JPH07330815A - 光重合方法及びこの反応に用いる光重合装置 - Google Patents

光重合方法及びこの反応に用いる光重合装置

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JPH07330815A
JPH07330815A JP6166505A JP16650594A JPH07330815A JP H07330815 A JPH07330815 A JP H07330815A JP 6166505 A JP6166505 A JP 6166505A JP 16650594 A JP16650594 A JP 16650594A JP H07330815 A JPH07330815 A JP H07330815A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 無溶剤の光重合組成物を予備重合して、所望
の粘度範囲のプレポリマーを製造する光重合方法及びこ
れに用いる光重合装置 【構成】 光重合組成物に紫外線を数秒間照射−数10
秒間停止のサイクルで照射しながら徐々に重合を進める
光重合方法。前記重合に用いる光重合装置は高圧水銀灯
2、集光ミラ−3及びシャッター装置4からなる紫外線
発生手段1と、前記紫外線発生手段1から生ずる紫外線
を伝播する光ファイバ−等からなる光伝播手段5と光重
合釜6で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックフィル
ム、紙、はく離フィルム、金属箔等の支持体に塗工する
紫外線硬化型樹脂や塗工液の原料となるアルキルアルコ
ールの( メタ)アクリル酸エステルを主成分とするプレ
ポリマー及びオリゴマーを得るための光重合装置及びこ
の装置を用いた光重合組成物の重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、種々の産業分野で様々な両面粘
着テ−プが用いられている。それらの多くはアクリル系
粘着剤が塗布されている。アクリル系粘着剤は、アルキ
ルアルコ−ルの(メタ)アクリル酸エステルと共重合可
能な化合物を溶液重合またはエマルジョン重合によって
重合した溶液型或いは水分散型のエマルジョンが使用さ
れている。
【0003】近年は環境汚染対策の点から、アクリル系
のモノマ−やオリゴマ−を主成分とする紫外線や電子線
硬化型の無溶剤粘着剤が注目されている。紫外線硬化型
粘着剤は(メタ)アクリル酸エステル及び共重合可能な
化合物とからなる組成物を主成分とするが低粘度のた
め、増粘剤を加えて塗工可能な粘度に調節するか紫外線
硬化型粘着剤を予備重合して適当な粘度にしておく必要
がある。
【0004】増粘剤はポリマー、オリゴマー或いは無機
充填剤が一般に使用されている。増粘剤として用いられ
るポリマーやオリゴマーは紫外線硬化型粘着剤によく相
溶するものが少ないので選定が難しい。一方、無機充填
剤は紫外線硬化型粘着剤に分散させるのに特別の混合機
を必要とし、分散後の紫外線硬化型粘着剤は無機充填剤
の沈降が起こり溶液の安定性が悪い。
【0005】紫外線硬化型粘着剤組成物を予備重合して
塗工可能な粘度に増粘しておくのは良い方法であるが、
組成物の中に反応し易い又はゲル化し易い成分を含む時
は、所望の粘度範囲を有しそして部分ゲルの少ない均一
な塗工液を得るのが難しい。また、予備重合するのに次
のような回分式の重合装置、即ち加熱や冷却機能を持ち
内部温度を制御できる加熱重合釜が広く使用されてい
る。或いは石英管などの光を透す管で保護した管状のラ
ンプを釜の中に配置した光重合釜や釜の外側から光を照
射できるように石英ガラスなどで作った光重合釜などが
使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】アルキルアルコ−ルの
(メタ)アクリル酸エステル及び共重合可能な化合物と
熱重合開始剤からなる組成物を加熱重合釜で重合する
と、過酸化物やアゾ化合物の分解が一度起こると連鎖的
に反応が進むので停止させることは困難である。内部温
度を冷却しても重合反応を制御することは難しい。この
ために所望する粘度範囲のプレポリマ−を製造すること
が困難である。また、重合反応によって発生する熱を制
御しなければ爆発等の危険性もある。
【0007】また、前記組成物の熱重合開始剤を光重合
開始剤に変えた組成物を石英製の重合釜に入れ、高圧水
銀ランプや中圧の水銀ランプ等の紫外線を照射して重合
させる場合でも、ランプを瞬時に点灯できず、光の強さ
が安定するまでに数分かかるので重合をコントロールす
るのは困難で、容器の壁に重合物が付着したり、部分的
にゲルができるなどの欠点がある。紫外線照射方法でも
紫外線の照射方法を工夫をしないと希望する粘度のプレ
ポリマーは得にくい。
【0008】本発明は以上述べた紫外線硬化型粘着剤の
予備重合物を光重合させ従来技術では困難であった部分
ゲルのない所望の粘度を有する予備重合物を安全でかつ
安価な方法で製造できる光重合装置及びこの光重合装置
を用いた重合方法を提供することを目的とする。
【0009】
【問題を解決するための手段】本発明者等はアルキルア
ルコールの(メタ)アクリル酸エステル及び共重合可能
な化合物を主成分とする光重合組成物を窒素ガス雰囲気
中で紫外線を照射すると瞬間的に重合を開始するが、照
射を止めると数秒間で重合反応が停止することを見出し
た。このことから、本発明の光重合反応を制御できる光
重合装置及びこの光重合装置を用いて光重合性組成物を
所望の粘度範囲を有しそして部分ゲルの少ない均一な液
状の予備重合物(以後プレポリマーという)を製造する
方法を完成した。
【0010】予備重合する組成物も紫外線硬化型粘着剤
組成物の中から、反応し易い又はゲル化し易い成分を除
いた組成物とした。
【0011】本発明に用いる光重合装置は高圧水銀灯
2、集光ミラ−3及びシャッター装置4からなる紫外線
発生手段1と、前記紫外線発生手段1から生ずる紫外線
を伝播する光ファイバ−等からなる光伝播手段5と光重
合釜6で構成される。
【0012】球状の高圧水銀灯2から発生した紫外線
は、集光ミラ−3によって一点に集められ、光伝播手段
である光ファイバ−に導かれる。光ファイバーは石英製
又はプラスチック製のものが使用できる。
【0013】炭素数が2−14個のアルキルアルコ−ル
のアクリル酸エステルモノマ−と共重合可能な化合物及
び光開始剤からなる光重合性組成物11を光重合釜6に
入れ、紫外線発生手段1で発生した紫外線を光伝搬手段
5を通して光重合釜内の光重合性組成物に数秒間照射−
数10秒間停止のサイクルで照射しながら徐々に重合を
進める。これにより所望の粘度範囲を有しそして部分ゲ
ルの少ないプレポリマ−が容易に得られる。光重合組成
物に紫外線を最初に数10秒間照射してから前記のサイ
クルで紫外線を照射してもよい。
【0014】本発明で使用する炭素数が2〜14個のア
ルキルアルコ−ルのアクリル酸エステルモノマ−は、炭
素数が2〜14個のアルキルアルコ−ルとアクリル酸と
のエステルであり、例えば、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレ−ト、イソアミルアクリレ−ト、2−エチル
ヘキシルアクリレ−ト、ノニルアクリレ−ト、イソノニ
ルアクリレ−ト、イソオクチルアクリレ−ト、ラウリル
アクリレ−ト、デシルアクリレ−トなどを使用すること
ができる。
【0015】更に、本発明では、粘着テ−プの粘着特性
の向上及び改良のために前記アクリル酸エステルと共重
合可能な可能な化合物を使用する。このような化合物は
ビニル基を有し、光重合するものから選ばれる。その中
でもアクリル酸、メタアクリル酸、2−ヒドロキエチル
(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピルアクリ
−ト、グリシジルメタアクリレート等の官能基を有する
モノマーが好ましい。
【0016】次のようなアルキル基を含有するアクリル
酸エステル、例えば、テトラフルフリ−ルアクリレ−
ト、イソボニルアクリレ−ト、エトキシエチルアクリレ
−ト、ブトキシエチルアクリレ−ト、フェノキシエチル
アクリレ−ト、フェニルアクリレ−ト、シクロヘキシル
アクリレ−ト等を使用することができる。
【0017】また、ノニルフェノキシポリエチレングリ
コ−ルアクリレ−トやノニルフェノキシポリプロピレン
グリコ−ルアクリレ−ト等のオリゴエステルアクリレ−
ト等も使用することができる。また、これらのモノマ−
を炭素数2〜14個のアルキルアルコ−ルのアクリル酸
エステルモノマ−と共重合させると、得られる共重合体
のガラス転移点は上昇するので、これらのモノマ−の使
用量は、共重合体のガラス転移点が−15℃以上になら
ないような範囲とすることが好ましい。共重合体のガラ
ス転移点が−15℃以上になると、常温におけるタック
が低下するので好ましくない。
【0018】光重合開始剤としては重合の速度が速くて
かつ重合率を100%近くにするために、アセトフェノ
ン系又はベンゾフェノン系のものが好ましい。このよう
な光重合開始剤としては市販のものを使用することがで
きる。
【0019】例えば、4−フェノキシジシクロアセトフ
ェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジ
エトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾイルメ
チルエ−テル、ベンゾインイソブチルエ−テル、ベンジ
ルジメチルケタ−ル等やこれらの混合物を使用すること
ができる。
【0020】光重合開始剤の使用量は、炭素数が2〜1
4個のアルキルアルコ−ルのアクリル酸エステルモノマ
−と該アクリル酸エステルモノマ−の合計100重量部
に対し、0.005〜0.05重量部を添加する。特に
0.01〜0.02重量部が好ましい。0.005重量
部以下であると重合しにくく、0.05重量部以上添加
すると急激に重合反応が起こり重合を制御することがで
きない。
【0021】本発明では、更に凹凸面への接着性を改善
するために中空微小球(マイクロバルーン)を加えた光
重合組成物についても検討してみた。本発明で使用する
マイクロバル−ンは、USP3,615,972、US
P4075,138、USP4,287,308等に開
示されている方法で製造することができる。低沸点の炭
化水素を内包したマイクロカプセルで壁膜とした塩化ビ
ニリデン−アクリロニトリルの共重合樹脂やメタアクリ
ロニトリル−アクリロニトリルの共重合樹脂などを使用
することができる。ウレタンプレポリマ−を使用した0
/Wエマルジョン系から壁膜をウレタンゴムにしたマイ
クロバル−ンも使用することができる。
【0022】マイクロバル−ンの壁膜には耐溶剤性及び
耐熱性のあるものが好ましい。マイクロバル−ンの粒径
は圧縮性及び復元性の点からあまり細かいものは適しな
い。平均粒径が20〜100μm のものが使用できる。
好ましくは60〜80μm で壁膜がメタアクリロニトリ
ル−アクリロニトリル共重合樹脂であるNobelIn
dustries社(Sweden)のExpance
l 091DEなどが好ましい。また、その使用量は、
接着作業時における最適な圧着力である500gr/c
2 以下で圧縮でき、かつ圧力を取り去った後に容易に
復元するために、粘着剤の10〜50容積%を占めるよ
うにするとよい。20〜40容積%にする方がより好ま
しい。10容積%以下であると十分に圧縮することがで
きず、また50容積%以上であると粘着剤の機械的強度
が低下する。
【0023】本発明のプレポリマ−に分子量300以上
の多官能オリゴアクリレ−トを添加することにより、更
に粘着特性の優れた粘着剤を得ることができる。分子量
300以上の多官能オリゴアクリレ−トとしては、2個
以上のアクリル酸とポリオ−ルとの化合物で、両端のビ
ニル基間に10個以上の炭素を有するものが好ましい。
このような多官能オリゴアクリレ−トは、粘着剤の高温
時の凝集力を高めるために使用される。分子量300以
下の多官能オリゴアクリレ−トは、架橋分子間の距離が
短くなるので少しの使用量でも凝集力に大きな影響を与
えるので使用するのが難しい。
【0024】分子量300以上の多官能オリゴアクリレ
−トとしては、例えば、エンネアエチレングリコ−ルジ
アクリレ−ト(NKエステルA−400、新中村化学
(株)製)、テトラデカエチレングリコ−ルジアクリレ
−ト(NK−エステルA−600、新中村化学(株)
製)等のポリアルキレングリコ−ルジアクリレ−ト、エ
チレンオキサイド変性ビスフェノ−ルAジアクリレ−ト
(BP−4EA、共栄指社油脂化学工業(株)製)、プ
ロピレンオキサイド変性ビスフェノ−ルAジアクリレ−
ト(BP−4PA、共栄指社油脂化学工業(株)製)、
エチレンオキサイド変性トリメチロ−ルプロパントリア
クリレ−ト(TPM−6EO−3A、共栄指社油脂化学
工業(株)製)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグ
リコ−ルジアクリレ−ト(KAYARAD MAND
A、日本化薬工業(株)製)及びその誘導体(KAYA
RAD HX−620、日本化薬工業(株)製)等を使
用することができる。
【0025】分子量300以上の多官能オリゴアクリレ
−トの紫外線硬化型粘着剤組成物への添加量は、炭素数
が2〜14個のアルキルアルコ−ルのアクリル酸エステ
ル及び共重合可能な化合物との合計100重量部に対
し、0.0001〜0.002モルとすることが好まし
い。0.0001モルよりも少ないと粘着テ−プの耐熱
保持力が低下し、0.002モルより多いと粘着テ−プ
のタックが減少する傾向がある。
【0026】本発明で使用する紫外線硬化型粘着剤組成
物には、紫外線の透過を妨げない程度に着色のために少
量の顔料や染料を添加することもできる。本発明のプレ
ポリマ−を用いて紫外線硬化型粘着剤にする場合は光重
合開始剤を、プレポリマ−100重量部に対し光重合開
始剤を新たに0.05〜1.0重量部を添加する。
【0027】本発明では、アクリル酸エステルモノマ−
を主成分とする光重合性組成物に弾性のあるゴム/又は
樹脂からなるマイクロバル−ン及びポリオレフィンパウ
ダ−を含有させることによってマイクロバル−ン及びポ
リオレフィンパウダ−の分散したプレポリマ−を製造す
ることができる。
【0028】このようにして製造したプレポリマ−を主
成分にした粘着剤は、耐熱凝集力に優れ、静荷重下にお
けるはく離性に優れ、更にマイクロバル−ン及びポリオ
レフィンパウダ−を分散させたプレポリマ−からは、凹
凸のある粗面への接着性及び圧縮性に優れしかも加工性
のよい粘着テ−プが得られる。
【0029】
【実施例】以下、この発明の光重合装置を図1に基づき
具体的に説明する。本発明の光重合装置1は紫外線発生
手段、光伝播手段5及び光重合釜6で構成される。紫外
線発生手段において、球状の高圧水銀灯2から発生した
紫外線は集光ミラー3によって一点に集められ、シャッ
ター4を通じて光伝播手段5に導かれ、光重合釜6内に
導入される。
【0030】光重合釜6では、攪拌羽根9で攪拌される
光重合性組成物11に紫外線をシャッター4により間欠
的に、例えば数秒間照射−数10秒間休止というサイク
ルで照射し、徐々に重合を進めるのが好ましい。粘度セ
ンサ−8とシャッターを連動させ、光重合組成物の粘度
が一定量上昇すると紫外線の照射を休止させるようにプ
ログラミングして、重合を徐々に進める方法を取っても
よい。一方光重合組成物は11は、温度調節装置10に
よって一定温度になるように制御されているので急激な
重合反応や部分的な重合が起こるのを防いでいる。
【0031】実施例1 次に本発明の光重合装置を用いたプレポリマーの製造方
法を述べる。2−エチルヘキシルアクリレ−ト9kg、
アクリル酸1kgからなる混合モノマ−に光重合開始剤
2−ヒドロキシ2−メチル−1−フェニルプロパン1−
オン(ダロキュア1173、メルク社製)を1.5gを
光重合釜に秤量し、光重合開始剤を予め溶解し光重合性
組成物とした。
【0032】次に、光重合釜内に、窒素ガスを吹き込ん
で酸素を窒素ガスで置換した。続いて光重合性組成物を
温度調節装置10により約30℃に加温、攪拌しながら
紫外線を最初に10秒間照射してから、シャッタ−を作
動させ照射を休止した。光重合性組成物の温度は直ちに
上昇し始めたが約30秒後には30.5℃になった。
【0033】その後5秒間の紫外線の照射と30秒間停
止を繰り返しながら温度の上昇の程度を見ながら行っ
た。光重合性組成物の温度は、照射後即上昇し照射を停
止すると一定温度になり、急激な温度上昇もなく安全に
紫外線照射を行うことができた。15回の照射を行った
所で、光重合組成物の粘度は目標の約1000CPS に達
したので重合を停止した。この時の温度は35.5℃で
あった。このプレポリマーの粘度は23℃において95
0CPS であった。
【0034】(粘着剤の調製)上記で製造したプレポリ
マ−10kgに分子量312のヒドロキシピバリン酸ネ
オペンチルジアクリレ−ト〔KAYARAD MAND
A〕を20gと更に光重合開始剤(ダロキュア117
3〕を15g添加して紫外線硬化型粘着剤組成物を製造
した。
【0035】(粘着テ−プの製造)両面をシリコ−ンは
く離剤で処理した透明な厚さ50μm の幅300mmの
PETフィルム基材の片面に約0.4mmの厚さで基材
の両端から余白部を5mmずつ設けて前記の紫外線硬化
型粘着剤組成物を塗工した。その上に、片面をシリコ−
ンはく離剤で処理した厚さ50μm の幅300mmの透
明なPETフィルムの剥離処理面を重ね合わせてからロ
ール間で圧縮し、塗工層の厚さが約0.4mmの積層物
を得た。
【0036】次に、前記積層物を捕虫用蛍光ランプ(主
波長352nm、0.44mW/cm2 )を60mm間
隔で幅方向に6本、塗工層の流れ方向に平行に配置し、
被照射体に対して200mmの高さから約2.00mW
/cm2 の紫外線照射を行えるようにした照射炉の中に
通し紫外線照射を60秒間行った。その後直ちに高圧水
銀ランプ(主波長365nm、出力80W/cm)で、
照射強度35.5mW/cm2 の紫外線を30秒間照射
し、紫外線硬化型粘着剤組成物を十分に硬化させた。そ
して、片面はく離処理した50μm のPETフィルムを
剥がしながら、塗工層を内側にして巻回し粘着テープを
得た。
【0037】(粘着テープの評価) 耐熱保持力の測定 JIS Z 0237の保持力の測定方法に準じて行っ
た。この場合、被着材としては280番の耐水研磨紙で
研磨した厚さ2mmのステンレス板(幅×長さ3mm×
150mm)と厚さ0.05mmのアルミニウム箔(幅
×長さ30mm×150mm)を使用した。粘着剤(幅
25mm)をアルミニウム箔に貼着(面積は25mm×
50mm)し、PETフィルム基材を剥がしてからステ
ンレス板と接着面積が25×25mmとなるように接着
した。接着片を垂直に吊しステンレス板側より1kgの
荷重をかけ180℃における耐熱保持性を評価した。
【0038】 静荷重下における耐はく離性 被着材は耐熱保持力の測定の場合と同じものを使用、粘
着テ−プを幅20mm、長さ100mmに切断し、ステ
ンレス板とアルミニウム箔を接着した。接着片を50℃
の雰囲気中で、アルミニウム箔が下側になるようにし
て、ステンレス板を水平に固定し、粘着剤のついていな
いアルミニウム箔を90度に折り曲げて、その端部に2
00gの荷重をかけて垂直に保つ。そして、24時間後
にアルミニウム箔がはく離した長さを測定した。その結
果、24時間後にはく離した長さは0.5mmであっ
た。
【0039】実施例2 実施例1と同様の光重合装置を用いて下記の組成のプレ
ポリマーを重合した。2−エチルヘキシルアクリレ−ト
9kg、アクリル酸1kgからなる混合モノマ−に光重
合開始剤2−ヒドロキシ2−メチル−1−フェニルプロ
パン1−オン(ダロキュア1173、メルク社製)を
0.1gを溶解した。
【0040】更に、中空なマイクロバル−ンとして、壁
膜がメタアクリロニトリルとアクリロニトリルとの共重
合体である平均粒径60〜80μm 、真密度0.025
g/cm3 のExpancel l091DE(Nob
el Industries社製)を100g及びポリ
オレフィンパウダ−として平均粒径が30μm 、密度
0.94g/cm3 であるミペロンXM−220(三井
化学(株)社製)を1kgを添加した。密度から計算す
るとExpancel及びミペロンXM−200の粘着
剤の中に占める容積は各々35容量%及び9容量%であ
った。
【0041】前記光重合性組成物を実施例1と同じ光重
合装置に入れ、窒素ガスを吹き込み、酸素を窒素ガスで
十分に置換した。実施例1と同様にモノマ−混合液の温
度を30℃にし、紫外線を10秒間照射したところ温度
は直ちに上昇し始めたが、約30秒後には30.2℃に
なった。その後5秒間照射と30秒間停止を繰り返すこ
とにより重合反応を行い、粘度センサーが900cps
を示した所で紫外線の照射を停止した。得られたプレポ
リマーの23℃における粘度は850cpsであった。
【0042】次に、実施例1と同様にプレポリマ−1
1.1kgにヒドロキシピバリン酸ネオペンチルジアク
リレ−ト〔KAYARAD MANDA〕を20gと更
に光重合開始剤2−ヒドロキシ2−メチル−1−フェニ
ルプロパン1−オン〔ダロキュア1173〕を15g添
加して紫外線硬化型粘着剤組成物をつくった。実施例1
と全く同様にして粘着テ−プを製造した。得られた粘着
テ−プの厚さは0.395mmで、圧縮可能で復元する
粘着テ−プであった。
【0043】実施例1と同様にして試験した、耐熱保持
力は、ズレが0.2mmであり、静荷重下における静荷
重下でのはく離性は、はく離した長さは0.5mmであ
った。更に、以下の評価試験を行った。
【0044】(圧縮、復元性試験)500g/cm2
圧縮した際の沈み距離と荷重を取り去った後の粘着テ−
プの厚さを測定し、元の厚さに対する復元率を求めた。
粘着テ−プを厚さ5mmの平らな板に貼付し、断面積が
1cm2 である円柱部分を持つ重さ500grの金属性
のブロックを乗せて、23℃において圧縮し約30秒間
後の沈み距離を測定後、直ちに荷重を取り去り1時間後
に復元した粘着テ−プの厚さを測定した。その結果、圧
縮により沈んだ距離は0.3mmであり、1時間後の厚
さは0.695mmであり97.9%まで復元した。
【0045】(凹凸のある粗面への接着強度)被着材と
して壁材を使用した。この壁材は、アクリル塗料を吹付
け塗装したサイジングボ−ドであり、突起の大きさは、
直径1〜7mm、高さ0.5〜1mmであった。この壁
材を幅30mm、長さ200mmに切断した。粘着テ−
プを幅20mm、長さ100mmに切断し、壁材に軽く
貼り合わせた。次に、幅30mm、長さ200mmに切
断した厚さ50μm のアルミ箔をバッキング材としてそ
の上から約2kgの荷重のロ−ラを1往復させて接着し
た。
【0046】接着後、23℃に48時間放置後、引き剥
がし速度300mm/分で90度方向のはく離強度を測
定した。その結果、粘着剤は壁剤と強固に接着してお
り、粘着剤は全面にわたって凝集破壊を起こした。これ
は、圧着作業で圧縮された粘着テープが被着材の凹凸面
に良く密着したためである。接着強度は4kgf/cm
であった。
【0047】(抜き加工性)片面はく離処理したPET
フィルムの方を片面はく離処理したクラフト剥離紙に差
換えた粘着テ−プを、ビク型により抜き加工した。直径
20mmの円を100ショット連続的に抜き加工した
が、ビク型の刃には粘着剤は付着しなかった。
【0048】
【比較例1】 (各種ポリマ−の溶解例) 2−エチルヘキシルアクリレ−ト9kg、アクリル酸1
kgからなる混合モノマ−溶液10kgにアクリルゴム
300g(トアクロンPS220、東亜ペイント(株)
製)を攪拌機のついた容器で溶解した。完全溶解後の粘
度は750CPSで、均一な紫外線硬化型粘着剤組成物
が得られた。しかしアクリルゴムを小片に切断したにも
かかわらず溶解迄に48時間かかり、アクリルゴムを小
片に切断する時間も含めると本発明に比べ生産効率が著
しく劣る。
【発明の効果】 重合反応の制御がしやすく、爆発等の起こらない安
全な光重合装置である。 発生する紫外線が周囲に漏れにくいので、漏光対策
が必要ないので設備が小型化できる。 アルキル(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする
光重合性組成物を急激な重合反応を起こさないように、
紫外線量をコントロールしながら重合させる方法なの
で、所望の粘度範囲のゲル分の少ない均一なプレポリマ
−を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光重合装置
【符号の説明】
1 紫外線発生手段 2 高圧水銀灯 3 集光ミラー 4 シャッター装置 5 光伝播手段 6 光重合装置 7 温度測定センサー 8 粘度測定センサー 9 攪拌羽 10 恒温槽 11 光重合性組成物

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光重合組成物への紫外線の照射を間欠し
    て行うことを特徴とする光重合方法。
  2. 【請求項2】 光重合組成物が炭素数が2〜14個のア
    ルキルアルコ−ルの(メタ)アクリル酸エステル、共重
    合可能な化合物及び光重合開始剤からなることを特徴と
    する請求項1記載の光重合組成物の光重合方法。
  3. 【請求項3】 光重合組成物が炭素数が2〜14個のア
    ルキルアルコ−ルの(メタ)アクリル酸エステルを主成
    分とする紫外線硬化型組成物から、反応を制御し易い組
    成物を選んでなることを特徴とする請求項1記載の光重
    合組成物の光重合方法。
  4. 【請求項4】 紫外線発生手段、前記紫外線発生手段で
    発生した紫外線を光重合組成物に照射させるための光伝
    播手段及び重合釜からなる光重合装置において、 紫外線の前記光伝播手段への入力を制御するシャッター
    装置を前記紫外線発生手段に設けたことを特徴とする光
    重合装置。
  5. 【請求項5】 光伝播手段が光ファイバーからなること
    を特徴とする請求項4記載の光重合装置。
  6. 【請求項6】 シャッター装置が粘度センサー又は温度
    センサーと連動して、紫外線の光伝播手段への入力を調
    節することを特徴とする請求項4記載の光重合装置。
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