JPH07329494A - 化粧硝子の製造方法、及び化粧硝子 - Google Patents

化粧硝子の製造方法、及び化粧硝子

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JPH07329494A
JPH07329494A JP18651194A JP18651194A JPH07329494A JP H07329494 A JPH07329494 A JP H07329494A JP 18651194 A JP18651194 A JP 18651194A JP 18651194 A JP18651194 A JP 18651194A JP H07329494 A JPH07329494 A JP H07329494A
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JP
Japan
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concavo
uneven
convex
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sheet
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JP18651194A
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English (en)
Inventor
Toshikazu Nishio
俊和 西尾
Yoshiyuki Yamashita
禎之 山下
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】深みのある立体感を極めてシャープに現出で
き、且つ微細な凹凸をも忠実に再現することができる化
粧硝子の製造方法、及び深みのある立体感を有する装飾
性に優れた化粧硝子を提供する。 【構成】硝子基材3の表面側及び/又は裏面側に積層さ
れた凹凸模様形成層2の上に重ねて、凹凸賦形模様1b
が設けられた凹凸賦形シート1をその凹凸賦形模様1b
が凹凸模様形成層2と接するように積層し、凹凸模様形
成層2を形成する樹脂に応じて所定の処理を施した後に
当該凹凸賦形シート1を剥離することにより、該賦形シ
ート1に設けられた凹凸賦形模様1bの凹凸形状を凹凸
模様7として凹凸模様形成層2に賦形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、壁材、硝子
窓、テーブルの天板、又は間仕切り等に用いられる化粧
硝子の製造方法、及び上記のような用途に供される化粧
硝子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、硝子板等の硝子素材に装飾を
施すための手段として、絵柄層等を設けた転写箔を使用
して硝子素材の表面に絵柄を加熱転写するということや
(例えば、特開平3−237034号公報等)、基体シ
ートの凹凸面に樹脂層を設けてなる転写シートを使用し
て該転写シートを被化粧材に加熱転写した後に、基体シ
ートのみを剥離することによって基体シート凹凸面の凹
凸形状が転写された上記樹脂層を凹凸転写層として被化
粧材表面に設けるということ(例えば、特開昭47−2
1210号公報等)等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
者のものは単に絵柄層が転写されるだけであるため、得
られる意匠は平面的で単調なものであって、立体感を表
現することができず装飾性に乏しいものであるという問
題を有していた。また、後者は凹凸形状が転写された凹
凸転写層を被化粧材表面に設けるものであるので、立体
的な意匠を得ることが可能ではあるが、転写層の印刷
時、或いは加熱転写時に転写抜け等の転写不良の発生を
防止するために凹凸模様の形状や深さに制約を受け、転
写される凹凸形状の凹部を深くすることができず、その
深さは精々数μmにすぎない。このため、上記後者の例
にあっては深みのある立体感を現出することができない
という問題を有していた。
【0004】本発明は上記従来技術の欠点を解消するも
のであり、深みのある立体感を極めてシャープに現出で
き、且つ微細な凹凸をも忠実に再現することができる化
粧硝子の製造方法、及び深みのある立体感を有する装飾
性に優れた化粧硝子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明化粧硝子の
製造方法は、硝子基材の少なくとも表面側又は裏面側の
いずれかの面に、フィルム基材の表面に熱硬化性樹脂又
は電離放射線硬化性樹脂からなる凹凸賦形模様を設けた
凹凸賦形シート、及び凹凸模様形成層を、凹凸賦形シー
トに設けられた凹凸賦形模様が凹凸模様形成層と接する
ようにして凹凸賦形シート/凹凸模様形成層/硝子基材
の順に積層し、しかる後凹凸賦形シートを剥離すること
によって該賦形シートに設けられた凹凸賦形模様の凹凸
形状を凹凸模様形成層に賦形することを特徴とする。
【0006】また、本発明方法では硝子基材の表面側及
び裏面側のそれぞれに凹凸賦形シートと凹凸模様形成層
とを積層し、しかる後凹凸賦形シートを剥離することに
よってそれぞれの凹凸賦形シートに設けられた凹凸賦形
模様の凹凸形状を当該凹凸賦型模様が接する凹凸模様形
成層に賦形することもできる。
【0007】そして、本発明方法において凹凸模様形成
層を形成する樹脂は、熱可塑性樹脂であっても、電離放
射線硬化性樹脂であっても良いが、熱可塑性樹脂で凹凸
模様形成層を形成する場合には積層された上記凹凸賦形
シート、凹凸模様形成層、及び硝子基材に加熱プレスを
施した後に凹凸賦形シートを剥離するものとし、電離放
射線硬化性樹脂で凹凸模様を形成する場合には積層され
た上記凹凸賦形シート、凹凸模様形成層、及び硝子基材
に電離放射線を照射した後に凹凸賦形シートを剥離する
ものとする。また、凹凸模様形成層は未硬化の状態でも
常温で固体であり且つ熱可塑性を有する電離放射線硬化
性樹脂で形成することもでき、この場合には積層された
凹凸賦形シート、凹凸模様形成層、及び硝子基材に加熱
プレスを施し、次いで電離放射線を照射した後凹凸賦形
シートを剥離するものとする。
【0008】更に、本発明方法にあっては、凹凸模様形
成層に凹凸形状を賦形した後、当該凹凸模様形成層の凹
凸面上に光輝性層を形成するのが好ましい。
【0009】一方、本発明化粧硝子は、硝子基材の表面
側及び/又は裏面側に、透明熱可塑性樹脂層及び光輝性
層をこの順に積層してなり、透明熱可塑性樹脂層と光輝
性層との界面には凹凸模様が形成されていることを特徴
とする。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。尚、図1は本発明化粧硝子の製造方法の一例
を示す説明図である。
【0011】本発明化粧硝子の製造方法は、硝子基材3
上に積層された凹凸模様形成層2の上に重ねて、凹凸賦
形模様1bが設けられた凹凸賦形シート1をその凹凸賦
形模様1bが凹凸模様形成層2と接するように積層し、
しかる後に当該凹凸賦形シート1を剥離することによ
り、該賦形シート1に設けられた凹凸賦形模様1bの凹
凸形状を凹凸模様7として凹凸模様形成層2に賦形する
というものであって、凹凸模様形成層2を熱可塑性樹脂
で形成した場合には、上記の如く凹凸賦形シート1/凹
凸模様形成層2/硝子基材3の順に順次積層されたこれ
らのものを、図1(a)に示すようにクッション材4、
4で保護しながらプレス上板5aとプレス下板5bとの
間に挟み込み、圧力1〜10kg/cm2 、加熱温度1
30〜150℃、プレス時間40〜60分の条件で硝子
基材3を損傷しないようにして加熱プレスし、その後図
1(b)に示すよう凹凸賦形シート1を剥離すれば良
い。
【0012】尚、積層された凹凸賦形シート1、凹凸模
様形成層2、及び硝子基材3に加熱プレスを施すにあっ
ては、プレス時に凹凸賦形シート1の全面にプレス圧を
均一にかけることができるよう、凹凸賦形シート1とク
ッション材4との間には必要に応じて鏡面板6を介挿さ
せておくのが好ましい。また、得られる化粧硝子の積層
層間に気泡が混入するのを防止するために、凹凸賦形シ
ート1/凹凸模様形成層2の界面、凹凸模様形成層2/
硝子基材3の界面のいづれか一方、或いは両方を真空状
態に吸引しつつ加熱プレスを行うのが好ましい。
【0013】また、本発明における凹凸模様形成層2と
しては、図示するようなフィルム状に形成した熱可塑性
樹脂フィルム等を用い、これを上記したようにして硝子
基材3と凹凸賦形シート1との間に積層するのが作業性
の面から好ましいが、当該凹凸模様形成層2は凹凸賦形
シート1と硝子基材3のいずれか一方、又は両方に熱可
塑性樹脂を塗工することによって形成されたものであっ
ても良い。
【0014】更に、本発明における凹凸模様形成層2
は、電離放射線硬化性樹脂を凹凸賦形シート1と硝子基
材3のいずれか一方、又は両方に熱可塑性樹脂を塗工す
ることによって形成することもでき、この場合には、積
層された凹凸賦形シート1、凹凸模様形成層2、及び硝
子基材3に電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂
を硬化させた後に凹凸賦形シート1を剥離すれば良い。
本発明において凹凸模様形成層2を電離放射線硬化性樹
脂で形成した場合は、硝子基材3への積層時等における
加工性や、得られる化粧硝子の表面スクラッチ性が良い
というような点で好ましい。
【0015】このように、本発明方法は凹凸賦形シート
1と硝子基材3との間に凹凸模様形成層2を介在せしめ
た状態でこれらを積層し、凹凸模様形成層2を形成する
樹脂に応じて所定の処理を施した後に凹凸賦形シート1
を剥離するというものであるので、凹凸賦形シート1に
設けた凹凸賦形模様1bの凹凸形状の微細な凹凸をも忠
実に再現することができ、且つ、凹凸模様形成層2に深
みのある凹凸感を極めてシャープに現出させることがで
きる。
【0016】尚、本発明において、凹凸模様7が形成さ
れる凹凸模様形成層2の厚さは少なくとも凹凸賦形シー
ト1に設けた凹凸賦形模様1bの最大厚みよりも厚けれ
ば良いが、10〜300μmの厚さであるのが好まし
く、より好ましくは50〜200μmである。凹凸模様
形成層2の厚みがこのような範囲から外れると、凹凸模
様形成層2に賦形される凹凸模様7の凹部の深さが充分
なものとならず、当該凹凸模様7の深みのある凹凸感を
充分に現出させることができなくなってしまう虞があ
る。
【0017】また、本発明では図2に示すように硝子基
材3の表面側及び裏面側のそれぞれに凹凸賦形シートと
凹凸模様形成層とを積層し、凹凸賦形シート1′/凹凸
模様形成層2′/硝子基材3/凹凸模様形成層2″/凹
凸賦形シート1″の順に順次積層されたこれらのものに
所定の処理を施した後、凹凸賦形シート1′と凹凸賦形
シート1″とを剥離して、各凹凸賦形シート1′、1″
に設けられた凹凸賦形模様1b′、1b″の凹凸形状を
当該凹凸賦型模様1b′、1b″が接する凹凸模様形成
層2′、2″のそれぞれに賦形することもできる。この
ような態様で本発明方法実施した場合には、硝子基材3
の両面に凹凸模様7′、7″が形成された凹凸模様形成
層2′、2″を有する化粧硝子を得ることができ、必要
に応じて上記凹凸模様7′、7″のパターンを異ならせ
たりすることによって、より変化に富んだおもしろみの
ある意匠を現出させることができる。
【0018】本発明における凹凸模様形成層2を形成す
る熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポ
リビニルブチラール、エチレンビニルアルコール共重合
体等のビニル重合体、ポリメチルアクリレート類、ポリ
メチルメタアクリレート類等の熱可塑性樹脂を挙げるこ
とができるが、硝子基材3との密着性や、硝子基材3が
破損した際の硝子破片の飛散防止効果の点でポリビニル
ブチラールが特に好ましい。また、凹凸模様形成層2を
形成する電離放射線硬化性樹脂としては、凹凸賦形シー
ト1に設ける凹凸賦形模様1bを形成する電離放射線硬
化性樹脂として例示する後述のものから適宜選択するこ
とができる。
【0019】更に、本発明における凹凸模様形成層2
は、未硬化の状態でも常温で固体であり且つ熱可塑性を
有する電離放射線硬化性樹脂(所謂、固相反応型電離放
射線硬化性樹脂)を用いて形成することもでき、この場
合には凹凸賦形シート1と硝子基材3との間に未硬化の
固相反応型電離放射線硬化性樹脂を介在せしめた状態で
これらを積層したものに加熱プレスを施し、次いで電離
放射線を照射して当該樹脂を硬化させた後に凹凸賦形シ
ート1を剥離すれば良い。本発明において凹凸模様形成
層2を固相反応型電離放射線硬化性樹脂で形成した場合
は、得られる化粧硝子の表層に凹凸模様が位置する場合
に、その耐擦傷性に優れるという点で好ましい。
【0020】上記固相反応型電離放射線硬化性樹脂と
は、塗装及び乾燥した際に見かけ上、又は手で触ったと
きにも非流動性(指触乾燥性)であり、且つ非粘着性で
ある塗膜を与える電離放射線硬化性樹脂を主成分とする
ものであって、例えば特開昭61−98599号公報、
特開昭63−132095号公報等に記載の樹脂である
が、具体的には以下に挙げるA、Bの2種類の樹脂を例
示することができる。
【0021】A:ガラス転移温度が0〜250℃のポリ
マー中にラジカル重合性不飽和基を有する樹脂。具体的
には以下の〜を重合もしくは共重合させたものに対
し、後述する(a)〜(d)の方法により、ラジカル共
重合性不飽和基を導入したものである。
【0022】水酸基を有する単量体:N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3フェノキシプロピル(メタ)ア
クリレート等、カルボキシル基を有する単量体:(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモ
ノサクシネート等、エポキシ基を有する単量体:グリ
シジル(メタ)アクリレート等、アジリジニル基を有
する単量体:2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレ
ート、2−アジリジニルプロピオン酸アリル等、アミ
ノ基を有する単量体:(メタ)アクリルアミド、ダイア
セトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート等、スルフォン基を有する単量体:2−
(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォ
ン酸等、イソシアネート基を有する単量体:2,4−
トルエンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートの1モル対1モル付加物等のジイソシ
アネートと活性水素を有するラジカル重合性単量体の付
加物等、更に、上記の共重合体のガラス転移点を調節
したり、硬化膜の物性を調節したりするために、上記の
化合物と、この化合物と共重合可能な以下のような単量
体とを共重合させることができる。
【0023】上記〜の化合物と共重合可能な単量体
としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソ
アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる
【0024】上述のようにして得られた重合体にラジカ
ル重合性不飽和基を導入する方法は、(a)水酸基を有
する単量体の重合体または共重合体の場合には、(メ
タ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する単量体等を
縮合反応させる、(b)カルボキシル基、スルフォン基
を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、前
述の水酸基を有する単量体を縮合反応させる、(c)エ
ポキシ基、イソシアネート基あるいはアジリジニル基を
有する単量体の重合体または共重合体の場合には、前述
の水酸基を有する単量体もしくはカルボキシル基を有す
る単量体を付加させる、(d)水酸基あるいはカルボキ
シル基を有する単量体の重合体または共重合体の場合に
は、エポキシ基を有する単量体あるいはアジリジニル基
を有する単量体あるいはジイソシアネート化合物と水酸
基含有アクリル酸エステル単量体の1対1モルの付加物
を付加反応させる等の方法がある。
【0025】B:融点が常温(20℃)〜250℃であ
り、ラジカル重合性不飽和基を有する化合物。具体的に
はステアリルアクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート、トリアクリルイソシアヌレート、シクロヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、スピログリコールジア
クリレート、スピログリコール(メタ)アクリレートな
どが挙げられる。
【0026】また、前記(1)及び(2)の化合物を混
合して用いることもでき、さらにそれらに対してラジカ
ル重合性不飽和単量体を加えることもできる。このラジ
カル重合性不飽和単量体は電離放射線照射の際、架橋密
度を向上させ、耐熱性を向上させるものであって、前述
の単量体の他にエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレングリコール
ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アク
リレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテル
ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
グリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ソルビト
ールテトラグリシジルエーテルテトラ(メタ)アクリレ
ートなどを用いることができ、電離放射線線硬化性樹脂
100重量部に対して、0.1〜100重量部で用いる
ことが好ましい。
【0027】尚、凹凸模様形成層2を形成する樹脂は上
記したいずれの樹脂を用いる場合であっても、本発明方
法によって得られた化粧硝子の凹凸模様7が、当該化粧
硝子の表裏いずれの側からでも観察することができる程
度の透明性を有するものであるのが好ましい。
【0028】また、本発明において用いられる硝子基材
3としては、ソーダ硝子、カリ硝子、鉛硝子等、通常、
窓硝子や装飾硝子等に用いられる公知の透明な1〜10
mm程度の厚みを有する硝子を例示することができる
が、本発明ではこのような硝子基材3の凹凸模様形成層
2が積層される面に、凹凸模様形成層2と硝子基材3と
を充分に接着させることができるようにするため、イソ
シアネート化合物、イソシアネート化合物とポリオール
化合物からなるポリウレタン、シランカップリング剤、
エポキシ樹脂、アイオノマー、或いはこれらの混合物を
易接着プライマーとして塗工形成しておくのが好まし
い。
【0029】一方、本発明方法における凹凸賦形シート
1としては、例えば、図3に示すようにしてフィルム基
材1aの表面に凹凸賦形模様1bが設けられたものを用
いることができる。
【0030】図示の如き凹凸賦形模様1bをフィルム基
材1aに設ける手段の一例は、所望の凹凸賦形模様1b
に対応する凹部9が刻設された中心軸回りに回転するロ
ール凹版8の側面に、電離放射線硬化性樹脂液10aを
少なくとも上記凹部9に充填されるように塗工するとと
もに、塗工された電離放射線硬化性樹脂液10aに帯状
のフィルム基材1aをロール凹版8の周速度と同期させ
た走行速度で供給しながら、該フィルム基材1aを押圧
ロール13によって電離放射線硬化性樹脂液10aを介
してロール凹版8の側面に接触せしめ、電離放射線硬化
性樹脂液10aがフィルム基材1aとロール凹版8との
間に保持されている間(具体的には、図中の押圧ロール
13と送りロール14との間に位置している時期)に、
電離放射線照射装置12、12から電離放射線を照射し
て電離放射線硬化性樹脂液10aを硬化させた後、電離
放射線硬化性樹脂硬化物10bとフィルム基材1aとを
密着させたまま両者をロール凹版8から離型するという
ものであって、このような手段によれば、フィルム基材
1aの表面に、ロール凹版8の凹凸形状が微細なものま
でも忠実に、且つ良好に再現された凹凸賦形模様1bが
付与された凹凸賦形シート1を得ることができる。
【0031】上記一例において電離放射線硬化性樹脂液
10aをロール凹版8に塗工する手段としては、図示す
るようなインキパン11a、アプリケータロール11
b、及び計量ロール11cとからなる塗工装置11を用
いることができるが、これ以外にも特に図示しないがT
ダイ状のノズル塗工装置等を用いても良い。尚、ロール
凹版8の上方から電離放射線硬化性樹脂液10aを塗工
する場合には、Tダイ状のノズル塗工装置が適してい
る。
【0032】また、電離放射線硬化性樹脂液10a中へ
の気泡混入防止、及び凹部9の凹凸形状の忠実な再現性
の為には、上記樹脂液10aの塗工はロール凹版8側に
することが望ましいが、フィルム基材1aの側に電離放
射線硬化性樹脂液10aを塗工した後、ロール凹版8に
該樹脂液10aの塗工面を押圧することによって凹凸賦
形模様1bを設けることもできる。
【0033】更に、ロール凹版8に電離放射線硬化性樹
脂液10aを塗工する際、該樹脂液10aの流動性をあ
る程度制御するために、溶剤希釈した電離放射線硬化性
樹脂を使用することができる。この場合には、特に図示
しないが温風や赤外線ヒーター等の乾燥装置を用いて、
電離放射線照射装置12から電離放射線を照射する前
に、樹脂液10a中の溶剤を乾燥させておく必要がある
が、このような溶剤希釈した樹脂を用いると使用可能な
樹脂の選択の幅が広がり、これに加えて塗工性の調節も
容易になる。尚、無溶剤の電離放射線硬化性樹脂を用い
る場合は、上記の如き乾燥装置は不要である。また、一
度硬化してロール凹版8に刻設された凹部9より脱離し
た電離放射線硬化性樹脂硬化物10b(即ち、凹凸賦形
模様1b)に、前述の電離放射線照射装置12、12と
は別に設置された電離放射線照射装置(図示せず)から
電離放射線を更に照射して、凹凸賦形模様1bをより充
分に硬化させることもできる。
【0034】本発明において、電離放射線硬化性樹脂と
しては、電離放射線の照射により架橋重合反応が進み高
分子化して固体化(硬化)する樹脂であって、例えば、
分子中に1個以上のアクリロイル基、メタアクリロイル
基、アクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ
基、チオール基等の重合性基を有するポリマー、プレポ
リマー、又は単量体の単体、或いは混合物を主成分とす
るものを用いるのが好ましい。
【0035】上記ポリマーの例としては、ポリメチルア
クリレート、ポリステアリルアクリレート等のアクリレ
ート類、ポリメチルメタアクリレート、ポリステアリル
メタアクリレート等のメタアクリレート類等が挙げられ
る。また、プレポリマーの例としては、ウレタンアクリ
レート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレ
ート等のアクリレート類、ウレタンメタアクリレート、
ポリエステルメタアクリレート、エポキシメタアクリレ
ート等のメタアクリレート類、不飽和ポリエステル等が
挙げられる。更に、単量体の例としては、2−フェノキ
シエチルアクリレート、トリプロピレングリコールジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のア
クリレート類、2−フェノキシエチルメタアクリレー
ト、トリプロピレングリコールジメタアクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサメタアクリレート等のメタアクリ
レート類が挙げられる。
【0036】また、電離放射線硬化性樹脂には、硬化物
の可撓性、表面硬度等の物性を調整するための電離放射
線非硬化性樹脂を添加することができ、該電離放射線非
硬化性樹脂としてはウレタン系、繊維素系、ポリエステ
ル系、アクリル系、ブチラール系、ポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂が用いられ、特に繊維素
系、ウレタン系、ブチラール系が可撓性の点から好まし
い。更に、加熱プレスが終了した後の凹凸模様形成層2
からの剥離が良好になるように、シリコーンオイル等の
離型用添加剤を0.5〜20重量%程度添加するのが好
ましい。
【0037】本発明において、電離放射線とは電磁波ま
たは荷電粒子線のうち分子を重合或いは架橋し得るエネ
ルギー量子を有するものを意味し、このようなものには
可視光線、紫外線、X線等の電磁波、又は電子線等の粒
子線があるが、通常は、紫外線、又は電子線が用いら
れ、上記の如き電離放射線硬化性樹脂を、可視光線や紫
外線で硬化させる場合には、通常、アセトフェノン類、
ベンゾフェノン類、チオキサントン類等の光反応開始剤
を添加しておく。
【0038】電離放射線硬化性樹脂を硬化させるために
用いられる電離放射線照射装置12としては、紫外線を
照射する場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀
灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハ
ライドランプ等の光源を用いることができる。又、電子
線を照射する場合には、コックロフトワルトン型、バン
デグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるい
は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線
加速器等を用いる。尚、電子線を照射する場合、通常1
00〜1000keV、好ましくは100〜300ke
Vのエネルギーを持つ電子を0.1〜30Mrad程度
の照射量で照射するのが好ましい。
【0039】一般に、電離放射線の照射は図示するよう
にフィルム基材1a側から行なわれるが、ロール凹版8
を石英、ガラス等の電離放射線透過性材質により形成し
て、凹版6の内部側より(具体的には、ロール中空内に
設置した照射装置により)照射することもでき、或い
は、フィルム基材1a側及び凹版6内部側の両側から照
射してもよい。但し、フィルム基材1a側から電離放射
線を照射する場合には該フィルム基材1aは電離放射線
透過性である必要がある。
【0040】また、前述のロール凹版8は、クロムメッ
キした銅、鉄等の金属、ガラス、石英、PLZT等のセ
ラミックス、シリコン樹脂等の合成樹脂を用い、光腐食
法、電鋳法、ミル加工法等の公知の方法により凹部9を
刻設することができる。尚、電離放射線照射時のフィル
ム基材1a及び塗工樹脂液10aの熱損傷防止の為、或
いは塗工樹脂液10aの粘度調整の為にロール凹版8の
内部を中空または2重壁とし、その内部に冷水または温
水、冷気または熱気を供給することによりロール凹版8
の版面の温度を調節するのが好ましい。
【0041】本発明においてフィルム基材1aの表面に
設けられる凹凸賦形模様1bは、前述したような電離放
射線硬化性樹脂の他、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジア
リルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、
不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポ
キシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮
合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等の熱硬化性樹
脂で形成しても良く、これらの熱硬化性樹脂には、必要
に応じて架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、
溶剤、粘度調整剤等を添加することもできる。尚、熱硬
化性樹脂を用いて凹凸賦形模様1bを形成する場合は、
電離放射線照射装置12の代わりに温風ヒーターや、赤
外線照射装置等を用いて当該熱硬化性樹脂を加熱硬化さ
せれば良い。
【0042】また、凹凸賦形模様1bを設けるフィルム
基材1aとしては、厚さ12〜200μmのものを用
い、その材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド等、フィルム
強度や、耐熱性の高いものを挙げることができ、前述し
たように必要に応じて電離放射線透過性のものを適宜選
択する。
【0043】更に、本発明では凹凸賦形シート1と凹凸
模様形成層2との剥離性を促進するために、凹凸賦形シ
ート1の凹凸賦形模様1b側に、必要に応じて離型層を
設けることもできる。このような離型層としては、フッ
素系樹脂、各種ワックス、シリコーン等の離型剤を公知
のビヒクル、例えばアクリル系樹脂、繊維素系樹脂、ビ
ニル系樹脂等に添加した塗料の塗膜を形成したり、離型
性の樹脂、例えばフッ素系樹脂、シリコーン、メラミン
系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、電離放射線架橋型の多
官能アクリレート、ポリエステル、エポキシ等の樹脂を
塗工、エクストルージョンコート等で製膜したものを設
ければ良い。
【0044】本発明では、上記凹凸賦形模様1b、即
ち、該凹凸賦形模様1bにより凹凸模様形成層2に賦形
される凹凸模様7として、各種の凹凸形状や、艶のもの
が使用でき、例えば木目、石目、布目、砂目等の天然物
の凹凸形状を模したもの、文字記号、万線模様、各種抽
象模様、各種艶消し表面、鏡面光沢等の凹凸模様を適用
することができる。尚、ここでいう万線模様とは、万線
状、即ち平行な直線群又は曲線群状の溝を形成する凹部
及び凸部の集合体よりなるものである。
【0045】凹凸模様7(凹凸賦形模様1b)の具体例
としては、図6に示すような閉曲線17で区劃された領
域18の中に万線状の溝を有し、且つ任意の辺を介して
隣接する2区劃の万線どうしが走行方向を常に異なるよ
うに複数連結させたものが挙げられる。このような模様
は、各区劃が異なった艶の模様に見え、また、視差によ
って各区劃の光沢が変化する意匠を有しており、1つの
態様として、隣接する領域18の境界部分を万線状溝を
形成していない帯状領域(土手)とすることもできる。
この態様の場合には、隣接する区劃領域18の境界が明
瞭となり、また製版時の単位領域の繋ぎや修正も容易と
なる。
【0046】特に、平行な直線群又は曲線群を光沢の変
化の模様として認識するためには、凸部の幅d1 、凹部
の幅d2 、及び凹部の深さd3 が0.1〜100μm、
より好ましくは5〜60μmであり、隣接する区劃内の
万線の走行方向が5°以上異なっているのが好ましい。
また、任意の辺を介して隣接する2区劃の万線どうしが
走行方向を常に異なるようにするためには、位相幾何学
の4色問題の定理から、走行方向の種類は4種類が必要
十分である。
【0047】また、木目の照りを表現するのに最適な態
様としては、万線状溝として図8(a)に示すように正
弦波の如き波状曲線を多数平行に並べた曲線群よりなる
ものを用いたものを選択するのが好ましく、波状曲線と
しては、正弦波の他、楕円関数、ベッセル関数、サイク
ロイド等の関数曲線、オシロスコープで測定した音声信
号波形等の測定データ曲線等を利用することができ、各
曲線間の間隔は、その全てが同一の間隔であっても、或
いは、不揃いの間隔であっても良い。
【0048】波状万線状溝を用いて木目板材の外観を再
現するために、硝子基材3上には、必要に応じて図8
(b)に示すような木目模様の絵柄層16を形成してお
くのが好ましく、特に、図示するように波状曲線の走行
方向(例えば、Y=sinXの場合のX軸方向)と木目
の走行方向とを略直交させると、視線方向をずらした時
の光沢の移動が天然木(特に、柾目材)のそれと極めて
類似し、該波状万線状溝によって木目特有の照り、即ち
光沢及び光沢の光源入射方向や観察視線方向による変化
を忠実に再現できる。尚、図8(c)は波状万線状溝と
木目模様とを組み合わせたものである。
【0049】必要に応じて形成される上記絵柄層16
は、公知の顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安
定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等をビヒクルに必要に応じ
て適宜混合した印刷用インキにて印刷形成することがで
きる。上記ビヒクルとしては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、電離放射線硬化性樹脂等の中から必要な物性、印刷
適性等に応じて適宜選択したものを使用することができ
る。また、顔料としては、通常使用される有機系または
無機系の顔料が使用できる。希釈溶剤としてはビヒクル
の樹脂、顔料等の着色剤、その他添加物の溶解、分散能
力があり、また適度な乾燥性を有する液体溶剤が使用さ
れるが、一般には、溶解度パラメータがビヒクルと近似
する液体溶剤を選定するのが溶解性の点から好ましい。
尚、絵柄層16は、一部にパターン状(例えば木目、布
目、図形、文字等の絵柄模様)に設けても、硝子基材3
の全面に設けても良いが、部分的に設けるのは絵柄の一
部(例えば、木目柄の照り部分)を特に強調させた場合
等であり、全面的に設けるのはベタ状の絵柄模様におい
て全体的にパール感や干渉的外観を現出させる場合等で
ある。該絵柄層16は、グラビア印刷、シルクスクリー
ン印刷等の公知の印刷法を用いて、凹凸模様形成層2、
及び/又は硝子基材3上に設けることができる。
【0050】また、杢(即ち、瘤状、斑点状、節穴状、
又は渦状の木目)の照りを表現するためには、図9の如
く閉曲線17で区画された領域18内に波状万線溝を有
する形状を採用するのが最適である。
【0051】本発明方法では、波状曲線状万線の有する
光沢をより強調するために、透明樹脂バインダー中に光
輝性顔料を分散させた塗料を、凹凸模様形成層2に賦形
された凹凸模様7の表面に、図4及び図5に示すように
少なくとも該凹凸模様7の凹部に充填されるように塗工
してなる光輝性層15を形成するのが好ましい。
【0052】上記バインダー樹脂としては、アクリル
系、セルロース系等の熱可塑性樹脂でも良いが、上記光
輝性層15は得られた化粧硝子の表面保護層としての機
能も有するため、耐薬品性、耐摩耗性等の点から、前述
の如き熱硬化性樹脂や、電離放射線硬化性樹脂等の硬化
性の樹脂が好ましい。
【0053】また、光輝性顔料としては、アルミニウ
ム、銅、真鍮等の金属の粉末又は箔片や、金属薄片や金
属蒸着合成樹脂フィルムの細断片等の金属光沢を有する
顔料、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩化ビスマス
等の鱗片状箔片からなる真珠光沢や干渉光沢を有する顔
料、或いは、例えばポリエステル樹脂層とアクリル樹脂
層のように屈折率の異なる2種以上の樹脂層を数μm以
下程度の厚みで多数積層して、光の干渉による虹彩色を
生じさせたフィルムを細断した箔粉からなる顔料等が挙
げられる。尚、必要に応じて光輝性層15上には、透明
樹脂層を表面保護層として設けたり、隠蔽性顔料を含ん
だ隠蔽性樹脂層を形成したりすることもできる。
【0054】次に、本発明化粧硝子について説明する。
尚、図4は本発明化粧硝子の一例を示す断面図である。
【0055】本発明化粧硝子は、図4に示すように凹凸
模様7を有する透明凹凸模様形成層2が硝子基材3上に
積層され、更に、上記凹凸模様7の表面には、少なくと
も該凹凸模様7の凹部に充填されるように塗工された光
輝性層5が形成されたものであって、硝子基材3の表面
に透明凹凸模様形成層2、及び光輝性層15を順次積層
し、透明凹凸模様形成層2と光輝性層15との界面には
凹凸模様7が形成されているという構成を有しており、
例えば、前述の如き方法によって得ることができる。
【0056】本発明化粧硝子は、硝子基材3上に積層さ
れた透明凹凸模様形成層2と、光輝性層15との界面に
凹凸模様7が形成されたものであるから、化粧硝子の表
面側からであっても、裏面側からであっても、凹凸模様
7を観察することができ、化粧硝子に入射してきた光を
乱反射する光輝性層15によって、化粧硝子内部の樹脂
層2と光輝性層15との界面に形成された凹凸模様7の
凹凸形状が鮮明にきわ立ち、厚み方向に変化に富んだ深
みのあるシャープな凹凸感が現出し、立体感のある極め
て装飾性に優れたものである。
【0057】また、本発明化粧硝子は凹凸模様7が化粧
硝子の内部に形成されているため、該凹凸模様7が摩耗
したり、その凹部に汚れが溜まったりする等して凹凸模
様7が劣化してしまうといった虞がなく耐久性にも優れ
たものである。
【0058】更に、本発明化粧硝子は、その界面に凹凸
模様7が形成されるように積層された透明凹凸模様形成
層2と光輝性層15とを、硝子基材3の表面側、及び両
面側の両方に有するものであっても良く、必要に応じて
硝子基材2の表面側に位置する凹凸模様7′と、裏面側
に位置する凹凸模様7″のパターンを異ならせたりする
ことによって、より変化に富んだおもしろみのある意匠
を有する化粧硝子となる。
【0059】また、本発明化粧硝子における樹脂層2、
硝子基材3、及び光輝性層15の材質等は、前述した方
法において用いられるものと同様のものを用いることが
できるが、凹凸模様形成層2の材質としてポリビニルブ
チラールを選択すれば、樹脂層2と硝子基材3との密着
性を良好なものとすることができるとともに、硝子基材
3が破損した際の硝子破片の飛散を最小限に軽減するこ
とができる。
【0060】最後に、本発明の具体的実施例を示して本
発明を更に詳細に説明する。
【0061】〔実施例1〕金属製ロール凹版の凹部に充
填されるように、該ロール凹版に紫外線硬化性樹脂(D
A−513;浅井物産製)を塗工するとともに、塗工さ
れた樹脂に易接着処理が施された厚さ50μmの2軸延
伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(HP−7;帝
人製)を接触させ、これにラインスピード10m/mi
n.のもとで高圧水銀灯ランプ(160W/m2灯)に
より紫外線を照射し、上記樹脂を硬化せしめてフィルム
上に凹凸賦形模様が設けられた凹凸賦形シートを得た。
【0062】次に、厚さ5mmの硝子板(旭硝子製)の
表面にシランカップリング剤を塗工することによってプ
ライマー処理を施し、この硝子板のプライマー処理面に
ポリビニルブチラールフィルム(F−100;旭硝子
製)を積層し、更に、該フィルムの上に、上記凹凸賦形
シートを凹凸賦形模様が設けられた側から積層し、次い
で凹凸賦形シート/ポリビニルブチラールフィルム/硝
子板の順に積層されたこれらのものに加熱プレスを施し
た。このとき、加熱プレスは10kg/cm2 以内の極
めて低い圧力で行い、4℃/分の昇温速度で常温から1
30℃まで昇温させた後すぐに水冷により冷却して常温
にもどりしだいプレスを開放した。
【0063】加熱プレス終了後凹凸賦形シートのみを剥
離し、次いで、ポリビニルブチラールフィルムに賦形さ
れた凹凸模様の上に、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体バ
インダーにアルミニウム箔片を混入せしめた光輝性塗料
を塗工し、凹凸模様がその内部の樹脂層と光輝性層との
界面に形成されている化粧硝子を製造した。
【0064】〔実施例2〕実施例1と同様にして異なる
凹凸賦形模様が設けられた2種類の凹凸賦形シートA、
Bを得た。
【0065】次に、実施例1で用いたものと同じ硝子板
の表裏両面にシランカップリング剤を塗工することによ
ってプライマー処理を施し、この硝子板の表面側と裏面
側のそれぞれに同じく実施例1で用いたものと同じポリ
ビニルブチラールフィルムを介して上記凹凸賦形シート
A、Bを凹凸賦形模様が設けられた側から積層し、次い
で凹凸賦形シートA/ポリビニルブチラールフィルム/
硝子板/ポリビニルブチラールフィルム/凹凸賦形シー
トBの順に積層されたこれらのものに加熱プレスを施し
た。このとき、加熱プレスは2kg/cm2 の圧力で行
い、30分の間に常温から140℃になるよう昇温させ
た後、30分かけて30℃まで冷却してからプレスを開
放した。
【0066】加熱プレス終了後凹凸賦形シートA、Bの
みを剥離し、次いで、硝子基材の表面側と裏面側のそれ
ぞれに位置するポリビニルブチラールフィルムに賦形さ
れた凹凸模様の上に、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体バ
インダーにアルミニウム箔片を混入せしめた光輝性塗料
を塗工し、凹凸模様がその内部の樹脂層と光輝性層との
界面に形成されている化粧硝子を製造した。
【0067】得られた化粧硝子はいずれも、表面側から
であっても、裏面側からであっても凹凸模様を観察する
ことができ、しかも、その凹凸模様は厚み方向に変化に
富んだ深みのある凹凸感を現出するものであった。ま
た、実施例1で得られた化粧硝子は硝子板側から見たと
きには深みのある立体感とともに奥行きをも再現されて
いるものであり、実施例2で得られた化粧硝子は表面側
の凹凸模様と裏面側の凹凸模様とが相俟ってより変化に
富んだおもしろみのある意匠を有するものであった。更
に、いずれの化粧硝子においても樹脂層と硝子板との密
着性は良好なものであり、当該化粧硝子に鉄球を落下し
て破壊しても硝子破片の飛散はみられなかった。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明化粧硝子の
製造方法によれば、従来行われていたような加熱転写に
よる凹凸模様の転写形成とは異なり、凹凸模様の形状や
深さに制約を受けることがなく凹凸模様の凹部を深くす
ることが可能となり、凹凸の深みのある立体感を極めて
シャープに現出することができ、且つ、微細な凹凸をも
忠実に再現することがでる。
【0069】また、硝子基材の表面側及び裏面側のそれ
ぞれに凹凸賦形シートと凹凸模様形成層とを積層して所
定の処理を施した後、凹凸賦形シートを剥離して各凹凸
賦形シートに設けられた凹凸賦形模様の凹凸形状を当該
凹凸賦型模様が接する凹凸模様形成層のそれぞれに賦形
するという態様で本発明方法を実施すれば、硝子基材の
両面に凹凸模様が形成された凹凸模様形成層を有する化
粧硝子を得ることができ、より変化に富んだおもしろみ
のある意匠を現出させることができる。
【0070】更に、本発明方法では、凹凸模様形成層に
賦形した凹凸模様の表面に光輝性層を形成することによ
って、凹凸模様の有する光沢をより強調することがで
き、これによってより優れた装飾性を得ることができ
る。
【0071】一方、本発明化粧硝子は、硝子基材上に積
層された透明凹凸模様形成層と、光輝性層との界面に凹
凸模様が形成されたものであるから、化粧硝子の表面側
からであっても、裏面側からであっても、凹凸模様を観
察することができ、化粧硝子に入射してきた光を乱反射
する光輝性層によって、化粧硝子内部の樹脂層と光輝性
層との界面に形成された凹凸模様の凹凸形状が鮮明にき
わ立ち、厚み方向に変化に富んだ深みのあるシャープな
凹凸感が現出し、立体感のある極めて装飾性に優れたも
のである。
【0072】また、本発明化粧硝子を、その界面に凹凸
模様が形成されるように積層された透明凹凸模様形成層
と光輝性層とを硝子基材の表面側、及び両面側の両方に
形成してなるものとすれば、本発明化粧硝子はより変化
に富んだおもしろみのある意匠を有するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明化粧硝子の製造方法の一例を示す説明図
である。
【図2】本発明化粧硝子の製造方法の他の一例を示す説
明図である。
【図3】凹凸賦形シートを得るための手段の一例を示す
説明図である。
【図4】本発明化粧硝子の一例を示す断面図である。
【図5】本発明化粧硝子の他の一例を示す断面図であ
る。
【図6】凹凸模様の一例を示す概略図である。
【図7】凹凸模様の一例を示す断面図である。
【図8】凹凸模様の他の一例を示す概略図である。
【図9】凹凸模様の他の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 凹凸賦形シート 1a フィルム基材 1b 凹凸賦形模様 2 凹凸模様形成層 3 硝子基材 5a プレス上板 5b プレス下板 7 凹凸模様 15 光輝性層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硝子基材の少なくとも表面側又は裏面側の
    いずれかの面に、フィルム基材の表面に熱硬化性樹脂又
    は電離放射線硬化性樹脂からなる凹凸賦形模様を設けた
    凹凸賦形シート、及び凹凸模様形成層を、凹凸賦形シー
    トに設けられた凹凸賦形模様が凹凸模様形成層と接する
    ようにして凹凸賦形シート/凹凸模様形成層/硝子基材
    の順に積層し、しかる後凹凸賦形シートを剥離すること
    によって該賦形シートに設けられた凹凸賦形模様の凹凸
    形状を凹凸模様形成層に賦形することを特徴とする化粧
    硝子の製造方法。
  2. 【請求項2】硝子基材の表面側及び裏面側のそれぞれに
    凹凸賦形シートと凹凸模様形成層とを積層し、しかる後
    凹凸賦形シートを剥離することによってそれぞれの凹凸
    賦形シートに設けられた凹凸賦形模様の凹凸形状を当該
    凹凸賦型模様が接する凹凸模様形成層に賦形する請求項
    1記載の化粧硝子の製造方法。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂で凹凸模様形成層を形成する
    とともに、積層された凹凸賦形シート、凹凸模様形成
    層、及び硝子基材に加熱プレスを施した後凹凸賦形シー
    トを剥離する請求項1、又は2記載の化粧硝子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】電離放射線硬化性樹脂で凹凸模様形成層を
    形成するとともに、積層された凹凸賦形シート、凹凸模
    様形成層、及び硝子基材に電離放射線を照射した後凹凸
    賦形シートを剥離する請求項1、又は2記載の化粧硝子
    の製造方法。
  5. 【請求項5】未硬化の状態でも常温で固体であり且つ熱
    可塑性を有する電離放射線硬化性樹脂で凹凸模様形成層
    を形成するとともに、積層された凹凸賦形シート、凹凸
    模様形成層、及び硝子基材に加熱プレスを施し、次いで
    電離放射線を照射した後凹凸賦形シートを剥離する請求
    項1、又は2記載の化粧硝子の製造方法。
  6. 【請求項6】凹凸模様形成層に凹凸形状を賦形した後、
    当該凹凸模様形成層の凹凸面上に光輝性層を形成する請
    求項1、2、3、4又は5記載の化粧硝子の製造方法。
  7. 【請求項7】硝子基材の表面側及び/又は裏面側に、透
    明熱可塑性樹脂層及び光輝性層をこの順に積層してな
    り、透明熱可塑性樹脂層と光輝性層との界面には凹凸模
    様が形成されていることを特徴とする化粧硝子。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012210742A (ja) * 2011-03-30 2012-11-01 Dainippon Printing Co Ltd 化粧板及び化粧板の製造方法
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WO2021085084A1 (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 Agc株式会社 凹凸構造体および積層体
CN114701152A (zh) * 2022-04-13 2022-07-05 无锡同力塑胶贸易有限公司 一种装饰材料的制备方法及其应用

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