JPH07336001A - プリント配線用基板の製造法 - Google Patents

プリント配線用基板の製造法

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JPH07336001A
JPH07336001A JP12752294A JP12752294A JPH07336001A JP H07336001 A JPH07336001 A JP H07336001A JP 12752294 A JP12752294 A JP 12752294A JP 12752294 A JP12752294 A JP 12752294A JP H07336001 A JPH07336001 A JP H07336001A
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JP
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printed wiring
resin
inorganic continuous
impregnated
wiring board
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JP12752294A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Oya
和行 大矢
Norio Sayama
憲郎 佐山
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 板厚精度に優れ、耐衝撃性を改良した樹脂含
浸−セラミックス系のプリント配線用基板の製造法であ
る。 【構成】 ブロックである無機連続気孔体(I) に、減圧
下、熱硬化性樹脂(II)を含浸し含浸無機連続気孔体と
し、これを含浸槽からを取り出し、表面に付着した該熱
硬化性樹脂(II)をゲル化するまでに実質的に除去して加
熱硬化させて複合硬化体(III) とし、該複合硬化体(II
I) を切断して厚み公差が±5μm以下、厚み 0.2〜2.0
mm の板体とすることを特徴とするプリント配線用基板
の製造法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板厚精度が極めて優
れ、低熱膨張率、高い熱放散性、耐熱性の新規なプリン
ト配線用基板の製造法であり、高周波用や半導体チップ
の直接搭載用などとして好適に使用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】高周波用のプリント配線板においては、
特に、誘電率、誘電正接などの電気特性の温度依存性が
小さこと、その他機械的、熱的物性などの基礎的物性の
安定性が要求され、半導体チップの直接搭載用では、低
熱膨張率、高い熱放散性が要求さる。また、該プリント
配線板上で処理する高周波の波長と該基板の厚みなどの
サイズが略同一範囲であることから、基板も従来の回路
に於ける部品の一部と同様に機能する。ゆえに、信頼性
の高い該プリント配線板を多量に生産するためには、極
めて高い板厚精度が要求される。
【0003】低誘電率の樹脂を用いた低誘電正接の材料
の開発、セラミックスを用いた基板の開発など種々試み
られ、一部実用化されている。従来の積層成形法による
繊維強化熱硬化性樹脂積層板の製造法では、板厚精度が
精々±5%以内であり、工夫しても±2%以内が限度と
いう問題があった。また、セラミックスを使用する場
合、低熱膨張率、高い熱放散性を確保することは可能で
あるが、機械加工性等に劣っている。従って、スルーホ
ール導通などを形成する場合、所定位置に孔を形成した
グリーンシートを焼成して製造することが必須であり、
焼成条件の微妙な差に基づく物性のバラツキ、板厚み精
度のバラツキや歪みが生じ易い。このため、電気特性な
どのバランスの点から製造した一つ一つの基板に応じて
プリント配線網などを修正し、部品を搭載してプリント
配線回路とする方法により製造されている。
【0004】また、セラミックスとして機械加工性を持
たせた無機連続気孔体が開発されている。これらは実質
的に連続気孔体であることから、環境により物性変化が
大きいという問題があり、非酸化物系のセラミックス類
はこの傾向が著しいものであった。例えば、AlN の場
合、水の存在下に80℃以上に加熱されるとアンモニアを
発生してβ−アルミナや水酸化アルミニウムなどとな
る。しかし、もともと機械加工性が無いものへの付与で
あって、加工方法、加工に限界があり、例えば、薄板と
することはその物性から実質的に不可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低熱膨張
率、高い熱放散性、機械加工性などの無機連続気孔体の
優れた性質を損なうことなく、高い板厚精度を有し、物
性の安定した新規なプリント配線用基板をより効率的に
提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ブ
ロックである無機連続気孔体(I) に、減圧下、熱硬化性
樹脂(II)を含浸し含浸無機連続気孔体とし、これを含浸
槽からを取り出し、表面に付着した該熱硬化性樹脂(II)
をゲル化するまでに実質的に除去して加熱硬化させて複
合硬化体(III) とし、該複合硬化体(III) を切断して厚
み公差が±5μm以下、厚み 0.2〜2.0mm の板体とする
ことを特徴とするプリント配線用基板の製造法である。
【0007】また、本発明の好ましい実施態様において
は、該無機連続気孔体(I) が、見掛け気孔率 12〜36
%、平均気孔径 0.5〜6 μmの範囲であり、窒化アルミ
−窒化硼素複合体(AlN-BN)又はβ−ウォラストナイト
(β−CaSiO3) であること、該無機連続気孔体(I) が、
予め温度 70〜250 ℃で 0.5〜72時間の範囲で加熱・減
圧処理したものであること、および該切断を、マルチブ
レードソー、ダイアモンド付着マルチブレードソー、マ
ルチワイヤソー、ダイアモンド付着マルチワイヤソーお
よび内周刃式ダイヤモンドソーからなる群から選択した
切断機にて行うことからなるプリント配線用基板の製造
法である。
【0008】以下、本発明の構成を説明する。本発明の
無機連続気孔体(I) は、通常、無機粉末に、適宜、焼結
助剤や、有機溶媒や水などの混合用補助剤を配合して均
一混合物とし、該混合物を所望の厚板、角柱、円柱、そ
の他のブロック状などの形状に、必要に応じて混合用補
助剤などを除去できるようにして高圧乃至超高圧を付加
して、成形し、混合補助剤を乾燥、加熱などにより除去
した後、焼成により焼結させることにより製造されるも
のである。
【0009】本発明では、焼成条件の安定化などによる
製造した無機連続気孔体(I) のブロック間に物性バラツ
キの小さいものを製造する面、含浸性を保つ面、さらに
プリント配線用基板としての使用の面などから、長方形
や正方形などの厚板状のブロックで、好ましくは、厚さ
3〜10cm、縦 5〜30cm、横 5〜40cmの範囲が好適であ
る。
【0010】ここに、無機粉末としては、耐熱性、電気
特性などで電気用用途に使用可能なものであれば、使用
可能であるが、本発明では、機械加工性を付与できるも
の、又は、組合せを選択する。具体的には、窒化アルミ
−窒化硼素(AlN-h-BN)、アルミナ−窒化硼素(Al2O3-h-B
N)、酸化ジルコン−窒化硼素(ZrO2-h-BN) 、炭化珪素−
窒化硼素(SiC-h-BN)および窒化珪素−窒化硼素(Si3N4-h
-BN)などの h-BN 成分が10〜50%、好ましくは12〜25%
であるもの、六方晶窒化硼素(h-BN)、β−ウォラストナ
イト (β−CaSiO3) 、コーディエライトおよび雲母など
の無機連続気孔体(I) が挙げられる。これらは、一般
に、焼結性を改良したり、所望の機械加工性を付与する
ために焼結助剤を使用して焼成して製造する。例えば、
AlN-h-BNの場合、h-BNも焼結助剤並びに気孔付与剤とし
て機能するものであるが、イットリアで代表される希土
類酸化物、カルシアに代表されるアルカリ土類酸化物な
どが例示される。また、β−CaSiO3では、MgO を 1〜18
%程度焼結助剤として使用してより耐熱性などの改良さ
れた焼結体を製造する方法が実用化されている。
【0011】AlN-h-BN、Al2O3-h-BN、ZrO2-h-BN 及びSi
3N4-h-BNなどは、一般に h-BN 成分が気孔付与剤として
機能し、気孔径は用いる粉末 (特にh-BN) の粒子径に依
存し、小さいほど小さくなり、機械的強度、加工精度な
ども良好となる。また、気孔率は用いる焼結助剤の種類
とその使用量により異なるが、同一焼結助剤を使用する
場合には h-BN 成分の使用量に依存し、多くなるほど気
孔率が高くなり、機械的強度などは低下する。また、h-
BN、β−ウォラストナイトおよび雲母などは主にその粒
子径により気孔の大きさが決定され、同様に用いる粉末
の粒子径が小さい程、小さくでき、機械的強度、加工精
度などなども良好となる。
【0012】本発明のプリント配線用基板は、無機連続
気孔体(I) と熱硬化性樹脂(II)とが一体化したものであ
ることから、機械的特性、吸水性なども改良される。こ
の点から、気孔径が小さいものが良好とは必ずしもなら
ない。熱硬化性樹脂(IV)の含浸は気孔径は大きいほど容
易となる。物性、均一性は気孔径が小さいほど良好とな
る。サブミクロンレベルの微細粉末を用いて、各ブロッ
ク間の物性変化の小さいAlN-h-BNなどの無機連続気孔体
(I) を製造するには、極めて厳密な原料、焼成条件など
の管理を必須とする。これらを考慮して、本発明では平
均気孔径が 0.1〜10μm、好ましくは 0.4〜6 μm、特
に 0.5〜3 μmの範囲となるように無機粉末の粒子径を
選択して製造したものが好ましい。
【0013】また、熱硬化性樹脂(II)の含浸による物性
の改良の面から、見掛けの気孔率は、通常、10〜55%、
好ましくは12〜36%、特に15〜25%の範囲から選択し、
閉気孔ができるだけ少ないものが好ましい。また、密
度、強度が高い無機連続気孔体(I) よりも、その他の物
性、例えば、誘電正接、熱伝導率などが本発明の用途に
おいてはより重要な物性であり、これら物性が各ブロッ
ク間、ブロック内で、よりバラツキの小さいものとなる
ことを優先して製造するのが好ましい。
【0014】本発明の熱硬化性樹脂(II)としては、副生
物を生成せずに硬化する付加重合型などの熱硬化性樹脂
が好適に使用され、具体的にはフェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート
樹脂、アクリル樹脂、シアナト樹脂、マレイミド樹脂、
マレイミド−ビニル樹脂、その他の熱硬化性樹脂類並び
にこれらを適宜二種以上配合してなる組成物が挙げら
れ、また、含浸することから常温液状或いは加熱するこ
とにより溶融し、かつ、粘度が低いものがより好適に選
択される。これらの中で、本発明では、シアナト樹脂を
必須成分とするものが最も好ましい。また、無機連続気
孔体(I) との親和性を改良するため、助剤として、カッ
プリング剤、界面活性剤を、また、硬化反応を促進する
ために硬化触媒、難燃性を保持するための難燃剤なども
適宜、使用できる。
【0015】上記の無機連続気孔体(I) に、本発明の熱
硬化性樹脂(II)を含浸する。ここに、無機連続気孔体
(I) として、製造後、密閉系などで保存した吸湿などの
ないものを使用する場合には特に問題はないが、無機連
続気孔体(I) が空気中の水分などを吸湿した場合には、
含浸樹脂との親和性や密着性などを損なう場合があるの
で、使用前に、または含浸操作の前段階において充分に
乾燥して使用するのが好ましい。なお、液体の水などを
無機連続気孔体(I) が吸収した場合には、通常の条件で
乾燥することは極めて困難であり、特に、非酸化物系の
場合、比較的短時間で乾燥可能な高温では、暴走反応な
どを起こすものもあるのでその取扱いには注意を要す
る。特にAlN-h-BNの場合、水の存在下に80℃以上に加熱
されるとアンモニアを発生してβ−アルミナや水酸化ア
ルミニウムなどとなる。
【0016】含浸方法としては、適宜、減圧、加熱等の
可能な容器や型などに、無機連続気孔体(I) を予め計量
した樹脂(II)と共に配置し、通常、系内を減圧とし、さ
らに加温或いは加熱して樹脂(II)を溶融し、ブロックに
含浸させる同時含浸法;減圧、加熱等の可能な容器や型
などに無機連続気孔体(I) を入れ、通常、加熱下に系内
を減圧として空気中の水分などの吸着物を脱水・乾燥処
理を実施した後、減圧下に溶融し脱気処理した熱硬化性
樹脂(II)を供給して含浸させる方法が例示される。ここ
で、含浸系の圧力としては、50 mmHg 以下の減圧、好ま
しくは 10mmHg以下、特に 1mmHg以下の減圧を使用する
のが好ましい。
【0017】上記で得た含浸無機連続気孔体を、含浸槽
から取り出し、含浸無機連続気孔体の表面に付着した樹
脂(II)を該樹脂(II)がゲル化するまでに実質的に含浸無
機連続気孔体の表面から除去し、加熱硬化させて複合硬
化体(III) とする。含浸無機連続気孔体の表面に付着し
た樹脂(II)の除去は、複合硬化体(III) とした時にその
表面に亀裂などを生じさせないために行うものである。
用いる無機連続気孔体(I) の強度にもよるが、目視にて
殆ど存在しない状態とすることによる。除去が不十分な
場合、冷却時、特に温度が 150℃〜30℃程度の温度に
て、樹脂付着部分を起点として亀裂が発生し、場合によ
っては内部まで破壊されることとなる。
【0018】表面付着樹脂の除去の具体的な方法として
は、含浸したブロックを含浸容器から取り出し、表面の
樹脂をヘラにて軽くこさぎ落とした後、樹脂が落下する
ように台などの上に配置して、ゲルに至る迄に、溶融物
の落下、更に、表面からの気化にて実質的に取り除く方
法;前記において、ゲル化に至る迄の間に表面を布など
で拭き取る方法を併用することなどによる。なお、遠心
分離のように機械的手段も適宜使用可能である。硬化条
件は、用いた樹脂の種類などに応じて適宜選択し、完全
に硬化させるようにする。
【0019】上記で得た複合硬化体(III) を所定の厚さ
の板状体に、適宜、多数枚同時に切断して本発明のプリ
ント配線用基板を製造する。切断方法としては、マルチ
ブレードソー、ダイアモンド付着マルチブレードソー、
マルチワイヤソー、ダイアモンド付着マルチワイヤソー
および内周刃式のダイヤモンドソーからなる群から選択
した切断機を使用する方法が挙げられ、厚さ0.2〜2.0mm
、典型的には 0.4〜1.5mm で厚み精度が±5 μm以内
の極めて板厚精度の高い板状体とする。尚、厚さが 0.1
mm程度の薄板も、ポリッシング加工などを行うことによ
り製造可能なものである。
【0020】また、通常、スライス切断に当たっては、
上記で得た複合硬化体(III) を接着剤にてその板面で重
ねて接着した一体化物とし、切断機にセットして行う。
本発明の含浸・硬化方法によれば、切断が困難な樹脂や
ガラス布などが表面に存在しないので、より均一な切断
が容易となる。マルチブレードソー、マルチワイヤソ
ー、これらのブレードやワイヤにダイアモンドを付着さ
せたソーを用いて多重切断する場合、切断機の種類によ
るが、通常は、板厚みが薄いものを同時に多数切断する
よりも、板厚み薄いものと厚いものとを組み合わせて同
時に切断するようにすることが好ましい。窒化アルミニ
ウム系の場合、通常、乾式の切断以外は安全性の点から
も不可能であるが、本発明では湿式、特に研磨剤水溶液
を用いる切断も安全に実施できる。
【0021】上記で良好な切断条件にて得た基板は、極
めて板厚精度が高く、しかも板厚の薄いものまで製造可
能であることから、誘電率が大きい材料も、誘電正接が
小さく安定したものであれば、より高性能の高周波用基
板として好適に使用可能である。また、本複合硬化体(I
II) は、三次元編み目構造の無機連続気孔体(I) に、三
次元の編み目構造の樹脂(II)の硬化物が一体化した新規
な複合体であるので、無機連続気孔体(I) と同等程度の
硬さ、大幅に改良された柔軟性 (耐衝撃性) などの物性
を有するので、通常の積層板と同様のドリル孔あけ加
工、さらに、無機連続気孔体(I) の気孔率が大きい場合
には打ち抜き加工、その他が可能なものである。
【0022】β−ウォラストナイトなどの耐水性又は耐
酸性の劣った無機連続気孔体(I) を用いた基板は、含浸
硬化した樹脂(II)により、その耐酸性が大幅に改良され
る。AlN-h-BNなどの無機連続気孔体(I) を用いた基板で
は、含浸した樹脂の三次元の網によって耐水性の劣るAl
N-h-BNが囲まれたれた構造であることから、その耐水性
は大幅に向上し、水を媒体とする切断が可能となる。ま
た、Al2O3-h-BN、ZrO2-h-BN などの無機連続気孔体(I)
を用いた基板では、特に主成分であるAl2O3 、ZrO2が極
めて安定であり、エッチングなど困難であるが、含浸硬
化した樹脂(IV)の部分によってエッチングが可能とな
る。
【0023】この結果、硬化した樹脂側、或いは無機物
側のどちらか一方或いは両方を適宜、酸性、アルカリ性
又は酸化性などの常温〜加熱水溶液にてエッチングし、
カップリング剤などを用いて表面処理することにより、
従来の無電解メッキなどが適用可能となる。また、熱膨
張率は、無機連続気孔体(I) よりは大きくなるが、その
見掛けの気孔率を選択することにより、10×10-6 K-1
下のものを容易に製造できる。また、熱伝導率も無機連
続気孔体(I) の熱伝導率と同等以上となる。この結果、
ICチップやパッケージモジュールなどを直接搭載するプ
リント配線用基板として極めて好適に使用可能である。
【0024】上記で製造した本発明のプリント配線用基
板を用いて、プリント配線板を製造する方法は、通常、
該基板に、必要に応じてスルーホール孔あけした後、金
属メッキし、所望のプリント配線網を形成する方法;該
基板に、金属メッキし、必要に応じてスルーホール孔あ
けしスルーホールメッキした後、所望のプリント配線網
を形成する方法などによる。特に、前者の方法は、本発
明のプリント配線用基板の優れた物性を活かした製造法
であり、スルーホール部分も基板表面も同一厚さの銅膜
を形成し、プリント配線加工できることから、極めて微
細なプリント配線網を形成可能とする。
【0025】ここに、金属メッキとしては、基板の表面
処理を行い、公知の湿式の無電解メッキ法、スパッタリ
ングその他の乾式メッキ法、蟻酸銅を使用する銅メッキ
などが例示される。また、表面処理としては、単にカッ
プリング剤、特にアミノシランカップリング剤で処理す
る方法;燐酸、硫酸、クロム酸などの酸により無機物の
一部エッチングする方法、さらにこれをカップリング剤
処理する方法;カセイソーダ、その他のアルカリを用い
て樹脂を一部エッチングする方法、さらにこれをカップ
リング剤処理する方法などが例示される。なお、乾式メ
ッキ法を使用する場合には、表面処理として水に代え
て、アルコール、ケトン、その他の有機溶媒を使用した
処理液を使用することが好ましい。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 実施例1 シアン酸エステル−マレイミド樹脂(品名:BT-2100、2,
2-ビス(4−シアナトフェニル)プロパン/ビス(4−マレ
イミドフェニル)メタン=9/1(wt比)) 87重量%、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂(商品名;エピコート 15
2、エポキシ当量172〜179 、油化シェルエポキシ株式会
社製) 10重量%およびγ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン 3重量%の比率で混合して熱硬化性樹脂組
成物(以下、樹脂II-1と記す) を調整した。
【0027】β−ワラストナイト系気孔体(商品名:マ
シナックス、株式会社イナックス製;嵩密度 2.1、見掛
け気孔率21%、平均気孔半径 3.4μm) の15cm×15cm×
4cmのブロックの両表面に、カッターにて深さ約 0.5mm
の溝を10mm間隔で形成した。このβ−ワラストナイト系
気孔体のブロックを、底部に隔離用銅線を配置したアル
ミニウム製の容器に直径 1mmの隔離用銅線を介して立て
て5個配置し、このアルミニウム製の容器を乾燥機に入
れ、 150℃で 4時間乾燥した。
【0028】これを真空含浸機中に移し、真空含浸機内
を 5mmHgまで減圧した後、温度を 110℃に昇温し、同温
度で 1時間保持し、真空乾燥処理を行った。上記で調整
した樹脂II-1を真空含浸機の樹脂容器に入れ、 110℃に
て溶融して脱気処理を行った後、アルミニウム製の容器
に溶融した樹脂II-1を徐々に注入し、1 時間含浸を行っ
た。
【0029】アルミニウム製の容器を取り出し、含浸し
たブロック表面の樹脂をヘラにて軽くこさぎ落とした
後、三角棒2本の上に立てて置いた。これを乾燥機中に
移し、150℃,1hr、 180℃,30min、 185℃,15min、 200
℃,1hr、 230℃,3hrの条件にて硬化させて複合硬化体(I
II-1) を得た。なお、180 ℃にて乾燥処理中にブロック
表面の樹脂を布にて拭き取った。
【0030】得られた複合硬化体III-1 を接着剤で仮接
着したものをマルチブレードソー (ブレード厚さ 0.25m
m 、長さ500mm 、#600のSiC 研削剤溶液使用)にセット
し、15cm角で厚さ 0.635mm、1.6mm の板を同数枚切り出
した。厚さ 1.6mmの板を用い、物性を測定した結果を表
1に示した。
【0031】実施例2 シアン酸エステル−マレイミド樹脂(品名:BT-2100、2,
2-ビス(4−シアナトフェニル)プロパン/ビス(4−マレ
イミドフェニル)メタン=9/1(wt比)) 98重量%とビス
フェノールA型エポキシ樹脂(商品名;エピコート 15
2、エポキシ当量172〜179 、油化シェルエポキシ株式会
社製) 2重量%とを混合して熱硬化性樹脂組成物(以
下、樹脂II-2と記す) を調整した。
【0032】実施例1において、樹脂II-1に代えて樹脂
II-2を用いること及びβ−ワラストナイト系気孔体に代
えて、 6× 6×3(cm) の窒化アルミ−窒化硼素複合体(h
-BN含有量 20%、嵩密度 1.7、見掛け気孔率 31%、
平均気孔半径 1.2μm) を4個使用し、これを前もって
70℃、72時間乾燥したものを用いる他は同様とした。厚
さ 1.6mmの板を用い、物性を測定した結果を表1に示し
た。なお、厚み 0.635に切断した板は打ち抜きにより容
易に加工可能であった。
【0033】
【表1】項 目 単位 実施1 実施2 嵩密度*1 g/cm3 2.51 2.73 吸水率*2 % 0.2 0.1 曲げ強度 kg/mm2 14 17 誘電率*3 4.0 6.3 誘電正接*3 0.006 0.002 熱膨張係数*4 10-6 K-1 8.0 5.1 熱伝導率*5 W(m K)-1 3.1 70 耐薬品性*6 10% HCl 1.1 +0.310% NaOH +0.5 +0.5 注) *1: JIS-C-2141,単位 g/cm3、 *2: JIS-R-1601,
単位%、 *3: JIS-C-2141, 1MHZ にて測定、 *4:測定範囲, 室温→300 ℃、単位 ×10-6 K-1、 *5:レーザーフラッシュ法にて測定、単位 W(m K)-1 *6:23℃,24hrs浸漬後の溶出量 mg/cm2、+は重量増
加.
【0034】
【発明の効果】本発明の製造法によるプリント配線基板
は、容易に機械加工により同時に多数枚を製造すること
から板厚精度が極めて優れ、多量生産可能である。ま
た、低熱膨張率、高い熱放散性、含浸樹脂の硬化物より
も高い耐熱性を有し、高周波用のアンテナ、高周波用パ
ーツモジュール、その他の基板や半導体チップの直接搭
載用など基板として好適に使用可能なものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブロックである無機連続気孔体(I) に、
    減圧下、熱硬化性樹脂(II)を含浸し含浸無機連続気孔体
    とし、これを含浸槽からを取り出し、表面に付着した該
    熱硬化性樹脂(II)をゲル化するまでに実質的に除去して
    加熱硬化させて複合硬化体(III) とし、該複合硬化体(I
    II) を切断して厚み公差が±5μm以下、厚み 0.2〜2.
    0mm の板体とすることを特徴とするプリント配線用基板
    の製造法
  2. 【請求項2】 該無機連続気孔体(I) が、見掛け気孔率
    12〜36%、平均気孔径 0.5〜6 μmの範囲であり、窒
    化アルミ−窒化硼素複合体(AlN-h-BN)又はβ−ウォラ
    ストナイト (β−CaSiO3) である請求項1記載のプリン
    ト配線用基板の製造法
  3. 【請求項3】 該無機連続気孔体(I) を、予め温度 70
    〜250 ℃で 0.5〜72時間の範囲で加熱・減圧処理して用
    いる請求項1記載のプリント配線用基板の製造法
  4. 【請求項4】 該切断を、マルチブレードソー、ダイア
    モンド付着マルチブレードソー、マルチワイヤソー、ダ
    イアモンド付着マルチワイヤソーおよび内周刃式ダイヤ
    モンドソーからなる群から選択した切断機にて行う請求
    項1記載のプリント配線用基板の製造法
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