JPH07330902A - 含フッ素ポリイミドの製造方法 - Google Patents

含フッ素ポリイミドの製造方法

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JPH07330902A
JPH07330902A JP6129983A JP12998394A JPH07330902A JP H07330902 A JPH07330902 A JP H07330902A JP 6129983 A JP6129983 A JP 6129983A JP 12998394 A JP12998394 A JP 12998394A JP H07330902 A JPH07330902 A JP H07330902A
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polyimide
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fluorination
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体装置の多層配線層間絶縁膜等に使うポ
リイミドに対し、内部まで含フッ素化させ低誘電率にす
る。 【構成】 真空槽内にポリイミドを堆積させた試料20
7を設置し、CF4 などのフッ素系ガスによってフッ素
プラズマを発生させる。下部電極208の近くに制御電
極206を設け電圧を印加することで荷電粒子を排除し
フッ素ラジカルを選び出し、ポリイミド表面にフッ素ラ
ジカルのみを照射する。ポリイミド表面で荷電粒子とフ
ッ素ラジカルが反応することがないのでフッ素ラジカル
がポリイミド内部まで拡張する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の多層配線
層間絶縁材料、パッシベーション材料等、絶縁材料とし
て広く用いられているポリイミドを、フッ素プラズマに
よって含フッ素化させる、含フッ素ポリイミドの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年半導体装置は、高集積化にともなう
高速化が必要になり、信号遅延を低減させる目的で、多
層配線層における絶縁材料の見直しが行われている。従
来層間絶縁材料としては、SiO2 、Si3 4 等の材
料が用いられてきたが、誘電率がSiO2 で4、Si3
4 で7と大きいことから、誘電率の低い絶縁材料の使
用が求められている。
【0003】ポリイミド樹脂は、樹脂中で最も高い耐熱
性を持ち、マイクロエレクトロニクス、航空宇宙などの
様々な産業で使用され、誘電率の低い絶縁材料として有
望である。しかし、このポリイミド樹脂でも誘電率は3
とまだ比較的大きい。
【0004】それに対して、含フッ素ポリイミドは、通
常のポリイミドに比べて誘電率が低く、吸湿性も低いな
ど、従来のポリイミドが持つ欠点がないことから、半導
体装置の層間絶縁材料に使用することで、半導体装置の
信号遅延を低減させることが可能である。
【0005】しかしながら従来の含フッ素ポリイミドの
製造法では、ポリイミドモノマーの段階の含フッ素化を
行っており、一般にこのフッ素化反応の制御が困難であ
り、収率が低く、従って合成された含フッ素ポリイミド
が極めて高価になるなどの問題が存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】今後の半導体装置の配
線幅、配線間隔の減少によって、半導体装置の配線浮遊
容量、及び配線抵抗の増大が生じてくるようになる。こ
のとき従来通り、比誘電率が約4程度であるSiO2
を半導体装置用層間絶縁膜に使用した場合、配線遅延の
増大から、半導体装置の高速動作に障害が生じるように
なってくる。一般に配線遅延は、絶縁材料の比誘電率の
平方根に比例するので、絶縁材料に比誘電率の低いもの
を用いることによって配線遅延を減少させることが可能
になる。
【0007】そこで上記課題の達成のために、誘電率の
低い高分子を半導体用層間絶縁材料とすること、中でも
特に耐熱性の高い含フッ素ポリイミドを使用することが
有望となる。しかし従来、含フッ素ポリイミドの製造に
は、フルオロテトラカルボン酸、及びフルオロジアミン
等の、含フッ素ポリイミドモノマーの加熱重合が利用さ
れている。この場合、含フッ素ポリイミドモノマーの合
成が不可欠であり、含フッ素ポリイミドの製造が、収率
の低い含フッ素モノマー合成を経なければならない。従
って半導体装置の製造コストの増大等が、この含フッ素
ポリイミドを層間絶縁材料に適用した場合の大きな障害
となる。また、含フッ素化したモノマーの反応性が落
ち、ポリイミド主鎖の分子量が小さくなること、さらに
フッ素含有量の制御も困難であるなどの問題点が存在す
る。
【0008】本発明では、この問題点を解決するため
に、フッ素を含有していない通常のポリイミドを合成し
た後で、低コストで収率良く、しかもフッ素量を制御し
てポリイミドを含フッ素化させることを課題としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、従来の含フッ素ポリイミドの製造方法
に変えて、CF4 、SF6 、C2 4 、NF3 、C2
6 等のフッ素系ガスから、ラジカル発生装置によってフ
ッ素ラジカルを発生させ、そのフッ素ラジカルを表面か
らバルク内部へ拡散させて、含フッ素ポリイミドを製造
する。たとえば特公昭57−6107号公報あるいは特
開平6−9803号公報では、高分子にフッ素系ガスの
直流及び交流プラズマを照射して、高分子のフッ素処理
を行っているが、プラズマ中には、フッ素ラジカル以外
にも多数の荷電粒子が存在しているので、フッ素ラジカ
ルが高分子内部までは拡散せずに、高分子表面の改質の
みにとどまっている。本発明では、フッ素ラジカルのみ
を選択的に用いることによって、ポリイミド表面での反
応を抑制して、フッ素をポリイミド内部に拡散させ、含
フッ素ポリイミドを合成する。
【0010】
【作用】本発明の原理について説明する。上述の従来の
ポリイミドのフッ素プラズマによるフッ素処理では、F
* ,CFX * といったフッ素ラジカル以外にも、フッ素
イオン、CFX (X=1〜4)イオン等の様々な荷電粒
子がポリイミド表面に到達している。そしてこれら荷電
粒子とフッ素ラジカルが、ポリイミド表面で反応してし
まうので、フッ素ラジカルのポリイミド内部への拡散が
起こらず、ポリイミド表面のみがフッ素化される表面改
質にとどまっていることを見出した。そこで本発明者
は、図1に示すように、真空中で発生させたプラズマ中
から、制御格子107によって荷電粒子104を除去
し、フッ素ラジカルのみを選択的に選び出して基板表面
に照射すれば、ポリイミドの含フッ素化が可能となるこ
とを見いだした。これは次のような原理に基づく。
【0011】プラズマ中からフッ素ラジカルのみを選択
的に選び出して、それのみを基板表面に照射することに
よって、フッ素ラジカルのポリイミド表面での反応が抑
制され、従来は表面で反応してしまったフッ素ラジカル
を、ポリイミド内部まで拡散させることが可能となり、
このフッ素ラジカルによってポリイミドの含フッ素化が
行われる。
【0012】なお、プラズマ中にはラジカルにもイオン
にもなっていない中性粒子もあり、これもポリイミド表
面に到達していると考えられるが、中性粒子はフッ素ラ
ジカルの拡散を阻害することはない。
【0013】
【実施例】以下本発明を図面に基づいて説明する。図2
はフッ素ラジカルによって、ポリイミドを含フッ素化さ
せるための装置の概略図である。装置は支持台201に
設置した真空槽204内に、電極205、208を設
け、その間に電源装置210から直流及び交流電力を印
加できるようになっている。さらに下部電極208上に
は制御格子206があり、この制御格子と下部電極間に
電圧を印加することができ、プラズマ電位を任意に制御
することが可能である。また下部電極には試料加熱装置
が設けられており、試料を任意の温度に加熱することが
可能である。
【0014】この装置によってポリイミドを含フッ素化
させるには、下部電極208上に、あらかじめポリイミ
ドを堆積させたシリコン基板207を設置する。次に装
置にCF4 、SF6 、C2 4 、NF3 、C2 6 等の
フッ素系ガスを導入し、真空度0.01〜0.5Tor
rで、電極間に交流あるいは、直流電力を印加してグロ
ー放電させ、フッ素ガスによるプラズマを発生させる。
さらにここで制御格子206と下部電極208間に直流
電圧を印加してプラズマ中のフッ素ラジカルのみを選択
的に基板表面に導き、ポリイミドを含フッ素化させる。
またこのときポリイミドを堆積させた試料を任意の温度
に加熱して、発生させたフッ素ラジカルが、ポリイミド
中を拡散するのを促す。
【0015】次に具体的な実験例を示す。ポリアミド酸
をシリコン基板上にスピンコート後、350℃のアニー
ルによって重合させて、基板上にポリイミドを0.1μ
m 堆積させた。その後CF4 ガスを用いて、0.5To
rr、交流電力5W、制御格子に300Vの正電圧を印
加して、室温のポリイミドを含フッ素化した時の、ポリ
イミドの比誘電率と処理時間との関係を図3に示す。処
理時間を増加させていくと、ポリイミドの比誘電率が低
下していくことが分かる。ポリイミド中にフッ素が含有
されると、比誘電率が低下することが知られており、こ
の図はポリイミドの含フッ素化が時間と共に進行してい
ることを示している。
【0016】図4(a),(b)は、上記条件で30分
間含フッ素化させたポリイミドと、含フッ素化前のポリ
イミドの、2次イオン質量分析法による、深さ方向フッ
素含有量評価の結果である。処理を行った試料のフッ素
含有量(b)は、処理を行っていないもの(a)に対し
て約1桁大きく、さらに含フッ素化は約0.1μm の広
範囲にわたって進行していることが分かる。
【0017】また上記条件で基板温度を変化させたとき
の、ポリイミドの比誘電率を図5に示す。基板温度を1
00℃以上に上昇させると、ポリイミドの比誘電率が低
下していく。これは、ポリイミドの温度を上昇させる
と、含フッ素化の反応が促進されるためと考えられる。
しかし、300℃以上に基板を加熱した場合は、ポリイ
ミド中のフッ素が逆に脱離し始めるので、誘電率は上昇
していく。従ってポリイミドを含フッ素化させるには、
基板温度を100℃以上300℃以下で行うことが有効
であることがわかった。
【0018】次にプラズマ電位を変化させるため、制御
格子に印加するバイアス電圧を変化させたときの、ポリ
イミドの比誘電率を図6に示す。制御格子に100V以
上の正電圧を印加すると、ポリイミドの比誘電率が低下
していく。すなわち100V以上の正電位によってプラ
ズマ中に含まれるイオンが除去され、ポリイミド表面で
のフッ素ラジカルの反応が抑制されて、フッ素が内部ま
で浸透したと考えられる。従って、ポリイミドのプラズ
マによる含フッ素化時には、印加する電位が100V以
上であることが有効であると考えられる。
【0019】また本発明によって得られた含フッ素ポリ
イミドと、通常のポリイミドの電流電圧特性を図7に示
す。含フッ素ポリイミドの絶縁性が通常のポリイミドに
比べて向上していることが分かる。ポリイミド中の電気
伝導はイオン伝導によると考えられ、含フッ素化によっ
てポリイミドの絶縁性が向上するのは、フッ素ラジカル
によって、ポリイミド中の不純物イオン濃度が減少する
ためと考えられる。
【0020】また、F2 、SF6 、C2 4 、NF3
2 6 等の他のフッ素系ガスでも、CF4 と同様にポ
リイミドが含フッ素化されることを確認した。
【0021】次に、アルミニウム等の配線が形成された
基板上に前述の実施例と同様にしてポリイミド膜を堆積
しフッ素ラジカルを照射してその上に再び配線を形成し
たところ、ポリイミド内部にフッ素が浸透しているので
ポリイミドが低誘電率になり、素子の高速化を行うこと
ができた。
【0022】さらに、真空中で、タングステンヒーター
にこれらのフッ素系ガスを照射してガスを解離させ、発
生したフッ素ラジカルをポリイミドに照射することによ
っても、プラズマによってラジカルを発生させたときと
同様に、ポリイミドが含フッ素化されることを確認し
た。
【0023】このように、通常のポリイミドをフッ素ラ
ジカル処理することによって、低誘電率で、絶縁耐圧の
高い含フッ素ポリイミドを、容易に、CF4 等の安全で
安価なガスで、低コストで製造する事を可能とした。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は半導体装
置の多層配線用含フッ素ポリイミドを、従来の方法に比
べて収率よく低コストで行うことを可能とした。またポ
リイミド膜の表面だけでなく、内部にも十分フッ素を浸
透させることができた。
【0025】さらに処理時間を変化させることによって
フッ素含有量を変化させることを可能とし、従ってポリ
イミドの誘電率制御も可能とした。また本発明による含
フッ素化は、真空容器内でフッ素化の化学反応を行なう
ので、従来の有機合成よりも安全性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、フッ素ラジカルを用いたポリイミド
の含フッ素化の原理図である。
【図2】本発明で使用する、含フッ素化処理装置の概略
図である。
【図3】本発明により含フッ素化処理したポリイミドの
処理時間と比誘電率との関係を示す図である。
【図4】本発明により含フッ素化処理したポリイミド
の、深さ方向フッ素含有量の分布を示す図である。
【図5】基板温度を変化させてポリイミドを含フッ素化
処理したときの、基板温度とポリイミドの比誘電率との
関係を示す図である。
【図6】プラズマ電位を変化させてポリイミドを含フッ
素化処理したときの、バイアス電圧とポリイミドの比誘
電率との関係を示す図である。
【図7】本発明により含フッ素化処理したポリイミド
の、絶縁耐圧特性を示す図である。
【符号の説明】
103,105,106 フッ素ラジカル 104 荷電粒子 107,206 制御格子 108 ポリイミド 109 Si基板 201 支持台 202 真空ポンプ 203 ガスボンベ 204 真空槽 205 上部電極 207 試料 208 下部電極 209 直流電源 210 高圧電源 211 上蓋

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイミドにフッ素を含有させる方法にお
    いて、真空中で、荷電粒子がポリイミドに到達しないよ
    うにして、フッ素ラジカルをポリイミド膜に照射する事
    を特徴とする方法。
  2. 【請求項2】ポリイミド膜にフッ素を含有させる方法に
    おいて、真空中でフッ素ラジカルのみをポリイミド膜に
    照射させることを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】構成する元素としてフッ素を含むガスの放
    電によってプラズマを発生させてフッ素ラジカルを生成
    させる請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】フッ素ラジカル照射中に基板温度を所定の
    温度に保つことを特徴とする請求項1、2または3に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】フッ素ラジカル照射中にプラズマ電位を所
    定の電位に保つことを特徴とする請求項3に記載のポリ
    イミド膜にフッ素を含有させる方法。
JP6129983A 1994-06-13 1994-06-13 含フッ素ポリイミドの製造方法 Expired - Lifetime JP2626559B2 (ja)

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US08/487,243 US5702773A (en) 1994-06-13 1995-06-13 Method for preparing a fluoro-containing polyimide film
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US08/758,816 US5795655A (en) 1994-06-13 1996-12-04 Method for preparing a fluoro-containing polyimide film
US08/873,592 US5780121A (en) 1994-06-13 1997-06-12 Method for preparing a fluoro-containing polyimide film

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