JPH07330942A - 帯電防止性を有するポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子およびその製法 - Google Patents

帯電防止性を有するポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子およびその製法

Info

Publication number
JPH07330942A
JPH07330942A JP12380694A JP12380694A JPH07330942A JP H07330942 A JPH07330942 A JP H07330942A JP 12380694 A JP12380694 A JP 12380694A JP 12380694 A JP12380694 A JP 12380694A JP H07330942 A JPH07330942 A JP H07330942A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyolefin resin
carbon atoms
alkyl
particles
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12380694A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadayuki Ichimura
忠行 市村
Toshiaki Matsumoto
利章 松本
Kenichi Senda
健一 千田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP12380694A priority Critical patent/JPH07330942A/ja
Publication of JPH07330942A publication Critical patent/JPH07330942A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐着色性および帯電防止性がいずれも良好で
粒子間の融着性の良好な成形品を容易に製造する。 【構成】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、
特定のアルキルスルフォン酸塩および(または)特定の
アルキルアリールスルフォン酸塩95〜5重量%と特定
の脂肪酸ジエタノールアミド5〜95重量%とからなる
帯電防止剤を0.05〜5重量部含有するポリオレフィ
ン系樹脂粒子から形成されたポリオレフィン系樹脂予備
発泡粒子および前記ポリオレフィン系樹脂粒子を、耐圧
容器内に、水、分散剤および揮発性発泡剤とともに仕込
み、水分散物となし、該ポリオレフィン系樹脂粒子の融
点−20℃から+20℃の範囲の温度で、該樹脂粒子に
発泡剤を含浸させ、加圧下、前記水分散物を容器内より
も低圧の雰囲気下に放出することを特徴とする帯電防止
性を有するポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は帯電防止性を有するポリ
オレフィン系樹脂予備発泡粒子およびその製法に関す
る。さらに詳しくは、ビーズ発泡性、融着性が良好で、
成形品の耐着色性、帯電防止性が良好な型内発泡成形品
を提供することができるポリオレフィン系樹脂予備発泡
粒子およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の型
内発泡成形品は、家電用品などの電気機器部品や一般機
器部品などの緩衝包装材として利用されているが、この
種の緩衝包装材は帯電しやすく、ほこりや静電気を嫌う
電気機器部品の包装材の用途にはやや難点がある。この
ため帯電防止性を有するポリオレフィン系樹脂予備発泡
粒子からなる型内発泡成形品が開発され始めている。帯
電防止性を付与する一般的な方法としては、成形品表面
に親水性界面活性剤を塗布する方法や、あらかじめ樹脂
に界面活性剤を練り込んだものから成形品を製造する方
法が代表的である。
【0003】前記あらかじめ樹脂に界面活性剤を練り込
んだものから成形品を製造する際に使用する帯電防止性
を付与したポリオレフィン予備発泡粒子の例として、ポ
リオレフィン系樹脂にHLB4〜8のノニオン系界面活
性剤を含有させた樹脂粒子に発泡剤を含浸させ、高温高
圧下に保持したのちに低圧下に放出し、ポリオレフィン
系樹脂予備発泡粒子にしたものが提案されている(特開
平3−28239号公報)。
【0004】なお、前記のノニオン系界面活性剤の例と
して、N,N−(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミ
ン(以下、アルキルジエタノールアミンという)、脂肪
酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、アル
キルジエタノールアミドが好適であると記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ごとき帯電防止剤を用いれば、必ず良好な帯電防止性を
有する成形品がえられるというわけではなく、使用する
帯電防止剤によって帯電防止性に差があるのが実状であ
る。ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形品の帯電防止性
が最もよくなるのは、帯電防止剤としてアルキルジエタ
ノールアミンを使用するばあいである。しかし、一般
に、フェノール系酸化防止剤を含むポリオレフィン系樹
脂の帯電防止剤としてアルキルジエタノールアミンを使
用したばあい、えられる成形品の養生乾燥時や長期間の
保管中に黄変しやすく、商品価値を著しく低下させやす
いといった問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる実状
に鑑み、黄変を発生させることなく、アルキルジエタノ
ールアミンを添加したばあいと同等の帯電防止性を有す
るポリオレフィン系樹脂型内発泡成形品をうるべく鋭意
検討を重ねた結果、ポリオレフィン系樹脂に特定の帯電
防止剤を配合すれば、フェノール系酸化防止剤を併用し
たばあいでも黄変を生ずることがなく、アルキルジエタ
ノールアミンを用いたばあいと同等の帯電防止性を有す
るポリオレフィン系樹脂型内発泡成形品がえられること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹
脂100部(重量部、以下同様)に対し、アルキル部分
の炭素数が8〜18であるアルキルスルフォン酸塩およ
び(または)アルキル部分の炭素数が8〜18であるア
ルキルアリールスルフォン酸塩95〜5%(重量%、以
下同様)とアシル部分の炭素数が8〜22である脂肪酸
ジエタノールアミド5〜95%とからなる帯電防止剤を
0.05〜5部含有するポリオレフィン系樹脂粒子から
形成された帯電防止性を有するポリオレフィン系樹脂予
備発泡粒子、およびポリオレフィン系樹脂100部に対
し、アルキル部分の炭素数が8〜18であるアルキルス
ルフォン酸塩および(または)アルキル部分の炭素数が
8〜18であるアルキルアリールスルフォン酸塩95〜
5%とアシル部分の炭素数が8〜22である脂肪酸ジエ
タノールアミド5〜95%とからなる帯電防止剤を0.
05〜5部含有するポリオレフィン系樹脂粒子を、耐圧
容器内に、水、分散剤および揮発性発泡剤とともに仕込
み、水分散物となし、該ポリオレフィン系樹脂粒子の融
点−20℃から+20℃の範囲の温度で、該樹脂粒子に
揮発性発泡剤を含浸させ、加圧下、前記水分散物を容器
内よりも低圧の雰囲気下に放出することを特徴とする帯
電防止性を有するポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の
製法に関する。
【0008】
【実施例】本発明でいうポリオレフィン系樹脂とは、オ
レフィン単位を50%以上含み、好ましくはMIが0.
1〜50g/10分の樹脂のことであり、その具体例と
しては、たとえば高密度ポリエチレン(HDPE)、中
密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン
(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−DP
E)、低分子量ポリエチレンなどのポリエチレン類、ポ
リプロピレン、低分子量ポリプロピレンなどのポリプロ
ピレン類、ポリブテンなどのその他のポリオレフィンホ
モポリマー類、エチレン−プロピレンランダム共重合
体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−塩化ビニ
ル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−ビニルアルコール
共重合体などのエチレン系樹脂類、プロピレン−1−ブ
テン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム
ターポリマーなどのプロピレン系樹脂類などや、これら
を必要により架橋させたものなどがあげられるが、これ
らに限定されるものではない。これらは単独で用いても
よく、2種以上併用してもよい。これらのうちでは、直
鎖状低密度ポリエチレン(LL−DPE)、エチレン−
プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−
ブテン3元共重合体が好ましい。
【0009】本発明においては、前記ポリオレフィン系
樹脂に、アルキル部分の炭素数が8〜18であるアルキ
ルスルフォン酸塩および(または)アルキル部分の炭素
数が8〜18であるアルキルアリールスルフォン酸塩と
アシル部分の炭素数が8〜22である脂肪酸ジエタノー
ルアミドとからなる帯電防止剤が加えられる。
【0010】前記併用系の帯電防止剤はえられる型内発
泡成形品の帯電防止性を良好にし、かつ成形性、成形品
の耐着色性などを良好に維持する成分である。
【0011】前記アルキル部分の炭素数が8〜18であ
るアルキルスルフォン酸塩は、一般式(1): R1 SO3 M (1) (式中、R1 は炭素数8〜18のアルキル基、Mはアル
カリ金属)で表わされる化合物である。
【0012】一般式(1)におけるR1 の具体例として
は、たとえばオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデ
シル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、
ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オ
クタデシル基のごとき直鎖のアルキル基などがあげられ
るが、これらに限定されるものではない。
【0013】また、一般式(1)におけるMであるアル
カリ金属の具体例としては、Na、K、Liなどがあげ
られるが、これらのうちでは、Na、Kが好ましい。
【0014】そして、一般式(1)で表わされる化合物
の具体例としては、たとえばオクチルスルフォン酸ナト
リウム、デシルスルフォン酸ナトリウム、ドデシルスル
フォン酸ナトリウム、テトラデシルスルフォン酸ナトリ
ウム、ヘキサデシルスルフォン酸ナトリウム、オクタデ
シルスルフォン酸ナトリウム、平均炭素数14.5のア
ルキルスルフォン酸ナトリウム、平均炭素数11.5の
アルキルスルフォン酸カリウムなどがあげられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0015】また、前記アルキル部分の炭素数が8〜1
8のアルキルアリールスルフォン酸塩とは、一般式
(2): R1 −A−SO3 M (2) (式中、R1 、Mは前記に同じ、Aはアリーレン基)で
表わされる化合物である。
【0016】一般式(2)におけるR1 、Mの具体例と
しては、一般式(1)におけるR1、Mと同様のものが
あげられ、好ましい具体例としても、一般式(1)にお
けるR1 、Mと同様のものがあげられる。
【0017】また、一般式(2)におけるAの具体例と
しては、たとえばフェニレン基が最も一般的なものとし
てあげられる。
【0018】前記のごとき一般式(2)で表わされる化
合物の具体例としては、たとえばデシルベンゼンスルフ
ォン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナト
リウム、テトラデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム
などがあげられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0019】前記一般式(1)または一般式(2)中の
1 の炭素数が8未満のばあい、あるいは18をこえる
ばあい、帯電防止効果は不充分となり、好ましくない。
【0020】前記一般式(1)で表わされる化合物およ
び一般式(2)で表わされる化合物は、一般式(1)で
表わされる化合物のみを単独で用いてもよく、2種以上
併用してもよく、一般式(2)で表わされる化合物のみ
を単独で用いてもよく、2種以上併用してもよく、ま
た、一般式(1)で表わされる化合物の1種以上と一般
式(2)で表わされる化合物の1種以上とを併用しても
よい。
【0021】前記アシル部分の炭素数が8〜22である
脂肪酸ジエタノールアミドは、一般式(3): R2 CON(CH2 CH2 OH)2 (3) (式中、R2 COは炭素数8〜22のアシル基)で表わ
される化合物である。
【0022】一般式(3)中のR2 基の具体例として
は、たとえばヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシ
ル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テト
ラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタ
デシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル
基、炭素数21の直鎖のアルキル基のごとき直鎖のアル
キル基があげられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0023】一般式(3)で表わされる化合物の具体例
としては、たとえばラウロイルジエタノールアミド、ス
テアロイルジエタノールアミドなどがあげられる。
【0024】一般式(3)で表わされる化合物のアシル
基の炭素数が8〜22の範囲からはずれると充分な帯電
防止効果をうることができなくなる。
【0025】前記アルキル部分の炭素数が8〜18であ
るアルキルスルフォン酸塩および(または)アルキル部
分の炭素数が8〜18であるアルキルアリールスルフォ
ン酸塩とアシル部分の炭素数が8〜22である脂肪酸ジ
エタノールアミドとからなる帯電防止剤におけるアルキ
ル部分の炭素数が8〜18であるアルキルスルフォン酸
塩および(または)アルキル部分の炭素数が8〜18で
あるアルキルアリールスルフォン酸塩とアシル部分の炭
素数が8〜22である脂肪酸ジエタノールアミドとの含
有割合としては、前者が95〜5%、さらには70〜3
0%であり、後者が5〜95%、さらには30〜70%
であることが好ましい。前記範囲をはずれると、これら
を併用したばあいに達成される帯電防止効果が充分えら
れなくなる。
【0026】本発明におけるポリオレフィン系樹脂10
0部に対する帯電防止剤の添加量は0.05〜5部、好
ましくは0.1〜3部である。前記帯電防止剤の添加量
が0.05部未満のばあい、充分な帯電防止効果をうる
ことができず、一方、5部をこえると、えられる成形品
の表面がべとつくことになる。
【0027】ポリオレフィン系樹脂と帯電防止剤との混
合順序、混合の仕方などにはとくに限定はないが、ポリ
オレフィン系樹脂の一部とアルキル部分の炭素数が8〜
18であるアルキルスルフォン酸塩および(または)ア
ルキル部分の炭素数が8〜18であるアルキルアリール
スルフォン酸塩とアシル部分の炭素数が8〜22である
脂肪酸ジエタノールアミドとから、まず、帯電防止剤含
有率の高いマスターバッチ、たとえば帯電防止剤の含有
率が5〜20%のマスターバッチを調製し、これとのこ
りのポリオレフィン系樹脂とを混合する方法が帯電防止
剤を均一に分散させやすいという点から好ましい。
【0028】本発明のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒
子は、前記のごときポリオレフィン系樹脂と帯電防止剤
とからなるものからの樹脂粒子を予備発泡させた帯電防
止性を有する予備発泡粒子である。
【0029】前記樹脂粒子の大きさは一般に0.5〜1
0mg/粒程度のものであり、本発明の予備発泡粒子は
このような樹脂粒子を、通常5〜60倍程度、好ましく
は10〜40程度に予備発泡させたものである。
【0030】前記予備発泡粒子の密度は、要すれば使用
される充填剤の有無、樹脂密度などによっても異なる
が、通常0.18〜0.015g/cc、さらには0.
09〜0.022g/cc程度のものである。
【0031】本発明の予備発泡粒子は、要すれば着色せ
しめられていてもよい。予備発泡粒子の着色は、ポリオ
レフィン系樹脂と帯電防止剤とからなるものに、さらに
着色剤(たとえばポリアゾ系やペリレン系などの有機着
色剤など)を加えることによって行なうことができる。
着色剤を加える際にも帯電防止剤のばあいと同様にマス
ターバッチを調製して加えることにより、均一に分散さ
せやすくなる。
【0032】着色剤の添加量は樹脂100部に対し0.
005〜0.02部の範囲が分散性や帯電防止性の点か
ら好ましい。
【0033】なお、前記樹脂粒子やマスターバッチは、
ポリオレフィン系樹脂と帯電防止剤などとを押出機内で
溶融混練したのち、複数個の開口部を通してストランド
状に押し出し、空中または水中で冷却後、ストランドを
カットして造粒することにより製造される。マスターバ
ッチを使用するばあいには、帯電防止剤などのかわりに
マスターバッチを使用すればよい。
【0034】つぎに本発明のポリオレフィン系樹脂予備
発泡粒子の製法について説明する。
【0035】前述のごとき帯電防止剤および要すれば使
用される着色剤などを含有するポリオレフィン系樹脂粒
子と揮発性発泡剤を分散剤の存在下で水に分散させ、該
樹脂粒子の融点より−20℃から+20℃の範囲の温度
に加熱して該樹脂粒子内に揮発性発泡剤を含浸させ、加
圧下、前記水分散物を容器内よりも低圧の雰囲気下に放
出することにより、本発明の予備発泡粒子が製造され
る。水分散物を容器内よりも低圧の雰囲気下に放出する
際に容器内の温度、圧力を一定に保持しながら放出する
ばあいには、発泡倍率が均一な予備発泡粒子がえられ
る。
【0036】前記揮発性発泡剤としては、沸点が−50
〜+120℃の炭化水素またはハロゲン化炭化水素な
ど、たとえばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化水素、モノクロロ
メタン、ジクロロメタン、モノクロロエタン、トリクロ
ロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロエタン、ジ
クロロジフルオロメタン、ジクロロモノフルオロエタ
ン、トリクロロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフ
ルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素などが使用され
る。これらは単独で用いてもよく2種以上併用してもよ
い。
【0037】これらの揮発性発泡剤の使用量は、発泡剤
の種類、所望する発泡倍率、容器内の樹脂粒子量と容器
内空間容積の比率を考慮して、該樹脂粒子中の樹脂に対
して5〜40%含浸されるようにするのが好ましい。
【0038】前記分散剤としては、たとえば、第3リン
酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、炭酸亜鉛など
の水に難溶性の無機物質が使用される。また、少量のド
デシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、α−オレフィ
ンスルフォン酸ナトリウムなどの陰イオン界面活性剤を
分散助剤として使用しうる。
【0039】また、分散剤の使用量についても一般に使
用される量であり、ポリオレフィン系樹脂100部に対
して0.1〜5部程度である。また、分散助剤を使用す
るばあいの使用量は、ポリオレフィン系樹脂100部に
対して0.001〜0.1部程度であるが、とくにこの
範囲に制限されるものではない。
【0040】さらに、水分散物中におけるポリオレフィ
ン系樹脂粒子の割合も一般に採用される割合である水1
00部に対して20〜100部程度であるかぎり、とく
に制限はない。
【0041】前記樹脂粒子の融点より−20℃から+2
0℃の範囲の温度は、セイコー電子工業(株)製のDS
C220を用い、昇温速度が10℃/分の条件で測定し
た融点を基準にした温度である。融点より−20℃から
+20℃、好ましくは−10℃から+10℃の範囲の温
度に加熱して揮発性発泡剤を含浸させる。
【0042】前記温度が融点より−20℃よりも低いば
あいには、目的とする倍率の予備発泡粒子がえられにく
くなり、また+20℃よりも高いばあいには、樹脂の溶
融粘度が低下しすぎて予備発泡粒子の独立気泡率が低下
する。
【0043】また、前記容器内よりも低圧の雰囲気下と
は、一般に予備発泡粒子を製造する際に、容器中の水分
散物を放出する低圧の雰囲気として採用される条件であ
るかぎりとくに制限はないが、たとえば大気中に放出す
る際には大気下、揮発性発泡剤を回収するために密閉系
内に放出するばあいには密閉系内の雰囲気下のことであ
る。
【0044】以上のようにして、本発明の予備発泡粒子
が製造されるが、予備発泡粒子の製造には何の問題もな
く、ビーズ発泡性は良好である。
【0045】また、えられた予備発泡粒子は、通常の型
内発泡成形により良好な成形品にすることができる成形
性、融着性の良好なものである。
【0046】以上のようにしてえられた予備発泡粒子
は、発泡粒子中の発泡剤を空気と置換したのち、必要に
応じて内圧付与をするかもしくはそのまま内圧付与をし
ないで成形型内に充填し、0.7〜4.0kg/cm2
(G)程度の水蒸気で粒子同士を融着させ、金型より取
り出したのち、60℃から80℃の乾燥室で24時間程
度養生させることにより成形品がえられる。
【0047】さらに、えられた成形品は各種用途に使用
されるが、特定の帯電防止剤を使用しているため、該成
形品の耐着色性および帯電防止性は高い水準で良好であ
る。
【0048】以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細
に説明する。
【0049】実施例1〜3および比較例1〜6 フェノール系酸化防止剤(オクタデシル3−(3,5−
ジターシャリブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート)0.15部を含有した密度0.93g/cm
3 、MI2.0g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン
系樹脂100部と、表1に示す種類、量の帯電防止剤と
を混合し、50mmφの押出機で混練したのち造粒し、
樹脂粒子(4.5mg/粒)を製造した。
【0050】10リットル耐圧容器に、水300部、該
樹脂粒子100部、分散剤として第3リン酸カルシウム
2.0部とノルマルパラフィンスルフォン酸ソーダ0.
03部とを仕込み、さらにイソブタンを15部仕込み、
撹拌下、表1に示す温度および内圧で30分間保持した
のち、容器内をチッ素ガスで前記内圧に保持しながら容
器の下部に設けた5mmφオリフィスを通して水分散物
を大気圧下に放出し、予備発泡粒子をえたのち洗浄、乾
燥させた。
【0051】えられた予備発泡粒子の発泡倍率は
【0052】
【数1】
【0053】より求めた。結果を表1に示す。
【0054】つぎに、えられた予備発泡粒子を450m
m×300mm×50mmの金型に充填し、予備発泡粒
子同士を0.8kg/cm2 (G)の水蒸気にて加熱、
融着させ、型内成形品をえ、金型から取り出した。金型
から取り出した成形品を80℃の乾燥器中で24時間乾
燥、養生したのち、成形品の物性(成形品の発泡倍率、
表面性、融着性、黄変、表面固有抵抗)を下記方法によ
り評価した。結果を表1に示す。
【0055】(成形品の発泡倍率)成形品の重量と成形
品の体積を求め
【0056】
【数2】
【0057】より求めた。
【0058】(表面性)成形品表面を目視で観察し、下
記基準にしたがって評価した。 ○:表面が平滑で粒子間の凹凸が少ない ×:表面粒子間の凹凸が多く、表面平滑性が乏しい (融着性)成形品を破断させて断面を観察し、下記基準
にしたがって評価した。 ○:粒子が破断している割合が60%以上 ×:粒子が破断している割合が60%未満 (黄変)成形体の表面着色を目視観察し、下記基準にし
たがって評価した。 ○ :黄変が認められない ○〜△:わずか黄変が認められる × :黄変が著しい (表面固有抵抗)成形品を温度23℃、湿度50%の室
内に48時間保存し、状態を調節したのち、アドバンテ
スト(株)製の超絶縁抵抗計TR8601を用いて測定
した。
【0059】○:1×1011Ω未満 △:1×1011Ω以上〜1×1012Ω未満 ×:1×1012Ω以上
【0060】
【表1】
【0061】実施例4〜6および比較例7〜12 フェノール系酸化防止剤(2,6−ジターシャリブチル
パラクレゾール)0.2部を含有したエチレン含有率
3.2%のエチレン−プロピレンランダム共重合体(D
SC融点145℃)100部と、表2に示す種類、量の
帯電防止剤とを混合し、50mmφの押出機で混練した
のち、造粒し、樹脂粒子(1.8mg/粒)を製造し
た。
【0062】10リットル耐圧容器に、水300部、エ
チレン−プロピレンランダム共重合体粒子ペレット10
0部、分散剤として第3リン酸カルシウム2.0部とノ
ルマンパラフィンスルフォン酸ソーダ0.03部とを仕
込み、さらに、イソブタンを11部仕込み、撹拌下、表
2に示す温度および内圧で30分間保持したのち、容器
内をチッ素ガスで前記内圧に保持しながら容器の下部に
設けた5mmφオリフィスを通して水分散物を大気圧下
に放出し、予備発泡粒子をえたのち水中で洗浄し、乾燥
させた。
【0063】えられた予備発泡粒子の発泡倍率を実施例
1と同様にして求めた。結果を表2に示す。
【0064】つぎに、えられた予備発泡粒子を200リ
ットル耐圧容器に仕込み、8kg/cm2 (G)に加圧
し、2時間保持して予備発泡粒子の内圧を1kg/cm
2 (G)に高めたのち450mm×300mm×50m
mの金型に充填し、発泡粒子同士を3kg/cm
2 (G)の水蒸気にて加熱、融着させ、型内成形品を
え、金型から取り出した。金型から取り出した成形品を
70℃の乾燥器中で24時間乾燥、養生したのち、成形
品の物性を実施例1〜3と同様にして測定した。結果を
表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
【発明の効果】本発明の予備発泡粒子を用いて成形品を
製造すると、耐着色性および帯電防止性がいずれも良好
で、粒子間の融着性の良好な成形品をうることができ
る。
【0067】また、本発明の予備発泡粒子は本発明の製
法により、容易に製造しうる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
    し、アルキル部分の炭素数が8〜18であるアルキルス
    ルフォン酸塩および(または)アルキル部分の炭素数が
    8〜18であるアルキルアリールスルフォン酸塩95〜
    5重量%とアシル部分の炭素数が8〜22である脂肪酸
    ジエタノールアミド5〜95重量%とからなる帯電防止
    剤を0.05〜5重量部含有するポリオレフィン系樹脂
    粒子から形成された帯電防止性を有するポリオレフィン
    系樹脂予備発泡粒子。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
    し、アルキル部分の炭素数が8〜18であるアルキルス
    ルフォン酸塩および(または)アルキル部分の炭素数が
    8〜18であるアルキルアリールスルフォン酸塩95〜
    5重量%とアシル部分の炭素数が8〜22である脂肪酸
    ジエタノールアミド5〜95重量%とからなる帯電防止
    剤を0.05〜5重量部含有するポリオレフィン系樹脂
    粒子を、耐圧容器内に、水、分散剤および揮発性発泡剤
    とともに仕込み、水分散物となし、該ポリオレフィン系
    樹脂粒子の融点−20℃から+20℃の範囲の温度で、
    該樹脂粒子に揮発性発泡剤を含浸させ、加圧下、前記水
    分散物を容器内よりも低圧の雰囲気下に放出することを
    特徴とする帯電防止性を有するポリオレフィン系樹脂予
    備発泡粒子の製法。
JP12380694A 1994-06-06 1994-06-06 帯電防止性を有するポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子およびその製法 Pending JPH07330942A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12380694A JPH07330942A (ja) 1994-06-06 1994-06-06 帯電防止性を有するポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子およびその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12380694A JPH07330942A (ja) 1994-06-06 1994-06-06 帯電防止性を有するポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子およびその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07330942A true JPH07330942A (ja) 1995-12-19

Family

ID=14869793

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12380694A Pending JPH07330942A (ja) 1994-06-06 1994-06-06 帯電防止性を有するポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子およびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07330942A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009001645A1 (ja) * 2007-06-22 2008-12-31 Kaneka Corporation 帯電防止性能を有するポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子およびそれから得られる成形体
JP2013010906A (ja) * 2011-06-30 2013-01-17 Sekisui Plastics Co Ltd ポリエチレン系樹脂発泡シート

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009001645A1 (ja) * 2007-06-22 2008-12-31 Kaneka Corporation 帯電防止性能を有するポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子およびそれから得られる成形体
JP5372750B2 (ja) * 2007-06-22 2013-12-18 株式会社カネカ 帯電防止性能を有するポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子およびそれから得られる成形体
JP2013010906A (ja) * 2011-06-30 2013-01-17 Sekisui Plastics Co Ltd ポリエチレン系樹脂発泡シート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5895614A (en) Method of forming a microcellular foam plank
JP5548621B2 (ja) 予備発泡粒子、その製造方法及び発泡成形体
JP3441165B2 (ja) 難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡粒子
CA1161998A (en) Foaming synthetic resin compositions
KR960013071B1 (ko) 직쇄저밀도 폴리에틸렌 수지형내 발포성형체의 제조방법
JPH0739501B2 (ja) 無架橋直鎖状低密度ポリエチレン予備発泡粒子
JP5976098B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡粒子およびポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなる型内発泡成形体、並びに、これらの製造方法
JP4953891B2 (ja) 黒色のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子
JPH0686544B2 (ja) 無架橋直鎖状低密度ポリエチレン予備発泡粒子およびその成形法
MXPA02003215A (es) Polimerizados de olefina expandibles, particulados.
JP5129641B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、型内発泡成形体および発泡粒子の製造方法
US4331777A (en) Foaming synthetic resin compositions stabilized with certain naphthyl amine compounds
KR100341651B1 (ko) 폴리올레핀계수지발포입자및그제조방법
JP3530333B2 (ja) 帯電防止性を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造法
JP3456758B2 (ja) 帯電防止性を有するポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子およびその製法
US8785508B2 (en) Pre-expanded polypropylene resin beads and process for producing same
JPH07330942A (ja) 帯電防止性を有するポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子およびその製法
JP3582335B2 (ja) 無架橋直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子およびその製造方法
JP5346571B2 (ja) 予備発泡粒子の製造方法
JPS58215326A (ja) ポリオレフイン樹脂型内発泡成型体の製造方法
JPH0328239A (ja) オレフィン系樹脂予備発泡粒子
JPH02240145A (ja) ポリオレフィン樹脂発泡体の製造方法
JPH08113667A (ja) 直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂発泡成型体及びその製造方法
JPH10130421A (ja) 発泡樹脂粒子の製造方法
US6136871A (en) Process for the preparation of polyolefinic particle foam