JPH0733087U - 電池収納部を有する電気機器の筐体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電池収納部の一部を覆う鉤形部を除去するこ
とにより、使用する乾電池の種類や数が異なる場合で
も、共通のケース半体によって筐体を構成する。 【構成】 乾電池５を収納する電池収納部２を備えたケ
ース半体１に固定されてリモコン送信器のケースを構成
するケース半体３、及び該電池収納部に設置され得る乾
電池８の電池ホルダー１２を有する。このケース半体３
はケース半体１に固定されたときに電池収納部２の一部
を覆う、鉤形部９を有する。ケース半体１には、ケース
半体３が固定されたときに、鉤形部５の先端が嵌合され
得る嵌合凹部１０を設け、ケース半体３には、鉤形部５
を除去するときの折割を容易にするためのＶ字状の溝等
よりなる脆弱部１１を設ける。電池収納部２にホルダー
１２を収納して、鉤形部９を除去したケース半体３をケ
ース半体１に固定することにより、ホルダー１２がケー
ス半体１と３とにより挟持されて前記ケースに固定され
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、電池収納部を有する電気機器の筐体に関するものであり、特にリ モコン発信器のケースとして好適なものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、ＶＴＲ等のリモコン発信器では、その機種によって使用する乾電池の 種類（大きさ、形状）や本数が異なることがある。 従来では、この乾電池の種類等に応じ、リモコン発信器のケースとしてそれぞ れ異なるものを用いていた。 このため、ケースの金型費用が高くなるという欠点があった。 従来、上記に鑑み、ケースの一部を共用にして金型費用を安くするようにした ものもあった。 図３に、ケースの一部を共用にした、従来のリモコン発信器の電池収納部の近 傍の概略を示す。図３（ａ）において、符号１ａは第１のケース半体であり、電 池収納部２ａを有する。この第１のケース半体１ａには第２のケース半体３ａが 固定されてケースが構成される。４はこのケースに収納されているプリント基板 、５は前記電池収納部２ａに収納された単３の乾電池、６ａは電池収納部２ａの 蓋であり、適宜の手段により前記ケースにロックされるようになっている。

【０００３】 図３（ｂ）において、符号１ａは（ａ）のものと同一の第１のケース半体であ る。この第１のケース半体１ａには、第２のケース半体３ｂが固定されてケース が構成される。この第２のケース半体３ｂは前記ケース半体３ａとは異なり、電 池ホルダー７が一体に成形されている。このホルダー７は前記電池収納部２ａに 配設される。８はホルダー７に保持された単４の乾電池、６ｂはこのホルダー７ の蓋である。 このように構成されたリモコン発信器のケースでは、該ケースを構成する第１ のケース半体１ａが共通になっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

使用する電池の種類等が異なる場合でも、ケースを共用にすることが望ましい ことは前記した通りであるが、上記図３について説明した従来のものでは、ケー スの一部を構成する第１のケース半体のみを共用するに留まっていた。 この考案は、上記に鑑み、使用する電池の種類等が異なる場合でも、その全部 が共通の金型を用いて成形されたケース半体により構成され得る、電気機器の筐 体を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するための、この考案の、電池収納部を有する電気機器の筐 体は、 電池収納部を備えた第１のケース半体と、この第１のケース半体に固定されて 電気機器の筐体が構成される第２のケース半体であって、前記のように第１のケ ース半体に固定されたときに前記電池収納部の一部を覆う、断面形状が鉤形の鉤 形部を有する第２のケース半体と、前記第１のケース半体の電池収納部に設置さ れ得る電池ホルダーとを備え、 前記第１のケース半体には、前記第２のケース半体が前記のように固定された ときに、前記鉤形部の先端が嵌合され得る嵌合凹部を設け、 前記第２のケース半体には、前記鉤形部を除去するときの折割を容易にするた めの脆弱部を設け、 前記電池収納部に前記電池ホルダーを収納した状態で、前記鉤形部を除去した 前記第２のケース半体を第１のケース半体に固定することにより、前記電池ホル ダーが第１のケース半体と第２のケース半体とにより挟持されて前記筐体に固定 されるようにしたことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

上記のように構成された電池収納部を有する電気機器の筐体では、前記第２の ケースの鉤形部を除去した状態で該第２のケースを前記第１のケースに固定する することにより、電池収納部の容積が大きくなり、該電池収納部に多数の乾電池 を収納する電池ホルダーを配設することができる。そして、この電池ホルダーは 前記第１のケース半体と第２のケース半体とにより挟持されて固定される。 また、この鉤形部を除去しない状態で前記第２のケース半体を第１のケース半 体に固定することにより、電池収納部の容積が小さくなり、収納可能な乾電池の 数が少なくなる。このように、前記鉤形部を除去しない状態で前記第２のケース 半体を第１のケース半体に固定すると、前記鉤形部の先端が前記第１のケース半 体の嵌合凹部に嵌合されるので、第２のケース半体に前記脆弱部があっても、該 第２のケース半体が破損するようなことはない。

【０００７】

【実施例】

以下に、この考案の一実施例を図１及び図２について説明する。 図において、符号１は樹脂成形された第１のケース半体であり、電池収納部２ を備えている。３は樹脂成形された第２のケース半体であり、前記第１のケース 半体１に周知の手段により固定されてこのリモコン送信器のケースが構成される 。この第２のケース半体３には、前記のように第１のケース半体１に固定された ときに前記電池収納部２の一部を覆う、断面形状が鉤形の鉤形部９を有する。前 記第１のケース半体１には、前記第２のケース半体３が前記のように固定された ときに、前記鉤形部９の先端が嵌合され得る嵌合凹部１０を有する。 そして、前記第２のケース半体３には、前記鉤形部９を除去するときの折割を 容易にするための脆弱部１１が設けられている。１２は電池ホルダーを示すもの である。

【０００８】 上記のように構成されたものでは、前記第２のケース半体３の鉤形部９を除 去した状態で該第２のケース半体を前記第１のケース半体１に固定するすること により、図１（ｂ）に示すように電池収納部２の容積が大きくなり、この収納部 ２に前記ホルダー１２を収納することができる。このホルダー１２は前記嵌合凹 部１０に嵌合される突起１３を有し、前記ケース半体１にケース半体３が固定さ れることによりこれらのケース半体１，３に挟持されて前記ケースに固定される 。 図１（ｂ）において、８は前記した単４の乾電池、４はプリント基板である。 ６は前記電池収納部２を覆う蓋であり、前記第２のケース半体３にロックされ 得るようになっている。

【０００９】 また、この鉤形部９を除去しない状態で前記第２のケース半体３を第１のケー ス半体１に固定することにより、電池収納部２の一部が前記鉤形部９により覆わ れて、この容積が小さくなり、図１（ａ）に示すように単３の乾電池５が２本収 納され得る。尚、図１（ａ）における符号４は前記したプリント基板である。 前記のように、前記鉤形部９を除去しない状態で前記第２のケース半体３を第 １のケース半体１に固定すると、前記鉤形部９の先端が前記第１のケース半体１ の嵌合凹部１０に嵌合されるので、第２のケース半体３に前記脆弱部１１があっ ても、該第２のケース半体３が破損するようなことはない。 上記実施例では、脆弱部１１としてＶ字状の溝を例示したが、ミシン目等でも よい。

【００１０】 図２は前記第２のケース半体３の前記鉤形部９の近傍を示すものであり、前記 第２のケース半体３の本体と鉤形部９とは前記脆弱部１１及びＵ字形細肉部１４ を介して結合されている。１５は第２のケース半体３の本体と鉤形部９との間に 形成されたスリットである。 従って、前記Ｕ字形細肉部１４をニッパ等で切断し、かつ脆弱部１１を中心と して鉤形部９を枢動させることにより、前記第２のケース半体３の本体から鉤形 部９を容易に除去することができる。 尚、前記図２の（ａ）は前記鉤形部９の近傍の平面を示し、また（ｂ）はこの 縦断正面を示すものである。

【００１１】 前記電池ホルダー１２，７または電池収納部２に収納された乾電池８，５から 前記プリント基板４へ電力を供給するために、前記乾電池８，５の電極と接触す る端子（例えば、コイル状のスプリングよりなる）及び該端子と前記プリント基 板４とを電気的に接続する導電体が必要である。 ちなみに、前記図３（ａ）、図１（ａ）（ｂ）のものでは、第１のケース半体 １ａ，１にプリント基板４を固定した後に第２のケース半体３ａ，３を第１のケ ース半体１ａ，１に固定することにより、乾電池５，８の電極に接触する前記端 子をプリント基板４に一体接続した状態で前記電池収納部２（または電池ホルダ ー１２）内に配設することができるが、図３（ｂ）のものでは、第２のケース半 体３ｂと箱状の電池ホルダー７とが一体に成形されているので、前記端子をプリ ント基板４に一体接続した状態では前記電池ホルダー７に配設することができな い。このため、図３（ｂ）の場合には、予め電池ホルダー７内に設置された前記 端子をリード線によってプリント基板４に接続せざるを得ない。従って、リード 線を接続するための工数が増えると共に、前記のような一体接続の場合に比較し て信頼性の点での問題を残す。

【００１２】

【考案の効果】

この考案は上記したようであり、使用する乾電池の種類や本数が異なる場合で も、共通の金型によって成形されたケース半体によって筐体を構成することがで き、金型費用を低減することができる。そして、前記鉤形部を除去しない場合で も、この鉤形部の先端は前記嵌合凹部に嵌合されているので、前記脆弱部が破損 するようなことはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す概略断面図である。

【図２】この考案の一実施例の要部を示すものであり、
（ａ）は概略平面図、（ｂ）は概略縦断正面図である。

【図３】従来例を示す概略断面図である。

【符号の説明】

１ 第１のケース半体 ２ 電池収納部 ３ 第２のケース半体 ４ プリント基板 ５ 単３の乾電池 ６ 蓋 ８ 単４の乾電池 ９ 鉤形部 １０ 嵌合凹部 １１ 脆弱部 １２ 電池ホルダー １３ 突起 １４ Ｕ字形細肉部 １５ スリット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電池収納部を備えた第１のケース半体
   と、この第１のケース半体に固定されて電気機器の筐体
   が構成される第２のケース半体であって、前記のように
   第１のケース半体に固定されたときに前記電池収納部の
   一部を覆う、断面形状が鉤形の鉤形部を有する第２のケ
   ース半体と、前記第１のケース半体の電池収納部に設置
   され得る電池ホルダーとを備え、 前記第１のケース半体には、前記第２のケース半体が前
   記のように固定されたときに、前記鉤形部の先端が嵌合
   され得る嵌合凹部を設け、 前記第２のケース半体には、前記鉤形部を除去するとき
   の折割を容易にするための脆弱部を設け、 前記電池収納部に前記電池ホルダーを収納した状態で、
   前記鉤形部を除去した前記第２のケース半体を第１のケ
   ース半体に固定することにより、前記電池ホルダーが第
   １のケース半体と第２のケース半体とにより挟持されて
   前記筐体に固定されるようにしたことを特徴とする電池
   収納部を有する電気機器の筐体。