JPH0734859B2 - 免疫検定およびバイオアフイニテイ分離のための蛋白質固定化への疎水性基で誘導体化されたポリ(エチレンイミン)の応用 - Google Patents

免疫検定およびバイオアフイニテイ分離のための蛋白質固定化への疎水性基で誘導体化されたポリ(エチレンイミン)の応用

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JPH0734859B2
JPH0734859B2 JP1112314A JP11231489A JPH0734859B2 JP H0734859 B2 JPH0734859 B2 JP H0734859B2 JP 1112314 A JP1112314 A JP 1112314A JP 11231489 A JP11231489 A JP 11231489A JP H0734859 B2 JPH0734859 B2 JP H0734859B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は疎水性基で誘導体化されたポリ(エチレンイミ
ン)によるプラスチツク表面を予め活性化すること、特
に、バイオアフイニテイ分離および免疫検定におけるこ
れらの予め活性化された表面を使用することに関する。
アフイニテイ分離は、ある分子が他の分子に対して有し
ているアフイニテイを利用して分離を行なう方法であ
る。バイオアフイニテイ分離は要素の一方が生物学的な
興味を有するものであるかまたは生物学的活性を有する
ようなアフイニテイ分離として定義される。即ちバイオ
アフイニテイ分離は、結合対の要素の1つとして、蛋白
質または核酸のような、少なくとも1つの生物巨大分子
を包含している。バイオアフイニテイ結合対の例は制定
するものではないが、抗原−抗体、基質−酵素、エフエ
クター−酵素、阻害剤−酵素、相補的核酸鎖、結合蛋白
質−ビタミン、結合蛋白質−核酸、反応性染料−蛋白質
および反応性染料−核酸、ビオチン−アジビンおよび蛋
白A質−IgGを包含する。
バイオアフイニテイ分離は、バイオアフイニテイ結合対
の一方が、共有結合的にか、または非特異的吸着により
結合するバイオアフイニテイ選択吸着剤上で行なわれ
る。次にバイオアフイニテイ結合対のもう一方は、それ
がこのバイオアフイニテイ選択吸着剤と接触する際にそ
の相手と結合する。バイオアフイニテイ結合対の要員ら
が互いに結合した後に、バイオアフイニテイ選択吸着剤
と接触しなかつた方を、実験条件に応じた種々の試薬で
溶離できる。
Weetelの「Method in Enzymology」、Vol.XLIV;Immobil
ized Enzymes、Chapter 10,134,Ed.K.Mosbach,Academic
Press,NY(1976)には、無機担体表面を共有結合的に
修飾する種々の方法が記載されている。バイオアフイニ
テイ結合対の一方が共有結合することが好ましいが、固
定化分子へ無関係な蛋白質が非特異的に結合したり、共
有結合した分子の結合特性が変化したり、そして、分子
の担体への非可逆的結合により稀少なまたは高価な分子
を回収できなくなるといつた、いくつかの欠点を有して
いる。
Messingの「Method in Enzymology,Vol.XLIV;Immobiliz
ed Enzymes,Chapter 11,149,Ed.K.Mosbach.Academic Pr
ess,NY(1976)は、別の一般的な結合方法である、バイ
オアフイニテイ結合対の一方の担体への非特異的吸着を
記載している。この方法もまた、支持体へ分子を結合さ
せる力が弱いために担体上に非特異的に吸着された分子
を保持できないという欠点を有している。別の問題点は
担体へ吸着された分子の結合特性の部分的変化である。
表面を物理的または化学的に誘導体化することにより、
プラスチツク表面へ生物学的分子を固定化するその他の
方法が開発されている。
1987年4月14日にGadow等に発行された米国特許4,657,8
73号は、フエニルアラニンおよびリジンのアミノ酸より
なる両性ポリペプチドでプラスチツク表面をコーテイン
することによるプラスチツク表面の予め活性化が開示さ
れている。疎水性のフエニルアラニン残基がプラスチツ
ク表面へのポリペプチドの吸着を可能にし、一方、親水
性のリジン残基が、有機化学的および生物学的物質の固
定化に使用される。Gadowの方法の1つの問題的は、有
利なポピペプチドが容易に入手できず、非常に高価なこ
とである。また、ポリペプチドは臨床試料中存在しえる
プロテアーゼにより攻撃され易い。プラスチツク表面に
コーテイングされたポリペプチドをプロテアーゼが分解
するか否かは、表面のポリペプチドの三次構造に依存し
ている。ポリペプチドの意図しない分解が起こつた場
合、検定結果には大きな誤りが含まれることになる。
同様に、Gadow等の、「J.Clin.Chem.Clin.Biochem.」p7
89〜797,vol.21,no.12(1983)には、ポリphe−lysをポ
リスチレンボールへ吸着させ、次にグルタルアルデヒド
で活性化し、そして必要なリガンドの結合を行なう方法
が開示されている。この方法は米国特許4,657,873号に
関して前述した方法と同様の欠点を有している。
1987年3月31日にLentfer等へ発行された米国特許第4,6
54,299号は、ビス−ジアゾニウム化合物で予め活性化し
たポリスチレン表面への蛋白質の固定化を開示してい
る。この方法の主な欠点は、ビス−ジアゾニウム化合物
およびその前駆体であるベンジジンが高い発癌性を有す
ることである。
1984年4月24日にFoster等に発行された米国特許4,444,
879号に、反応体との化学反応に対し不活性な光透過性
で水不溶性材料、および、反応体と共有結合を形成でき
るような結合した化学基を有する合成重合体樹脂の乾燥
被膜を包含する免疫反応反応体を固定化するための固相
支持体を開示している。材料の少なくとも一部が乾燥被
膜でコーテイングされる。
1977年1月4日にBarrettに発行された米国特許4,001,5
83号は、生物学的物質をプラスチツク表面に共有結合さ
せるためのプラスチツク表面のグルタルアルデヒドによ
る前処理を開示している。グルタルアルデヒドは、脂肪
族アミンまたはジアミンで表面を予め処理するかまたは
処理せずに、プラスチツク材料の内部表面上で直接重合
させる。
1981年7月21日にHuizingaに発行された米国特許4,279,
787号は、式OHC−X−CHO〔式中Xはアルキレンまたは
ジクロアルキル基である〕のアルデヒドで前処理するこ
とを包含する、水不溶性で疎水性重合体物質の表面に抗
原活性物質を結合する方法を開示している。
1982年10月5日にNakashima等に発行された米国特許4,3
52,884号は生物活性物質を固定化するための疎水性アク
リル重合体でコーテイングされた担体を開示している。
1981年7月14日にHales等に発行された米国特許4,278,6
51号は、受容体の支持体へ共有結合を媒介するような少
なくとも1つの官能基を含む水不溶性重合体を有する固
体支持体を開示している。
欧州特許出願83109418.0号は、大分子を結合するための
重合体表面の化学修飾のためのプラズマ修飾方法を開示
している。
本発明は、比較的低価格で調製でき、入手が容易で、環
境に脅威を与えず、発癌性の無いような、疎水性基で誘
導体化した(derivatized with a hydrophobic group)
ポリ(エチレンイミン)を使用した生物学的物質のプラ
スチツク表面への固定化のための1つの代替法を提供す
る。プラスチツク表面の結合容量は実質的に増加し、結
合物質の生物学的活性を著しく変化させず、そして、結
合物質は脱着に対して抵抗性を有する。
典型的には、本発明は疎水性基で誘導体化されたポリ
(エチレンイミン)で予め活性化されたプラスチツク表
面に関する。本発明はさらに、このような表面の調製方
法、並びにこのような予め活性化された表面の免疫検定
およびバイオアフイニテイ分離における使用に関する。
プラスチツク担体表面は疎水性基で誘導体化されたポリ
(エチレンイミン)(PEI)の溶液でコーテイングされ
る。ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよ
びアクリル樹脂のような種々のプラスチツクが、多くの
形態、例えば、力価評定用マイクロプレート、パドル、
膜、試験管、ボールおよび格子のような形態で使用でき
る。好ましいプラスチツクは1/4″ボール、マイクロプ
レートおよびコーテイング試験管の形態で使用できるポ
リスチレンである。これらの固体支持体は不均一免疫検
定(heterogeneous immunoassay)およびバイオアフイ
ニテイ分離において最も一般的に使用されている。
当業者の知り多くの疎水性基を用いてPEIを誘導体化で
きる。例えば、ベンゾイル基およびトシル基を挙げるこ
とができる。本発明の好ましい化合物はトシル−PEIで
ある。
PEIはランダムに形成されるため、その構造は特定の単
量体単位の均質な整列を有していない。このランダムに
配向した重合体を単一の化学式とすることは困難である
が、その調製は容易である。例えば、トシルPEIはポリ
(エチレンイミン)を水中で塩化トシルと反応させ、透
析によるか、またはセフアデツクス(Sephadex )ゲル
過カラム上で精製することにより調製できた。得られ
た生成物は水溶性で、極めて安定であり、そして、プロ
テアーゼによる分解を受け難い。この化合物を精製する
ための費用は極めて低廉である。種々の疎水性基で誘導
された多くのポリ(アルキルアミン)、例えばポリ(プ
ロピルアミン)、ポリ(ブチルアミン)等がプラスチツ
ク表面を予め活性化するために適当であると理解された
い。
疎水性基で誘導体化されたPEIによるプラスチツク表面
のコーテイングは希釈水溶液中で行なうことができる。
コーテイングは数時間をかけて行なうことができ、ま
た、一夜で行なうこともできる。温度制限は無く、コー
テイングは室温または4℃で行なうことができる。プラ
スチツク表面をコーテイングするための好ましい条件
は、室温で一夜、0.1Mリン酸塩緩衝液(pH7.0)中、コ
ーテイング試薬(実施例3に記載のような)100マイク
ログラム/mlを使用することである。
疎水性基で誘導したポリ(エチレンイミン)でプラスチ
ツク表面を予め活性化した後、バイオアフイニテイ結合
対の一方を結合して、不均一免疫検定およびバイオアフ
イニテイ分離に使用する。下記は本発明に従つて予め活
性化されたプラスチツク表面への結合に適するバイオア
フイニテイ結合対のいくつかを示すものであるが、これ
らの例で全てというわけではない。その例は、抗原−抗
体、基質−酵素、エフエクター−酵素、阻害剤−酵素、
相補的核酸鎖、結合蛋白質−ビタミン、結合蛋白質−核
酸、反応性染料−蛋白質および反応性染料−核酸、ビオ
チン−アビジンおよび蛋白質A−IgGである。さらに、
ポリリジンおよびポリエチレンイミンのような合成擬似
結合蛋白質、または蛋白質A、蛋白質G等のような特異
的結合の可能な他の重構造大分子も本発明の範囲に包含
される。実験方法に応じて結合対のどちらも固定化でき
る。疎水性基で誘導体化したポリ(エチレンイミド)で
コーテイングしたプラスチツク表面へのバイオアフイニ
テイ結合対の一方の結合は、当業者のよく知るホモ二官
能性およびヘテロ二官能性の交叉結合試薬の何れのもの
を用いても行なうことができる。例えば、グルタルアル
デヒド、エピクロロヒドリンおよびトルエン−2,4−ジ
イソシアネートが使用できる試薬のいくつかとして挙げ
られる。本発明の予め活性化した表面へのバイオアフイ
ニテイ結合対の一方を結合するための好ましい方法は、
室温で2時間、固定化されるために選択された一方を予
め活性化されたプラスチツク表面および5%グルタルア
ルデヒドと反応させることである。
バイオアフイニテイ結合対の要素は、疎水性基で誘導体
化されたポリ(エチレンイミン)へ直接結合でき、ま
た、担体分子に結合した後に疎水性基で誘導体化された
ポリ(エチレンイミン)に結合することもできる。何れ
の場合も、本発明の予め活性化したプラスチツク表面に
要素が固定化された後に、後記する実施例7および8に
示すようにして、これを多くの不均一免疫検定様式並び
にバイオアフイニテイ分離に使用できる。
当然ながら、多くの変形が可能でありこれらは全て本発
明の範囲に含まれると理解されたい。
以下の実施例は本発明を説明するものでありこれに制限
しない。
実施例 1 トシル−ポリ(エチレンイミン)(トシル−PEI)の調
製および精製 ポリ(エチレンイミン)(50%水溶液、Aldrich Chemic
al,Milwaukee,Wisconsin)2グラムを蒸留水50mlに溶解
した。塩化トシル(0.1g Aldrich Chemical.Milwaukee,
Wisconsin)および18%水酸化カリウム2mlをゆつくりPE
I溶液に添加し、これと同時に激しく混合した。混合物
を2時間室温で撹拌し、次に蒸留水で透析し、100mlに
希釈した。
実施例 2 ベンゾイル−ポリ(アリールアミン塩酸塩)(ベンゾイ
ル−PAAH)の調製および精製 ポリ(アリールアミン塩酸塩)(高分子量、Aldrich Ch
emical,Milwaukee,Wisconsin)1グラムを蒸留水20mlに
溶解し、pHを6N水酸化ナトリウムで8.0に調整した。塩
化ベンゾイル(Aldrich Chemical,Milwaukee,Wisconsi
n)0.5mlを溶液に添加し、得られた混合物を2時間室温
で撹拌した。白色の安息香酸沈殿を遠心分離により除去
し、生成物を蒸留水で透析した。生成物の純度は、生成
物1mlをセフアデツクスG−15カラム(1×20cm)を通
しリン酸塩緩衝食塩水(PBS pH7.6)で溶離することに
より分析した。ベンゾイル基吸着および遊離アミノ基検
定を、合わせた溶離画分について行なつたところ、ベン
ゾイルポリ(アリールアミン)の純度は94%と推定され
た。
実施例 3 トシル−PEIでコーテイングされたポリスチレンボール
上への蛋白質の固定化 A. トシル−PEIのポリスチレンボール上への吸着 1/4″ポリスチレンボール(Pierce Chemical Company,R
ockford,Wisconsin 61105)15個を0.1Mリン酸塩緩衝液
(pH7.0)50mlで1回洗浄した。次にボールを、一夜、
室温で、0.1Mリン酸塩緩衝液(pH7.0)中100μg/mlトシ
ル−PEI(実施例1で調製)10mlとともに混合した。僅
かに混濁していた溶液は透明となり、トシル−PEIがポ
リスチレンボールに吸着されたことが示された。ボール
をリン酸塩緩衝食塩水(PBS、10mMリン酸塩緩衝液、150
mM塩化ナトリウム、pH7.0)5mlで5回洗浄し、直接使用
するかまたは4℃で保存した。
B. グルタルアルデヒドによるトシル−PEIでコーテイ
ングされたポリスチレンボールの活性化 上記したようにして調製したポリスチレンボール15個を
2時間室温で、5%グルタルアルデヒド(Sigma Chemic
al Company,St.Louis,Missouri 63178より入手した25%
溶液より希釈)5mlと混合した。活性化の後、ボールを
蒸留水10mlで3回洗浄した。
C. 活性化ポリスチレンボール上への蛋白質の固定化 活性化ポリスチレンボール(実施例3B)10個を、固定化
するべき蛋白質の種類に応じて、蛋白質10μg/ml〜100
μg/mlを含有する10mMリン酸塩緩衝液(pH7.0)5mlと一
夜室温で混合した。反応の後、ボールを洗浄緩衝液(10
mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノエタン、0.1%Twe
en 20、150mM塩化ナトリウムおよび0.3%クロロアセト
イミド、pH9.0)10mlで3回、そしてPBS10mlで2回洗浄
した。免疫検定に使用するボールの未反応活性部位を室
温で2時間PBS中1mg/mlウシ血清アルブミン(Sigma Che
mical Company,St.Louis,Missouri63178)2.5mlでブロ
ツクした。ブロツク後、ボールを洗浄緩衝液3×10mlで
3回、および、PBS10mlで2回洗浄し、PBS中4℃で保存
した。
実施例 4 固定化蛋白質総量の評価による他の一般的固定化方法と
トシル−PEI固定化法の比較 A. 抗アルカリホスフアターゼ(抗−AP)モノクローナ
ル抗体のヨウ素化 Jackson ImmuroResearch Laboratories(Avondale.PA19
311)より入手したマウス抗アルカリホスフアターゼモ
ノクローナル抗体3mgを、S.H.Synder等の方法(「Journ
al of Biol.Chem.」251、5680〜5685、1976)に従い、
125I−ボルトン−ハンター試薬(3.33mCi/ml、2220Ci/m
mole、Du Pont,Wilmington,Delaware 19898)で標識し
た。標識された蛋白質の比活性は約0.018μCi/μgであ
つた。
B. ポリスチレンボール上への125I−抗−APの固定化 上記実施例4で調製した100μg/mlの125I−抗−AP2mlを
用いて下記の方法に従つて1/4″ポリスチレンボール5
個をコーテイングした。
(1) 未誘導のポリスチレンボール、アルキルアミン
ボール、ヒドラジドボールおよびサンガー(Sanger)試
薬ボールをPierce Chemical ComPany(Rockford,Wiscon
sin 61105)より入手した。スクシニルアルキルアミン
ボールはアルキルアミンボール(Pierce Chemical Comp
any,Rockford,Wisconsin 61105)および過剰の無水コハ
ク酸より、Pierce Chemical Companyの推奨する方法に
従つて調製した(p48 Pierce 1986〜87 Handbook and G
eneral Catalog)。この方法はこれらのスクシニル化さ
れたアルキルアミンボールへ蛋白質を結合させる方法も
示している。
(2) 125I−抗−APを、実施例3Cの方法に従つて、ト
シル−PEIでコーテイングされたポリスチレンボールお
よびベンゾイル−PAAHでコーテイングされたポリスチレ
ンボールに結合した。
(3) 125I−抗−APを、実施例3Cの方法に従い、一夜
室温で蛋白質溶液中ボールをインキユベートして、ブロ
ツクすることにより、未誘導ポリスチレンボールに吸着
させた。
(4) Gadow等の米国特許4,657,873号に記載の方法に
従い、蛋白質をポリ(フエニルアラニン−リジン)でコ
ーテイングされたポリスチレンボールに固定化した。
(5) T.Saito(Clinica Chimica Acta,133、301〜31
0、1983)の方法に従つて、蛋白質をトルエン−2,4−ジ
イソシアネートでコーテイングされたポリスチレンボー
ルに固定化した。
(6) カルボキシメチルラテツクスでコーテイングさ
れたポリスチレンボールは、室温で2時間、ポリスチレ
ンボール10個を、カルボキシエチルメチルラテツクス
(Seragen Diagnostics,Inc.,Indianapolis,In 46206)
5mlとともにインキユベートすることにより調製した。P
BSで洗浄した後、125I−標識蛋白質を結合させるための
水溶性カルボジイミドでこれを活性化した。
蛋白質のカツプリングが終了した後、全ボールを、80mM
塩化ナトリウム+0.1%Tween 20(pH6.0)5mlで4回、
および0.1M塩化ナトリウム5mlで4回洗浄した。これら
のボールを0.1M塩化ナトリウム5ml中で保存した。
C. 固定化された蛋白質の総量の計算 ポリスチレンボール上に結合した蛋白質の総量は、ボー
ルを、Beckman Gamma 800計数システム(Beckman Inst
ruments,Inc.,Fullerton,California 92634)で計数す
ることにより、測定した、ボール5個の平均計数値を用
いて、0.018マイクロキユーリー/マイクログラムの比
活性に基づき、蛋白質量を計算した。結果を表1に示
す。
実施例 5 種々の結合方法でポリスチレンボール上へ固定化された
酵素の活性 β−ガラクトシダーゼ(EIA等級、Boehringer Mannheim
GmbH Biochemica西独より入手)を実施例4B(1)〜4B
(6)の種々の手順に従つて、種種の活性化ポリスチレ
ンボールに結合させた。洗浄して未結合の酵素を除去し
た後、各ボールに酵素基質(50mM N−2−ヒドロキシエ
チルピペラジン−N′−エタンスルホン酸、HEPES,pH7,
7中2mM o−ニトロフエニル−ガラクトピラノシド)1ml
を添加し、10分間37℃でインキユベートすることにより
ボール上の酵素活性を測定した。0.1M炭酸ナトリウム緩
衝液(pH11.5)1mlを添加することにより反応を停止
し、406nmにおける吸光度をヒユーレツトパツカード845
0ダイオードアレイ分光光度計(Hew−lett Packard,Pal
o Alto,California 94304)で測定した。吸光度は結合
蛋白質の活性と正比例していた。結果は表1に示す。
実施例 6 種々の結合方法によりポリスチレンボール上へ結合した
総抗体活性 実施例4で調製した125I−光−APポリスチレンボールを
本実験で用いた。2μg/mlアルカリホスフアターゼ(EI
A等級、Boehringer Mannheim GmbH Biochemica西独より
入手)2mlを各ボールに添加し、室温で1.5時間混合し
た。ボールを、80mM塩化ナトリウム+0.1%Tween 20
(pH6.0)5mlで4回、および0.1M塩化ナトリウム5mlで
4回洗浄した。ボール上に固定化された抗体により捕獲
されたAPは、酵素基質(15mM4−ニトロフエニルホスフ
エート(PNPP)、1Mジエタノールアミン、および0.5mM
塩化マグネシウム、pH8.9)1mlを添加し、1分間、37℃
でインキユベートすることにより測定した。0.5Mエチレ
ンジアミン4酢酸(EDTA pH9.0)1mlを添加することに
より反応を停止し、実施例5に記載したHP 8450分光光
度計で吸光度を測定した。吸光度は酵素活性に正比例
し、これは固定化された抗体の活性に比例する。結果は
表1に示す。
実施例 7 種々の結合方法によりポリスチレンボールに固定化され
た抗−HCGを用いたヒト絨毛性ゴナドトロピン(β−HC
G)サンドイツチ酵素免疫検定 マウス抗−HCGモノクローナル抗体(Hybri−tech,Inc.,
San Diego,California)を実施例4の方法に従つて種々
の活性化ポリスチレンボールに固定化した。抗−HCGア
ルカリホスフアターゼ50マイクロリツトルおよびHCGカ
リブレーター100マイクロリツトル(ともにE.I.du Pont
de Nemours&Co.,Wilmington,Deraware 19898)を抗−
HCGコーテイングボールに添加し、試験管中に入れた。
混合物を室温で30分間振動装置上で混合し、80mM塩化ナ
トリウム+0.1%Tween20(pH6.0)2mlでボールを3回洗
浄した。実施例6のようにしてp−ニトロフエニルホス
フエート基質200マイクロリツトルを添加し、45分間37
℃でインキイユベートした。終了試薬(50mM EDTA,pH8.
9)1mlを添加することにより反応を終了させ、406nmに
おける吸光度をHP8450分光光度計により測定した。0mlU
/mlの吸光度(バツクグラウンド)および0mlU/mlと200m
lU/ml濃度の吸光度差を表1に示す。バツクグラウンド
値が低く分離度が高いことから、良好な検定性能である
と判断できる。
実施例 8 シクロスポリンの免疫酵素測定検定:吸着と結合をトシ
ル−PEIコーテイング試験管を介して行なつた場合の比
較 A. シクロスポリンコンジユゲートの調製 シクロスポリンCスクシンイミジルスクシネート(sand
oz Ltd.,Basle,Switzerland)を1:10(W/W)の比でヒト
血清アルブミン(HSA)にコンジユゲートしPBSで透析し
た。
B. 誘導体化されていないポリスチレン試験管へのコン
ジユゲートの吸着 上記段階Aで調製したコンジユゲートを、一夜試験管中
で、室温で蛋白質溶液をインキユベートすることにより
誘導体化されていないポリスチレン試験管の管壁へ吸着
させた。過剰な溶液を実施例3Cに記載した洗浄緩衝液で
洗浄除去し、実施例3Cに記載の方法によりブロツクし
た。
C. トシル−PEIでコーテイングされたポリスチレン試
験管へのコンジユーゲートの結合 上記段階Aで調製したコンジユゲートを実施例3Cの方法
に従つてトシル−PEIでコーテイングされた試験管に結
合した。トシル−PEIでコーテイングされた試験管は実
施例3Aおよび3Bにそれぞれ記載の方法により調製し、活
性化した。
D. 抗−シクロスポリン−アルカリホスフアターゼコン
ジユゲートの調製 モノクローナルシクロスポリン抗体(Sandoz,Ltd.,Basl
e Switzerland)6.44mgを15モル過剰のスクシンイミジ
ル−4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−
1−カルボキシレート(Pierce Chemical Company,Rock
ford,Illinois 61105)を用いて、室温で2時間、アル
カルホスフアターゼ9.82mgに結合させ、シリカゲル上の
ゲル過高性能液体クロマトグラフイーにより精製し
た。
E. 検定方法 蒸留水400マイクロリツトル、全血試料またはシクロス
ポリン含有カリブレーター100マイクロリツトル、およ
び段階B記載の抗−シクロスポリン−アルカリホスフア
ターゼコンジユゲート500マイクロリツトルを、段階B
およびCで調製したコーテイングされた試験管に入れ
た。シクロスポリンカリブレーターはシクロスポリンを
濃度0、0.5および1.0マイクログラム/mlで含有してい
た。混合物を37℃で10分間混合した。試験管を蒸留水5m
lで4回洗浄した。
F. 試験管に結合した酵素の定量 試験管に結合した酵素を以下の2つの異なる方法で測定
した。
(1) 試験管内測定:第1の測定法は直接の免疫酵素
測定的定量に関与する。PNPP基質4mlを試験管に入れ、
4分間25℃で混合した。混合物を3Nの水酸化ナトリウム
4ml中に注ぎ込むことにより反応を停止させた。吸光度
はHP8450分光光度計を用いて406nmの波長で測定した。
(2) 遊離法:第2の測定方法は、段階Aとシクロス
ポリンコンジユゲートをそれが結合する試験管の表面か
ら分離することの可能な試薬である遊離試薬を添加する
ことを包含する。遊離試薬の添加の目的はシクロスポリ
ンコンジユゲートがどの程度強く試験管表面に結合して
いたかを測定するためである。遊離試薬(1Mジエタノー
ルアミン中0.05%Tween20、pH9.0)1.1mlを試験管に入
れ、10分間37℃で混合した。次に、試薬1mlを試験管か
ら取出して、PNPP基質3mlに添加した。この混合物を4
分間25℃でインキユベートした。3Nの水酸化ナトリウム
4mlで反応を停止させた。HP 8450分光光度計を用いて波
長406nmで吸光度を測定した。
(3) 結 果 表2aは段階Fで論じた2つの定量法で測定された試験管
へ結合した酵素に対する吸光度値を示している。
表2bはシクロスポリンの各濃度に対する比率(後記の計
算方法)の比較を示しており、これによれば、トシル−
PEI予め活性化表面は蛋白質を強く結合し、遊離試薬に
よる攻撃も受けなかつたのに対し、予め活性化を行なわ
なかつた試験管表面へ単に吸着しただけの蛋白質は遊離
試薬により容易に除去されることが解る。
表2bに示した比は以下のようにして計算した。
吸光度比は遊離および試験管内の方法により測定したコ
ーテイングされた試験管の吸光度に対して求めた。即
ち、シクロスポリン0マイクログラム/ml濃度に対して
は、遊離法により得た0.68吸光度値を試験管内法により
得た0.68吸光度値で割る。その比は1.0である。
シクロスポリン0.1マイクログラム/ml濃度に対しては、
遊離法により得た0.43吸光度値を試験管内法により得た
0.36吸光度値で割る。その比は1.19である。
シクロスポリン0.5マイクログラム/ml濃度に対しては、
遊離法により得た0.30吸光度値を試験管内法により得た
0.29吸光度値で割る。その比は1.03である。
同様にしてトシル−PEIでコーテイングされた試験管を
用いて行なつた検定について比を求めた。0、0.1およ
び0.5マイクログラム/ml濃度における比はそれぞれ、0.
12、0.13および0.14であつた。
表2bで比較しているのはこれらの比である。より高い比
は、予め活性化しなかつた試験管表面からは如何にたや
すくシクロスポリンコンジユゲートが遊離するかを反映
している。
以上、本発明を詳細に説明したが、本発明はさらに次の
実施態様によつてこれを要約して示すことができる。
1) 疎水性基で誘導体化されたポリ(エチレンイミ
ン)の溶液または懸濁液で表面をコーテイングすること
を包含する、バイオアフイニテイ結合対の一方の固定化
のためのプラスチツク表面を予め活性化する方法。
2) 疎水性基がトシル基である前項1記載のプラスチ
ツク表面を予め活性化する方法。
3) バイオアフイニテイ結合対の構成員が、抗原−抗
体、基質−酵素、エフエクター−酵素、阻害剤−酵素、
相補的核酸鎖、結合蛋白質−ビタミン、結合蛋白質−核
酸、反応性染料−蛋白質および反応性染料−核酸、ビオ
チン−アビジンおよび蛋白質A−IgGよりなる群から選
択される前項1記載のプラスチツク表面を予め活性化す
る方法。
4) プラスチツク表面がポリスチレンである前項1記
載のプラスチツク表面を予め活性化する方法。
5) 疎水性基で誘導体化されたポリ(エチレンイミ
ン)のコーテイングで予め活性化されたプラスチツク表
面。
6) 疎水性基がトシル基である前項5記載の予め活性
化されたプラスチツク表面。
7) プラスチツクがポリスチレンである前項5記載の
予め活性化されたプラスチツク表面。
8) 下記工程: a) 前項5記載の表面上に固定化された検知または定
量するべき物質に特異的なバイオアフイニテイ結合対の
一方の試料とを接触させること、および b) その物質を検知または定量すること、 を包含する、ある物質を含有することが予測されるかま
たは知られている試料中のその物質を検知または定量す
るための検定。
9) 捕獲試薬および予め活性化されたプラスチツク表
面をグルタルアルデヒドと反応させることにより、プラ
スチツク表面に固定化されている物質をトシル−ポリ
(エチレンイミン)のコーテイングを有する予め活性化
されたプラスチツク表面に共有結合的に結合させる、前
項8記載の検定。
10) バイオアフイニテイ結合対の構成員が、抗原−抗
体、基質−酵素、エフエクター−酵素、阻害剤−酵素、
相補的核酸鎖、結合蛋白質−ビタミン、結合蛋白質−核
酸、反応性染料−蛋白質および反応性染料−核酸、ビオ
チン−アジビンおよび蛋白質A−IgGよりなる群から選
択される前項8記載の検定。
11) 検定がサンドイツチ免疫検定である前項8記載の
検定。
12) 検定が逆サンドイツチ検定である前項8記載の検
定。
13) 疎水性基で誘導体化されたポリ(エチレンイミ
ン)でコーテイングされた基材物質上に固定化されたバ
イオアフイニテイ結合対の一方を有するバイオアフイニ
テイ選択吸着材。
14) 疎水性基がトシル基である前項13記載の吸着剤。
15) バイオアフイニテイ結合対の構成員が、抗原−抗
体、基質−酵素、エフエクター−酵素、阻害剤−酵素、
相補的核酸鎖、結合蛋白質−ビタミン、結合蛋白質−核
酸、反応性染料−蛋白質および反応性染料−核酸、ビオ
チン−アジビンおよび蛋白質A−IgGよりなる群から選
択される前項13記載の吸着剤。
16) 基材物質がポリスチレンである前項13記載の吸着
剤。
17) 下記工程: a) アイオアフイニテイ結合対の固定化された方があ
る物質に特異性を有しているように前項13記載のバイオ
アフイニテイ選択吸着剤上にその物質を捕獲すること;
および、 b) バイオアフイニテイ結合対の構成員から捕獲され
た物質を分離すること、 を包含する、バイオアフイニテイ分離を行なう方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12Q 1/68 A 9453−4B G01N 30/48 R 8310−2J 33/543 525 U 9217−2J E 9217−2J 33/547 // C12Q 1/34 6807−4B 1/42 6807−4B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】疎水性基で誘導体化されたポリ(エチレン
    イミン)の溶液または懸濁液で表面をコーティングする
    ことを包含する、バイオアフィニティ結合対の一方の固
    定化のためのプラスチック表面を予め活性化する方法。
  2. 【請求項2】疎水性基がトシル基である請求項1記載の
    プラスチック表面を予め活性化する方法。
  3. 【請求項3】バイオアフィニティ結合対の構成員が抗原
    −抗体、基質−酵素、エフェクター−酵素、阻害剤−酵
    素、相補的核酸鎖、結合蛋白質−ビタミン、結合蛋白質
    −核酸、反応性染料−蛋白質および反応性染料−核酸、
    ビオチン−アビジンおよび蛋白質A−IgGよりなる群か
    ら選択される請求項1記載のプラスチック表面を予め活
    性化する方法。
  4. 【請求項4】プラスチック表面がポリスチレンである請
    求項1記載のプラスチック表面を予め活性化する方法。
  5. 【請求項5】疎水性基で誘導体化されたポリ(エチレン
    イミン)のコーティングで予め活性化されたプラスチッ
    ク表面。
  6. 【請求項6】下記工程: a) 請求項5記載の表面上に固定化された検知または
    定量するべき物質に特異的なバイオアフィニティ結合対
    の一方と試料とを接触させること、および b) その物質を検知または定量すること を包含する、ある物質を含有することが予測されるかま
    たは知られている試料中のその物質を検知または定量す
    るための検定。
  7. 【請求項7】捕獲試薬および予め活性化されたプラスチ
    ック表面をグルタルアルデヒドと反応させることによ
    り、プラスチック表面に固定化されている物質をトシル
    −ポリ(エチレンイミン)のコーティングを有する予め
    活性化されたプラスチック表面に共有結合的に結合させ
    る請求項6記載の検定。
  8. 【請求項8】疎水性基で誘導体化されたポリ(エチレン
    イミン)でコーティングされた基材物質上に固定化され
    たバイオアフィニティ結合対の一方を有するバイオアフ
    ィニティ選択吸着材。
  9. 【請求項9】下記工程: a) バイオアフィニティ結合対の固定化された方があ
    る物質に特異性を有しているような請求項8記載のバイ
    オアフィニティ選択吸着剤上にその物質を捕獲するこ
    と、および b) バイオアフィニティ結合対の構成員から捕獲され
    た物質を分離すること を包含する、バイオアフィニティ分離を行なう方法。
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