JPH0733113Y2 - ロータリーキルン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、産業廃棄物などを焼却するために用いられ
るロータリーキルンに関する。

従来の技術 この種のロータリーキルンとしては、例えば、特開昭48
−39367号公報に開示されているように、炉壁に、これ
とともに回転するように送風ファンが装備され、送風フ
ァンに、一端を炉壁内に臨ませた空気取入管の他端が接
続されているものが知られている。

考案が解決しようとする課題 上記ロータリーキルンでは、炉壁内における被焼却物の
発熱量、燃焼性等の変動にともなう燃焼形態の変化に対
し、これに追従するように燃焼空気配分を変更すること
ができず、被焼却物を効率良く燃焼させることができな
い。

この考案の目的は、炉壁内への燃焼空気配分を変更させ
ることができ、被焼却物を効率良く燃焼させることがで
きるロータリーキルンを提供することにある。

課題を解決するための手段 この考案によるロータリーキルンは、炉壁に、これとと
もに回転するように送風ファンが装備されているロータ
リーキルンにおいて、炉壁外面長さ方向複数か所に、送
風ファンと空気供給管によって接続された環状空気槽が
炉壁を取り囲むように設けられ、空気槽の周方向複数か
所に、一端を炉壁内に臨ませた空気取入管の他端が接続
され、空気取入管に流量調整弁が設けられていることを
特徴とするものである。

作用 この考案によるロータリーキルンでは、炉壁外面長さ方
向複数か所に、送風ファンと空気供給管によつて接続さ
れた環状空気槽が炉壁を取り囲むように設けられ、空気
槽の周方向複数か所に、一端を炉壁内に臨ませた空気取
入管の他端が接続され、空気取入管に流量調整弁が設け
られているから、送風ファンから空気が複数の空気槽に
送られて炉壁の長さ方向複数か所に溜められ、複数の空
気槽から取入管によって炉壁の周方向複数か所から炉壁
内に取入れられ、炉壁内に取入れられる空気は流量調整
弁によって流量調整される。

実施例 以下、この考案を並流式ロータリーキルンに適用した場
合の実施例について第１図を参照して説明する。また、
この考案を向流式ロータリーキルンに適用することがで
きることは勿論である。

ロータリーキルンは、回転円筒状炉壁（１）を有してい
る。炉壁（１）の両端部には、それぞれの開口端を覆う
ように廃棄物投入用および取出用フード（２）（３）が
それぞれ設けられている。投入用フード（２）には、そ
の端壁を貫通して上向き投入口（４）を有するダクト
（５）が設けられている。取出用フード（３）は下向き
排出口（６）を有している。さらに、投入用フード
（２）には補助燃料噴出ノズル（７）が設けられるとと
もに、取出用フード（３）には上向き開口燃焼ガス排出
口（８）が設けられている。

炉壁（１）の軸方向中間部の２ケ所に環状空気槽（９）
が炉壁（１）の外周面を囲んで固定状に設けられてい
る。各空気槽（９）側壁の周方向を等分する複数位置に
は、Ｌ字状の空気取入管（10）の水平部先端が接続され
ている。各空気取入管（10）の垂直部は炉壁（１）を貫
通してその先端が炉壁（１）内に臨まされている。各空
気取入管（10）には流量調整弁（11）がそれぞれ設けら
れている。各空気槽（９）の外周壁には、分岐管（16）
を介して空気供給管（14）が接続されている。分岐管
（16）には開閉弁（15）が設けられている。空気供給管
（14）の他端は送風フアン（13）に接続されている。送
風フアン（13）は炉壁（１）の外面に炉壁（１）ととも
に回転するように装備されており、これにより、空気取
入管（10）に空気を供給するための空気供給装置の全体
が炉壁（１）とともに回転するようになっている。

上記ロータリーキルンにおいて、投入口（４）から投入
された廃棄物は、炉壁（１）内を送られる間に、順次乾
燥領域、燃焼領域および後燃焼領域を形成して燃焼さ
れ、焼却灰として排出口（６）から排出される。一方、
燃焼空気は、必要に応じて補助燃料を使用することによ
り昇温されたものが乾燥領域を形成するように投入用フ
ード（２）から供給されるとともに、燃焼領域を形成す
るように各空気取入管（10）によって炉壁（１）の両開
口端の中間部から供給される。空気取入管（10）から供
給される空気によって燃焼領域での燃焼温度が許容温度
以下に抑制される。各空気取入管（10）から供給される
空気量は、廃棄物の含水率などによって各領域が移動す
るために燃焼領域のみならず他の領域が所要の燃焼状態
に保持されるように、流量調整弁（11）によって適宜抑
制される。また空気取入管（10）から供給される空気は
常温でよく、燃焼温度を効果的に抑制することができる
ので、空気供給量を全体として減少させて窒素酸化物の
生成を抑制するように空気比を下げた燃焼が可能にな
る。

考案の効果 この考案によれば、送風ファンから空気が複数の空気槽
に送られて炉壁の長さ方向複数か所に溜められ、複数の
空気槽から取入管によって炉壁の周方向複数か所から炉
壁内に取入れられ、炉壁内に取入れられる空気は流量調
整弁によって流量調整されるから、炉壁内への燃焼空気
配分を変更することができ、被焼却物を効率良く燃焼さ
せることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図この考案の実施例を示すロータリーキルンの縦断
面図である。 （１）…炉壁、（９）…空気槽、（10）…空気取入管、
（11）…流量調整弁、（13）…送風ファン、（14）（1
6）…空気供給管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】炉壁（１）に、これとともに回転するよう
   に送風ファン（13）が装備されているロータリーキルン
   において、 炉壁（１）外面長さ方向複数か所に、送風ファン（13）
   と空気供給管（14）（16）によって接続された環状空気
   槽（９）が炉壁（１）を取り囲むように設けられ、空気
   槽（９）の周方向複数か所に、一端を炉壁（１）内に臨
   ませた空気取入管（10）の他端が接続され、空気取入管
   （10）に流量調整弁（11）が設けられていることを特徴
   とするロータリーキルン。