JPH0528280A - 光線追跡方法 - Google Patents

光線追跡方法

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JPH0528280A
JPH0528280A JP20553991A JP20553991A JPH0528280A JP H0528280 A JPH0528280 A JP H0528280A JP 20553991 A JP20553991 A JP 20553991A JP 20553991 A JP20553991 A JP 20553991A JP H0528280 A JPH0528280 A JP H0528280A
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JP
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ray
small area
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subtree
image
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JP20553991A
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Tadashi Naruse
正 成瀬
Mikio Shintani
幹夫 新谷
Takafumi Saito
隆文 斉藤
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 階層化された木構造の物体定義データを使っ
て光線追跡し、画像を生成する際の高速な光線追跡処理
の実現を図る。 【構成】 画像生成対象の物体空間3について、図1の
(b)のように木構造の物体定義データが与えられる。
この木構造に階層化された物体定義データを用い、画像
面(スクリーン)2の小領域毎に、該小領域2′に投影
される物体からなる部分木を動的に作成していく。そし
て、この部分木を利用して、画像面2の小領域毎に光線
追跡を行い、該小領域の各画素の値を求め、画像を生成
していく。この時、反射・屈折光については、更に部分
木を作成し、同様に光線追跡を行う。これらの処理を各
小領域について繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光線追跡方法による画像
生成の分野にかかり、詳しくは光線追跡法の高速処理方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】光線追跡方法による画像生成法は、視点
から物体の方向に向かって光線を追跡し、光線が物体と
交差すれば、その点における物体の輝度を求めて画像面
(スクリーン)に投影し、画像を生成する手法である
が、その問題点は計算にかなりの時間を要することであ
る。この計算時間の大半は、光線と物体の交差判定に費
やされる。そのため、交差判定回数の削減を狙ったデー
タ構造やアルゴリズムの提案が行われる。
【0003】光線追跡アルゴリズムの高速化の本質は、
つきつめれば、画像面の各画素に対して、その画素に投
影される物体を効率よく求めることにある。それを目的
として従来より種々の高速化技法が提案されてきた。従
来の手法を分類すると、データの階層化とBoundind
Volume(BV)の使用、Ray coherencyの利用に大
きく分けられる。
【0004】物体定義データの階層化とBVの使用によ
り交差判定回数の削減を図る方法はよく知られている。
OctreeやConstructiveSolid Geometry(CSG)モ
デルを用いた階層化はその一例である。これらのモデル
では階層化された木の各ノードに対し、そのノードの子
孫となる葉ノードの物体リミティブをすべて包含するよ
うなBVを必要に応じて設定いる。これらのBVに対し
て交差判定を行うことにより交差計算の回数を大幅に削
減できる。「BVの体積を小さくするほど物体と交差す
る光線の数は少なくなる」という事実に基づいて、体積
ができるだけ小さくなるBVを効率的に求める検討が行
われている。
【0005】一方、Arvoらは光線を視点と方向で分類
し、類似した光線をグルーピングして、それらの光線と
交差する物体の候補を求めることにより交差判定する物
体の候補を求めることにより交差判定する物体の候補数
を削減する手法を提案している(Arvo J.,Kirk
D.:“Fast Ray Tracing by ray Classificatio
n”,Comput.Graphics,Vol.21.No.4,pp.55
−64,Jul.1987)。この方法は、候補物体の分
別が効率よくできるので、光線追跡法の高速化効果が大
きい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記いずれの方法も高
速化効果は大きいが、さらに高速な処理を実現する必要
がある。従来の手法は、階層化された木構造をそのまま
使って光線追跡を行っていたために、少なくとも木の深
さの交差判定計算が必要であり、これが、計算量削減の
隘路となっていた。
【0007】本発明の目的は、光線を追跡して物体の輝
度を求めながら画像を生成する方法において、高速化効
果が極めて高い光線追跡方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1は、視点から物体の方向に向かって光線を
追跡して物体の輝度を求めながら画像を生成する方法に
おいて、木構造に階層化された物体定義データを用い、
画像面の小領域毎に、該小領域に投影される物体からな
る部分木を動的に作成し、該部分木を利用して光線追跡
を行うことを特徴とする。
【0009】請求項2の発明は、追跡する光線に対し
て、部分木の各ノードに設定されたバウンディングボリ
ュームを視点からの距離の近い順に動的に並べ換えて、
該距離の近い順に部分木を探索することを特徴とする。
【0010】請求項3の発明は、小領域に投影される物
体が同一の物体で占められるか否か判定し、同一の物体
で占められる場合には該小領域内での部分木の探索を省
略することを特徴とする。
【0011】請求項4の発明は、反射・屈折光線につい
ては、小領域毎に、該小領域から反射・屈折する光線の
大多数を包含する角錘あるいは円錐を作り、該角錐ある
いは円錐に含まれる物体からなる部分木を動的に作成
し、該部分木を利用して光線追跡を行うことを特徴とす
る。
【0012】
【作用】本発明では、与えられた木構造の物体定義デー
タから部分木を動的に作り、木の深さを浅くすることに
より、画像面(スクリーン)の小領域に投影される物体
数は少なくなり、交差判定回数を削減することができ
る。さらに、部分木の各ノードレベルでの視点からの距
離によるソーティング、小領域内の物体の一様性テスト
を加えることにより、光線と交差する候補物体の絞り込
みが極めて効率よくでき、さらに高速処理が可能にな
る。また、反射・屈折光については、小領域毎に更に部
分木を作り、該部分木を利用して光線追跡を行うことに
より、1次光線のみならず反射・屈折光による光線追跡
の画像も同時に生成される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面により
説明する。
【0014】図1(a)は本発明の光線追跡方法の原理
図を示している。図1において、1は目(視点)、2は画
像面(スクリーン)、3は物体空間、4は光線である。
画像生成対象の物体空間3上には多数の物体(プリミテ
ィブ)Piがある。この物体空間3を、各部分空間に含
まれるプリミティブが1個になるまで階層的に分割し、
各部分空間に対して、その空間に入るプリミティブをす
べて包含するバウンディングボリューム(BV)を作
り、物体の定義データを階層化する。図1(a)の物体
空間3に対応する物体定義データの階層化構造を図1
(b)に示す。ここで、丸印はノードであり、バウンデ
ィングボリューム(BV)に対応するノードBViは、
当該BVの座標等を表わし、物体(プリミティブ)に対
応するノードPiは、当該物体の方程式、表面属性、中
心位置等を表わす。なお、この物体定義データの階層化
については後述する。
【0015】本発明では、画像面(スクリーン)2を多
数の小領域2′に分割し、あらかじめ与えられた物体定
義データの階層化構造を参照して、各小領域毎に交差判
定を行い、該小領域に投影される物体からなる部分木を
動的に作成する。そして、この部分木を利用して光線追
跡を行い、各小領域毎に、該小領域に投影される物体の
輝度を求め、画像面2にプロットする(レンダリン
グ)。この時、反射光線(屈折光線)4′があれば、そ
れに対する部分木も動的に生成し、該部分木を利用し更
に光線追跡を行い、反射(屈折)物体の画像も該当小領
域に重ねてプロットする。以上の処理を各小領域につい
て繰返し実施する。
【0016】図2及び図3に本発明の光線追跡方法によ
る画像生成処理の一実施例のフローチャートを示し、図
4に画像面(スクリーン)を小領域に分割する説明図を
示す。
【0017】図2は、木構造に階層化された物体定義デ
ータを用いて、画像面2の小領域2′毎に光線とBVあ
るいは物体(プリミティブ)との交差判定を行い、該小
領域に対する部分木を作成するまでの処理である。本実
施例では、処理は、画像面2の各小領域について、水平
方向に左から右、垂直方向に上から下の順に行うとして
いる。図4は、作成された部分木を用いて光線追跡を行
い(反射屈折光の追跡も行う)、一つの小領域につい
て、それに投影されるプリミティブのレンダリングを行
う部分である。該レンダリングを各小領域について繰返
し行う。
【0018】なお、図2及び図3の処理は、実際にはす
べてコンピュータ上で実施されるものである。以下に、
主な処理について詳述する。
【0019】物体定義データの階層化 空間の分割法として、一様分割と、非一様分割がある。
どちらを選択するかは、データ構造を作るコストと光線
追跡のコストを総合して決めるべきであるが、一般には
データに依存するので、善し悪しは一概にはいえない。
ここでは、後者の分割を考える。後者の分割は木構造と
なる。具体的には空間をk個の部分空間に分割し、物体
(プリミティブ)をそれぞれの部分空間に分ける。プリ
ミティブが部分空間を跨ぐ場合は、いずれかの部分空間
に入れる。たとえば、体積を最も大きく共有する部分空
間に入れる。各部分空間が含むプリミティブが1個にな
るまでこの分割を再帰的に続ける。分割が終わったら、
各部分空間に対し、その空間に入るプリミティブをすべ
て包含するバウンディングボリューム(BV)を作る。
この分割により、k進木のデータ構造ができる。kの値
を決定する必要がある。
【0020】木が平衡していれば次のように決めること
ができる。今、図5に示するようにk進木で階層化した
とする。この木の各中間ノードにはBVが設定されてい
る。この木を使って光線追跡すると、各光線に対して、
まず、ルートノードのすべての子ノードに設定されたB
Vと交差判定が行われる。ついで、これらのノードのう
ち1つのノードが何らかの方法で選択され、そのすべて
の子ノードに対して交差判定が行われる。もし、バック
トラックなしに、葉ノードまで交差判定が進めば、その
光線に対する交差判定回数Nは、
【数1】 となる。ここで、nはプリミティブ数である。
【0021】nを固定したときNを最小化するkは、k
=e(自然対数の底)である。kは整数であるから実際
にはk=3がNの最小値を与える。ついで、k=2,4
となる。2と4は同じ値を与える。したがって、3進木
あるいは2(4)進木構造とするのが有効である。すな
わち、バックトラックが起ないか、あるいは発生が非常
に少ないノード選択方法が与えられれば、3あるい2
(4)進木による階層化が有利となる。以下では、他の
高速化技法との親和性を考えて2進木を用いる。図1
(b)は2進木の簡単な例である。
【0022】BVの形状と交差判定 BVはできるだけ体積が小さくなるように設定すること
が望ましいが、交差判定コストを考慮した設定をしなけ
ればならない。今、図6(a)に示すような各ノードに
BVが設定された木構造を考え、その画像面(スクリー
ン)への投影が図6(b)となったとする。ここで、投
影面積をSiで表す。ノードn1に光線が当れば、その
子ノードのBVとの交差判定が行われる。従って、n1
に光線が当たったという条件の下で、その子ノードとの
交差判定に要する時間Tは、画面全体で、
【数2】 となる。ここで、C1はn1に設定されたBVとの交差
判定コストである。
【0023】バックトラックがなければサーチする木の
各ノードに対してこの式が成立する。この場合には、こ
の式から、単純な形状のBVを用いても交差判定コスト
が低ければ、トータルの計算時間は少なくなり得る。
(投影面積が2倍になってもコストが半分なら計算時間
は同じである。)以下では、BVとして軸(世界座標)
に沿った直方体を用いる。
【0024】動的部分木 画像面(スクリーン)の各画素に対して、はじめに与え
られた木を利用して光線追跡するのは、無駄が多い。画
像面の小領域に投影されるプリミティブの数は限られて
いるからである。そこで、与えられた木から小領域毎に
動的に部分木を作り、小領域の中では部分木を利用して
光線追跡をすることが考えられる。ここでは、1次光線
(視点から追跡する光線)について述べる。小領域とし
て、正方形領域あるいは長方形領域をとれば、部分木
は、視点と領域の4隅の点から作られる角錐に入るかあ
るいは角錐と交差するプリミティブから作られる(この
角錐内の光線の束を光束とよぶ)。この作成コストが高
いと不利であるが、実際にはそれは低いことが次の考察
からわかる。
【0025】(イ)角錐作成 角錐は4つの平面から構成されるが、これらの平面を小
領域毎に求める必要はない。画像面上で水平方向に並ん
だ小領域に対する角錐では、水平方向の面(上下2面あ
る)はいずれの角錐にも共通で同じ平面となる(例え
ば、図4のHF0とHF1など)。垂直方向に並んだ小領
域では、垂直方向の面に対して同様の関係が成立する
(図4のVF0とVF1など)。また、隣接する面は共有
できる。平面の法線方向の半空間を外側、反対側を内側
とすることにより、角錐の内部は一意に規定できる。従
って、画像面の大きさをn×n、小領域の大きさをm×
mとすれば、全体で必要な平面の数は2(n/m+1)
となる。
【0026】(ロ)動的部分木作成 木の各ノードに4つのフラグを与える。各フラグは、角
錐の面に対応し、ノードに対応するBVあるいはプリミ
ティブが面の内側にあるか、外側にあるか、あるいは交
差するかを示す。木のルートノードからはじめて各ノー
ドのフラグを設定している。これは図2の交差判定で求
まる。このとき、あるノードでの面の内側かあるいは外
側になったらその子ノード以下の当該面に対するフラグ
設定は不要となる。これは、BVのもつ性質から明らか
である。
【0027】画像生成を小領域内、ついで水平方向の小
領域の順に行うとすれば、水平方向に並んだすべての小
領域に対して、水平面に対するフラグは共通に使用でき
る。また、垂直直面に対するフラグ設定は、水平面に対
するフラグを参照することにより、不要な内外判定を省
くことができる。図2は、このような処理を示してい
る。これらのフラグを参照しながら部分木を構成する。
すなわち、角錐と交差するかあるいは角錐に含まれるB
Vおよびプリミティブだけからなる部分木を構成する。
このとき、図7に示す最適化も行う。作り方から明らか
なように枝刈の効果が働くので、部分木作成コストは低
く抑えることができる。なお、ここで述べた部分木作成
法は2次光線(反射・屈折光)に対しても同じように適
用できる。
【0028】ソーティング より視点に近いプリミティブが画像面に投影され、その
プリミティブを包含するBVは他のプリミティブを包含
するBVと比べてもより視点に近い場合が多い、という
事実に基づいて、部分木の各レベルで視点からの距離に
よるソーティングを行う。すなわち、あるノードのBV
と光線が交差し、その子ノードに対して交差判定を行う
必要が生じたら、子ノードを視点からの距離の近い順に
並べ替える。これは、光線毎に行う。
【0029】深さ方向優先の木探索を行う場合、木の各
レベルでソーティングが行ってあれば、図8に示すよう
に、ある子ノード以下を探索して得られたプリミティブ
の視点からの距離が次の子ノードに設定されたBVの視
点からの距離より近いとき、その子ノード以下の探索は
不要となる。このようにして、ソーティングを利用した
枝刈ができる。
【0030】2進木を用いれば、子ノードのソーティン
グは1回の比較だけで済み、極めて効率がよい。ここに
2進木を用いた理由がある。
【0031】小領域内の一様性テスト 小領域内が同一のプリミティブの投影像であることが何
らかの方法でわかれば、この領域では、そのプリミティ
ブのレンダリングを行えばよい。このことは、領域内で
木の探索が不要となることを意味し、高速化に与える効
果は大きい。また、このテストは、できる限り単純なも
のであることが要求される。
【0032】ここでは、次のような簡単なテスト法を行
う。小領域の4隅の点に対して光線追跡する。この段階
で、部分木は、4番目に追跡した光線でソーティングさ
れている。今、4隅の点のプリミティブが同一であった
とする。それをPとする。このとき、小領域内でプリミ
ティブPより視点に近いところに他のプリミティブが無
いことを調べればよい。部分木をLeft-most Depth-F
irstでサーチし、プリミティブQを見つける。Qは木の
一番左端にある。木の構成のしかたから、QはPより視
点に近い。PとQが同一でなければ、この領域は一様で
ないとする。PとQが同一であったとする。このときP
の弟ノードを調べる。弟ノードはプリミティブかBVが
設定されているかいずれかである。それをRとする。R
が4番目に追跡した光線と交差するか調べる。これは、
フラグをみるだけでよい。交差すれば、領域内は一様で
ある。そうでなければ、一様でないとする。
【0033】このテストは領域内で一様のときに必ず一
様であるという判定を与えるものではないが、領域内が
一様と判定されとき、プリミティブPの前に他のプリミ
ティブが無いことは保証される。図9、図10にその例
を示す。図9(a)は一様でないと判定される例、同
(b)は本来一様であるにもかかわらず、一様でないと
判定される例である。図10は一様と判定される例であ
る。図10の場合、プリミティブの前面に別のプリミテ
ィブはないが、小領域内にプリミティブでない部分があ
るので、その部分に対して部分木を用いて追跡をするこ
とになる。なお、4隅にプリミディブが無いとき、領域
内にプリミティブが無いための条件は部分木が空である
ことである。
【0034】領域内が一様でないときは、領域を2分割
して一様性テストをする。領域の大きさが閾値を下回ら
ない範囲で、これを再帰的に繰り返す。
【0035】反射・屈折光束の追跡 画面の矩形領域を通過する光束は角錐台で表現すること
が可能であり、これまでに述べてきた手法が適用でき
る。しかし、一般の反射・屈折光束を正確に記述するこ
とは困難である。ここでは、 反射・屈折光束を近似し、それを含む近似的な光束
のバウンディングボリューム(以下、PBVと呼ぶ)を
求める。 近似的なPBVに対し、部分木を求め、一様性のテ
ストを行う。 各反射・屈折光線に対し、で求めた近似PBVに
含まれるか否を調べ、含まれる場合にはで得られた結
果を利用する。 というアプローチをとる。ここで問題となるのは、いか
にして近似PBVを求めるかという点である。
【0036】光束の拡りが小さい場合には、近軸近似が
反射・屈折の近似として有効であることが知られている
(Shinya M.,Takahashi T.,Naito S.:“Prin
cipesand Applications of Pencil Tracing”,Com
put.Graphics,Vol.21,No.4,pp.45−54,
Jul.1987)。そこで、近軸近似を利用して近似P
BVを求めることにする。
【0037】近軸理論によれば、一点(たとえば視点)
を発した近軸光束は2つの焦線を持ち、その焦線の方向
は直交する。すなわち、近軸光束は図11に示すよう
に、互いに直交する交線を有する2つの平面の組に囲ま
れた領域として記述される。したがって、この領域を光
束の近似として用いることは合理的である。しかし、実
際の光束は理想的な近似光束ではなく、多くの光線が近
似光束の領域外にはみ出すことになる(図12
(a))。そこで、光束の4隅の光線を基に、近似光束
のPBVを求めることを考える。この求め方は多数存在
するが、簡単な方法として、4隅の光線の振れ角のうち
最も大きな角をPBVの拡り角とする手法がある。図1
2(a)に示した2次元の例では、|θ1|>|θ2|
であるので、図12(b)のようなPBVが得られる。
具体的には、以下の手順で近似光線PBVが求められ
る。
【0038】 画面小領域の4隅に対応する光線の反
射・屈折光線iをSnell則より求める。 得られた4本の光線の平均をとり、軸光線とする。 軸光線をz−軸とする適当な光線座標x−y−zを
求める。ただし原点は、4本の光線の始点の内、いちば
ん手前のものがz=0となるようにとる。 4本の光線の始点および方向を光線座標系に変換
し、z=0の面との交点ri=(rxi,ryi)、および
方向Si=(Six,Siy)=((dx/dz)i,(dy
/dz)i)を求める。 rxmax=max(rxi),rxmin=min(rxi),rymax
=max(ryi),rymin=min(ryi)およびsxmax=max
(|sxi|),symax=max(|syi|)を求める。 求める4平面は次式で与えられる。
【数3】 なお、x,y軸のとり方は任意であるが、焦線方向にあ
わせてとるのが効率的である。
【0039】この近似PBV作成法は最も単純なもので
あり、さまざま変形が考えられる。その例として、以下
のようなものが考えられる。 4隅の光線だけでなく、すべての画素に対応する光
線の反射・屈折光線を求め、これらを同様の手法でバウ
ンドすることも可能である。これにより追跡すべきすべ
ての光線がPBVに含まれることが保証される。 このPBVでは、光束が反射後に収束する場合は無
駄な空間を含む(図13(a))。したがって、収束光
束については図13(b)に示すような2つの近束光束
でバウンドする。
【0040】小領域が一様なら、4隅の点から光源を見
込むPBVにより部分木を作り、影のテストをする。平
行光線なら、PBVは角柱となる。角柱を構成する各面
の方線ベクトルは場所に依存せずどこでも一定となるの
で、角柱を作るコストは小さい。
【0041】次に、以下のアルゴリズムを用意し、本発
明の高速化効果を示す。以下でAのアルゴリズムは2進
木構造の使用を前提とする。 A1 :BVのみを使う。 A2 :BVとソーティングを使う。 A2′:部分木とBVを使う。 A3 :部分木とBVおよびソーティングを使う。 A4 :全部を使う。(A3+一様性テスト) また、比較の対象としてArvoの手法を用いる。 B1 :Arvoのアルゴリズム
【0042】次の5種類のデータについて高速化の効果
の例を示す。 1)空間内に一定の半径の球を規則的に並べる。2通り
の半径の球を用意する。(2種類) 2)空間内にランダムな半径を持つ球をランダムに配置
する。(1種類) 3)1個および8個のティーポット(2種類)
【0043】画像生成例を図14乃至図18に示す。生
成した画像の画素数は、512×512である。また、
小領域は8×8の大きさを基本としている。図14乃至
図16のプリミティブの総数は512であり、図17、
図18のそれは、それぞれ522,4416である。B
Vは軸に沿った直方体を使用している。
【0044】画像生成時間、交差判定回数を表1、表2
に示す。
【表1】
【表2】
【0045】この結果から、以下のように本発明のアル
ゴリズムの高速化効果がわかる。 (a) いずれのデータでもアルゴリズムA4が最も短時
間で画像を生成する。また、A3とB1を比較しても、
A3の画像生成時間がB1より少ない。 (b) A1とA2′の比較から部分木が高速化に寄与す
る効果が極めて高い。これは表2に示される如く、A
2′の交差判定回路が著しく減少することから得られる
効果である。 (c) 領域の一様性テストの効果は、プリミティブの大
きさに依存する。図15のように一様性領域の少ない場
合でも、高速化効果がある。 (d) A2において、BVとプリミティブの交差判定回
路を比較するとわかるように、ソーティングを用いるこ
とにより、木探索時のバックトラックが極めて少なくこ
とがわかる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明で
は、与えられた木構造の物体定義データから景分木を動
的に作り、木の深さを浅くすることにより、画像面(ス
クリーン)の小領域に投影される物体数は少なくなり、
交差判定回数を削減することができる。
【0047】請求項2及び3の発明では、部分木の各ノ
ードレベルでの視点からの距離によりソーティング、小
領域内の物体の一様性テストを加えることにより、光線
と交差する候補物体の絞り込みが極めて効率よくでき、
さらに高速処理が可能になる。
【0048】請求項4の発明では、反射・屈折光につい
ては、小領域毎に更に部分木を作り、該部分木を利用し
て光線追跡を行うことにより、1次光線のみならず反射
・屈折光による光線追跡の画像も同時に生成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光線追跡方法の原理図である。
【図2】本発明の一実施例の処理フロー図である。
【図3】本発明の続きの処理フロー図である。
【図4】画像面(スクリーン)の分割を示す図である。
【図5】物体定義データの木構造の一般例を示す図であ
る。
【図6】物体空間のバウンディングボリューム(BV)
の投影面積と交差判定コストの関係を示す図である。
【図7】部分木の最適化を示す図である。
【図8】部分木のソーティングの説明図である。
【図9】小領域の一様性のテスト例を示す図である。
【図10】同じく小領域の一様性のテスト例を示す図で
ある。
【図11】近軸光束の説明図である。
【図12】光束のバウンディングボリューム(PBV)
の構成例を示す図である。
【図13】PBVの改良例を示す図である。
【図14】画像生成例である。
【図15】画像生成例である。
【図16】画像生成例である。
【図17】画像生成例である。
【図18】画像生成例である。
【符号の説明】
1 視点(目) 2 画像面(スクリーン) 2′ 小領域 3 対象物体空間 4 光線 4′ 反射光線 BV バウンディングボリューム P 物体(プリミティブ)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 視点から物体の方向に向かって光線を追
    跡して物体の輝度を求めながら画像を生成する方法にお
    いて、木構造に階層化された物体定義データを用い、画
    像面の小領域毎に、該小領域に投影される物体からなる
    部分木を動的に作成し、該部分木を利用して光線追跡を
    行うことを特徴とする光線追跡方法。
  2. 【請求項2】 追跡する光線に対して、部分木の各ノー
    ドに設定されたバウンディングボリュームを視点からの
    距離の近い順に動的に並べ換えて、該距離の近い順に部
    分木を探索することを特徴とする請求項1記載の光線追
    跡方法。
  3. 【請求項3】 小領域に投影される物体が同一の物体で
    占められるか否か判定し、同一の物体で占められる場合
    には該小領域内での部分木の探索を省略することを特徴
    とする請求項1あるいは2記載の光線追跡方法。
  4. 【請求項4】 反射・屈折光線については、小領域毎
    に、該小領域から反射・屈折する光線の大多数を包含す
    る角錘あるいは円錐を作り、該角錐あるいは円錐に含ま
    れる物体からなる部分木を動的に作成し、該部分木を利
    用して光線追跡を行うことを特徴とする請求項1、2あ
    るいは3記載の光線追跡方法。
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