JPH07330982A - 熱可塑性エラストマー樹脂組成物及びその製造法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー樹脂組成物及びその製造法

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JPH07330982A
JPH07330982A JP12282594A JP12282594A JPH07330982A JP H07330982 A JPH07330982 A JP H07330982A JP 12282594 A JP12282594 A JP 12282594A JP 12282594 A JP12282594 A JP 12282594A JP H07330982 A JPH07330982 A JP H07330982A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐圧縮永久歪特性に優れた熱可塑性エラスト
マー樹脂組成物及びその製造法を提供する。 【構成】 ポリプロピレン系樹脂(1)、エチレン/α
−オレフィン共重合体ゴム(2)及びエチレン/スチレ
ン/α−オレフィン共重合体(3)からなる熱可塑性エ
ラストマー樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐圧縮永久歪特性に優れ
た熱可塑性エラストマー樹脂組成物及びその製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマーとしては、主にポリプロピレンとエチレン−プロ
ピレン系ゴムからなるものが広く知られているが、その
ほかにも架橋ゴム成分をアクリロニトリルーブタジエン
ゴムとするもの、ブチルゴムとするもの、さらには天然
ゴムとするものなどがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
の複合材料も耐圧縮永久歪特性が優れず、架橋ゴム分野
への代替が進んでいないのが現状である。
【0004】本発明は上記した問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は耐圧縮永久歪特性に優れた熱可
塑性エラストマー樹脂組成物及びその製造法を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述のよう
な現状に鑑み鋭意検討した結果、本発明を完成するに至
ったものである。すなわち、本発明は、ポリプロピレン
系樹脂(1)、エチレン/α−オレフィン共重合体ゴム
(2)及びエチレン/スチレン/α−オレフィン共重合
体(3)からなる熱可塑性エラストマー樹脂組成物並び
にその製造法である。
【0006】以下に本発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0007】本発明は、ポリプロピレン系樹脂(1)、
エチレン/α−オレフィン共重合体ゴム(2)及びエチ
レン/スチレン/α−オレフィン共重合体(3)からな
る熱可塑性エラストマー樹脂組成物である。
【0008】本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂
(1)としては、例えば、ポリプロピレンホモポリマ
ー、プロピレン/エチレンブロック共重合体、プロピレ
ン/エチレンランダム共重合体、プロピレン/エチレン
/1−ブテンランダム共重合体等が挙げられる。これら
のポリマーのうち共重合体のエチレンや1−ブテン含量
は特に限定するものではないが、得られる組成物の耐熱
性の維持のため、エチレンと1−ブテンの総量が20モ
ル%未満であることが好ましい。また、これらのポリプ
ロピレン系樹脂は1種又は2種以上を混合して用いても
構わない。
【0009】本発明で用いられるエチレン/α−オレフ
ィン共重合体ゴム(2)は、エチレンとα−オレフィン
を共重合体したものである。
【0010】エチレン/α−オレフィン共重合体ゴム
(2)のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1
−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセ
ン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデ
セン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オク
タデセン、1−ノナデセン、1−エイコデセン等があげ
られ、これらの1種又は2種以上が用いられる。なかで
も、入手の容易さからプロピレン、1−ブテン、1−ヘ
キセン、1−オクテン等が好ましい。このαーオレフィ
ン含量は、得られる組成物の柔軟性や耐寒性の維持のた
め、20モル%以上80モル%以下であることが好まし
い。
【0011】また、エチレン/α−オレフィン共重合体
ゴム(2)には、第3成分として非共役ジエン成分が共
重合されていることが架橋性向上の観点から好ましい。
この非共役ジエンとしては、例えば、1,4−ペンタジ
エン、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,5−ヘ
プタジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エ
チリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2
−ノルボルネン、2,5−ノルボナジエン、1,6−シ
クロオクタジエン、2−エチレン−2,5−ノルボナジ
エン、2−イソプロペニル−2,5−ノルボナジエン、
ジシクロペンタジエン、1,6−オクタジエン、1,7
−オクタジエン、トリシクロペンタジエン等があげられ
る。
【0012】本発明で用いられるエチレン/スチレン/
α−オレフィン系共重合体(3)はエチレン、スチレン
及びα−オレフィンの共重合体である。
【0013】エチレン/スチレン/α−オレフィン系共
重合体(3)に用いられるα−オレフィンとしては特に
限定するものではないが、得られる組成物の機械特性向
上の観点から炭素数4以上のものが好ましく、例えば、
炭素数4以上のα−オレフィンとしては、1−ブテン、
1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デ
セン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセ
ン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサ
デセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノ
ナデセン、1−エイコデセン等があげられ、これらの1
種又は2種以上が用いられる。なかでも、入手の容易さ
から1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が好ま
しい。
【0014】なお、α−オレフィンとして1−ブテンの
みを用いる場合には、ポリプロピレン系樹脂(1)との
相溶性を維持することで、得られる組成物を機械特性に
優れたものにするため、その含量は45モル%以上であ
ることが好ましい。また、炭素数が5以上のαーオレフ
ィンを使用する場合には、ポリプロピレン系樹脂(1)
との相溶性を維持することで、得られる組成物を機械特
性に優れたものにするため、αーオレフィン含量は30
モル%以上であることが好ましい。ここに、炭素数が5
以上のαーオレフィンとは、例えば、1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等があげられ
る。
【0015】さらに、エチレン/スチレン/α−オレフ
ィン系共重合体(3)のスチレン含量は特に限定するも
のではないが、0.01モル%以上30モル%以下であ
ることが好ましい。これにより、ポリプロピレン系樹脂
(1)との相溶性が良好となると共に得られる組成物の
表面粘着性が低下する。
【0016】本発明において用いられるエチレン/スチ
レン/α−オレフィン系共重合体(3)の分子量は特に
限定するものではないが、共重合体の取扱いの容易性、
有効な架橋の容易取得のため、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)によって測定した数平均分
子量がポリエチレン換算で5000〜100万であるこ
とが好ましく、さらに、1万〜60万が好ましい。
【0017】以上に述べたエチレン/スチレン/α−オ
レフィン系共重合体(3)の製造方法は特に限定するも
のではなく、例えば、チタン系触媒、バナジウム系触媒
又はメタロセン系の触媒など種々の触媒を用いて製造す
ることができる。
【0018】本発明である熱可塑性エラストマー樹脂組
成物は、上記に掲げるポリプロピレン系樹脂(1)、エ
チレン/α−オレフィン共重合体ゴム(2)及びエチレ
ン/スチレン/α−オレフィン共重合体(3)からなる
ものであり、エチレン/α−オレフィン共重合体ゴム
(2)が架橋しているものである。
【0019】ここに、ポリプロピレン系樹脂(1)、エ
チレン/α−オレフィン共重合体ゴム(2)及びエチレ
ン/スチレン/α−オレフィン共重合体(3)の配合割
合は特に限定するものではない。
【0020】なお、ポリプロピレン系樹脂(1)とエチ
レン/α−オレフィン共重合体ゴム(2)の配合割合
は、得られる組成物の成形加工性の維持と、組成物の表
面硬度の維持によるゴム的な性質の維持のため、ポリプ
ロピレン系樹脂(1)はエチレン/α−オレフィン共重
合体ゴム(2)100重量部に対して3重量部以上10
0重量部以下が好ましく、さらに5重量部以上50重量
部以下が好ましい。
【0021】また、エチレン/スチレン/α−オレフィ
ン系共重合体(3)とエチレン/α−オレフィン共重合
体ゴム(2)の配合割合は、得られる組成物にエラスト
マー的性質を付与するためと表面のべた付き防止のた
め、エチレン/スチレン/α−オレフィン系共重合体
(3)はエチレン/α−オレフィン共重合体ゴム(2)
100重量部に対して3重量部以上100重量部以下が
好ましく、さらに5重量部以上50重量部以下が好まし
い。
【0022】本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物
の製造方法としては特に限定するものではないが、物性
向上の観点から、ポリプロピレン系樹脂(1)の溶融時
に剪断力下、エチレン/α−オレフィン共重合体ゴム
(2)の架橋を行う工程を含むことが好ましい。また、
加工性向上の点から本発明の組成物の製造においてエチ
レン/スチレン/α−オレフィン共重合体(3)をエチ
レン/α−オレフィン共重合体ゴム(2)の架橋終了後
に添加することが好ましい。
【0023】また、本発明の樹脂組成物の製造方法にお
けるエチレン/α−オレフィン共重合体ゴム(2)の架
橋方法は特に限定するものではないが、硫黄架橋及び/
又はパーオキサイド架橋を行うことによって架橋時間の
短縮が可能であるため好んで用いられる。
【0024】パーオキサイド架橋に用いることができる
架橋剤としては、例えば、t−ブチルパーオキサイド、
ジーtーブチルパーオキサイド,t−ブチルパーオキシ
ーイソプロピルカーボネート、t−ブチルクミルパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミ
ルパーオキサイド、クメンパーオキサイド、ベンゾイル
パーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジ
ーイソプロピルベンゼンパーオキサイド、2,5−ジメ
チルヘキサン−2,5−ジパーオキサイド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパー
オキシヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、3,3,5−トリメチルヘキ
サノイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイル
パーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイ
ド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、2,2’−ビス(t−
ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、
1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)
ベンゼン等があげられ、これらは単独又は混合して使用
される。また、硫黄架橋と併用して用いることも可能で
ある。
【0025】硫黄架橋、パーオキサイド架橋のいずれで
あっても架橋剤の添加量は本発明で用いるエチレン/α
−オレフィン共重合体ゴム(2)100重量部あたり
0.1〜10重量部が好ましい。0.1重量部未満では
架橋が十分には行われないおそれがあり、10重量部を
越えると得られる組成物に臭気が残ることがある。
【0026】また、エチレン/α−オレフィン共重合体
ゴム(2)の架橋の際に上記架橋剤と共に架橋促進剤を
併用すると架橋速度が向上するため好ましい。この架橋
促進剤としては、例えば、N,N−ジフェニルグアニジ
ン、N,N−ジ−o−トリルグアニジン、N,N−o−
トリルグアニジン等のグアニジン誘導体;N,N−ジブ
チルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、ジラウリ
ルチオ尿素、2−メルカプトイミダゾリン、トリメチル
チオ尿素、テトラメチルチオ尿素等のチオ尿素;ジブチ
ルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸ナ
トリウム、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛等のキサン
トゲル酸塩;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチ
ルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン
酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−
ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジ
チオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナ
トリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ
ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオ
カルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸テリリウ
ム、ピペリジニウムペンタメチレンジチオカルバメー
ト、ピペコリンピペコリジメチルジチオカルバメート、
ジメチルジチオカルバミン酸鉄等のジチオカルバミン酸
塩;ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアニ
リン、ブチルアルデヒドアニリン等のアルデヒドアンモ
ニア系化合物;メルカプトベンゾチアゾール、メルカプ
トベンゾチアゾールナトリウム塩、ジベンゾチアジルジ
スルフィド、2−(4−モルフォリノジチオ)ベンゾチ
アゾール、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプ
トベンゾチアゾール等のチアゾール系化合物;テトラメ
チルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムモ
ノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テ
トラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラ
ムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスル
フィド等のチウラムサルファイド;メルカプトベンゾチ
アゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等の2−メル
カプトベンゾチアゾール亜鉛等のチアゾール系化合物;
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェン
アミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾール
スルフェンアミド、N−t−ブチルベンゾチアゾールス
ルフェンアミド等のスルフェンアミド化合物等があげら
れる。これらの架橋促進剤は単独で用いても2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0027】架橋促進剤を用いる場合のその使用量は、
得られる組成物の成形加工性の維持のため、エチレン/
α−オレフィン共重合体ゴム(2)100重量部当たり
10重量部以下が好ましく、さらに5重量部以下が好ま
しい。
【0028】また、亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛
華、炭酸亜鉛、リサージ及び酸化マグネシウムなどに代
表される架橋促進助剤及び分散剤を併用することも可能
である。
【0029】さらに、エチレン/α−オレフィン共重合
体ゴム(2)の架橋の際に共架橋剤を使用すると架橋効
果が向上するので有効である。この共架橋剤としては、
例えば、P・キノンジオキシム、P・Pジベンゾイルキ
ノンジオキシム、N−メチル−N’−4−ジニトロソア
ニリン、ジニトロソベンゼン、ラウリルメタアクリレー
ト、エチレングリコールジメタアクリレート、トリエチ
レングリコールジメタアクリレート、テトラエチレング
リコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコール
ジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
アクリレート、ジアリールフマレート、ジアリールフタ
レート、テトラアリールオキシエタン、トリアリールシ
アヌレート、アリールメタアクリレート、マレイミド、
フェニールマレイミド、N,N’m−フェニレンビスマ
レイミド、無水マレイン酸、イタコン酸、ジビニルベン
ゼン、ジアリールメラミン、ジフェニルグアニジン、ジ
ビニルアジペート、ビニールトルエン、1,2−ポリブ
タジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ジ
ペンタメチレンチウラムペンタスルフィド、メルカプト
ベンズチアゾール、硫黄等があげられ、これらのうち1
種又は2種以上が必要に応じて使用される。
【0030】共架橋剤を用いる場合のその使用量は、得
られる組成物の成形加工性の維持のため、エチレン/α
−オレフィン共重合体ゴム(2)100重量部当たり1
0重量部以下が好ましく、さらに5重量部以下が好まし
い。
【0031】本発明である樹脂組成物には成形加工性、
柔軟性を向上する目的で軟化剤を添加してもよい。軟化
剤としては、例えば、パラフィン系軟化剤、ナフテン系
軟化剤、アロマ系軟化剤、アスファルト、ワセリン、オ
ゾケライト、ポリエチレンワックス等があげられるがこ
れらの1種又は2種以上が用いられる。そしてこの添加
量は軟化剤のブリード防止のためエチレン/α−オレフ
ィン共重合体ゴム(2)100重量部に対して100重
量部以下であることが好ましい。特に、この添加量を3
重量部以上100重量部以下、さらには5重量部以上6
0重量部以下とすることにより得られる組成物に優れた
成形加工性が付与される。
【0032】また、本発明である樹脂組成物には無水フ
タル酸、安息香酸、サリチル酸、ニトロソ化合物等に代
表されるスコーチ防止剤、クマロン樹脂、テルペン樹
脂、石油系炭化水素化合物、ロジン誘導体等に代表され
る粘着付与剤を必要に応じて添加できる。さらに、必要
に応じて炭酸カルシウム、マイカ、タルク、シリカ、硫
酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パイ
ロフェライト、ベントナイト、セリサナイト、ゼオライ
ト、ネフェリンシナイト、アタパルジャイト、ウォラス
トナイト、フェライト、珪酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、ドロマイト、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化
チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデ
ン、カーボンブラック、石膏、石英などの無機充填剤や
補強剤さらには有機、無機顔料を配合することもでき
る。また、離型剤、アンチブロッキング剤、スリップ
剤、帯電防止剤、滑剤、耐熱安定剤、光安定剤、UV吸
収剤、耐候性安定剤、発泡剤、消泡剤、防錆剤、防黴
剤、結晶化剤、透明化剤、イオントラップ剤、難燃剤、
難燃助剤等を必要に応じて添加しても良い。
【0033】さらに、本発明の組成物を他の樹脂へブレ
ンドすることも可能である。この場合、第3成分として
本発明の組成物と他の樹脂との相溶化剤を併用すること
も可能である。特に本発明の組成物に低密度ポリエチレ
ン、超低密度ポリエチレンをブレンドすると押出し成形
性が向上するため好ましく用いられる。
【0034】本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物
は、ポリプロピレン系樹脂(1)の溶融時に剪断力を与
えてエチレン/α−オレフィン共重合体ゴム(2)の架
橋を行う工程を含む方法により製造することが好まし
い。この方法は動的架橋と呼ばれる手法であるが、この
方法を用いることによって本発明の組成物の力学特性は
飛躍的に向上する。なお、このとき用いる装置について
は特に限定するものではなく、ロール、バンバリーミキ
サー、ニーダー等のバッチ式混練機やスクリュウ押出し
機、ローター型連続混練機等の連続混練機等を単独又は
組み合わせて用いられる。
【0035】本発明で用いられるエチレン/スチレン/
α−オレフィン共重合体(3)はポリプロピレン系樹脂
(1)と共に本発明の組成物のマトリクスとなり、これ
まで問題とされてきた耐圧縮永久歪、永久伸び、柔軟性
の改良に大きな役割を果たす。また、引張り試験におけ
る応力−歪曲線も従来のオレフィン系熱可塑性エラスト
マーは比較的小さな歪の領域で大きな応力を示したのに
対して本発明の樹脂組成物はあまり大きな応力値を示さ
ず、より架橋ゴム的な性質を示す。しかし、本発明の組
成物の製造に際して架橋条件がきついとエチレン/α−
オレフィン共重合体ゴム(2)の架橋と共にエチレン/
スチレン/α−オレフィン共重合体(3)まで架橋する
おそれが生じ、得られる組成物の成形加工性が低下する
と共に物性も低下してしまう。そこでエチレン/α−オ
レフィン共重合体ゴム(2)に優先的に架橋を生じせし
める目的でエチレン/α−オレフィン共重合体ゴム
(2)として非共役ジエン成分を共重合したものを用い
ることが好ましい。また、上記した理由と同様の理由か
ら本発明の組成物の製造においてエチレン/スチレン/
α−オレフィン共重合体(3)をエチレン/α−オレフ
ィン共重合体ゴム(2)の架橋終了後に添加することも
好ましい。
【0036】また、エチレン/α−オレフィン共重合体
ゴム(2)の架橋度によって本発明の組成物は未架橋分
がほとんど無い完全架橋型と未架橋分が存在する部分架
橋型に大別されるが、本発明においてはこれらに関して
限定するものではなく、いずれの場合も良好な物性を発
現する。
【0037】このように、前述した方法で得られた本発
明の組成物は補強用充填剤、無機充填剤等と配合されて
射出成形、押出成形、インフレーション成形、カレンダ
ー成形により各種成形品、フィルム、シート、チューブ
等に成形することが可能である。
【0038】
【実施例】以下に、本発明について実施例をあげて説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】合成例1 エチレン/スチレン/1−ブ
テン共重合体の合成 5リットルのオートクレーブにトルエン750mlおよ
びスチレン150ml、1−ブテンを600mlを加
え、エチレンを16kg/cm2になるように導入し
た。次に、別の反応容器にトルエン10ml、メチルア
ルミノキサン5mmol、公知の方法により合成した
(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5
−シクロペンタジエニル)シラン)ジクロライドチタン
5μmolを加え、この混合溶液を20分間撹拌した
後、オートクレーブに導入し、重合を開始した。この重
合は、エチレン圧を16kg/cm2に保ち、90℃で
20分間行った。
【0040】重合終了後、多量のエタノールによりポリ
マーを洗浄し、60℃で12時間減圧乾燥を行った。そ
の結果、スチレン含量2mol%、1−ブテン含量47
mol%のエチレン/スチレン/1−ブテン共重合体を
32g得た。この共重合体は数平均分子量30000、
Mw/Mn=1.9であった。
【0041】合成例2 エチレン/スチレン/1−ヘ
キセン共重合体の合成 2リットルのオートクレーブにトルエン250mlおよ
びスチレン50ml、1−ヘキセンを300mlを加
え、エチレンを16kg/cm2になるように導入し
た。次に、別の反応容器にトルエン10ml、メチルア
ルミノキサン5mmol、公知の方法により合成した
(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5
−シクロペンタジエニル)シラン)ジクロライドチタン
5μmolを加え、この混合溶液を20分間撹拌した
後、オートクレーブに導入し、重合を開始した。この重
合は、エチレン圧を16kg/cm2に保ち、90℃で
30分間行った。
【0042】重合終了後、多量のエタノールによりポリ
マーを洗浄し、60℃で12時間減圧乾燥を行った。そ
の結果、スチレン含量2mol%、1−ヘキセン含量3
4mol%のエチレン/スチレン/1−ヘキセン共重合
体を30g得た。この共重合体は数平均分子量5400
0、Mw/Mn=2.0であった。
【0043】実施例1 非共役ジエンを共重合成分とするエチレン/プロピレン
共重合ゴム(JSREP51、日本合成ゴム(株)社
製)100重量部、ポリプロピレン系樹脂(東ソーポリ
プロJ5100A、東ソー(株)社製)17.5重量
部、鉱物油系軟化剤(ダイアナプロセスオイルPW−3
80、出光興産(株)社製)35重量部、熱安定剤
(2,2’−メチレン−ビスー(4−エチル−6−第三
ブチルフェノール)、大内新興化学工業(株)社製)2
重量部、架橋剤(パーヘキシン25B−40、日本油脂
(株)社製)2重量部及び共架橋剤(サンエステル(商
標)TMP、三新化学工業(株)社製)1重量部を内容
積100cc、温度180℃のブラベンダーミキサーに
投入し、回転数140rpmで5分間混練した。こうし
て得られた材料に合成例1で合成したエチレン/スチレ
ン/1−ブテン共重合体を17.5重量部を加え、表面
温度が180℃に設定されたロール成形機にて5分間混
練した。
【0044】得られたロールシートをJISK6301
に従い圧縮永久歪用のサンプルにプレス成形し、目的の
組成物を得、圧縮永久歪の測定を行った。その結果を表
1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】実施例2 非共役ジエンを共重合成分とするエチレン/プロピレン
共重合ゴム(JSREP51、日本合成ゴム(株)社
製)100重量部、ポリプロピレン系樹脂(東ソーポリ
プロJ5100A、東ソー(株)社製)17.5重量
部、鉱物油系軟化剤(ダイアナプロセスオイルPW−3
80、出光興産(株)社製)35重量部、熱安定剤
(2,2’−メチレン−ビスー(4−エチル−6−第三
ブチルフェノール)、大内新興化学工業(株)社製)2
重量部、架橋剤(パーヘキシン25B−40、日本油脂
(株)社製)2重量部、共架橋剤(サンエステル(商
標)TMP、三新化学工業(株)社製)1重量部を内容
積100cc、温度180℃のブラベンダーミキサーに
投入し、回転数140rpmで5分間混練した。こうし
て得られた材料に合成例2で合成したエチレン/スチレ
ン/1−ヘキセン共重合体を17.5重量部を加え、表
面温度が180℃に設定されたロール成形機にて5分間
混練した。
【0047】得られたロールシートをJISK6301
に従い圧縮永久歪用のサンプルにプレス成形し、目的の
組成物を得、圧縮永久歪の測定を行った。その結果を表
1にあわせて示す。
【0048】実施例3 直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(ニポロン(商標)−L
F20、東ソー(株)社製)を5重量部ポリプロピレン
系樹脂と混合して新たに添加した以外は実施例2と同様
の方法で目的の組成物を得、圧縮永久歪の測定を行っ
た。その結果を表1にあわせて示す。
【0049】実施例4 実施例1で用いたポリプロピレン系樹脂の代わりに、エ
チレン−プロピレン共重合体樹脂(東ソーポリプロJ6
080A、東ソー(株)社製)を用いた以外は、実施例
1と同様の方法で、目的の組成物を得、圧縮永久歪の測
定を行った。その結果を表1にあわせて示す。
【0050】比較例1 ポリプロピレン系樹脂を35重量部としエチレン/スチ
レン/1−ブテン共重合体を用いなかった以外は実施例
1と同様の方法で組成物を得、圧縮永久歪の測定を行っ
た。その結果を表1にあわせて示す。
【0051】<圧縮永久歪の測定>JISK6301に
従って、温度70℃、処理時間22時間として測定を行
った。
【0052】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明における熱可
塑性エラストマー樹脂組成物は耐圧縮永久歪特性に優れ
た材料となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂(1)、エチレン
    /α−オレフィン共重合体ゴム(2)及びエチレン/ス
    チレン/α−オレフィン共重合体(3)からなることを
    特徴とする熱可塑性エラストマー樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エチレン/スチレン/α−オレフィン共
    重合体(3)のスチレン含量が0.01モル%以上30
    モル%以下であり、かつα−オレフィンが1−ブテンで
    あるとともに、1−ブテン含量が45モル%以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性エラストマ
    ー樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 エチレン/スチレン/α−オレフィン共
    重合体(3)のスチレン含量が0.01モル%以上30
    モル%以下であり、かつα−オレフィンが炭素数5以上
    のものであるとともに、α−オレフィン含量が30モル
    %以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑
    性エラストマー樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリプロピレン系樹脂(1)の溶融時に
    剪断力下、エチレン/α−オレフィン共重合体ゴム
    (2)の架橋を行う工程を含むことを特徴とする請求項
    1〜請求項3に記載の熱可塑性エラストマー樹脂組成物
    の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100422913B1 (ko) * 2001-10-22 2004-03-16 현대모비스 주식회사 강인성이 우수한 폴리프로필렌계 수지 조성물
WO2004062896A1 (en) 2003-01-16 2004-07-29 Ian Orde Michael Jacobs Methods, compositions and blends for forming articles having improved environmental stress crack resistance

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