JPH07332458A - 動力伝達軸構造 - Google Patents
動力伝達軸構造Info
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- JPH07332458A JPH07332458A JP6145618A JP14561894A JPH07332458A JP H07332458 A JPH07332458 A JP H07332458A JP 6145618 A JP6145618 A JP 6145618A JP 14561894 A JP14561894 A JP 14561894A JP H07332458 A JPH07332458 A JP H07332458A
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- shaft
- gear
- power transmission
- transmission shaft
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】曲げ剛性が大きく且つ捻り剛性の小さい動力伝
達軸を簡略な構造で実現し、生産性の向上と生産コスト
の低減を図ることを目的とする。 【構成】回転動力を入力する入力部材2と、前記入力部
材2に一端を連結された回転軸1と、前記回転軸1の他
端に連結され、前記入力部材から入力された回転動力を
他の部材へ出力する出力部材4とを備え、前記回転軸1
の表面には、軸方向に沿って複数の溝を設けたことを特
徴とする動力伝達軸構造。
達軸を簡略な構造で実現し、生産性の向上と生産コスト
の低減を図ることを目的とする。 【構成】回転動力を入力する入力部材2と、前記入力部
材2に一端を連結された回転軸1と、前記回転軸1の他
端に連結され、前記入力部材から入力された回転動力を
他の部材へ出力する出力部材4とを備え、前記回転軸1
の表面には、軸方向に沿って複数の溝を設けたことを特
徴とする動力伝達軸構造。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のトランスミッシ
ョン、トランスファ等の歯車装置において、回転動力を
伝達する動力伝達軸に関する。
ョン、トランスファ等の歯車装置において、回転動力を
伝達する動力伝達軸に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両のトランスミッション等で
は、動力伝達軸は、両端にギヤを有し、一端のギヤから
入力される回転動力を他端のギヤから他のシャフトのギ
ヤへ出力する機能を有している。
は、動力伝達軸は、両端にギヤを有し、一端のギヤから
入力される回転動力を他端のギヤから他のシャフトのギ
ヤへ出力する機能を有している。
【0003】ここで、自動車のトランスミッションの場
合には、動力伝達軸は、エンジンから出力される動力を
伝達するため、高い強度と耐久性とが要求される。この
要求に応じて剛性の高い動力伝達軸を用いると、ギヤの
噛み合い時に起振力によるギヤノイズが発生するという
問題がある。この問題を解決するために、動力伝達軸を
細長い形状にして捻り剛性を小さくし、ギヤの噛み合い
時の起振力を動力伝達軸に吸収させる方法が考えられ
る。しかし、この場合には、動力伝達軸の捻り剛性だけ
でなく、曲げ剛性も同時に低下し、軸強度及び耐久性が
低下するばかりでなく、軸のたわみ量が増加してギヤの
片当り量が大きくなるという問題がある。つまり、動力
伝達軸の場合には、ギヤの噛み合い時の起振力を低下さ
せるために軸の捻り剛性を小さくすると同時に、強度及
び耐久性の向上とギヤの片当りとを抑制するために曲げ
剛性を大きくする必要がある。
合には、動力伝達軸は、エンジンから出力される動力を
伝達するため、高い強度と耐久性とが要求される。この
要求に応じて剛性の高い動力伝達軸を用いると、ギヤの
噛み合い時に起振力によるギヤノイズが発生するという
問題がある。この問題を解決するために、動力伝達軸を
細長い形状にして捻り剛性を小さくし、ギヤの噛み合い
時の起振力を動力伝達軸に吸収させる方法が考えられ
る。しかし、この場合には、動力伝達軸の捻り剛性だけ
でなく、曲げ剛性も同時に低下し、軸強度及び耐久性が
低下するばかりでなく、軸のたわみ量が増加してギヤの
片当り量が大きくなるという問題がある。つまり、動力
伝達軸の場合には、ギヤの噛み合い時の起振力を低下さ
せるために軸の捻り剛性を小さくすると同時に、強度及
び耐久性の向上とギヤの片当りとを抑制するために曲げ
剛性を大きくする必要がある。
【0004】これらの要求に応じて特開平5−2726
04号(歯車装置における動力伝達軸構造)(図11参
照)が開示されている。この特開平5−272604号
では、駆動力伝達軸は、筒状の外側軸17とこの外側軸
17の内方に挿入された内側軸18との二重構造を採用
している。そして、外側軸17内周面の一端と内側軸1
8外周面の一端部には、相互に嵌合するスプラインを設
け、外側軸17の回転動力を内側軸18に伝達可能とし
ている。一方、外側軸17他端部の内周面と内側軸18
他端部の外周面との間には、ブッシュ等の介材を設け
て、内側軸18が外側軸17に対して回転自在になるよ
うにしてある。
04号(歯車装置における動力伝達軸構造)(図11参
照)が開示されている。この特開平5−272604号
では、駆動力伝達軸は、筒状の外側軸17とこの外側軸
17の内方に挿入された内側軸18との二重構造を採用
している。そして、外側軸17内周面の一端と内側軸1
8外周面の一端部には、相互に嵌合するスプラインを設
け、外側軸17の回転動力を内側軸18に伝達可能とし
ている。一方、外側軸17他端部の内周面と内側軸18
他端部の外周面との間には、ブッシュ等の介材を設け
て、内側軸18が外側軸17に対して回転自在になるよ
うにしてある。
【0005】そして、外側軸17の一端部に回転動力を
入力する入力部材としてハスバ歯車19を形成すると共
に、内側軸18の他端部に回転動力を出力する出力部材
としてハスバ歯車20を形成してある。ここで、ハスバ
歯車19から入力された回転動力は、外側軸17へ伝達
され、さらにスプライン結合された内側軸18へ伝達さ
れる。そして、内側軸18からハスバ歯車20を介して
他の回転軸へ伝達する。このとき、内側軸17と外側軸
18の少なくとも一方の捻り剛性を小さくすることによ
り、他のギヤとの噛み合い時に発生するノイズを防止す
ることができる。また、シャフトを二重構造としたこと
により、ギヤの噛み合い時に発生するシャフトのたわみ
を防止することができる。
入力する入力部材としてハスバ歯車19を形成すると共
に、内側軸18の他端部に回転動力を出力する出力部材
としてハスバ歯車20を形成してある。ここで、ハスバ
歯車19から入力された回転動力は、外側軸17へ伝達
され、さらにスプライン結合された内側軸18へ伝達さ
れる。そして、内側軸18からハスバ歯車20を介して
他の回転軸へ伝達する。このとき、内側軸17と外側軸
18の少なくとも一方の捻り剛性を小さくすることによ
り、他のギヤとの噛み合い時に発生するノイズを防止す
ることができる。また、シャフトを二重構造としたこと
により、ギヤの噛み合い時に発生するシャフトのたわみ
を防止することができる。
【0006】ところで、上記した引例によれば、二重構
造を採用することにより捻り剛性の低下及び曲げ剛性の
向上を図っているが、構造が複雑で生産性が悪く、コス
トがかかるという問題がある。
造を採用することにより捻り剛性の低下及び曲げ剛性の
向上を図っているが、構造が複雑で生産性が悪く、コス
トがかかるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記
問題点に鑑みてなされたものであり、曲げ剛性が大きく
且つ捻り剛性の小さい動力伝達軸を、簡略な構造で実現
し、生産性の向上と生産コストの低減を図ることを課題
とする。
問題点に鑑みてなされたものであり、曲げ剛性が大きく
且つ捻り剛性の小さい動力伝達軸を、簡略な構造で実現
し、生産性の向上と生産コストの低減を図ることを課題
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。すなわち、〔1〕
回転動力を入力する入力部材2・11と、この入力部材
2・11に一端を連結された回転軸1・10と、この回
転軸1・10の他端に連結され、前記入力部材2・11
から入力された回転動力を他の部材へ出力する出力部材
4・14とを備え、前記回転軸1・10の表面には軸方
向に沿って複数の溝1a・10aを設けたことを特徴と
している(請求項1に対応)。
決するため、以下の手段を採用した。すなわち、〔1〕
回転動力を入力する入力部材2・11と、この入力部材
2・11に一端を連結された回転軸1・10と、この回
転軸1・10の他端に連結され、前記入力部材2・11
から入力された回転動力を他の部材へ出力する出力部材
4・14とを備え、前記回転軸1・10の表面には軸方
向に沿って複数の溝1a・10aを設けたことを特徴と
している(請求項1に対応)。
【0009】〔2〕また、上記〔1〕において、複数の
溝1a・10aは、回転軸1・10の中心軸と重心とが
一致する位置に設けることが好ましい。つまり、回転軸
1・10の回転時に、前記回転軸1・10の円周上の如
何なる点に対しても均等な遠心力が作用するようにする
(請求項2に対応)。
溝1a・10aは、回転軸1・10の中心軸と重心とが
一致する位置に設けることが好ましい。つまり、回転軸
1・10の回転時に、前記回転軸1・10の円周上の如
何なる点に対しても均等な遠心力が作用するようにする
(請求項2に対応)。
【0010】〔3〕さらに、前記〔1〕において、回転
軸1・10は、トランスミッションケースに軸受8・9
・16を介して支持されるようにしてもよい。例えば、
回転軸1・10は、自動車のトランスミッションにおい
て、マニュアルトランスミッションのメインシャフト、
マニュアルトランスミッションのカウンタシャフト、オ
ートマチックトランスミッションのピニオンシャフト、
あるいは無段変速機(NCV)において一端にハスバ歯
車を連結し他端にプーリを連結したシャフト等である
(請求項3に対応)。
軸1・10は、トランスミッションケースに軸受8・9
・16を介して支持されるようにしてもよい。例えば、
回転軸1・10は、自動車のトランスミッションにおい
て、マニュアルトランスミッションのメインシャフト、
マニュアルトランスミッションのカウンタシャフト、オ
ートマチックトランスミッションのピニオンシャフト、
あるいは無段変速機(NCV)において一端にハスバ歯
車を連結し他端にプーリを連結したシャフト等である
(請求項3に対応)。
【0011】〔4〕また、前記〔1〕において、入力部
材2・11と出力部材4・14との少なくとも一方は、
円盤状の部材の円周上にハスバを形成したハスバ歯車で
あるようにしてもよい(請求項4に対応)。
材2・11と出力部材4・14との少なくとも一方は、
円盤状の部材の円周上にハスバを形成したハスバ歯車で
あるようにしてもよい(請求項4に対応)。
【0012】
【作用】前記〔1〕の構成によれば、回転軸1・10の
表面に設けた溝1a・10aにより、回転軸1・10の
曲げ剛性が大きく、且つ捻り剛性の小さい回転軸1・1
0を実現できる。
表面に設けた溝1a・10aにより、回転軸1・10の
曲げ剛性が大きく、且つ捻り剛性の小さい回転軸1・1
0を実現できる。
【0013】また、前記〔2〕の構成によれば、回転軸
1・10の回転時に、回転軸1・10の円周上において
何れの位置においても均等な遠心力が作用するため、回
転軸1・10のぶれを抑えることができる。
1・10の回転時に、回転軸1・10の円周上において
何れの位置においても均等な遠心力が作用するため、回
転軸1・10のぶれを抑えることができる。
【0014】さらに、前記〔3〕の構成によれば、入力
部材2・11からの回転動力の入力、あるいは出力部材
4・14から他の部材に対する回転動力の出力(伝達)
により発生する起振力を回転軸1・10の捻れにより抑
制し、トランスミッションのギヤノイズ及び振動を低減
することができる。
部材2・11からの回転動力の入力、あるいは出力部材
4・14から他の部材に対する回転動力の出力(伝達)
により発生する起振力を回転軸1・10の捻れにより抑
制し、トランスミッションのギヤノイズ及び振動を低減
することができる。
【0015】また、前記〔4〕の構成によれば、入力部
材2・11あるいは出力部材4・14が他のハスバ歯車
と噛み合うことにより発生する起振力を、回転軸1・1
0の捻れにより抑制することができると同時に、特に回
転軸1・10に対向するスラスト力が作用する場合に顕
著に発生する回転軸1・10の曲げ応力に対して回転軸
1・10のたわみを防止することができる。
材2・11あるいは出力部材4・14が他のハスバ歯車
と噛み合うことにより発生する起振力を、回転軸1・1
0の捻れにより抑制することができると同時に、特に回
転軸1・10に対向するスラスト力が作用する場合に顕
著に発生する回転軸1・10の曲げ応力に対して回転軸
1・10のたわみを防止することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 <第1の実施例>図1から図3は、本発明の第1の実施
例を示す。図1は、特開平5−39848号公報等で公
知の自動車の無段変速機(CVT)の断面図であり、ド
ライブギヤ3と、アウトプットギヤ6と、アイドラギヤ
5とを備えると共に、本発明の動力伝達軸構造を適用し
たカウンタシャフト1と、入力部材としてのドリブンギ
ヤ2と、出力部材としてのカウンタギヤ4とを備えてい
る。以下、各構成要素について説明する。
する。 <第1の実施例>図1から図3は、本発明の第1の実施
例を示す。図1は、特開平5−39848号公報等で公
知の自動車の無段変速機(CVT)の断面図であり、ド
ライブギヤ3と、アウトプットギヤ6と、アイドラギヤ
5とを備えると共に、本発明の動力伝達軸構造を適用し
たカウンタシャフト1と、入力部材としてのドリブンギ
ヤ2と、出力部材としてのカウンタギヤ4とを備えてい
る。以下、各構成要素について説明する。
【0017】〔ドリブンギヤ2〕ドリブンギヤ2は、円
盤の円周上にハスバを形成したハスバ歯車であり、カウ
ンタシャフト1の一端に連結されていると同時にドライ
ブギヤ3に噛合している。そして、ドリブンギヤ2は、
ドライブギヤ3が図示しないエンジンからの回転動力を
受けると、ドライブギヤ3の回転にともなって回転し、
カウンタシャフト1を回転させる。
盤の円周上にハスバを形成したハスバ歯車であり、カウ
ンタシャフト1の一端に連結されていると同時にドライ
ブギヤ3に噛合している。そして、ドリブンギヤ2は、
ドライブギヤ3が図示しないエンジンからの回転動力を
受けると、ドライブギヤ3の回転にともなって回転し、
カウンタシャフト1を回転させる。
【0018】〔カウンタギヤ4〕カウンタギヤ4は、円
盤の円周上にハスバを形成したハスバ歯車であり、カウ
ンタシャフト1の他端に連結されていると同時にアイド
ラギヤ5と噛合している。ここで、アイドラギヤ5はア
ウトプットギヤ6と噛合しており、カウンタギヤ6は、
カウンタシャフト1の回転をアイドラギヤ5を介してア
ウトプットギヤ6へ伝達させる。
盤の円周上にハスバを形成したハスバ歯車であり、カウ
ンタシャフト1の他端に連結されていると同時にアイド
ラギヤ5と噛合している。ここで、アイドラギヤ5はア
ウトプットギヤ6と噛合しており、カウンタギヤ6は、
カウンタシャフト1の回転をアイドラギヤ5を介してア
ウトプットギヤ6へ伝達させる。
【0019】〔カウンタシャフト1〕カウンタシャフト
1は、ボールベアリング8及びボールベアリング9を介
して回転自在にトランスミッションケース7に支持され
ている。そして、カウンタシャフト1は、前述したよう
に一端にドリブンギヤ2を連結し、他端にカウンタギヤ
4を連結している。
1は、ボールベアリング8及びボールベアリング9を介
して回転自在にトランスミッションケース7に支持され
ている。そして、カウンタシャフト1は、前述したよう
に一端にドリブンギヤ2を連結し、他端にカウンタギヤ
4を連結している。
【0020】図2は、カウンタシャフト1の斜視図であ
り、図3は、カウンタシャフト1の断面図である。第1
の実施例では、カウンタシャフト1は円筒状のシャフト
の周囲に軸方向に沿って複数の溝1aを設けている。
尚、複数の溝1aは、カウンタシャフト1の円周上にお
いて何れの位置に対しても均等の遠心力が作用するよう
な位置に設けてある。
り、図3は、カウンタシャフト1の断面図である。第1
の実施例では、カウンタシャフト1は円筒状のシャフト
の周囲に軸方向に沿って複数の溝1aを設けている。
尚、複数の溝1aは、カウンタシャフト1の円周上にお
いて何れの位置に対しても均等の遠心力が作用するよう
な位置に設けてある。
【0021】〔溝付シャフトの剛性に関する説明〕ここ
で、溝付のシャフトの剛性について、最も単純な形状を
なす十字形断面の溝付シャフト(図4参照)を例に挙げ
て説明する。
で、溝付のシャフトの剛性について、最も単純な形状を
なす十字形断面の溝付シャフト(図4参照)を例に挙げ
て説明する。
【0022】一般に、材質が同一の場合には、曲げ剛性
は断面二次モーメントの大きさで特定することができ
る。以下、後述するシャフトの材質は総て同一のものと
して各々を比較する。
は断面二次モーメントの大きさで特定することができ
る。以下、後述するシャフトの材質は総て同一のものと
して各々を比較する。
【0023】溝付シャフトの断面二次モーメントI
1は、以下の式(1)から算出することができる。
1は、以下の式(1)から算出することができる。
【0024】
【数1】 I1=1/12・(bh3 )+1/12・(h−b)/2・b3 ・2 =1/12・(bh3 )+1/12(h−b)・b3 =1/12・b(h3 +hb2 −b3 ) ・・・・・・・・・・・式(1) ここで、断面が図4に図示した諸元で定義される十字型
の溝付シャフトの断面二次モーメントI1と、幅がbで
高さがhの長方形断面をなすシャフトの断面二次モーメ
ントI2とを比較すると、I1>I2は自明である。
の溝付シャフトの断面二次モーメントI1と、幅がbで
高さがhの長方形断面をなすシャフトの断面二次モーメ
ントI2とを比較すると、I1>I2は自明である。
【0025】そして、断面が長方形のシャフトの断面二
次モーメントI2は、以下の式(2)で表すことができ
る。
次モーメントI2は、以下の式(2)で表すことができ
る。
【0026】
【数2】 I2=1/12・bh3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(2) また、図5に示す断面が直径dの真円をなすシャフトの
断面二次モーメントI3は、以下の式(3)で表すこと
ができる。
断面二次モーメントI3は、以下の式(3)で表すこと
ができる。
【0027】
【数3】 I3 =π/64・d4・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 式(3) ここで、h=dのとき、I2≧I3を満たすbの値を求め
ると、bは以下の式(4)のようになる。尚、ここで、
h=dを条件とした理由は、本発明の溝付シャフトの外
径寸法を従来の溝付シャフトの外径寸法と略同一とした
場合の曲げ剛性の比較を行う為である。
ると、bは以下の式(4)のようになる。尚、ここで、
h=dを条件とした理由は、本発明の溝付シャフトの外
径寸法を従来の溝付シャフトの外径寸法と略同一とした
場合の曲げ剛性の比較を行う為である。
【0028】
【数4】 b≦3/16・πh・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(4) 従って、I1>I2と、I2≧I3(b≦3/16・πhの
とき)とに基づいて、b≦3/16・πhならば、I1
>I3が成立する。
とき)とに基づいて、b≦3/16・πhならば、I1
>I3が成立する。
【0029】そして、b=3/16・πhを式(1)に
代入すると、以下の式(5)が成立する。
代入すると、以下の式(5)が成立する。
【0030】
【数5】 I1=1/12×(3πh/16)・{h3+h(3πh/16)2−(3π/16)3h3 } =(3πh/192)・{h3+(9π2/256)h3−(27π3/4096)h3} ={3π/192+27π3/49152−81π4/786432}h4 =0.056087・h4・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(5) そして、式(3)から断面が真円をなすシャフトの断面
二次モーメントを算出すると、I3=0.049087
・d4となる。ここで、h=dを代入すると、以下の式
(6)が成立する。
二次モーメントを算出すると、I3=0.049087
・d4となる。ここで、h=dを代入すると、以下の式
(6)が成立する。
【0031】
【数6】 I1>I0・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(6) 即ち、3π/16h≧bを満たす深さの溝を形成するこ
とにより、溝付シャフトの曲げ剛性は、円柱形状シャフ
トの曲げ剛性より大きくなる。
とにより、溝付シャフトの曲げ剛性は、円柱形状シャフ
トの曲げ剛性より大きくなる。
【0032】次に、捻り剛性について、シャフトを等し
いトルクで捻った場合の捻れ角を例に挙げて説明する。
図4に示す溝付シャフトの捻れ角θ1は以下の式(7)
で求めることができる。
いトルクで捻った場合の捻れ角を例に挙げて説明する。
図4に示す溝付シャフトの捻れ角θ1は以下の式(7)
で求めることができる。
【0033】
【数7】 θ1=(1/2)・{Tl/(k・hb3・G)} =(1/2)・(1/k)・(1/hb3)・(Tl/G)・・・式(7) (但し、T;トルク、l;シャフトの長さ、k;断面係
数、G;せん断弾性係数) この式(7)に材料力学では周知である矩形両辺の長さ
の比によって定まる係数k=0.2143及びb=3π
h/16を代入すると、以下の式(8)が成立する。
数、G;せん断弾性係数) この式(7)に材料力学では周知である矩形両辺の長さ
の比によって定まる係数k=0.2143及びb=3π
h/16を代入すると、以下の式(8)が成立する。
【0034】
【数8】 θ1=(1/2)・(1/0.2143)・〔1/{h・(3π/16)3・h3}〕・(Tl/G) =(1/0.2143)・(2048/27π3)・(1/h4)・(Tl/G) =11.41548・(1/h4)・(Tl/G)・・・・・・・・・式(8) 次に、図5に示す円柱状シャフトの捻れ角θ2は、以下
の式(9)で表すことができる。
の式(9)で表すことができる。
【0035】
【数9】 θ2=32Tl/(π・d4・G) =(32/π)・(1/d4)・(Tl/G) =10.18592・(1/d4)×(Tl/G)・・・・・・式(9) ここで、式(8)と式(9)において、トルクTを等し
く、シャフトの長さlを等しくし、さらにシャフトの材
料を同一とした場合(Gが等しくなる)に、h=dを代
入すると以下の式(10)が成立する。
く、シャフトの長さlを等しくし、さらにシャフトの材
料を同一とした場合(Gが等しくなる)に、h=dを代
入すると以下の式(10)が成立する。
【0036】
【数10】 θ1>θ2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(10) 以上からシャフトに溝を加えても曲げ剛性を確保しつ
つ、捻り剛性のみを小さくできることがわかる。
つ、捻り剛性のみを小さくできることがわかる。
【0037】以下、本実施例の作用・効果について説明
する。 〔第1の実施例の作用・効果〕第1の実施例によると、
ドライブギヤ3がエンジンの回転動力を受けると、この
回転動力はドライブギヤ3からドリブンギヤ2へ伝達さ
れる。そして、ドリブンギヤ2はドライブギヤ3から受
けた回転動力によりカウンタシャフト1を回転させる。
このとき、ドライブギヤ3とドリブンギヤ2との噛み合
い時に起振力が発生するが、この起振力をカウンタシャ
フト1の捻れにより抑制することができ、ギヤノイズを
低減することができる。
する。 〔第1の実施例の作用・効果〕第1の実施例によると、
ドライブギヤ3がエンジンの回転動力を受けると、この
回転動力はドライブギヤ3からドリブンギヤ2へ伝達さ
れる。そして、ドリブンギヤ2はドライブギヤ3から受
けた回転動力によりカウンタシャフト1を回転させる。
このとき、ドライブギヤ3とドリブンギヤ2との噛み合
い時に起振力が発生するが、この起振力をカウンタシャ
フト1の捻れにより抑制することができ、ギヤノイズを
低減することができる。
【0038】また、カウンタシャフト1の回転にともな
ってカウンタギヤ4が回転し、カウンタギヤ4に伝わっ
た回転動力は、アイドラギヤ5を介してアウトプットギ
ヤ6へ伝達される。この場合にも、カウンタギヤ4とア
イドラギヤ5との噛み合いにより、起振力が発生する
が、この起振力をカウンタシャフト1の捻れにより抑制
することができ、ギヤノイズを低減することができる。
ってカウンタギヤ4が回転し、カウンタギヤ4に伝わっ
た回転動力は、アイドラギヤ5を介してアウトプットギ
ヤ6へ伝達される。この場合にも、カウンタギヤ4とア
イドラギヤ5との噛み合いにより、起振力が発生する
が、この起振力をカウンタシャフト1の捻れにより抑制
することができ、ギヤノイズを低減することができる。
【0039】さらに、ドライブギヤ3とドリブンギヤ2
との噛み合いによりカウンタシャフト1の一端から他端
へ向かうスラスト力が発生すると同時に、カウンタギヤ
4とアイドラギヤ5との噛み合いによりカウンタシャフ
トの他端から一端へ向かうスラスト力が発生し、双方の
スラスト力が対向することによりカウンタシャフト1を
たわませる力が発生するが、曲げ剛性は低下しないため
カウンタシャフト1のたわみを防止することができる。
との噛み合いによりカウンタシャフト1の一端から他端
へ向かうスラスト力が発生すると同時に、カウンタギヤ
4とアイドラギヤ5との噛み合いによりカウンタシャフ
トの他端から一端へ向かうスラスト力が発生し、双方の
スラスト力が対向することによりカウンタシャフト1を
たわませる力が発生するが、曲げ剛性は低下しないため
カウンタシャフト1のたわみを防止することができる。
【0040】従って、本実施例のカウンタシャフト1
は、従来のシャフトに比べて構造が簡略で部品伝数が少
ないため、生産コストを低く抑えることができ、生産性
の高いものになっている。
は、従来のシャフトに比べて構造が簡略で部品伝数が少
ないため、生産コストを低く抑えることができ、生産性
の高いものになっている。
【0041】尚、シャフトに設ける溝の形状は、前述の
第1の実施例で示した形状に限らず、断面が図6から図
10に示すような形状に溝を設けても良く、さらに本発
明の特徴を満たすかぎり如何なる形状のシャフトでもか
まわない。
第1の実施例で示した形状に限らず、断面が図6から図
10に示すような形状に溝を設けても良く、さらに本発
明の特徴を満たすかぎり如何なる形状のシャフトでもか
まわない。
【0042】
【発明の効果】本発明の前記〔1〕の動力伝達軸構造に
よれば、曲げ剛性が大きく且つ捻り剛性が小さい動力伝
達軸を簡略な構造で実現でき、これにより生産コストの
低減及び生産性の向上を図ることができるという効果が
生じる。
よれば、曲げ剛性が大きく且つ捻り剛性が小さい動力伝
達軸を簡略な構造で実現でき、これにより生産コストの
低減及び生産性の向上を図ることができるという効果が
生じる。
【0043】前記〔2〕の動力伝達軸構造によれば、回
転軸の回転時に回転の中心軸と、回転軸の重心とが一致
することにより、回転軸のガタつきを防止することがで
き、動力の伝達を適正に行うことができる。
転軸の回転時に回転の中心軸と、回転軸の重心とが一致
することにより、回転軸のガタつきを防止することがで
き、動力の伝達を適正に行うことができる。
【0044】また、前記〔3〕の動力伝達軸構造によれ
ば、自動車のトランスミッションにおいて、ギヤノイズ
あるいは振動を防止することができる。さらに、前記
〔4〕の動力伝達軸構造によれば、ハスバ歯車の噛み合
い時に発生する起振力を回転軸の捻れにより抑制するこ
とが出来ると共に、回転軸のたわみを防止することがで
き、低振動且つ伝達誤差の少ない動力伝達軸を提供する
ことができる。従って、簡略な構成且つ低コストな回転
軸を提供し、これにともなって振動あるいは騒音が小さ
く、且つ伝達誤差の小さい回転軸を提供することができ
る。
ば、自動車のトランスミッションにおいて、ギヤノイズ
あるいは振動を防止することができる。さらに、前記
〔4〕の動力伝達軸構造によれば、ハスバ歯車の噛み合
い時に発生する起振力を回転軸の捻れにより抑制するこ
とが出来ると共に、回転軸のたわみを防止することがで
き、低振動且つ伝達誤差の少ない動力伝達軸を提供する
ことができる。従って、簡略な構成且つ低コストな回転
軸を提供し、これにともなって振動あるいは騒音が小さ
く、且つ伝達誤差の小さい回転軸を提供することができ
る。
【図1】本発明の第1の実施例を示す断面図
【図2】第1の実施例におけるカウンタシャフトの斜視
図
図
【図3】第1の実施例におけるカウンタシャフトの断面
図
図
【図4】シャフトの曲げ剛性及び捻り剛性を説明するた
めのシャフトの断面図
めのシャフトの断面図
【図5】シャフトの曲げ剛性及び捻り剛性を説明するた
めのシャフトの断面図
めのシャフトの断面図
【図6】動力伝達軸の他の実施例を示す断面図
【図7】動力伝達軸の他の実施例を示す断面図
【図8】動力伝達軸の他の実施例を示す断面図
【図9】動力伝達軸の他の実施例を示す断面図
【図10】動力伝達軸の他の実施例を示す断面図
【図11】従来の動力伝達軸構造を示す断面図
1・・カウンタシャフト(回転軸) 1a・・溝 2・・ドリブンギヤ(入力部材) 3・・ドライブギヤ 4・・カウンタギヤ(出力部材) 5・・アイドラギヤ 6・・アウトプットギヤ 7・・トランスミッションケース 8・・ボールベアリング(軸受) 9・・ボールベアリング(軸受)
Claims (4)
- 【請求項1】 回転動力を入力する入力部材(2、1
1)と、 前記入力部材(2、11)に一端を連結された回転軸
(1、10)と、 前記回転軸(1、10)の他端に連結され、前記入力部
材(2、11)から入力された回転動力を他の部材へ出
力する出力部材(4、14)とを備え、 前記回転軸(1、10)の表面には、軸方向に沿って複
数の溝(1a、10a)を設けたことを特徴とする動力
伝達軸構造。 - 【請求項2】 請求項1において、前記複数の溝(1
a、10a)は、前記回転軸(1、10)の中心軸と重
心とが一致する位置に設けることを特徴とする動力伝達
軸構造。 - 【請求項3】 請求項1において、前記回転軸(1、1
0)は、トランスミッションケースに軸受(8、9、1
6)を介して支持されることを特徴とする動力伝達軸構
造。 - 【請求項4】 請求項1において、前記入力部材(2、
11)と出力部材(4、14)との少なくとも一方は、
円盤状の部材の円周上にハスバを形成したハスバ歯車で
あることを特徴とする動力伝達軸構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6145618A JPH07332458A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 動力伝達軸構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6145618A JPH07332458A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 動力伝達軸構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07332458A true JPH07332458A (ja) | 1995-12-22 |
Family
ID=15389196
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6145618A Pending JPH07332458A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 動力伝達軸構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07332458A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19703544A1 (de) * | 1997-01-31 | 1998-08-06 | Zahnradfabrik Friedrichshafen | Reibradgetriebe |
-
1994
- 1994-06-03 JP JP6145618A patent/JPH07332458A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19703544A1 (de) * | 1997-01-31 | 1998-08-06 | Zahnradfabrik Friedrichshafen | Reibradgetriebe |
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