JPH07330824A - 変性マレイン酸共重合体および用途 - Google Patents

変性マレイン酸共重合体および用途

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JPH07330824A
JPH07330824A JP6133291A JP13329194A JPH07330824A JP H07330824 A JPH07330824 A JP H07330824A JP 6133291 A JP6133291 A JP 6133291A JP 13329194 A JP13329194 A JP 13329194A JP H07330824 A JPH07330824 A JP H07330824A
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Japan
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acid
phenylboronic acid
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aminoacetylamino
aminopropionylamino
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JP6133291A
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English (en)
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Kazunori Waki
一徳 脇
Taijirou Shiino
太二朗 椎野
Yasuhisa Sakurai
靖久 櫻井
Mitsuo Okano
光夫 岡野
Kazunori Kataoka
一則 片岡
Yoshiyuki Koyama
義之 小山
Shoji Ishihara
章次 石原
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/42Introducing metal atoms or metal-containing groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment

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  • Medicinal Preparation (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 下式の化合物を導入した新規な変性マレイン
酸共重合体、これからなる指向性を有する薬物運搬体、
および消化管に対して選択的に作用し、薬物投与の効率
化と副作用の低減が可能な消化管指向性薬剤を得る。 【構成】 (無水)マレイン酸と、N−ビニルピロリド
ン、スチレン、酢酸ビニルまたはイソブチレンとの共重
合体に、下式のフッ素化フェニルボロン酸をアミド化反
応させて変性マレイン酸共重合体得、この薬物運搬体と
薬物との複合体を消化管指向性薬剤として用いる。 【化1】〔aは1または2、RfはFまたはフルオロア
ルキル基、R3はHまたは炭化水素基、nは0〜6〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェニルボロン酸基を有
する変性マレイン酸共重合体、これを用いた薬物運搬体
および消化管指向性薬剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、腸炎、大腸癌などの消化管疾患患
者への薬物投与は、主として経口によりカプセル剤、錠
剤、顆粒剤などの一般的な形態で投与する方法が行われ
ている。これらの場合には、患部へ有効な量を作用させ
るために患部に到達するまでに損失する量を考慮して多
量に投与されるため、無駄があるほか、副作用の発現な
どの問題があった。
【0003】消化器指向性を有する薬剤については、特
開平3−206029号に述べられており、カルボキシ
ル基を有する高分子が消化器系の疾患に対して有効であ
ると述べられているが、単に保持時間が長くなるだけで
あり、消化器系に対して選択的に効率良く作用するとい
う点では十分とは言えない。
【0004】また、ボロン酸基を有する高分子について
は特開平4−124144号、特開平4−124145
号に述べられている。この中では、ボロン酸基を有する
高分子自体が糖濃度に応じて状態変化することを利用し
て糖尿病治療システムに用いており、高分子自体を腸な
どの消化管に選択的に作用させることについてはなんら
示唆されていない。
【0005】また、特開平5−93019号には、側鎖
にフェニルボロン酸基および3級アミノ基を有する糖応
答性高分子が記載されている。この高分子は3級アミノ
基を有しているので、pH6.5〜8.5の生体的pH
領域におけるボロン酸基の糖応答性が向上している。し
かし、多量のイオンが存在する生体内では、3級アミノ
基がこれらのイオンとイオン的に相互作用するため、3
級アミノ基導入の効果が小さくなる。このため生体内で
の使用には糖応答性のさらなる改善が要望される。また
この公報には、上記と同様に高分子自体を腸などの消化
管に選択的に作用させることについてはなんら示唆され
ていない。
【0006】さらに、特開平5−262779号にもフ
ェニルボロン酸基を有する高分子が記載され、またフル
オロアルキル基などの電子吸引基の導入により、ボロン
酸基と多価水酸基との可逆的錯体形成をより低いpHに
おいて行うことができることが示唆されている。しか
し、この公報にも高分子自体を腸などの消化管に選択的
に作用させることについてはなんら示唆されていない。
またこの公報に記載されている高分子はビニル基を有す
るボロン酸基含有モノマーを重合させて製造しているの
で、ボロン酸基の導入量が調節しにくく、このため意図
した量でボロン酸基が導入されている高分子とはなりに
くいという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、意図
した量でボロン酸基が導入されており、しかも指向性を
有し、目的とする場所に薬物を効率よく運搬する薬物運
搬体となる高分子を提供することである。本発明の他の
目的は、上記薬物運搬体と薬物との複合体からなり、消
化管に対して選択的に作用し、薬物投与の効率化および
副作用の低減が可能な消化管指向性薬剤を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は次の変性マレイ
ン酸共重合体、薬物運搬体、および消化管指向性薬剤で
ある。 (1)一般式〔1〕
【化11】 {式中、R1
【化12】 〔ただし、aは1または2、Rfは−F、−Cb2b
(ただし、XはF、HまたはCl、bは1〜10の整
数)、または−CF(CF3)[OCF2CF(CF3)]cOC
37(ただし、cは0または1〜8の整数)を示す。R
3はHまたは炭素数1〜10の炭化水素基、nは0〜6
の整数を示す。〕、R2はR1またはOHである。}で示
される構造単位と、 一般式〔2〕
【化13】 (式中、Mは
【化14】 から選ばれる1種以上の単位である。)で示される構造
単位とを含み、一般式〔1〕の単位:一般式〔2〕の単
位のモル比が1:(0.01〜100)、分子量が1,
000〜1,000,000のランダム共重合体からな
る変性マレイン酸共重合体。 (2)前記一般式〔1〕で示される構造単位と、前記一
般式〔2〕で示される構造単位と、 一般式〔3〕
【化15】 {式中、Lは
【化16】 〔式中、YはOR4またはNR56(ただし、R4
5、R6はHまたは1価の有機基)である。〕であ
る。}で示される構造単位とを含み、一般式〔1〕の単
位:一般式〔2〕の単位のモル比が1:(0.01〜1
00)、(一般式〔1〕の単位+一般式〔2〕の単
位):一般式〔3〕の単位のモル比が1:(0.01〜
100)、分子量が1,000〜1,000,000の
ランダム共重合体からなる変性マレイン酸共重合体。 (3)上記(1)または(2)記載の変性マレイン酸共
重合体からなる薬物運搬体。 (4)上記(1)または(2)記載の変性マレイン酸共
重合体と薬物の複合体からなる消化管指向性薬剤。
【0009】一般式〔1A〕においてR3で示される炭
素数1〜10の炭化水素基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基
等のアルキル基;ベンジル基等の置換アルキル基などが
あげられる。
【0010】一般式〔1A〕において−HN−(CH2)n
−CH(R3)−CO−で表される2価の基の具体的なも
のとしては、次のようなアミノ酸に由来するアミノアシ
ル基などをあげることができる。
【化17】
【0011】上記以外にも、−HN−(CH2)n−CH
(R3)−CO−で表される2価の基の具体的なものとし
て、−HN−CH2CH2−CH2−CO−、−HN−C
2CH2CH2−CH2−CO−、−HN−CH2CH2
2CH2−CH2−CO−、−HN−CH2CH2CH2
2CH2−CH2−CO−、−HN−CH2CH2CH2
2CH2CH2−CH2−CO−など、アミノ酸に由来す
るアミノアシル基をあげることができる。
【0012】一般式〔3〕中のR4、R5、R6で示され
る1価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基等のアルキル基、アリール基およびアリールアルキ
ル基から選ばれる同一または異なる基などがあげられ
る。
【0013】本発明の前記一般式〔1〕で示される構造
単位と一般式〔2〕で示される構造単位とを含む変性マ
レイン酸共重合体、ならびに一般式〔1〕で示される構
造単位と一般式〔2〕で示される構造単位と一般式
〔3〕で示される構造単位とを含む変性マレイン酸共重
合体は、無水マレイン酸および/またはマレイン酸と、
N−ビニルピロリドン、スチレン、酢酸ビニルおよびイ
ソブテンから選ばれる1種以上の単量体とのランダム共
重合体であるマレイン酸共重合体に、下記一般式〔4〕
【0014】
【化18】 〔式中、Rf、a、R3およびnは前記と同じものを示
す。〕で示されるアミノ基を有するフッ素化フェニルボ
ロン酸をアミド化反応させて変性することにより製造す
ることができる。
【0015】変性前のマレイン酸共重合体の一方の単量
体である無水マレイン酸およびマレイン酸はどちらを用
いてもよいが、無水マレイン酸を用いる方が好ましい。
他方の単量体であるN−ビニルピロリドン、スチレン、
酢酸ビニル、イソブテンは1種でもよく、2種以上を任
意に組合せて用いてもよい。無水マレイン酸またはマレ
イン酸と他の単量体の仕込量は、(無水)マレイン酸1
〜99モル%、好ましくは10〜90モル%、他の単量
体1〜99モル%、好ましくは10〜90モル%とする
のが適当である。
【0016】これらの各単量体からマレイン酸共重合体
を重合する方法は、これらの単量体混合物を有機過酸化
物、アゾ系触媒等を用いるラジカル重合法など、公知の
重合法を採用することができる。こうして得られるマレ
イン酸共重合体は分子量1,000〜1,000,00
0、好ましくは1,000〜300,000のランダム
共重合体として得られる。この共重合体は、無水マレイ
ン酸またはマレイン酸と他の単量体との仕込量を1:1
にした場合には、基本的には交互共重合体となるが、仕
込量に応じて同じ単量体が重合する場合がある。
【0017】上記の変性前のマレイン酸共重合体の変性
に用いられる一般式〔4〕で表されるアミノ基を有する
フッ素化フェニルボロン酸としては、次のものが例示で
きる。3−アミノアセチルアミノ−2−トリフルオロメ
チルフェニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ
−2−トリフルオロメチルフェニルボロン酸、3−アミ
ノアセチルアミノ−4−トリフルオロメチルフェニルボ
ロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−4−トリフル
オロメチルフェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミ
ノ−5−トリフルオロメチルフェニルボロン酸、3−ア
ミノプロピオニルアミノ−5−トリフルオロメチルフェ
ニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−6−トリフ
ルオロメチルフェニルボロン酸、3−アミノプロピオニ
ルアミノ−6−トリフルオロメチルフェニルボロン酸、
3−アミノアセチルアミノ−2,4−ビス(トリフルオ
ロメチル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニル
アミノ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル
ボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−2−ペンタフル
オロエチルフェニルボロン酸、3−アミノプロピオニル
アミノ−2−ペンタフルオロエチルフェニルボロン酸、
3−アミノアセチルアミノ−4−ペンタフルオロエチル
フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−4
−ペンタフルオロエチルフェニルボロン酸、
【0018】3−アミノアセチルアミノ−5−ペンタフ
ルオロエチルフェニルボロン酸、3−アミノプロピオニ
ルアミノ−5−ペンタフルオロエチルフェニルボロン
酸、3−アミノアセチルアミノ−6−ペンタフルオロエ
チルフェニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ
−6−ペンタフルオロエチルフェニルボロン酸、3−ア
ミノアセチルアミノ−2,5−ビス(ペンタフルオロエ
チル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミ
ノ−2,5−ビス(ペンタフルオロエチル)フェニルボ
ロン酸、3−アミノアセチルアミノ−2−ヘプタフルオ
ロプロピルフェニルボロン酸、3−アミノプロピオニル
アミノ−2−ヘプタフルオロプロピルフェニルボロン
酸、3−アミノアセチルアミノ−4−ヘプタフルオロプ
ロピルフェニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミ
ノ−4−ヘプタフルオロプロピルフェニルボロン酸、3
−アミノアセチルアミノ−5−ヘプタフルオロプロピル
フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−5
−ヘプタフルオロプロピルフェニルボロン酸、3−アミ
ノアセチルアミノ−6−ヘプタフルオロプロピルフェニ
ルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−6−ヘプ
タフルオロプロピルフェニルボロン酸、
【0019】3−アミノアセチルアミノ−2,6−ビス
(ヘプタフルオロプロピル)フェニルボロン酸、3−ア
ミノプロピオニルアミノ−2,6−ビス(ヘプタフルオ
ロプロピル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルア
ミノ−6−ペルフルオロブチルフェニルボロン酸、3−
アミノプロピオニルアミノ−6−ペルフルオロブチルフ
ェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−4,5−
ビス(ペルフルオロブチル)フェニルボロン酸、3−ア
ミノプロピオニルアミノ−4,5−ビス(ペルフルオロ
ブチル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ
−2−ペルフルオロペンチルフェニルボロン酸、3−ア
ミノプロピオニルアミノ−2−ペルフルオロペンチルフ
ェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−4,6−
ビス(ペルフルオロペンチル)フェニルボロン酸、3−
アミノプロピオニルアミノ−4,6−ビス(ペルフルオ
ロペンチル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルア
ミノ−4−ペルフルオロヘキシルフェニルボロン酸、3
−アミノプロピオニルアミノ−4−ペルフルオロヘキシ
ルフェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−5,
6−ビス(ペルフルオロヘキシル)フェニルボロン酸、
3−アミノプロピオニルアミノ−5,6−ビス(ペルフ
ルオロヘキシル)フェニルボロン酸、
【0020】3−アミノアセチルアミノ−5−ペルフル
オロヘプチルフェニルボロン酸、3−アミノプロピオニ
ルアミノ−5−ペルフルオロヘプチルフェニルボロン
酸、3−アミノアセチルアミノ−2,4−ビス(ペルフ
ルオロヘプチル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピ
オニルアミノ−2,4−ビス(ペルフルオロヘプチル)
フェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−6−ペ
ルフルオロオクチルフェニルボロン酸、3−アミノプロ
ピオニルアミノ−6−ペルフルオロオクチルフェニルボ
ロン酸、3−アミノアセチルアミノ−2,5−ビス(ペ
ルフルオロオクチル)フェニルボロン酸、3−アミノプ
ロピオニルアミノ−2,5−ビス(ペルフルオロオクチ
ル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−2
−ペルフルオロノニルフェニルボロン酸、3−アミノプ
ロピオニルアミノ−2−ペルフルオロノニルフェニルボ
ロン酸、3−アミノアセチルアミノ−2,6−ビス(ペ
ルフルオロノニル)フェニルボロン酸、3−アミノプロ
ピオニルアミノ−2,6−ビス(ペルフルオロノニル)
フェニルボロン酸、
【0021】3−アミノアセチルアミノ−4−ペルフル
オロデシルフェニルボロン酸、3−アミノプロピオニル
アミノ−4−ペルフルオロデシルフェニルボロン酸、3
−アミノアセチルアミノ−4,5−ビス(ペルフルオロ
デシル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニルア
ミノ−4,5−ビス(ペルフルオロデシル)フェニルボ
ロン酸、3−アミノアセチルアミノ−5−(1,1−ジ
フルオロメチル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピ
オニルアミノ−5−(1,1−ジフルオロメチル)フェ
ニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−4,6−ビ
ス(1,1−ジフルオロメチル)フェニルボロン酸、3
−アミノプロピオニルアミノ−4,6−ビス(1,1−
ジフルオロメチル)フェニルボロン酸、3−アミノアセ
チルアミノ−6−(1,1,2,2−テトラフルオロエ
チル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミ
ノ−6−(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)フ
ェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−5,6−
ビス(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)フェニ
ルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−5,6−
ビス(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)フェニ
ルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−2−(1,
1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル)フェニ
ルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−2−
(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル)
フェニルボロン酸、
【0022】3−アミノアセチルアミノ−2,4−ビス
(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル)
フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−
2,4−ビス(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオ
ロプロピル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルア
ミノ−4−(ω−ヒドロペルフルオロブチル)フェニル
ボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−4−(ω−
ヒドロペルフルオロブチル)フェニルボロン酸、3−ア
ミノアセチルアミノ−2,5−ビス(ω−ヒドロペルフ
ルオロブチル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオ
ニルアミノ−2,5−ビス(ω−ヒドロペルフルオロブ
チル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−
5−(ω−ヒドロペルフルオロペンチル)フェニルボロ
ン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−5−(ω−ヒド
ロペルフルオロペンチル)フェニルボロン酸、3−アミ
ノアセチルアミノ−2,6−ビス(ω−ヒドロペルフル
オロペンチル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオ
ニルアミノ−2,6−ビス(ω−ヒドロペルフルオロペ
ンチル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ
−6−(ω−ヒドロペルフルオロヘキシル)フェニルボ
ロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−6−(ω−ヒ
ドロペルフルオロヘキシル)フェニルボロン酸、3−ア
ミノアセチルアミノ−4,5−ビス(ω−ヒドロペルフ
ルオロヘキシル)フェニルボロン酸、
【0023】3−アミノプロピオニルアミノ−4,5−
ビス(ω−ヒドロペルフルオロヘキシル)フェニルボロ
ン酸、3−アミノアセチルアミノ−2−(ω−ヒドロペ
ルフルオロヘプチル)フェニルボロン酸、3−アミノプ
ロピオニルアミノ−2−(ω−ヒドロペルフルオロヘプ
チル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−
4,6−ビス(ω−ヒドロペルフルオロヘプチル)フェ
ニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−4,6
−ビス(ω−ヒドロペルフルオロヘプチル)フェニルボ
ロン酸、3−アミノアセチルアミノ−4−(ω−ヒドロ
ペルフルオロオクチル)フェニルボロン酸、3−アミノ
プロピオニルアミノ−4−(ω−ヒドロペルフルオロオ
クチル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ
−5,6−ビス(ω−ヒドロペルフルオロオクチル)フ
ェニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−5,
6−ビス(ω−ヒドロペルフルオロオクチル)フェニル
ボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−5−(ω−ヒド
ロペルフルオロノニル)フェニルボロン酸、3−アミノ
プロピオニルアミノ−5−(ω−ヒドロペルフルオロノ
ニル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−
2,4−ビス(ω−ヒドロペルフルオロノニル)フェニ
ルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−2,4−
ビス(ω−ヒドロペルフルオロノニル)フェニルボロン
酸、3−アミノアセチルアミノ−6−(ω−ヒドロペル
フルオロデシル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピ
オニルアミノ−6−(ω−ヒドロペルフルオロデシル)
フェニルボロン酸、
【0024】3−アミノアセチルアミノ−2,5−ビス
(ω−ヒドロペルフルオロデシル)フェニルボロン酸、
3−アミノプロピオニルアミノ−2,5−ビス(ω−ヒ
ドロペルフルオロデシル)フェニルボロン酸、3−アミ
ノアセチルアミノ−2−(1−クロロ−1,1−ジフル
オロメチル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニ
ルアミノ−2−(1−クロロ−1,1−ジフルオロメチ
ル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−
2,5−ビス(1−クロロ−1,1−ジフルオロメチ
ル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ
−2,5−ビス(1−クロロ−1,1−ジフルオロメチ
ル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−4
−(2−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエチ
ル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ
−4−(2−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロ
エチル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ
−2,6−ビス(2−クロロ−1,1,2,2−テトラ
フルオロエチル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピ
オニルアミノ−2,6−ビス(2−クロロ−1,1,
2,2−テトラフルオロエチル)フェニルボロン酸、3
−アミノアセチルアミノ−4−(3−クロロ−1,1,
2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル)フェニルボ
ロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−4−(3−ク
ロロ−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピ
ル)フェニルボロン酸、
【0025】3−アミノアセチルアミノ−2,6−ビス
(3−クロロ−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオ
ロプロピル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニ
ルアミノ−2,6−ビス(3−クロロ−1,1,2,
2,3,3−ヘキサフルオロプロピル)フェニルボロン
酸、3−アミノアセチルアミノ−5−(ω−クロロペル
フルオロブチル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピ
オニルアミノ−5−(ω−クロロペルフルオロブチル)
フェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−4,5
−ビス(ω−クロロペルフルオロブチル)フェニルボロ
ン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−4,5−ビス
(ω−クロロペルフルオロブチル)フェニルボロン酸、
3−アミノアセチルアミノ−6−(ω−クロロペルフル
オロペンチル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオ
ニルアミノ−6−(ω−クロロペルフルオロペンチル)
フェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−4,6
−ビス(ω−クロロペルフルオロペンチル)フェニルボ
ロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−4,6−ビス
(ω−クロロペルフルオロペンチル)フェニルボロン
酸、3−アミノアセチルアミノ−2−(ω−クロロペル
フルオロヘキシル)フェニルボロン酸、3−アミノプロ
ピオニルアミノ−2−(ω−クロロペルフルオロヘキシ
ル)フェニルボロン酸、
【0026】3−アミノアセチルアミノ−5,6−ビス
(ω−クロロペルフルオロヘキシル)フェニルボロン
酸、3−アミノプロピオニルアミノ−5,6−ビス(ω
−クロロペルフルオロヘキシル)フェニルボロン酸、3
−アミノアセチルアミノ−4−(ω−クロロペルフルオ
ロヘプチル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニ
ルアミノ−4−(ω−クロロペルフルオロヘプチル)フ
ェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−2,4−
ビス(ω−クロロペルフルオロヘプチル)フェニルボロ
ン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−2,4−ビス
(ω−クロロペルフルオロヘプチル)フェニルボロン
酸、3−アミノアセチルアミノ−5−(ω−クロロペル
フルオロオクチル)フェニルボロン酸、3−アミノプロ
ピオニルアミノ−5−(ω−クロロペルフルオロオクチ
ル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−
2,5−ビス(ω−クロロペルフルオロオクチル)フェ
ニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−2,5
−ビス(ω−クロロペルフルオロオクチル)フェニルボ
ロン酸、3−アミノアセチルアミノ−6−(ω−クロロ
ペルフルオロノニル)フェニルボロン酸、3−アミノプ
ロピオニルアミノ−6−(ω−クロロペルフルオロノニ
ル)フェニルボロン酸、
【0027】3−アミノアセチルアミノ−2,6−ビス
(ω−クロロペルフルオロノニル)フェニルボロン酸、
3−アミノプロピオニルアミノ−2,6−ビス(ω−ク
ロロペルフルオロノニル)フェニルボロン酸、3−アミ
ノアセチルアミノ−2−(ω−クロロペルフルオロデシ
ル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ
−2−(ω−クロロペルフルオロデシル)フェニルボロ
ン酸、3−アミノアセチルアミノ−4,5−ビス(ω−
クロロペルフルオロデシル)フェニルボロン酸、3−ア
ミノプロピオニルアミノ−4,5−ビス(ω−クロロペ
ルフルオロデシル)フェニルボロン酸、3−アミノアセ
チルアミノ−4−(ペルフルオロ−1−メチル−2−オ
キサペンチル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオ
ニルアミノ−4−(ペルフルオロ−1−メチル−2−オ
キサペンチル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチル
アミノ−4,6−ビス(ペルフルオロ−1−メチル−2
−オキサペンチル)フェニルボロン酸、3−アミノプロ
ピオニルアミノ−4,6−ビス(ペルフルオロ−1−メ
チル−2−オキサペンチル)フェニルボロン酸、3−ア
ミノアセチルアミノ−5−(ペルフルオロ−1,4−ジ
メチル−2,5−ジオキサオクチル)フェニルボロン
酸、3−アミノプロピオニルアミノ−5−(ペルフルオ
ロ−1,4−ジメチル−2,5−ジオキサオクチル)フ
ェニルボロン酸、
【0028】3−アミノアセチルアミノ−5,6−ビス
(ペルフルオロ−1,4−ジメチル−2,5−ジオキサ
オクチル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニル
アミノ−5,6−ビス(ペルフルオロ−1,4−ジメチ
ル−2,5−ジオキサオクチル)フェニルボロン酸、3
−アミノアセチルアミノ−6−(ペルフルオロ−1,
4,7−トリメチル−2,5,8−トリオキサウンデシ
ル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ
−6−(ペルフルオロ−1,4,7−トリメチル−2,
5,8−トリオキサウンデシル)フェニルボロン酸、3
−アミノアセチルアミノ−2,4−ビス(ペルフルオロ
−1,4,7−トリメチル−2,5,8−トリオキサウ
ンデシル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニル
アミノ−2,4−ビス(ペルフルオロ−1,4,7−ト
リメチル−2,5,8−トリオキサウンデシル)フェニ
ルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−2−(ペルフ
ルオロ−1,4,7,10−テトラメチル−2,5,
8,11−テトラオキサテトラデシル)フェニルボロン
酸、3−アミノプロピオニルアミノ−2−(ペルフルオ
ロ−1,4,7,10−テトラメチル−2,5,8,1
1−テトラオキサテトラデシル)フェニルボロン酸、3
−アミノアセチルアミノ−2,5−ビス(ペルフルオロ
−1,4,7,10−テトラメチル−2,5,8,11
−テトラオキサテトラデシル)フェニルボロン酸、3−
アミノプロピオニルアミノ−2,5−ビス(ペルフルオ
ロ−1,4,7,10−テトラメチル−2,5,8,1
1−テトラオキサテトラデシル)フェニルボロン酸、
【0029】3−アミノアセチルアミノ−4−(ペルフ
ルオロ−1,4,7,10,13−ペンタメチル−2,
5,8,11,14−ペンタオキサヘプタデシル)フェ
ニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−4−
(ペルフルオロ−1,4,7,10,13−ペンタメチ
ル−2,5,8,11,14−ペンタオキサヘプタデシ
ル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−
2,6−ビス(ペルフルオロ−1,4,7,10,13
−ペンタメチル−2,5,8,11,14−ペンタオキ
サヘプタデシル)フェニルボロン酸、3−アミノプロピ
オニルアミノ−2,6−ビス(ペルフルオロ−1,4,
7,10,13−ペンタメチル−2,5,8,11,1
4−ペンタオキサヘプタデシル)フェニルボロン酸、3
−アミノアセチルアミノ−5−(ペルフルオロ−1,
4,7,10,13,16−ヘキサメチル−2,5,
8,11,14,17−ヘキサオキサエイコシル)フェ
ニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−5−
(ペルフルオロ−1,4,7,10,13,16−ヘキ
サメチル−2,5,8,11,14,17−ヘキサオキ
サエイコシル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチル
アミノ−4,5−ビス(ペルフルオロ−1,4,7,1
0,13,16−ヘキサメチル−2,5,8,11,1
4,17−ヘキサオキサエイコシル)フェニルボロン
酸、3−アミノプロピオニルアミノ−4,5−ビス(ペ
ルフルオロ−1,4,7,10,13,16−ヘキサメ
チル−2,5,8,11,14,17−ヘキサオキサエ
イコシル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルアミ
ノ−6−(ペルフルオロ−1,4,7,10,13,1
6,19−ヘプタメチル−2,5,8,11,14,1
7,20−ヘプタオキサトリコシル)フェニルボロン
酸、3−アミノプロピオニルアミノ−6−(ペルフルオ
ロ−1,4,7,10,13,16,19−ヘプタメチ
ル−2,5,8,11,14,17,20−ヘプタオキ
サトリコシル)フェニルボロン酸、
【0030】3−アミノアセチルアミノ−4,6−ビス
(ペルフルオロ−1,4,7,10,13,16,19
−ヘプタメチル−2,5,8,11,14,17,20
−ヘプタオキサトリコシル)フェニルボロン酸、3−ア
ミノプロピオニルアミノ−4,6−ビス(ペルフルオロ
−1,4,7,10,13,16,19−ヘプタメチル
−2,5,8,11,14,17,20−ヘプタオキサ
トリコシル)フェニルボロン酸、3−アミノアセチルア
ミノ−2−(ペルフルオロ−1,4,7,10,13,
16,19,22−オクタメチル−2,5,8,11,
14,17,20,23−オクタオキサヘキサコシル)
フェニルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−2
−(ペルフルオロ−1,4,7,10,13,16,1
9,22−オクタメチル−2,5,8,11,14,1
7,20,23−オクタオキサヘキサコシル)フェニル
ボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−5,6−ビス
(ペルフルオロ−1,4,7,10,13,16,1
9,22−オクタメチル−2,5,8,11,14,1
7,20,23−オクタオキサヘキサコシル)フェニル
ボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−5,6−ビ
ス(ペルフルオロ−1,4,7,10,13,16,1
9,22−オクタメチル−2,5,8,11,14,1
7,20,23−オクタオキサヘキサコシル)フェニル
ボロン酸、3−アミノアセチルアミノ−4−(ペルフル
オロ−1,4,7,10,13,16,19,22,2
5−ノナメチル−2,5,8,11,14,17,2
0,23,26−ノナオキサノナコシル)フェニルボロ
ン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−4−(ペルフル
オロ−1,4,7,10,13,16,19,22,2
5−ノナメチル−2,5,8,11,14,17,2
0,23,26−ノナオキサノナコシル)フェニルボロ
ン酸、3−アミノアセチルアミノ−2,4−ビス(ペル
フルオロ−1,4,7,10,13,16,19,2
2,25−ノナメチル−2,5,8,11,14,1
7,20,23,26−ノナオキサノナコシル)フェニ
ルボロン酸、3−アミノプロピオニルアミノ−2,4−
ビス(ペルフルオロ−1,4,7,10,13,16,
19,22,25−ノナメチル−2,5,8,11,1
4,17,20,23,26−ノナオキサノナコシル)
フェニルボロン酸。
【0031】一般式〔4〕で表されるフッ素化フェニル
ボロン酸は、一般式〔5〕
【化19】 〔式中、Rfおよびaは前記と同じである。〕で表され
るフッ素化アミノフェニルボロン酸と、アミノ基を保護
したアミノ酸とを、カルボニルジイミダゾール、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’
−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド−メソ−p
−トルエンスルホネートなどのカップリング剤の存在下
に反応させて中間体を得た後、この中間体からアミノ基
の保護基を除去することにより製造することができる。
【0032】アミノ基を保護したアミノ酸としては、一
般式〔6〕
【化20】 〔式中、R3およびnは前記と同じである。〕で表され
るアミノ酸のアミノ基を、ベンジルオキシカルボニル
基、t−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメト
キシカルボニル基などの保護基により保護したアミノ酸
などがあげられる。
【0033】上記一般式〔6〕で表されるアミノ酸の具
体的なものとしては、α−アミノ酪酸、アラニン、β−
アラニン、アロイソロイシン、イソロイシン、グリシ
ン、ノルバリン、ノルロイシン、バリン、フェニルアラ
ニン、4−アミノブタン酸、5−アミノペンタン酸、6
−アミノヘキサン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミ
ノオクタン酸などがあげられる。これらはL−体、D体
−またはDL−体のいずれのものでも使用できる。
【0034】保護基の除去方法としては、1)パラジウ
ム黒や5〜10%パラジウム炭素を触媒とする接触還元
法;2)トリフルオロ酢酸、無水フッ化水素またはトリ
フルオロメタンスルホン酸等の酸を用いた酸処理法;
3)水素化合物および触媒の存在下において水素を直接
保護基の結合した中間体に転移させて除去するCTH(C
atalytic Transfer Hydrogenation)法など公知の方法が
採用できる。
【0035】前記マレイン酸共重合体の変性は、マレイ
ン酸共重合体と前記一般式〔4〕で表されるフッ素化フ
ェニルボロン酸とをアミド化反応させることにより行わ
れる。このときのフッ素化フェニルボロン酸の仕込量は
マレイン酸共重合体の無水マレイン酸またはマレイン酸
単位1モルに対して、0.01〜2モル、好ましくは
0.1〜1.5モルとすることができる。一般式〔4〕
で表されるフッ素化フェニルボロン酸はマレイン酸共重
合体に対してほぼ90〜100%の反応率で反応するの
で、仕込みモル比を調節することにより、意図した量で
ボロン酸基が導入された変性マレイン酸共重合体が得ら
れる。
【0036】この反応では溶媒としてベンゼン、トルエ
ン、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、ジエチ
ルエーテル、アセトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢
酸ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリド
ン等を用いることができる。
【0037】また触媒あるいは縮合剤としてトリエチル
アミン、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、N,N′−ジシク
ロヘキシルカルボジイミド、コハク酸イミド類のほか、
パラニトロフェノール等を利用した活性化エステル化剤
などを利用することができる。その際の反応温度は−1
0℃〜+200℃、好ましくは0〜120℃、反応時間
は1分間〜150時間、好ましくは10分間〜50時間
が適当である。
【0038】上記の反応により、マレイン酸共重合体の
無水マレイン酸またはマレイン酸単位と、アミノ基を有
するフェニルボロン酸のアミド化反応が起こり、これに
よりマレイン酸共重合体が変性されて、フッ素化フェニ
ルボロン酸基が導入され、本発明の変性マレイン酸共重
合体が得られる。
【0039】こうして得られる変性マレイン酸共重合体
は、そのままで薬物運搬体として用いることができる
が、変性前のマレイン酸共重合体および/または変性マ
レイン酸共重合体を、蛍光試薬あるいはラジオアイソト
ープ(RI)等によりラベル化することにより、診断薬
として用いることも可能になる。
【0040】蛍光ラベル化の方法としては、変性前のマ
レイン酸共重合体中の無水環、あるいは変性マレイン酸
共重合体中のカルボキシル基と反応可能な蛍光試薬を用
いることによってラベル化が可能である。蛍光試薬とし
ては、例えば9−アンスリルジアゾメタンなどが挙げら
れる。蛍光ラベル化はUVで感知できる量であればよ
く、共重合体に対して1×10-6〜10重量%、好まし
くは1×10-5〜1重量%が適当である。
【0041】RIラベル化は[3H],[14C],[125
I]などでラベル化された公知のものを適宜選択するこ
とができる。変性前のマレイン酸共重合体および/また
は変性マレイン酸共重合体のRIラベル化法としては、
公知のクロラミンTや、グルコースオキシダーゼなどに
よる 125I標識法や、チロシン化合物などを導入した後
これを125I標識する方法、さらに125I標識物を共有結
合させる方法などを用いることができる。RIラベル化
は、γ−カウンターで感知できる量であればよく、共重
合体に対して1×10 -7〜1%、好ましくは1×10-6
〜0.1%が適当である。
【0042】このほか、RIラベル化無水マレイン酸共
重合体を得る方法としては、無水マレイン酸共重合体を
重合する際に、極微量のRI標識された不飽和単量体を
同時に重合させることができる。RI標識された不飽和
単量体としては、例えば[3H]N−エチルマレイミド
等が挙げられる。RI標識のために用いる不飽和単量体
の量は、無水マレイン酸共重合体に対して1×10-6
10重量%、好ましくは1×10-5〜1重量%が適当で
ある。
【0043】このようにして得られた変性マレイン酸共
重合体は、未反応の無水環を有するものは加水分解によ
り開環させることにより、フッ素化フェニルボロン酸基
と側鎖にカルボキシル基を有する共重合体となる。これ
らの変性共重合体は、指向性を有し、薬物運搬体として
利用でき、治療薬あるいは診断薬等の薬物と複合させる
ことにより、消化管指向性薬剤として利用できる。
【0044】この際用いられる治療薬は、どのような薬
物でも用いることが可能であるが、特に消化器系の疾患
に対して直接的に薬効を有するものが好ましい。例えば
消化性潰瘍治療薬である臭化エチルピペタメート、ヨウ
化オキサビウム、臭化プロパンテリン、臭化メチルベナ
クチジン、塩化パパベリン、プリママイド、メチアマイ
ド、シメチジン、ウロガストロン、スルピリド、硝酸硫
酸エステルアルミニウム、ゲフェルネート等や、潰瘍性
大腸炎の治療薬であるサラゾスルファピリジン等や、抗
ガン剤であるブレオマイシン、マイトマイシン、KF−
118、5−フルオロウラシル誘導体、6−メルカプト
プリン誘導体等があげられる。
【0045】変性マレイン酸共重合体と薬物との複合の
方法には制限はなく、単に両者をブレンドさせることの
他に、共有結合、イオン結合、配位結合、シッフ塩の形
成等を利用することができ、各々の薬物に応じた最適な
方法を選択できる。この際、変性共重合体中に薬物を導
入するには、変性共重合体中のカルボキシル基と、薬物
のアミノ基、水酸基、チオール基などの官能基とを反応
させることによって複合体が得られる。
【0046】これらの反応の際、触媒あるいは縮合剤と
してトリエチルアミン、ピリジン、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、N,
N′−ジシクロヘキシルカルボジイミドおよびコハク酸
イミド類、パラニトロフェノール等を利用した活性化エ
ステル化剤等を利用することができる。また必要によ
り、溶剤として水、ベンゼン、トルエン、四塩化炭素、
クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、アセ
トン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ジメチ
ルホルムアミド、ジエチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等を用いること
ができる。反応温度は−10℃〜+200℃、好ましく
は0〜120℃、反応時間は1分間〜150時間、好ま
しくは10分間〜24時間が適当である。
【0047】本発明の消化管指向性薬剤は、マレイン酸
共重合体にフッ素化フェニルボロン酸基を導入する前に
無水環を加水分解により開環させ、その後アミノ基を有
するフッ素化フェニルボロン酸と薬物とを同時に導入す
る方法によっても製造できるが、フッ素化フェニルボロ
ン酸基の含量および薬物の導入量をコントロールするに
は、前述のフッ素化フェニルボロン酸基を導入した後に
薬物を導入する方法が好ましい。
【0048】本発明の消化管指向性薬剤は、様々な剤形
に成形可能である。例えば水溶液、懸濁液、乳化液、カ
プセル剤、油剤、軟膏剤等があげられる。また本発明の
薬剤は、経口投与可能であり、投与量は含有させた薬物
の通常の使用範囲を任意に定めることができる。
【0049】
【作用】消化管内のpHは部位によって異なり、胃では
胃酸分泌の関係でpH1〜3.5であるが、小腸へ移る
と腸液の分泌によって次第にアルカリ側へ傾くことが知
られている。本発明では、このような消化管内のpH勾
配と、ボロン酸が糖の多価水酸基とコンプレックスを形
成する際のpH依存性との二つに着目し、ボロン酸基を
有するポリマーを、消化管粘膜中に存在する糖鎖との結
合によって消化管へ接着させるものである。すなわち、
ボロン酸基のみを有しフルオロアルキル基は有しない従
来の変性マレイン酸共重合体では、胃から小腸までの酸
性ではもちろん中性の部位でも、ボロン酸基が3価構造
を取り、糖鎖の水酸基と結合しないため速やかに移動
し、弱アルカリ性の消化管ではじめて、ボロン酸基が4
価構造を取り、糖鎖との結合によって消化管粘膜に接着
する。
【0050】これに対して、本発明の変性マレイン酸共
重合体では、フェニルボロン酸基にフルオロアルキル基
などの電子吸引基を導入してフッ素化しているため、p
H6.5〜8程度の中性の部位でもボロン酸が糖鎖の水
酸基と結合するようになる。すなわち、中性の環境にあ
る腸粘膜に変性マレイン酸共重合体が効率良く特異的に
接着し、薬物を集中的に作用させることができる。これ
により治療薬や診断薬等の薬物を、腸などの消化管に対
し選択的に運搬することが可能となり、従って、消化管
において治療薬や診断薬の必要とする量を効率良く作用
させることができるとともに、他の臓器等での副作用の
発現を低減させることができる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、フッ素化フェニルボロ
ン酸基を有する新規かつ有用な変性マレイン酸共重合体
が得られる。本発明の薬物運搬体は、上記変性マレイン
酸共重合体からなるため、意図した量でボロン酸基が導
入されており、しかも指向性を有し、薬物を目的とする
場所に効率よく運搬して作用させることができる。本発
明の消化管指向性薬剤は、上記変性マレイン酸共重合体
と薬物からなるため、消化管に対して選択的に作用し、
薬物投与の効率化および副作用の低減が可能となる。
【0052】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、これによって本発明は何ら限定されるものでは
ない。 参考例1 無水マレイン酸9.806g(0.1mol)とN−ビ
ニルピロリドン11.114g(0.1mol)とをア
セトン20ml中に溶解させ、開始剤としてアゾビスイ
ソブチロニトリル0.328g(2mmol)を加え
た。脱気を3回行った後、封管中50℃で4時間反応さ
せた。これをエーテル中に滴下して再沈澱精製を行っ
た。得られた共重合体の収率は24%、分子量はGPC
測定により40000であった。共重合体の元素分析お
よびIRの結果を次に示す。
【0053】元素分析(wt%); C:57.40、H:5.28、N:6.65 IR(KBr、cm-1); 1840、1770(無水環のC=O) 1660(−CONR2) 1220(C−O−C) 2950−2900(CH2,CH) 得られた共重合体は、無水マレイン酸単位を50.3モ
ル%、N−ビニルピロリドン単位を49.7モル%含む
ことがわかった。
【0054】参考例2 共重合可能な不飽和単量体として、N−ビニルピロリド
ンの代わりにスチレン10.414g(0.1mol)
を用い、溶媒をベンゼンに代えた以外は、参考例1と全
く同様の方法で重合、精製を行い共重合体を得た。得ら
れた共重合体の収率は48%、分子量はGPC測定によ
り52000であった。共重合体の元素分析およびIR
の結果を次に示す。
【0055】元素分析(wt%); C:70.53、H:4.88、N:ND IR(KBr、cm-1); 1850、1775(無水環のC=O) 1500、1455(芳香環) 得られた共重合体は、無水マレイン酸単位を51.8モ
ル%、スチレン単位を48.2モル%含むことがわかっ
た。
【0056】参考例3 共重合可能な不飽和単量体として、N−ビニルピロリド
ンの代わりに酢酸ビニル8.629g(0.1mol)
を用いた以外は、参考例1と全く同様の方法で重合、精
製を行い共重合体を得た。得られた共重合体の収率は6
6%、分子量はGPC測定により63000であった。
共重合体の元素分析およびIRの結果を次に示す。
【0057】元素分析(wt%); C:52.25、H:4.35、N:ND IR(KBr、cm-1); 1840、1770(無水環のC=O) 1740(C=O) 得られた共重合体は、無水マレイン酸単位を50.4モ
ル%、酢酸ビニル単位を49.6モル%含むことがわか
った。
【0058】参考例4 共重合可能な不飽和単量体として、N−ビニルピロリド
ンの代わりにイソブテン5.630g(0.1mol)
を用い、溶媒をベンゼンに代えた以外は、参考例1と全
く同様の方法で重合、精製を行い共重合体を得た。得ら
れた共重合体の収率は27%、分子量はGPC測定によ
り25000であった。共重合体の元素分析およびIR
の結果を次に示す。
【0059】元素分析(wt%); C:61.59、H:6.24、N:ND IR(KBr、cm-1); 1860、1780(無水環のC=O) 1470、1395、1365 得られた共重合体は、無水マレイン酸単位を52.5モ
ル%、イソブテン単位を47.5モル%含むことがわか
った。
【0060】参考例5 無水マレイン酸17.686g(0.18mol)とス
チレン2.083g(0.02mol)とをベンゼン2
0ml中に溶解させ、開始剤として過酸化ベンゾイル
4.84g(0.02mol)を加えた。脱気を3回行
った後、封管中60℃で8時間反応させた。これをエー
テル中に滴下して再沈澱精製を行った。得られた共重合
体の収率は21%、分子量はGPC測定により8000
であった。共重合体の元素分析およびIRの結果を次に
示す。
【0061】元素分析(wt%); C:53.46、H:2.63、N:ND IR(KBr、cm-1); 1850、1775(無水環のC=O) 1500、1455(芳香族) 得られた共重合体は、無水マレイン酸単位を90.4モ
ル%、スチレン単位を9.6モル%含むことがわかっ
た。
【0062】参考例6 無水マレイン酸1.965g(0.02mol)とN−
ビニルピロリドン20.006g(0.18mol)と
をアセトン20mlに溶解させた以外は参考例5と同様
にして重合、精製を行い共重合体を得た。得られた共重
合体の収率は51%、分子量はGPC測定により160
00であった。共重合体の元素分析およびIRの結果を
次に示す。
【0063】元素分析(wt%); C:63.33、H:7.58、N:11.40 IR(KBr、cm-1); 1840、1770(無水環のC=O) 1660(C=O),1220(C−O−C) 得られた共重合体は、無水マレイン酸単位を10.7モ
ル%、N−ビニルピロリドン単位を89.3モル%含む
ことがわかった。
【0064】参考例7 無水マレイン酸0.983g(0.01mol)とN−
ビニルピロリドン1.111g(0.01mol)とを
アセトン10ml中に溶解させ、開始剤としてアゾビス
イソブチロニトリル0.164g(1mmol)を加え
た。この溶液1mlに[3H]N−エチルマレイミド
1.2μg(50μCi)を加え、脱気を2回行った
後、封管中50℃で4時間反応させた。これをジメチル
ホルムアミド1mlで希釈し、無水マレイン酸共重合体
の溶液を得た。標識効率(加えた[3H]N−エチルマ
レイミドの放射活性に対する共重合体の放射活性の比)
は3.5%であった。得られた共重合体を凍結乾燥した
後、分子量を測定したところ、GPCより9000であ
った。共重合体の元素分析およびIRの結果を次に示
す。
【0065】元素分析(wt%); C:57.37、H:5.26、N:6.63 IR(KBr、cm-1); 1840、1770(無水環のC=O) 1660(C=O) 得られた共重合体は、無水マレイン酸単位を50.5モ
ル%、N−ビニルピロリドン単位を49.5モル%含む
ことがわかった。
【0066】実施例1− 参考例1で得られた共重合体92.5mg(無水マレイ
ン酸残基が0.442mmol)を、ジメチルホルムア
ミド2.5ml中に3−アミノアセチルアミノ−6−ヘ
プタフルオロプロピルフェニルボロン酸40mg(0.
110mmol)およびトリエチルアミン0.123m
l(0.882mmol)を加えて溶解した溶液に加
え、40℃で24時間反応させ、共重合体を変性した。
反応溶液をジエチルエーテル中に滴下して再沈澱精製を
行い、淡褐色の粉末101.3mgを得た。得られた変
性共重合体90mgを0.1M炭酸水素ナトリウム水溶
液10ml中に加え、恒温槽中(60℃)で3時間撹拌
することによって未反応の無水環を開環させた。透析4
8時間およびイオン交換により精製した後、凍結乾燥し
た。未反応のフェニルボロン酸が存在しないことは、H
PLC測定(移動相;PBS,流速;0.5ml/mi
n,検出;UV λ=254nm)することによって確
認した。この変性共重合体中のマレイン酸残基に対する
ボロン酸基含有率は、原子吸光分析の結果から、25%
であり、仕込んだフッ素化フェニルボロン酸の100%
が反応した。またIRの結果を次に示す。
【0067】IR(KBr、cm-1); 3500〜2500(−O−H) 1700(C=O) 1650,1540(−CO−NHR) 1340(CF3) 1220(CF2) 880,830(芳香環1,2,4置換体)
【0068】実施例1− 参考例2で得た共重合体に実施例1−と同様の方法で
フッ素化フェニルボロン酸を導入した。得られた変性共
重合体中のマレイン酸残基に対するボロン酸基含有率
は、原子吸光分析の結果から、25%であり、仕込んだ
フッ素化フェニルボロン酸の100%が反応した。また
IRの結果は次の通りである。
【0069】IR(KBr、cm-1); 3500〜2500(−O−H) 1710(C=O) 1650(−CO−NHR) 1340(CF3) 1220(CF2
【0070】実施例1− 参考例3で得た共重合体に実施例1−と同様の方法で
フッ素化フェニルボロン酸を導入した。得られた変性共
重合体中のマレイン酸残基に対するボロン酸基含有率
は、原子吸光分析の結果から、25%であり、仕込んだ
フッ素化フェニルボロン酸の100%が反応した。また
IRの結果は次の通りである。
【0071】IR(KBr、cm-1); 3500〜2500(−O−H) 1700(C=O) 1650,1540(−CO−NHR) 1350(B−O)
【0072】実施例1− 参考例4で得た共重合体に実施例1−と同様の方法で
フッ素化フェニルボロン酸を導入した。得られた変性共
重合体中のマレイン酸残基に対するボロン酸基含有率
は、原子吸光分析の結果から、25%であり、仕込んだ
フッ素化フェニルボロン酸の100%が反応した。また
IRの結果は次の通りである。
【0073】IR(KBr、cm-1); 3500〜2500(−O−H) 1700(C=O) 1650,1540(−CO−NHR) 1350(B−O)
【0074】実施例1− 参考例5で得た共重合体218.6mg(無水マレイン
酸残基が2mmol)を、ジメチルホルムアミド5ml
中に3−アミノアセチルアミノ−4−ヘプタフルオロプ
ロピルフェニルボロン酸362mg(1mmol)およ
びトリエチルアミン139μlを加えて溶解した溶液に
加え、45℃で2時間反応させて共重合体を変性した。
得られた変性共重合体の溶液に0.1M炭酸水素ナトリ
ウム水溶液6mlを加え、恒温槽中(60℃)で一時間
反応させ、透析24時間およびイオン交換により精製し
た後、凍結乾燥した。未反応のフェニルボロン酸が存在
しないことは、実施例1−と同様にして確認した。得
られた変性共重合体中のマレイン酸残基に対するボロン
酸基含有率は、原子吸光分析の結果から、50%であ
り、仕込んだフッ素化フェニルボロン酸の100%が反
応した。またIRの結果は次の通りである。
【0075】IR(KBr、cm-1); 3500〜2500(−O−H) 1710(C=O) 1650,1540(−CO−NHR) 1350(B−O)
【0076】実施例1− 参考例6で得た共重合体256.4mg(無水マレイン
酸残基が0.25mmol)を、ジメチルホルムアミド
5ml中に3−アミノアセチルアミノ−6−ヘプタフル
オロプロピルフェニルボロン酸90.5mg(0.25
mmol)およびトリエチルアミン35μl(0.25
mmol)を加えて溶解した溶液に加えた以外は実施例
1−と同様にしてフッ素化フェニルボロン酸を導入し
た。得られた変性共重合体中のマレイン酸残基に対する
ボロン酸基含有率は、原子吸光分析の結果から、10.
7%であり、仕込んだフッ素化フェニルボロン酸の10
0%が反応した。またIRの結果は次の通りである。
【0077】IR(KBr、cm-1); 3500〜2500(−O−H) 1700(C=O) 1650,1540(−CO−NHR) 1350(B−O)
【0078】実施例1− 参考例1で得た共重合体92.5mgを、ジメチルホル
ムアミド2.5ml中に3−アミノアセチルアミノ−4
−ヘプタフルオロプロピルフェニルボロン酸160mg
(0.442mmol)およびトリエチルアミン62μ
l(0.442mmol)を加えて溶解した溶液に加え
た以外は実施例1−と同様にしてフッ素化フェニルボ
ロン酸を導入した。得られた変性共重合体中のマレイン
酸残基に対するボロン酸基含有率は、原子吸光分析の結
果から、95%であった。またIRの結果は次の通りで
ある。
【0079】IR(KBr、cm-1); 3500〜2500(−O−H) 1700(C=O) 1650,1540(−CO−NHR) 1340(CF3) 1220(CF2
【0080】実施例1− 実施例1−における3−アミノアセチルアミノ−6−
ヘプタフルオロプロピルフェニルボロン酸を3−アミノ
アセチルアミノ−4,6−ビス(ヘプタフルオロプロピ
ル)フェニルボロン酸58.3mg(0.110mmo
l)に代えた以外は同様にしてフッ素化フェニルボロン
酸を導入した。得られた変性共重合体中のマレイン酸残
基に対するボロン酸基含有率は、原子吸光分析の結果か
ら、22.5%であり、仕込んだフェニルボロン酸の9
0%が反応した。またIRの結果は次の通りである。
【0081】IR(KBr、cm-1); 3500〜2500(−O−H) 1700(C=O) 1650,1540(−CO−NHR) 1330(CF3) 1210(CF2
【0082】実施例1− 参考例7で得た共重合体の溶液の1/20量に、ジメチ
ルホルムアミド0.2ml中に3−アミノアセチルアミ
ノ−6−ヘプタフルオロプロピルフェニルボロン酸3
6.2mg(0.1mmol)およびトリエチルアミン
13.9μl(0.1mmol)を加えて溶解した溶液
を加え、室温で48時間反応させて共重合体を変性し
た。得られた反応物は、0.1M炭酸水素ナトリウム水
溶液0.3mlを加え、恒温槽中(60℃)で一時間反
応させ加水分解した。さらに、減圧濃縮して水0.6m
lに溶解し、ゲルろ過(G−50)した後、凍結乾燥し
た。得られたポリマーを水10mlに溶解してイオン交
換樹脂5mlを加え、20分後に水溶液を取り出して再
度凍結乾燥した。未反応のフェニルボロン酸が存在しな
いことは、1mg/mlのポリマー水溶液を調製してH
PLC測定(移動相;PBS,流速;0.5ml/mi
n,検出;UV λ=254nm)することによって確
認した。また、遊離した[3H]N−エチルマレイミド
が存在しないことは、同様のポリマー水溶液をHPLC
によって分取し、その放射活性を調べることにより確認
した。変性共重合体の中のマレイン酸残基に対するボロ
ン酸基含有率は、原子吸光分析の結果から、80%であ
った。またIRの結果は次の通りである。
【0083】IR(KBr、cm-1); 3500〜2500(−O−H) 1700(C=O) 1650,1540(−CO−NHR) 1340(CF3) 1220(CF2) 880,830(芳香環1,2,4置換体)
【0084】実施例2− 実施例1−ないし1−で得た変性共重合体1mgに
ジメチルホルムアミド100μlおよび水50μlを加
えて溶解し、これに蛍光試薬である9−アンスリルジア
ゾメタン(ADAM)の0.1%メタノール溶液10μ
lを加え、室温にて1時間反応させた。得られたポリマ
ーは、ゲルろ過(G−50)、限外ろ過(分画50,0
00)によって精製した。次に、HPLC測定(移動
相;PBS,流速;0.5ml/min,検出;UV
λ=254nm)により未反応のADAMが存在しない
ことを確認した後、凍結乾燥した。
【0085】得られた各変性マレイン酸共重合体の大腸
への接着性の評価を、Wisterラット(5週齢)の
大腸を取り出して反転し、両端を結紮して作成した約2
cmのループ状にしたものを用いて行った。まず、得ら
れた変性マレイン酸共重合体をダルベッコ PBS
(+)溶液(pH7.4)に溶解して0.01mg/m
lの溶液を調製し、その蛍光強度を測定した。次に、W
isterラットの大腸をループ状にしたものを、変性
マレイン酸共重合体を溶解したPBS溶液(10ml、
pH7.4)に入れ、CO2、O2混合ガスを送りながら
1時間放置した。その後ループを取り出し、上澄みの蛍
光強度を測定した。予め、数種類の濃度の変性マレイン
酸共重合体溶液の蛍光強度を測定して検量線を作成して
おき、ループを入れる前と入れた後の溶液の蛍光強度か
ら濃度の減少量、すなわち変性マレイン酸共重合体の大
腸ループへの接着量を求めた。その結果を表1に示す。
【0086】実施例2− 実施例1−得られた変性マレイン酸共重合体を用いて
大腸への接着性の評価を次のようにして行った。まず、
マウス(ddY、オス、5週、絶食24時間)をウレタ
ン麻酔下で開腹し、大腸の両端を結紮してループを作成
した。ループ内に変性マレイン酸共重合体のPBS(リ
ン酸緩衝液)溶液(0.225mg/dl、pH7.
4)を50μl投与し、1時間後にループを開いてPB
Sで軽くゆすいだ。そして、ループ内の放射活性を測定
することにより大腸への接着性を調べた。その結果を表
2に示す。
【0087】比較例1− 参考例1で得られた共重合体の溶液に0.1M炭酸水素
ナトリウム水溶液6mlを加え、恒温槽中(60℃)で
一時間反応させ、透析24時間およびイオン交換により
精製した後、凍結乾燥した。さらに、このポリマー1m
gにジメチルホルムアミド100μlおよび水50μl
を加えて溶解し、これに蛍光試薬である9−アンスリル
ジアゾメタン(ADAM)の0.1%メタノール溶液1
0μlを加え、室温にて1時間反応させた。得られたポ
リマーは、ゲルろ過(G−50)、限外ろ過(分画5
0,000)によって精製した後、凍結乾燥した。得ら
れた共重合体の大腸への接着性の評価を、実施例2−
と同様にして行った。その結果を表1に示す。
【0088】比較例1− 実施例1−における3−アミノ−4−ヘプタフルオロ
プロピルフェニルボロン酸を3−アミノフェニルボロン
酸136.9mg(1mmol)に代えた以外は同様の
方法で変性マレイン酸共重合体を得た。得られた共重合
体の大腸への接着性の評価を、実施例2−と同様にし
て行った。その結果を表1に示す。
【0089】比較例1− 参考例1で得られた共重合体の溶液の残りの1/20量
に0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液0.3mlを加
え、恒温槽中(60℃)で一時間反応させた。得られた
共重合体の大腸への接着性の評価を、実施例2−と同
様にして行った。その結果を表2に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 一則 千葉県柏市大室1083−4 (72)発明者 小山 義之 神奈川県川崎市宮前区鷺沼1−18−11− 403 (72)発明者 石原 章次 千葉県船橋市西船3−7−25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔1〕 【化1】 {式中、R1は 【化2】 〔ただし、aは1または2、Rfは−F、−Cb2b
    (ただし、XはF、HまたはCl、bは1〜10の整
    数)、または−CF(CF3)[OCF2CF(CF3)]cOC
    37(ただし、cは0または1〜8の整数)を示す。R
    3はHまたは炭素数1〜10の炭化水素基、nは0〜6
    の整数を示す。〕、 R2はR1またはOHである。}で示される構造単位と、 一般式〔2〕 【化3】 (式中、Mは 【化4】 から選ばれる1種以上の単位である。)で示される構造
    単位とを含み、 一般式〔1〕の単位:一般式〔2〕の単位のモル比が
    1:(0.01〜100)、分子量が1,000〜1,
    000,000のランダム共重合体からなる変性マレイ
    ン酸共重合体。
  2. 【請求項2】 一般式〔1〕 【化5】 {式中、R1は 【化6】 〔ただし、aは1または2、Rfは−F、−Cb2b
    (ただし、XはF、HまたはCl、bは1〜10の整
    数)、または−CF(CF3)[OCF2CF(CF3)]cOC
    37(ただし、cは0または1〜8の整数)を示す。R
    3はHまたは炭素数1〜10の炭化水素基、nは0〜6
    の整数を示す。〕、 R2はR1またはOHである。}で示される構造単位と、 一般式〔2〕 【化7】 (式中、Mは 【化8】 から選ばれる1種以上の単位である。)で示される構造
    単位と、 一般式〔3〕 【化9】 {式中、Lは 【化10】 〔式中、YはOR4またはNR56(ただし、R4
    5、R6はHまたは1価の有機基)である。〕であ
    る。}で示される構造単位とを含み、 一般式〔1〕の単位:一般式〔2〕の単位のモル比が
    1:(0.01〜100)、(一般式〔1〕の単位+一
    般式〔2〕の単位):一般式〔3〕の単位のモル比が
    1:(0.01〜100)、分子量が1,000〜1,
    000,000のランダム共重合体からなる変性マレイ
    ン酸共重合体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の変性マレイン酸
    共重合体からなる薬物運搬体。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の変性マレイン酸
    共重合体と薬物の複合体からなる消化管指向性薬剤。
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