JPH0733296Y2

JPH0733296Y2 - 車輌用灯具

Info

Publication number: JPH0733296Y2
Application number: JP1990094027U
Authority: JP
Inventors: 勉町田
Original assignee: Koito Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Koito Manufacturing Co Ltd
Priority date: 1990-09-10
Filing date: 1990-09-10
Publication date: 1995-07-31
Anticipated expiration: 2005-07-31
Also published as: JPH0452304U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は、多数の発光ダイオードを光源として使用する
ハイマウントストップランプ等に適用して好適な車輌用
灯具に関するものである。

［従来の技術］近年、車体の形状は、走行時における空気抵抗の低減や
デザイン上の要請等から流線形ないしは丸形が主流を占
めている。このため、前照灯、後退灯の灯具に限らず、
ハイマウントストップランプにおいても、リアスポイラ
ー内蔵タイプ（室内取付）やリアトレイ設置タイプ、リ
アウインド上部取付タイプ（室内取付）等そのいずれも
車体の曲面化に対応した設計、製品化が要求されてい
る。第６図および第７図はこのようなハイマウントスト
ップランプの従来例を示す断面図で、これを概略説明す
ると、１は灯具ボディ、２は灯具ボディ１の前面側開口
部を気密に閉鎖する前面レンズで、これらによって灯具
ユニット３を形成し、内部が灯室3Aとされる。４は灯室
3A内に配設されたプリント基板、５はプリント基板４の
前面に灯具ユニット３の長手方向に一定のピッチＰをも
って一列に並列配置された発光ダイオード、６は前面レ
ンズ２の内面に各発光ダイオード５に対応して一体に形
成された光制御部としてのレンズステップで、例えば凸
レンズで構成され、このレンズステップ６により各発光
ダイオード５からの光を所定の方向に導くようにしてい
る。

なお、ハイマウントストップランプはブレーキ操作時に
点灯することで、ストップランプと共に後続車輌等に注
意を喚起させる。

［考案が解決しようとする課題］ところで、このような従来のハイマウントストップラン
プにおいて、前面レンズ２の水平断面形状が所要の曲率
Ｒで凸曲面に湾曲形成されている場合、プリント基板４
自体はリジッド（エポキシ樹脂、コンポジット等）なた
め、曲面化が難しく、そのため各発光ダイオード５と対
応するレンズステップ６との距離Ｌが一定せず、レンズ
中央において最大となり、レンズ端部に至るにしたがっ
て徐々に小さくなるため、ランプとしての配光特性や、
点灯時の見え方が悪くなると云う問題があった。

すなわち、発光ダイオード５の指向特性により光の拡散
角αは同じでも、距離Ｌが大きいレンズ中央部において
は照射面積が増大するため、第８図に示すように光が互
いに重なり合ってより明るい部分８が生じる。反対に距
離Ｌが小さいレンズ端部においては、第９図に示すよう
に照射面積も小さくなるため、レンズステップ６をその
全体に亙って照射することができず、ステップ開いたに
縞状の暗部９が生じる。

なお、このような問題は前面レンズ２の曲率Ｒが大きく
なればなる程、一層顕著に現れるものである。

そこで、曲率Ｒが大きい場合はこのような問題を解決す
る方法として、通常プリント基板４を分割して各発光ダ
イオード５と前面レンズ２との距離Ｌが一定になるよう
に斜めに配置することが行われている。しかし、このよ
うな構成においても、レンズ中央において分割基板の傾
きによりレンズピッチが大きくなり、縦縞の暗部が生じ
ると云う不都合があった。

したがって、本考案は上記したような従来の問題点に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは、プリン
ト基板を分割して傾斜配置してもレンズ中央に暗部が生
じず、配光特性とランプの見え方を改善し得るようにし
た車輌用灯具を提供することにある。

［課題を解決するための手段］本考案は上記目的を達成するため、水平断面形状が凸曲
面の前面レンズと灯具ボディとで形成される灯室内にプ
リント基板を配設し、このプリント基板に多数の発光ダ
イオードを水平方向に並列配置した車輌用灯具におい
て、前記プリント基板は前記前面レンズの長手方向に並
設された複数個の分割基板からなり、各分割基板は前面
レンズ裏面と略平行になるよう灯具光軸に対して傾斜配
置され、前記前面レンズの裏面には各発光ダイオードに
それぞれ対応して複数個のレンズステップが設けられ、
また前面レンズの中央には中央２つのレンズステップに
それぞれ対応する発光ダイオードからの光を車体前方に
集光する補助レンズステップが設けられているものであ
る。

［作用］本考案において、分割基板は前面レンズ裏面と平行にな
るよう灯具光軸に対して傾斜配置されることで、発光ダ
イオードと前面レンズとの距離を略一定にする。レンズ
中央の補助レンズステップは、中央２つの発光ダイオー
ドからの光を集光し、車体前方に出射させる。

［実施例］以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明
する。

第１図は要部拡大断面図、第２図は本考案をハイマウン
トストップランプに適用した場合の一実施例を示す要部
正面図、第３図は同ランプの要部平面図、第４図は第２
図のIV-IV線拡大断面図、第５図は第２図のＶ−Ｖ線拡
大断面図である。なお、図中第６図〜第９図と同一構成
部品のものに対しては同一符号を以て示し、その説明を
省略する。これらの図において、ハイマウントストップ
ランプ20は、車幅方向に長い灯具ボディ１と前面レンズ
２とからなる灯具ユニット３を有して灯具ボディ１がパ
ッケージトレイ21上に複数個の止めねじ22によって固定
されることにより、リアウインドガラス23の内面に沿っ
て配設され、前面レンズ２の上面がカバー24によって覆
われている。

前記灯具ボディ１は、底面板1Aと、背面板1Bとで構成さ
れることにより、前面および上面が開放している。底面
板1Aの上面後端部には基板用溝25が略全幅に亙って形成
され、下面前端寄りにはねじ取付部26が一体に突設さ
れ、また前端には前下がりに傾斜し、パッケージトレイ
21を覆うエプロン部1Cが一体に延設されている。エプロ
ン部1Cの上面は、その全面に亙ってシボ加工が施されて
いる。

前記前面レンズ２は、前面部2A、上面部2Bおよび左右一
対の側面部（図示せず）とで構成されることにより、下
面および背面が開放し、前記灯具ボディ１に不図示の係
合片によってランス結合されると共に、超音波溶着され
ている。前記前面部2Aは、水平断面形状が略左右対称な
凸曲面となるように適宜な曲率Ｒを以て湾曲形成されて
おり、その表面には小さな多数の凸レンズからなる拡散
レンズ29が全面に亙って形成され、裏面には同じく凸レ
ンズからなる多数のレンズステップ６が各発光ダイオー
ド５に対応して形成されている。レンズステップ６は、
中央２つのレンズステップ6a、6b（第１図）が灯具光軸
Ｈ（前面レンズ２の左右方向中心線）上で接するように
設けられている。さらに、前面部2Aの中央には、補助レ
ンズステップ30が一体に形成されている。この補助レン
ズステップ30は、第１図に示すように水平断面形状が灯
具後方側に凸となるＶ字状のステップとされることによ
り、その前面がＶ字状に凹む縦方向の溝31とされ、裏面
がＶ字状に突出する縦方向の突起32とされる。溝31の左
右両側壁31a、31bは、凸曲面とされ、その両端が前面部
2Aの表面に接続されている。突起32の左右両側壁32a、3
2bは、凹曲面とされ、その両端が補助レンズステップ30
の両側に位置する中央２つのレンズステップ6a、6bの表
面中央部に接続されている。つまり、補助レンズステッ
プ30の突起32は、レンズステップ6a、6bの略半分とそれ
ぞれ重合して形成されている。

この場合、前記側壁31a、31b、32a、32bは、前面レンズ
２の中央部分Ａの光度分布が略均一になるような曲率を
もって形成される。

前記プリント基板４は、灯具中央において分割された２
つの分割基板4A、4Bで構成されている。そして、分割基
板4A、4Bは前方側に凸となる平面視Ｖ字状に配設される
ことにより、発光ダイオード５とレンズステップ６との
距離Ｌが略一定かつ最適距離となるよう灯具光軸Ｈに対
して傾斜しており、その下端が前記灯具ボディ１の底面
板1A上面に形成された基板用溝25（第４図）に挿入保持
され、上端が前面レンズ２の上面部2Bの内側面にガスケ
ット35を介して固定されている。このため、前記基板用
溝25は平面視Ｖ字状に形成されている。

前面レンズ２の上面を覆う前記カバー24は、係合片36、
37（第４図）によって灯具ボディ１にランス結合されて
いる。

かくしてこのような構成からなるハイマウントストップ
ランプ20にあっては、プリント基板４を分割基板4A、4B
で構成して灯具光軸Ｈに対して傾斜配置し、前面レンズ
２と発光ダイオード５との距離Ｌを略一定にしているの
で、各発光ダイオード５が対応するレンズステップ６を
その全幅に亙って過不足なく良好に照射する。

ここで、補助レンズステップ30を備えないものにおいて
は、レンズ中央のレンズステップ6a、6bについてみる
と、分割基板4A、4Bの配置構成により他の部分と異な
り、レンズピッチがPc＞Ｐとなる。したがって、レンズ
中央部分が各分割基板4A、4Bの中央側端部に設けられた
発光ダイオード5a、5bによっては良好に照射されずPc−
Ｐの幅で暗部が生じる。

これに対して、本考案のように補助レンズステップ30を
レンズ中央に設けておくと、突起32の両側壁32a、32bに
入射した発光ダイオード5a、5bの光40、41が、レンズ中
央側に屈折し、溝31の両側壁31a、31bから外部へ出射す
る際、入射時と反対方向に屈折して灯具光軸Ｈと略平行
な平行光となる。

つまり、本考案においては補助レンズステップ30が、２
つの分割基板4a、4bの中央側端部にそれぞれ設けられた
中央２つの発光ダイオード5a、5bからの光を集光し、車
体前方に出射するため、レンズ中央部分に縦縞の暗部が
生じず、レンズ中央部分Ａを他の部分と略同一の明るさ
で良好に照射することができるものである。

なお、上記実施例は突起32をＶ字状としたが、その頂部
（第１図斜線部）には発光ダイオード５の指向特性によ
り光が入射しないため、平坦面としてもよい。

［考案の効果］以上説明したように本考案に係る車輌用灯具にあって
は、前面レンズが凸曲面とされ、プリント基板を分割形
成して前面レンズ裏面と平行になるように傾斜して配置
し、各分割基板に並列配置した発光ダイオードと前面レ
ンズの裏面に形成したレンズステップとの距離を略一定
にし、且つ前面レンズの中央に補助レンズステップを設
け、これによって中央２つの発光ダイオードからの光を
集光し、車体前方に出射するように構成したので、前面
レンズの中央に縦縞状の暗部が生じず、レンズ全面を略
均一な明るさで照明することができ、照明効果およびラ
ンプの見え方を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部拡大断面図、第２図は本考案をハイマウン
トストップランプに適用した場合の一実施例を示す要部
正面図、第３図は同ランプの要部平面図、第４図は第２
図のIV-IV線拡大断面図、第５図は第２図のＶ−Ｖ線拡
大断面図、第６図は従来のハイマウントストップランプ
の断面図、第７図は第６図のVII-VII線断面図、第８図
は光の重なり合いを示す図、第９図は暗部の発生を示す
図である。１……灯具ボディ、２……前面レンズ、３……灯具ユニ
ット、3A……灯室、４……プリント基板、4A、4B……分
割基板、５、5a、5b……発光ダイオード、６……レンズ
ステップ、30……補助レンズステップ、Ｈ……灯具光
軸。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】水平断面形状が凸曲面の前面レンズと灯具
ボディとで形成される灯室内にプリント基板を配設し、
このプリント基板に多数の発光ダイオードを水平方向に
並列配置した車輌用灯具において、前記プリント基板は前記前面レンズの長手方向に並設さ
れた複数個の分割基板からなり、各分割基板は前面レン
ズ裏面と略平行になるよう灯具光軸に対して傾斜配置さ
れ、前記前面レンズの裏面には各発光ダイオードにそれ
ぞれ対応して複数個のレンズステップが設けられ、また
前面レンズの中央には中央２つのレンズステップにそれ
ぞれ対応する発光ダイオードからの光を車体前方に集光
する補助レンズステップが設けられていることを特徴と
する車輌用灯具。