内部塩を形成してい
る両性イオン交換体が充填されている。内部塩を形成し
ている両性イオン交換体としては、例えば一般にスネ−
クケ−ジ型と呼ばれている樹脂が挙げられる。スネ−ク
ケ−ジ型樹脂とはスチレン又はアクリル系の強塩基性イ
オン交換体にアクリル酸を含浸、重合させた複合体で、
ダウケミカル社の「リタ−デイオン11A−8」、三菱
化成社の「ダイヤイオンSR−1」等の名称で市販され
ている。内部塩を形成している両性イオン交換体として
は、また、アクリル系又はスチレン系の架橋共重合体か
らなる樹脂母体に直接結合した下式(1)で示されるイ
オン交換基を有する樹脂も使用される。
【0011】
【化3】
【0012】(式中R1、R2は夫々炭素数1〜3のアル
キル基を示し、m及びnは夫々1〜4の数を示す)式
(1)で示されるイオン交換基を有する樹脂は、例えば
特公昭60-45942号公報に記載されている方法に従い、ス
チレン系の架橋共重合体にハロメチル基を導入し、次い
でN,N-ジメチルグリシンの酸無水物、酸アマイド、酸ハ
ロゲン化物、低級アルキルエステル等のN-置換-アミノ
酸の酸誘導体を反応させた後、加水分解する方法及びこ
れに準ずる方法により製造される。
【0013】本発明に使用される両性イオン交換体は、
球状で粒径が100〜1200μm、好ましくは、150〜350μm
である。両性イオン交換体の内部塩を形成する交換容量
は1.0〜6.0 meq/g樹脂、好ましくは2.0〜4.5 meq/g樹
脂である。また、両性イオン交換体の水分は20〜80重量
%、好ましくは30〜60重量%である。分離塔15に充填
する両性イオン交換体の層高は、イオン交換体の種類、
処理水の量(電解プラントの容量)によるが、通常、1〜4
m程度が良い。脱塩素塔13で脱塩素された淡ブライン
には、なお少量の塩素酸塩が含まれている。従って、淡
ブラインを酸性域にすると塩素酸塩が分解して遊離塩素
を発生し、両性イオン交換体を酸化して劣化させるの
で、分離塔15へ供給する際はpHを7以上、好ましく
は、7〜13に維持することが大切である。
【0014】分離塔15へ供給する淡ブラインの量は原
塩中の硫酸塩量、電解槽7に供給される飽和ブライン中
に許容される硫酸塩濃度等を考慮して決められる。淡ブ
ライン中の硫酸塩は完全に除去する必要は無く、電解の
障害にならない濃度以下に維持すればよい。少なくと
も、新たに添加される原塩に伴う硫酸塩量を除くことに
より飽和ブラインへの硫酸塩の更なる蓄積を阻止すれば
よい。そのためには電解槽7に循環されるブラインの4
〜20%を分離塔15で処理すればよい。分離塔15に供
給する1回の淡ブラインの量は充填イオン交換体容積の
0.1〜0.5倍容量であり、通水流速は空間速度(SV)で1
〜5/時がよい。通水温度は40〜80℃が好ましい。1回量
の淡ブラインを通水した後バルブ14aを閉じ、バルブ
14bを開いて導管3bから水を分離塔15へ通水して
クロマトグラフ手法に従って、最初に硫酸塩を溶離、流
出させ、次いで、アルカリ金属塩化物を溶離流出させ
る。この水には導管3からの溶解水を1ミクロン程度の
フィルタ−で濾過したもの、又はそれを軟化した軟水の
使用が好ましい。1回の通水量は充填イオン交換体容積
の0.2〜1.1倍で、通水流速はSVで1〜5/時、好ましく
は上記淡ブラインの通水流速と同じにするのが良い。通
水温度は40〜80℃で、上記淡ブラインの通水温度と同じ
にするのが良い。
【0015】淡ブライン及び溶解水の通水方向は、充填
イオン交換体が分離塔15内を完全に充満するように充
填されている場合は上向流又は下向流のいずれでもよ
く、イオン交換体が空塔部分を残して充填されている場
合は下向流とし、充填イオン交換体が流動しないように
通水する。分離塔15から流出してくる液中の成分濃度
の変化は電導度計または屈折率計等からなる検出器で検
出し、伝達路21および22によってバルブ18及び1
9に伝達し、主として硫酸塩を含有する流出分画液を流
出管17を経て系外に排出し、一方、主としてアルカリ
金属塩化物を含有する流出分画液は導管4を経て溶解槽
1へ循環する。再びバルブ14aを開けて淡ブラインの
通水を供給し、次いで、溶解水を通水する操作が繰り返
し行われる。溶解槽1では導管12から分離塔15を経
由せずに直接循環される淡ブライン、分離塔からのアル
カリ金属含有流出分画液に、要すれば更に溶解水を加
え、新たに原塩を追加し、飽和ブラインを調製する。以
上のように本発明方法によれば、両性イオン交換体に吸
着された淡ブラインは水により容易に溶離され、酸、ア
ルカリによる再生処理をすることなく再び淡ブラインの
処理に使用できる。
【0016】淡ブラインの処理量が4〜20%であれば原
料塩の添加による新たな硫酸塩の蓄積を防止することが
でき、また両性イオン交換体の溶離に使用する水は電解
槽7で消費される水量の範囲内であるから、分離塔15
から流出される主としてアルカリ金属塩化物からなる流
出分画液を全量溶解槽1へ循環することができ、電解に
使用する水の量、系外に漏出するアルカリ金属塩化物の
量を最小にすることができる。また、廃水の量も少なく
経済的である。本発明方法によれば、毒性のあるバリウ
ム塩等を使用する必要がなく、厄介な沈澱物処理の必要
が無く、樹脂の再生操作や、再生液からアルカリ金属塩
化物を回収する操作も必要無く、硫酸塩も水溶液として
除去されるので取扱いが簡単で、運転管理も容易であ
る。特に上記式(1)のイオン交換基を有する両性イオ
ン交換体を用いると、後記する実施例1及び図2から明
らかなように、分離塔15から溶離するアルカリ金属塩
化物はテイリングが無く、極めて効率良く硫酸塩を分離
回収することができる。また前述した製造法から明らか
なように、該両性イオン交換体はスネ−クケイジ型樹脂
に比べ製造が比較的容易である。樹脂中の陰イオン交換
基と陽イオン交換基の数が同じであり互いに会合して内
部塩を形成しており、過剰のアニオン又はカチオン交換
基が存在しないから分離能が高く、溶離流出液のpHが変
わらない。また、スネ−クケイジ型樹脂は長期に使用す
ると強塩基性樹脂からポリアクリル酸が脱離する場合が
あるが、上記式(1)のイオン交換基を有する両性イオ
ン交換体にはこのような恐れはなく、長期間安定に使用
できる等種々の利点を有している。
【0017】[実施例]本発明方法は上記のようにして
実施されるが、以下に本発明の特徴をなす部分、即ち、
両性イオン交換体による淡ブライン処理についての実施
例を示す。しかし本発明はその要旨を越えない限り以下
の例に制約されるものでない。なお、以下の例で用いた
淡ブラインは、塩化ナトリウム195 g/l、硫酸ナトリウ
ム7.5 g/l、塩素酸ナトリウム2.55 g/lを含有する。 実施例1 両性イオン交換体としてスチレン−ジビニルベンゼン架
橋共重合体のベンゼン核に、下記式(2)で示されるイ
オン交換基が結合した樹脂を用いた。
【0018】
【化4】
【0019】上記の両性イオン交換体は次のようにして
製造された。0.1重量%のポリビニルアルコ−ルを含む5
00 mlの脱塩水を分散媒とするスチレン92.4 g、エチル
ビニルベンゼン3.3 g及びジビニルベンゼン4.3 gの混合
液に重合開始剤としてベンゾイルパ−オキサイド1 gを
加え、窒素雰囲気下、80℃で10時間、分散重合を行なっ
た。このようにして得られた架橋共重合体粒子を120℃
で5時間乾燥した後、テトラクロロエチレン100 gで加温
膨潤後冷却し、クロロメチルメチルエ−テル200 gを加
え、次いで無水塩化亜鉛50 gを加え、50℃で5時間反応
させた。次いでこれを冷水2.5 lに投入して過剰のクロ
ロメチルメチルエ−テルを分解し、濾過水洗した。
【0020】得られたクロロメチル化樹脂粒子(塩素含
有量:22%)40 gとベンゼン100 gとを攪拌機、温度計、
還流冷却器、滴下ロ−トを備えた四つ口フラスコに入
れ、滴下ロ−トからN,N-ジメチルグリシンメチルエステ
ル55 gを50℃以下に維持しつつ徐々に滴下し、滴下終了
後、更に60℃で4時間反応を行なった。反応終了後、樹
脂を濾取し、100 mlのアセトンで洗浄した。次いでこの
樹脂を5規定の水酸化ナトリウム水溶液300 ml中で、80
℃において8時間加水分解反応を行った。次いで樹脂を
濾別し、水洗後濾過して、平均粒径280μmの樹脂を得
た。この樹脂の内部塩形成量は2.17 meq/g-樹脂であ
り、水分は40%であった。塩化ナトリウム及び塩酸によ
って測定したところ、第4級アンモニウム基とカルボキ
シル基の存在比は等量であり、過不足なく存在してい
た。なお、内部塩形成量の測定は、樹脂5 mlを計り、セ
ントルで水切りし、0.2規定塩酸250 ml中に浸した後、
滴定により消費された塩酸を測定し、計算により求め
た。
【0021】分離塔は内径25 mmのジャケット付カラム
からなり、これに上記の両性イオン交換樹脂500 mlを充
填し、層高1020 mmのクロマトグラフ分離充填層を形成
させた。この充填層に上記組成の淡ブライン100 mlを空
間速度(SV)3/時(通液量 0.2倍容量/樹脂容量)、通
水温度40℃で下向きに通水した後、軟水200 ml(0.4倍容
量/樹脂容量)を、上記淡ブラインの通水と同条件で通
水した。次いで、淡ブライン続いて軟水を上記と同一条
件で繰り返し通水した。この際における分離塔からの流
出水中の塩化ナトリウムと硫酸ナトリウムとの各濃度及
び流出水量の関係は図2に示す通りであった。図2中、
31a及び31bの曲線は硫酸ナトリウムに係わるも
の、32a及び32bの曲線は塩化ナトリウムに係わる
ものである。このようにして、硫酸塩を実質的に含まな
い食塩溶液が容易に分画できる。
【0022】実施例2 実施例1で用いたと同じ分離塔に、脱塩水で充分膨潤さ
せたスネ−クケイジ型両性イオン交換樹脂ダイヤイオン
SR−1[三菱化成(株)製]500 mlを充填し、層高1020 m
mのクロマトグラフ分離充填層を形成させた。この樹脂
は平均粒径224μm、総交換容量3.74 meq/g(その中、内
部塩形成量3.09 meq/g)、水分量は41%であった。この
充填層に実施例1と同じ組成の淡ブライン100 mlを空間
速度(SV)3/時(通液量 0.2倍容量/樹脂容量)、通水
温度40℃で下向きに通水した後、軟水400 ml(0.8倍容量
/樹脂容量)を、上記淡ブラインの通水と同条件で通水
した。次いで、淡ブライン続いて軟水を上記と同一条件
で繰り返し通水した。この際における分離塔からの流出
水中の塩化ナトリウムと硫酸ナトリウムとの各濃度及び
流出水量の関係は図3に示す通りであった。図3中、4
1a及び41bの曲線は硫酸ナトリウムに係わるもの、
42a及び42bの曲線は塩化ナトリウムに係わるもの
である。このようにして、硫酸塩を実質的に含まない食
塩溶液が容易に分画できる。
【0023】
【発明の効果】アルカリ金属塩化物水溶液の電解槽から
排出されてくる淡ブライン中に含まれる硫酸塩を、特別
の薬剤を用いることなく、簡単な操作で効率よく除去
し、電解用ブラインの調製に繰り返し使用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するプラントの一例のフロ−
シ−ト。
【図2】実施例1において分離塔により成分分離を行っ
た際に分画流出してくる流出液の成分の濃度及び流出量
を示す図表。
【図3】実施例2において分離塔により成分分離を行っ
た際に分画流出してくる流出液の成分の濃度及び流出量
を示す図表。
【符号の説明】
1 原塩の溶解槽 2 アルカリ金属塩化物原塩の供給路 3 溶解水の導管 4 アルカリ金属塩化物含有分画液の導管 5 飽和ブラインの導管 7 電解槽 12 淡ブラインの導管 15 分離塔 16 検出器 17 硫酸塩含有分画液の流出管
フロントページの続き (72)発明者 田代 孝行 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 杉本 隆一 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解槽において硫酸塩を不純物として含
    有するアルカリ金属塩化物と溶解水から調製した飽和ブ
    ラインを、イオン交換膜電解槽へ供給して電解を行い、
    この電解槽から抜き出されたアルカリ金属塩化物の濃度
    が低下した淡ブラインを溶解槽へ循環し、アルカリ金属
    塩化物及び溶解水を加えて再び飽和ブラインとして電解
    槽へ供給する電解方法において、電解槽から抜き出され
    た上記淡ブラインの少なくとも1部を、陰イオン交換基
    と陽イオン交換基とを有し、該両イオン交換基が内部塩
    を形成している両性イオン交換体が充填された分離塔に
    通液して上記両性イオン交換体にアルカリ金属塩化物を
    吸着させた後、この分離塔に溶離剤として溶解水を通水
    し、主として硫酸塩を含有する流出分画液を循環系外に
    除去し、主としてアルカリ金属塩化物を含有する流出分
    画液を上記溶解槽へ循環することを特徴とするアルカリ
    金属塩化物の電解方法。
  2. 【請求項2】 両性イオン交換体がスネ−クケイジ型樹
    脂であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 両性イオン交換体が架橋共重合体樹脂母
    体に結合した下式(1)で示されるイオン交換基を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の方法。 【化1】 (式中R1、R2は夫々炭素数1〜3のアルキル基を示
    し、m及びnは夫々1〜4の数を示す)
  4. 【請求項4】 樹脂母体がスチレンとジビニルベンゼン
    の架橋共重合体からなることを特徴とする請求項3記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 両性イオン交換体は、式(1)における
    1及びR2がメチル基で、m及びnが1であることを特
    徴とする請求項3記載の方法。
  6. 【請求項6】 電解槽から抜き出される淡ブラインの4
    〜20容量%を分離塔に通液することを特徴とする請求
    項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 淡ブラインを脱塩素後、pH7〜13に
    調製して分離塔に供給することを特徴とする請求項1記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 両性イオン交換体がスチレンとジビニル
    ベンゼンの架橋共重合体からなる樹脂母体のベンゼン核
    に下式(2)で示されるイオン交換基を結合しているこ
    とを特徴とする請求項1記載の方法。 【化2】
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