JPH07331834A - 化粧材被覆用パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建築用パネルに対して接着剤を介して化粧材
を張り付けて、それが相当年月を経ても化粧材がその裏
面側の建築用パネルの一部とともに落下するおそれがな
い構造の建築用パネルを提供する。 【構成】 建築用パネル（１１）の表面に、合成繊維製
のネット（１６）を被せて、その周縁部（１７）を前記
パネルの側部（１８）で止着するとともに、前記ネット
の上から前記表面に表面仕上げ剤を塗布してなる構造化
粧材被覆用パネルにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、陶板やタイル等の化粧
材を被覆するための建築用パネルの構造に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来から、軽量気泡コンクリート（ＡＬ
Ｃ）パネルの表面にポリマーセメントモルタルを介して
タイル等の化粧材を張り付ける技術は周知である（実公
昭５６−１７６１８号公報）。この技術は施工が効率的
であるが、それにはＡＬＣの性質上次のような解決すべ
き課題がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】すなわち、ＡＬＣパネ
ルとポリマーセメントモルタルとの接着強度が大きいた
め、タイルとポリマーセメントモルタルとが剥離しにく
いが、希には、図５に示すようにＡＬＣパネル１の一部
分が根こそぎにされたようにえぐり取られてタイル２が
ＡＬＣパネル１から剥離するおそれがある。

【０００４】この原因は必ずしも明確でないが、ＡＬＣ
パネル１の熱変形挙動がタイル２のそれと異なるからで
あろう。本発明の課題は、建築用パネルに対してポリマ
ーセメントモルタル等の接着剤を介して化粧材を張り付
けても、それが相当年月を経て建築用パネルの一部がえ
ぐられるように剥離することがなく、また、譬え剥離が
生じても化粧材が建築用パネルから落下するおそれがな
い構造の建築用パネルを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は前記の課題を解
決するために、建築用のパネルの表面に合成繊維製のネ
ットを被せて、その周縁部を前記パネルの側面で止着す
るとともに、前記ネットの上から前記表面に表面仕上げ
剤を塗布してなる構造の化粧材被覆用建築用パネルとす
る。

【０００６】

【作用】建築用パネルの表面には合成繊維製のネットが
被せられているので、相当年月を経て熱的変化が繰り返
えされても、前記パネルの表面側の一部がえぐり取られ
るれるように、パネルの一部分が剥離しようとしても、
前記ネットは建築用パネルの一部分がパネルの前面に飛
び出そうとするのを抑制する。また、前記ネットの周縁
部は前記パネルの側部で止着されているので、パネルの
表面部分を覆うネットは、前記建築用パネルの一部分が
それから飛び出そうとするのを側部で引っ張る働きをす
る。従って、このネットの上から前記表面に塗布された
表面仕上げ材に、ポリマーセメントモルタル等を介して
化粧材を張り付けてもそれが落下するおそれはない。

【０００７】

【実施例】次に、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照しながら説明する。図１に示すように、建築用パネ
ルとして、幅６００ｍｍ×長さ３０００ｍｍ×厚さ１０
０ｍｍのＡＬＣパネル１１を３枚、それらの長手方向の
小口面を突き合わせるとともに、長ボルト１３とナット
１４とからなる集成治具１５使用して平らな大形集成パ
ネル１２を製作した。

【０００８】図２に示すように、前記のようにして得ら
れた集成パネル１２の表面に対してそれより大きな合成
繊維製のネット｛寒冷紗（株式会社クラレ製『クレモ
ナ』＃１００）｝１６を被せ、その周縁部１７を、集成
パネル１２の側部１８に対して特定の釘打ち機を使用し
て、側面コ字形のステンレススチール製の釘１９を打ち
込むことにより止着した。

【０００９】合成繊維ネット１６の上から、集成パネル
１２の表面に形成されている凹凸部を被覆するために、
アクリル系表面仕上げ材（エス・ケー化研株式会社製
『ＳＦアンダー』）をローラーで塗布して、化粧材被覆
用パネル２０を得た。この化粧材被覆用パネル２０の上
に、図３に示すように、化粧材として３０ｃｍ×３０ｍ
ｍ×８ｍｍの陶板２１を多数個、ポリマーセメントモル
タルＭを介して、張り付けて建物の外壁用パネルにし
た。

【００１０】ポリマーセメントモルタルＭが十分硬化し
てから化粧材被覆用パネル２０の周縁部に存在する陶板
２１をその上から木槌で多数回叩いて、陶板２１の裏面
側のＡＬＣパネル１１の一部分をえぐり取ることが可能
な程度のＡＬＣパネル１１にひびを入れたが、その陶板
２１は合成繊維ネット１６に抑えられているため、化粧
材被覆パネル２０から外れることはなかった。

【００１１】実施例との比較をするため、実施例におけ
るネット１６の周縁部１６を集成パネル１２の側面で止
着することなく、前記実施例と同様の比較実験を行なっ
た。その結果、化粧材被覆パネルの周縁部の陶板の裏面
側にあるＡＬＣパネルの一部がネットとともに化粧材被
覆用パネルの前部に突出した。

【００１２】本発明は前記実施例に拘束されることな
く、本発明の根本的技術思想を踏襲して発明の効果を著
しく損なわない限度において、前記の態様を一部を、例
えば、次のように変更して実施することができる。

【００１３】（１）建築用パネルとしては、石膏ボー
ド、スレート板等を使用できる。 （２）合成繊維製のネットとしては、ポリエステル、ポ
リアミド、『ビニロン』ポリプロピレン、ポリエチレン
等からなるモノフィラメント、マルチフィラメントを網
状にしたものが使用される。

【００１４】（３）前記ネットを建築用パネルの側部に
止着する釘としてはアルミニウム製釘が使用できる。 （４）表面仕上げ材としては、建築用パネルの生地の悪
影響を防止し、その上に塗布されるポリマーセメントモ
ルタル等のような接着剤との付着性を向上させるものな
らいかなるものの使用可能である。

【００１５】（５）本発明にかかるパネルの表面に接合
される化粧材としては、図４に示すように、タイル、ガ
ラス板、前記以外のセラミック板、天然石又は人造石、
木毛セメント板、金属板等の化粧材２１が使用できる。
その大きさや形状は、任意であるが、好ましくは、建築
用パネルの大きさより小さいものが複数枚使用される。

【００１６】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、建築用
パネルに対してポリマーセメントモルタルを介して化粧
材を接着し、それが相当年月を経て建築用パネルの一部
がえぐられるように剥離することがなく、また、仮に剥
離が生じても前記化粧材の落下を未然に防止できるとい
う優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例において使用した集成パネルの
斜視図。

【図２】前記集成パネルに合繊繊維製のネットを被せて
その周縁部を止着した状態を示す斜視図。

【図３】実施例で得た建築用パネルの表面に化粧材を被
覆した状態を示す断面図。

【図４】本発明の他の実施態様図。

【図５】従来技術の要部を示す斜視図。

【符号の説明】

１１ 建築用パネル １６ 合成繊維製ネット １７ 前記ネットの周縁部 １８ 側部 １９ 釘 ２０ 化粧材被覆用パネル ２１ 化粧材

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建築用パネル（１１）の表面に合成繊維
   製のネット（１６）を被せて、その周縁部（１７）を前
   記パネルの側面で止着するとともに、前記ネットの上か
   ら前記表面に表面仕上げ剤を塗布してなる化粧材被覆用
   パネル。
2. 【請求項２】 建築用パネルは軽量気泡コンクリートパ
   ネルである請求項１記載の化粧材被覆用パネル。
3. 【請求項３】 建築用パネルは石膏ボードである請求項
   １記載の化粧材被覆用パネル。
4. 【請求項４】 建築用パネルはスレート板である請求項
   １記載の化粧材被覆用パネル。
5. 【請求項５】 建築用パネルは、複数枚のパネルからな
   り、それらの長手方向小口面を突き合わせて平らな広幅
   パネルに集成してなる請求項１又は請求項２のいずれか
   に記載の化粧材被覆用パネル。