JP3363601B2 - 抗菌性皮革の製造方法 - Google Patents

抗菌性皮革の製造方法

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JP3363601B2 JP18673694A JP18673694A JP3363601B2 JP 3363601 B2 JP3363601 B2 JP 3363601B2 JP 18673694 A JP18673694 A JP 18673694A JP 18673694 A JP18673694 A JP 18673694A JP 3363601 B2 JP3363601 B2 JP 3363601B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性を有する皮革の
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、皮革の
網様層の皮革線維の濾水度が700ml以上であり、か
つムコイドの含有量が1.0重量%以下である皮革に、
抗菌性を付与させた上、布帛同様に水洗濯が可能で、柔
軟性、寸法安定性があり、皮革の機械的物性が変わらな
い抗菌性皮革の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、皮革を布帛同様に水洗濯を可能と
するため、原皮の石灰漬け時間を延長するとか、酵素処
理をした後、鞣し、染色を行い、さらに牛脚油や硫酸化
油を加脂する方法が試みられたが、得られた皮革は1回
ないし数回の水洗濯で硬化・収縮してしまうとか、皮革
線維間の空隙が少なく一般にサブミクロンから数ミクロ
ンの粒径を有する無機系抗菌剤を十分に皮革内層部に浸
透させ固着させることが至難であった。また、抗菌成分
を皮革表面に塗布しても摩擦によって除去されやすかっ
た。このため、抗菌性を保持しながら、水洗濯を何回も
繰り返すことができなかった。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】従来の皮革は白癬菌
・黄色ブドウ状球菌等の細菌類並びにカビ類の発育を抑
制する効果が無いか又は極めて少なく、抗菌剤を塗布し
ても摩擦や水洗濯で外れやすく、水洗濯を繰り返すと皮
革が硬化・収縮し、しかも色落ちして、抗菌効果が低下
するなどの欠点があるため、用途に制限があった。本発
明は、これらの欠点を解決して、水洗濯を繰り返して
も、白癬菌、黄色ブドウ状球菌等の細菌類並びにカビ類
の発育抑制を長期間にわたって持続させ、かつ皮革の有
する優れた特性(機械的強さ、柔軟性、耐摩擦性、耐屈
曲性、適度の可塑性、難燃性、保温性、吸放湿性等)を
保ち、しかも色落ちせず、布帛同様に家庭用ミシンで縫
製が可能な抗菌性皮革の製造方法を提供するものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者は、従来
の皮革が有する上記欠点を解決するものとして、網様層
の皮革線維の濾水度が700ml以上であり、かつムコ
イドの含有量が1.0重量%以下である皮革(特公平4
−68360号)、及び濾水度が高くかつムコイドの含
有量が少ない皮革を得るための皮革処理剤(特公平5−
282805号)を提案した。この提案による皮革は、
水洗濯を繰り返しても皮革は柔軟で硬化せず、寸法安定
性が優れ、家庭用ミシンでも縫製が可能であり、吸水性
及び濾水性が非常に高く、皮革の有する優れた物性(機
械的強さ、柔軟性、耐摩擦性、耐屈曲性、適度の可塑
性、難燃性、保温性、吸放湿性等)を保ち、布帛同様に
天日に曝して干しても皮革物性に変化を起こすことがな
い耐水洗濯性を有するものであるが、抗菌性は劣ってい
た。また、網様層の皮革線維の濾水度が700ml以上
であり、かつムコイドの含有量が1.0重量%以下であ
る皮革は、皮革線維間の結着物がほとんど存在しないも
のであり、皮革線維間の空隙が大きく、水に濡れると短
時間に容易に吸水するものである。
【0005】本発明は、高濾水性の皮革に抗菌性成分と
して、(A)成分:抗菌性を有する2〜4価金属塩、
(B)成分:抗菌性を有する無機系微粉末及び(C)成
分:有機系防腐剤から選ばれる少なくとも一種を含有さ
せることが極めて有効であり、抗菌性成分を(D)成
分:バインダー樹脂と共に、皮革線維間の結着物がほと
んど存在しない空隙の広くなった高濾水性皮革に含浸さ
せた後に、抗菌性成分をバインダー樹脂で固着させるこ
とによって、水洗濯を繰り返しても脱落せず、抗菌性を
持続させることが可能であることを見い出し、完成され
たものである。〔(注)本明細書の「濾水度」は、JIS-
P-8121-1976 (パルプの濾水度試験方法の2−1カナダ
標準形の試験法によって測定された値をいう。〕
【0006】本発明に使用する皮革はその種類が特に制
限されるものではなく、好ましい具体例として牛革・羊
革・豚革・馬革・カンガルー革及び山羊革などがあり、
これら何れの皮革又は毛皮も使用できる。また本発明に
使用する皮革は、皮革の高濾水性と低ムコイド性を損な
わない限り、如何なる製革工程での皮革であってもよ
く、例えば再鞣製後の工程での皮革又は縫製済みの皮革
にも使用できる。これは、本発明における処理は皮革本
来の物性に何ら悪影響を与えるものではないからであ
る。
【0007】本発明で抗菌性成分として用いる(A)成
分は抗菌性を有する2〜4価金属塩であり、好ましい具
体例として、銅、亜鉛、水銀、カドミニューム、ゲルマ
ニウム、ジルコニウム、錫、鉛、クロム、アルミニウム
などの金属塩があり、具体的な金属塩として塩基性硫酸
銅、硫酸銅、塩化亜鉛、硫酸ジルコニウム、塩化第2
錫、硝酸鉛、硫酸第2クロム、塩基性硫酸クロム、硫酸
アルミニウム、乳酸アルミニウムなどを例示できる。中
でも塩基性硫酸銅、硫酸ジルコニウム、塩基性硫酸クロ
ム、硫酸アルミニウム及び乳酸アルミニウムが好まし
く、これら2種以上の併用も好ましい。これらの好まし
い添加量は、乾燥皮革重量当り2.0〜9.0重量%で
あり、より好ましくは3.0〜7.0重量%である。
【0008】本発明における(B)成分の抗菌性を有す
る無機系微粉末の好ましい具体例としては、銀イオンを
担持続した燐酸ジルコニウム、例えば下記一般式で表さ
れる抗菌剤、 M1 a b 2 c (PO4 d ・nH2 O (M1 は銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、
ニッケル、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマス、バ
リウム、カドミウム又はクロムから選ばれる少なくとも
1種の金属イオンであり、Aはアルカリ金属イオン、ア
ルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンもたは水素
イオンから選ばれる少なくとも1種のイオンであり、M
2 は4価金属であり、nは0≦n≦6を満たす数であ
り、a及びbはいずれも正数であり、c及びdはla+
mb=1の時、c=2、d=3であり、la+mb=2
の時c=1、d=2である。但し、lはM1 の価数であ
り、mはAの価数である。) 銀イオンを担持した燐酸三カルシウム〔燐酸三カルシウ
ムと銀化合物の混合物を1000℃以上の高温で焼成し
たセラミックス:サンギ株式会社製商品名アパサイダ
ー〕、亜鉛、銀、銅などの金属イオンを無機質系の担体
(ゼオライト、多孔質セラミックス、モンモリナイト、
ガラス等)に担持させた無機金属系抗菌剤、銅微粉末、
亜鉛華などを例示できる。中でも銀イオンを担持した燐
酸ジルコニウム、銀イオンを担持した燐酸三カルシウ
ム、銀、銅イオンをゼオライトに担持させた無機金属系
抗菌剤及び銅微粉末等が好ましく、2種以上の併用も好
ましい。また、これらの好ましい粒子径は5μm以下で
あり、より好ましくは2μm以下のものが望ましい。上
記無機系微粉末の好ましい添加量は、処理皮革重量当た
り0.05重量%以上であり、より好ましくは0.05
〜8.0重量%、更に好ましくは0.5〜6.0重量
%、最も好ましくは1.0〜6.0重量%である。
【0009】本発明における(C)成分の有機系防腐剤
としては、カビ類に対して効果が高く、かつ人体に対し
て毒性の少ないものが望ましく、以下の有機系防腐剤を
例示できる。これらの有機系防腐剤も2種以上を併用す
ることも望ましい。好ましい有機系防腐剤としては、下
記の化合物がある。 Di-iodomethyl p-tolylsulphone,Mixedphenolic,Hetero
cyclic compound,p-Chloro-m-cresol,2-4 Dichlorobenz
yl alcohol,2-(Thiocyanomethylthio)benzothiazole:
〔TCMTB〕,2-Hydroxyethyl2,3-dibromopropionate,2-Br
omo-4-hydroxyacetophenone,Methylene bis thiocyanat
e,Sodium orthophenylphenate,Chlorinatedaliphatic a
mino compound,β-napthol+trichlorophenol,2-n Octyl
-4-isothiazolin-3-one,Dichlorophene,Methylene bis
thiocyanate 経口毒性の安全性を考慮すると、有機窒素硫黄化合物で
ある2-(Thiocyanomethylthio)benzothiazole:TCMTBが
最も好ましい。有機系防腐剤は、菌の耐性が生じ、防腐
効果が経時により低下してくる場合があり、そのような
耐性を生じさせ難いDi-iodomethyl p-tolylsulphone又
は、2-n Octyl-4-isothiazolin-3-one(9% in propylen
Glycol) 〔OiTZ〕も好ましい。これら有機系防腐剤の好
ましい添加量は処理皮革重量あたり0.05重量%以上
であり、より好ましくは0.05〜5.0重量%、更に
好ましくは、0.2〜3.0重量%、最も好ましくは
1.0〜3.0重量%である。
【0010】本発明における(D)成分は、水分散性又
は水溶性のバインダー樹脂であり、好ましい性状を有す
る具体例として以下のものがあり、下記2種の混合系で
も良い。 水分散性樹脂エマルジョン 平均粒子径0.05〜0.5 μm、pH値3〜9、固形分25
〜68重量% 水溶性樹脂 pH値4〜11、固形分15〜40重量%、粘度500 〜
25,000cps
【0011】本発明における(D)成分:水溶性又は水
分散性のバインダー樹脂としては、抗菌性処理液(以下
単に処理液と略す)のpHが5以上では、水中で安定な
微細粒子(0.4μm以下)として存在する水分散性で
あるか、又は水溶性であって、皮革線維間の空隙部への
浸透が容易であり、処理液のpHを4以下に低下させた
場合には析出、凝集して(望ましくはフロックを形成し
て)皮革線維間の空隙部に充填され、かつ皮革線維と結
合又は固着するものが望ましい。このようなバインダー
樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
エマルジョン、シリコン・(メタ)アクリル酸エステル
系共重合体エマルジョン(市販品の例:日本純薬株式会
社製商品名ARCグループ)、水溶性又は水分散性変性
シリコーン樹脂(市販品の例:日華化学株式会社製商品
名ニッカシリコーン)、及びウレタン樹脂エマルジョン
(市販品の例:東亞合成株式会社製商品名ネオタンUE
2102、大日本インキ化学株式会社製商品名CR5
L)などを例示できる。好ましい態様においては、(メ
タ)アクリル酸エステル系共重合体エマルジョンを挙げ
ることができる。これらのバインダー樹脂(樹脂分10
0重量%として)は、処理皮革重量当たり好ましくは
1.5〜15.0重量%、より好ましくは2.5〜7.
0重量%の添加が望ましい。
【0012】本発明で用いられる好ましい(D)成分:
バインダー樹脂は以下のモノマーからなる(メタ)アク
リル酸エステル系共重合体である。 (イ)炭素数が4〜22であるアルキル(メタ)アクリ
レート、好ましくは炭素数が12〜18であるアルキル
(メタ)アクリレート40〜75重量%、より好ましく
は45〜70重量%;(ロ)炭素数が1〜3であるアル
キル(メタ)アクリレート10〜30重量%、好ましく
は15〜25重量%;(ハ)(メタ)アクリル酸0〜2
0重量%、好ましくは0〜5重量%、(ニ)官能性(メ
タ)アクリル系モノマー0〜5重量%、好ましくは0〜
3重量%;(ホ)(メタ)アクリル系燐酸エステル2〜
20重量%、好ましくは5〜15重量%(ただし上記
(イ)〜(ホ)のコモノマーの合計が100重量%とな
る)。
【0013】上記(イ)の炭素数が4〜22であるアル
キル(メタ)アクリレートの好ましい具体例としては、
n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ter
t−ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキサノー
ル、n−オクタノール、2エチルヘキシルアルコール、
ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ラウリルア
ルコール、トリデカノール、ミリスチルアルコール、ペ
ンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノー
ル、ステアリルアルコール、ノナデカノール、エイコサ
ノール、ドコサノールのメタクリル酸エステル又はアク
リル酸エステルを挙げることができる。上記(イ)の炭
素数が4〜22であるアルキル(メタ)アクリレートは
2種以上を用いてもよい。
【0014】一方、(ロ)の炭素数が1〜3であるアル
キル(メタ)アクリレートの好ましい具体例としては、
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルア
ルコール、iso−プロピルアルコールの(メタ)アク
リル酸エステルを挙げることができる。(ロ)の炭素数
が1〜3であるアルキル(メタ)アクリレートも2種以
上を用いてもよい。(ハ)はアクリル酸及び/又はメタ
アクリル酸である。また、上記(ニ)の官能性(メタ)
アクリル酸エステル系モノマーは、ヒドロキシ基、グリ
シジル基、アミノ基及び低級アルコキシ基からなる群か
ら選ばれる反応性基を分子中に有する(メタ)アクリル
酸エステル系モノマーをいう。このような官能性(メ
タ)アクリル酸エステル系モノマーの好ましい具体例と
しては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリル
アミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
等を例示できる。
【0015】また、上記(ホ)の(メタ)アクリル系燐
酸エステルの好ましい具体例としては、モノ(2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、ジ(2
−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、
ジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホ
スフェート、2−(メタ)アクリロイルポリオキシエチ
ルホスフェート等を例示できる。
【0016】本発明で用いることができる(メタ)アク
リル酸エステル系共重合体は、ガラス転移温度が10度
℃以下のものが好ましい。
【0017】上記(D)成分:バインダー樹脂の組成の
内(イ)の炭素数が4〜22であるアルキル(メタ)ア
クリレートが40重量%未満と少な過ぎては、皮革の柔
軟性が少なくなり、好ましくない。また(ロ)の炭素数
が1〜3であるアルキル(メタ)アクリレートが10重
量%未満と少な過ぎては、皮革のベタ付きを抑え切れな
いので好ましくなく、30重量%を超えて多過ぎても皮
革が硬くなるので好ましくない。一方(ハ)の(メタ)
アクリル酸が20重量%を超えて多過ぎては、共重合体
エマルジョンがゲル化しやすくなるので好ましくない。
(ニ)の官能性(メタ)アクリルモノマーが5重量%を
超えて多くては、皮革が硬くなり好ましくない。さらに
(ホ)の(メタ)アクリル系燐酸エステルが2重量%未
満と少な過ぎては、皮革との結合が劣る。また20重量
%を超えて多過ぎても格別の効果がない。
【0018】上記(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体は、バインダー樹脂として、抗菌性成分と共に皮革内
層に浸透した後に、pHを変化させることによって析出
又は凝集し、抗菌性成分を皮革内層に固着させる働きを
有する。
【0019】また、(D)成分の他の好ましい例とし
て、以下の水分散性エマルジョン又は水溶性樹脂があ
る。このバインダー樹脂の好ましい組成及び具体例は、
次の通りである。 1.カルボキシル基含有ビニルモノマー5〜20wt% (例)(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、
フマール酸、クロトン酸等。 2.カルボキシル基含有ビニルモノマーと共重合体可能
なビニール系モノマー50〜70wt% (例)下記一般式で表される化合物及び酢酸ビニル、ス
チレン、アクリロニトリル、ブタジエン系ラバー等。 CH2 =CR1 −COOR21 :H又はCH32 :炭素数1〜22のアルキル基であり、直鎖状又は
分枝状のいずれでもよい。 3.モノアルキル燐酸エステルを含有するビニール系モ
ノマー5〜30wt% (例)モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)
ホスフェート等。 4.アルカノールアミン類0.0〜20wt% 共重合体中のカルボキシル基を中和して、バインダーを
水溶化できるようにするために添加である。 (例)2−アミノ−2メチル−1,3プロパンジオール
アミノプロパノール、ジエタノールアミン、ジメチルエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、トリスヒドロ
キシメチルアミノメタン、トリイソプロパノールアミ
ン、ジメチルアミンポリオキシエチレン、ジメチルアミ
ンポリオキシプロピレン、アンモニア等。 5.架橋剤 カルボキシル基と反応して、上記1〜3のモノマーの共
重合体を架橋する成分であり、好ましい化合物として、
アジリジン系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネー
ト系化合物、脂肪族ポリアミン系化合物、脂環族アミン
系化合物、芳香族アミン系化合物、ポリアミドアミン化
合物等がある。 1)アジリジン系化合物
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】2)エポキシ系化合物としては、例えば、
ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエ
ンジオキシド及び下記化学式で表される化合物が挙げら
れ第3級アミンや第4級アンモニウム塩等の触媒を併用
することができる。 (例)
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】3)脂肪族ポリアミン系化合物 (例)ジエチレントリアミン、ジエチレントリアミン変
性物、ジプロピレントリアミン、トリエチレントリアミ
ン、テトラエチレンペンタミン、ジメチルアミノプロピ
ルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルア
ミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン(変性
品)、N−アミノエチルピペラジン、ビス−アミノプロ
ピルピペラジン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、
ビス−(ヘキサメチレン)トリアミン及びその誘導体、
ジシアンジアミド、ジアセトンアクリルアミド、エチレ
ンジアミン付加物、ポリオキシプロピレンジアミン、そ
の他の脂肪族ポリアミン、変性脂肪族ポリアミン等。
【0036】4)脂環族アミン系化合物 (例)3,3’−ジメチル4,4’−ジアミノジシクロ
ヘキシルメタン、3−アミノ−1−シクロヘキシルアミ
ノプロパン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタ
ン、イソホロンジアミン、1,3−ビス(アミノメチ
ル)シクロヘキサン、N−ジメチルシクロヘキシルアミ
ン、その他の脂環族ポリアミン、変成脂肪環族ポリアミ
ン、複素環式変成アミン等。
【0037】5)芳香族アミン系化合物 (例)4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルス
ルホン、m−フェニレンジアミン、2,4−トルイレン
ジアミン、m−トルイレンジアミン、O−トルイレンジ
アミン、メタキシリレンジアミン、キシリレンジアミン
等の芳香族ポリアミン、変性芳香族ポリアミン等。
【0038】6)ポリアミドアミン系化合物 (例)変性ポリアミドアミン、ポリアミド樹脂、アミノ
ポリアミド樹脂等を例示できる。
【0039】7)上記以外に3級アミン類、イミダゾー
ル類、酸無水物、金属キレート等が使用可能である。
【0040】なお、架橋剤成分の添加量は0.01〜1
0wt%である。添加量が0.01wt%未満と少な過
ぎては、皮革の耐ドライクリーニング性が低下する。ま
た10wt%を超え多くすると、溶液中で架橋しゲル化
して、液の安定性が低下するので好ましくない。望まし
くは、0.1〜5.0wt%である。
【0041】抗菌成分として、(A)成分:抗菌性を有
する2〜4価金属塩、(B)成分:抗菌性を有する無機
系微粉末及び(C)成分:有機系防腐剤から選ばれる少
なくとも一種と、バインダー樹脂として(D)成分:水
溶性又は水分散性エマルジョン樹脂からなる抗菌性処理
液に加え、皮革への浸透性助剤として、ノニオン系界面
活性剤、及び/又は、アニオン系界面活性剤を使用する
ことも好ましい。ノニオン系界面活性剤としては、エチ
レンオキサイドの付加モル数が5〜12であるポリオキ
シエチレンノニルフェニールエーテルが好ましく、アニ
オン系界面活性剤としては、サクシネート系界面活性剤
が好ましい。また、ノニオン系界面活性剤とアニオン系
界面活性剤との併用も好ましい。これらの好ましい添加
量は、処理皮革重量あたり0.01〜10重量%であ
り、より好ましくは0.2〜5.0重量%である。0.
01重量%未満では、皮革内層部への浸透性が劣り好ま
しくなく、10重量%より多くても格別の効果がない。
【0042】<皮革の抗菌処理方法>通常は、皮革の再
鞣後の中和・染色工程で耐水洗濯性付与処理後に皮革の
抗菌処理がなされる。好ましい耐水洗濯処理方法につい
ては、特公平5−28280号公報に記載されており、
以下の成分からなる耐水洗濯処理剤を用いることが好ま
しい。
【0043】(A)3〜6官能性ポリアルキレンオキシ
ド・ポリオール、(B)2〜4価金属塩、(C)アミノ
基、ハロゲン、スルホン基及び/もしくはヒドロキシ基
で置換された芳香族化合物又は3〜6官能性ポリアルキ
レンオキシド・ポリオールで末端処理された芳香族イソ
シアネート並びに(D)界面活性剤。〔但し、成分
(A)、(B)、(C)及び(D)の合計を100重量
%とした場合、該合計当り (A)3〜6官能性ポリアルキレンオキシド・ポリオー
ル55〜97.5 重量%、(B)2〜4価金属塩0.1〜
8.0重量%、(C)アミノ基、ハロゲン、スルホン
基、及び/もしくはヒドロキシ基で置換された芳香族化
合物又は3〜6官能性ポリアルキレンオキシド・ポリオ
ールで末端処理された芳香族イソシアネート0.000
5〜3.0重量%及び(D)界面活性剤0.3〜35重
量%を含有してなる。〕
【0044】耐水洗濯処理剤の好ましい添加量は被処理
皮革重量に対して1.0〜10重量%であり、より好ま
しくは2〜5重量%である。
【0045】抗菌性成分の内、(A)成分の抗菌性を有
する2〜4価金属塩並に(B)成分の抗菌性を有する無
機系微粉末は白癬菌及び黄色ブドウ状球菌等の細菌類に
特に優れた抗菌性を示す。(C)成分の有機系防腐剤
は、カビ類に対し優れた抗菌性を示す。本発明に使用す
る抗菌性成分の内、(B)成分の抗菌性を有する無機系
微粉末又は(C)成分の有機系防腐剤のいずれかだけを
単独に添加した場合、(B)成分の抗菌性を有する無機
微粉末だけの場合には、1.0重量%以上の添加が望ま
しい。また(C)成分の有機系防腐剤だけの場合には
1.0重量%以上の添加が望ましい。しかし(B)成分
の抗菌性を有する無機系微粉末と(C)成分の有機系防
腐剤の両方を〔(B)成分/(C)成分〕の重量比が1
/6〜6の範囲で添加する場合には、合計して0.7重
量%以上の添加で望ましい抗菌効果を示す。
【0046】一般に、皮革の抗菌処理に際しては、処理
槽に被処理皮革重量に対して、好ましくは0.5〜3.
0倍重量、より好ましくは、0.8〜2.0倍重量とな
る量の水を注入して置く。次に、(B)成分の、抗菌性
を有する無機系微粉末及び/又は(C)成分の有機系防
腐剤並びに(D)成分のバインダー樹脂と必要に応じて
界面活性剤と水を加え、十分攪拌して可能な範囲で均一
系とした処理液を処理槽に添加し、攪拌する。その後
に、好ましくは、処理液のpHが5.5〜7.5になる
ようアンモニア水又は重炭酸ナトリウムなどのアルカリ
を添加し攪拌する。この液中に染色及び耐水洗濯処理済
みの被処理皮革を投入し、通常60〜90分間回転攪拌
して、抗菌成分と共に(C)成分を皮革網様層内に浸透
させる。その後、抗菌性を有するか又は有しない2〜4
価金属塩水溶液及び蟻酸等の有機酸又は無機酸を少量添
加して、処理液のpHを好ましくは4以下に低下させて
約30分間攪拌し、(D)成分のバインダー樹脂と共に
(B)成分及び/又は(C)成分を析出又は凝集させ、
これらの成分を皮革内層部に固着させた後、脱液後、流
水洗浄を約30分間実施して、皮革を取り出す。2〜4
価金属塩水溶液の好ましい添加量は、処理の対象となる
皮革100重量%当り、2〜4価金属塩が2〜9重量%
となる割合である。最後に、所望により常法に従い、加
脂、吊り干し乾燥及び空打ちを行う。
【0047】なお、製革工程を簡略化するため中和・染
色時に抗菌処理剤を同時に添加する場合があるが、抗菌
性成分が変質するか、又は、皮革の染色がきれいに仕上
がらずに変色する等の不具合いを生ずる場合には、耐水
洗濯処理剤で皮革を処理した後に、中和・染色を行って
から、前記の抗菌処理方法をとることが好ましい。ま
た、網様層の皮革線維の濾水度が700ml以上であ
り、かつムコイドの含有量が1.0重量%以下とした染
色済みの皮革縫製品に対して抗菌処理を行う場合でも、
前記の抗菌処理方法に準じて実施することができる。た
だし、60〜90分間の回転攪拌を行うと縫目がほつれ
たり、型くずれが生じる恐れのある場合には、処理液中
に界面活性剤及び分散剤を添加した上、浸漬時間を数時
間に延長し、5分間程度ゆっくり攪拌した後、約25分
間休止することを繰り返すことにより抗菌性成分を浸透
含浸させることが好ましい。また追加して、防水性を付
与するには、抗菌処理後の皮革に対してクロム系鞣剤に
よる再鞣製を行ってから炭素数が12〜18であるアル
キル基を有するモノアルキル燐酸エステルで含浸処理す
ることが好ましく、この処理により、水洗濯を繰り返し
ても、耐水洗濯性と抗菌性を有し、防水性も持続する皮
革とすることができる。本発明による皮革の製造法の詳
細を以下の実施例によって更に具体的に説明する。
【0048】
【実施例】なお、下記の実施例又は比較例で作製した皮
革に関する各種の評価を、以下の方法により実施し、皮
革の耐水洗濯処理に際して下記の(a)に記載した処理
剤を使用し、バインダー樹脂として(メタ)アクリル酸
エステル系共重合体エマルジョンを使用した場合は、下
記の(b)に記載したエマルジョンを用いた。
【0049】<皮革の物性試験方法> 1.厚さ、引っ張り強さ、伸長率;JISK−6550
に準拠した。 2.洗濯時の色落ち性;目視による。 3.耐水洗濯性;JISL−1042C、JISL−0
217に準拠して、水洗濯後に皮革が硬化したり、寸法
変化(面積)が20%以上生じるまでの洗濯回数で示し
た。 4.染色堅ろう度(ウェットクリーニング法);JIS
K6552に準拠。 5.抗菌性試験: (1)白癬菌;Trichophyton Mentagrophytes(IFO-620
2) 評価法: 抗菌性を発育阻止の幅(mm)で判定するJI
SL1902準拠したハローテスト法 (2)黄色ブドウ状球菌;Staphylococcus aurens ATC
C6538P(IFO-12732) 評価法: 皮革を1g秤取り、1〜2cm程度の正方形に
細かく切ったものを試験品とした。三角フラスコ中の燐
酸緩衝液15m1に試験品を入れ、さらに黄色ブドウ球
菌を約105 個/1mlとなるように菌液を添加した。
27℃で1時間振とうした後に試験液を1ml取り、標
準寒天培地による混釈平板培養法(36℃、1日間)に
より生菌数を測定した。 (3)かび抵抗性;JISZ2911、6.2、2(湿
式法)に準拠した。試験開始一週間後に下記1〜3のレ
ベルに基づいて判定した。 (注)試料は前処理せずにそのまま試験に供した。 判定−1:試料表面に菌系の発育が1/3を超えて認め
られるもの。 判定−2:試料表面に菌系の発育が1/3以内で認めら
れるもの。 判定−3:試料表面に発育が認められないもの。 カビ類;Aspergillus niger(FERM S-1) Penicillium citrinum(FERM S-5) Myrothecium,Verrucaria(FERM S-13) Chaetomium Globosum(FERM S-11) 6.吸水性:皮革の銀面よび肉面側に、注射器で0.3
cc滴下し、20℃×RH85%に放置して、水滴が皮
革内部に浸透するか、又は蒸散するでの時間で表した。
【0050】<皮革処理剤の調製> (a)皮革の耐水洗濯処理剤 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリオール
(三洋化成工業株式会社製商品名サンニックスFA)4
60gr及びポリオキシプロピレントリオール(三井東
圧化学株式会社製商品名MN)260grと含窒素ポリ
オール(三洋化成工業株式会社製商品名CA)60gr
の混合物780grにジフェニルメタンジイソシアネー
ト(MDI)20grを添加・攪拌した後、硫酸アルミ
ニウム8%水溶液200grを添加・攪拌した。その後
に界面活性剤(三洋化成工業株式会社製ポリオキシエチ
レンノニルフェニールエーテルHLB13.8)40g
rを添加混合し均一液とした。 (b)バインダー樹脂;アクリル酸エステル系共重合体
エマルジョン 以下の各種モノマー混合物を、アニオン性界面活性剤
(花王株式会社製商品名レベノールWX)の存在下、過
硫酸アンモニウムを触媒として用いて、窒素雰囲気中、
80℃で5時間重合し、Tgが−25℃のエマルジョン
を得た。 組成 モノマーの種類 配合量(重量%) ラウリルアクリレート 45 2−メトキシエチルアクリレート 3 エチルアクリレート 30 アクリル酸 4 2−アクリロイルポリオキシエチルホスフェート18 固形物 40重量% pH 4.8 粒子径(平均) 0.1μm 外観 乳白色エマルジョン
【0051】
【実施例1】 <皮革の処理方法>豚革(再鞣製後のウエットブルー厚
さ0.6mmを使用)を被処理皮革とし、重量を測定
し、薬剤等の添加量の基準値とした。 <耐水洗濯処理> 被処理皮革重量に対して40℃温水2倍重量を処理槽
(タテ型回転ドラムタイプ)に注入した。次に前記
(a)の耐水洗濯処理剤4重量%を添加今後した中に被
処理皮革を投入し、15分間回転し45分間休止する方
法で4回繰返して耐水洗濯処理を行った。その後にアン
モニア水1.5重量%をくわえて処理液のpHを6.9
として30分間回転して中和処理を行った。 <抗菌処理> 次に(B)成分の銀イオンを担持した燐酸三カルシウム
セラミックス(サンギ株式会社製商品名アパサイダー)
0.02重量%、(C)成分の有機硫黄化合物〔2−
(Thiocyanomethylthio)benz
othiazole:TCMTB〕0.5重量%、
(D)成分の水分散性変性シリコーン樹脂〔日華化学株
式会社製商品名ニッカシリコーン(固型分30重量
%)〕9.0重量%とノニオン系界面活性剤(ポリオキ
シエチレンノニルフェニールエーテルHLB13.8)
を1.0重量%を混合した水分散液を処理槽に添加して
60分間回転した。次いで(A)成分の硫酸アルミニウ
ム10重量%水溶液を30重量%と、蟻酸微量を加え
て、処理液のpHを4以下とし30分間回転して脱液
し、流水洗浄を30分間実施した。皮革を取り出し常法
にしたがって馬掛け、吊り干し乾燥、空打ちを行って試
験に用いた。この皮革の試験結果を表1に示す。
【0052】
【比較例1】実施例1と同種の豚革を用い、耐水洗濯処
理ならびに抗菌処理をしないこと以外は、実施例1と同
様に常法に従って馬掛け、吊り干し乾燥、空打ちを行っ
て試験用皮革を得た。この皮革の試験結果を表1に示
す。
【0053】
【実施例2】 実施例1と同様に豚革を用い、耐水洗濯処理を行っ
て、脱液した。 次に、処理槽に50℃温水を被処理皮革重量の2倍重
量を注入し、さらにアンモニア水1.5重量%を添加し
攪拌した。この中にの耐水洗濯処理を施した皮革を投
入し30分間回転した。次にモノ燐酸アルキルエステル
系染料(浅井物産:リアクタッドRCRブラウンNo.
21)を3重量%添加し60分間回転して染色した。
(液のpH6.5) 次に銀イオンを担持した燐酸三カルシウムセラミック
ス(サンギ株式会社製商品名アパサイダー)0.5重量
%と有機系硫黄化合物(TCMTB)1.7重量%及び
前記(b)のバインダー樹脂:アクリル酸エステル系共
重合体エマルジョン(固形分40重量%)15.0重量
%及びノニオン系界面活性剤0.2重量%を混合した水
分散液を添加し60分間回転した。次に硫酸アルミニウ
ム10重量%水溶液50重量%と蟻酸少量を添加し、液
のpH4以下として30分間回転した。その後、脱液
し、流水洗浄を30分間行い、皮革を取り出し、常法に
従って加脂を行い、馬掛け、吊り干し乾燥、空打ちを行
って試験に用いた。この皮革の試験結果を表1に示す。
【0054】
【実施例3】牛革(再鞣製後のウエットブルー厚さ2.
0mm)を被処理皮革とし、重量を測定して薬剤添加量
の基準値とした。実施例2と同様に耐水洗濯処理及び
染色処理、抗菌処理を実施した。次に、皮革のクロ
ム鞣剤(けん化度33%)2重量%を添加し、常法にし
たがって再再鞣製した。その後、処理槽に被処理皮革重
量に対し50℃温水を2倍重量とアンモニア水1.5重
量を添加し均一液とした中に、前記の再再鞣製革を投入
し30分間回転した。50±2℃を保ちながら20分間
回転した後、防水剤(浅井物産株式会社モノアルキル燐
酸エステル:リアクトール#1014−40)14重量
%加えて、60分間回転した。次いで蟻酸1重量%強加
え、浴のpHを4以下としてから30分間回転し、脱液
後、流水洗浄を10分間行って、皮革を取り出し常法に
従い、乾燥、空打ちを行って試験に用いた。この皮革の
試験結果を表1に示す。
【0055】
【実施例4】羊革(再鞣製後のウエットブルー厚さ0.
8mm)の重量を測定し、薬剤添加量の基準値とした。 皮革の耐水洗濯処理 実施例1の皮革の耐水洗濯性処理を同様に実施した後
に皮革を取り出し、常法に従って乾燥した。この皮革の
濾水度を測定し760mlであった。また水洗濯を5回
繰返した後も、吸水性試験で数秒から1分以内と吸水性
が高いことを確認した。 皮革の染色処理 の耐水洗濯処理皮革を、処理槽に50℃温水2倍重量
とアンモニア水1.0%を添加し攪拌した後に投入し、
15分間回転した。次に染料(浅井物産;リアリタッド
RCRブラウンNo.21)を3.0重量%添加して、
60分間回転した。さらに蟻酸1.5%重量%を添加
し、20分間攪拌し、浴のpHが4以下であることを確
認した後に脱液し、流水洗浄を15分間行い、皮革を取
り出し常法に従い乾燥した。この皮革の濾水度を測定
し、760mlであった。また乾燥した皮革は吸水性試
験で1分以下と吸水性が高いことを確認した。 皮革の抗菌処理 処理槽に30℃の温水を被処理皮革重量に対し、2倍量
(重量)とアンモニア水1.5重量%を加えた後、の
染色皮革を投入し、30分間回転した後、液のpH5.
8であった銀イオンを担持した燐酸ジルコニウムセラミ
ックス粉末(平均粒径0.5μm)(東亞合成株式会社
製商品名ノバロン)0.5重量%、有機硫黄化合物(T
CMTB)2.5重量%、バインダー樹脂:アクリル酸
エステル系共重合体エマルジョン(固形分40%)1
7.0重量%、ノニオン系界面活性剤0.2重量%を混
合した水分散液を添加し、60分間回転した。次に、硫
酸アルミニウム10重量%水溶液50重量%と蟻酸少量
を添加し液のpHを4以下とし30分間回転した。その
後、脱液し、流水洗浄を30分間行い、抗菌処理を行っ
た。皮革を取り出し、馬掛け、吊り干し乾燥、空打ちを
行って試験に用いた。この皮革の試験結果を表1に示
す。
【0056】
【比較例2】実施例4の皮革の耐水洗濯性処理並びに
染色処理までを行うに止め、抗菌処理を施さないで皮
革を取り出し、常法に従って馬掛け、吊り干し乾燥、空
打ちを行って試験に用いた。この皮革の試験結果を表1
に示す。
【0057】
【実施例5】実施例1に用いたのと同種の豚革を使用
し、実施例1の皮革の処理方法で(A)成分の硫酸アル
ミニウム10重量%水溶液30重量%を増量して50重
量%添加、(B)成分の銀イオンを担持した燐酸三カル
シウムセラミクックス(サンギ株式会社製商品名アパサ
イダー)に代えて、銀イオンを担持した燐酸ジルコニウ
ムセラミックス(東亞合成株式会社製商品名バロン)
1.0重量%、(C)成分のTCMTBは添加せずに
(D)成分の水分散性変性シリコーン樹脂に変えて、前
記(b)のバインダー樹脂:アクリル酸エステル系共重
合体エマルジョン(固型分40重量%)10.0重量%
を添加した以外は実施例1と同様に処理した。この皮革
の試験結果を表1に示す。
【0058】
【実施例6】実施例1に用いたのと同種の豚革を使用
し、実施例1の皮革の処理方法で(A)成分の硫酸アル
ミニウム10重量%水溶液30重量%を増量し50重量
%添加、(B)成分の銀イオンを担持した燐酸三カルシ
ウムセラミックス(サンギ株式会社製商品名アパサイダ
ー)を添加しないで、(C)成分のTCMTB0.5重
量%を増量して、1.0重量%添加した以外は実施例1
と同様に処理した。
【0059】
【実施例7】実施例1に用いたのと同種の豚革を使用
し、実施例1の皮革の処理方法で(A)成分の硫酸アル
ミニウムに代えて硫酸ジルコニウム5.0重量%、
(B)成分の銀イオンを担持した燐酸三カルシウムセラ
ミックス(サンギ株式会社製商品名アパサイダー)に代
えて、銀イオンを担持した燐酸ジルコニウム、セラミッ
クス(東亞合成株式会社製商品名ノバロン)を0.05
重量%、(C)成分のTCMTBに代えてOiTZ(2
−n Occtyl−4−isothiazolin−
3−one,Dichlorophene)0.65重
量%、(D)成分の変性シリコン樹脂に代えてウレタン
樹脂(東亞合成株式会社製商品名ネオタンUE−210
2固型分40重量%)10.0重量%を添加した以外
は、実施例1と同様に処理した。この皮革の試験結果を
表1に示す。
【0060】
【実施例8】実施例1に用いたのと同種の豚革を使用
し、実施例1の皮革の処理方法で(A)成分の硫酸アル
ミニウムに代えて塩基性硫酸クロム4.0重量%、
(B)成分の銀イオンを担持した燐酸三カルシウムセラ
ミックス(サンギ株式会社製商品名アパサイダー)に代
えて、銀イオンを担持させたゼオライト(品川燃料株式
会社:ゼオライト銀)3.0重量%、(C)成分のTC
MTBに代えてOiTZ1.0重量%、(D)成分の変
性シリコン樹脂に代えてシリコンアクリル樹脂(日本純
薬株式会社製商品名ARJ−1A固形分40重量%)1
0.0重量%を添加した以外は実施例1と同様に処理し
た。この皮革の試験結果を表1に示す。
【0061】
【実施例9】実施例1に用いたのと同種の豚革を使用
し、実施例1の皮革の処理方法で(A)成分の硫酸アル
ミニウムに代えて塩基性硫酸銅2.0重量%、(B)成
分の銀イオンを担持した燐酸三カルシウムセラミックス
(サンギ株式会社製商品名アパサイダー)に代えて銅微
粉末(粒子径1〜3μm)6.0重量%、(C)成分の
TCMTBに代えてOiTZ0.2重量%、(D)成分
の変性シリコン樹脂に代えてアクリル酸エステル系樹脂
(実施例2と同じ)4.0重量%を添加した以外は、実
施例1と同様に処理した。この皮革の試験結果を表1に
示す。
【0062】
【実施例10】実施例1に用いたのと同種の豚革を使用
し、実施例1の皮革の処理方法で(A)成分の硫酸アル
ミニウムに代えて塩基性硫酸クロム7.0重量%、
(B)成分の銀イオンを担持させた燐酸三カルシウムセ
ラミックス(サンギ株式会社製商品名アパサイダー)に
代えて銅微粉末3.0重量%と亜鉛華3.0重量%、
(C)成分のTCMTBに代えてOiTZ0.2重量
%、(D)成分の変性シリコン樹脂に代えてアクリル酸
エステル系樹脂(実施例2と同じ)4.0重量%を添加
した以外は実施例1と同様に処理した。この皮革の試験
結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】本発明により得られる抗菌性皮革は、耐
水洗濯性をも有しており、抗菌性が長期間にわたり持続
するといった長所を有するものである。従って、本発明
により得られる皮革は、抗菌性を損なうことなく、水道
水などに洗剤を加えての洗濯が何度も繰返し可能であっ
て、直射日光に曝し、乾燥しても柔軟で寸法安定性が優
れ、機械的強さ、柔軟性、耐摩擦性、耐屈曲性、適度の
可塑性、難燃性、保温性、吸放湿性等の皮革物性も変化
しないものである。さらに防水処理を施した皮革は、防
水性も十分保つことができる。上記のような長所を有す
ることによって本発明により得られる皮革は、白癬菌・
黄色ブドウ状球菌等の細菌類又はカビ類の繁殖で問題に
なっている履物、特に靴、スリッパ・サンダルなどに好
適に利用できるだけでなく、衣料・毛皮製品・帽子・手
袋・ソックスカバー・鞄・袋物などの皮革製品にも広い
用途を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 秋雄 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎3番63号 日本純薬株式会社鶴見工場内 (72)発明者 杉浦 晃治 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成株式会社 名古屋総合研究所内 (72)発明者 加藤 秀樹 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成株式会社 名古屋総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−59700(JP,A) 特開 平5−171572(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C14C 9/00 - 13/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】皮革網様層の皮革線維の濾水度が700m
    l以上であり、かつムコイドの含有量が1.0重量%以
    下の皮革100重量%に対し、(B)成分:抗菌性を有
    する無機系微粉末及び/又は(C)成分:有機系防腐剤
    と(D)成分:水溶性又は水分散性のバインダー樹脂及
    び水を含有してなる抗菌性処理液を含浸させた後、
    (A)成分:抗菌性を有するか又は有しない2〜4価金
    属塩を添加した後、抗菌性処理液のpHを低下させてバ
    インダー樹脂を析出又は凝集させ上記(B)成分及び/
    又は(C)成分、或いはこれらの成分と抗菌性を有する
    2〜4価金属塩からなる抗菌性成分を皮革に固着させる
    ことを特徴とする抗菌性皮革の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項記載の(D)成分が以下の単量体
    からなる(メタ)アクリル酸性エステル系共重合体エマ
    ルジョンであることを特徴とする抗菌性皮革の製造方
    法。炭素数が4〜22であるアルキル(メタ)アクリレ
    ート40〜75重量%、炭素数が1〜3であるアルキル
    (メタ)アクリレート10〜30重量%、(メタ)アク
    リル酸0〜20重量%、官能性(メタ)アクリル系モノ
    マー0〜5重量%、及び(メタ)アクリル系燐酸エステ
    ル2〜20重量%(ただし上記コモノマーの合計が10
    0重量%になるものとする)。
  3. 【請求項3】請求項記載の抗菌性処理液がノニオン系
    界面活性剤及び/又はアニオン系界面活性剤を含有する
    ことを特徴とする抗菌性皮革の製造方法。
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