JPH073300A - 皮革の防水方法 - Google Patents

皮革の防水方法

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JPH073300A
JPH073300A JP16980693A JP16980693A JPH073300A JP H073300 A JPH073300 A JP H073300A JP 16980693 A JP16980693 A JP 16980693A JP 16980693 A JP16980693 A JP 16980693A JP H073300 A JPH073300 A JP H073300A
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Japan
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leather
weight
meth
water
waterproofing
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JP16980693A
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English (en)
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Mitsuo Ishikawa
光雄 石川
Ikumi Onuki
郁巳 大貫
Keisuke Sumida
啓介 隅田
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AROOTA KK
ASAI BUSSAN KK
Nihon Junyaku Co Ltd
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AROOTA KK
ASAI BUSSAN KK
Nihon Junyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【効果】 吸水性の高い皮革に、本発明による防水処理
法を施すことにより、水洗濯後も引張り強さ等の皮革特
性が低下しない優れた耐水性を賦与することが可能とな
った。 【構成】 網様層の皮革線維の濾水度が700ml以上
であり且つムコイドの含有量が1.0重量%以下の皮革
を、モノアルキル隣酸エステルを有効成分として含有し
てなる防水処理剤で処理することを特徴とする皮革の防
水処理法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、吸水性の高い皮革、即ち網様層
の皮革線維の濾水度が700ml以上であり、且つムコ
イドの含有量が1.0重量%以下の皮革に、防水性を付
与させる処理法に関する。
【0002】従来、皮革を布帛同様に洗濯可能とするた
め、原皮の石灰浸け時間を延長するとか、酵素処理をし
た後、鞣しおよび染色を行い、更に牛脚油や硫酸化油を
加脂する方法等が試みられたが、得られた皮革は1度な
いし数度の水洗いで硬くなってしまうとか、或いは、色
落ちするとか、寸法が変化する等の欠点があり、水洗い
を行うことは出来なかった。そのため、ドライクリーニ
ングが行われたが、それでも脱色等のトラブルを避ける
ことができなかった。
【0003】従来の皮革が水洗濯すると硬くなり、寸法
が変化し、色落ちしてしまうので、衣料用等の用途に大
きな制限があったので、布帛同様に取扱える皮革の提供
が長い間、待ち望まれていた。本発明の共同発明者は、
従来皮革の上記欠点を解決するものとして、特公平4−
68360号により、網様層の皮革線維の濾水度が70
0ml以上であり、ムコイドの含有量が1.0重量%以
下である皮革を提供した。この提案による豚、牛、羊、
馬、カンガルー等からの皮革は、耐水洗濯性が良好で、
水洗濯しても硬くなったり寸法変化や色落ちするような
欠点は有効に除去され、ミシン縫製も容易である等の優
れた特性を有しているが、水洗濯後の皮革が引っ張り強
さや引き裂き強さ等、皮革物性に変化はないが、吸水性
が有り過ぎて、皮革の用途に制限のあることが明らかと
なって来た。
【0004】本発明者は、このような皮革物性のうち、
吸水性の防止について研究を重ねた結果、そのような欠
点は、網様層の皮革線維の濾水度が700ml以上であ
り、ムコイドが1.0重量%以下である皮革は、皮革線
維間の結着物が殆んど存在しないので、皮革線維間の空
隙が大きく、水に濡れると短時間に吸水し易く、一方、
製革時に加脂剤を加えたり或いは撥水剤をスプレー塗布
しても、水洗濯を1〜2回行うと加脂剤や撥水剤が脱落
して、防水性が低下することに基因することが明らかと
なった。
【0005】かくして、本発明の目的は、水洗濯しても
硬くなったり、寸法変化や色落ちしたりせず、ミシン縫
製も容易な布帛同様の皮革であって、水洗濯後も引っ張
り強さ等の皮革物性の低下しない優れた耐水性も持った
皮革の提供を可能とすることにある。
【0006】本発明によれば、網様層の皮革線維の濾水
度が700ml以上であり且つムコイドの含有量が1.
0重量%以下の皮革を、モノアルキル隣酸エステルを有
効成分として含有してなる防水処理剤で処理することを
特徴とする皮革の防水処理法が提供される。
【0007】本明細書の「濾水度」はJIS−P−81
21−1976(パルプの濾水度試験方法の2−1カナ
ダ標準形)の試験法によって測定された値をいう。
【0008】本発明の好適な態様によれば、網様層の皮
革線維の濾水度が700ml以上であり、且つムコイド
の含有量が1.0重量%以下の皮革を、モノアルキル隣
酸エステルに加え、更に(メタ)アクリル系共重合体を
含有してなる防水処理剤で処理する防水処理法が提供さ
れる。
【0009】本発明で用いられるモノアルキル隣酸エス
テルは、好ましくはアルキル基の炭素数が8〜22のモ
ノアルキル隣酸エステルである。このようなモノアルキ
ル隣酸エステルとしては、次のものを例示することがで
きる。
【0010】モノオクチル隣酸エステル、モノノニル燐
酸エステル、モノデシル燐酸エステル、モノウンデシル
燐酸エステル、モノラウリル燐酸エステル、モノトリデ
シル燐酸エステル、モノミリスチル燐酸エステル、モノ
ペンタデシル燐酸エステル、モノセチル燐酸エステル、
モノヘプタデシル燐酸エステル、モノステアリル燐酸エ
ステル、モノナノデシル燐酸エステル、モノエイコシル
燐酸エステル等を挙げることができる。
【0011】なかでもアルキル基の炭素数が12〜16
のモノアルキル隣酸エステルが特に好ましく、このよう
なエステルとしては、モノラウリル燐酸エステル、モノ
トリデシル燐酸エステル、モノミリスチル燐酸エステ
ル、モノペンタデシル燐酸エステル、モノセチル燐酸エ
ステル、を例示することができる。上記モノアルキル隣
酸エステルのなかでも、モノラウリル燐酸エステル、モ
ノミリスチル燐酸エステル、モノセチル燐酸エステルが
最も好ましい。
【0012】モノアルキル隣酸エステルのアルキル基の
炭素数が8未満と小さ過ぎては、防水効果が不十分であ
り、一方22を超えて大き過ぎては、被処理皮革との反
応性が遅くなるので、好ましくない。
【0013】本発明で用いる防水処理剤が優れた防水効
果を発揮する理由は必ずしも定かではないが、ジアルキ
ル燐酸エステルやトリアルキル燐酸エステルの場合、得
られる防水効果が劣る点より、クロム鞣し等の金属鞣し
に用いられた皮革中の金属とモノアルキル隣酸エステル
の残存酸基との反応が良好で、モノアルキル隣酸エステ
ルが皮革中の金属と反応して固着され、水洗濯を行って
も脱落しなくなるためと推定される。一方、金属鞣し以
外のタンニン鞣し等を行った皮革を処理する場合には、
改めて更にクロム鞣し等の金属鞣しを行った後、本発明
の防水処理法を施すのが良好な成績を得られる。
【0014】本発明で用いる市販のモノアルキル隣酸エ
ステルは、一般に生産時副生するジアルキル燐酸エステ
ルまたは/およびトリアルキル燐酸エステルを不純分と
して含有するが、本発明の防水処理法では、ジアルキル
燐酸エステルまたは/およびトリアルキル燐酸エステル
を40重量%以上含有するモノアルキル隣酸エステル
は、防水処理効果が劣るので好ましくない。
【0015】本発明で用いる防水処理剤は、モノアルキ
ル隣酸エステルの水中油型エマルジョンの形態のものが
好適である。このようなエマルジョンは、好ましくは、
0.05〜0.5μmの平均粒径を有し、モノアルキル
隣酸エステルの含有量は30〜40重量%、pH3.0
〜4.5である。乳化方法はモノアルキル隣酸エステル
をトリエタノールアミン塩にして自己乳化させる方法が
好ましいが、その他既知の乳化剤を用いる方法であって
もよい。
【0016】モノアルキル隣酸エステルの使用量は、被
防水処理皮革重量当り、一般に2〜15重量%(乾燥基
準)、好ましくは4〜8重量%である。
【0017】本発明の好適な態様によれば、網様層の皮
革線維の濾水度が700ml以上であり且つムコイドの
含有量が1.0重量%以下の皮革を、モノアルキル隣酸
エステルに加え、更に、(メタ)アクリル系共重合体を
含有してなる防水処理剤で処理する防水処理法が提供さ
れる。
【0018】上記の好適な態様においては、モノアルキ
ル隣酸エステル100重量部当り、(メタ)アクリル系
共重合体5〜100重量部、好ましくは10〜70重量
部、最も好ましくは30〜60重量部を含有してなる防
水処理剤が用いられる。
【0019】本発明で用いられる好適な(メタ)アクリ
ル系共重合体は、(イ)C4〜C22アルキル、好ましく
はC12〜C18アルキル(メタ)アクリレート40〜75
重量%、好ましくは45〜70重量%;(ロ)C1〜C3
アルキル(メタ)アクリレート10〜30重量%、好ま
しくは15〜25重量%;(ハ)(メタ)アクリル酸0
〜20重量%、好ましくは0〜5重量%;(ニ)官能性
(メタ)アクリル系モノマー0〜5重量%、好ましくは
0〜3重量%;(ホ)(メタ)アクリル系燐酸エステル
2〜20重量%、好ましくは5〜15重量%、ただし上
記(イ)〜(ホ)のコモノマーの合計が100重量%と
なる、の共重合体である。
【0020】上記(イ)のC4〜C22アルキル(メタ)
アクリレートとしては、n−ブチルアルコール、イソブ
チルアルコール、tert−ブチルアルコール、アミル
アルコール、ヘキサノール、n−オクタノール、2エチ
ルヘキシルアルコール、ノナノール、デカノール、ウン
デカノール、ラウリルアルコール、トリデカノール、ミ
リスチルアルコール、ペンタデカノール、ヘキサデカノ
ール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、ノナ
デカノール、エイコサノール、ドコサノールのメタアク
リル酸またはアクリル酸エステルを挙げることができ
る。
【0021】上記(イ)のC4〜C22アルキル(メタ)
アクリレートは2種以上を用いてもよい。
【0022】一方、(ロ)のC1〜C3アルキル(メタ)
アクリレートとしては、メチルアルコール、エチルアル
コール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルア
ルコールのメタアクリル酸またはアクリル酸エステルを
挙げることができる。(ロ)のC1〜C3アルキル(メ
タ)アクリレートも2種以上を用いてもよい。
【0023】また上記(ニ)の官能性(メタ)アクリル
系モノマーは、ヒドロキシ基、グリシジル基、メチロー
ル基、アミノ基および低級アルコキシ基からなる群から
選ばれる反応性基を分子中に有する(メタ)アクリル系
をいう。このような官能性(メタ)アクリル系モノマー
としては、ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロ
キシエチルアクリレート、グリシジルメタアクリレー
ト、グリシジルアクリレート、N−メチロールアクリル
アミド、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ジメ
チルアミノエチルアクリレート、エトキシメタアクリレ
ート、エトキシアクリレート等を例示できる。
【0024】一方、(ホ)の(メタ)アクリル系燐酸エ
ステルとしては、モノ(2−アクリロイルオキシエチ
ル)ホスフェート、モノ(2−メタクリロイルオキシエ
チル)ホスフェート、ジ(2−アクリロイルオキシエチ
ル)ホスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチ
ル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキ
シエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイ
ルオキシエチルホスフェート、2−アクリロイルポリオ
キシエチルホスフェート、2−メタクリロイルポリオキ
シエチルホスフェート等を例示できる。
【0025】本発明で用いることができる(メタ)アク
リル系共重合体は、好ましくは重量平均分子量が500
〜3000の乳化重合によるエマルジョン型のものが好
ましい。
【0026】上記(イ)のC4〜C22アルキル(メタ)
アクリレートが40重量%未満と少な過ぎては、皮革の
柔軟性が少くなり、また防水効果も低くなるので好まし
くない。また(ロ)のC1〜C3アルキル(メタ)アクリ
レートが10重量%未満と少な過ぎては、皮革のベタ付
きを押え切れないので好ましくなく、30重量%を超え
て多過ぎても皮革が硬くなるので好ましくない。
【0027】一方、(ハ)の(メタ)アクリル酸が20
重量%を超えて多過ぎては、共重合体エマルジョンがゲ
ル化し易くなるので好ましくない。更に(ホ)の(メ
タ)アクリル系燐酸エステルが2重量%未満と少な過ぎ
ては、防水効果が低下し、20重量%を超えて多過ぎて
も格別の効果がない。
【0028】上記(メタ)アクリル系共重合体は、モノ
アルキル隣酸エステルが皮革中の金属等と急速に結合固
着するのを遅らせるので、モノアルキル隣酸エステル
は、皮革内層深く浸透し、且つバインダーとしても働く
ので、より優れた防水効果を得ることが可能となる。
【0029】本発明による皮革の防水処理法の詳細を以
下に具体例によって説明する。
【0030】モノアルキル隣酸エステルのエマルジョン
の必要量を約50℃の温水(被処理皮革当り、100〜
1000重量%)で希釈した後、アンモニア水、重炭酸
ソーダまたは酢酸ソーダ等でpHを5.5〜7.6に調
節し、この液中に必要に応じ(メタ)アクリル系共重合
体エマルジョンを添加し、pH5.5〜7.6の処理液
を調整する。
【0031】この処理液中に予めpH5.0〜7.6、
好ましくは5.5〜7.0に調節した被処理皮革を浸漬
し、モノアルキル隣酸エステルおよび随意(メタ)アク
リル系共重合体を皮革中に浸透させる。所定時間経過
後、有機酸または無機酸を添加してpHを約4以下に調
節する。これによって、皮革に結合ないし付着していな
かった(メタ)アクリル系共重合体およびモノアルキル
隣酸エステルのミセルが壊れて凝集析出し、皮革内層空
隙部等に付着結合する。その後、必要に応じクロム等の
多価金属塩を添加することによって、結合を更に強固と
し、防水性の持続性を更に向上させることができる。
【0032】なおモノアルキル隣酸エステルが皮革内部
に十分浸透しにくい場合には、以下の処理法を採用する
ことができる。
【0033】先ず被処理皮革を水で稀釈した(メタ)ア
クリル系共重合体エマルジョン中で含浸させた後、脱液
して取り出す。次に温水で稀釈したモノアルキル隣酸エ
ステルエマルジョンをpH5.0〜7.6に調節し、こ
の中に上記の(メタ)アクリル系共重合体エマルジョン
で含浸処理した皮革を投入含浸し、次いで有機酸等でp
Hを4以下に調節して、未凝集成分を析出凝集させる。
この方法では、厚みのある皮革等のように、皮革内部に
モノアルキル隣酸エステルが浸透しにくい場合でも、良
好な防水効果を達成することができる。
【0034】斯くて本発明の更なる好適態様によれば、
網様層の皮革線維の濾水度が700ml以上であり、且
つムコイドの含有量が1.0重量%以下の皮革を(メ
タ)アクリル系共重合体を含有してなる処理剤で処理
し、次いでモノアルキル隣酸エステルを有効成分として
含有してなる防水処理剤で処理することを特徴とする皮
革の防水処理法が提供される。
【0035】なおpH調節用の前記有機酸としては、蟻
酸、蓚酸、乳酸、酪酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、
リンゴ酸等を例示することができ、無機酸としては、塩
酸、硫酸、硼酸等を例示できる。
【0036】またpH5〜7.6への調節用中和剤とし
ては、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリ(土類)金属化合
物やアンモニア、モノ−、ジ−、トリ−メチルアミン、
モノ−、ジ−、トリ−エチルアミン、プロピルアミン、
イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン
およびヘキシルアミン等のような有機アミンが用いられ
る。
【0037】また前記多価金属塩としては、クロム酸ナ
トリウム、重クロム酸ナトリウム、重クロム酸アンモニ
ウム、クロムカリみようばん、ステアリン酸クロム、硫
酸ジルコニウム、硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウ
ム、硫酸バナジウム等を例示することができる。
【0038】本発明で用いられる防水処理剤には、皮革
内部への処理剤の浸透を容易にするため、必要に応じ、
界面活性剤を併用してもよい。このような界面活性剤と
しては、ノニオン系またはアニオン系界面活性剤が好ま
しくそのような界面活性剤としてはポリオキシエチレン
ノニルフエニールエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル
やNaオクチルスルフオサクシネート、ジアルキルスル
フオコハク酸Na、アルキルナフタレンスルフオン酸N
a、高級アルコール硫酸Na、ドデシルベンゼンスルフ
オン酸Na等を例示することができる。
【0039】本発明の皮革の防水処理法では、上記界面
活性剤に加え、更に必要に応じて、皮革処理に常用され
る添加剤を、防水処理剤に予め含有させるか、或いは防
水処理剤に併用して用いることができる。このような添
加剤としては、顔料、染料、染料固着剤、加脂剤等を例
示することができる。
【0040】本発明の防水処理法によれば、耐水洗濯性
が良好で、洗濯後も硬くなったり、寸法変化や色落ちす
ることが無く、ミシン縫製が可能であり、しかも水洗濯
を繰り返しても引張り強さや引裂き強さ等の皮革物性が
低下することのない良好な防水性を持った布帛同様な皮
革が取得される。
【0041】それ故、本発明による防水処理を施した皮
革は、各種の衣料、手袋、ベルト、靴、履物、鞄、袋物
等用として極めて有用である。
【0042】以下実施例、比較例により本発明を更に具
体的に説明する。
【0043】
【実施例】
▽比較の物性測定方法 1.厚さ、引っ張り強さ、引っ張り切断荷重、引き裂き
強さ、引き裂き荷重;JIS K−6550に準拠し
た。
【0044】2.動的耐水度(透水時間、透水時の吸水
率); IPU−10法、ブーツおよび靴の甲革に対す
る動的防水試験に準拠した。
【0045】BALLY社製、PENETROMETE
R使用。
【0046】肉面を水に浸漬、革片の収縮率10%、屈
曲回数53回/分。
【0047】3.防水性; 皮革の銀面側および肉面側
に、注射器で水滴0.3ccを滴下し、20℃×RH8
5%に放置して、水滴が皮革内部に浸透するか、または
蒸散するまでの時間で表した。n=3の平均値 4.洗濯時の色落ち性; 目視による。
【0048】5.耐・水洗濯性; 水洗濯後に皮革が硬
化したり、寸法変化(面積)が20%以上生じるまでの
洗濯回数で示した。
【0049】JIS L−1042C、JIS L−0
217に準拠。
【0050】6.染色摩擦堅牢度試験; JIS K−
6547に準拠。
【0051】7.人口汗試験; JIS L−0848
(酸性pH5.5、アルカリ性pH8.0)に準拠。
【0052】8.ウエットクリーニング試験; JIS
K−6552−に準拠。
【0053】9.ドライクリーニング試験; JIS
K−6552(甲法)に準拠。
【0054】10.皮革内層部への防水成分の浸透性;
3回以上水洗濯を繰り返した後の防水性の低下割合
と、処理時間当たりの防水効果の持続割合から決定し
た。
【0055】11.皮革の手触り性; 皮革を握った
り、触れた場合の風合の違いを手触感により判定した。
【0056】試験に用いた皮革の種類 被処理皮革は牛革、羊革、豚革の何れもクロム鞣しによ
る再鞣製後の皮革(ウエットブルー)を用いた。
【0057】実施例に用いた皮革の処理方法 1)処理手順−1 (耐・水洗濯性処理方法) タテ型ドラム式回転処理槽に40℃温水を被処理皮
革重量に対して7倍重量を注入した。
【0058】 次にポリオキシアルキレンポリオール
(三洋化成工業:FA−103)45wt%並びに(三
井東圧化学:MN−3050)26wt%、窒素含有ポ
リオール(三洋化成工業)7wt%、ポリオキシエチレ
ンノニルフエニールエーテル(三洋化成工業)4wt
%、ジフエニルメタンジイソシアネート(三井東圧化
学:CR−200)2wt%、硫酸アルミニウム2wt
%、水14wt%、合計100wt%からなる皮革処理
剤を被処理皮革重量に対して、4重量%を加え回転して
均一溶液とした中へ被処理皮革全量を投入した。40℃
±3℃を保持しながら10分間回転撹拌して50分間回
転を休止する方法を4回繰り返した。その後に脱液し流
水で30分間、回転しながら洗滌した後皮革を取り出し
た。なお後記、処理手順−5(乾燥)を行なって、濾水
性およびpH測定に用いた。この皮革の濾水度は、平均
で牛革では770ml、羊革では790ml、豚革では
730ml、皮革中心部の平均pHは4.4〜4.8で
あった。処理後の皮革は耐・水洗濯性を有し、水洗濯し
ても柔軟で、寸法安定性がある。
【0059】2)処理手順−2 (皮革の中和方法) タテ型ドラム式回転処理槽(以下処理槽という)に30
℃温水を被処理皮革重量に対して等量(重量)を注入し
た中へ、酢酸ナトリウムを1.5重量%を加え回転させ
た後、被処理皮革を投入し20分間回転した。その後、
炭酸水素ナトリウムを1.5重量%添加し、さらに90
分間、回転した後に脱液し、流水洗滌を10分間実施し
て、皮革を取り出した。皮革中心部のpHは6.5〜
6.8であった。
【0060】3)処理手順−3 (皮革の防水処理方
法) モノアルキル隣酸エステル単独で処理する方法 処理槽に50℃温水を処理皮革重量に対して2倍重量と
アンモニア水0.5重量%を入れ回転して均一液とした
中へ被処理皮革を投入した。温度50±2℃を保ちなが
ら20分間回転した後、モノアルキル隣酸エステル有効
成分を8重量%加えて、さらに75分間回転した。その
後に蟻酸を1重量%強加えて浴のpH4以下としてから
30分間回転し脱液した。脱液後流水で10分間の洗滌
を行なって皮革を取り出した。
【0061】 モノアルキル隣酸エステル(メタ)ア
クリル系共重合体エマルジョンを併用して防水処理する
方法 処理槽に50℃温水を処理皮革重量に対して2倍重量と
アンモニア水0.5重量%を入れ回転して均一液とした
中へ被処理皮革を投入した。温度50±2℃を保ちなが
ら20分間回転した後、モノアルキル隣酸エステル純分
5.8重量%および(メタ)アクリル系共重合体エマル
ジョンを固形分で、3.2重量%を加えて75分間回転
した。その後に蟻酸を1重量%強添加し、浴のpH4以
下としてから15分間回転し脱液した。脱液後流水で1
0分間の洗滌を行って皮革を取り出した。
【0062】 (メタ)アクリル系共重合体エマルジ
ョンで皮革を処理し、次いでモノアルキル隣酸エステル
で処理する方法 処理槽に50℃温水を処理皮革重量に対して2倍重量と
アンモニア水0.5重量%を入れ回転して均一液とした
中へ被処理皮革を投入した。温度50±2℃を保ちなが
ら20分間回転した後、(メタ)アクリル系共重合体エ
マルジョンを固形分で3.2重量%を加えて30分間回
転した。その後にモノアルキル隣酸エステル、有効成分
5.8重量%を加えて45分間回転してから、蟻酸を1
重量%強添加し、浴のpH3.5とした。さらにクロム
鞣剤(けん化度33%)を0.5重量%加え、30分間
回転し脱液した。脱液後流水で10分間の洗滌を行って
皮革を取り出した。
【0063】4)処理手順−4 (防汚(撥油)処理方
法)(防水処理皮革に対して行う) 処理槽に50℃温水を前項(処理手順−3の防水処理方
法)で防水処理した皮革重量に対して、2倍重量を注入
する。次に弗素系撥油撥水剤(浅井物産:リアクトール
ZFL−3)を3重量%加え回転して均一液とした中に
防水処理を施した被処理革を投入した。30分間回転し
た後に脱液し、流水で10分間の洗滌を行って皮革を取
り出した。
【0064】5)処理手順−5 (乾燥) 常法に従い馬掛け→吊り干し乾燥→空打ちを行った。
【0065】実施例−1 試験革: 0.6mm厚さのクロムによる再鞣製後の豚
皮革(ウエットブルー)を用いた。
【0066】皮革処理方法: 前記の処理手順−1(耐
・水洗濯処理方法)および処理手順−2(皮革の中和方
法)並びに処理手順−3(皮革の防水処理方法のモノ
アルキル隣酸エステル単独で処理する方法)を実施し
た。(防水処理時間30分間処理および75分間処理の
2種類を作った)。
【0067】その後、処理手順−5(乾燥)を行って試
験革とした。
【0068】アルキル燐酸エステルの種類: モノミリ
スチル燐酸エステル90wt%以上で、ジ,トリミリス
チル燐酸エステル10wt%未満を含有する有効成分3
6重量%のエマルジョンを用いた。
【0069】有効成分の添加量: 被処理皮革重量当
り、有効成分で8重量%添加した。
【0070】(従ってエマルジョンとしては22重量%
添加した。)防水性試験の結果を第1表に示す。
【0071】実施例−2 アルキル隣酸エステルの種類をモノミリスチル燐酸エス
テル55wt%、ジ,トリ,ミリスチル燐酸エステル4
5wt%を含有する有効成分36重量%のエマルジョン
を用いた以外は実施例−1と同様にした。試験結果を第
1表に示す。
【0072】実施例−3 アルキル隣酸エステルの種類をモノミリスチル燐酸エス
テル10wt%未満、ジ,トリミリスチル燐酸エステル
90wt%以上を含有する有効成分36重量%のエマル
ジョンを用いた以外は実施例−1と同様にした。試験結
果を第1表に示す。
【0073】実施例−4 アルキル隣酸エステルの種類をモノオクチル燐酸エステ
ル90wt%以上、ジ,トリオクチル燐酸エステル10
wt%未満を含有する有効成分36重量%のエマルジョ
ンを用いた以外は実施例−1と同様にした。試験結果を
第1表に示す。 実施例−5 アルキル隣酸エステルの種類をモノラウリル燐酸エステ
ル90wt%以上、ジ,トリラウリル燐酸エステル10
wt%未満を含有する有効成分36重量%のエマルジョ
ンを用いた以外は実施例−1と同様にした。試験結果を
第1表に示す。 実施例−6 アルキル隣酸エステルの種類をモノセチル燐酸エステル
90wt%以上、ジ,トリセチル燐酸エステル10wt
%未満を含有する有効成分36重量%のエマルジョンを
用いた以外は、実施例−1と同様にした。試験結果を第
1表に示す。
【0074】実施例−7 アルキル隣酸エステルの種類をモノステアリル燐酸エス
テル90wt%以上、ジ,トリステアリル燐酸エステル
10wt%未満を含有する有効成分36重量%のエマル
ジョンを用いた以外は実施例−1と同様にした。試験結
果を第1表に示す。
【0075】実施例−8〜実施例−9 実施例−1のアルキル燐酸エステルの有効成分添加量を
変更した以外は実施例−1と同様にした。試験結果を第
1表に示す。
【0076】実施例−10 実施例−1の皮革処理方法に於いて、処理手順−2(皮
革の中和方法)を実施しないで、処理手順−1(耐・水
洗濯方法)、処理手順−3(皮革の防水処理方法モノ
アルキル隣酸エステル単独で処理する方法)を実施した
後、処理手順−5(乾燥)を行って試験革とした。防水
性の試験結果を第1表に示す。
【0077】比較例−1 ブランクとして、実施例−1の皮革処理方法に於いて、
処理手順−3(皮革の防水処理方法)を実施しないで、
処理手順−1(耐・水洗濯方法)および処理手順−2
(皮革の中和方法)を実施した後、処理手順−5(乾
燥)を行って試験革とした。防水性の試験結果を第1表
に示す。試験皮革は実施例−1と同じ豚皮革を用いた。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】実施例−11 (メタ)アクリル系共重合体エマルジョンを重合した。
(固形分36重量%、pH6.2〜6.4、平均重合度
1000〜1500、平均粒径0.15μm)。これら
のモノマー組成並びにミリスチル燐酸エステル(モノミ
リスチル燐酸エステル/ジ,トリミリスチル燐酸エステ
ルの比90以上/10未満)エマルジョン(有効成分3
6重量%)を併用して、防水処理剤として用いた。
【0081】試験革: 0.6mm厚さのクロムによる
再鞣製後の豚皮革(ウエットブルー)を用いた。
【0082】皮革処理方法: 前記の処理手順−1(耐
・水洗濯処理方法)および処理手順−2(皮革の中和方
法)並びに処理手順−3(皮革の防水処理方法のモノ
アルキル隣酸エステルと(メタ)アクリル系共重合体エ
マルジョンを併用する方法)を実施した。その後処理手
順−5(乾燥)を行って試験革とした。
【0083】有効成分の添加量(被処理皮革重量当たり
で示す)。(メタ)アクリル系共重合体3.2wt%、
ミリスチル燐酸エステル5.8wt%とした。
【0084】試験の結果を第2表に示す。実施例−12〜実施例−14 モノマー組成を変更して重合した、(メタ)アクリル系
共重合体エマルジョンを用いた以外は実施例−11と同
様にした。
【0085】試験の結果を第2表に示す。
【0086】実施例−15〜実施例−17 実施例−11で使用した(メタ)アクリル系共重合体エ
マルジョンとミリスチル燐酸エステルの有効成分添加量
の比率を変化させたほかは、実施例−11と同様に処理
した試験結果を第2表に示す。
【0087】比較例−2 ブランクとして、実施例−11の皮革の処理方法に於い
て、処理手順−2(皮革の中和方法)および処理手順−
3(皮革の防水方法)を実施しないで、処理手順−1
(耐・水洗濯方法)と処理手順−5(乾燥)を行った。
試験皮革は実施例−11と同じ豚革を用いた。
【0088】試験結果を第2表に示す。
【0089】比較例−3 ブランクとして、試験皮革を牛革(再鞣製後のウエット
ブルー、1mm厚)を使用したほかは、比較例−2と同
様に処理した。
【0090】試験結果を第2表に示す。
【0091】実施例−18 試験皮革を比較例−3と同じ牛革(再鞣製後のウエット
ブルー、1mm厚)を用いたほかは、実施例−11と同
様に処理した。
【0092】試験結果を第2表に示す。
【0093】実施例−19 試験皮革を牛革(再鞣製後のウエットブルー、3.0m
m厚)を用いた。実施例−11で使用した(メタ)アク
リル系共重合体エマルジョンとミリスチル燐酸エステル
の有効成分添加量の比率も同様にした。皮革の処理方法
は、前記の処理手順−1(耐・水洗濯処理方法)および
処理手順−2(皮革の中和方法)を行った後に、処理手
順−3(皮革の防水処理方法の(メタ)アクリル系共
重合体エマルジョンで皮革を処理し、次いでモノアルキ
ル隣酸エステルで処理する方法)並びに処理手順−5
(乾燥)を行った。
【0094】試験の結果を第2表に示す。
【0095】実施例−20 試験皮革: 豚革(再鞣製後のウエットブルー、0.6
mm厚)を用いた。
【0096】実施例−11と同様に処理し、防汚処理を
行ってから乾燥した。
【0097】処理の順序; 処理手順−1(耐・水洗濯
処理)→処理手順−2(中和処理)→処理手順−3(防
水処理)→処理手順−4(防汚処理)→処理手順−5
(乾燥)を行った。
【0098】試験結果を第3表に示す。
【0099】実施例−21 実施例−11と同様に処理した。ただし処理手順−1
(耐・水洗濯処理)と処理手順−2(中和処理)を行っ
た後に染色を行ってから処理手順−3(防水処理)→処
理手順−4(防汚処理)→処理手順−5(乾燥)を行っ
た。試験結果を第3表に示す。
【0100】染色処理方法: 処理槽に被処理皮革重量
に対して、50℃温水200wt%とタモールNNOL
1wt%およびインバーダムLU 1wt%並びにデ
ルマオリンピンクレッドSG(酸性染色)3wt%、デ
ルマオレンジ2R(酸性染色)2wt%を加えて60分
回転した。その後蟻酸2wt%を添加し30分回転し脱
液した後、流水洗滌を5分間行った。
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】実施例−22 防水剤として、R&H社のルブリタンGX(アクリル系
加脂防水剤)を用いたほかは実施例−11と同様に処理
した。試験結果を第3表に示す。
【0104】防水処理方法: 処理槽に被処理皮革重量
に対し50℃温水を100wt%を注入し、ルブリタン
GX、有効成分10wt%を加えた後に被処理皮革を投
入して60分間回転した。その後、デンソゾリンS 1
wt%、とデルミノール・リッカーDF 5wt%添加
して30分間回転した後、蟻酸(3回に分割注入)2.
5wt%加へて30分間回転してから、カタリックスG
Sを1wt%添加して10分間回転後に脱液し、流水洗
滌を10分間行った。
【0105】実施例−23 防水剤として、R&H社のルブリタンWP(合成タンニ
ン系加脂防水剤)を用いたほかは実施例−11と同様に
処理した。試験結果を第3表に示す。
【0106】防水処理方法: 処理槽に被処理皮革重量
に対し55℃温水200wt%を注入し、ルブリタンW
P、有効成分15%を加へた後に被処理革を投入して1
20分間回転した。その後蟻酸(3回に分割注入)2.
5%を添加し30分間回転した後に脱液し、流水洗滌を
10分間行った。
【0107】実施例−24 防水剤として3M社のFC−233A(弗素系防水剤)
を用いたほかは実施例−11と同様に処理した。試験結
果を第3表に示す。
【0108】防水処理方法: 処理槽に被処理皮革重量
に対し40℃温水100wt%を注入し、蟻酸2wt%
を加え、均一液とした中に被処理革を投入し15分間回
転した.FC−233A 5wt%を添加し30分間回
転した後脱液し、流水洗滌を10分間行った。
【0109】実施例−25 防水剤として、通常革の製造に用いられる加脂剤を3倍
量使用し、定法に従って加脂を行ったほかは、実施例−
11と同様に処理した。試験結果を第3表に示す。
【0110】
【表5】
【0111】
【表6】
【0112】実施例−26 羊のウエットブルーを用いた以外は、実施例−11と同
様の処理を行った皮革の物性測定結果を第4表に示す。
【0113】実施例−27 羊のウエットブルーを用い、実施例−11と同様の手順
で処理を行い防汚処理(処理手順−4)に代えて、クロ
ム酸塩で再鞣した染色革の物性測定結果を第4表に示
す。なお、染色方法と再鞣方法は下記の通り実施した。
【0114】(染色処理方法)処理槽に被処理皮革重量
に対し50℃温水200%を入れ、アンモニア水1.5
%を添加し、被処理皮革を投入した後にリアクタッドR
CR Brown No.21(*−4)3%を添加し
60分撹拌した。
【0115】(*−4)モノアルキル隣酸エステル系反
応性染料(浅井物産製)その後蟻酸2%を添加し、20
分撹拌した。
【0116】その後脱液し流水洗滌20分間行ない、乾
燥した。
【0117】(再鞣方法)クロム酸塩(バイクロムF)
を用い、常法により処理した。
【0118】実施例−28 羊のウエットブルーを用い前記皮革の処理手順−1耐・
水洗濯性処理を実施しないで、そのほかは実施例−27
と同様に処理した皮革の物性測定結果を第4表に示す。
【0119】
【表7】
【0120】実施例−29 市販の黄色に染色した羊の毛皮(ムートン)を用い、ム
ートン重量当り1.5%のクロム鞣剤を添加し、常法に
従って再鞣を行った後、実施例−11と同様に処理し
た。ただし処理槽は回転させず、時々揺り動かした。
【0121】毛皮の物性測定結果を第4表に示す。
【0122】実施例−30 牛のウエットブルーを用い、実施例−11と同様の処理
を行った皮革の物性測定結果を第5表に示す。
【0123】実施例−31 牛のウエットブルーを用い、実施例−27と同様に染色
を行った後、クロム酸塩で再鞣した。さらに処理手順−
3(防水処理)→処理手順−5(乾燥)を行った皮革の
物性測定結果を第5表に示す。
【0124】また、他の布帛に対する染料の汚染性試験
の測定結果を第6表に示す。
【0125】実施例−32 牛のウエットブルーを用い、実施例−31の染料をリア
クタッドRCR、BLacK P−2に変更し、さらに
再鞣処理を実施しなかったほかは、実施例−31と同様
の処理を行った皮革の物性測定結果を第5表に示す。
【0126】また、他の布帛に対する染料の汚染性試験
の測定結果を第6表に示す。
【0127】実施例−33 牛のウエットブルーを用い、前記皮革の処理手順−1耐
・水洗濯性処理を実施しないで、そのほかは実施例−2
8と同様に処理した皮革の物性測定結果を第5表に示
す。
【0128】
【表8】
【0129】
【表9】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】本発明で用いることができる(メタ)アク
リル系共重合体は、好ましくは重量平均重合度が500
〜3000の乳化重合によるエマルジヨン型のものが好
ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正内容】
【0079】
【表2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正内容】
【0102】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大貫 郁巳 千葉県習志野市袖ケ浦1−28−1 C棟 605号 (72)発明者 隅田 啓介 大阪府大阪市浪速区下寺1−3,4−704

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 網様層の皮革線維の濾水度が700ml
    以上であり且つムコイドの含有量が1.0重量%以下の
    皮革を、モノアルキル隣酸エステルを有効成分として含
    有してなる防水処理剤で処理することを特徴とする皮革
    の防水処理法。
  2. 【請求項2】 モノアルキル隣酸エステルおよび(メ
    タ)アクリル系共重合体を含有してなる防水処理剤で処
    理する請求項1に記載の防水処理法。
  3. 【請求項3】 モノアルキル隣酸エステル100重量部
    当り、(メタ)アクリル系共重合体5〜100重量部を
    含有してなる防水処理剤で処理する請求項2に記載の防
    水処理法。
  4. 【請求項4】 モノアルキル隣酸エステルのアルキル基
    の炭素数が8〜22である請求項1〜3の何れかに記載
    の防水処理法。
  5. 【請求項5】 (メタ)アクリル系共重合体が、C4
    22アルキル(メタ)アクリレート:40〜75重量
    %、C1〜C3アルキル(メタ)アクリレート:10〜3
    0重量%、(メタ)アクリル酸:0〜20重量%、官能
    性(メタ)アクリル系モノマー:0〜5重量%および
    (メタ)アクリル系燐酸エステル:2〜20重量%、但
    し上記コモノマーの合計が100重量%となるものとす
    る、の共重合体である請求項2〜4の何れかに記載の防
    水処理法。
  6. 【請求項6】 防水処理剤が平均粒径:0.05〜0.
    5μmのエマルジョンである請求項1〜5の何れかに記
    載の防水処理法。
  7. 【請求項7】 pH:5.0〜7.6に調節した皮革に
    防水処理剤を含浸浸透させた後、有機酸、無機酸および
    /または多価金属塩を添加してpH:4以下に調節し、
    防水処理剤を凝集させる請求項1〜6の何れかに記載の
    防水処理法。
  8. 【請求項8】 網様層の皮革線維の濾水度が700ml
    以上であり、且つムコイドの含有量が1.0重量%以下
    の皮革を(メタ)アクリル系共重合体を含有してなる処
    理剤で処理し、次いでモノアルキル隣酸エステルを有効
    成分として含有してなる防水処理剤で、処理することを
    特徴とする皮革の防水処理法。
  9. 【請求項9】 (メタ)アクリル系共重合体が、C4
    22アルキル(メタ)アクリレート:40〜75重量
    %、C1〜C3アルキル(メタ)アクリレート:10〜3
    0重量%、(メタ)アクリル酸:0〜20重量%、官能
    性(メタ)アクリル系モノマー:0〜5重量%および
    (メタ)アクリル系燐酸エステル:2〜20重量%、但
    し上記コモノマーの合計が100重量%になるものとす
    る、の共重合体である請求項8記載の防水処理法。
  10. 【請求項10】 モノアルキル隣酸エステルのアルキル
    基の炭素数が8〜22である請求項8〜9の何れかに記
    載の防水処理法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009046619A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Nof Corp 皮革表面保護剤
KR102010311B1 (ko) * 2018-07-12 2019-08-13 조남현 방수성 및 투습성이 우수한 천연 누벅가죽의 제조방법
US11473156B2 (en) 2015-12-18 2022-10-18 Rohm And Haas Company Chrome-free leather retanning

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