JPH0733704U - 自動車用ホイールカバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 汎用性があり、簡単かつ確実に装着すること
が可能な自動車用ホイールカバーを提供する。 【構成】 ホイールのほゞ全面を覆うホイールカバー本
体と、このホイールカバー本体をホイールに固定するブ
ラケットとから成るホイールカバーであって、上記ブラ
ケット２は弾性材料から成る帯板を略コ字形で、かつ両
端を側方に屈曲成形した少なくとも２個の枠片３，３を
交差して重合したブラケット本体４と、ブラケット本体
の交差部周辺の上面に突設した少なくとも２本の取付ボ
ルト５，５とから成り、上記ブラケット本体の枠片両端
屈曲部に略Ｕ字形の係合部６を設けて成る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用ホイールの中でも特に大型・中型トラック・バス用ホイー ルのホイールカバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、大型または中型トラック・バス用ホイールＷのホイールカバー１３は、 図８に示すように、車軸の先端のベアリングを収納するハブのハブカバー１０と ホイールカバー用ブラケット１１とをハブカバーの固定ボルト１２で以て共締め で固定し、上記ブラケットをボルト締めにて取付けていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術は、つぎのような課題があった。 大型または中型トラック・バスは、メーカーや車種毎にハブの寸法やハブカバ ーの固定ボルトの数が異なっている。このため、１つのホイールカバーを複数の メーカーのトラック・バスに取り付けることは、寸法上の制約があって不可能で あった。したがって、トラック・バスメーカーは、自社のトラック・バス専用に ホイールカバーを設計しなければならず、また、ユーザーもホイールカバーを選 択使用することができなかった。また、ハブカバーの着脱に手数を要していた。

【０００４】 本考案は、従来技術の上記課題を解決するためになしたものであり、汎用性が あり、装着が簡単、確実にできる自動車用ホイールカバーを提供することを目的 とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を解決するためにつぎの手段を用いた。 本考案の自動車用ホイールカバーは、ホイールカバー本体が金属製、樹脂製い ずれのものでも使用できるが、ホイールのほゞ全面を覆うタイプのものが適して いる。ホイールカバーは、ホイールカバー本体と、ホイールカバー本体をホイー ルに固定するためのブラケットとから成る。上記ブラケットは、少なくとも２個 の弾性を有する金属製または樹脂製の帯板をそれぞれ略コ字形でかつ両端を内側 方に屈曲成形した枠片を、交差するように組み合わせて固定したブラケット本体 と、ブラケット本体の交差部周辺の枠片上面に突設した少なくとも２本の取付ボ ルトとから成り、上記ブラケット本体の両端屈曲部に、ホイール固着用ホイール ナットの六角部に隣接する円筒部を挾み込み可能になした略Ｕ字形の係合部を設 けて成る。 また、上記ブラケットの係合部にホイールとの接触面には緩衝材を配接すると 、より確実に固定することができる。 ところで、上記ブラケット本体の枠片の両端は、内側方に屈曲したが、時に外 側方に屈曲して、この屈曲部に略Ｕ字形の係合部を形成することもある。

【０００６】

【作用】

上記のように構成された自動車用ホイールカバーを用いると、ブラケットをホ イールナットのＰ．Ｃ．Ｄ．（ピッチド・サークル・ダイアメータ）よりも拡げ て、向かい合うホイールナットの六角部に隣接する円筒部に、ブラケットの係合 部を外側から差し込むと、ブラケットでホイールナットを挾み込んで固定される 。ブラケット本体の各枠片は、弾性を有する帯状金属板（例えばバネ鋼など）ま たは帯状樹脂板で製作されているために、ブラケットをホイールナットに固定す るために、ブラケットを拡げても、ブラケット自体の反力により強固に固定され る。また、ホイールカバー本体は、ブラケットに突設した取付ボルトと取付ナッ トとで以てホイールに固定される。 上記ホイールカバー本体は、その外周部がホイールのフランジ部に接触してい るために、ホイールが回転しても、ブラケットがホイールに対して回転すること はなく、走行中にホイールカバーが脱落することはない。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【０００８】 図１は、本考案に係るホイールカバー１をトラックの前輪に装着した例を示す 。また図２は、本考案を構成する一つの部品であるブラケット２をトラックの前 輪に装着した例を示す。本考案においては、ブラケット２を介してホイールカバ ー１をホイールＷに取り付ける。

【０００９】 トラック・バス用タイヤホイールは、前輪が単輪で、後輪が複輪であることが 多いために、前輪と後輪の外側のホイールＷの取り付けが逆になっている。また 、後輪には図８（従来例の説明図）に示すように、ハブカバー１０が突出してい るため、ブラケット２は、それよりも奥行きの深いものが必要となっている。そ こで、本実施例でも図３（ａ）（ｂ）に示すように、前輪用には背の低いブラケ ット２、後輪用には背の高いブラケット２を製作した。

【００１０】 ブラケット２は、帯板のバネ鋼板を略コ字形で、両端を内側方に屈曲成形した 枠片３，３を、その中央水平部３ａ，３ａを交差するように、組み合わせて交差 部分の中心付近にタップを立てて、ネジまたはボルト（図示しない）で固定した ブラケット本体４と、ブラケット本体４の枠片３，３の交差部分の周辺に突設し た４本の取付ボルト５とから成る。 なお、上記枠片３，３同士は、スポット溶接、リベット等で固定することもで きる。また、上記一方の枠片の取付ボルトは省略することもある。

【００１１】 上記ブラケット本体４の枠片３，３の両端屈曲部には、図４に示すように、略 Ｕ字形の係合部６を設け、この係合部６は、図５に示すホイールナット７の六角 部7aに隣接する円筒部７ｂを挾み込めるように、円筒部７ｂより若干小さい略Ｕ 字形に形成する。図６には、ブラケット２をホイールＷに取り付けた状態のブラ ケット本体４の係合部６とホイールナット７との位置関係を示す。図７には、さ らに好ましい実施例を示す。 図７は、ブラケット本体４の係合部６とホイールＷとの接触面に緩衝材８を配 置した。このとき、ブラケット２は、ホイールナット７の六角部７ａに隣接する 円筒部７ｂを挾み込んでいるが、緩衝材８を配置することにより、ブラケット２ がホイールＷに取り付けられた際に、ブラケット２のホイールＷに対する固定状 態が増し、ホイールカバー１を取り付けた際も固定状態が増し、走行中にホイー ルカバー１が脱落する恐れがない。

【００１２】 次に、本考案に係る自動車用ホイールカバーの取付構造について説明する。 図２及び図６に示すように、ブラケット２を構成しているブラケット本体４を 自動車の車軸にホイールＷを固定している複数のホイールナット７のＰ．Ｃ．Ｄ ．よりも拡げ、ブラケット本体４の両端に設けた係合部６を対向するホイールナ ット７の六角部７ａに隣接する円筒部７ｂに外側から差し込む。すると、ブラケ ット本体４の両端に設けた係合部６でホイールナット７を挾み込み、ブラケット ２がホイールＷに固定される。 ブラケット本体４は、弾性を有する帯状金属（例えばバネ鋼など）または帯状 樹脂板で製作されており、ブラケット本体４をホイールナット７に固定するため に、ブラケット２を拡げても、ブラケット自体の反力により強固に固定される。 次に、ホイールカバー本体１はブラケット２に固着した取付ボルト５と取付ナッ ト９で以て固定される。

【００１３】 ところで、上記実施例によってブラケット本体４は２個の枠片で構成したが、 時に３個以上の枠片を用い、その任意の枠片の中央水平部に取付ボルト５を突設 することもある。

【００１４】

【考案の効果】

本考案による自動車用ホイールカバーは、上記した構成であるため、ブラケッ トを極めて簡単な操作で装着することができるばかりでなく、日本国内ではホイ ールナットのＰ．Ｃ．Ｄ．が統一されているため、国産のほとんどのトラック・ バスに装着でき、極めて高い汎用性を有する。また、従来の製品のように、ハブ カバーの固定ボルトを使用しないので、ホイールカバー装着時に固定ボルトが脱 落するといった事故も発生しない等の優れた実用的効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の自動車用ホイールカバーをホイールに
装着した状態を示す斜視図

【図２】本考案の構成部品であるブラケットをホイール
に取り付けた状態を示す斜視図

【図３】本考案の構成部品であるブラケットを示し、
（ａ）は前輪用、（ｂ）は後輪用の斜視図

【図４】本考案の構成部品であるブラケット本体の要部
斜視図

【図５】ホイールナットを示す斜視図

【図６】図２の要部拡大断面図

【図７】本考案の他の実施例を示す要部斜視図

【図８】従来例を示す断面図

【符号の説明】

１ ホイールカバー本体 ２ ブラケット ３ 枠片 ３ａ 中央水平部 ４ ブラケット本体 ５ 取付ボルト ６ 係合部 ７ ホイールナット ７ａ ホイールナット六角部 ７ｂ ホイールナット円筒部 ８ 緩衝材 ９ 取付ナット Ｗ ホイール

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホイールのほゞ全面を覆うホイールカバ
   ー本体とホイールカバー本体をホイールに固定するブラ
   ケットとから成るホイールカバーであって、上記ブラケ
   ットは、弾性材料から成る帯板を略コ字形で、かつ両端
   を側方に屈曲成形した少なくとも２個の枠片を、各枠片
   の中央水平部が交差するように組み合わせて固定したブ
   ラケット本体と、ブラケット本体の交差部周辺の枠片上
   面に突設した少なくとも２本の取付ボルトとから成り、
   上記ブラケット本体の枠片両端屈曲部に、ホイール固着
   用ホイールナットの六角部に隣接する円筒部を挾み込み
   可能になした略Ｕ字形の係合部を設けたことを特徴とす
   る自動車用ホイールカバー。
2. 【請求項２】 ブラケットの係合部とホイールとの接触
   面に緩衝材を配接した請求項１記載の自動車用ホイール
   カバー。