JPH0733546Y2 - ポール用取付金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、電柱や電気機器取付用ポール等に電気機器収
納箱等を取り付けるためのポール用取付金具の改良に関
するものである。

（従来の技術） 上記のようなポール用取付金具としては、一端を本体に
取り付けた金属製の取付バンドをポールに巻付け、その
他端の屈曲部に長寸のボルトを頭部まで差し込んだうえ
でボルトの先端を本体のねじ孔に螺合させるようにした
構造のものが知られている。

このような構造のものは、ボルトを本体のねじ孔に締め
込むことにより取付バンドに張力を与えポールに確実に
係合させるようにしたものであるが、取付バンドの締め
付け機構が外部に露出しているので作業時に手等を傷つ
け易いこと、取付バンドの取付けが面倒であること、ボ
ルトのねじ込みにより調節し得る範囲が狭いので取付バ
ンドに余裕を持たせることができず、ポールの径に合っ
た各種の長さの取付バンドを用意しなければないないこ
と等の問題があった。

（考案が解決しようとする課題） 本考案はこのような従来の問題点を解決して、取付バン
ドの締め付け機構を内部に収納することにより安全性を
高めるとともに体裁を良くし、また取付バンドの取付け
が容易なうえに取付バンドの種類を少なくすることがで
きるポール用取付金具を提供するために完成されたもの
である。

（課題を解決するための手段） 本考案は前記のような問題点を解決するためになされた
もので、主板部の上下端を取付バンドの幅よりも広い高
さを持たせてポール側に向けてコ字状に屈曲させてポー
ル受凹部を持つポール受板部を形成するとともに、主板
部の左右両側もコ字状に屈曲させて軸受板部を形成し、
上下のポール受板部のポール側の両端部に設けた軸杆の
一方に多数の掛止孔を持つ取付バンドの基端部を軸支す
るとともに、該取付バンドの先端を他方の軸杆と主板部
との間に挿通し、前記軸受板部間の軸杆と主板部との間
の部分に軸支させたねじ棒に、軸杆よりもポール側に突
出せず、かつポール受板部間を移動できる大きさのフッ
クを螺合させ、このフックに取付バンドの掛止孔を掛合
させたことを特徴とするものである。

（実施例） 次に、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

（１）は主板部であり、主板部（１）の上下端を取付バ
ンド（７）の幅よりも広い高さを持たせてポール側（第
１図の前側）に向けてコ字状に屈曲させ、上下のポール
受板部（４）、（４）を形成してある。こられのポール
受板部（４）、（４）は先端中央に鋸歯（３）付きのポ
ール受凹部（２）が凹設されたものであり、この鋸歯
（３）によってポールとの係合をより確実なものとする
ことができる。

また主板部（１）の左右両側もポール側に向けてコ字状
に屈曲させてあり、軸受板部（５）、（５）が形成され
ている。この軸受板部（５）、（５）のポール側への突
出量はポール受板部（４）、（４）の半分程度である。

（６）、（６）は上下のポール受板部（４）、（４）の
ポール側の両端部に設けられた軸杆であり、両軸杆
（６）、（６）は下方のポール受板部（４）に透設した
孔から挿通したボルトを上方のポール受板部（４）に設
けたねじ孔に螺合させた着脱自在なものである。

（７）は四角状の掛止孔（８）を多数配設した金属製の
取付バンドであり、取付バンド（７）は折曲部端部を溶
接することによって基端部に形成した筒状部（９）を前
記した一方の軸杆（６）に軸支させることにより、主板
部（１）に取付けられているとともに、先端を他方の軸
杆（６）の内側、すなわち軸杆（６）と主板部（１）と
の間に挿通させるものである。

（10）は前記した主板部（１）の左右の軸受板部
（５）、（５）間の軸杆（６）と主板部（１）との間の
部分に軸支したボルト等のねじ棒であって、該ねじ棒
（10）には取付バンド（７）の掛止孔（８）と掛合する
フック（11）が螺合されている。フック（11）は軸杆
（６）よりもポール側に突出せず、かつポール受板部
（４）、（４）間を移動できる大きさのもので、その一
側面を主板部（１）の内面に当接させることによりねじ
棒（10）が回転されたときにも回動できないものとし、
軸受板部（５）の外側に張出した前記ねじ棒（10）の頭
部（13）を回動することにより、ねじ棒（10）上を進退
動し、フック（11）に掛止孔（８）をもって掛合した取
付バンド（７）を締緩するものである。

（14）はＬ形取付バーであり、垂直片（20）の取付孔
（21）を利用して、図示されていないボルトによって電
気機器収納用箱等の背面に固定するとともに、水平片
（22）のダルマ孔（23）を利用してポール受板部（４）
にボルト（15）をもって取り付けるものである。

（作用） このように構成された本考案のポール用取付金具をポー
ル（19）に取り付けるにはまず主板部（１）の上下のポ
ール受板部（４）、（４）の鋸歯（３）付きのポール受
凹部（２）をポール（19）に当てるとともに、一方の軸
杆（６）に基端部を軸支した取付バンド（７）をポール
（19）に巻付ける。そして取付バンド（７）の先端を他
方の軸杆（６）と主板部（１）との間に挿通し、ねじ棒
（10）に螺合したフック（11）に取付バンド（７）の掛
止孔（８）を掛合させる。続いて、軸受板部（５）の外
側に露出させたねじ棒（10）の頭部（13）をスパナ、ラ
チェットレンチ等の工具をもって回動すれば、フック
（11）はねじ棒（10）に沿って軸杆（６）と主板部
（１）との間の部分を移動し、取付バンド（７）をポー
ル（19）に締め付ける。このようにして主板部（１）が
強固にポール（19）に固定されたのち、Ｌ形取付バー
（14）を背面に固定した電気機器収納用箱等のような被
取付物（18）を、Ｌ形取付バー（14）のダルマ孔（23）
を利用してポール受板部（４）にボルト（15）をもって
取り付ければ良い。なお、被取付物（18）が小物である
場合にはＬ形取付バー（14）を用いることなく、主板部
（１）に直接取り付けても良い。

このように本考案のポール用取付金具は、取付バンド
（７）を締めつけるためのフック（11）及びねじ棒（1
0）が主板部（１）の上下のポール受板部（４）、
（４）および左右の軸受板部（５）、（５）に囲まれた
内部に収納されているので、従来のように手等を傷つけ
るおそれがなく、取付後に行う他の作業を安全にできる
ばかりでなく体裁も良いものである。しかも、取付バン
ド（７）の締めつけは任意の掛止孔（８）に掛合させた
フック（11）を移動させることにより行えるので取付作
業は容易である。また、取付バンド（７）に掛止孔
（８）が多数配設されているとともに、フック（11）は
長大なねじ棒（10）上を移動するので、この移動距離に
より取付バンド（７）の長さ調節もできるので、一種類
の長さの取付バンドで種々の径のポールに対応できる。
このため、本考案のポール用取付金具は取付バンド
（７）の種類を少なくできる利点もある。

（考案の効果） 本考案は以上の説明によって明らかなように、取付バン
ドを締めつける機構が外部に露出しておらず、取付後の
他の作業に支障となることもなく、体裁も良く、また取
付作業も容易なうえ、長さの異なる多種類の取付バンド
を必要とせずに種々の径のポールにも取り付けできるも
のであるから、従来のポール取付金具の問題点を一掃し
たものとして実用的価値極めて大なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視図、第２図はその使
用状態を示す一部切欠平面図である。 （１）：主板部、（２）：ポール受凹部、（４）：ポー
ル受板部、（５）：軸受板部、（６）：軸杆、（７）：
取付バンド、（８）：掛止孔、（10）：ねじ棒、（1
1）：フック

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】主板部（１）の上下端を取付バンド（７）
   の幅よりも広い高さを持たせてポール側に向けてコ字状
   に屈曲させてポール受凹部（２）を持つポール受板部
   （４）、（４）を形成するとともに、主板部（１）の左
   右両側もコ字状に屈曲させて軸受板部（５）、（５）を
   形成し、上下のポール受板部（４）、（４）のポール側
   の両端部に設けた軸杆（６）、（６）の一方に多数の掛
   止孔（８）を持つ取付バンド（７）の基端部を軸支する
   とともに、該取付バンド（７）の先端を他方の軸杆
   （６）と主板部（１）との間に挿通し、前記軸受板部
   （５）、（５）間の軸杆（６）と主板部（１）との間の
   部分に軸支させたねじ棒（10）に、軸杆（６）よりもポ
   ール側に突出せず、かつポール受板部（４）、（４）間
   を移動できる大きさのフック（11）を螺合させ、このフ
   ック（11）に取付バンド（７）の掛止孔（８）を掛合さ
   せたことを特徴とするポール用取付金具。