JPH0734758U - 自動車用シートのサポート装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 着座者にフィットしてサポート性に優れた自
動車用シートのサポート装置を提供する。 【構成】 湾曲自在なサポートプレート１１の一端部１
１ａをシートフレーム３に固定し、このサポートプレー
ト１１の他端部１１ｂを、シートフレーム３に一端部１
２ａを揺動自在に支持してシート表方向Ａとシート裏方
向Ｂとに揺動するサポートアーム１２の他端部１２ｂに
連結して、アクチュエータ１７〜２０でサポートアーム
１２を揺動させることにより、サポートプレート１１が
湾曲しながらシート表方向Ａに押し出され、シート裏方
向Ｂに引き込まれる。上記サポートプレート１１を板ば
ねとする。上記アクチュエータを、電動モータ１７とね
じ軸１８とスライドナット１９とガイド部材２０とで構
成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、サポート性に優れた自動車用シートのサポート装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車用シートは、図５に示すように、シートクッション１とシートバック２ とで構成されていて、上記シートクッション１の両側部には、着座者の腿部を支 えるサイドサポート部１ａ，１ａが設けられ、上記シートバック２の両側部には 、着座者の胴部を支えるサイドサポート部２ａ，２ａが設けられ、上記シートバ ック２の両肩部には、着座者の肩部を支えるショルダーサポート部２ｂ，２ｂが 設けられている。

【０００３】 図６は、上記シートバック２のサイドサポート部２ａ，２ａであり、上記サイ ドサポート部２ａ，２ａは、シートバックフレーム３にサポートプレート４，４ を支軸５，５で回動自在に取付けて、該サポートプレート４，４を外方に回動さ せると（実線の位置）サポート性が弱められると共に、サポートプレート４，４ を内方に回動させると（二点鎖線の位置）サポート性が強められる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記サポートプレート４，４の支軸５，５が着座者Ａの胴部の ほぼ真下にあるために、サポートプレート４，４を内方に回動させてサポート性 を強めると、サイドサポート部２ａ，２ａの外縁部が着座者Ａの胴部に当たる前 に、内縁部が胴部に当たることから、窮屈感が生じ疲労が多くなる等によりサポ ート性が悪いという問題があった。

【０００５】 そこで、本考案の目的は、着座者にフィットしてサポート性に優れた自動車用 シートのサポート装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、湾曲自在なサポートプレートを設け、 該サポートプレートの一端部をシートフレームに固定する一方、該シートフレー ムに一端部が回動自在に支持されたサポートアームを設け、該サポートアームの 他端部と上記サポートプレートの他端部とを回動自在に連結すると共に、上記サ ポートアームをシート表面方向とシート裏面方向とに揺動させるアクチュエータ を設けたことを特徴としている。

【０００７】 上記サポートプレートは、板ばねで構成することができる。 また、上記アクチュエータは、縦置きした電動モータの出力軸からシート幅方 向に側出するねじ軸と、該ねじ軸に螺合してシート幅方向に移動するスライドナ ットと、該スライドナットに取付けられ、上記サポートアームに植設したガイド ピンにガイド長孔が嵌合して、上記ガイドピンを介してサポートアームを揺動さ せるガイド部材とで構成することができる。

【０００８】

【作用】

本考案によれば、湾曲自在なサポートプレートの一端部をシートフレームに固 定し、このサポートプレートの他端部を、シートフレームに一端部を揺動自在に 支持してシート表方向とシート裏方向とに揺動するサポートアームの他端部に連 結して、アクチュエータでサポートアームを揺動させることにより、サポートプ レートが湾曲しながらシート表方向に押し出され、シート裏方向に引き込まれる ようになる。これにより、サポートプレートをシート表方向に押し出してサポー ト性を強めても、湾曲するサポートプレートにより、シートのサポート部が着座 者の体形に沿ってフィットするようになるから、窮屈感が減少して疲労が少なく なり、サポート性が向上する。

【０００９】 また、上記サポートプレートを板ばねとすれば、適度な剛性と弾力を持ってサ ポートプレートが湾曲するようになる。 さらに、上記アクチュエータを、電動モータとねじ軸とスライドナットとガイ ド部材とで構成すれば、サポートアームの揺動角、つまりサポート作動角を大き く設定できる。また、ねじ軸によりスライドナットを移動位置で自動的にロック できるので、サポートの強弱を徴調整できる共に、その調整位置で確実にロック できるので、安全性が向上する。さらにまた、電動モータを縦置きして、スライ ドナットの移動方向をシート幅方向とすることにより、スペース的に有利となり 、シート内にコンパクトに組込めるようになる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案を図示の実施例により詳細に説明する。 なお、図５以下の従来技術と同一構成・作用の箇所は同一番号を付して詳細な 説明は省略する。 図１及び図２に示すように、シートバック２のサイドサポート部２ａの内部に は、ウレタン製のクッションパッド７が配置され、該クッションパッド７の表面 は表皮８で被覆されている。

【００１１】 上記サイドサポート部２ａのクッションパッド７の裏面側には、図４に詳細に 示すように、略台形状のサポートプレート１１を配置する。該サポートプレート １１は、適用な剛性と弾力を持った金属製又は合成樹脂製の板ばね材が好ましく 、両端部１１ａ，１１ｂを接近又は離反させると自然に湾曲するようになる。該 サポートプレート１１は、上記クッションパッド７の成形と同時にクッションパ ッド７の裏面に接着するか、成形後に接着する。上記サポートプレート１１の一 端部１１ａは、シートバックフレーム３のブラケット４の立上り部４ａ，４ａに Ｅリング２２ｂで抜け止めしたピン２２ａに固定する。

【００１２】 上記サポートプレート１１の裏面側には、サポートアーム１２を配置する。該 サポートアーム１２は、シート表方向（図１の矢印Ａ参照）とシート裏方向（図 ２の矢印Ｂ参照）とに揺動するように、一端部１２ａがシートバックフレーム３ のブラケット４の立上り部４ｂ，４ｂにピン２３で揺動自在に支持されている。

【００１３】 該サポートアーム１２の他端部１２ｂには、略Ｔ字状のブラケット１３の基部 １３ａを、Ｅリング１４ｂで抜け止めしたピン１４ａで回動自在に連結すると共 に、上記ブラケット１３の頭部１３ｂに上記サポートプレート１１の他端部１１ ｂをスプリングピン１５で回動自在に連結する。該ブラケット１３の頭部１３ｂ は、上記クッションパッド７の裏面に接着する。

【００１４】 一方、図３にも示すように、上記サポートアーム１２の一端部１２ａの近傍に は、電動モータ１７を縦置き（上下向き）してシートバックフレーム３に固定し 、該電動モータ１７の減速部１７ａの出力軸からシート幅方向にねじ軸１８を側 出させる。該ねじ軸１８にはスライドナット１９を螺合して、ねじ軸１８の回転 によりシート幅方向に移動させる。

【００１５】 上記スライドナット１９には、シート表裏（前後）方向のガイド長孔２０ａを 有するガイド部材２０を固定し、該ガイド部材２０のガイド長孔２０ａに、上記 サポートアーム１２の一端部１２ａ寄りの部位に植設したガイドピン２１を嵌合 させる。したがって、上記スライドナット１９の往動（図２参照）により、ガイ ド部材２０のガイド長孔２０ａでガイドピン２１がシート裏方向に移動されるこ とで、サポートアーム１２がシート裏方向Ｂに揺動されると共に、上記スライド ナット１９の復動（図１参照）により、ガイド部材２０のガイド長孔２０ａでガ イドピン２１がシート表方向Ａに移動されることで、サポートアーム１２がシー ト表方向Ａに揺動される。

【００１６】 上記構成であれば、図２に示すように、サポート性を弱めている状態では、電 動モータ１７で回転されるねじ軸１８でスライドナット１９が往動され、ガイド 部材２０の長孔２０ａでガイドピン２１がシート裏方向Ｂに移動されて、サポー トアーム１２がシート裏方向Ｂに揺動されている。この状態では、サポートアー ム１２のブラケット１３に他端部１１ｂを連結されたサポートプレート１１は、 シート裏方向Ｂに引き込まれてフラットになり、これに伴って、クッションパッ ド７及び表皮８もフラットになり、サポート性が弱くなる。

【００１７】 上記状態から電動モータ１７でねじ軸１８を回転させてスライドナット１９を 復動させると、ガイド部材２０のガイド長孔２０ａでガイドピン２１がシート表 方向Ａに移動されて、サポートアーム１２がシート表方向Ａに揺動される。

【００１８】 この状態では、サポートアーム１２のブラケット１３に他端部１１ｂを連結さ れたサポートプレート１１は、シート表方向Ａに押し出されて湾曲し、これに伴 って、クッションパッド７及び表皮８も湾曲して、サポート性が強くなる。

【００１９】 上記サポートプレート１１は、適度な剛性と弾力を持った板ばね材の特性によ り、自然に湾曲するから、着座者の体形に沿ってフィットするので、従来のよう な窮屈感が減少して疲労が少なくなり、サポート性が向上する。

【００２０】 また、電動モータ１７のねじ軸１８でスライドナット１９を往復移動させるか ら、サポートアーム１２の揺動角、つまり、サポート作動角を大きく設定できる ようになる。さらに、スライドナット１９側からねじ軸１８を回転できないから 、スライドナット１９は移動位置で自動的にロックされ、サポートの強弱を徴調 整できると共に、サポートアーム１２やサポートプレート１１が不用意に変位し ないので、安全性も向上する。

【００２１】 さらにまた、電動モータ１７を縦置きして、スライドナット１９の移動方向を シート幅方向としたから、スペース的に有利となり、シートバック２内にコンパ クトに組込むことができる。

【００２２】 上記実施例は、シートバック２のサイドサポート部２ａであったが、図５に示 したように、ショルダーサポート部２ｂやシートクッション１のサイドサポート 部１ａにも本案が適用できることは言うまでもない。

【００２３】

【考案の効果】 以上の説明より明らかなように、本考案の自動車用シートのサポート装置は、 湾曲自在なサポートプレートを、アクチュエータで揺動されるサポートアームで 、湾曲させながらシート表方向に押し出し、シート裏方向に引き込むようにした から、サポートプレートをシート表方向に押し出してサポート性を強めても、湾 曲するサポートプレートにより、シートのサポート部が着座者の体形に沿ってフ ィットするようになるので、窮屈感が減少して疲労が少なくなり、サポート性が 向上するようになる。

【００２４】 また、上記サポートプレートを板ばねとすれば、適度な剛性と弾力を持ってサ ポートプレートが湾曲する一方、上記アクチュエータを、電動モータとねじ軸と スライドナットとガイド部材とで構成すれば、サポートアームの揺動角、つまり サポート作動角を大きく設定できるようになる。また、ねじ軸によりスライドナ ットを移動位置で自動的にロックできるので、サポートの強弱を徴調整できる共 に、その調整位置で確実にロックできるので、安全性が向上するようになる。さ らにまた、電動モータを縦置きして、スライドナットの移動方向をシート幅方向 とすることにより、スペース的に有利となり、シート内にコンパクトに組込める ようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案のサイドサポート部の押し出し時の断
面図

【図２】 図１のサイドサポート部の引き込み時の断面
図

【図３】 電動モータとサポートアームの平面図

【図４】 サポートプレートの斜視図

【図５】 自動車用シートの斜視図

【図６】 従来のサイドサポート部の断面図

【符号の説明】

２…シートバック、２ａ…サイドサポート部、３…シー
トバックフレーム、７…クッションパッド、８…表皮、
１１…サポートプレート、１１ａ…一端部、１１ｂ…他
端部、１２…サポートアーム、１２ａ…一端部、１２ｂ
…他端部、１７…電動モータ、１８…ねじ軸、１９…ス
ライドナット、２０…ガイド部材、２０ａ…長孔。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 湾曲自在なサポートプレートを設け、該
   サポートプレートの一端部をシートフレームに固定する
   一方、該シートフレームに一端部が回動自在に支持され
   たサポートアームを設け、該サポートアームの他端部と
   上記サポートプレートの他端部とを回動自在に連結する
   と共に、上記サポートアームをシート表面方向とシート
   裏面方向とに揺動させるアクチュエータを設けたことを
   特徴とする自動車用シートのサポート装置。
2. 【請求項２】 上記サポートプレートが板ばねであるこ
   とを特徴とする請求項１に記載の自動車用シートのサポ
   ート装置。
3. 【請求項３】 上記アクチュエータは、縦置きした電動
   モータの出力軸からシート幅方向に側出するねじ軸と、
   該ねじ軸に螺合してシート幅方向に移動するスライドナ
   ットと、該スライドナットに取付けられ、上記サポート
   アームに植設したガイドピンにガイド長孔が嵌合して、
   上記ガイドピンを介してサポートアームを揺動させるガ
   イド部材とで構成されていることを特徴とする請求項１
   又は請求項２に記載の自動車用シートのサポート装置。