JPH07330784A - リン酸エステルまたはその塩の製造方法 - Google Patents
リン酸エステルまたはその塩の製造方法Info
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- JPH07330784A JPH07330784A JP15147794A JP15147794A JPH07330784A JP H07330784 A JPH07330784 A JP H07330784A JP 15147794 A JP15147794 A JP 15147794A JP 15147794 A JP15147794 A JP 15147794A JP H07330784 A JPH07330784 A JP H07330784A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】リン酸エステルまたはその塩、およびオルトリ
ン酸もしくはその塩を含有する混合物から、またはリン
酸エステルまたはその塩、オルトリン酸またはその塩、
および溶媒を含有する混合物から、逆浸透膜を用いてオ
ルトリン酸またはその塩を除去する精製工程を有するこ
とを特徴とする、リン酸エステルまたはその塩の製造方
法。 【効果】本発明の製造方法によると、リン酸エステルま
たはその塩、およびオルトリン酸またはその塩を含有す
る混合物から、オルトリン酸またはその塩を選択的に除
去できる上、同時にリン酸エステルまたはその塩を濃縮
することができ、工業的にシンプルなプロセスで、リン
酸エステルまたはその塩を製造することができる。
ン酸もしくはその塩を含有する混合物から、またはリン
酸エステルまたはその塩、オルトリン酸またはその塩、
および溶媒を含有する混合物から、逆浸透膜を用いてオ
ルトリン酸またはその塩を除去する精製工程を有するこ
とを特徴とする、リン酸エステルまたはその塩の製造方
法。 【効果】本発明の製造方法によると、リン酸エステルま
たはその塩、およびオルトリン酸またはその塩を含有す
る混合物から、オルトリン酸またはその塩を選択的に除
去できる上、同時にリン酸エステルまたはその塩を濃縮
することができ、工業的にシンプルなプロセスで、リン
酸エステルまたはその塩を製造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リン酸エステルまたは
その塩の製造方法に関する。更に詳しくは、リン酸エス
テルまたはその塩、並びにオルトリン酸またはその塩を
含有する混合物からオルトリン酸またはその塩を極めて
簡単に除去しうる、リン酸エステルまたはその塩の製造
方法に関する。
その塩の製造方法に関する。更に詳しくは、リン酸エス
テルまたはその塩、並びにオルトリン酸またはその塩を
含有する混合物からオルトリン酸またはその塩を極めて
簡単に除去しうる、リン酸エステルまたはその塩の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】有機
ヒドロキシ化合物のリン酸エステルは、洗浄剤、繊維処
理剤、乳化剤、防錆剤、液状イオン交換体または医薬品
等の幅広い分野で利用されている。
ヒドロキシ化合物のリン酸エステルは、洗浄剤、繊維処
理剤、乳化剤、防錆剤、液状イオン交換体または医薬品
等の幅広い分野で利用されている。
【0003】従来、リン酸エステルの製造方法としては
例えば、無水リン酸および水と有機ヒドロキシ化合物を
用いる方法(特公昭57−61358号公報)、または
オルトリン酸、ポリリン酸もしくは縮合リン酸と有機ヒ
ドロキシ化合物を反応させる方法(特公昭58−384
35号公報、A. K. Nelsonら、Inorg. Chem., 2.775(19
63) 、および特公昭43−26492号公報)等があ
る。
例えば、無水リン酸および水と有機ヒドロキシ化合物を
用いる方法(特公昭57−61358号公報)、または
オルトリン酸、ポリリン酸もしくは縮合リン酸と有機ヒ
ドロキシ化合物を反応させる方法(特公昭58−384
35号公報、A. K. Nelsonら、Inorg. Chem., 2.775(19
63) 、および特公昭43−26492号公報)等があ
る。
【0004】しかしながら、これらの製造法の如く、無
水リン酸、オルトリン酸、ポリリン酸、縮合リン酸をリ
ン酸化剤として使用する方法によって得られるリン酸エ
ステル中には、副生成物として生成するオルトリン酸の
混入を避けることはできない。しかし、リン酸エステル
への多量のオルトリン酸の混入は、使用用途によっては
好ましからざる影響を与え、その利用分野が制限される
とともに、生成物の製品価値を低下させるものである。
例えば、長鎖アルキルアルコールのモノアルキルリン酸
のモノナトリウム塩をペースト状の洗浄剤として使用す
る場合、オルトリン酸が多量に存在すればリン酸ジナト
リウム塩が析出し、保存時の安定性が低下するため使用
上好ましくない。
水リン酸、オルトリン酸、ポリリン酸、縮合リン酸をリ
ン酸化剤として使用する方法によって得られるリン酸エ
ステル中には、副生成物として生成するオルトリン酸の
混入を避けることはできない。しかし、リン酸エステル
への多量のオルトリン酸の混入は、使用用途によっては
好ましからざる影響を与え、その利用分野が制限される
とともに、生成物の製品価値を低下させるものである。
例えば、長鎖アルキルアルコールのモノアルキルリン酸
のモノナトリウム塩をペースト状の洗浄剤として使用す
る場合、オルトリン酸が多量に存在すればリン酸ジナト
リウム塩が析出し、保存時の安定性が低下するため使用
上好ましくない。
【0005】従って、リン酸エステルとオルトリン酸を
効率良く分離することは、リン酸エステルの製造におい
て、重要な課題である。
効率良く分離することは、リン酸エステルの製造におい
て、重要な課題である。
【0006】ところで、リン酸エステルとオルトリン酸
から成る混合物よりオルトリン酸を除去する方法として
は、脂肪族炭化水素と低級アルコール・水系溶媒を用
いてオルトリン酸を抽出除去する方法(特開昭60−2
58191号公報)、あるいは透析法によりオルトリ
ン酸を分離除去する方法(特開昭61−129189号
公報)が知られている。
から成る混合物よりオルトリン酸を除去する方法として
は、脂肪族炭化水素と低級アルコール・水系溶媒を用
いてオルトリン酸を抽出除去する方法(特開昭60−2
58191号公報)、あるいは透析法によりオルトリ
ン酸を分離除去する方法(特開昭61−129189号
公報)が知られている。
【0007】しかしながら、の方法では溶媒として脂
肪族炭化水素を用いるため溶剤の除去および回収設備が
必要となり、設備コストが嵩む上、操作も煩雑であり引
火・爆発などの危険性があるため、これに付随する設備
的側面での対応(電気設備の防爆化・建造物の耐火構造
化)が必要となる。また、の方法では処理原液を半透
膜を介した溶媒との濃度勾配の差によって分離するた
め、処理原液の反対側に流す水または水溶液によって処
理原液が希釈されてしまい、リン酸エステル濃度が低下
するため蒸留操作等の濃縮工程が必要となる。
肪族炭化水素を用いるため溶剤の除去および回収設備が
必要となり、設備コストが嵩む上、操作も煩雑であり引
火・爆発などの危険性があるため、これに付随する設備
的側面での対応(電気設備の防爆化・建造物の耐火構造
化)が必要となる。また、の方法では処理原液を半透
膜を介した溶媒との濃度勾配の差によって分離するた
め、処理原液の反対側に流す水または水溶液によって処
理原液が希釈されてしまい、リン酸エステル濃度が低下
するため蒸留操作等の濃縮工程が必要となる。
【0008】従って、本発明の目的は煩雑な操作を必要
とせずに、リン酸エステルまたはその塩とオルトリン酸
またはその塩の混合物よりオルトリン酸またはその塩を
効率的に除去し、更に同時にリン酸エステルまたはその
塩を濃縮することのできるリン酸エステルまたはその塩
の製造方法を提供することにある。
とせずに、リン酸エステルまたはその塩とオルトリン酸
またはその塩の混合物よりオルトリン酸またはその塩を
効率的に除去し、更に同時にリン酸エステルまたはその
塩を濃縮することのできるリン酸エステルまたはその塩
の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を重ねた結果、極めて乳化能が高
く、従来分離精製の困難であったリン酸エステルまたは
その塩、並びにオルトリン酸またはその塩を含有する混
合物を逆浸透膜を用いて処理することによりオルトリン
酸またはその塩を効率的に除去でき、しかも同時にリン
酸エステルまたはその塩を濃縮することができることを
見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
発明者らは鋭意研究を重ねた結果、極めて乳化能が高
く、従来分離精製の困難であったリン酸エステルまたは
その塩、並びにオルトリン酸またはその塩を含有する混
合物を逆浸透膜を用いて処理することによりオルトリン
酸またはその塩を効率的に除去でき、しかも同時にリン
酸エステルまたはその塩を濃縮することができることを
見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0010】即ち、本発明の要旨は、(1) リン酸エ
ステルまたはその塩、およびオルトリン酸またはその塩
を含有する混合物から、逆浸透膜を用いてオルトリン酸
またはその塩を除去する精製工程を有することを特徴と
する、リン酸エステルまたはその塩の製造方法、(2)
リン酸エステルまたはその塩、オルトリン酸またはそ
の塩、および溶媒を含有する混合物から、逆浸透膜を用
いてオルトリン酸またはその塩を除去する精製工程を有
することを特徴とする、リン酸エステルまたはその塩の
製造方法、(3) リン酸エステルまたはその塩が、一
般式(1)で表されるものである前記(1)または
(2)記載の製造方法、
ステルまたはその塩、およびオルトリン酸またはその塩
を含有する混合物から、逆浸透膜を用いてオルトリン酸
またはその塩を除去する精製工程を有することを特徴と
する、リン酸エステルまたはその塩の製造方法、(2)
リン酸エステルまたはその塩、オルトリン酸またはそ
の塩、および溶媒を含有する混合物から、逆浸透膜を用
いてオルトリン酸またはその塩を除去する精製工程を有
することを特徴とする、リン酸エステルまたはその塩の
製造方法、(3) リン酸エステルまたはその塩が、一
般式(1)で表されるものである前記(1)または
(2)記載の製造方法、
【0011】
【化2】
【0012】〔式中、R1 は炭素数8〜36の直鎖もし
くは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を、R2 は
水素原子、または炭素数8〜36の直鎖もしくは分岐鎖
のアルキル基またはアルケニル基を表す。Mは水素原子
であるか、又はアルカリ金属、アルカノールアミンもし
くはアンモニウム基を表す。〕 (4) 一般式(1)中のMがカリウムである前記
(3)記載の製造方法、(5) 逆浸透膜が荷電性合成
高分子よりなるものである前記(1)〜(4)いずれか
記載の製造方法、並びに(6) 逆浸透膜が塩化ナトリ
ウム排除率で0〜90%である前記(1)〜(5)いず
れか記載の製造方法、に関する。
くは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を、R2 は
水素原子、または炭素数8〜36の直鎖もしくは分岐鎖
のアルキル基またはアルケニル基を表す。Mは水素原子
であるか、又はアルカリ金属、アルカノールアミンもし
くはアンモニウム基を表す。〕 (4) 一般式(1)中のMがカリウムである前記
(3)記載の製造方法、(5) 逆浸透膜が荷電性合成
高分子よりなるものである前記(1)〜(4)いずれか
記載の製造方法、並びに(6) 逆浸透膜が塩化ナトリ
ウム排除率で0〜90%である前記(1)〜(5)いず
れか記載の製造方法、に関する。
【0013】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
製造法は、リン酸エステルまたはその塩、およびオルト
リン酸またはその塩を含有する混合物(以下、「被処理
液」という)から、逆浸透膜を用いてオルトリン酸また
はその塩を除去する精製工程を有するものであり、精製
に供される被処理液中の、リン酸エステルまたはその塩
とオルトリン酸またはその塩の逆浸透膜に対する透過率
の相違を利用するものである。従って、本発明の製造方
法の対象としては、逆浸透膜に対する透過率が相違すれ
ば特に限定されないが、次の一般式(1)で表されるリ
ン酸エステルまたはその塩の製造に用いたとき、本発明
の効果がより顕著である。
製造法は、リン酸エステルまたはその塩、およびオルト
リン酸またはその塩を含有する混合物(以下、「被処理
液」という)から、逆浸透膜を用いてオルトリン酸また
はその塩を除去する精製工程を有するものであり、精製
に供される被処理液中の、リン酸エステルまたはその塩
とオルトリン酸またはその塩の逆浸透膜に対する透過率
の相違を利用するものである。従って、本発明の製造方
法の対象としては、逆浸透膜に対する透過率が相違すれ
ば特に限定されないが、次の一般式(1)で表されるリ
ン酸エステルまたはその塩の製造に用いたとき、本発明
の効果がより顕著である。
【0014】
【化3】
【0015】〔式中、R1 は炭素数8〜36の直鎖もし
くは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を、R2 は
水素原子、または炭素数8〜36の直鎖もしくは分岐鎖
のアルキル基またはアルケニル基を表す。Mは水素原子
であるか、又はアルカリ金属、アルカノールアミンもし
くはアンモニウム基を表す。〕 このうち、特に、一般式中のR1 は、好ましくは炭素数
8〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアル
ケニル基であり、R2 は、好ましくは水素原子、炭素数
8〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアル
ケニル基である。Mは、好ましくは水素原子またはカリ
ウムである。
くは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を、R2 は
水素原子、または炭素数8〜36の直鎖もしくは分岐鎖
のアルキル基またはアルケニル基を表す。Mは水素原子
であるか、又はアルカリ金属、アルカノールアミンもし
くはアンモニウム基を表す。〕 このうち、特に、一般式中のR1 は、好ましくは炭素数
8〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアル
ケニル基であり、R2 は、好ましくは水素原子、炭素数
8〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアル
ケニル基である。Mは、好ましくは水素原子またはカリ
ウムである。
【0016】一般式(1)で表される化合物の具体例と
しては、例えばリン酸とオクチル基、ノニル基、デシル
基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラ
デシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、テトラコ
シル基、オクタコシル基、オクテニル基、オクタデセニ
ル基、テトラコセニル基、2−メチルデシル基、2−ヘ
キシルデシル基、2−オクチルウンデシル基、2−テト
ラデシルオクタデシル基等で形成されるリン酸モノエス
テルもしくはリン酸ジエステル、またはそれらのアルカ
リ金属塩、アルカノールアミン塩もしくはアンモニウム
塩等が挙げられる。
しては、例えばリン酸とオクチル基、ノニル基、デシル
基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラ
デシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、テトラコ
シル基、オクタコシル基、オクテニル基、オクタデセニ
ル基、テトラコセニル基、2−メチルデシル基、2−ヘ
キシルデシル基、2−オクチルウンデシル基、2−テト
ラデシルオクタデシル基等で形成されるリン酸モノエス
テルもしくはリン酸ジエステル、またはそれらのアルカ
リ金属塩、アルカノールアミン塩もしくはアンモニウム
塩等が挙げられる。
【0017】リン酸エステルは、塩の形態で洗浄剤など
として使用するため、リン酸エステル塩として製造され
る場合があり、上記のような各種の塩が用いられる。
として使用するため、リン酸エステル塩として製造され
る場合があり、上記のような各種の塩が用いられる。
【0018】リン酸エステルのアルカリ金属塩を形成さ
せる塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属化合物が挙げら
れ、アルカノールアミン塩を形成させる塩基性化合物と
しては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールア
ミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノー
ルアミン等のアルカノールアミン化合物が挙げられ、ア
ンモニウム塩を形成させる塩基性化合物としては、例え
ばアンモニア、モノメチルアンモニウム、ジメチルアン
モニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアン
モニウム等が挙げられる。これらのうち、リン酸エステ
ルの塩を形成させる塩基性化合物としては、起泡性、配
合組成物の乳化安定性等の点から、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、トリエタノールアミンが好ましく、特
に水酸化カリウムが好ましい。
せる塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属化合物が挙げら
れ、アルカノールアミン塩を形成させる塩基性化合物と
しては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールア
ミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノー
ルアミン等のアルカノールアミン化合物が挙げられ、ア
ンモニウム塩を形成させる塩基性化合物としては、例え
ばアンモニア、モノメチルアンモニウム、ジメチルアン
モニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアン
モニウム等が挙げられる。これらのうち、リン酸エステ
ルの塩を形成させる塩基性化合物としては、起泡性、配
合組成物の乳化安定性等の点から、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、トリエタノールアミンが好ましく、特
に水酸化カリウムが好ましい。
【0019】また、このとき塩基性化合物の使用量は、
リン酸エステル1モルに対し、0〜5モル倍で好ましく
は0〜3モル倍、さらに好ましくは0〜2モル倍であ
る。この範囲より多いと塩基性化合物が残留しpHが高
くなる傾向がある。
リン酸エステル1モルに対し、0〜5モル倍で好ましく
は0〜3モル倍、さらに好ましくは0〜2モル倍であ
る。この範囲より多いと塩基性化合物が残留しpHが高
くなる傾向がある。
【0020】本発明は、上記のリン酸エステルまたはそ
の塩とオルトリン酸またはその塩の混合物から、逆浸透
膜を用いてオルトリン酸またはその塩を除去する精製工
程を有するが、本発明においては被処理液中に溶媒を含
有していてもよい。そのときの溶媒としては、水、低級
アルコールおよび炭素数4〜8の直鎖または分岐鎖の脂
肪族炭化水素または炭素数5〜7の飽和脂環式炭化水素
等が挙げられる。ここで、低級アルコールとしては、例
えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール等が挙げられ、炭素数4
〜8の直鎖または分岐鎖の脂肪族炭化水素としては、例
えばブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン等が挙げられ、炭素数5〜7の飽和脂環式炭化水素と
しては、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙
げられる。これらのうち、水、エタノールが好ましく、
特に水が好ましい。
の塩とオルトリン酸またはその塩の混合物から、逆浸透
膜を用いてオルトリン酸またはその塩を除去する精製工
程を有するが、本発明においては被処理液中に溶媒を含
有していてもよい。そのときの溶媒としては、水、低級
アルコールおよび炭素数4〜8の直鎖または分岐鎖の脂
肪族炭化水素または炭素数5〜7の飽和脂環式炭化水素
等が挙げられる。ここで、低級アルコールとしては、例
えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール等が挙げられ、炭素数4
〜8の直鎖または分岐鎖の脂肪族炭化水素としては、例
えばブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン等が挙げられ、炭素数5〜7の飽和脂環式炭化水素と
しては、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙
げられる。これらのうち、水、エタノールが好ましく、
特に水が好ましい。
【0021】被処理液中の上記溶媒の割合は、溶媒の種
類によって適宜決められるが、溶媒を除く混合物1重量
部に対し溶媒0.1〜100重量部、好ましくは0.1
〜20重量部である。この範囲より溶媒が多いと、被処
理溶液量が多くなり処理時間が長くなる上、リン酸エス
テルまたはその塩の収率が低下する傾向がある。
類によって適宜決められるが、溶媒を除く混合物1重量
部に対し溶媒0.1〜100重量部、好ましくは0.1
〜20重量部である。この範囲より溶媒が多いと、被処
理溶液量が多くなり処理時間が長くなる上、リン酸エス
テルまたはその塩の収率が低下する傾向がある。
【0022】本発明における被処理液中には、前記の化
合物や溶媒以外に、未反応の有機ヒドロキシ化合物や有
機ヒドロキシ化合物中の不純物、着色成分、さらにはリ
ン酸化中に生成する副生物等の非イオン性化合物等を含
有していてもよい。
合物や溶媒以外に、未反応の有機ヒドロキシ化合物や有
機ヒドロキシ化合物中の不純物、着色成分、さらにはリ
ン酸化中に生成する副生物等の非イオン性化合物等を含
有していてもよい。
【0023】本発明において逆浸透膜処理に付されるリ
ン酸エステル等の合成方法としては、特に限定されない
が、一般にオルトリン酸、ポリリン酸、縮合リン酸、無
水リン酸等のリン酸化剤と有機ヒドロキシ化合物を反応
させる方法等によって行われる。この場合、通常、反応
液中にリン酸エステルが50〜90%(重量基準、以下
同じ)得られ、オルトリン酸がリン酸エステルに対し0
〜200%存在する(未反応のオルトリン酸あるいは副
生オルトリン酸)混合物となる。このときオルトリン酸
が存在すると、特にリン酸エステルに対し5%以上存在
すれば、製品配合時の乳化安定性が悪化するため、除去
が必要となる。
ン酸エステル等の合成方法としては、特に限定されない
が、一般にオルトリン酸、ポリリン酸、縮合リン酸、無
水リン酸等のリン酸化剤と有機ヒドロキシ化合物を反応
させる方法等によって行われる。この場合、通常、反応
液中にリン酸エステルが50〜90%(重量基準、以下
同じ)得られ、オルトリン酸がリン酸エステルに対し0
〜200%存在する(未反応のオルトリン酸あるいは副
生オルトリン酸)混合物となる。このときオルトリン酸
が存在すると、特にリン酸エステルに対し5%以上存在
すれば、製品配合時の乳化安定性が悪化するため、除去
が必要となる。
【0024】本発明のリン酸エステルまたはその塩の製
造方法において、逆浸透膜処理に付される被処理液の形
態としては、合成反応によって得られた混合物もしく
はその塩をそのまま用いる方法、合成反応によって得
られた混合物もしくはその塩に水、エタノール等の溶媒
を加えて用いる方法、合成反応によって得られた混合
物もしくはその塩から、あらかじめウンデカノール、ト
リデカノール等の高級アルコールを分離して、そのま
ま、あるいは塩として用いる方法、合成反応によって
得られた混合物もしくはその塩からあらかじめ、ウンデ
カノール、トリデカノール等の高級アルコールを分離し
て、そのまま、あるいは塩とし、水、エタノール等の溶
媒を加えて用いる方法などが挙げられる。あらかじめ高
級アルコールを分離するのは、被処理液から、オルトリ
ン酸またはその塩が除去されやすくなるためである。
造方法において、逆浸透膜処理に付される被処理液の形
態としては、合成反応によって得られた混合物もしく
はその塩をそのまま用いる方法、合成反応によって得
られた混合物もしくはその塩に水、エタノール等の溶媒
を加えて用いる方法、合成反応によって得られた混合
物もしくはその塩から、あらかじめウンデカノール、ト
リデカノール等の高級アルコールを分離して、そのま
ま、あるいは塩として用いる方法、合成反応によって
得られた混合物もしくはその塩からあらかじめ、ウンデ
カノール、トリデカノール等の高級アルコールを分離し
て、そのまま、あるいは塩とし、水、エタノール等の溶
媒を加えて用いる方法などが挙げられる。あらかじめ高
級アルコールを分離するのは、被処理液から、オルトリ
ン酸またはその塩が除去されやすくなるためである。
【0025】本発明において、逆浸透膜処理に付される
被処理液中のリン酸エステルまたはその塩の濃度として
は、被処理液中1〜80%が好ましく、5〜50%が更
に好ましい。この範囲より小さいと被処理溶液量が多く
なり処理時間が長くなる傾向があり、この範囲より大き
いと被処理溶液の粘度が増大することにより、処理速度
が遅くなる傾向がある。
被処理液中のリン酸エステルまたはその塩の濃度として
は、被処理液中1〜80%が好ましく、5〜50%が更
に好ましい。この範囲より小さいと被処理溶液量が多く
なり処理時間が長くなる傾向があり、この範囲より大き
いと被処理溶液の粘度が増大することにより、処理速度
が遅くなる傾向がある。
【0026】本発明において、逆浸透膜処理に付される
被処理液中のオルトリン酸またはその塩の濃度として
は、リン酸エステルまたはその塩に対して、5〜200
%が好ましく、5〜50%が更に好ましく、10〜20
%が特に好ましい。この範囲より小さいと被処理溶液量
が多くなり処理時間が長くなる傾向があり、この範囲よ
り大きいとオルトリン酸またはその塩の除去量が増加
し、除去性が低下する傾向がある。
被処理液中のオルトリン酸またはその塩の濃度として
は、リン酸エステルまたはその塩に対して、5〜200
%が好ましく、5〜50%が更に好ましく、10〜20
%が特に好ましい。この範囲より小さいと被処理溶液量
が多くなり処理時間が長くなる傾向があり、この範囲よ
り大きいとオルトリン酸またはその塩の除去量が増加
し、除去性が低下する傾向がある。
【0027】本発明における逆浸透膜による精製工程
は、特に限定されず回分式(デッドエンドフィルトレー
ション)、循環式(クロスフローフィルトレーション)
あるいは循環せずクロスフローで1度透過させる方法、
被処理液槽に水を加え、リン酸エステルまたはその塩の
濃度を一定に保ちながらクロスフローで循環させる方法
(ダイアフィルトレーション)のいずれの方法でも行う
ことができる。例えば、回分式の逆浸透膜処理の場合、
逆浸透膜を装着した耐圧式容器に被処理液を入れ、被処
理液側に圧力を加えることにより逆浸透膜を通して透過
成分が除去されて被処理液の精製が行われる。
は、特に限定されず回分式(デッドエンドフィルトレー
ション)、循環式(クロスフローフィルトレーション)
あるいは循環せずクロスフローで1度透過させる方法、
被処理液槽に水を加え、リン酸エステルまたはその塩の
濃度を一定に保ちながらクロスフローで循環させる方法
(ダイアフィルトレーション)のいずれの方法でも行う
ことができる。例えば、回分式の逆浸透膜処理の場合、
逆浸透膜を装着した耐圧式容器に被処理液を入れ、被処
理液側に圧力を加えることにより逆浸透膜を通して透過
成分が除去されて被処理液の精製が行われる。
【0028】耐圧式容器としては、例えば日本ガイシ
(株)製RO−3型、日東電工(株)製C−70B、C
40−B型、ダイセル化学工業(株)製B−28型等が
挙げられるが、これらに限定されることはない。
(株)製RO−3型、日東電工(株)製C−70B、C
40−B型、ダイセル化学工業(株)製B−28型等が
挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0029】また、循環式の逆浸透膜処理の場合、処理
槽に被処理液を入れ、高圧が加えられるポンプで、その
処理槽中の被処理液が逆浸透膜に接しながら膜面と平行
な方向に流動するように循環させながら、逆浸透膜を通
して透過成分が除去されることにより被処理液の精製が
行われる。循環式の場合、処理時間と共に、被処理液量
は減少し、同時に粘度が増大するため、常に水を補充し
て逆浸透膜処理を行っても良い。但し、被処理液の濃縮
を目的とする場合は、大きな透過流速の得られる、リン
酸エステルまたはその塩が低濃度の条件で水を補充しな
がら、透過成分を除去し、その後に水の補充を止めて、
濃縮を行うことが好ましい。
槽に被処理液を入れ、高圧が加えられるポンプで、その
処理槽中の被処理液が逆浸透膜に接しながら膜面と平行
な方向に流動するように循環させながら、逆浸透膜を通
して透過成分が除去されることにより被処理液の精製が
行われる。循環式の場合、処理時間と共に、被処理液量
は減少し、同時に粘度が増大するため、常に水を補充し
て逆浸透膜処理を行っても良い。但し、被処理液の濃縮
を目的とする場合は、大きな透過流速の得られる、リン
酸エステルまたはその塩が低濃度の条件で水を補充しな
がら、透過成分を除去し、その後に水の補充を止めて、
濃縮を行うことが好ましい。
【0030】循環装置としては、特に限定されないが例
えば、日本ガイシ(株)製RO−B14型、RO−B2
0型、日東電工(株)製C−70F型、RUW−2型、
RUW−4型、RUW−5型、ダイセル化学工業(株)
製P−28型、TCD−40型、TAD−40型等が挙
げられる。
えば、日本ガイシ(株)製RO−B14型、RO−B2
0型、日東電工(株)製C−70F型、RUW−2型、
RUW−4型、RUW−5型、ダイセル化学工業(株)
製P−28型、TCD−40型、TAD−40型等が挙
げられる。
【0031】またデッドエンドフィルトレーション、ク
ロスフローフィルトレーション、ダイアフィルトレーシ
ョン等、いずれの場合においても回転子による攪拌、あ
るいは高圧ポンプによる被処理溶液の膜面への吹き付け
等により膜面付近の濃度分極を防止し、液全体の濃度を
均一にすることが、透過速度(処理速度)の低下を防止
する点から好ましい。また、同様の理由から、循環式の
場合には被処理液の循環速度を適宜調整することができ
る。このとき、回転子の回転数、循環式の被処理液の循
環速度については、濃度分極が起こらない程度にすれば
よい。
ロスフローフィルトレーション、ダイアフィルトレーシ
ョン等、いずれの場合においても回転子による攪拌、あ
るいは高圧ポンプによる被処理溶液の膜面への吹き付け
等により膜面付近の濃度分極を防止し、液全体の濃度を
均一にすることが、透過速度(処理速度)の低下を防止
する点から好ましい。また、同様の理由から、循環式の
場合には被処理液の循環速度を適宜調整することができ
る。このとき、回転子の回転数、循環式の被処理液の循
環速度については、濃度分極が起こらない程度にすれば
よい。
【0032】操作条件について、圧力、濃度、pHは逆
浸透膜の種類によって異なるが、一般的に圧力は0.1
〜50kg/cm2 が好ましく、5〜30kg/cm2
が更に好ましい。また、温度は5〜80℃が好ましく、
20〜60℃がさらに好ましい。pHは膜の耐久範囲内
で処理することが好ましい。
浸透膜の種類によって異なるが、一般的に圧力は0.1
〜50kg/cm2 が好ましく、5〜30kg/cm2
が更に好ましい。また、温度は5〜80℃が好ましく、
20〜60℃がさらに好ましい。pHは膜の耐久範囲内
で処理することが好ましい。
【0033】圧力がこの範囲未満の場合は、被処理液の
透過流速が遅くなるため処理時間が長くなる傾向があ
る。また、この範囲を超える場合は逆浸透膜、あるいは
ユニットを形成しているハウジング部、シール部等の耐
圧を超えるため好ましくない。
透過流速が遅くなるため処理時間が長くなる傾向があ
る。また、この範囲を超える場合は逆浸透膜、あるいは
ユニットを形成しているハウジング部、シール部等の耐
圧を超えるため好ましくない。
【0034】温度がこの範囲未満の場合は、被処理液の
粘度が増大することにより、処理速度が遅くなる傾向が
あり、またこの範囲を越える場合は逆浸透膜、あるいは
ユニットを形成しているハウジング部、シール部等の耐
久性が問題となる場合が生じやすい。
粘度が増大することにより、処理速度が遅くなる傾向が
あり、またこの範囲を越える場合は逆浸透膜、あるいは
ユニットを形成しているハウジング部、シール部等の耐
久性が問題となる場合が生じやすい。
【0035】本発明で使用される逆浸透膜は、被処理液
中の、リン酸エステルまたはその塩とオルトリン酸また
はその塩の透過率に差が生じるものであれば、特に限定
されないが、好ましくは塩化ナトリウム排除率が0〜9
0%、さらに好ましくは0〜75%、特に好ましくは2
0〜60%である。塩化ナトリウム排除率がこの範囲よ
り高い膜を用いるとオルトリン酸またはその塩が透過し
にくいために分離効率が悪くなる傾向があり、透過流速
が低くなってしまうため高圧を要するなど不利な点が多
い。なお、塩化ナトリウム排除率とは、塩化ナトリウム
2000ppmの水溶液を5kg/cm2 、25℃の条
件下で処理したときに排除される、すなわち逆浸透膜で
阻止される塩化ナトリウムの%を示すものである。
中の、リン酸エステルまたはその塩とオルトリン酸また
はその塩の透過率に差が生じるものであれば、特に限定
されないが、好ましくは塩化ナトリウム排除率が0〜9
0%、さらに好ましくは0〜75%、特に好ましくは2
0〜60%である。塩化ナトリウム排除率がこの範囲よ
り高い膜を用いるとオルトリン酸またはその塩が透過し
にくいために分離効率が悪くなる傾向があり、透過流速
が低くなってしまうため高圧を要するなど不利な点が多
い。なお、塩化ナトリウム排除率とは、塩化ナトリウム
2000ppmの水溶液を5kg/cm2 、25℃の条
件下で処理したときに排除される、すなわち逆浸透膜で
阻止される塩化ナトリウムの%を示すものである。
【0036】具体的には、例えばポリアミド系、酢酸セ
ルロース系、合成高分子系等の膜がある。ポリアミド系
としては例えば、東レ(株)製SU−220S(塩化ナ
トリウム排除率60%)が挙げられ、酢酸セルロース系
としては例えば、東レ(株)製SC−L200S(同7
5%)、ダイセル化学工業(株)製DRC−3000
(同30%)、DRC−1000(同10〜20%)が
挙げられる。また、合成高分子系としては例えば、日東
電工(株)製NTR−7250(同60%)、NTR−
7410(同10%)、NTR−7450(同50
%)、ダイセル化学工業(株)製DRA−4020(同
45%)が挙げられる。中でも本発明に用いられる逆浸
透膜としては、塩化ナトリウム排除率10〜60%の荷
電性合成高分子膜が特に好ましい。
ルロース系、合成高分子系等の膜がある。ポリアミド系
としては例えば、東レ(株)製SU−220S(塩化ナ
トリウム排除率60%)が挙げられ、酢酸セルロース系
としては例えば、東レ(株)製SC−L200S(同7
5%)、ダイセル化学工業(株)製DRC−3000
(同30%)、DRC−1000(同10〜20%)が
挙げられる。また、合成高分子系としては例えば、日東
電工(株)製NTR−7250(同60%)、NTR−
7410(同10%)、NTR−7450(同50
%)、ダイセル化学工業(株)製DRA−4020(同
45%)が挙げられる。中でも本発明に用いられる逆浸
透膜としては、塩化ナトリウム排除率10〜60%の荷
電性合成高分子膜が特に好ましい。
【0037】ここでいう荷電性膜とは、構成分子中に正
あるいは負に帯電する官能基を有する膜のことである。
特に負荷電性の膜は、オルトリン酸の除去性が良く、か
かる負荷電性の膜としては、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミド、ポリオ
レフィン等の有機重合体や、セラミック、多孔質ガラス
等の無機物質にカルボキシル基やスルホン基等を導入し
た膜が好ましい例として挙げられる。
あるいは負に帯電する官能基を有する膜のことである。
特に負荷電性の膜は、オルトリン酸の除去性が良く、か
かる負荷電性の膜としては、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミド、ポリオ
レフィン等の有機重合体や、セラミック、多孔質ガラス
等の無機物質にカルボキシル基やスルホン基等を導入し
た膜が好ましい例として挙げられる。
【0038】更に、膜の構造は、非対称膜でも均質膜で
もよく、また、複合膜でも良い。また、かかる膜を備え
たモジュールも何ら限定されるものではなく、例えばチ
ューブラー型、プリーツ型、スパイラル型、ホローファ
イバー型等があるが、いずれの形態のものも用いること
ができる。
もよく、また、複合膜でも良い。また、かかる膜を備え
たモジュールも何ら限定されるものではなく、例えばチ
ューブラー型、プリーツ型、スパイラル型、ホローファ
イバー型等があるが、いずれの形態のものも用いること
ができる。
【0039】これらの膜を用いた場合、選択的にオルト
リン酸またはその塩が膜を透過するため、リン酸エステ
ルまたはその塩の精製が可能となる。本発明の製造方法
により製造された、リン酸エステルまたはその塩は、こ
のような精製工程によりオルトリン酸またはその塩の含
有量が大幅に減少しており、リン酸エステルまたはその
塩に対して、通常0.1〜5%、好ましくは0.1〜3
%になる。従って、塩類の析出もなく、保存時の安定性
も良好である。
リン酸またはその塩が膜を透過するため、リン酸エステ
ルまたはその塩の精製が可能となる。本発明の製造方法
により製造された、リン酸エステルまたはその塩は、こ
のような精製工程によりオルトリン酸またはその塩の含
有量が大幅に減少しており、リン酸エステルまたはその
塩に対して、通常0.1〜5%、好ましくは0.1〜3
%になる。従って、塩類の析出もなく、保存時の安定性
も良好である。
【0040】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、製造例、実施例中の組成の%は全て重量%であ
る。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、製造例、実施例中の組成の%は全て重量%であ
る。
【0041】また、製造例、実施例におけるリン酸エス
テル等の分析は以下の方法で行った。即ち、サンプルを
エチルエーテルと0.1規定の塩酸水溶液とで抽出する
ことにより、リン酸エステルをエチルエーテル層に、オ
ルトリン酸を0.1規定の塩酸水溶液層に抽出分離す
る。それぞれの層を自動電位差滴定装置を用いてアルカ
リ、例えば水酸化カリウムで滴定することによってリン
酸モノエステル、リン酸ジエステル、オルトリン酸の含
量を求める。即ち、エチルエーテル層においてはエチル
エーテルをトッピングした後、サンプルをエタノール水
溶液中で水酸化カリウムにより電位差滴定することによ
り、その第1等量点と第2等量点とからリン酸モノエス
テルとリン酸ジエステルの含量を求めるものである。
テル等の分析は以下の方法で行った。即ち、サンプルを
エチルエーテルと0.1規定の塩酸水溶液とで抽出する
ことにより、リン酸エステルをエチルエーテル層に、オ
ルトリン酸を0.1規定の塩酸水溶液層に抽出分離す
る。それぞれの層を自動電位差滴定装置を用いてアルカ
リ、例えば水酸化カリウムで滴定することによってリン
酸モノエステル、リン酸ジエステル、オルトリン酸の含
量を求める。即ち、エチルエーテル層においてはエチル
エーテルをトッピングした後、サンプルをエタノール水
溶液中で水酸化カリウムにより電位差滴定することによ
り、その第1等量点と第2等量点とからリン酸モノエス
テルとリン酸ジエステルの含量を求めるものである。
【0042】製造例1 85%オルトリン酸75.58g(0.66モル)にP
2 O5 182.32g(1.28モル)を攪拌機、冷却
器、温度計を付した1リットルの四つ口フラスコ中で完
全溶解させ、122.47%(オルトリン酸当量)のポ
リリン酸257.90g(オルトリン酸換算3.22モ
ル)を得た。このポリリン酸に、炭素数が11〜15の
合成オキソアルコール(三菱化成(株)製、商品名ダイ
ヤドール115−L:C11/C13/C15=48%
/30%/22%、分岐率(直鎖と分岐の割合)50
%)613.20g(3.22モル)を添加し80℃で
12時間反応させた。
2 O5 182.32g(1.28モル)を攪拌機、冷却
器、温度計を付した1リットルの四つ口フラスコ中で完
全溶解させ、122.47%(オルトリン酸当量)のポ
リリン酸257.90g(オルトリン酸換算3.22モ
ル)を得た。このポリリン酸に、炭素数が11〜15の
合成オキソアルコール(三菱化成(株)製、商品名ダイ
ヤドール115−L:C11/C13/C15=48%
/30%/22%、分岐率(直鎖と分岐の割合)50
%)613.20g(3.22モル)を添加し80℃で
12時間反応させた。
【0043】反応終了後、86.59gのイオン交換水
を加え、更に80℃で2時間攪拌し、リン酸エステルお
よびオルトリン酸を含有する混合物を得た。この混合
物を前述の方法にて分析したところ、この溶液中には
リン酸モノエステル66.56%、リン酸ジエステル1
3.41%、およびオルトリン酸5.81%が含まれて
いた。この混合物5.01gにイオン交換水45.2
2gを添加・攪拌することにより均一化し混合物を得
た。さらに、48%水酸化カリウム水溶液0.35gを
添加・攪拌することにより均一化し混合物を得た。
を加え、更に80℃で2時間攪拌し、リン酸エステルお
よびオルトリン酸を含有する混合物を得た。この混合
物を前述の方法にて分析したところ、この溶液中には
リン酸モノエステル66.56%、リン酸ジエステル1
3.41%、およびオルトリン酸5.81%が含まれて
いた。この混合物5.01gにイオン交換水45.2
2gを添加・攪拌することにより均一化し混合物を得
た。さらに、48%水酸化カリウム水溶液0.35gを
添加・攪拌することにより均一化し混合物を得た。
【0044】製造例2 85%オルトリン酸70.00g(0.61モル)にP
2 O5 99.95g(0.70モル)を攪拌機、冷却
器、温度計を付した1リットルの四つ口フラスコ中で完
全溶解させ、116.17%(オルトリン酸当量)のポ
リリン酸169.95g(オルトリン酸換算2.02モ
ル)を得た。このポリリン酸に、炭素数が11〜15の
合成オキソアルコール(三菱化成(株)製、商品名ダイ
ヤドール115−L)286.47g(1.50モル)
を添加して80℃で12時間反応させた。
2 O5 99.95g(0.70モル)を攪拌機、冷却
器、温度計を付した1リットルの四つ口フラスコ中で完
全溶解させ、116.17%(オルトリン酸当量)のポ
リリン酸169.95g(オルトリン酸換算2.02モ
ル)を得た。このポリリン酸に、炭素数が11〜15の
合成オキソアルコール(三菱化成(株)製、商品名ダイ
ヤドール115−L)286.47g(1.50モル)
を添加して80℃で12時間反応させた。
【0045】反応終了後、45.61gのイオン交換水
を加え、更に80℃で2時間攪拌し、リン酸エステルお
よびオルトリン酸を含有する混合物を得た。尚、この
混合物を前述の方法にて分析したところ、この溶液中
にはリン酸モノエステル69.83%、リン酸ジエステ
ル5.29%およびオルトリン酸12.82%が含まれ
ていた。さらにこの混合物50.12gにエタノール
50.25gを添加・攪拌することにより均一化し、混
合物を得た。
を加え、更に80℃で2時間攪拌し、リン酸エステルお
よびオルトリン酸を含有する混合物を得た。尚、この
混合物を前述の方法にて分析したところ、この溶液中
にはリン酸モノエステル69.83%、リン酸ジエステ
ル5.29%およびオルトリン酸12.82%が含まれ
ていた。さらにこの混合物50.12gにエタノール
50.25gを添加・攪拌することにより均一化し、混
合物を得た。
【0046】製造例3 85%オルトリン酸1030.3g(10.51モル)
にP2 O5 1484.5g(10.45モル)を攪拌
機、冷却器、温度計を付した10リットルの四つ口フラ
スコ中で完全溶解させ、116.3%(オルトリン酸当
量)のポリリン酸2514.8g(オルトリン酸換算2
9.84モル)を得た。このポリリン酸に、炭素数が1
1〜15の合成オキソアルコール(三菱化成(株)製、
商品名ダイヤドール115−L)4267.2g(2
2.38モル)を添加して80℃で12時間反応させ
た。
にP2 O5 1484.5g(10.45モル)を攪拌
機、冷却器、温度計を付した10リットルの四つ口フラ
スコ中で完全溶解させ、116.3%(オルトリン酸当
量)のポリリン酸2514.8g(オルトリン酸換算2
9.84モル)を得た。このポリリン酸に、炭素数が1
1〜15の合成オキソアルコール(三菱化成(株)製、
商品名ダイヤドール115−L)4267.2g(2
2.38モル)を添加して80℃で12時間反応させ
た。
【0047】反応終了後、678.9gのイオン交換水
を加え、更に80℃で2時間攪拌し、リン酸エステルお
よびオルトリン酸を含有する混合物を得た。更に、薄
膜蒸発機を用いて混合物を水蒸気蒸留(160℃、2
0Torr)し、混合物を得た。尚、この混合物を
前述の方法にて分析したところ、リン酸モノエステル7
7.00%、リン酸ジエステル7.57%、オルトリン
酸14.55%、および未反応アルコール0.80%が
含まれていた。この混合物1300gにイオン交換水
9000g、48%KOH960gを添加・攪拌するこ
とにより均一化し混合物を得た。
を加え、更に80℃で2時間攪拌し、リン酸エステルお
よびオルトリン酸を含有する混合物を得た。更に、薄
膜蒸発機を用いて混合物を水蒸気蒸留(160℃、2
0Torr)し、混合物を得た。尚、この混合物を
前述の方法にて分析したところ、リン酸モノエステル7
7.00%、リン酸ジエステル7.57%、オルトリン
酸14.55%、および未反応アルコール0.80%が
含まれていた。この混合物1300gにイオン交換水
9000g、48%KOH960gを添加・攪拌するこ
とにより均一化し混合物を得た。
【0048】実施例1 バイオエンジニアリング(株)製RO−3型逆浸透膜装
置(攪拌用攪拌子付き、回分式)に塩化ナトリウム排除
率50%の逆浸透膜(日東電工(株):NTR−745
0、荷電性合成高分子系平膜、膜面積=44.2c
m2 )を装着して、製造例1中の混合物(オルトリン
酸/(リン酸モノエステル+リン酸ジエステル)=7.
27%)4.34gを仕込んだ。窒素圧(濾過圧)15
kg/cm2、温度40℃、攪拌子の回転数400rp
mで4.2時間にわたって逆浸透膜処理を行った。逆浸
透膜処理の結果を表1に示す。
置(攪拌用攪拌子付き、回分式)に塩化ナトリウム排除
率50%の逆浸透膜(日東電工(株):NTR−745
0、荷電性合成高分子系平膜、膜面積=44.2c
m2 )を装着して、製造例1中の混合物(オルトリン
酸/(リン酸モノエステル+リン酸ジエステル)=7.
27%)4.34gを仕込んだ。窒素圧(濾過圧)15
kg/cm2、温度40℃、攪拌子の回転数400rp
mで4.2時間にわたって逆浸透膜処理を行った。逆浸
透膜処理の結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】実施例2 バイオエンジニアリング(株)製RO−3型逆浸透膜装
置(攪拌用攪拌子付き、回分式)に塩化ナトリウム排除
率50%の逆浸透膜(日東電工(株):NTR−745
0、荷電性合成高分子系平膜、膜面積=44.2c
m2 )を装着して、製造例1中の混合物(オルトリン
酸/(リン酸モノエステル塩+リン酸ジエステル塩)=
7.27%)8.20gを仕込んだ。窒素圧(濾過圧)
15kg/cm2 、温度20℃、攪拌子の回転数400
rpmで6.0時間にわたって逆浸透膜処理を行った。
逆浸透膜処理の結果を表1に示す。
置(攪拌用攪拌子付き、回分式)に塩化ナトリウム排除
率50%の逆浸透膜(日東電工(株):NTR−745
0、荷電性合成高分子系平膜、膜面積=44.2c
m2 )を装着して、製造例1中の混合物(オルトリン
酸/(リン酸モノエステル塩+リン酸ジエステル塩)=
7.27%)8.20gを仕込んだ。窒素圧(濾過圧)
15kg/cm2 、温度20℃、攪拌子の回転数400
rpmで6.0時間にわたって逆浸透膜処理を行った。
逆浸透膜処理の結果を表1に示す。
【0051】実施例3 バイオエンジニアリング(株)製RO−3型逆浸透膜装
置(攪拌用攪拌子付き、回分式)に塩化ナトリウム排除
率60%の逆浸透膜(日東電工(株):NTR−725
0、合成高分子系平膜、膜面積=44.2cm2 )を装
着して、製造例2中の混合物(オルトリン酸/(リン
酸モノエステル+リン酸ジエステル)=17.06%)
6.40gを仕込んだ。窒素圧(濾過圧)8.5kg/
cm2 、温度40℃、攪拌子の回転数400rpmで
1.5時間にわたって逆浸透膜処理を行った。逆浸透膜
処理の結果を表1に示す。
置(攪拌用攪拌子付き、回分式)に塩化ナトリウム排除
率60%の逆浸透膜(日東電工(株):NTR−725
0、合成高分子系平膜、膜面積=44.2cm2 )を装
着して、製造例2中の混合物(オルトリン酸/(リン
酸モノエステル+リン酸ジエステル)=17.06%)
6.40gを仕込んだ。窒素圧(濾過圧)8.5kg/
cm2 、温度40℃、攪拌子の回転数400rpmで
1.5時間にわたって逆浸透膜処理を行った。逆浸透膜
処理の結果を表1に示す。
【0052】実施例4 バイオエンジニアリング(株)製RO−3型逆浸透膜装
置(攪拌用攪拌子付き、回分式)に塩化ナトリウム排除
率30%の逆浸透膜(日東電工(株):NTR−743
0、荷電性合成高分子系平膜、膜面積=44.2c
m2 )を装着して、製造例3中の混合物(オルトリン
酸/(リン酸モノエステル+リン酸ジエステル)=1
7.45%)59.18gを仕込んだ。窒素圧(濾過
圧)10kg/cm2 、温度40℃、攪拌子の回転数4
00rpmで2.3時間にわたって逆浸透膜処理を行っ
た。逆浸透膜処理の結果を表1に示す。
置(攪拌用攪拌子付き、回分式)に塩化ナトリウム排除
率30%の逆浸透膜(日東電工(株):NTR−743
0、荷電性合成高分子系平膜、膜面積=44.2c
m2 )を装着して、製造例3中の混合物(オルトリン
酸/(リン酸モノエステル+リン酸ジエステル)=1
7.45%)59.18gを仕込んだ。窒素圧(濾過
圧)10kg/cm2 、温度40℃、攪拌子の回転数4
00rpmで2.3時間にわたって逆浸透膜処理を行っ
た。逆浸透膜処理の結果を表1に示す。
【0053】実施例5 日東電工(株)製RUW−5型逆浸透膜装置(循環式)
に塩化ナトリウム排除率30%の逆浸透膜(日東電工
(株):NTR−7430、S2−F、荷電性合成高分
子系スパイラルモジュール、膜面積=1.7m2 )を装
着して、製造例3中の混合物(オルトリン酸/(リン
酸モノエステル+リン酸ジエステル)=17.45%)
11198.7gを仕込んだ。ポンプ圧(濾過圧)10
kg/cm2 、温度40℃で18分間にわたって逆浸透
膜処理を行った。逆浸透膜処理の結果を表1に示す。
に塩化ナトリウム排除率30%の逆浸透膜(日東電工
(株):NTR−7430、S2−F、荷電性合成高分
子系スパイラルモジュール、膜面積=1.7m2 )を装
着して、製造例3中の混合物(オルトリン酸/(リン
酸モノエステル+リン酸ジエステル)=17.45%)
11198.7gを仕込んだ。ポンプ圧(濾過圧)10
kg/cm2 、温度40℃で18分間にわたって逆浸透
膜処理を行った。逆浸透膜処理の結果を表1に示す。
【0054】表1の結果から明らかなように、本発明の
実施例で得られたリン酸エステルまたはその塩は、いず
れもオルトリン酸またはその塩が選択的に除去されてい
るとともに、リン酸エステルまたはその塩が濃縮されて
おり、目標とした精製が行われていることが判明した。
実施例で得られたリン酸エステルまたはその塩は、いず
れもオルトリン酸またはその塩が選択的に除去されてい
るとともに、リン酸エステルまたはその塩が濃縮されて
おり、目標とした精製が行われていることが判明した。
【0055】本発明の他の態様を挙げれば次のようにな
る。 (1)リン酸エステルまたはその塩、およびオルトリン
酸またはその塩を含有する混合物から、塩化ナトリウム
排除率が20〜60%である逆浸透膜を用いてオルトリ
ン酸またはその塩を除去する精製工程を有することを特
徴とするリン酸エステルまたはその塩の製造方法。 (2)リン酸エステルまたはその塩、オルトリン酸また
はその塩、および溶媒を含有する混合物から、塩化ナト
リウム排除率が20〜60%である逆浸透膜を用いてオ
ルトリン酸またはその塩を除去する精製工程を有するこ
とを特徴とするリン酸エステルまたはその塩の製造方
法。 (3)リン酸エステルまたはその塩が、一般式(1)で
表される上記(1)または(2)記載の製造方法。
る。 (1)リン酸エステルまたはその塩、およびオルトリン
酸またはその塩を含有する混合物から、塩化ナトリウム
排除率が20〜60%である逆浸透膜を用いてオルトリ
ン酸またはその塩を除去する精製工程を有することを特
徴とするリン酸エステルまたはその塩の製造方法。 (2)リン酸エステルまたはその塩、オルトリン酸また
はその塩、および溶媒を含有する混合物から、塩化ナト
リウム排除率が20〜60%である逆浸透膜を用いてオ
ルトリン酸またはその塩を除去する精製工程を有するこ
とを特徴とするリン酸エステルまたはその塩の製造方
法。 (3)リン酸エステルまたはその塩が、一般式(1)で
表される上記(1)または(2)記載の製造方法。
【0056】
【化4】
【0057】〔式中、R1 は炭素数8〜36の直鎖もし
くは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を、R2 は
水素原子、または炭素数8〜36の直鎖もしくは分岐鎖
のアルキル基またはアルケニル基を表す。Mは水素原子
であるか、又はアルカリ金属、アルカノールアミンもし
くはアンモニウム基を表す。〕 (4)一般式(1)中のMが水素原子又はカリウムであ
る上記(3)記載の製造方法。 (5)逆浸透膜が負荷電性合成高分子よりなるものであ
る上記(1)〜(4)いずれか記載の製造方法。
くは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を、R2 は
水素原子、または炭素数8〜36の直鎖もしくは分岐鎖
のアルキル基またはアルケニル基を表す。Mは水素原子
であるか、又はアルカリ金属、アルカノールアミンもし
くはアンモニウム基を表す。〕 (4)一般式(1)中のMが水素原子又はカリウムであ
る上記(3)記載の製造方法。 (5)逆浸透膜が負荷電性合成高分子よりなるものであ
る上記(1)〜(4)いずれか記載の製造方法。
【0058】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、リン酸エス
テルまたはその塩、およびオルトリン酸またはその塩を
含有する混合物から、オルトリン酸またはその塩を選択
的に除去できる上、同時にリン酸エステルまたはその塩
を濃縮することができ、工業的にシンプルなプロセス
で、リン酸エステルまたはその塩を製造することができ
る。
テルまたはその塩、およびオルトリン酸またはその塩を
含有する混合物から、オルトリン酸またはその塩を選択
的に除去できる上、同時にリン酸エステルまたはその塩
を濃縮することができ、工業的にシンプルなプロセス
で、リン酸エステルまたはその塩を製造することができ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 リン酸エステルまたはその塩、およびオ
ルトリン酸またはその塩を含有する混合物から、逆浸透
膜を用いてオルトリン酸またはその塩を除去する精製工
程を有することを特徴とする、リン酸エステルまたはそ
の塩の製造方法。 - 【請求項2】 リン酸エステルまたはその塩、オルトリ
ン酸またはその塩、および溶媒を含有する混合物から、
逆浸透膜を用いてオルトリン酸またはその塩を除去する
精製工程を有することを特徴とする、リン酸エステルま
たはその塩の製造方法。 - 【請求項3】 リン酸エステルまたはその塩が、一般式
(1)で表されるものである請求項1または2記載の製
造方法。 【化1】 〔式中、R1 は炭素数8〜36の直鎖もしくは分岐鎖の
アルキル基またはアルケニル基を、R2 は水素原子、ま
たは炭素数8〜36の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基
またはアルケニル基を表す。Mは水素原子であるか、又
はアルカリ金属、アルカノールアミンもしくはアンモニ
ウム基を表す。〕 - 【請求項4】 一般式(1)中のMがカリウムである請
求項3記載の製造方法。 - 【請求項5】 逆浸透膜が荷電性合成高分子よりなるも
のである請求項1〜4いずれか記載の製造方法。 - 【請求項6】 逆浸透膜が塩化ナトリウム排除率で0〜
90%である請求項1〜5いずれか記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15147794A JPH07330784A (ja) | 1994-06-08 | 1994-06-08 | リン酸エステルまたはその塩の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15147794A JPH07330784A (ja) | 1994-06-08 | 1994-06-08 | リン酸エステルまたはその塩の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07330784A true JPH07330784A (ja) | 1995-12-19 |
Family
ID=15519368
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15147794A Pending JPH07330784A (ja) | 1994-06-08 | 1994-06-08 | リン酸エステルまたはその塩の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07330784A (ja) |
-
1994
- 1994-06-08 JP JP15147794A patent/JPH07330784A/ja active Pending
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