JP2568329B2 - 皮革および毛皮処理剤組成物 - Google Patents

皮革および毛皮処理剤組成物

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JP2568329B2 JP3203967A JP20396791A JP2568329B2 JP 2568329 B2 JP2568329 B2 JP 2568329B2 JP 3203967 A JP3203967 A JP 3203967A JP 20396791 A JP20396791 A JP 20396791A JP 2568329 B2 JP2568329 B2 JP 2568329B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、皮革および毛皮並びにこれを用
いた皮革および毛皮の処理方法に関する。本発明の皮革
および毛皮処理剤(以下「本処理剤」という)を用いて
処理した皮革および毛皮は水による洗濯が可能で、洗濯
しても柔軟性を保ち、寸法安定性に優れ、しかも皮革繊
維の吸水度が高められる特徴を有する。
【0002】その上皮革の引裂強度、引っ張り強度が向
上し風合いも増すほか、家庭用ミシンでも縫製が容易に
なったなど優れた特徴を有するものである。
【0003】
【従来の技術】従来の皮革および毛皮は、羊毛、獣毛及
びセルローズ系天然繊維で作られた織物、編物、不織布
などと同様に水洗いすると硬化、収縮し、洗濯は困難と
されてきた。一部の合成繊維も同様である。
【0004】水洗いを可能にするためには、原皮の段階
で再石灰漬けや、酵解処理等を十分に行った後、鞣しを
行い、硫酸化油などを加脂する方法が試みられている
が、1回または数回の水洗いで硬化や収縮するという欠
点を解決することはできなかった。
【0005】従来、皮革や毛皮の洗濯としては、やむを
得ない場合などドライクリーニングやパウダー法が行わ
れてきたが、水溶性汚染物の除去が難しかった。
【0006】※皮革技術Vol23、No.2 P.20〜
27、1982 東京ホールセール(株)皮製品、毛革製品のクリーニン
グガイドブック:平成2年2月
【0007】
【本発明の解決しようとする問題点】
[1]本発明は、従来の製法による皮革や毛皮が硬くな
ったり縮んだり、色落ちしてしまい皮革の用途に大きな
制限があったなどの問題点を解決しようというもので、
それによって家庭でも容易に水洗いができる皮革や毛皮
およびその処理剤を提供するものである。
【0008】[2]本処理剤で処理した皮革や毛皮は、
皮革の特に網様層繊維の吸水(湿)性が飛躍的に増大、
向上するので、床皮、青床層、裁断、トリミング屑、漉
床シエービング屑、打ち抜き屑などの仕掛け品、半製品
および製品の屑類の有効利用も併せて可能にするもので
ある。
【0009】プ状にする。これを抄造法や不織布同様の
製法で紙状あるいはマット状製品とし、皮革紙あるい
は吸音材、壁装、襖材、繊維布帛などに応用することも
可能である。従来、皮革粉を紙の原料として利用する試
みが、なされて来たが、繊維状皮革粉は、水中への分散
が悪くて湿式抄造法による製紙が困難であり、パルプ等
に10%位の皮革粉を混入できる程度であつた。本発明
の処理剤で処理した皮革粉は、水中分散性や抄紙時の濾
水度が優れている。このため以前は製造が難かしかつた
抄紙原料中に皮革粉の比率がパルプ当り100%と高い
紙を抄紙することが可能になつた。また、本発明の処理
剤は、着色料、香料、撥水剤、殺菌剤、金属粉等の水溶
性および/または非水溶性粉末等のバインダーとしても
有効に働くので、銅粉等を皮革の表面並びに網様層繊維
に浸入付着させることにより白癬菌等の繁殖を阻害する
抗菌性皮革とすることができるようになつた。
【0010】
【問題点を解決するための手段】本発明ではa)成分の
水溶性およびまたは水分散性ポリウレタン、b)成分の
2〜4価金属塩、好ましくは3〜4価、最も好ましくは
3価の金属塩、c)成分の界面活性剤、d)成分の補助成
分を含有してなる本処理剤が提供される。
【0011】本発明の処理剤は好適には、a)、
b)、c)、d)成分の合計を100重量%とした場
合、該合計当たり a)成分;水溶性およびまたは水分散性ポリウレタンを
5〜100重量%、好ましくは、20〜100重量%、
最も好ましくは30〜97重量%、特に70〜97重量
%、 b)成分;2〜4価金属塩、0.0〜20.0重量%、
好ましくは0.3〜15重量%、最も好ましくは0.5
〜10重量%、特に1〜5重量%、 c)成分;界面活性剤(ノニオン系、アニオン系、両性
型)0.0〜40重量%、好ましくは、0.3〜30重
量%、最も好ましくは0.5〜25重量%、特に2〜1
5重量%、 d)成分;補助成分(分散剤、架橋剤など)0.0〜4
0重量%、好ましくは0.0〜20重量%、最も好まし
くは0.3〜15重量%、特に2〜15重量%、を含有
してなる処理剤である。本発明の好ましい更なる態様で
は、本発明の処理剤あたり0.03〜15重量%、好ま
しくは0.1〜5重量%の銅粉を更に含有してなる皮革
および毛皮の処理剤組成物が提供される。
【0012】上記のa)成分が5重量%未満と少な過ぎ
ては、皮革や毛皮の物性や、ソフト感が低下するので好
ましくない。またb)成分の2〜4価金属塩が20重量
%を超えて多過ぎると、本処理剤中への分散性が劣り、
沈降物が生じるので好ましくなく、0.1%未満と少な
い場合には、皮革繊維への付着性が低下してくる。c)
成分の界面活性剤が40重量%を超えて多くても格別の
効果がない。また0.1%未満と少な過ぎては皮革繊維
間への浸透性が遅く本処理剤の安定性も低下するので好
ましくない。d)成分の補助成分は本処理剤の安定性を
向上し、処理した皮革・毛皮の物性、寸法安定性、作業
性、市場性を向上させる目的で添加する。その際40重
量%を超えて多くは皮革、毛皮が硬くなり、ソフト感が
失われるので好ましくない。
【0013】本処理剤成分としてのa)成分である水溶
性およびまたは水分散性ポリウレタンを製造するには、 ポリウレタンを油あるいは、コロイドとみなせば、
ポリウレタンの種類によっては、界面活性剤である乳化
剤を用いて強制的に乳化し安定化させることができる。
【0014】 末端にイソシアネート基を残したプレ
ポリマーを作り、親水性基(−SONa、−COON
a、OH基など)を持った化合物をプレポリマーのイソ
シアネートと反応させる。その結果ポリウレタンを水
中に自己乳化することができる。
【0015】 と類似して、ポリウレタン分子中に
3級アミン化合物を導入しておけば、4級化剤を用い、
4級化(親水性化)することにより、自己乳化させるこ
とができる。
【0016】 またポリウレタンプレポリマーのイソ
シアネートをブロック剤(フェノール、重亜硫酸ナトリ
ウム、オキシム類など)で封鎖し、後にブロック剤を取
り除いて反応性を再生させることもできる。
【0017】 ポリオールとしてエチレンオキサイド
繰り返し単位を多量に含むポリオールを用い、これと
イソシアネートを反応させて水性ポリウレタンとする
ことができる。
【0018】本処理剤に用いられるa)成分の水溶性及
びまたは、水分散性ポリウレタンは上記〜の製造で
製造したポリウレタンを単独及びまたは2種以上を併用
してもよい。
【0019】上記〜をさらに詳しく説明すると、 水溶性ポリウレタン(非反応型) ポリオールにエチレンオキサイドを多量に含むポリオー
ルを用いてジイソシアネートを反応させたポリウレタン
は水溶性である。例えばポリエチレングリコールにトリ
レンジイソシアネート(TDI)を反応させて水に溶解
させた。
【0020】水分散型(エマルジョン)ポリウレタン
(非反応型、強制乳化型) ポリオールとジイソシアネートを反応させたポリウレタ
ンを有機溶媒に溶解したポリウレタン溶液、あるいは有
機溶剤中でポリオールとジイソシアネートを反応させ、
必要に応じて有機溶媒で希釈したポリウレタンの溶液を
水または水と界面活性剤を混合した液中に徐々に添加し
て転相乳化させる。
【0021】乳化剤(界面活性剤)には、アニオン性
(アルキルベンゼンスルホン酸ソーダなど)、カチオン
性(第4級アンモニウム塩など)、非イオン性(長鎖ア
ルコールのエチレンオキサイド付加物など)が用いら
れ、乳化安定性としてゼラチン、カルボキシメチルセル
ローズナトリウム塩、ポリビニールアルコールなどが併
用される。
【0022】水分散型(エマルジョン)ポリウレタン
(非反応型、自己乳化型) ジイソシアネートとジオール及びカルボキシル基を有す
るジオールまたはカルボキシル基を有するジアミンとを
ウレタン化反応させ、プレポリマーを調製する。このプ
レポリマーを次の2つの方法で自己乳化型のエマルジョ
ンを作ることができる。
【0023】プレポリマーの製造時にN-アルキルジア
ルカノールアミンのような第3級アミン化合物を鎖延長
剤として用いる。これを前記溶媒で希釈し、酸の水溶液
あるいはジエチル硫酸やヨウ化メチルのような4級化剤
を用いて3級アミンの部分を4級化(親水性化)する。
【0024】 プレポリマーの末端に若干のイソシア
ネートを残しジメチロールプロピオン酸などを反応させ
塩基性水溶性を加えると、アニオンタイプのポリウレタ
ンができる。これらはポリウレタンの分子中に親水基を
持たせることができるので、強制乳化型のように低分子
量の乳化剤を併用していないのが特徴の水分散型ポリウ
レタンができる。
【0025】反応型水溶性または水分散型ポリウレタ
ン(強制乳化型、自己乳化型) イソシアネート基は、ある特定な活性水素含有化合物と
反応させると一時的に結合し、熱を加えるか、pHを変
えるなどの条件を変えると元のイソシアネートを遊離す
る。イソシアネートと重亜硫酸ソーダとで反応したカル
バモイル、スルフオネートは強力な親水基となり、乳化
剤を用いなくてもポリウレタンは水溶性あるいは水分散
タイプとすることができる。
【0026】本処理剤に用いられるa)成分の水溶性ポ
リウレタン及び/または、水分散性ポリウレタンは上記
〜の製で製造したポリウレタンを単独及びまたは
2種以上を併用してもよい。これら〜のポリウレタ
ンの中でも、水溶性ポリウレタン(非反応型)および
水分散型(エマルジョン)ポリウレタン(非反応型、
自己乳化型)のアニオンタイプが好適に用いられる。
【0027】これらのポリウレタンは原料ジオールの分
子量の大小によって、製造したポリウレタンの物性が異
なり、以下の関係がある。
【0028】1)100%モジュラスと伸びの関係 分子量の大きいものはモジュラスが低くよく伸びる。
【0029】分子量の小さいものはモジュラスが高く、
伸びが少ない。
【0030】2)耐加水分解性と耐紫外線性との関係 ポリエーテル系は耐加水分解性が、ポリエステル系より
優れる。
【0031】ポリエステル系は、耐紫外線性が、ポリエ
ーテル系より優れる。
【0032】上記〜の製法で製造したポリウレタン
は、皮革の用途に応じ、その物性が下表に示す範囲のも
のであれば特に好適に用いられる。
【0033】
【表1】
【0034】本処理剤に用いる水溶性及びまたは水分散
性ポリウレタンを製造するときに用いられるジイソシア
ネートとしては、トリレンジイソシアネート(2,4ま
たは2,6-の異性体混合比80:20のものを含む)、
4,4ジフェニールメタンジイソシアネート(粗製、精
製、変性のものを含む)、m-フェニレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、ナフタリン1,5ジ
イソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシ
アネート、トリメチルロールプロパンへのトリレンジイ
ソシアネート付加物、などの芳香族ジイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、1,4シクロヘキシレンジイソシアネー
ト、4,4′-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイ
ソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート等の脂
肪族イソシアネートなどを挙げることができる。
【0035】本処理剤に使われるa)成分の水溶性およ
びまたは水分散性ポリウレタンの製造に用いられるジオ
ール類はポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテ
ル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
タンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、シクロヘキシルジメタノール等の多価アルコール
とマレイン酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸等の多
価カルボン酸との脱水縮合反応、または環状エステルの
開環重合反応で得られる、ポリエステル、ポリカーボネ
ート等のポリジオール及びエチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3
−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘ
キサメチレングリコール、水添ビスフェノールA、ビス
フェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレン
オキサイド付加物などの低分子量グリコールなど、2,
2−ジメチルロールプロピオン酸、2,2−ジメチロー
ル酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸などのカルボシル
基を有するジオールが挙げられる。
【0036】このようなジオール類の分子量は好ましく
は400〜15,000、より好ましくは、800〜6,
000である。このようなジオール(ポリアルキレンポ
リオール)の原料アルキレンオキシドとしては、エチレ
ンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-または2,3-
ブチレンオキシド等及びそれ等の2種以上の組み合わせ
を例示することができる。また、ポリアルキレンポリオ
ールの原料ポリオールとしては、プロピレングリコー
ル、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジ
エチレグリコール、グリセリン、1,4-ブタンジオー
ル、1,6-ヘキサンジオール、グリセリントリオール、
ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、C8
24脂肪族トリオール、ペンタエリスリトール、α-メ
チレングルコシド、テトラメチロールメタン、ソルビト
ール、キシリトール、テトラオール、C9〜C24脂肪族
不飽和多価アルコールなどを例示することができ、原料
ポリアミンとしてはエチレンジアミン、γ-(メチルア
ミノ)プロピルアミン、ジエチレントリアミン、ジアミ
ノプロパン、アルキル-プロパンジアミン、アルキルプ
ロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラメ
チレンジアミン、ビスヘキサメチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペン
タエチレンヘキサミン、モノ-、ジ-またはトリ-アリル
アミン等を例示できる。
【0037】中和剤としては、アンモニア、トリメチル
アミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリ
ブチルアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
【0038】鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、プ
ロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられ
る。親水化剤としては重亜硫酸ソーダなどが挙げられ
る。
【0039】酸ジオールとしては、ジメチロールプロピ
オン酸などが挙げられる。
【0040】酸ジアミンとしてはジアミノカルボン酸な
とが挙げられる。
【0041】本処理剤のB)成分である2〜4価の金属
塩としては、金属もしくは無機酸もしくは有機酸の塩を
いう。このような金属塩としては、銅塩、亜鉛塩、カル
シウム塩、マグネシウム塩等の2価金属の塩、アルミニ
ウム塩、クロム塩、鉄塩、ランタン塩、セリウム塩等の
3価金属の塩、ジルコニウム塩、硅素塩等の4価金属の
塩を挙げることができる。
【0042】アルミニウム塩としては、アルミン酸ナト
リウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニ
ウム、硫酸カリウムアルミニウム、硝酸アルミニウム、
酢酸アルミニウム、弗化アルミニウム、塩化アルミニウ
ム、蓚酸アルミニウム、乳酸アルミニウムなどを、ジル
コニウム塩としては、硫酸ジルコニウムなどを、クロム
酸としては硫酸クロームなどをそれぞれ例示できる。な
かでも、アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウムなど
のアルミニウム塩が最も好適であり、他の金属塩との併
用も好適である。
【0043】(c)成分の界面活性剤に用いられるノニオ
ン系界面活性剤としては、下記のものを例示することが
できる。
【0044】 平均炭素数6〜12アルキル基を有し
1〜20モル、好ましくは平均で5〜11モルのエチレ
ンオキサイドを付加したポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル
エーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのエ
チレンオキサイド付加物、蔗糖脂肪酸エステル、アルキ
ルサッカロイド、脂肪酸グリセリンモノエステル、 平均炭素数10〜20のアルキル基またはアルケニ
ル基を有し、1〜20モルのエチレンオキサイドを付加
したポリオキシエチレンアルキルまたはアルケニルエー
テルなど。
【0045】またアニオン性界面活性剤としては、下記
のものを例示できる。
【0046】1) 高級脂肪酸のアルカリ金属塩(石け
ん)、 2) 平均炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアル
キル基またはアルケニル基を有し、1分子内に平均0.
5〜8モルのエチレンオキサイドを付加したアルキルま
たはアルケニル硫酸塩。
【0047】3) 平均炭素数10〜16のアルキル基
を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩。
【0048】4) 平均炭素数10〜20のアルキル基
またはアルケニル基を有するアルキルまたはアルケニル
硫酸塩。
【0049】5) 平均10〜20の炭素原子を1分子
中に有するオレフインスルホン酸塩 6) 平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するア
ルカンスルホン酸塩 7) スルホサクシネートナトリウム塩 8) エーテルカルボン酸塩 9) アシル-N-メチルタウレートスルホン酸ナトリウ
ム塩 10) ザルコシネートナトリウム塩 11) N-アシルグルタメート 12) アルキルエーテルサルフェート 13) アルキルポリグルコシド 14) モノアルキルホスフェート 15) 脂肪酸アルカノールアミド 16) 高級アルコールのエトキシレート 17) 高級アルコールのサルフェートなど。
【0050】さらに、両性界面活性剤としては、下記の
ものを例示することができる。
【0051】 アルキルベタイン型 アミドベタイン型など。
【0052】上記のノニオン系界面活性剤、アニオン系
界面活性剤、両性界面活性剤の各々は2種以上を併用し
てもよく、かつ/または相互に2種以上を併用してもよ
い。
【0053】(d)成分の補助成分としては、殺菌剤、
香料、着色料、粘度流動性調整剤、pH調節剤、増白
剤、可溶化剤、安定性向上剤、架橋性向上剤、分散性向
上剤、付着性向上剤等が必要に応じて、適宜添加され
る、主な補助成分としてエポキシ基またはアルコキシメ
チル基を有する化合物を含有できる。そのような化合物
の例としては、ポリエチレングリコールジエポキサイ
ド、ビスフェノールAジクリシジルエーテル、架橋剤C
R-5L(大日本インキ化学)、ヘキサメトキシメチル
メラミン、三和ケミカル製油溶性メラミン樹脂および水
溶性メラミン樹脂、メトキシメチロール尿素等を挙げる
ことができる。好適には低温架橋型水溶性エポキシ樹脂
及び水溶性アルキル化メチロールメラミン樹脂が用いら
れる。
【0054】本発明に用いられる補助成分は、イミダゾ
ール類、アミノ基、ハロゲンもしくはスルホン基で、好
ましくはモノ-、ジ-またはトリ-、置換された芳香族化
合物を含有することができる。このような芳香族化合物
の例としては、アニリン、2,4-ジアミノトルエン、
2,6-ジアミノ、トルエン、p-フェニレンジアミン、o-
フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、o-トルイ
レンジアミン、m-トルイレンジアミン、p-トルイレンジ
アミン、o-クロロアニリン、m-クロロアニリン、p-クロ
ロアニリン、o-ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼ
ン、モノクロロベンゼン、o-ジブロモベンゼン、p-アミ
ノフェノール、m-アミノフェノール、o-アミノフェノー
ル、p-ヒドロキシフェニルグリシン、パラ-ジスルホン
化ベンゼン、モノスルホン化ベンゼン等を挙げることが
できる。上記芳香族化合物の中でも、アミノ基またはハ
ロゲンで置換されたベンゼンが好ましく、殊にアニリン
が好ましい。
【0055】また可溶化剤としては、エタノール、イソ
プロピルアルコールのような低級アルコール、ベンゼン
スルホン酸塩、低級アルキルベンゼンスルン酸塩、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンのグリコール、
アセトアミド類、ピリジンカルボン酸アミド類、安息香
酸塩、尿素、ピリジンカルボン酸アミド類等を挙げるこ
とができる。
【0056】さらに分散安定剤としては、アルミニウ
チルアセトアセテートジイソプロピレートなどのアル
ミニウムキレート化合物、アルミニウム系またはチタニ
ウム系カップリング剤、シランカップリング剤、リン酸
3ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、ピロリン酸4
ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸3カリ
ウム、リン酸2カリウム、ピロリン酸4カリウム、ヘキ
サメタリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、
オルトケイ酸ナトリウム、セスキケイ酸ナトリウム、メ
タケイ酸ナトリウム並びにSiOを多量に含むコロイ
ド状ケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、過ホウ酸ナト
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ
炭酸ナトリウム等、有機ビルダーとしてクエン酸、マロ
ン酸 コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸な
どの塩、及びニトロ3酢酸塩、エチレンジアミン4酢酸
塩等のアミノポリ酢酸塩、カルボキシメチルタルトロン
酸塩、カルボキシメチルオキシコハク酸塩、アクリル酸
塩及びヒドロキシアクリル酸塩のオリゴマー、並びにポ
リ(メタ)アクリル酸塩、ポリマレイン酸塩及び(メ
タ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、無水マ
レイン酸−ジイソブチレン共重合体、無水マレイン酸−
メチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体、などの高分子化合物
の塩、が挙げられ、特にAl、Ca、Mg等に対
する可溶性有機錯化物、とりわけポリカルボキシレート
化合物が望ましい。
【0057】本発明の皮革および毛皮処理剤の製法後述
の参考例1〜6で製造した水溶性およびまたは水分散性
ポリウレタンをa)成分としこれにb)成分の2〜4価金
属塩、c)成分の界面活性剤、d)成分の補助成分の種類
及び数量を変えて調整した皮革および毛皮処理剤を用い
て皮革を処理した結果を第1表〜第2表に示す。
【0058】さらに具体的な調製方法を示す。
【0059】還流冷却管、温度計及び撹拌装置を取り付
けた反応器にa)成分として後述の参考例1〜6で製造
した水溶性およびまたは水分散性ポリウレタン100部
を撹拌している中に添加する。次に別の容器でb)成分
の2〜4価金属塩の10%水溶液とd)成分の中和剤、
(ポリアクリル酸およびまたはポリアクリル酸ナトリウ
ム系分散剤、アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムなど)でpH=6〜9に調整した液を作って置
き必要量(150部以下)を徐々に添加し全量を添加後
70〜80℃とし、高速で5分間撹拌した。なお添加開
始後、合計で2時間撹拌した。次いでc)成分の界面活
性剤(ノニオン性、アニオン性、両性型)の必要量(4
0部以下)を添加し15分間撹拌した。その後、d)成
分の補助成分の必要量(40部以下)を添加し1時間撹
拌した。その後常温まで冷却して本処理剤を得た。
【0060】本処理剤のpHは3.5〜9.0、好ましく
は4.5〜8.5、最も好ましくは5.5〜8.0である。
【0061】本発明の皮革処理剤で処理される原料の皮
革は、特に制限されるものではなく、原皮、裸皮、浸酸
皮、鞣し革、染色革、加脂革等が好適に処理されるが、
原皮、裸皮、浸酸皮がさらに好適に処理され、中でも原
皮が特に好適に処理される。本発明の皮革処理剤を用い
る方法は、原皮の処理の場合には、水漬け、裏打ち後の
石灰漬け工程において、消石灰乳液中に乾皮重量当たり
1.0〜25.0重量%の割合で本発明の皮革処理剤が添
加されて、石灰漬けと同時に処理が行われる。また裸
皮、浸酸皮、鞣し革、染色革、加脂革等の処理では、乾
皮重量当たり1.0〜15.0重量%の割合になるよう本
発明の皮革処理剤が用いられる。これ等の場合には、本
発明の処理剤は、処理が行いやすいよう約5〜100倍
量の水で適宜希釈して用いられる。本発明の皮革処理剤
の処理の対象となる原料皮革は、鞣製工業において使用
される原料皮であり、例えば牛皮(牛;キャトルグルー
プ)、羊皮(羊;シープグループ)、山羊皮(山羊;ゴ
ートグループ)、馬皮(馬;イーフィングループ)、豚
皮(豚;ピッググループ)、鹿皮(鹿;ディアーグルー
プ)、カンガルー皮(カンガルーグループ)、水棲動物
皮(水棲動物グループ)等とこれらの毛皮を挙げること
ができる。中でも牛皮、羊皮及び山羊皮、豚皮が好まし
い。
【0062】
【本発明の効果】本発明の皮革処理剤は、原皮、裸皮、
浸酸皮、鞣し革、染色革、加脂革等を前記のように簡単
な方法で処理することが出来る。これによって皮革の網
様層中への吸水度が高まり、深絞り可能な伸展性も増
す。水洗濯を繰り返し行っても、硬化することがなく柔
軟性を保ち、寸法安定性もよい。また洗濯後、水分を多
量に含む皮革を直射日光に曝して乾燥を行っても硬くな
ることがない、家庭用ミシンで布帛同様に縫製すること
が可能である。
【0063】さらに処理した皮革は未処理皮革よりも、
坪伸びを生じ製品革の収率が平均で約10%向上する
上、引張り強度、引裂強度が向上し、柔軟性、風合いが
優れている。スリップもしにくく、且つ痩せも起きな
い。耐熱性があり、低温でのアイロン掛けも可能で折損
による短繊維の脱落が少ないまた、銅微粉末等の金属粉
も容易に皮革組織内に吸着させることができ、水洗して
も脱落しない。これは抗菌剤、防臭剤、香料、着色料等
のバインダーとしても有効である。といった長所を有す
るものである。
【0064】本発明の皮革処理剤で処理した皮革は、上
記のような長所を有することによって、衣料、肌衣、甲
革、バックスキン、手袋のほか、靴、鞄、袋物、箱類、
帽子、スリッパ、ソックスカバー、等の1枚革による絞
り成型品、寸法精度と耐屈曲性のよい革紙、や皮革をほ
ぐして繊維状とし、これを抄造した「皮革紙」やバイン
ダーで接着させた不織布、マット状製品、皮革布等の広
い用途を有する。
【0065】本発明の皮革処理剤はさらに木材、木綿、
麻、羊毛、獣毛、絹など天然繊維や化学繊維、合成繊維
による編物、織物、不織布並びに人造皮革の処理剤とし
ても風合いを害さず、収縮率が少ないといった優れた性
能を有するものである。
【0066】以下参考例、実施例により本発明をさらに
具体的に説明する。特に表示しない限り数量は重量表示
によっている。
【0067】
【実施例】
参考例 1.水溶性ポリウレタン(非反応型) 還流冷却管、温度計、撹拌装置を取り付けた反応器にポ
リオキシエチレン-ポリオキシプロピレンポリオール
(三洋化成工業サンニックスFA)900部に4,4′-
ジフェニルメタンジイソシアネート40部と触媒として
含窒素ポリオキシエチレンノニルフェニールエーテル
(三洋化成工業サンニックスCA)2部を添加し、撹拌
しながら70〜80℃で3時間反応させた。次いで40
℃の温水600部を加え水溶性ウレタンを得た。
【0068】2.水分散型(エマルジョン)ポリウレタ
ン(非反応型強制乳化型) 還流冷却管、温度計、撹拌装置を取り付けた反応器に等
モルのエチレングリコールと1,6ヘキサンジオール及
びアジピン酸とから脱水縮合して作られたポリエステル
グリコール(分子量1000)240部を120部のト
ルエンに溶解した液を入れ、これに42部の2,4-トリ
レンジイソシアネートと2,6-トリレンジイソシアネー
トの80:20の混合物及び触媒としてジブチル錫ラウ
レート0.1部を加え、75〜85℃で2時間ウレタン
化反応を行いプレポリマーを調整した。次いで温水55
0部に乳化剤(界面活性剤)ポリオキシエチレンノニル
フェニールエーテル10部と架橋剤としてヘキサメチレ
ンジアミン30部を添加混合した液を高速撹拌しながら
添加した後、減圧下でトルエンを除去してポリウレタン
の水分散性乳濁液を得た。
【0069】3.水分散型(エマルジョン)ポリウレタ
ン(非反応型、自己乳化型) (アニオン型)ポリテトラメチレングリコール(分子量
1000)250部、イソホロンジイソシアネート12
5部、ジメチロールプロピオン酸25部及びメチルエチ
ルケトン110部を還流冷却管、温度計、及び撹拌装置
を取り付けた反応器に入れ、75〜85℃で4時間ウレ
タン化反応を行いプレポリマーを調整した。次いでトリ
エチルアミン18部加え中和した後、ジエチレントリア
ミン5部を加えた蒸溜水585部を添加した後、減圧下
でメチルエチルケトンを除去してポリウレタン水溶液を
得た。
【0070】4.水分散型(エマルジョン)ポリウレタ
ン(非反応型、自己乳化型) (カチオン型)ビスフェノールAの酸化プロピレン付加
物(水酸基価315)を100℃に加熱、減圧下で脱水
し、その115部を還流冷却管、温度計、撹拌装置の付
いた反応器に入れ、100部のメチルエチルケトンとト
リレンジイソシアネート(2,4と2,6の比80:2
0)の混合物115部を加えて70℃にて4時間反応さ
せ8.4%の遊離イソシアネート基を含有するウレタン
プレポリマー溶液を得た。
【0071】一方、別のフラスコに490部のメチルエ
チルケトンと40部のジエチレントリアミンを入れて3
0℃〜40℃で混合し、この溶液中に上記のウレタンプ
レポリマー溶液320部を徐々に40分間をかけて撹拌
しながら添加。次いで160部のメチルエチルケトンを
加えて希釈し50℃で30分間反応させた。この反応物
溶液に100部の水と18部のエピクロルヒドリンを加
えて、50℃で1時間反応させ、43部の70%グリコ
ール酸水溶液と700部の水を加えた後、減圧下でメチ
ルエチルケトンを除去し、安定なポリウレタンエマルジ
ョンを得た。
【0072】5.反応型水溶性ポリウレタン(自己乳化
型) イ)ノニルフェノールにエチレンオキサイド5モルを付
加して得た平均分子量450の非イオン型界面活性剤1
10部にヘキサメチレンジイソシアネート42部を添加
し、85〜90℃で1時間反応させた。遊離イソシアネ
ート基含有量6.8のウレタンプレポリマーを得た。プ
レポリマーを50℃に冷却し、ジオキサン30部を加え
て粘度調整し、35%重亜硫酸ソーダ水溶液74部を添
加して撹拌した。混合物は20分間反応させ粘稠液体を
得た。これに水100部を添加し約50%固形分のアニ
オン性反応型ポリウレタン水溶液を得た。
【0073】6.反応型水分散性(エマルション)ポリ
ウレタン(強制乳化型) ポリプロピレングリコール平均分子量1200にエチレ
ンオキサイドを付加して、平均分子量2400としたブ
ロック共重合型ポリエーテルジオール(OHV46.
7)21部とアジピン酸-1,6ヘキサンジオール-ネオ
ペンチルグリコール系(モル比10:7:4)ポリエス
テルジオール(OHV45.1、AV2.4)56部と
1,6ヘキサンジオール3部とヘキサメチレンジイソシ
アネート20部の以上4化合物を100〜105℃で1
時間窒素気流中で反応させた。NCO/OH比−2.0
5、遊離NCO、理論値5.13%、実測値5.01%プ
レポリマー中のオキシエチレン鎖含量は10.1%であ
った。得られたプレポリマーを40℃まで冷却してジオ
キサン20部を加えて粘度を調製し、そこへ40℃の2
5%の重亜硫酸ソーダ水溶液65部を添加してよく撹拌
した。混合物は約5分で均一な粘度の高い油中水型様の
エマルジョンを形成した。撹拌を15分続けると粘度が
急に低下した。水200部を添加し完全な水中油型エマ
ルション(固形分約30%)が得られた。
【0074】ハ)原皮の処理 飽和石灰乳(pH12.5)38lを試験用鞣製機に入
れ、さらに実施例−1で調整した処理剤560gを添加
し撹拌して均一な液とした。この中に原皮(豚、新鮮
皮)乾皮重量換算で、2.3kgを入れ浸漬し液温を35
℃以下とし撹拌を10時間行ってから取り出した。取り
出し後流水中で30分間洗滌した。その後水を38l入
れさらに乳酸を添加して液のpHを4に調整した。この
中に上記の処理を行った皮を入れ1時間撹拌した。その
後、さらに流水洗滌を30分間行って脱水し、常法に従
って脱毛した。次いで常法通り酸による脱灰を行った。
再石灰処理、酵素処理、浸酸処理後に硫酸アルミニウム
処理を行ったさらに常法に従ってクローム鞣し(裸皮重
量当たりクローム量6%で約90%以上のクローム吸着
量であった)を行い水洗後常法通り中和、染色、加脂、
トグル乾燥を行って製品革に仕上げた。それを後漉きで
0.7mmの厚さの衣料革とした。
【0075】このように処理した皮革の特性についての
測定結果を実施例−10に示す。
【0076】なお、処理剤中の界面活性剤はノニオン系
界面活性剤のエチレンオキサイド付加モル数を平均8と
して使用した。
【0077】7.試験皮革の製法 常法に従い原皮(牛、羊、豚新鮮皮)を水洗→脱脂→水
洗→脱毛→石灰漬け→脱灰→水洗→ピックル→クロム鞣
し(裸皮重量当たりクローム量5%)→中和→水洗吊り
干し工程を経てウェットブルーとし、試験皮革として用
いた。
【0078】この試験皮革の頭部から尾部にかけて切断
して2等分した。その1片を実施例のための処理剤の試
験に用い、他の1片を比較例のための試験片とした。な
お、皮革の部位(肩、胴、腹、尻)による差を避けるた
め実施例と比較例はほぼ同じ部位を用いた。
【0079】8.実施例の皮革処理方法 皮革ウェットブルー(無水換算量)に対し、各実施例の
処理剤を皮革重量に対し4重量%と水を皮革重量の70
倍量(重量)を加え撹拌し、皮革処理液とした。この処
理液中に被試験皮革を投入し15分間回転させ45分間
休止する方法で、これを繰り返し6時間浸漬処理を行っ
た。
【0080】浸漬処理が終わったところで排水し、70
倍量(重量)の水及び塩化ベンザルコニウム0.05倍
量(重量)を添加し15分間回転した後排水した。次い
で30分間流水ですずき洗いを行い脱水後馬掛け→伸ば
し吊り干し乾燥した。さらに回転空打を30分間行い皮
革繊維を揉みほぐした。その後味取り→ヘラ掛け→ネッ
ト張りを行い試験に用いた。
【0081】比較例−1の皮革処理方法 前記の試験皮革の製法で作ったウェットブルーを用い、
吊り干し乾燥した皮革を実施例−1と同様に回転空打を
30分間行い皮革繊維を揉みほぐした。その後味取り→
ヘラ掛け→ネット張りを行い試験に用いた。物性測定は
実施例−1と同様の方法で実施した。
【0082】このように処理した皮革の特性についての
測定結果を第1表に示す。
【0083】実施例2〜実施例−9、実施例11〜27 実施例−1と同じ試験片を用い、第1表及び第2表のご
とく、皮革処理剤組成物の組成割合を変更した以外は実
施例−1と同一条件で処理を行った。
【0084】比較例-2〜比較例-9、比較例11〜2
7;比較例−1と同様の方法で処理し、物性測定も同様
とした。これら処理した皮革の特性についての測定結果
を第1表及び第2表に示す。
【0085】洗濯方法:JIS-L-0217-1976-
No.103法に準拠して洗濯の操作を行い、JIS-C
-9606(電気洗濯機)の規格に適合する遠心式絞り
装置付の標準洗濯容量、標準水量の家庭用電気洗濯機の
水槽に液温40℃の水30lを入れ、衣料用合成洗剤
[花王(株)製]を水1lに対し2gの割合で添加溶解
し洗濯液とする。浴比が1対30になるように試料及び
必要に応じて負荷布を投入して運転を開始する。5分間
処理した後、運転を止め、試料及び負荷布を脱水機で脱
水した。次に洗濯液を常温の新しい水に替えて、同一の
浴比で2分間のすすぎ洗いを行う。これを2回繰り返し
脱水し吊り干し乾燥した。
【0086】耐水洗濯性;皮革を前記方法によって洗濯
を繰り返した場合、当初の柔軟性が失われ硬い感触が表
れ始めるまでの洗濯回数で表したものである。
【0087】引張り強さ JIS-K-6552-197
7 衣料用革試験方法に準拠して実施した。
【0088】 伸び 〃 〃 〃 引裂強さ 〃 〃 〃 吸水度 JIS-K-6550-1976 革試験方法 〃 吸湿度(mg/cm2/72hr);JIS-K-6544によ
る 吸湿量(mg/cm2);20℃×RH52%に72hr放置
後RH79%で測定した。
【0089】放湿量(mg/cm2);20℃×RH79%
に72hr放置後RH52%で測定した。
【0090】洗濯後の寸法安定性;15cm×15cmの皮
革を用い、洗濯を3回繰り返した後の寸法変化を次式で
算出した。
【0091】
【数1】 L =洗濯前の値 L′=洗濯後の値 △は伸びを示す。
【0092】皮革繊維の水中への浸透分散性;皮革を粉
砕機で粉砕し1〜3mmに皮革繊維をほぐしたもの3gr
を、300ccのビーカー中に水150ccを入れ、マグネ
チックスターラーで30rpmとゆっくり撹拌している上
部に投入して完全に水中に沈降しするまでの時間で表し
た。 坪伸び;本処理剤で皮革(ウエツトブルー)を処理した
ことによる面積の変化を次の式で示す。
【0093】
【数2】 ここにM =処理前の面積(cm2) M′=処理後の面積(cm2) ただしマイナスは収縮を示す。
【0094】比較例は処理剤の代りに水だけを用い、実
施例と同一条件で処理した。
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】
【表6】
【0100】
【表7】
【0101】
【表8】
【0102】吸湿度、吸湿量、放出量 実施例−28(1)〜(6) 牛、ウェットブルーを用い、実施例−1の皮革処理方法
と同一として、処理剤の添加量を皮革の無水換算量当た
り10%添加及び15%添加した。
【0103】さらに浸漬処理時間を変化させて、処理し
た皮革の物性を第3表に示す。
【0104】比較例-28(1)〜(3) 実施例−28(1)〜(6)に使用したウェットブルー
を用い比較例−1と同一条件で処理し試験に用いた。結
果を第3表に示す。
【0105】
【表9】
【0106】実施例29−1)〜6) 実施例−10の処理剤中のC)成分として、ポリオキシ
エチレンノニルフエニールエーテル(三洋化成工業ノニ
ポール)のエチレンオキサイドの付加モル数を変化させ
た場合の効果を第4表に示す。
【0107】ただし、A)成分、B)成分、D)成分の
添加量は実施例−1と同様にした。
【0108】
【表10】
【0109】実施例−30 毛皮の処理 毛皮の種類;ムートン(羊の毛皮) 処理液の調整 実施例−30−;毛皮重量に対して、実施例−1の処
理剤を重量比で5%計量し、次いで40℃の温水を重量
比で30倍量計量し混合して処理液とした。
【0110】実施例−30−;毛皮重量に対して、実
施例−3の処理剤を重量比で5%計量した。
【0111】次いで家庭用合成洗剤を40℃の温水1l
当たり2gr添加した洗浄液を毛皮重量に対して30倍量
計量して混合し、処理液とした。
【0112】処理方法;処理液を浴槽に入れ、次に被処
理毛皮を投入し、計6時間浸漬した。この間、2時間置
きに、天地替え(上、下裏替し)と足踏みによる浸透を
10分間実施し約50分間の放置を行った。
【0113】その後、流水による3分間のすすぎ洗いを
足踏みをしながら実施し脱水した。これを2回繰り返し
た。
【0114】脱水後、濡れたまま掛け干しを行い、天日
乾燥した。
【0115】処理した結果を第5表に示す。
【0116】 処理前より処理後は、毛の部分はきれいに汚れも落ち、ふっくらした。
【0117】 〃 〃 、皮革部分は柔軟になり、寸法も伸びた。
【0118】 〃 〃 、重量が軽くなった。
【0119】
【表11】
【0120】 実施例−31 水中への分散性に優れた繊維状皮革粉 (皮革紙用抄紙原料、織布用紡糸原料) i) 実施例の皮革の処理方法;鞣製されたウエツトブ
ルー、染色革、加脂革等の製品革並びに皮革、トリミン
グ屑、シエービング屑等の屑革の無水換算重量の皮革重
量に対して、使用した処理剤名に応じた各処理剤を3重
量%、水を70倍量(重量)を加え撹拌して皮革処理剤
とした。この処理液中に被試験皮革を投入し、8・実施
例の皮革処理方法と同様に処理した。浸漬処理が終った
ところで排水し、15分間流水ですすぎ洗いを行い。天
日で乾燥した。 ii) 皮革粉の製造方法(実施例、比較例) 乾燥した皮革をターボカツター型粉砕機で3mm以下の
繊維状の皮革粉とした。これを篩別けにより、固状物を
取り除き、1〜3mmの繊維状(綿状)の皮革粉だけを
取り出し、試験に用いた。 比較例−29は処理革を使用した他は、実施例−31
と同様にした。 iii) 抄紙用濾水度試験 JIS−P8121 ルプのろ水度試験方法 カナダ
標準形に準じて実施した。この結果を第6表に示す。比
較例の未処理革は、綿状になつて水に浮き、水中への分
散性が極端に悪く、抄紙用には、とても使えなかつた。 実施例−32;抗菌性皮革の製造に使用する金属粉等に
対する本処理剤のバインダー効果実施例ー32〜の皮革処理法 実施例−3の処理剤に金属粉を添加した以外は実施例−
1と同一条件で処理を行った。 実施例−32の皮革処理方法 クローム鞣し後の皮革の染色後次の工程で、皮革の無水
換算量に対して、金属粉等(M)重量%を加え、常温で
4時間撹拌後、脱液し、12時間の馬掛け後に、皮革の
無水換算量に対して、本処理剤を4重量%、水を70倍
量(重量)、を加え、皮革処理液とした。この処理液中
に前記、馬掛け後の被試験皮革を投入し、8・実施例の
皮革処理方法と同様に処理した。 処理皮革中の金属粉等の含有量測定; JIS−K6550革試験方法に準じて処理後分析し
た。X線マイクロアナライザー(LINKCo.9X−
200J.)も併用した。比較例−30の皮革の処理方
法;実施例−32の染色後の皮革を用い、比較例−1の
比較処理方法
【0081】と同様にした。製革工程で金
属粉等を多量に定着するには、バインダーとして本処理
剤量を増す必要があつた。皮革の抗菌効果としては、
0.1重量%以上の銅粉含有でよいことも判った。試験
結果を第7表に示す。 (*−1)比較例の繊維状皮革粉は、水中への分散性が
悪く、標準離解機にかけ75000回転(25分)させ
て離解し、水中に分散させ直後に試験に用いた。 (*−1)フアインサイド#600;東京フアインケミ
カル(株) (注−1) 試験方法;AATCC Test Met
hod 90及び準用: 試験開始後5日目に判定 使用菌種:黄色ぶど
う状球菌Staphylococcus aureus
ATCC6538(IFO−12732) 白癬菌 Trichophyton mentagro
phytes IFO 620 試験方法:JIS Z2911,6,2,2湿式法;試
験開始1週間後に判定 試験用のかび;Aspergillus niger
(FERMS−1)、Penicillium cil
rinum(FERMS−5)、 Myrotheciumverrucaria(FER
MS−13)及び Chaetomium globosum(FERMS
−11)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−86100(JP,A) 特公 昭45−33792(JP,B1)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮革および毛皮の処理剤組成物であっ
    て、総組成物重量当たり、 a) 水溶性ポリウレタン、水分散型ポリウレタン及び
    前記両ポリウレタンの混合物からなる群より選ばれるポ
    リウレタンを20〜98重量%含み、 b) 2〜4価の金属の無機塩または有機塩の少なくと
    も1種を0.3〜15重量%含み、 c) ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤及び両
    性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の
    界面活性剤を0.3〜30重量%含み、そして d) 皮革および毛皮の処理に適宜使用される補助成分
    を0〜40重量%含む、 組成物。
  2. 【請求項2】 前記ポリウレタンが非反応型である請求
    項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記金属の無機塩または有機塩がアルミ
    ニウム塩、クロミウム塩またはジルコニウム塩である請
    求項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記界面活性剤が平均で5〜11モルの
    エチレンオキサイドが付加したノニオン界面活性剤を少
    なくとも含む請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】 銅粉をさらに含む請求項1〜4のいずれ
    かに記載の組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の組成物
    を用いることを特徴とする皮革または毛皮の処理方法。
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