JPH0733509A - セラミック材料用原料組成物及びその製造方法 - Google Patents

セラミック材料用原料組成物及びその製造方法

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JPH0733509A
JPH0733509A JP6138751A JP13875194A JPH0733509A JP H0733509 A JPH0733509 A JP H0733509A JP 6138751 A JP6138751 A JP 6138751A JP 13875194 A JP13875194 A JP 13875194A JP H0733509 A JPH0733509 A JP H0733509A
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JP
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water
slurry composition
aqueous slurry
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weight
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JP6138751A
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English (en)
Inventor
Esuteban Rafuaeru
エステバン ラファエル
Kazuhiko Okabe
和彦 岡部
Puhadasu Furanshisuko
プハダス フランシスコ
Sapesu Emirio
サペス エミリオ
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Kao Corp
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B33/00Clay-wares
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    • C04B33/04Clay; Kaolin

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  • Structural Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a) 鉱物クレー、(b) 水溶性アクリル系ポリ
マー、(c) 無機アルカリ化合物、及び(d) 水を含有する
セラミック用水性スラリー組成物。この水性スラリー組
成物を製造した後、噴霧造粒して粉末組成物を得ること
からなるセラミック用原料の製造方法。得られた粉末組
成物を成形することによって製造されるセラミックのグ
リーン成形体。このグリーン成形体を焼成することによ
って得られるセラミックタイル。 【効果】 分散剤の添加量を少なくでき、混練時間を短
くでき、スラリー中のクレー含量を多くでき、噴霧造粒
ステップにおけるエネルギーを節約でき、セラミックタ
イルの機械的強度を高めることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モノクッキング法(mo
no−cooking process)またはビクッキング法(bi−cook
ing process)によって製造される舗装材料(床用タイ
ル)および壁タイルのセラミックに用いる化学成分に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】セラミ
ックタイルの製造法には下記のようないくつものステッ
プがある。 1) 粉砕工程 いく種もの原料の混合と均質化(後述の標準組成参
照)。このステップの主な目的は表面積を増やすため固
体粒子のサイズを小さくすることである。
【0003】2) 混練工程およびスラリーの製造 クレー、水および化学添加剤をボールミルに入れる。2
〜8時間、好ましくは3〜4時間、混練した後、クレー
含量の範囲が62〜72%、一般に65〜66%のスラリーが得
られる。このスラリーは流体でなければならない。それ
故その粘度は2000cps より低くなければならず、1000cp
s より低い方が好ましい。予め添加される化学添加剤の
機能は、スラリーを正しい粘度レベルに到達させること
である。これらの添加剤は高い分散性能を提供し、一般
にトリポリリン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムな
どのような無機化合物である。混練を行った後、スラリ
ーを、粒子の沈降を回避しスラリーの均質性を維持する
ために機械的攪拌を行いながら容器に移す。
【0004】3) 噴霧造粒工程 スラリーを上記容器から出してふるいを通過させ、次い
でポンプでアトマイザーに送り、そこで微粒化を行う。
次にスラリーを 500〜600 ℃の温度の熱風に接触させて
乾燥する。その結果、含水量が4〜7%の水分レベル
で、平均粒径が 150μ〜600 μの粉末生成物が得られ
る。プレス成形のステップで問題が起こるのを避けるた
めこの程度のレベルの水分が必要である。粒径は、グリ
ーンタイルおよび焼成されたタイルの圧縮性(compacta
tion)と機械的強度に直接関連している。
【0005】4) プレス成形および乾燥工程 圧縮によって剛性の型の中に充填された粉末生成物の圧
密化(compaction)と成形が同時に行われる。標準の方
法では液圧プレスが使用される。その圧力範囲は 150〜
300 kg/cm2 、好ましくは 210〜270 kg/cm2 である。
このステップの終わりにグリーン成形体が得られる。次
いでグリーン成形体は高速乾燥工程によって乾燥される
が、その工程で、液体がグリーン成形体の細孔から除去
される。このとき、タイルの面は、短時間(35〜55分
間)、熱風(120〜200℃)に接触する。乾燥工程を実施
した結果、セラミックタイルの水分のレベルは 1.5%よ
り低くなる。
【0006】5) エナメルおよび彩色(serigraph) の工
程 この工程中に、装飾的コーティングがグリーンセラミッ
クタイルの表面に施される。グリーン成形体(乾燥済)
はいくつもの装置を通過し、そこで上面のエナメル処理
と彩色処理が行われる。その後、セラミックタイルは適
切な場所に貯蔵され次いで焼成ステップに入る。
【0007】6) 焼成工程 乾燥され表面処理がなされたセラミックタイルは、高速
モノクッキングサイクルを有する炉内で熱処理される。
焼成時間の範囲は35〜60分間であり、一般に45〜50分間
である。この期間中、温度は最高約1050〜1200℃に達す
る。焼成工程は、次の3段階で進行すると考えられる。 (1) 加熱段階:この段階では結合剤の焼尽と、分解と酸
化による気体生成物の脱離を含む焼結の予備としての反
応が起こる。(2) 焼結段階。(3) 冷却段階:セラミック
タイルの最終製品がこの工程を終わって得られる(全流
れ作業を示す図1参照)。
【0008】上記の実際の方法には、主としてスラリー
化と噴霧造粒のステップにいくつかの弱点がある。その
否定的な点は、多量の分散剤を使用していること、混練
時間が長いこと、スラリーの固形分が低いことであり、
その結果、噴霧造粒のステップでは多量のエネルギーが
使用される。本発明の課題は、このような欠点を解決
し、以下に示すようないくつかの技術的利点を有する、
即ち、分散剤の添加量が低下し、混練時間が短縮し、ス
ラリー中のクレー含量を高め、噴霧造粒ステップにおけ
るエネルギーを節約し、セラミックタイルの機械的強度
を高めた、セラミック材料用原料組成物及びその製造方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、水溶性アクリル系ポリマーとアルカリ化合物との
混合物をクレーの分散剤として用いると、この混合物が
粘度調節剤として作用し、セラミックタイルのグリーン
成形体と焼成されたものの強度を増大させ、上記課題を
解決できることを見いだし本発明を完成させた。
【0010】即ち、本発明は、下記1)〜11) に示すセラ
ミック用水性スラリー組成物、セラミック用原料の製造
方法、セラミックのグリーン成形体及びセラミックタイ
ルに係わるものである。 1) (a) 鉱物クレー、(b) 水溶性アクリル系ポリマー、
(c) 無機アルカリ化合物、及び(d) 水を含有するセラミ
ック用水性スラリー組成物。 2)(a) 鉱物クレー50〜80重量%、 (b) 下記(i)〜(iii)からなる群から選択される水溶
性アクリル系ポリマー0.02〜2.75重量%、(i)分子量
が2000〜30000 のポリアクリル酸カリウム、ナトリウム
もしくはアンモニウム塩、(ii)分子量が8000〜30000
の、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマーのカリウ
ム、ナトリウムもしくはアンモニウム塩、(iii)分子量
が5000〜25000 の、アクリル酸とマレイン酸のコポリマ
ーのカリウム、ナトリウムもしくはアンモニウム塩 (c) 無機アルカリ化合物0.01〜2.25重量%、及び (d) 水20〜50重量%を含有するセラミック用水性スラリ
ー組成物。
【0011】3) (c) 成分の無機アルカリ化合物が、Na
OH、KOH 、NH4OH およびメタケイ酸ナトリウムからなる
群から選択されるものである上記1)又は2)記載の水性ス
ラリー組成物。 4) (b) 成分の水溶性アクリル系ポリマーと(c) 成分の
無機アルカリ化合物の重量比が95/5〜20/80である上
記1)又は2)記載の水性スラリー組成物。 5) (b) 成分の水溶性アクリル系ポリマーと(c) 成分の
無機アルカリ化合物の重量比が80/20〜40/60である上
記1)又は2)記載の水性スラリー組成物。
【0012】6) (b) 成分の水溶性アクリル系ポリマー
が、アルコール−水系溶媒を用いた重合により製造され
たものである上記1)又は2)記載の水性スラリー組成物。 7) (b) 成分と(c) 成分の合計量が鉱物クレーに対して
0.05〜5.00重量%である上記1)又は2)記載の水性スラリ
ー組成物。 8) (b) 成分と(c) 成分の合計量が鉱物クレーに対して
0.15〜2.3 重量%である上記1)又は2)記載の水性スラリ
ー組成物。
【0013】9) 下記(i) 及び(ii)の工程からなるセラ
ミック用原料の製造方法。 (i) 上記1)又は2)記載の水性スラリー組成物を製造す
る工程 (ii) 工程(i) で得られた組成物を噴霧造粒して粉末組
成物を製造する工程 10) 上記9)記載の粉末組成物を成形することによって製
造されるセラミックのグリーン成形体。 11) 上記10) 記載のグリーン成形体を焼成することによ
って得られるセラミックタイル。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられる(a) 成分の鉱物クレーの例としてはモロ(Mor
o)、ガルブ(Galve) 、ビラー(Villar)、マスベル(Masve
ll) があるが、これらはいずれもスペインの地方の名称
である。下記の化学組成を有する鉱物クレーが好まし
い。 SiO2・・・・30〜75% Al2O3 ・・・13〜35
% Fe2O3 ・・・4〜8% CaO ・・・・0.5 〜
25% MgO ・・・・0.2 〜3% Na2O・・・・0.1 〜
0.5 % K2O ・・・・3〜7% TiO2・・・・0.2 〜
1.5 % 本発明の水性スラリー組成物中の鉱物クレー(a) の含有
量は50〜80重量%が好ましい。鉱物クレー(a) の含有量
が50重量%未満では混練時のスラリー粘度は低くなる
が、アトマイザーでの噴霧造粒時に多量の水分を蒸発さ
せるために多大の熱エネルギーを必要とし好ましくな
い。また80重量%を超えるとスラリー化時に粘度が高く
なりすぎ、スラリー化が困難となり好ましくない。
【0015】本発明で用いられる(b) 成分の水溶性アク
リル系ポリマーは、下記のモノマーを重合又は共重合さ
せたものである。 a) モノエチレン性不飽和モノカルボン酸類及びその塩
類(Na、K 、NH4 など)。分子中に3〜10個の炭素原子
を有する、特にアクリル酸 (AA) とメタクリル酸(MMA)
である。 b) モノエチレン性不飽和ジカルボン酸類、その塩類
(Na、K 、NH4 など)および無水物。これらのうち無水
物が好ましい。適切なジカルボン酸は4〜6個の炭素原
子をもっている。例えば、マレイン酸、イタコン酸、メ
サコン酸、フマル酸、メチレンマロン酸がある。好まし
いのはマレイン酸もしくは無水マレイン酸である。
【0016】全モノマーの含量は、固形分が30〜60%、
好ましくは40〜50%である最終製品に対して約15〜45%
である。これらモノマーの重合には水溶性の開始剤が用
いられる。例としては、過酸化水素(H2O2) 、過硫酸ナ
トリウム(NaPS) 、過硫酸アンモニウム(NH4PS)があ
る。開始剤の量の範囲はモノマーの重量に対して 1.5〜
20%である。重合は、水溶媒もしくはアルコールと水の
混合溶媒中、または2−メルカプトエタノール、n−ブ
チルメルカプタンのような連鎖移動剤の存在下、好まし
くはアルコールと水の混合溶媒中で行わねばならない。
溶媒の含量は反応条件によって約35〜65%である。アク
リル酸(AA)と無水マレイン酸(MA)のコポリマーの場合、
モル比(AA/MA)の範囲は0.5 〜20であり、好ましくは
4〜10である。
【0017】重合工程は次のようにして実施する。すな
わち、溶媒(水またはアルコールと水)を充填し、次い
でこの溶媒溶液にモノカルボン酸と開始剤を加え、2〜
10時間、好ましくは3〜4時間重合を行わせる。重合温
度は70〜110 ℃である。またpHは全モノマー含量の中和
の程度にしたがって調節する。モノマーの70〜100 %
を、各種のアルカリ、例えば水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化アンモニウム、好ましくは水酸化ナト
リウムで中和する。ポリマーの分子量は、GPC で測定
し、ポリスチレン換算重量平均分子量で1000〜30000 で
ある。更に詳細には、ポリアクリル酸カリウム、ナトリ
ウムもしくはアンモニウム塩に関しては2000〜30000 で
あり、2000未満でも、30000 を超えても分散性が不良と
なる。アクリル酸とメタクリル酸のコポリマーのカリウ
ム、ナトリウムもしくはアンモニウム塩では8000〜3000
0 であり、8000未満でも30000 を超えても分散性が不良
となる。またアクリル酸とマレイン酸のコポリマーのカ
リウム、ナトリウムもしくはアンモニウム塩では5000〜
25000 であり、5000未満でも25000 を超えても分散性は
不良となる。またこれらポリマーの粘度は固形分40重量
%の水溶液について、ブルックフィールド粘度計で測定
して150cps〜2000cps(25℃)である。
【0018】以下に、アクリル系ポリマーの製造方法の
例を示す。 方法1:アクリル酸のアルコール溶液中でのラジカル重
合では以下のものを充填する。 X ・・・ 230〜360 g, X =IPA(イソプロピルアルコ
ール)、EtOHなど H2O ・・・ 690〜825 g AA ・・・ 280〜310 g NaPS・・・ 2.8〜 31 g NaOH・・・ 110〜175 g 方法2:アクリル酸の水溶液中でのラジカル重合では以
下のものを充填する。 H2O ・・・ 480〜550 g AA ・・・ 280〜320 g NaPS・・・ 0 〜 15 g H2O2・・・ 10 〜 55 g NaOH・・・ 109〜178 g 方法3:アクリル酸と無水マレイン酸の水溶液中でのラ
ジカル共重合では次のものを充填する。 H2O ・・・ 520〜580 g MA ・・・ 95〜185 g AA ・・・ 90〜190 g H2O2・・・ 5〜 30 g NaOH・・・ 90〜258 g 本発明の水性スラリー組成物中のアクリル系ポリマー
(b) の含有量は0.02〜2.75重量%が好ましい。アクリル
系ポリマー(b) の含有量が0.02重量%未満ではクレーの
分散が不十分であり、スラリーの粘度を十分に低下させ
ることができない。また2.75重量%を超えると分散剤添
加量が多すぎ、かえってクレーの分散が不良となり好ま
しくない。
【0019】本発明のセラミック用分散剤は上記アクリ
ル系ポリマー(b) と無機アルカリ化合物(c) の混合物で
ある。アルカリの例としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、メタケイ酸ナトリウム、水酸化アンモニウ
ム、炭酸ナトリウム、トリエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、モノエタノールアミンがあるが、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムおよび
メタケイ酸ナトリウムが好ましい。アルカリ剤のハンド
リング性を改善するため、通常アルカリは水溶液として
使用され、特にNaOHの50重量%水溶液(以下NaOH(50
%)と略記する)が使用される。本発明の水性スラリー
組成物中の無機アルカリ化合物(c) の含有量は0.01〜2.
25重量%が好ましい。無機アルカリ化合物(c) の含有量
が0.01重量%未満ではクレーの各無機成分の pH zpc
〔電荷のpHゼロ点(pH zero point of charge)〕を避け
るための高アルカリ側の最適pH範囲 8.5〜11.0にするこ
とができず、好ましくない。また2.25重量%を超えると
スラリーのpHが高くなりすぎ、クレーの分散性が不良と
なり好ましくない。
【0020】また前記アクリル系ポリマー(b) と無機ア
ルカリ化合物(c) の混合物の (b)/(c) の重量比は95/
5〜20/80、好ましくは80/20〜40/60である。 (b)と
(c)の混合物の添加投入量はスラリーのクレーの量に
対して0.05〜5.00重量%、好ましくは 0.1〜3.0 重
量%、更に好ましくは0.15〜2.3 重量%である。上記
(b) と(c) の混合物は混練する前にクレーのスラリーに
添加する。クレーの分散性と流動性を最高にするため、
混合物を混合しポンプで送ってもよい。分散度は混練中
に最高にしなければならないが、溶液のpHに依存してい
る。pHの最良の範囲は8.5 〜11.0であり、特に9.2 〜1
0.3である。このpH範囲であれば、クレーの各無機成分
(例えば、アルミナ、石英など)のほとんどすべての p
Hzpc (電荷のpHゼロ点)を避けることができる。この
ゼロ点において、鉱物化合物の表面は電荷がゼロになり
そのため粘度が最大に達する。
【0021】アルカリ(c)を添加して正しいスラリーのp
Hを与えると、分散剤のポリマー(b)は優れた性能を示
す。一般に粒子が一層良好に分散されたスラリーは、粒
子の分散が劣るスラリーと比べて粘度が低い。本発明の
分散剤 (b)+(c) はスラリー中の固形分を増やすために
添加する。その結果、噴霧造粒の工程でエネルギーが節
約され、かつアトマイザーの生産性が増大する。この噴
霧造粒の工程を終わって得られた粉末生成物によって、
標準の無機分散剤、例えばトリポリリン酸ナトリウムと
メタケイ酸ナトリウムの混合物を用いて製造したタイル
よりも機械的強度が約15〜30%高いセラミックタイル
(グリーン成形体、焼成されたもの)を製造することが
できる。
【0022】本発明に係わるセラミックの分散剤成分
(b)+(c) は、現在の標準の分散剤、例えば伝統的なセ
ラミックタイル産業が使っているトリポリリン酸ナトリ
ウム(STPP) およびメタケイ酸ナトリウム(SMS)の混合
物より性能が優れている。分散剤成分 (b)+(c) の添加
量は標準の分散剤と比べて1/2より少ない量である。
なおこのことはスラリーのクレー含量と関連がある。こ
のようにして粘度とふるい残量(このふるい残量は62〜
63μのふるい上に残るスラリー固体の百分率として測定
される)が同じレベルのスラリーが得られる。しかしス
ラリーの固形分は、約1.5 〜5%、特に2〜3%高く、
かつ標準の無機分散剤と同じレベルのふるい残量に到達
するのに必要な混練時間が短くなる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0024】実施例1 分散剤として表1に示す各種ポリマー(b) /NaOH (50
%) (c) の重量比55/45のものを使用し、セラミック用
水性スラリーを調製した。ポリマー(b) /アルカリ水溶
液(c) の添加量はスラリーのクレー含量に関連している
が、この場合スラリーのクレー含量は65%である。混合
物 (b)+(c) の重量組成は次のとおりである。 ポリマー・・・24.75 % NaOH ・・・22.50 % 水 ・・・52.75 % 実施例1のスラリー類は処理能力が2kgのボールミルを
用いて製造した。充填量は、 500gのクレー、270 gの
水および表1に示す量の分散剤である。混練を8分間行
って混練工程を停止した。スラリーを室温まで冷却し、
次いでそれぞれについてブルックフィールドの粘度計で
粘度を測定し、pHを測定した。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】実施例1からのデータによれば、より優れ
た性能を有するポリマー(スラリーの粘度の測定値)
は、分子量が1000〜30000 の範囲、好ましくは5000〜15
000 のポリアクリレートである。AAとMAのコポリマー
は、低分子量(18000)でAA/MAのモル比=4〜10のもの
が容認可能な性能をもっている。エマルジョンポリマー
{ブチルアクリレート(BuA) −メチルメタクリレート(M
MA) コポリマー)は性能不良である。このポリマーは多
量に使用してもスラリーの粘度が高い。
【0027】分子量が約9000で同じであるが異なる溶媒
を用いて得られたいくつかのポリアクリレートを試験し
た実施例1から得たデータの結果からみて、アルコール
と水の混合物、特に重量比の範囲が1/1〜2/1のIP
A /水およびn−ButOH /水(2/1)中で重合させた
ポリアクリレート類が、分散剤の添加量が最も少なく、
性能が優れている。標準の無機分散剤の、トリポリリン
酸ナトリウム(STPP)とメタケイ酸ナトリウム(SMS)の
混合物は、たとえ添加量を高くしても本発明の分散剤
((b)+(c))より性能が劣っている。
【0028】実施例2 スラリー中のクレー粒子の分散を最高にしかつスラリー
の粘度を一層低くする(1000cps 未満)ためには、スラ
リーのpHレベルは 8.5〜11.0、特に9.2 〜10.3まで到達
させなければならない。このpH範囲は各種の無機クレー
成分のpH zpcを回避する。そのため、アルカリ(c) はポ
リマー(b) とともに添加しなければならず、そして混合
物(b) +(c) は正しいレベルのpHに到達する。実施例2
のスラリーは実施例1と同じ方法で調製した。使用した
ポリマーは、分子量が約9000g/mol のポリアクリル酸
ナトリウムである。実施例2では、表2及び表3に示す
各種アルカリとその異なる量について試験した。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】実施例3 実施例3のスラリー製造工程は実施例1のスラリー製造
工程と同じである。スラリーの粘度、ふるい残量および
固形分を測定した。次のステップで噴霧造粒を行った。
このステップを終わったとき、水分が4〜7%で平均粒
径が 150μ〜600 μの粉末生成物が得られた。次にプレ
ス成形と乾燥の工程を実施した。成形型に加えられる標
準の圧力は約 250kg/cm2 である。生成したセラミック
タイルをこの工程の時点で乾燥し、そのグリーン成形体
の機械的強度を評価した。そのセラミック片をエナメル
と焼成の工程にかけた。焼成を行った後、その機械的強
度と収縮率を測定した。結果を表4に示す。使用した標
準の分散剤はトリポリリン酸ナトリウムとメタケイ酸ナ
トリウムの混合物(重量比1/5)である。ボールミル
に表4に示す成分を充填した。
【0032】
【表4】
【0033】下記の試験結果のスラリーを得た。本発明
のセラミックの分散剤成分 (b)+(c) は、粘度とふるい
残量の試験結果は標準の分散剤と同じ結果になったが、
混練時間は25%短くなり、添加量は標準分散剤の添加量
の37.5%であった。本発明の分散剤成分 (b)+(c) で処
理された噴霧造粒粉末で製造したセラミックタイルは、
グリーン成形体と焼成されたものの機械的強度は優れて
おり、かつ焼結後の収縮率は、標準の分散剤で処理した
粉末を用いて得られた他のタイルより低かった。
【0034】実施例3のスラリーから得たクレー粉末で
セラミックタイルを製造した。セラミックタイルの大き
さは 450×250mm であった。それらのセラミックタイル
の物理特性は下記の通りであった。セラミック用分散剤
成分 (b)+(c) は、グリーン成形体と焼成されたものそ
れぞれの機械的強度を、19%および31%改善した。分散
剤成分(b) と(c) で処理した粉末で製造したタイルは、
標準分散剤で処理した場合より収縮率が低かった。
【0035】本発明をより充分に理解するために、本発
明の製造工程のフローチャートを示す図1を添付してあ
る。図1によれば、最初のステップ1は、各種クレー2
の混合で構成され、次いでスラリー4を製造するための
混練と混合のステップ3となる。ステップ3において分
散剤11が分散性能を付与するため添加され、また水5も
添加される。次の噴霧造粒ステップ6において、特定の
粒径分布を有する粉末が得られる。次にプレス成形工程
7によって、セラミックタイルに最終の形態と大きさが
付与される。エナメル化及び彩色化の工程を実施する前
に、乾燥ステップ8によって、セラミックグリーン成形
体の水分が除かれる。次いで、次のステップ9で、色と
装飾のコーティングがセラミックタイルの表面に施され
る。製造工程は焼成ステップ10で完了する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造工程のフローチャートである。
【符号の説明】
1 最初のステップ 2 各種クレー 3 混練と混合のステップ 4 スラリー 5 水 6 噴霧造粒ステップ 7 プレス成形工程 8 乾燥ステップ 9 エナメル化及び彩色ステップ 10 焼成ステップ 11 分散剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フランシスコ プハダス スペイン国08021バルセロナ,カヤェ ム ンタネール 327−329,セグンド−プリメ ーラ (72)発明者 エミリオ サペス スペイン国08184バルセロナ,パラウ デ プレガマンス,カヤェ アンセルム ク ラベ 18

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 鉱物クレー、(b) 水溶性アクリル系ポ
    リマー、(c) 無機アルカリ化合物、及び(d) 水を含有す
    るセラミック用水性スラリー組成物。
  2. 【請求項2】(a) 鉱物クレー50〜80重量%、 (b) 下記(i)〜(iii)からなる群から選択される水溶
    性アクリル系ポリマー0.02〜2.75重量%、(i)分子量
    が2000〜30000 のポリアクリル酸カリウム、ナトリウム
    もしくはアンモニウム塩、(ii)分子量が8000〜30000
    の、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマーのカリウ
    ム、ナトリウムもしくはアンモニウム塩、(iii)分子量
    が5000〜25000 の、アクリル酸とマレイン酸のコポリマ
    ーのカリウム、ナトリウムもしくはアンモニウム塩 (c) 無機アルカリ化合物0.01〜2.25重量%、及び (d) 水20〜50重量%を含有するセラミック用水性スラリ
    ー組成物。
  3. 【請求項3】 (c) 成分の無機アルカリ化合物が、NaO
    H、KOH 、NH4OH およびメタケイ酸ナトリウムからなる
    群から選択されるものである請求項1又は2記載の水性
    スラリー組成物。
  4. 【請求項4】 (b) 成分の水溶性アクリル系ポリマーと
    (c) 成分の無機アルカリ化合物の重量比が95/5〜20/
    80である請求項1又は2記載の水性スラリー組成物。
  5. 【請求項5】 (b) 成分の水溶性アクリル系ポリマーと
    (c) 成分の無機アルカリ化合物の重量比が80/20〜40/
    60である請求項1又は2記載の水性スラリー組成物。
  6. 【請求項6】 (b) 成分の水溶性アクリル系ポリマー
    が、アルコール−水系溶媒を用いた重合により製造され
    たものである請求項1又は2記載の水性スラリー組成
    物。
  7. 【請求項7】 (b) 成分と(c) 成分の合計量が鉱物クレ
    ーに対して0.05〜5.00重量%である請求項1又は2記載
    の水性スラリー組成物。
  8. 【請求項8】 (b) 成分と(c) 成分の合計量が鉱物クレ
    ーに対して0.15〜2.3 重量%である請求項1又は2記載
    の水性スラリー組成物。
  9. 【請求項9】 下記(i) 及び(ii)の工程からなるセラミ
    ック用原料の製造方法。 (i) 請求項1又は2記載の水性スラリー組成物を製造
    する工程 (ii) 工程(i) で得られた組成物を噴霧造粒して粉末組
    成物を製造する工程
  10. 【請求項10】 請求項9記載の粉末組成物を成形する
    ことによって製造されるセラミックのグリーン成形体。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のグリーン成形体を焼
    成することによって得られるセラミックタイル。
JP6138751A 1993-07-21 1994-06-21 セラミック材料用原料組成物及びその製造方法 Pending JPH0733509A (ja)

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