JPH0733951A - 印刷インキ用石油樹脂組成物およびその製造法 - Google Patents

印刷インキ用石油樹脂組成物およびその製造法

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JPH0733951A
JPH0733951A JP20291793A JP20291793A JPH0733951A JP H0733951 A JPH0733951 A JP H0733951A JP 20291793 A JP20291793 A JP 20291793A JP 20291793 A JP20291793 A JP 20291793A JP H0733951 A JPH0733951 A JP H0733951A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い軟化点を有し、かつ非芳香族系溶剤に対
する溶解性が優れ、しかも光沢やミスチングを改良する
ことができる印刷インキ用石油樹脂組成物およびその製
造法を提供する。 【構成】 主としてC9ビニル芳香族炭化水素からなる
石油類分解留分50〜95重量%と、ジシクロペンタジ
エン留分5〜50重量%とを、フリーデルクラフツ型触
媒を用いて重合して得られる高軟化点の共重合樹脂
(A)100重量部、ならびに主としてC5オレフィン
およびジオレフィンからなる石油類分解留分を、フリー
デルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる低軟化点
の脂肪族系石油樹脂(B)3〜30重量部からなり、か
つ前記脂肪族系石油樹脂(B)よりも高い軟化点を有す
ることを特徴とする印刷インキ用石油樹脂組成物を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷インキの製造に適
した石油樹脂組成物およびその製造法に関するものであ
る。特に本発明は、脂肪族系やナフテン系など非芳香族
系炭化水素溶剤を用いる印刷インキ用組成物およびその
製造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石油類の熱分解により得られる分解油の
うちC8〜C10留分、主としてC9ビニル芳香族炭化水素
を含む留分を重合して得られる高軟化点の芳香族系石油
樹脂は、例えば、芳香族炭化水素成分を20〜30重量
%含む炭化水素溶剤を用いる印刷インキの原料樹脂とし
て使用した場合、光沢が良好で乾燥も速いという特徴を
有するため、従来、広く利用されている。しかし、最近
は印刷インキの溶剤として、芳香族含量が極めて少ない
かまたは全く含まない非芳香族系炭化水素溶剤が用いら
れる傾向にあり、上記高軟化点の芳香族系石油樹脂は、
このような非芳香族系の溶剤に溶解し難いため、印刷イ
ンキ用樹脂としては不適当となる。この場合に、石油樹
脂として軟化点の低いものを用いれば分子量が低いた
め、非芳香族系溶剤に溶解するが、このような樹脂から
得られる印刷インキは、印刷時の乾燥速度が遅くなり、
ミスチングも生じ易くなるという欠点を有する。
【0003】一方、分解油留分のうち、主としてC5
レフィンおよびジオレフィンを含む留分の重合により得
られる脂肪族系石油樹脂は、高分子量であっても上記溶
剤に対する溶解性は良好である。しかしながら、軟化点
の低い樹脂しか得られないためインキの乾燥が遅く、ま
た樹脂中に芳香族成分を含まないため光沢が劣るなどの
欠点があり、印刷インキ用として使用することが難し
い。すなわち、非芳香族系炭化水素溶剤に対する溶解性
を高めるためには、一般に樹脂中の脂肪族などの非芳香
族系成分の含有量を高めればよいが、非芳香族系成分の
含有量を高めるとインキの光沢が低下するという好まし
くない現象を招く。また、高軟化点の樹脂を用いる方が
インキの乾燥性は向上するが、同じ高軟化点の樹脂であ
っても、芳香族系成分を高軟化点にするよりも、非芳香
族系成分を高軟化点にする方がインキの乾燥性は良好で
ある。
【0004】特開平2−29411号公報には、高軟化
点のジシクロペンタジエンの熱重合樹脂の存在下で、C
6〜C12の芳香族留分をカチオン重合させる方法が示さ
れている。この方法によれば、非芳香族系炭化水素溶剤
への溶解性を向上させ、かつ高軟化点とするためには、
熱重合により製造したジシクロペンタジエン樹脂の軟化
点を高く保つ必要がある。ジシクロペンタジエンを熱重
合すると、かなり高い軟化点を有し、かつ適量の芳香族
成分を含有する樹脂が得られる。しかしながら、インキ
用樹脂に適するほどの高軟化点とするためには、熱重合
を高温かつ長時間の極めて厳しい条件で行うことが必要
であり、このような熱重合操作は、ゲルなどの溶剤不溶
解分を生じ易くするという欠点を有する。このように、
非芳香族系溶剤に対する溶解性に優れ、しかもインキ乾
燥性および光沢にも優れた印刷インキ用石油樹脂は、現
在まだ実用化されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の欠点を克服して、高い軟化点を有し、かつ非芳香
族系溶剤に対する溶解性が優れ、しかも光沢やミスチン
グを改良することができる印刷インキ用石油樹脂組成物
およびその製造法を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
は、主としてC9ビニル芳香族炭化水素からなる石油類
分解留分50〜95重量%と、ジシクロペンタジエン留
分5〜50重量%とを、フリーデルクラフツ型触媒を用
いて重合して得られる高軟化点の共重合樹脂(A)10
0重量部、ならびに主としてC5オレフィンおよびジオ
レフィンからなる石油類分解留分を、フリーデルクラフ
ツ型触媒を用いて重合して得られる低軟化点の脂肪族系
石油樹脂(B)3〜30重量部からなり、かつ前記脂肪
族系石油樹脂(B)よりも高い軟化点を有することを特
徴とする印刷インキ用石油樹脂組成物に関する。本発明
の第2は、主としてC5オレフィンおよびジオレフィン
からなる石油類分解留分を、フリーデルクラフツ型触媒
を用いて重合して得られる低軟化点の脂肪族系石油樹脂
(B)を、主としてC9ビニル芳香族炭化水素からなる
石油類分解留分50〜95重量%とジシクロペンタジエ
ン留分5〜50重量%とからなる混合原料(C)に溶解
して、フリーデルクラフツ型触媒の存在下で重合し、前
記脂肪族系石油樹脂(B)よりも高い軟化点の樹脂を得
ることを特徴とする、印刷インキ用石油樹脂組成物の製
造法に関する。さらに本発明の第3は、主としてC9
ニル芳香族炭化水素からなる石油類分解留分50〜95
重量%と、ジシクロペンタジエン留分5〜50重量%と
を、フリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られ
る高軟化点の共重合樹脂(A)100重量部、ならびに
主としてC5オレフィンおよびジオレフィンからなる石
油類分解留分を、フリーデルクラフツ型触媒を用いて重
合して得られる低軟化点の脂肪族系石油樹脂(B)3〜
30重量部からなり、かつ前記脂肪族系石油樹脂(B)
よりも高い軟化点を有する印刷インキ用石油樹脂組成物
を、非芳香族炭化水素溶剤に1〜70重量%溶解してな
る炭化水素溶液に関する。また本発明の第4は、主とし
てC9ビニル芳香族炭化水素からなる石油類分解留分5
0〜95重量%と、ジシクロペンタジエン留分5〜50
重量%とを、フリーデルクラフツ型触媒を用いて重合し
て得られる高軟化点の共重合樹脂(A)100重量部、
ならびに主としてC5オレフィンおよびジオレフィンか
らなる石油類分解留分を、フリーデルクラフツ型触媒を
用いて重合して得られる低軟化点の脂肪族系石油樹脂
(B)3〜30重量部からなり、かつ前記脂肪族系石油
樹脂(B)よりも高い軟化点を有する石油樹脂組成物
を、含むことを特徴とする印刷インキ用組成物に関す
る。
【0007】以下、本発明をさらに詳細に説明する。主
としてC9ビニル芳香族炭化水素からなる分解留分と
は、原油、ナフサ、ブタンなどの石油類を熱分解して得
られるC9系の不飽和芳香族炭化水素を主とする分解留
分であって、αもしくはβ−メチルスチレン、ビニルト
ルエン類、インデン、メチルインデン類などのC9系ビ
ニル芳香族炭化水素を主成分とし、このほかにスチレ
ン、トリメチルベンゼン類、メチルエチルベンゼン類、
インダン、メチルインダン、テトラメチルベンゼン類、
ナフタレン、ジシクロペンタジエンなどを含む。
【0008】また、ジシクロペンタジエン留分として
は、C5系の分解油留分を加熱して得られるジシクロペ
ンタジエンを主成分とし、これ以外にシクロペンタジエ
ンと他のジオレフィン、モノオレフィンとの共二量体、
メチルジシクロペンタジエンなどの少量を含む粗ジシク
ロペンタジエン留分、および純度95重量%以上の高純
度ジシクロペンタジエンのいずれも使用することができ
る。
【0009】主としてC9ビニル芳香族炭化水素からな
る石油類分解留分50〜95重量%と、ジシクロペンタ
ジエン留分5〜50重%とを、フリーデルクラフツ触媒
の存在下に共重合することにより共重合樹脂(A)を得
る。ジシクロペンタジエン留分の含有量が5重量%より
少ないと、得られる石油樹脂組成物の溶解性が低くな
り、反対に50重量%より多いと、高軟化点の石油樹脂
組成物が得られないために、いずれも本発明の目的を達
成し得ない。
【0010】重合操作は回分式、連続式のいずれでもよ
い。重合触媒としては、公知のフリーデルクラフツ型触
媒、例えば、三塩化アルミニウム、三弗化ホウ素または
それらの錯化合物などが用いられる。上記原料に触媒を
0.05〜5重量%添加して、−20〜80℃の温度で
0.2〜5時間の範囲内で重合した後、カセイソーダ水
溶液などのアルカリで触媒を失活させ、必要に応じて水
洗し、蒸留により未反応物および低重合物を分離して高
軟化点の共重合樹脂(A)を得る。
【0011】本発明の石油樹脂組成物に用いる脂肪族系
石油樹脂(B)の原料は、前述の石油類の熱分解の際に
得られるイソプレン、シスおよびトランスペンタジエ
ン、シクロペンタジエンなどのC5系ジオレフィンなら
びに1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、シスおよ
びトランス−2−ペンテン、シクロペンテンなどのC5
系オレフィンを主成分とし、そのほかにn−ペンタン、
イソペンタン、シクロペンタンなどの飽和炭化水素を含
む留分である。上記留分はそのまま使用することもでき
るが、100〜160℃の温度で0.5〜2時間加熱し
て、主としてシクロペンタジエンをジシクロペンタジエ
ンに二量化したもの、またはこれらからイソプレンを抽
出した後のピペリレン留分などを用いることもできる。
【0012】これらの留分を、公知のフリーデルクラフ
ツ型触媒、好ましくは三塩化アルミニウムまたはその錯
化合物を用いて、通常の方法で重合する。重合操作は回
分式、連続式のいずれでもよい。触媒量は原料に対し
0.2〜5重量%とし、0〜60℃の温度で0.2〜3時
間の範囲内で重合を行う。重合を終了した後、アルコー
ル性アンモニア、カセイソーダ水溶液などのアルカリに
より触媒を失活させ、水洗した後、蒸留を行って脂肪族
系石油樹脂(B)を得る。
【0013】得られた脂肪族系石油樹脂(B)の軟化点
(環球法:ASTM E28により測定、以下同様)は
75〜110℃、重量平均分子量(GPC法、ポリスチ
レン重量平均分子量換算、以下同様)は1,500〜5,
000の範囲内であることが好ましい。
【0014】上記共重合樹脂(A)100重量部に対し
て、脂肪族系石油樹脂(B)を3〜30重量部配合する
ことが好ましい。脂肪族系石油樹脂(B)の量が3重量
部より少ないと、得られる石油樹脂組成物の溶剤に対す
る溶解性が低くなり、30重量部より多いと、高軟化点
の石油樹脂組成物が得られないばかりでなく、石油樹脂
組成物中の芳香族成分の量が少なくなるため印刷インキ
の光沢なども劣る。
【0015】本発明の石油樹脂組成物は、前記脂肪族系
石油樹脂(B)の軟化点よりも高い軟化点を有すること
が肝要である。このためには、共重合樹脂(A)の軟化
点を脂肪族系石油樹脂(B)の軟化点よりも高くした
り、あるいは前者の配合割合をより多くしたりするなど
適宜に調整する必要がある。通常、本発明の石油樹脂組
成物の軟化点は、脂肪族系石油樹脂(B)の軟化点より
も5℃以上、好ましくは10℃以上高くする。軟化点の
差の最大値は特に限定されないが、通常は70℃であ
る。得られる本発明の石油樹脂組成物の軟化点は120
℃以上が適当であり、好ましくは120〜170℃であ
る。また、重量平均分子量は1,300〜4,000の範
囲内であることが好ましい。
【0016】本発明の石油樹脂組成物は、前記共重合樹
脂(A)および脂肪族系石油樹脂(B)を別々に製造
し、これらを適宜の公知の混合方法、例えば溶融混合、
溶液混合などの方法により混合して製造することができ
る。しかしながら、成分および軟化点などが相違する2
種の樹脂を均一に混合することは必ずしも容易でない。
従って、本発明における好ましい石油樹脂組成物の製造
方法としては、予め前記脂肪族系石油樹脂(B)を製造
し、ついで、これを主としてC9ビニル芳香族炭化水素
からなる石油類分解留分50〜95重量部と、ジシクロ
ペンタジエン留分5〜50重量部とからなる混合原料
(C)に溶解した後、フリーデルクラフツ触媒の存在下
に重合する方法が用いられる。この方法により、均一な
石油樹脂組成物が得られる。以下に、この製造方法につ
いてさらに説明する。
【0017】前記主としてC9ビニル芳香族炭化水素か
らなる分解留分と、前記ジシクロペンタジエン留分とを
混合してなる混合原料(C)中のジシクロペンタジエン
留分の量は5〜50重量%であり、残余が主としてC9
ビニル芳香族炭化水素からなる分解留分である。ジシク
ロペンタジエン留分の含有量が5重量%より少ないと、
得られる石油樹脂組成物の溶解性が低くなり、50重量
%より多いと、得られる石油樹脂組成物の軟化点が低く
なるため、いずれも好ましくない。
【0018】上記混合原料(C)から得られる石油樹脂
組成物の収率を考慮すると、上記混合原料(C)の10
0重量部に対して溶解する前記脂肪族系石油樹脂(B)
の量は、1〜25重量部が好ましい。溶解する脂肪族系
石油樹脂(B)の量が1重量部より少ないと、得られる
石油樹脂組成物の溶剤に対する溶解性が低くなり、25
重量部より多いと高軟化点の石油樹脂組成物が得られな
いばかりでなく、石油樹脂組成物中の芳香族成分の量が
少なくなるため印刷インキの光沢なども劣る。
【0019】上記脂肪族系石油樹脂(B)を混合原料
(C)に溶解したものを反応原料として、従来公知の方
法によりカチオン重合を行なう。重合操作は回分式、連
続式のいずれでもよい。重合触媒は公知のフリーデルク
ラフツ型触媒、例えば三塩化アルミニウム、三弗化ホウ
素またはそれらの錯化合物などが用いられる。上記原料
に触媒を0.05〜5重量%添加して、−20〜80℃
の温度で0.2〜5時間の範囲内で重合した後、カセイ
ソーダ水溶液などのアルカリで触媒を失活させ、必要に
応じて水洗し、蒸留により未反応物および低重合物を分
離して本発明の石油樹脂組成物を得る。
【0020】本発明の石油樹脂組成物を用いることによ
り、公知の配合処方によりインキを製造することができ
る。非芳香族炭化水素溶剤、例えば、芳香族炭化水素含
量が50重量%未満、好ましくは5重量%以下の非芳香
族炭化水素溶剤であるナフテン系溶剤、脂肪族系溶剤な
どに、本発明の石油樹脂組成物を適宜の割合、例えば、
1〜70重量%溶解して炭化水素溶液を得る。
【0021】この際、印刷インキ用の添加剤として公知
のロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、乾性
油、半乾性油、不乾性油などを、必要に応じて同時に混
合することができる。あるいは別途ワニス化した後に混
合することもできる。この溶液またはワニスに、黄、
紅、藍、墨色などの適宜のインキ用顔料を、適宜の量公
知の方法により分散して混合し、さらに耐摩擦向上剤、
乾燥抑制剤、インキドライヤー等からなるコンパウン
ド、例えばワックスコンパウンド、および各種添加剤を
加え、適切な粘度に調整することにより、輪転オフセッ
トインキ、枚葉オフセットインキ等のオフセット印刷イ
ンキを製造することができる。なお、オフセット印刷イ
ンキのほか、新聞用インキ、凸版用インキなどの各種印
刷インキ組成物を製造することができる。
【0022】
【実施例】
<実施例1> (1)脂肪族系石油樹脂(B)の製造 ナフサの熱分解により副生するC5分解油留分を120
℃で1時間加熱した後、ジシクロペンタジエン等の熱重
合による二量体を蒸留除去した留分の組成は次の通りで
あった: C4成分 3.4重量% ペンタン類 42.0 〃 ペンテン類 19.5 〃 イソプレン 17.6 〃 ピペリレン 11.5 〃 シクロペンタジエン 2.0 〃 C6成分その他 4.0 〃 上記原料に1.2重量%の三塩化アルミニウム触媒を加
え、55℃で1時間重合を行った。得られた重合物から
常法により触媒を除去した後、蒸留により未反応油およ
び低重合物を除去して脂肪族系石油樹脂(B)を得た。
このものの収率は32.1重量%(対原料)、軟化点は
103℃、重量平均分子量は2,700であった。 (2)石油樹脂組成物の製造 ナフサの熱分解により副生する主としてC9分解油留分
の組成は次の通りであった: スチレン 4.2重量% α−メチルスチレン 2.0 〃 β−メチルスチレン 5.8 〃 ビニルトルエン 20.7 〃 インデン 21.8 〃 C10オレフィン 3.2 〃 ジシクロペンタジエン 3.5 〃 C9飽和芳香族類 37.3 〃 C10飽和芳香族類 1.5 〃 この留分に、純度97重量%のジシクロペンタジエンを
表1に示す割合で加えて得られる混合原料(C−1)1
00重量部に、上記脂肪族系石油樹脂(B)を10重量
部溶解したものを原料とし、これに三弗化ホウ素フェノ
ール錯化合物触媒を1.2重量%添加し、45℃で2時
間カチオン重合を行った。重合を終了した後、常法によ
り触媒を失活除去し、蒸留により未反応油および低重合
物を除去して石油樹脂組成物(1)、(2)および
(3)を得た。石油樹脂組成物の溶解性を示す尺度とし
て、次の試験による測定値を採用した。すなわち、石油
樹脂組成物30重量%およびナフテン系のインキ用炭化
水素溶剤(芳香族炭化水素含有量1重量%以下;商品
名:ナフテゾールH、日本石油化学(株)製)70重量%
からなる溶液10gを25℃に保ち、これに25℃のn
−ヘキサンを滴下し、溶液が濁りを生じる直前のn−ヘ
キサンの滴下量(ml)を溶解性の尺度とした。上記n
−ヘキサンの滴下量が大きいほど、脂肪族系溶剤に対す
る溶解性が良好であることを示す。同滴下量が5ml以
上の場合に印刷インキ用樹脂として好適であった。原料
の配合割合および試験結果を表1に示す。
【0023】<比較例1>ジシクロペンタジエンを用い
なかったこと以外は、実施例1と同様にして石油樹脂組
成物(4)を合成した。配合割合および結果を表1に示
す。表1に示したように、この樹脂のn−ヘキサン滴下
量は5ml以下であり、印刷インキ用樹脂として不適当
であった。
【0024】
【表1】
【0025】<実施例2>ナフサの熱分解により副生す
るC9分解油留分として、以下の組成のものを用いた: スチレン 0.6重量% α−メチルスチレン 0.2 〃 β−メチルスチレン 7.6 〃 ビニルトルエン 5.7 〃 インデン 34.0 〃 C10オレフィン 9.3 〃 ジシクロペンタジエン 2.7 〃 C9飽和芳香族類 36.3 〃 C10飽和芳香族類 1.6 〃 ナフタレン 2.0 〃 上記C9分解油留分90重量部に、純度97重量%のジ
シクロペンタジエン10重量部を加えたものを混合原料
(C−2)とした。実施例1で得た脂肪族系石油樹脂
(B)を、上記混合原料(C−2)に表2に示す配合割
合で溶解して反応原料を調製し、実施例1と同様の条件
により石油樹脂組成物(5)、(6)および(7)を合
成した。原料の配合割合および試験結果を表2に示す。
表2に示したように、いずれも軟化点は120℃以上で
あり、n−ヘキサン滴下量は5ml以上で溶解性は良好
であり、印刷インキ用樹脂として好適であった。
【0026】<比較例2>脂肪族系石油樹脂(B)を用
いなかったこと以外は、実施例2と同様にして石油樹脂
組成物(8)を合成した。配合割合および結果を表2に
示す。このものはナフテン系炭化水素溶剤に溶解したと
き既に白濁しており、極めて溶解性の低い樹脂であるた
め、脂肪族系溶剤を用いる印刷インキ用樹脂としては不
適当であった。
【0027】
【表2】
【0028】<実施例3> (樹脂溶液の製造)実施例1、2および比較例1で用意
した石油樹脂組成物(1)、(3)、(4)、(5)お
よび(7)ならびに脂肪族系石油樹脂(B)各60重量
部を、それぞれナフテゾールH40重量部と共に、セパ
ラブルフラスコ内において180℃で 30分間撹拌し
て溶解し、樹脂溶液を得た。 (インキの調製例)上記で得られた樹脂溶液を用いて、
次の配合処方に従い、各種添加剤を加え、表3に示す印
刷インキ(A〜F)を調製した。 配合処方: フタロシアニンブルー(藍色顔料) 18重量部 上記各樹脂溶液 30 〃 ロジン変性フェノール樹脂 43 〃 ワックスコンパウンド 6 〃 ナフテゾールH 2〜4 〃 (インキ性能試験)上記で得られたA〜Fの印刷インキ
について、以下に示すインキ試験法により、インキ乾燥
温度、インキの光沢およびミスチングの測定を行った:
インキ乾燥温度:調製したインキ0.1ccを、RIテ
スター((株)明製作所製)の二分割ロールを用いてコー
ト紙に展色した後、所定温度に設定したコンベア式熱風
乾燥機(旭科学器械(株)製)のオーブンを通すことによ
り乾燥し、展色したインキにアフタータックがなくなっ
た時点におけるオーブン温度をそのインキの乾燥温度と
した。乾燥温度が低いほど、インキ乾燥性は良好であ
る。光 沢:展色したインキを光沢計GM26D(村上
色彩(株)製)により測定した(照射角60゜)。数値
(%)の高いほど光沢が優れている。ミスチング:調製
したインキ1.32ccをインコメーターのローラーに
塗布し、1,200rpmで1分間回転させて、ローラ
ー直下に置いた白色紙上へのインキの飛散度を目視によ
り判定した。インキ試験結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】本発明の方法により得られる石油樹脂組
成物は、重量平均分子量が高く、芳香族成分を樹脂中に
共重合体の形で含むにもかかわらず、非芳香族系炭化水
素溶剤、例えばナフテン系溶剤や脂肪族系炭化水素溶剤
への溶解性に優れているので、印刷インキの製造に適し
ている。さらに、本発明の石油樹脂組成物を用いて製造
された印刷インキは、インキの光沢および乾燥性などに
も優れたものである。また、従来使用されているロジン
変性フェノール樹脂、乾性油、アルキド樹脂等と本発明
の石油樹脂組成物とを併用して印刷インキを製造するこ
とも可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてC9ビニル芳香族炭化水素から
    なる石油類分解留分50〜95重量%と、ジシクロペン
    タジエン留分5〜50重量%とを、フリーデルクラフツ
    型触媒を用いて重合して得られる高軟化点の共重合樹脂
    (A)100重量部、ならびに主としてC5オレフィン
    およびジオレフィンからなる石油類分解留分を、フリー
    デルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる低軟化点
    の脂肪族系石油樹脂(B)3〜30重量部からなり、か
    つ前記脂肪族系石油樹脂(B)よりも高い軟化点を有す
    ることを特徴とする印刷インキ用石油樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 主としてC5オレフィンおよびジオレフ
    ィンからなる石油類分解留分を、フリーデルクラフツ型
    触媒を用いて重合して得られる低軟化点の脂肪族系石油
    樹脂(B)を、主としてC9ビニル芳香族炭化水素から
    なる石油類分解留分50〜95重量%とジシクロペンタ
    ジエン留分5〜50重量%とからなる混合原料(C)に
    溶解して、フリーデルクラフツ型触媒の存在下で重合
    し、前記脂肪族系石油樹脂(B)よりも高い軟化点の樹
    脂を得ることを特徴とする、印刷インキ用石油樹脂組成
    物の製造法。
  3. 【請求項3】 前記混合原料(C)100重量部に対す
    る前記脂肪族系石油樹脂(B)の混合量が1〜25重量
    部であることを特徴とする請求項2に記載の印刷インキ
    用石油樹脂組成物の製造法。
  4. 【請求項4】 前記脂肪族系石油樹脂(B)の軟化点が
    120℃未満であり、得られた石油樹脂組成物の軟化点
    が120℃以上であることを特徴とする請求項2に記載
    の印刷インキ用石油樹脂組成物の製造法。
  5. 【請求項5】 主としてC9ビニル芳香族炭化水素から
    なる石油類分解留分50〜95重量%と、ジシクロペン
    タジエン留分5〜50重量%とを、フリーデルクラフツ
    型触媒を用いて重合して得られる高軟化点の共重合樹脂
    (A)100重量部、ならびに主としてC5オレフィン
    およびジオレフィンからなる石油類分解留分を、フリー
    デルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる低軟化点
    の脂肪族系石油樹脂(B)3〜30重量部からなり、か
    つ前記脂肪族系石油樹脂(B)よりも高い軟化点を有す
    る印刷インキ用石油樹脂組成物を、非芳香族炭化水素溶
    剤に1〜70重量%溶解してなる炭化水素溶液。
  6. 【請求項6】 主としてC9ビニル芳香族炭化水素から
    なる石油類分解留分50〜95重量%と、ジシクロペン
    タジエン留分5〜50重量%とを、フリーデルクラフツ
    型触媒を用いて重合して得られる高軟化点の共重合樹脂
    (A)100重量部、ならびに主としてC5オレフィン
    およびジオレフィンからなる石油類分解留分を、フリー
    デルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる低軟化点
    の脂肪族系石油樹脂(B)3〜30重量部からなり、か
    つ前記脂肪族系石油樹脂(B)よりも高い軟化点を有す
    る石油樹脂組成物を、含むことを特徴とする印刷インキ
    用組成物。
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