JPH07329510A

JPH07329510A - 空気入りタイヤ

Info

Publication number: JPH07329510A
Application number: JP6127796A
Authority: JP
Inventors: Yuji Shimamoto; 勇二島本
Original assignee: Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
Current assignee: Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
Priority date: 1994-06-09
Filing date: 1994-06-09
Publication date: 1995-12-19
Anticipated expiration: 2018-01-14
Also published as: JP3365686B2

Abstract

(57)【要約】【目的】雪路等でのワンダリング性能を向上しつつト
ラクション性能と操安性を確保した空気入りタイヤを提
供する。【構成】トレッド部２に、トレッド縁３に連なるバッ
トレス面４で開口する横溝５を凹設することにより、該
横溝５間で前記トレッド縁３に沿って円周方向に並ぶシ
ョルダブロック６を形成するとともに、前記バットレス
面４からタイヤ軸方向に突出しかつ接地側にショルダブ
ロック６の接地面１０に連なるテーパー面１１を有する
隆起部１２と該隆起部１２の前後に円周方向で階段状の
トレッド縁１３を有するスクウェアー部１４を、前記シ
ョルダブロック６に形成している空気入りタイヤ１であ
る。前記階段状のトレッド縁１３は、隆起部１２の前後
でタイヤ軸方向に位相がずれている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、空気入りタイヤに係
り、特に、ショルダブロックの形状を改善することによ
り雪路、泥ねい路等におけるワンダリング性能及び操縦
安定性を確保しかつトラクション性能を向上したものに
関する。

【０００２】

【従来の技術】スノータイヤのプロファイルは、雪道で
の横すべり防止のためそのショルダブロックは、スクウ
ェアー形状のブロックとされているのが基本である。こ
れでは、ワンダリング性能が悪くなることから、近年で
は、ラウンドショルダブロックとかセミスクウェアーシ
ョルダブロックを採用しつつある。

【０００３】しかし、これらは一長一短があり、ラウン
ドショルダブロックでは雪氷上での横すべりが悪くなる
し、セミスクウェアーショルダブロックではラウンド部
でのわだちの乗り初めは良いが乗り上って行く途中でス
クウェアー部が一度に多く路面に当たるため、その反力
が大きくワンダリング性能が余り良くならないし、この
ため、スクウェアー部を少なくすると横すべりが悪くな
る。

【０００４】斯かる観点からバットレス面で開口する小
幅溝部とバットレス面から突出する隆起部とを夫々備え
た複数の係止部を、ショルダブロックに形成して、トラ
クション作用を発生するとともに雪路走行性能を向上さ
せた空気入りタイヤとして特開平２−１８２５０３号公
報の技術がある（従来例の１）。また、実開平６−１２
１０９号公報で開示されているように、ショルダブロッ
クの円周方向端縁にテーパー面を形成し、横溝との角部
に接地面から溝深さ方向のダイヤカット面を備え、更
に、前記テーパー面を含むショルダブロックに複数のサ
イプを形成した技術がある（従来例の２）。

【０００５】更に、特開平１−２２３００６号公報で開
示されているように、傾斜立面の立上り角が隣り合う階
段状稜線ごとに異なる角度とされて断面先細台形である
とともに、接地面（ブロック外表面）からブロック高さ
の６０％付近から前記傾斜立面のそれぞれが同一立面平
面上に位置するようにしたブロックパターンとした技術
がある（従来例の３）。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前記公報で開示の従来
例の１では、バットレス面から突出する隆起部の進行方
向に向く側面による圧雪路面に形成されたわだち壁面へ
の引っ掻き、削りとり効果によって新たなトラクション
作用を生じさせているが、隆起部に形成したテーパー面
のショルダブロックの接地面との連接縁はトレッド縁よ
りもタイヤ軸方向内方にあるため、ワンダリング性能お
よびエッジ効果が半減するという課題があった。

【０００７】また、従来例の２は、ワンダリング性能と
ショルダブロックの偏摩耗はある程度防止できるが、シ
ョルダブロックのトレッド縁はほぼ円周方向に関して直
線上に配置されていることから、わだち部に当たるとき
の反力が大きくなるという課題が残存している。更に、
従来例の３は、自動車に装着した初期のうちはスノータ
イヤ機能を奏し得るも、ブロックが摩耗してくると普通
タイヤ機能は奏し得るもスノータイヤ機能は期待できな
いという課題がある。

【０００８】そこで本発明は、テーパー面を有する隆起
部と該隆起部の前後に円周方向で階段状のトレッド縁を
有するスクウェアー部を形成し、かつ階段状のトレッド
縁は、隆起部の前後でタイヤ軸方向に位相をずらすこと
により、テーパー面によるワンダリング効果を生かし、
ワンダリング性能を確保した上でトラクション性能及び
操縦安定性を向上させたことを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、トレッド部２
に、トレッド縁３に連なるバットレス面４で開口する横
溝５を凹設することにより、該横溝５間で前記トレッド
縁３に沿って円周方向に並ぶショルダブロック６を形成
するとともに、前記バットレス面４からタイヤ軸方向に
突出しかつ接地側にショルダブロック６の接地面１０に
連なるテーパー面１１を有する隆起部１２と該隆起部１
２の前後に円周方向で階段状のトレッド縁１３を有する
スクウェアー部１４を、前記ショルダブロック６に形成
している空気入りタイヤ１であって前述の目的を達成す
るために、次の技術的手段を講じている。

【００１０】すなわち、請求項１に係る本発明では、前
記階段状のトレッド縁１３は、隆起部１２の前後でタイ
ヤ軸方向に位相がずれていることを特徴とするものであ
る。また、請求項２に係る本発明では、前述した請求項
１に加えて、前記階段状のトレッド縁１３は、隆起部１
２の前後でタイヤ軸方向に位相がずれており、前記階段
状のトレッド縁１３の角部に接地面１０から溝深さ方向
のダイヤカット面２１が形成されていることを特徴とす
るものである。

【００１１】更に、請求項３に係る本発明では、前述し
た請求項１又は２において、前記隆起部１２とこれの前
後のスクウェアー部１４とはショルダブロック６の円周
方向長さをほぼ３等分して配置されており、隆起部１２
には実質的に２つの隆起部１２に等分するサイプ１６が
形成されていることを特徴とするものである。また、請
求項４に係る本発明では、前述した請求項１〜３のいず
れかにおいて、前述したショルダブロック６は、実質的
にイナズマ形状で延伸する細溝１７によって内側ショル
ダブロック６Ａと外側ショルダブロック６Ｂとに分断さ
れており、該外側ショルダブロック６Ｂに前記テーパー
面１１を有する隆起部１２、階段状のトレッド縁１３を
有するスクウェアー部１４が形成されていることを特徴
とするものである。

【００１２】更に、請求項５に係る本発明では、前述し
た請求項４において、前述した請求項４において、前述
した外側ショルダブロック６Ｂの接地面１０にはタイヤ
軸方向外側にタイヤ軸方向で波形の横サイプ１８が形成
されかつタイヤ軸方向内側に円周方向で波形の縦サイプ
１９が形成され、内側ショルダブロック６Ａの接地面１
０にはタイヤ軸方向で波形の横サイプ２０が形成されて
いることを特徴とするものである。

【００１３】

【作用】平坦路での走行中においては、隆起部１２に形
成したテーパー面１１は路面に接することがなく、スク
ウェアー部で横方向（タイヤ軸方向）のグリップを確保
する。特に、階段状のスクウェアー部１５によって大き
なグリップを確保する。一方、雪路等のわだち走行中に
おいては、テーパー面１１が先にわだち路面に沿うこと
で反力が少なくなるとともに、バットレス面４から突出
する隆起部１２の進行方向に向く側面１２Ａによる引っ
掻き、削りとり効果によって新たなトラクション作用が
生じるとともに、階段状のスクウェアー部１５によって
もトラクション作用を生じる。更に、スクウェアー部１
５を階段状に形成し、該階段状のトレッド縁はタイヤ軸
方向に位相がずらされているのでわだちの乗り越え途中
でスクウェアー部１５が一度に多く路面に当たらないの
で、その反力が少なくワンダリング性能を確保すること
ができるとともに操縦安定性及びトラクション性能が大
きくなる。

【００１４】

【実施例】以下、図面を参照して本発明を説明する。図
１は請求項１の本発明に係る空気入りタイヤ１のトレッ
ド部２を斜視図で示しており、トレッド部２には、トレ
ッド縁３に連なるバットレス面４で開口する横溝５を凹
設することにより、該横溝５間で前記トレッド縁３に沿
って円周方向に並ぶショルダブロック６が形成されてい
るとともに、該ショルダブロック６のタイヤ軸方向内側
には、縦溝７等を介してサイドブロック８および図４で
示しているセンターブロック９が形成されている。

【００１５】前記ショルダブロック６には、バットレス
面４からタイヤ軸方向に突出しかつ接地側にショルダブ
ロック６の接地面１０に連接縁を介して連なるテーパー
面１１を有する隆起部１２と、該隆起部１２の前後に円
周方向で階段状のトレッド縁１３を有するスクウェアー
部１４が形成してあり、前記階段状のトレッド縁１３
は、図２で示す如く隆起部１２の前後でタイヤ軸方向に
位相がずらされていて、ここに、横溝５のバットレス面
４で開口する部分はアンチワンダリングポケット１５に
形成されることで横溝５に詰まっている雪の排出を良好
にしている。

【００１６】図２を参照すると、トレッド縁１３のタイ
ヤ軸方向の位相ずれは、Ｄ１を１００とするとＤ１：Ｄ
２は２０：８０〜８０：２０とされ、望ましくは４０：
６０〜６０：４０とされていてわだち部に当たるときの
反力が小さくなり、ワンダリング性能が向上するととも
に雪氷路面での横すべりを確実に少なくして操縦安定性
を向上している。

【００１７】更に、隆起部１２とこれの前後のスクウェ
アー部１４は、図２の符号Ｌ１，Ｌ２，Ｌ３で示す如く
ショルダブロック６の円周方向長さをほぼ３等分、つま
り、Ｌ１≒Ｌ２≒Ｌ３して配置され、隆起部１２はこれ
を実質的に２等分するためのサイプ１６が形成されるこ
とで、偏摩耗を防止しつつワンダリング性能、操縦性お
よびトラクション性能がより一層向上されている。

【００１８】また、図１で示しているように、ショルダ
ブロック６は、実質的にイナズマ形状で延伸する細溝１
７によって内側ブロック６Ａと外側ブロック６Ｂとに分
断されて、ブロック剛性を軟らかくして接地面１０の路
面に対するなじみ性を確保しているとともに、外側ブロ
ック６Ｂに前述したテーパー面１１を有する隆起部１
２、階段状のトレッド縁１３を有するスクウェアー部１
４が形成されている。

【００１９】更に、外側ブロック６Ｂの接地面１０には
タイヤ軸方向で波形の横サイプ１８と円周方向で波形の
縦サイプ１９が形成され、一方、内側ブロック６Ａの接
地面１０にはタイヤ軸方向で波形の横サイプ２０が形成
され、ここに、ショルダブロック６を細溝１７にて分断
したことと各サイプ１８，１９，２０を形成したことに
より、ブロック剛性を適正にしつつ横方向のグリップを
発揮させ得るとともにワンダリング性能、トラクション
性能等を向上している。

【００２０】図３〜図５は本発明の請求項２に係る実施
例であり、図１〜２を参照して既述した構成に、階段状
のトレッド縁１３の角部に接地面１０から溝深さ方向の
ダイヤカット面２１を形成したものであり、該カット面
２１を形成することによって、わだち部に最初に当たる
ブロックエッジ部を線接地から面接地にしてグリップ力
を向上し、ワンダリング性能をより一層向上したもので
あり、その他の構成と作用は、図１〜２を参照して既述
した実施例と共通し、共通する部分は共通符号で示して
いる。

【００２１】ここで、カット面２１の角度θは、２０°
〜７０°とされ、望ましくは３５°〜５５°とされてい
て、グリップ力を向上させている。また、ショルダブロ
ック６、サイドブロック８およびセンターブロック９
は、図４で示す如く縦横にイナズマ形状で延伸する横溝
５と縦溝７とで区画されていて、サイドブロック８およ
びセンターブロック９の接地面にはいずれもタイヤ軸方
向で波形の横サイプ２２が形成されていて、該横サイプ
２２のエッジ効果によってアイスバーンを確実にグリッ
プするようにされている。

【００２２】更に、図６及び図７は本発明の第３実施例
を示しており、階段状のトレッド縁１３のすべての角部
にダイヤカット面２１を形成したものであり、そのカッ
ト角度は２０°〜７０°望ましくは３５°〜５５°とさ
れている。その他は、既述の内容と共通するので、共通
部分は共通符号を示している。なお、図１〜図７におい
て、テーパー面１１はバットレス面４とのなす角度は４
５°〜７５°とされているとともに、隆起部１２とスク
ウェアー部１４との前後境界にはいずれもサイプ２３が
形成されていてそのエッジ効果によってアイスバーンを
確実にグリップするようにされている。

【００２３】

【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、ショルダ
ブロックの係止部を構成する隆起部にはテーパー面を有
することから、一般路上走行中においてテーパー面は路
面に接触することなく、スクウェアー部で横方向グリッ
プを発揮させることができ、該スクウェアー部をショル
ダブロックの前後で階段状に形成しかつこのトレッド縁
をタイヤ軸方向にて位相をずらすことにより、横方向グ
リップ性能とトラクション性能および操安性を併せて向
上でき、一方、圧雪路面等ではテーパー面およびダイヤ
カット面が先にわだち路面に沿うことによって反力が少
なくワンダリング性能を確保しながら、ショルダブロッ
ク前後に形成した階段状のスクウェアー部によって圧雪
路面に形成されたわだち壁面への引っ掻き、削り取り効
果が増長してトラクションが大幅に向上することから本
発明は特に、スノータイヤとして有益である。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１に係る本発明の実施例を示しているト
レッド部の斜視図である。

【図２】図１の要部の平面図である。

【図３】請求項２に係る本発明の第１実施例を示すトレ
ッド部の斜視図である。

【図４】図４の展開平面図である。

【図５】図４の要部の平面図である。

【図６】請求項２に係る本発明の第２実施例を示すトレ
ッド部の斜視図である。

【図７】図６の要部の平面図である。

【符号の説明】

１空気入りタイヤ２トレッド部３トレッド縁４バットレス面５横溝６ショルダブロック１１テーパー面１２隆起部１３階段状のトレッド縁１４スクウェアー部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】トレッド部（２）に、トレッド縁（３）
に連なるバットレス面（４）で開口する横溝（５）を凹
設することにより、該横溝（５）間で前記トレッド縁
（３）に沿って円周方向に並ぶショルダブロック（６）
を形成するとともに、前記バットレス面（４）からタイ
ヤ軸方向に突出しかつ接地側にショルダブロック（６）
の接地面（１０）に連なるテーパー面（１１）を有する
隆起部（１２）と該隆起部（１２）の前後に円周方向で
階段状のトレッド縁（１３）を有するスクウェアー部
（１４）を、前記ショルダブロック（６）に形成してい
る空気入りタイヤ（１）であって、前記階段状のトレッド縁（１３）は、隆起部（１２）の
前後でタイヤ軸方向に位相がずれていることを特徴とす
る空気入りタイヤ。
【請求項２】トレッド部（２）に、トレッド縁（３）
に連なるバットレス面（４）で開口する横溝（５）を凹
設することにより、該横溝（５）間で前記トレッド縁
（３）に沿って円周方向に並ぶショルダブロック（６）
を形成するとともに、前記バットレス面（４）からタイ
ヤ軸方向に突出しかつ接地側にショルダブロック（６）
の接地面（１０）に連なるテーパー面（１１）を有する
隆起部（１２）と該隆起部（１２）の前後に円周方向で
階段状のトレッド縁（１３）を有するスクウェアー部
（１４）を、前記ショルダブロック（６）に形成してい
る空気入りタイヤ（１）であって、前記階段状のトレッド縁（１３）は、隆起部（１２）の
前後でタイヤ軸方向に位相がずれており、前記階段状の
トレッド縁（１３）の角部に接地面（１０）から溝深さ
方向のダイヤカット面（２１）が形成されていることを
特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項３】隆起部（１２）とこれの前後のスクウェ
アー部（１４）とはショルダブロック（６）の円周方向
長さをほぼ３等分して配置されており、隆起部（１２）
には実質的に２つの隆起部（１２）に等分するサイプ
（１６）が形成されていることを特徴とする請求項１又
は２に記載の空気入りタイヤ。
【請求項４】ショルダブロック（６）は、実質的にイ
ナズマ形状で延伸する細溝（１７）によって内側ショル
ダブロック（６Ａ）と外側ショルダブロック（６Ｂ）と
に分断されており、該外側ショルダブロック（６Ｂ）に
前記テーパー面（１１）を有する隆起部（１２）、階段
状のトレッド縁（１３）を有するスクウェアー部（１
４）が形成されていることを特徴とする請求項１〜３の
いずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項５】外側ショルダブロック（６Ｂ）の接地面
（１０）にはタイヤ軸方向外側にタイヤ軸方向で波形の
横サイプ（１８）が形成されかつタイヤ軸方向内側に円
周方向で波形の縦サイプ（１９）が形成され、内側ショ
ルダブロック（６Ａ）の接地面（１０）にはタイヤ軸方
向で波形の横サイプ（２０）が形成されていることを特
徴とする請求項４記載の空気入りタイヤ。