JPH0733261Y2 - クリーニング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電子写真複写機，プリンタ等の画像形成装置
において使用される感光体のクリーニング装置に関す
る。

〔従来の技術〕

たとえば、電子写真複写機においては、第３図に示すよ
うに、矢印方向に回転するドラム状の感光体１の表面
が、帯電コロトロン２により一様に帯電された後、露光
部３において原稿からの反射光Ｌにより露光されて、感
光体１上に静電潜像が形成される。そして、この静電潜
像は、現像器４によりトナーで現像された後、シュート
５から送られてきた用紙に、転写コロトロン６により転
写される。転写後の用紙は、剥離コロトロン７及び剥離
爪８により感光体１から剥離された後、搬送ベルト９に
より定着器（図示せず）方向に送られる。また、転写後
に感光体１上に残ったトナーは、クリーニング装置10に
より除去された後、再度画像形成プロセスが繰り返され
る。

上述のクリーニング装置としては、構造が簡単である等
の理由からクリーニングブレード方式のものが使用され
ることが多い。この方式は、弾性材からなるクリーニン
グブレードを感光体に圧接してトナーを掻き落とすもの
である。

ところで、感光体上にはトナーだけでなく、用紙から発
生するロジン，タルク或いは各コロトロンの放電により
発生する放電生成物等の異物が付着しているが、これら
の異物は、感光体に対してトナーよりも強固に付着して
いるので、クリーニングブレードで充分に除去すること
はできない。

そこで、特開昭60−212789号公報，特開昭60−8887号公
報等に開示されているように、クリーニングブレードに
より掻き落とされたトナーを、磁石を利用して再度感光
体に付着させるクリーニング装置が提案されている。

すなわち、特開昭60−212789号公報に記載のクリーニン
グ装置においては、回転磁気ローラとその外周に配置さ
れた非磁性体のスリーブからなるトナー塗布ローラを設
け、このトナー塗布ローラにより感光体に回収トナーを
再度付着させている。また、特開昭60−8887号公報にお
いても、環状に複数の磁極が配置された現像剤供給手段
としてのマグネットローラを設け、このマグネットロー
ラ上に形成された磁気ブラシを感光体に摺接させること
により感光体にトナーを付着させている。

しかしながら、上述の各公報に記載のクリーニング装置
においては、現像器で使用するものと同様な、環状に複
数の磁極が形成された磁気ローラ及びこれを覆う固定の
スリーブからなるトナー塗布ローラ等を使用する必要が
あるので、構成が複雑になるという問題があった。

そこで、クリーニング装置のハウジング内に、トナー搬
送用のパドルに摺接して間歇駆動される揺動板を設け、
この揺動板に磁石を取り付けることが本出願人により特
願昭63−121887号として提案されている。この磁石を感
光体に対して揺動させるクリーニング装置においては、
揺動板が断面「王」字状のパドルにより間歇駆動され、
クリーニングブレードにより感光体から掻き落とされ磁
石に付着したトナーが、磁石が感光体に近づいたとき
に、静電力により磁石から感光体に再度付着する。ま
た、パドルとして断面「十」字状のものが使用されるこ
ともある。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、パドルとして断面「王」字状或いは
「十」字状のものを使用すると、パドルの断面に角部が
存在するため、この角部が揺動板の側面に衝突したと
き、或いは、揺動板が角部から外れて谷部に落ち込んだ
ときに衝突音が発生する。この衝突音はパドルの一回転
で複数回発生するもので、パルド回転中は騒音が連続し
て発生することになる。

本考案は、前記問題点を解決するために案出されたもの
であって、パドルと揺動板を滑らかに摺接させることに
より、騒音の発生を防止することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案のクリーニング装置は、前記目的を達成するため
に、クリーニングブレードにより掻き落とされたトナー
を回転運動により後段に搬送し、且つ、磁石が取り付け
られた揺動板に当接して前記磁石と感光体との間の距離
を周期的に変更するパドルの断面形状を、径大部及び径
小部を有し且つ両者間が滑らかな曲線で結ばれた形状と
したことを特徴とする。

〔実施例〕

以下、図面を参照しながら実施例に基づいて本考案の特
徴を具体的に説明する。

第１図は本考案のクリーニング装置が適用された複写装
置の概略断面図を示す。

クリーニング装置10はハウジング11は、上部ハウジング
11aと下部ハウジング11bに分割されたおり、上下部ハウ
ジング11a,11bで囲まれる空間の前部すなわち感光体１
側に、感光体１から磁性一成分のトナーを掻き落とすト
ナー回収空間Ｐが形成され、ハウジング11の後部には、
回収されたトナーを溜め置くトナー収容空間Ｑが形成さ
れている。トナー収容空間Ｑ内には、収容されたトナー
を、Ｕ字状のパイプ（図示せず）及び中空の回転軸1aを
介して感光体１の中空部に搬送するための回転オーガ12
が設けられている。

上部ハウジング11aの前端側には、取付部材13aを介して
弾性材等からなるクリーニングブレード13が取り付けら
れ、同クリーニングブレード13の先端が感光体１の表面
に圧接されることにより、感光体１の表面からトナーが
掻き落とされる。また、下部ハウジング11bの前端側に
は、掻き落とされたトナーがハウジング11外に飛散する
のを防止するためのシール部材14が取付部材14aを介し
て取り付けられている。

クリーニングブレード13により掻き落とされたトナー
は、トナー回収空間Ｐの下部に設けられた軸15aを中心
として矢印方向に回転駆動される断面偏心円形状のパド
ル15により、トナー収容空間のＱ方向に送られる。この
パドル15は、略感光体１の全幅にわたって断面偏心円形
状となっており、たとえば、1.4mmの偏心量を有してい
る。すなわち、パドル15の円形状自体の中心と回転中心
とが1.4mm離れている。

また、上部ハウジング11aの中間部に形成されたリブ11c
に、可撓性部材からなるトナーシール16の基端側が固定
され、遊端側が前記パドル15に圧接されることにより、
トナー回収空間Ｐとトナー収容空間Ｑとが仕切られてい
る。

更に、トナー回収空間Ｐ内には、基端部が軸17aにより
ハウジング11の側壁11dに枢着され、遊端部17bが前記パ
ドル15に圧接される揺動板17が設けられ、この揺動板17
の中間部の遊端部寄りの部分に略感光体１の全幅にわた
って磁石18が取りつけられている。また、揺動板17の中
間部の基端部寄りの部分と側壁11dに植立されたピン11e
と間にスプリング19が張架され、揺動板17はパドル15側
に弾性的に付勢される。クリーニングブレード13により
掻き落とされたトナーは、前述したように磁性一成分で
あるので、磁石18に吸着される。なお、上記揺動板17に
は、第２図に示すように、長手方向に沿って透孔17cが
形成されている。

前記パドル15は、感光体１の回転に連動して回転するの
で、パドル15の径大部15bが感光体１側に位置したと
き、揺動板17は感光体１側に押されて近づき、パドル15
の径小部15cが感光体１側に位置したとき、揺動板17は
スプリング19により引かれて感光体１から離れる。した
がって、磁石18は、感光体１の表面に対して周期的に接
近，離隔を繰り返す。

磁石18にはクリーニングブレード13により掻き落とされ
たトナーが吸着するので、磁石18が感光体１の表面に対
して接近したとき、このトナーが、感光体１の表面に存
在するトナーとは逆極性の電荷により静電的に引かれて
感光体１に付着する。したがって、感光体１上にはトナ
ーが断続的に付着されることになる。

また、磁石18は感光体１の表面から離れたときに、クリ
ーニングブレード13により掻き落とされたトナーは、ハ
ウジング11の下部に落下する。

このとき、揺動板17は、感光体１方向の半径が滑らかに
変化する偏心円の周辺に当接して揺動するので、揺動板
17の移動速度の変化も滑らかなものとなる。したがっ
て、衝突音は発生せず騒音がなくなる。なお、トナーの
搬送に関しては、パドル15の径大部15aが下方を通過す
るときに、この径大部15aがトナーをトナー収容空間Ｑ
に送り出すので問題は生じない。

なお、前記パドル15の偏心量は、図に示される磁石18の
往復運動するストローク量によって決まるが、実験によ
ればこのストローク量は、1.5mm以上必要であり、これ
以下であると、クリーニング不良が発生した。すなわ
ち、スロトーク量が小さすぎると、磁石18が感光体１の
表面から充分離れることができず、クリーニングブレー
ド13により感光体１の表面から掻き落とされたトナー
が、磁石18と感光体１の表面との間に詰まってハウジン
グ11の下部まで落下せずに、磁石18の上に堆積してしま
う。トナーの堆積量が多くなると、堆積トナーがクリー
ニングブレード13の位置まで達してしまい、クリーニン
グが正常に行われなくなる。

本実施例では、偏心量が1.4mmであるので磁石18のスト
ローク量は2.8mmとなり、1.5mmより充分大きく、磁石18
が感光体１の表面から充分離れることができ、磁石18が
感光体１の表面との間にトナーが詰まることはない。な
お、磁石18と感光体１の表面との最大間隔に関しては特
に制限はなく、スペースの許す範囲で自由に設定でき
る。

磁石18から感光体１に付着したトナーは、クリーニング
ブレード13により再度掻き落とされるが、このときトナ
ーは、ロジン，タルク，放電生成物等の異物に対する研
磨材として作用し、クリーニングブレード13によりこれ
らの異物が効果的に除去される。

クリーニングブレード13により回収されたトナーの一部
は、揺動板17と感光体１の間に流れ落ちるが、このトナ
ーは、揺動板17に形成された透孔17c（第２図参照）を
介してパドル15側に溢れ出る。したがって、トナーが揺
動板17と感光体１の間に溜まって固まったりすることが
ない。

なお、上述の実施例においては、パドル15として断面が
偏心円形状のものを使用したがこれに限定されるもので
はなく、径小部と径大部が存在し且つこれらの間が滑ら
かな曲線で結ばれている形状であればよく、たとえば、
楕円形状，長円形状或いは卵形状のものを使用できる。
但し、製造の容易性を考えると、偏心円形状が望まし
い。

〔考案の効果〕

以上に述べたように、本考案によれば、感光体にトナー
を再付着させるための磁石が取り付けられた揺動板を、
回転半径が連続的に滑らかに変化する、たとえば、偏心
円形状のパドルで駆動するようにしている。これによ
り、揺動板の移動速度の変化は滑らかなものとなり、騒
音の発生が防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の複写装置の概略断面図、第２図
は揺動板の正面図、第３図は一般的な複写装置の概略断
面図である。 1:感光体、2:帯電コロトロン 3:露光部、4:現像器 5:シュート、6:転写コロトロン 7:剥離コロトロン、8:剥離爪 9:搬送ベルト、10:クリーニング装置 11:ハウジング、11a:上部ハウジング 11b:下部ハウジング、11c:リブ 11d:側壁、11e:ピン 12:回転オーガ 13:クリーニングブレード 13a:取付部材、14:シール部材 14a:取付部材、15:パドル 15a:軸、15b:径大部 15c:径小部、16:トナーシール 17:揺動板、17a:軸 17b:遊端部、17c:透孔 18:磁石、19:スプリング L:反射光、P:トナー回収空間 Q:トナー収容空間

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】クリーニングブレードにより掻き落とされ
   たトナーを回転運動により後段に搬送し、且つ、磁石が
   取り付けられた揺動板に当接して前記磁石と感光体との
   間の距離を周期的に変更するパドルの断面形状を、径大
   部及び径小部を有し且つ両者間が滑らかな曲線で結ばれ
   た形状としたことを特徴とするクリーニング装置。