JPH07331242A - 光学活性化合物およびそれを含む液晶組成物 - Google Patents

光学活性化合物およびそれを含む液晶組成物

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JPH07331242A
JPH07331242A JP13335194A JP13335194A JPH07331242A JP H07331242 A JPH07331242 A JP H07331242A JP 13335194 A JP13335194 A JP 13335194A JP 13335194 A JP13335194 A JP 13335194A JP H07331242 A JPH07331242 A JP H07331242A
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chiral
optically active
liquid crystal
active compound
compound
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JP13335194A
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English (en)
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Takeo Watanabe
岳男 渡辺
Osami Inoue
長三 井上
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速応答性、メモリー性の優れた液晶表示素
子の開発に向けた液晶用光学活性化合物または液晶組成
物を提供し、さらに、強誘電性を有しない液晶組成物に
単独であるいは他の液晶化合物と共に添加することによ
り組成物全体に強誘電性を発現させ、大きな自発分極を
誘起させることが可能な光学活性化合物を提供すること
にある。 【構成】 次の一般式(I) 【化1】 (式中、AはC1 〜C18のアルキル基またはアルコキシ
基を、C* はキラル炭素原子を、Xはハロゲン原子また
はCH3 を、Y、Zはハロゲン原子を、およびBはC1
〜C18のアルキル基を示す。)で表される光学活性化合
物。 【効果】 (一般式(I))が、強誘電性を持たない液
晶組成物に添加することにより、組成物全体の強誘電性
を発現させ、さらに、大きな自発分極を誘起することが
できた。その結果、高速応答性が得られた。また、均一
配向性は良好であり、モノドメイン状態が確認され、メ
モリー性が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な光学活性化合物
およびそれを含有する液晶組成物を提供するものであ
る。本発明で提供される光学活性化合物は、単独でまた
は他の液晶化合物と組み合わせることによって強誘電
性、キラルスメクチックC相を呈する化合物であり、電
気光学的スイッチング素子として使用される強誘電性液
晶表示素子となることができる新規な液晶用化合物であ
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子の表示方式として、現在広
く実用に供されているものには「ねじれネマチック」
(TN)型がある。これは、ネマチック液晶と呼ばれる
液晶性化合物を主成分とした液晶表示素子の表示様式で
あるが、大きな短所の1つとして、応答速度が遅く最高
数ミリ秒のオーダーの応答速度しか得られないことが挙
げられる。そして、このことがネマチック液晶を用いる
表示素子の大型化を制約する要因となっている。このよ
うな従来型の液晶素子の欠点を改善するものとして、特
開昭56−107216号公報に記載されるように、ク
ラークおよびラガウエルにより提案された双安定性を有
する液晶を用いた表示素子が注目されている。この双安
定性を有する液晶は強誘電性液晶と呼ばれ、高速応答性
とメモリー性が得られることが注目され、近年特に液晶
テレビなどのディスプレイ用のみならず、光プリンター
ヘッド、ライトバルブ、光コンピュータ素子などオプト
エレクトロニックスなど各種光学的素子の分野において
も、その実用化に向けた研究開発が盛んに行われてい
る。
【0003】一般に、強誘電性液晶はコアと呼ばれる芳
香環が1ないし3個、直接またはメチレン結合、エーテ
ル結合、エステル結合などによって結合した2価部分構
造、例えば次のような部分構造
【化2】 とそのコアをはさむ光学活性部位を含むアルキル鎖を有
するキラル部からなる化合物から構成され、且つその分
子長軸が層の法線方向からチルトした分子配向を有する
一連のスメクチック相を呈する。中でもキラルスメクチ
ックC(以下、Sc* と略記することがある。)相は粘
性が低く比較的低電圧動作性を示すため実用上優位とさ
れる。このような強誘電性液晶としては、1975年マ
イヤー(R.B.Meyer)らによって合成された4
−(4−n−デシルオキシベンジリデンアミノ)桂皮酸
−2−メチルブチルエステル(DOBAMBC)など多
数の化合物が知られている。しかし、例えばこのDOB
AMBCはシッフ塩基を化合物構造内に含むため、水や
光などに対する安定性に難がある。そこで強誘電性液晶
材料として物理的、化学的に安定で、しかもSc* 相を
示す温度範囲が広い材料系が強く求められている。
【0004】さらにディスプレイの大型化、高精細化の
ために、高速応答性を示すことが必要条件である。強誘
電性液晶の応答速度は、自発分極が大きいほど速くな
る。従って、応答速度の速い強誘電性液晶を得るために
は自発分極が大きな材料の開発がキーポイントとなる。
実際に自発分極の増大を企図し、環状構造(ベンゼン
環、ピリミジン環、シクロヘキサン環など)を含むコア
骨格やキラル部位の検討、または両者の組み合わせなど
の検討が活発に行われている。強誘電性液晶の開発は、
現在、強誘電性を示さないスメクチックC(以下、Sc
と略記することがある。)相を示す数種の化合物からな
るホスト液晶組成物に、大きな自発分極を示すキラル液
晶(液晶性を示さない光学活性化合物も含む。)を添加
することにより、組成物全体に強誘電性を発現させ、あ
わせて大きな自発分極を誘起させる方式が主流となって
いる。しかし、キラル液晶を添加することにより、組成
物全体の粘性が著しく増大することが多い。上記のよう
に強誘電性液晶の応答速度は、自発分極が大きいほど速
くなるが同時に粘性が大きいほど遅くなる。そしてキラ
ル液晶を添加することにより、ホスト液晶のSc相の温
度範囲を狭くしたりするものが多い。そのためにも、少
量添加により組成物全体の粘性の増大を抑え、大きな自
発分極値を確保できる光学活性化合物が望まれている。
【0005】現在までに、少量添加を狙い、幾つかの光
学活性化合物が合成されている。例えば、特開昭62−
209044号公報には乳酸誘導体が、特開平1−11
8593号公報にはα−フルオロカルボン酸誘導体が、
米国特許第5051506号公報には2,3−ハロ誘導
体などが記載されている。しかし、これらの化合物はそ
の化合物単体自体が有する自発分極が小さいため、少量
添加では満足すべき十分な自発分極値を組成物に付与で
きず、材料として実用可能な応答速度に到達していると
は言えない。また、液晶用光学活性化合物のキラル部位
を2つ以上同一分子内に組み合わせることについては、
特開平2−220号公報で乳酸と光学活性カルボン酸構
造の組み合わせが記載されているが、極めて限られた範
囲内のものであり、十分な効果をあげていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高速
応答性、メモリー性の優れた液晶表示素子の開発に向け
た液晶用光学活性化合物または液晶組成物の提供にあ
る。さらに、強誘電性を有しない液晶組成物に単独であ
るいは他の液晶化合物と共に添加することにより組成物
全体に強誘電性を発現させ、大きな自発分極を誘起させ
ることが可能な光学活性化合物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を行い、驚くべきことに、コア
とそれをはさむ二つのキラル部を有する光学活性化合物
であって、その一方のキラル部に少なくとも2個の隣接
キラル炭素原子を、他方のキラル部に少なくとも1個の
キラル炭素原子を有することを特徴とする液晶用光学活
性化合物が上記課題を解決できることを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、(1)コアとそれを
はさむ二つのキラル部を有する光学活性化合物であっ
て、その一方のキラル部に少なくとも2個の隣接キラル
炭素原子を、他方のキラル部に少なくとも1個のキラル
炭素原子を有することを特徴とする液晶用光学活性化合
物、(2)二つのキラル部の各々初めのキラル炭素原子
がコアから数えて2番目に結合する炭素原子であってそ
のキラル炭素原子は共にハロゲン原子で置換されてい
て、かつその絶対配置が一方はR型で他方はS型である
上記1記載の液晶用光学活性化合物、(3)二つのキラ
ル部の各々初めのキラル炭素原子がコアから数えて2番
目に結合する炭素原子であってその一方のキラル炭素原
子はハロゲン原子で置換され他方のキラル炭素原子はC
3 で置換されていて、かつその絶対配置が共にR型で
あるか、または共にS型である上記1記載の液晶用光学
活性化合物、
【0009】(4)次の一般式(I)
【化3】 (式中、AはC1 〜C18のアルキル基またはアルコキシ
基を、C* はキラル炭素原子を、Xはハロゲン原子また
はCH3 を、Y、Zはハロゲン原子を、およびBはC1
〜C18のアルキル基を示す。)で表される光学活性化合
物、(5)AがC1 〜C18のアルコキシ基を、XがCH
3 を、Y、Zがフッ素原子または塩素原子である上記4
記載の光学活性化合物、(6)AがC1 〜C18のアルキ
ル基を、X、Y、Zがフッ素原子または塩素原子である
上記4記載の光学活性化合物、(7)A、BがC3 〜C
10のアルキル基を、X、Y、Zがフッ素原子である上記
4記載の光学活性化合物、および(8)上記1ないし7
に記載の光学活性化合物を少なくとも1種含有すること
を特徴とする液晶組成物に関する。
【0010】さらに、本発明は、次の事項を開示する。 (9)Xが結合しているキラル炭素原子およびYが結合
しているキラル炭素原子の絶対配置が一方がR型であり
他方がS型である上記6または7に記載の光学活性化合
物、(10)Xが結合しているキラル炭素原子およびY
が結合しているキラル炭素原子の絶対配置が共にR型で
あるか、または共にS型である上記5記載の光学活性化
合物、(11)上記1ないし10に記載の光学活性化合
物または液晶組成物を構成要素とする液晶表示素子を、
特に低温度域から高温度域までの広い温度範囲において
高速応答が可能な強誘電性液晶表示素子。
【0011】以下、本発明を詳しく説明する。本発明で
用いられるコアは、一般に強誘電性液晶化合物の分野で
使用されているコアを適用することができる。例えば、
次のようなものが適当であるが、4,4’−ビフェニル
が好ましい。
【化4】 コアをはさんで両側の構造部分には各々少なくとも1個
のキラル炭素原子(不斉炭素原子)、2個の隣接したキ
ラル炭素原子(不斉炭素原子)が必須である。キラル炭
素原子を有するので各々の構造部分をキラル部という。
従って、本発明化合物は少なくとも1個のキラル炭素原
子を有するキラル部と少なくとも2個の隣接したキラル
炭素原子を有するキラル部とそれらにはさまれたコアか
らなる化合物である。
【0012】コアから初めのキラル炭素原子までのキラ
ル部の原子数は、酸素原子を含んで2〜5個(当該キラ
ル炭素原子を含まずに数えて)であるが、好ましくは2
個である。キラル部の初めのキラル炭素原子がハロゲン
原子および/またはCH3 で置換されている場合、酸素
原子を除きそのキラル炭素原子はコアから2番目の炭素
原子であることが好ましく、またそのキラル炭素原子の
立体化学的性質はそのキラル炭素原子が共にハロゲン原
子で置換されているか、一方がハロゲン原子で他方がC
3 で置換されているかによって、より適切な化合物が
定まる。すなわち、共に、ハロゲン原子で置換されてい
るときは、そのキラル炭素原子の各々の絶対配置はR,
Sか、S,Rの組み合わせが良く、一方がハロゲン原子
で他方がCH3 で置換されているときはR,Rか、S,
Sの組み合わせが良い。
【0013】本発明の適用される新規な光学活性化合物
として、具体的には前記一般式(I)の化合物が挙げら
れる。本化合物はA、Bの鎖長、X、Y、Zの組み合わ
せ、キラル炭素原子の絶対配置のR型、S型を適宜選択
することにより、様々な液晶性、物性を示す化合物を得
ることができる。本発明の光学活性化合物は液晶用途に
使用されるが、化合物自体は液晶性を示しても、示さな
くても良い。
【0014】本化合物は、式(II)で表される少なくと
も1個のキラル炭素原子を有するキラル部と式(III) で
表される少なくとも2個の隣接したキラル炭素原子を有
するキラル部とそれらにはさまれた式(IV)で表される
ビフェニル・コアからなる。 A−C* HX−COO− (II) −OCH2 −C* HY−C* HZ−B (III)
【化5】 (式中、A、C* ,X,Y,Z,Bは前記の通り。) また本化合物は、一般式(V)で表されるカルボン酸 A−C* HX−COOH (V) (式中、A、C* ,Xは前記の通り。)と一般式(VI)
で表される4−(4’−アルコキシフェニル)フェノー
【化6】 (式中、C* ,Y,Z,Bは前記の通り。)がエステル
結合を形成し結び付いているものと説明できる。
【0015】一般式(V)の化合物としては、2−メチ
ルブタン酸、2−メチルペンタン酸、2−メチルヘキサ
ン酸、2−メチルヘプタン酸、2−メチルオクタン酸、
2−メチルデカン酸などのキラル炭素原子を有するカル
ボン酸が挙げられるが、一般式(VII)で表される乳酸誘
導体 R1 O−C* H(CH3 )−COOH (VII) (式中、R1 はC1 〜C18のアルキル基を示し、C*
前記の通り。)および一般式(VIII)で表される2−ハロ
カルボン酸 R2 −C* HX−COOH (VIII) (式中、R2 はC1 〜C18のアルキル基を、Xはハロゲ
ン原子を示す。C* は前記の通り。)が課題解決に好適
であり、一般式(VIII)の化合物としては2−フルオロプ
ロパン酸、2−クロロプロパン酸、2−フルオロブタン
酸、2−クロロブタン酸、2−フルオロヘキサン酸、2
−クロロヘキサン酸、2−フルオロオクタン酸、2−ク
ロロオクタン酸、2−フルオロデカン酸、2−クロロデ
カン酸、およびイソロイシン、バリンなどの光学活性α
−アミノ酸のアミノ基をフッ素原子や塩素原子に置換し
た2−ハロカルボン酸が特に好適である。
【0016】一般式(VI)の化合物としては、Y、Zは
同一または相異なるハロゲン原子であり、フッ素原子、
塩素原子が良いが、共にフッ素原子が特に良い。Bはメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基が好ましい例として挙げられるが、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基が特に好ましい。X、Y、
Zが共にフッ素原子の場合が良く、その場合、BがC2
〜C4 アルキル基であることが好ましい。
【0017】一般式(I)の本発明化合物は、特に製造
法を限定されないが、次の方法によって製造することが
できる。すなわち、一般式(I)の化合物は一般式
(V)の化合物と一般式(VI)の化合物とのエステル化
を行うことにより得られる。一般式(VII)の化合物は、
例えば、以下の方法で合成することができる。出発原料
の乳酸メチルエステルをヨウ化アルキルと酸化銀を用い
てエーテル化し、次いでナトリウムメチラートなどのア
ルカリで処理することによって、D−乳酸からはR体
が、L−乳酸からはS体が得られる。この一連の反応経
路を図1(A)に示す。この場合、キラル炭素原子の立
体化学は保持される。
【0018】一般式(VIII)の化合物は、廉価で入手し易
い光学活性α−アミノ酸から得ることができる。例え
ば、L−バリン、L−イソロイシンおよびD−イソロイ
シンを出発原料として特開平5−58989号公報に記
載の方法に従いアミノ基をフッ素原子に変換すると、そ
れぞれ(R)−2−フルオロ−3−メチルブタン酸、
(2R,3S)−2−フルオロ−3−メチルペンタン酸
および(2S,3R)−2−フルオロ−3−メチルペン
タン酸が得られる。この一連の反応経路を図1−(B)
に示す。この場合、2位のキラル炭素原子の立体化学は
反転される。
【0019】また、シンセシス1974年巻652頁
(Synthesis 1974 652 )に記載の方法に従いアミノ基を
フッ素原子に変換すると,それぞれ(S)−2−フルオ
ロ−3−メチルブタン酸、(2S,3S)−2−フルオ
ロ−3−メチルペンタン酸および(2R,3R)−2−
フルオロ−3−メチルペンタン酸が得られる。この一連
の反応経路を図1(C)に示す。この場合、2位のキラ
ル炭素原子の立体化学は保持される。
【0020】一般式(VI)の化合物は4,4’−ジヒド
ロキシビフェニルを出発原料としてモノベンジルエーテ
ルに変換後、光学活性な2,3−エポキシヘキサノール
を他方の水酸基に結合させる。次いで、Pd/Cにより
保護基であるベンジル基を還元脱離させp−(2,3−
エポキシヘキシルオキシ)フェニルフェノールを中間体
として得る。この中間体をLi2 CuCl4 と塩化水素
を用いて塩素化すると、p−(3−クロロ−2−ヒドロ
キシヘキシルオキシ)フェニルフェノールが得られ、次
いで、ピリジン中で塩化チオニルを作用させると、p−
(2,3−ジクロロヘキシルオキシ)フェニルフェノー
ルが得られる。塩化チオニルの代わりにジエチルアミノ
サルファートトリフルオライド(DAST)を作用させ
ると、p−(3−クロロ−2−フルオロヘキシルオキ
シ)フェニルフェノールが得られる。また、この中間体
をフッ化水素/ピリジンでフッ素化すると、p−(3−
フルオロ−2−ヒドロキシヘキシルオキシ)フェニルフ
ェノールが得られ、次いで、ピリジン中で塩化チオニル
を作用させると、p−(2−クロロ−3−フルオロヘキ
シルオキシ)フェニルフェノールが得られる。この場
合、同様に塩化チオニルの代わりにDASTを作用させ
ると、p−(2,3−ジフルオロヘキシルオキシ)フェ
ニルフェノールが得られる。以上のp−(2,3−ジフ
ルオロヘキシルオキシ)フェニルフェノールの合成経路
を図2に示す。この場合、原料の光学活性2,3−エポ
キシヘキサノールの2位、3位の立体化学は反転され
る。
【0021】次に、一般式(V)と(VI)の化合物をエ
ステル化反応で結合させるには、例えば、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド(DCC)または塩化チオニルを用
いて行うことができ、図3に示す。この場合、一般式
(V)と(VI)の化合物の立体化学は影響されない。
【0022】このようにして得られた一般式(I)の本
発明化合物は、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーによる処理、アルコール、ヘキサンなどによる再
結晶法による処理で精製される。さらに、課題解決のた
めに一般式(I)の化合物において、Xがハロゲン原子
の場合、Xが結合しているキラル炭素原子およびYが結
合しているキラル炭素原子の絶対配置が一方がR型であ
り他方がS型である化合物が特に大きな効果を示す。ま
た、XがCH3 の場合、Xが結合しているキラル炭素原
子およびYが結合しているキラル炭素原子の絶対配置が
共にR型であるか、または共にS型である化合物が特に
大きな効果を示す。隣接キラル炭素原子の絶対配置につ
いては共にR型であるか、または共にS型である化合物
が効果を示し、(R,R)又は(S,S)の組み合わせ
となる。次に、一般式(I)で表される本発明化合物の
具体例を示す。
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】本発明は、コアとそれをはさむ二つのキラ
ル部を有する光学活性化合物であって、その一方のキラ
ル部に少なくとも2個の(R,R)又は(S,S)の絶
対配置を有する隣接キラル炭素原子を、他方のキラル部
に少なくとも1個のキラル炭素原子を有することを特徴
とする液晶用光学活性化合物、特に、二つのキラル部の
各々初めのキラル炭素原子がコアから数えて2番目に結
合する炭素原子であってそのキラル炭素原子は共にハロ
ゲン原子で置換されていて、かつその絶対配置が一方は
R型で他方はS型である上記の液晶用光学活性化合物あ
るいは、二つのキラル部の各々初めのキラル炭素原子が
コアから数えて2番目に結合する炭素原子であってその
一方のキラル炭素原子はハロゲン原子で置換され他方の
キラル炭素原子はCH3 で置換されていて、かつその絶
対配置が共にR型であるか、または共にS型である上記
の液晶用光学活性化合物、具体的には、例えば、一般式
(I)の化合物の少なくとも1種類を配合成分とする液
晶組成物を提供する。さらに、上記液晶組成物を構成要
素とする液晶表示素子を提供するものであり、低温度域
から高温度域までの広い温度範囲において高速応答が可
能な強誘電性液晶表示素子を提供する。
【0027】この本発明の(液晶用)光学活性化合物は
一般にホスト液晶と呼ばれる化合物に添加して液晶組成
物とする。ホスト液晶としては、特に制限がないが、こ
れまでにホスト液晶として知られている化合物群を使用
できる。例えば、次のものが例示される。
【化10】 (式中、R3 、R4 はC3 〜C18のアルキル基またはア
ルコキシ基を示す。)で表されるフェニルピリミジン系
液晶、
【化11】 (式中、R5 、R6 はC3 〜C18のアルキル基またはア
ルコキシ基を示す。)のフェニルベンゾエート系液晶の
単体または混合物からなるホスト液晶に添加したとき、
高速応答性、ホスト液晶のSc相温度域の保持という特
性が顕著になる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明の化合物について
更に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定さ
れるものではない。以下、Cry,N,Ch,SA ,S
C ,SC *,Iso相はそれぞれ結晶、ネマチック相、コレ
ステリック相、スメクチックA相、スメチクチックC
相、キラルスメクチックC相、等方性液晶を示し、Sx
はスメクチック相の高次構造を示す。以下に示す相転移
点の測定値は、物質の純度により若干の影響を受けるこ
ともある。
【0029】(実施例1) 4−[(R)−2−ヘキシルオキシプロパノイルオキ
シ]−4’−[(2R,3R)−2,3−ジフルオロヘ
キシルオキシ]ビフェニルの合成(例示化合物 No1) (R)−2−ヘキシルオキシ−プロピオン酸メチルエ
ステルの合成 D−乳酸メチルエステル5.0gに、ヨウ化ヘキサン1
0.18gおよび酸化銀14.46gを加え、窒素雰囲
気下、室温で24時間撹拌放置する。反応溶液をセライ
トで濾過し、ジエチルエーテルで洗浄する。エーテル層
を水で3回洗浄の後、無水硫酸マグネシウムを用いて脱
水し、エーテルを溜去し(R)−2−ヘキシルオキシプ
ロピオン酸メチルエステルを4.52g得た。
【0030】(R)−2−ヘキシルオキシプロピオン
酸の合成 工程で得られた化合物4.52gをメタノール50m
lに溶解し、氷冷下にて、ナトリウムメチラート(28
%メタノール溶液)6.00gを加え、その後室温で3
時間撹拌放置する。反応溶液を再び氷冷し、塩酸を加え
pH6に中和した後、メタノールを減圧溜去する。得ら
れた残渣をジエチルエーテルで生成物を3回抽出し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥の後、溶媒を溜去する。
(R)−2−ヘキシルオキシプロピオン酸を2.61g
得た。また、出発原料としてL−乳酸メチルエステルを
用いて、同様の反応を行うことにより(S)−2−ヘキ
シルオキシ−プロピオン酸が得られる。
【0031】4−[(2S,3S)−2,3−エポキ
シヘキシルオキシ]−4’−ベンジルオキシビフェニル
の合成 4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシビフェニル1
5.0gをTHF100mlに溶解し、(2S,3S)
−(−)−3−プロピルオキシランメタノール10.0
g、トリフェニルフォスフィン25g、およびアゾジカ
ルボン酸ジエチル15.0gを加え、24時間室温撹拌
放置した。反応溶液の溶媒を減圧溜去した後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにて生成物の単離・精製を
行った。溶離液として、ジクロロメタン:ヘキサン
(1:5)を用い、目的である4−[(2S,3S)−
2,3−エポキシヘキシルオキシ]−4’−ベンジルオ
キシビフェニルを13g得た。
【0032】4−[(2S,3S)−2,3−エポキ
シヘキシルオキシ]−4’−ヒドロキシビフェニルの合
成 工程で得られた化合物13gを酢酸エチル100ml
に溶解し、パラジウム−炭素4gを加え、水素雰囲気
下、12時間室温撹拌放置した。反応溶液をセライトで
濾過し、酢酸エチルで洗浄した。続いて、溶媒を減圧蒸
留にて溜去し、4−[(2S,3S)−2,3−エポキ
シヘキシルオキシ]−4’−ヒドロキシビフェニル8.
6gを得た。
【0033】4−[(2S,3R)−2−ヒドロキシ
−3−フルオロヘキシルオキシ]−4’−ヒドロキシビ
フェニルの合成 工程で得られた化合物8.6gを無水ピリジン5.0
ml、無水ジエチルエーテル10.0mlの混合溶媒に
溶解し、氷冷下、フッ化水素−ピリジン(60%溶液)
20.0mlを加え、その後室温で12時間撹拌放置し
た。反応溶液を100mlの氷水にあけ、ジクロロメタ
ン100mlで3回抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液(100ml)で洗浄し、続いて飽和食
塩水(100ml)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで
脱水し、溶媒を溜去した。得られた残査をシリカゲルカ
ラムクロマトにより、溶離液として酢酸エチル:ヘキサ
ン(1:4)を用いて、生成物の単離・精製を行い、4
−[(2S,3R)−2−ヒドロキシ−3−フルオロヘ
キシルオキシ]−4’−ヒドロキシビフェニル6.0g
を得た。
【0034】4−[(2R,3R)−2,3−ジフル
オロヘキシルオキシ]−4’−ヒドロキシビフェニルの
合成。 工程で得られた化合物6.0gを無水ジクロロメタン
30.0mlに懸濁し窒素雰囲気下、メタノール−ドラ
イアイスを用いて、−78℃に冷却する。DAST8.
5gに無水ジクロロメタン10.0mlを加えたものを
注射器を用いて、先の反応溶液中に加えた。30分後、
メタノール−ドライアイス容器を除去し、徐々に室温に
戻し、更に室温で3時間撹拌放置した。反応溶液を氷水
(100ml)にあけ、ジクロロメタン(100ml)
で3回抽出した。有機層は、さらに飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液(100ml)、飽和食塩水(100ml)
で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を
減圧溜去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトによ
り、溶離液として酢酸エチル:ヘキサン(1:4)を用
いて、生成物の単離・精製を行い、4−[(2R,3
R)−2,3−ジフルオロヘキシルオキシ]−4’−ヒ
ドロキシビフェニル3.2gを得た。工程において、
(2S,3S)−(−)−3−プロピルオキシランメタ
ノールの代わりに、(2R,3R)−(+)−3−プロ
ピルオキシランメタノールを用いて同様に工程から工
程を行うことによって、4−[(2S,3S)−2,
3−ジフルオロ−ヘキシルオキシ]−4’−ヒドロキシ
ビフェニルが得られる。
【0035】4−[(R)−2−ヘキシルオキシプロ
パノイルオキシ]−4’−[(2R,3R)−2,3−
ジフルオロヘキシルオキシ]ビフェニルの合成 工程で得られた(R)−2−ヘキシルオキシプロピオ
ン酸230mgと工程で得られた4−[(2R,3
R)−2,3−ジフルオロヘキシルオキシ]−4’−ヒ
ドロキシビフェニル400mgを無水ジクロロメタン1
0mlに溶解し、DCC330mgおよび4−ピロリジ
ノピリジン10mgを加え、室温において、12時間撹
拌放置した。反応溶液をセライトを用いて、副生したウ
レアを除去し、ジクロロメタンで洗浄した。ジクロロメ
タン層は、順に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30m
l)、1N塩酸水溶液(30ml)、飽和食塩水(30
ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒
を溜去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
により、溶離液として酢酸エチル:ヘキサン(1:1
0)を用いて、生成物の単離・精製を行い、4−
[(R)−2−ヘキシルオキシプロパノイルオキシ]−
4’−[(2R,3R)−2,3−ジフルオロヘキシル
オキシ]ビフェニル250mgを得た。
【0036】得られた化合物はIRおよび 1H−NMR
で構造を確認した。結果を次に示す。 IRスペクトル (cm-1) 810,1120,1220,1600,1760,2850,29201 H−NMRスペクトル (ppm) 0.90,1.00,1.28-1.48,1.48-1.72,1.90,3.50,3.70,4.21 4.26,4.32,4.59-4.98,7.00,7.16,7.50,7.55
【0037】次にこの物質の相転移温度を測定した結果
を示す。なお測定は偏光顕微鏡による目視観察と示差走
査熱量計を併用した。 相転移温度 (℃) K−84.0−Iso
【0038】(実施例2) 4−[(S)−2−ヘキシルオキシプロパノイルオキ
シ]−4’−[(2R,3R)−2,3−ジフルオロヘ
キシルオキシ]ビフェニルの合成(例示化合物 No 3) 実施例1の工程において(R)−2−ヘキシルオキシ
プロピオン酸の代わりに、(S)−2−ヘキシルオキシ
プロピオン酸を用いて全く同様の反応を行うと、4−
[(S)−2−ヘキシルオキシプロパノイルオキシ]−
4’−[(2R,3R)−2,3−ジフルオロヘキシル
オキシ]ビフェニルが得られる。
【0039】次に、実施例1と同様にIRおよび 1H−
NMRにより構造を確認し、さらに相転移温度を同様の
方法で測定した。 IRスペクトル (cm-1) 810,1120,1220,1600,1760,2850,29201 H−NMRスペクトル (ppm) 0.90,1.00,1.28-1.48,1.48-1.72,1.90,3.50,3.70,4.21 4.26,4.32,4.59-4.98,7.00,7.16,7.50,7.55 相転移温度 (℃) K−104.3 −Iso
【0040】(実施例3) 4−[(R)−2−フルオロ−3−メチルブタノイルオ
キシ]−4’−[(2R,3R)−2,3−ジフルオロ
ヘキシルオキシ]ビフェニルの合成(例示化合物 No 1
7) 常法で得られる(R)−2−フルオロ−3−メチルブタ
ン酸0.40gと実施例1の工程で得られた4−
[(2R,3R)−2,3−ジフルオロヘキシルオキ
シ]−4’−ヒドロキシビフェニル1.0gを無水ジク
ロロメタン(20ml)に溶解し、DCC0.85gと
4−ピロリジノピリジン20mgを加え、室温で、12
時間撹拌放置した。反応溶液をセライトを用いて、副生
したウレアを除去し、ジクロロメタンで洗浄した。ジク
ロロメタン層は、順に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
(30ml)、1N塩酸水溶液(30ml)、飽和食塩
水(30ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水
し、溶媒を溜去する。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトにより、溶離液として酢酸エチル:ヘキサン
(1:10)を用いて、生成物の単離・精製を行い、4
−[(R)−2−フルオロ−3−メチルブタノイルオキ
シ]−4’−[(2R,3R)−2,3−ジフルオロヘ
キシルオキシ]ビフェニル 930mgを得た。
【0041】次に、実施例1と同様にIRおよび 1H−
NMRにより構造を確認し、さらに相転移温度を同様の
方法で測定した。 IRスペクトル (cm-1) 830,1020,1218,1250,1500,1610,1775,2890,29801 H−NMRスペクトル (ppm) 1.00,1.13,1.18,1.4-2.0,2.41,4.25,4.33,4.60-5.00,4.
96 6.99,7.18,7.50,7.57 相転移温度 (℃) K−102.0 −Iso
【0042】(実施例4) 4−[(S)−2−フルオロ−3−メチルブタノイルオ
キシ]−4’−[(2R,3R)−2,3−ジフルオロ
ヘキシルオキシ]ビフェニルの合成(例示化合物 No 1
9) 実施例3において(R)−2−フルオロ−3−メチルブ
タン酸の代わりに(S)−2−フルオロ−3−メチルブ
タン酸を用いて全く同様の反応を行うことにより4−
[(S)−2−フルオロ−3−メチルブタノイルオキ
シ]−4’−[(2R,3R)−2,3−ジフルオロヘ
キシルオキシ]ビフェニルが得られる。
【0043】実施例1と同様にIRおよび 1H−NMR
により構造を確認し、さらに相転移温度を同様の方法で
測定した。 IRスペクトル (cm-1) 830,1020,1218,1250,1500,1610,1775,2890,29801 H−NMRスペクトル (ppm) 1.00,1.13,1.18,1.4-2.0,2.41,4.25,4.33,4.60-5.00,4.
96 6.99,7.18,7.50,7.57 相転移温度 (℃) K−115.5 −Iso
【0044】(実施例5) 4−[(S)−2−フルオロ−3−メチルブタノイルオ
キシ]−4’−[(2S,3S)−2,3−ジフルオロ
ヘキシルオキシ]ビフェニルの合成(例示化合物 No 2
0) 実施例3において(R)−2−フルオロ−3−メチルブ
タン酸の代わりに(S)−2−フルオロ−3−メチルブ
タン酸を用い、さらに4−[(2R,3R)−2,3−
ジフルオロヘキシルオキシ]−4’−ヒドロキシビフェ
ニルの代わりに実施例1の工程で得られた4−[(2
S,3S)−2,3−ジフルオロヘキシルオキシ]−
4’−ヒドロキシビフェニルを用いて全く同様の反応を
行うことにより4−[(S)−2−フルオロ−3−メチ
ルブタノイルオキシ]−4’−[(2S,3S)−2,
3−ジフルオロヘキシルオキシ]ビフェニルが得られ
る。実施例1と同様にIRおよび 1H−NMRにより構
造を確認し、さらに相転移温度を同様の方法で測定し
た。 IRスペクトル (cm-1) 830,1020,1218,1250,1500,1610,1775,2890,29801 H−NMRスペクトル (ppm) 1.00,1.13,1.18,1.4-2.0,2.41,4.25,4.33,4.60-5.00,4.
96 6.99,7.18,7.50,7.57 相転移温度 (℃) K−100.6 −Iso
【0045】(実施例6) 4−[(2R,3S)−2−フルオロ−3−メチルペン
タノイルオキシ]−4’−[(2R,3R)−2,3−
ジフルオロヘキシルオキシ]ビフェニルの合成
(例示化合物 No 37) 常法で得られる(2R,3S)−2−フルオロ−3−メ
チルペンタン酸0.45gと実施例1の工程で得られ
た4−[(2R,3R)−2,3−ジフルオロヘキシル
オキシ]−4’−ヒドロキシビフェニル1.0gを無水
ジクロロメタン(20ml)に溶解し、DCC0.85
gと4−ピロリジノピリジン20mgを加え、室温で、
12時間撹拌放置した。反応溶液をセライトを用いて、
副生したウレアを除去し、ジクロロメタンで洗浄した。
ジクロロメタン層は、順に飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液(30ml)、1N塩酸水溶液(30ml)、飽和食
塩水(30ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱
水し、溶媒を溜去する。
【0046】得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
により、溶離液として酢酸エチル:ヘキサン(1:1
0)を用いて、生成物の単離・精製を行い、4−[(2
R,3S)−2−フルオロ−3−メチルペンタノイルオ
キシ]−4’−[(2R,3R)−2,3−ジフルオロ
ヘキシルオキシ]ビフェニル750mgを得た。次に、
実施例1と同様にIRおよび 1H−NMRにより構造を
確認し、さらに相転移温度を同様の方法で測定した。 IRスペクトル (cm-1) 820,1120,1200,1460,1490,1600,1760,2880,29201 H−NMRスペクトル (ppm) 1.00,1.05,1.10,1.4-1.8,1.90,2.15,4.23,4.32,4.58-4.
95 5.13,7.00,7.18,7.48,7.53 相転移温度 (℃) K−83− SA −87−Iso
【0047】(実施例7) 4−[(2R,3S)−2−フルオロ−3−メチルペン
タノイルオキシ]−4’−[(2S,3S)−2,3−
ジフルオロヘキシルオキシ]ビフェニルの合成
(例示化合物 No 38) 実施例6において4−[(2R,3R)−2,3−ジフ
ルオロヘキシルオキシ]−4’−ヒドロキシビフェニル
の代わりに4−[(2S,3S)−2,3−ジフルオロ
ヘキシルオキシ]−4’−ヒドロキシビフェニルを用い
て全く同様の反応を行うことにより4−[(2R,3
S)−2−フルオロ−3−メチルペンタノイルオキシ]
−4’−[(2S,3S)−2,3−ジフルオロヘキシ
ルオキシ]ビフェニルが得られる。実施例1と同様にI
Rおよび 1H−NMRにより構造を確認し、さらに相転
移温度を同様の方法で測定した。 IRスペクトル (cm-1) 820,1120,1200,1460,1490,1600,1760,2880,29201 H−NMRスペクトル (ppm) 1.00,1.05,1.10,1.4-1.8,1.90,2.15,4.23,4.32,4.58-4.
95 5.13,7.00,7.18,7.48,7.53 相転移温度 (℃) K−97.2−Iso
【0048】(実施例8) 4−[(2S,3S)−2−フルオロ−3−メチルペン
タノイルオキシ]−4’−[(2R,3R)−2,3−
ジフルオロヘキシルオキシ]ビフェニルの合成
(例示化合物 No 39) 実施例6において(2R,3S)−2−フルオロ−3−
メチルペンタン酸の代わりに、(2S,3S)−2−フ
ルオロ−3−メチルペンタン酸を用いて全く同様の反応
を行うことにより4−[(2S,3S)−2−フルオロ
−3−メチルペンタノイルオキシ]−4’−[(2R,
3R)−2,3−ジフルオロヘキシルオキシ]ビフェニ
ルが得られる。実施例1と同様にIRおよび 1H−NM
Rにより構造を確認し、さらに相転移温度を同様の方法
で測定した。 IRスペクトル (cm-1) 820,1120,1200,1460,1490,1600,1760,2880,29201 H−NMRスペクトル (ppm) 1.00,1.05,1.10,1.4-1.8,1.90,2.15,4.23,4.32,4.58-4.
95 5.13,7.00,7.18,7.48,7.53 相転移温度 (℃) K−84−Iso
【0049】(実施例9)下記の化合物を混合し、液晶
組成物Aを調製した。更に、実施例1で製造した化合物
を混合して、液晶組成物Bを調製した。 化合物85・・・ 配合量:7重量部 〃 86・・・ 配合量:7重量部 〃 87・・・ 配合量:7重量部 〃 88・・・ 配合量:7重量部 〃 89・・・ 配合量:16重量部 〃 90・・・ 配合量:56重量部 次に化合物85〜90の化学構造を示す。
【0050】
【化12】
【0051】組成物Aの相転移温度は、 Cry 2 Sc
49 SA 67 Ch 70 Iso である。組成物Bは該組成物
A93重量部に実施例1で製造した化合物7重量部を混
合したものである。この該組成物Bを加熱し、等方性液
体とした後、ポリイミドを塗布しラビング処理を施した
透明電極付き薄型セル(2.0ミクロン)に注入した。
然る後、セルを除冷し、螺旋構造が消失している均一な
Sc* のモノドメインを得、このセルに20Vpp、5
0Hzの三角波電圧を印加して自発分極の測定を行った
ところ、非常に大きな値を示した。また、同セルに20
Vpp、50Hzの矩形波電圧を印加して25℃におけ
る応答速度を測定した。その結果、明瞭なスイッチング
特性を示した。自発分極値、及び応答速度を表1に示
す。
【0052】(実施例10)実施例9における組成物B
の実施例1で合成した化合物に代えて、実施例4で製造
した化合物を7重量部混合した組成物C、実施例7で製
造した化合物を7重量部混合した組成物D、実施例8で
製造した化合物を7重量部混合した組成物Eをそれぞれ
調製し、この組成物について実施例9と同様に自発分極
および応答速度を測定した。またこれらの組成物も明瞭
な明暗のスイッチング特性を示した。結果を表1に示
す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明はコアとそれをはさむ二つのキラ
ル部からなる光学活性化合物においてキラル炭素原子の
数、位置、絶対配置のあり方と液晶組成物における高速
応答性、メモリー性の関係をあきらかにした。このよう
にして得られた本発明の化合物(一般式(I))が、強
誘電性を持たない液晶組成物に添加することにより、組
成物全体の強誘電性を発現させ、さらに、大きな自発分
極を誘起することができた。その結果、高速応答性が得
られた。また、均一配向性は良好であり、モノドメイン
状態が確認され、メモリー性が得られた。
【0055】また、本発明の光学活性化合物において
は、それ自体特に自発分極の値が充分大きいので、実用
的な液晶組成物を得るために、種々の他のスメクチック
C相を有する(キラルもしくはアキラル)液晶と混合し
て液晶組成物としてキラルスメクチックC相を有する強
誘電性液晶組成物とするための混合用液晶として有用な
化合物である。従って、本発明によれば実用温度域にお
いて高速応答性を有する電気光学液晶素子の材料として
有用な新規な化合物を廉価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は一般式(VII)の化合物の合成経路を、
(B)および(C)は一般式(VIII)の化合物の合成経路
を例示する。
【図2】一般式(VI)の化合物の合成経路を例示する。
【図3】一般式(I)の化合物の合成経路を例示する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアとそれをはさむ二つのキラル部を有
    する光学活性化合物であって、その一方のキラル部に少
    なくとも2個の隣接キラル炭素原子を、他方のキラル部
    に少なくとも1個のキラル炭素原子を有することを特徴
    とする液晶用光学活性化合物。
  2. 【請求項2】 二つのキラル部の各々初めのキラル炭素
    原子がコアから数えて2番目に結合する炭素原子であっ
    てそのキラル炭素原子は共にハロゲン原子で置換されて
    いて、かつその絶対配置が一方はR型で他方はS型であ
    る請求項1記載の液晶用光学活性化合物。
  3. 【請求項3】 二つのキラル部の各々初めのキラル炭素
    原子がコアから数えて2番目に結合する炭素原子であっ
    てその一方のキラル炭素原子はハロゲン原子で置換され
    他方のキラル炭素原子はCH3 で置換されていて、かつ
    その絶対配置が共にR型であるか、または共にS型であ
    る請求項1記載の液晶用光学活性化合物。
  4. 【請求項4】 次の一般式(I) 【化1】 (式中、AはC1 〜C18のアルキル基またはアルコキシ
    基を、C* はキラル炭素原子を、Xはハロゲン原子また
    はCH3 を、Y、Zはハロゲン原子を、およびBはC1
    〜C18のアルキル基を示す。)で表される光学活性化合
    物。
  5. 【請求項5】 AがC1 〜C18のアルコキシ基を、Xが
    CH3 を、Y、Zがフッ素原子または塩素原子である請
    求項4記載の光学活性化合物。
  6. 【請求項6】 AがC1 〜C18のアルキル基を、X、
    Y、Zがフッ素原子または塩素原子である請求項4記載
    の光学活性化合物。
  7. 【請求項7】 A、BがC3 〜C10のアルキル基を、
    X、Y、Zがフッ素原子である請求項4記載の光学活性
    化合物。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7に記載の光学活性化合
    物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成
    物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100595571B1 (ko) * 2004-09-13 2006-07-03 엘지전자 주식회사 로봇 청소기

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