JPH07329311A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH07329311A
JPH07329311A JP12596994A JP12596994A JPH07329311A JP H07329311 A JPH07329311 A JP H07329311A JP 12596994 A JP12596994 A JP 12596994A JP 12596994 A JP12596994 A JP 12596994A JP H07329311 A JPH07329311 A JP H07329311A
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filter
ink
recording
valve member
dust removing
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JP12596994A
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Inventor
Keisuke Matsuo
圭介 松尾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回復動作時には如何なる場合でも弁をフィル
タに密着させて、確実に気泡の除去を図る。 【構成】 インクジェット記録装置は、微小なごみやイ
ンクからの析出物を通過させないフィルタ1と、インク
2の流れに応じて漂うように揺れ動くことが可能な、フ
ィルタ1の面積よりも小さい弁部材7と、フィルタ1と
で弁部材7の中央部を保持するための保持部材30とを
有するごみ除去装置20を少なくとも備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に関し、特にインク流路中のごみを除去するごみ除去
装置を備えたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置に代表さ
れるような、微小な断面積を有する液路に記録液(以
下、「インク」と称する)を供給する装置においては、
流路中のごみやインクからの析出物、さらには気泡によ
る流路の目詰まりを防止する必要があった。
【0003】このような装置では、ごみや析出物、さら
には気泡などにより、インク液滴を吐出するための吐出
口を詰まらせないために、インクタンクからインクを共
通液室を介して吐出口まで供給するインク供給系に、微
小なごみや気泡を除去するフィルタを有するごみ除去装
置が取り付けられている。
【0004】図5および図6は、このような従来のイン
クジェット記録装置に備えられたごみ除去装置の全体構
成を示す摸式的断面図である。
【0005】これらの図に示されるごみ除去装置12
0,121は、インクを還流させて目詰まりの回復処理
を行なう構成に用いられる。
【0006】ところで、インクの還流によって気泡を除
去する構成は、回復時にポンプによりインクタンクから
インク往路を介して記録ヘッドにインクを圧送し、さら
にこの圧送により記録ヘッドからインク復路を介してイ
ンクタンクにインクを還流させるものである。この還流
によりインク往路およびインク復路や記録ヘッド内に存
在する気泡はインクタンクに戻され、このインクタンク
において大気中に放出される。
【0007】この時、気泡は、上記のインク往路やイン
ク復路の途中に設けられるごみ除去装置のフィルタを通
過しなければならない。一方、記録時にインクタンクか
らインク往路を介して記録ヘッドにインクを供給する場
合には、一般にポンプによる圧送を行なわず、記録ヘッ
ド等のインクに対する毛管力等によってインクの供給が
行なわれる。そして、この際にはごみ除去装置のフィル
タを気泡が通過してはならない。
【0008】その理由は、もしも気泡が記録ヘッド内に
入り吐出口側のインク流路に存在すると、吐出が不安定
となり、最悪の場合にはインク不吐出の原因となるから
である。
【0009】図5に示した、従来のごみ除去装置120
は、上記のようなフィルタに関する条件を満足するもの
ではなかった。すなわち、図5において矢印aの方向か
ら流入されたインク102は、流入チューブ121を介
してフィルタ101を有するごみ除去装置120に送ら
れる。ごみ除去装置120の流路103を流れるインク
102は、10μmφよりも大きなごみなどを通過させ
ないフィルタ101によって濾過される。このフィルタ
101によりインク102中のごみ104は、フィルタ
101の上流側である矢印a側に溜る。この時、ごみは
流出チューブ122にあたる下流側である矢印b側には
流れない。
【0010】このような従来のごみ除去装置120に対
して、前述した気泡がインク流路中に混入しているとき
には、ポンプにより圧送する場合にも記録時にもごみや
インクの析出物と同様にフィルタ101の上流側に溜
り、気泡除去が効果的になされないという問題があっ
た。
【0011】また、フィルタ101の上流側に滞留する
微小気泡は互いに結合してさらに大きな気泡105とな
る。
【0012】このように大きく成長した気泡105は、
以下に示すような問題をも派生させる。すなわち、フィ
ルタ101の有効濾過面積を小さくしてしまい、ごみ除
去装置120を流れるインクの流れ抵抗を増大させて濾
過能力を低下させてしまう。そこで、図5に示したごみ
除去装置120の問題点を解決するために考えられたも
のとして、図6に示したごみ除去装置121がある。図
6において、図5と同一の構成要素には同一の符号を付
し、その説明は省略する。
【0013】図6に示される、ごみ除去装置121は、
フィルタ101に多少の気泡が付着しても濾過能力が余
り低下しないようにフィルタ101の絶対面積を広くし
たものである。ところが実験を行なってみると、フィル
タ101の面積を大きくした構成のごみ除去装置121
においても、流れるインク102中に気体が混入してい
た場合には、上流側のフィルタ101に溜まる気泡10
5がさらに大きくなるばかりで、フィルタ101の有効
濾過面積は、フィルタ101の面積を広くするのに比例
して大きくならないことが確かめられた。
【0014】また、図6に示したごみ除去装置121
は、図5に示したごみ除去装置よりも大型化してしまう
という問題も生じる。このことは装置を小型にしたいと
いう要望に反する。
【0015】さらに、微小なごみを通過させないフィル
タ部材は高価であるので、フィルタ101の面積を大き
くすることはそれだけコストがかかることになる。
【0016】このような気泡による問題点に関して、先
願発明(特願平4−61950号参照)において、前述
の加圧回復時にフィルタの高圧側(上流側)に密着する
弁を設ける事が考えられている。
【0017】これによれば、記録時には前後の圧力差を
小として気泡の通過を阻止するために弁を開いた状態と
し、加圧回復時にはフィルタ前後の圧力差を大きくして
気泡を効果的に通過させるために弁をフィルタ表面に密
着させている。
【0018】図7および図8は、このような従来のイン
クジェット記録装置に備えられたごみ除去装置の全体構
成を示す摸式的断面図である。これらの図においても、
図5と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明
は省略する。
【0019】図7に示される弁107は、ごみ除去装置
122のフィルタ101の隅部付近で開閉支持された、
フィルタ101表面に密着可能なものである。
【0020】記録時にはインクは矢印aの方向から矢印
bの方向へゆっくり流れる為、弁107はフィルタ10
1表面に密着しないで、フィルタ101隅部付近の支持
部を中心に揺れ動く。この時、フィルタ101前後の圧
力差は小さいので、気泡はフィルタ101を通過しな
い。
【0021】一方、加圧回復時にはインクは矢印aの方
向から矢印bの方向へ早く流れる為、弁107は矢印c
方向に移動してフィルタ101表面に密着する(図7
中、二点鎖線で示してある)。この時、フィルタ101
の有効濾過面積は小さくなって、フィルタ101の前後
の圧力差が大きくなるので、気泡は、フィルタ101
の、弁107が密着されていない部分より通過すること
ができる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、詳細な
観察の結果、上記構成のごみ除去装置において加圧回復
処理を行なう際には、図8に示すように気泡が弁の下流
側とフィルタの間に侵入し、弁がフィルタに密着せず気
泡除去が困難になる場合があることが判った。
【0023】気泡が弁の下流側に侵入した場合、この気
泡を除去できないのは、弁が、フィルタ隅部付近で開閉
支持された、フィルタ面積より若干小さい面積をもつ単
一の平面板である為である。
【0024】つまり、弁の下流側に侵入した大きな気泡
は表面張力の影響で、弁とハウジング(ごみ除去装置を
構成する壁部)間における狭小な隙間から弁の上流側へ
逃げ出すことができず、その結果、弁は開いたままで、
フィルタ前後の圧力差は小さいので、気泡はフィルタを
通過することもできずにフィルタと弁の間に溜まること
になる。
【0025】また、ごみ除去装置の内壁に接合部などの
突起(不図示)がある場合、この突起に弁がひっかか
り、上記と同様に弁がフィルタに密着せず、気泡除去が
できない場合もあることが判った。
【0026】本発明は、上記従来技術の実情に鑑み、加
圧回復時には如何なる場合でも弁をフィルタに密着させ
て、確実に気泡の除去を図ることができるインクジェッ
ト記録装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、記録液を吐出するための記録ヘッドと、該
記録ヘッドに供給する記録液を貯留する記録液タンク
と、該タンクと前記記録ヘッドとの間にて前記記録液を
循環させるための二つの流路と、該各流路にそれぞれ配
設された、フィルタを有するごみ除去装置と、前記記録
ヘッドの回復処理時に前記各ごみ除去装置のうちの一方
へ前記タンク内の記録液を圧送するための圧力発生手段
と、を少なくとも備えたインクジェット記録装置におい
て、前記ごみ除去装置には、前記圧力発生手段の動作時
に前記フィルタ表面に密着する弁部材と、前記フィルタ
とで前記弁部材の一部を保持する保持部材と、がさらに
設けられていることを特徴とする。
【0028】このインクジェット記録装置において、前
記弁部材は、前記フィルタの面積よりも小さいことを特
徴とするものであり、前記弁部材は、前記記録液の流れ
に応じて漂うように揺れ動くものがあり、この弁部材に
はPPSフィルムが挙げられる。
【0029】さらに、前記インクジェット記録装置にお
いて、前記弁部材は前記記録液の流れが無い時には上流
側に凹型の形状をしたものであり、前記フィルタは平面
形状のものであることを特徴とするものや、前記弁部材
は前記記録液の流れが無い時には平面形状のものであ
り、前記フィルタは上流側に凸型の形状をしたものであ
ることを特徴とするものや、前記記録ヘッドが、インク
吐出用の熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を
備えていることを特徴とし、前記記録ヘッドが、前記電
気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより、イ
ンクに生ずる膜沸騰を利用して吐出口よりインクを吐出
させることを特徴とするものであってもよい。
【0030】
【作用】上記のとおりに構成された本発明では、加圧回
復処理の際、圧力発生手段によって記録液をごみ除去装
置へ圧送させると、ごみ除去装置内における記録液の流
れは早くなる。この時、弁部材はフィルタの下流側に流
されて、ついにはフィルタ表面と密着する。
【0031】また、たとえ弁部材の下流側に気泡が侵入
していても、弁部材はフィルタの中央部で保持されてい
るので、弁部材の、気泡が付着していない部分はフィル
タの下流側に流されてフィルタ表面と密着し、その結
果、フィルタの有効濾過面積を小さくする。
【0032】これらの事により、フィルタ前後の圧力差
は大きくなるので、フィルタ上流側に溜まった気泡はフ
ィルタを通過する。したがって、如何なる場合でも気泡
除去が図れ、記録時のインク吐出が安定する。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0034】(第1の実施例)図1は、本発明のインク
ジェット記録装置に備えられるごみ除去装置の第1の実
施例を示す摸式的断面図である。
【0035】本実施例のごみ除去装置は、図1に示すよ
うに、微小なごみやインクからの析出物を通過させない
フィルタ1と、インク2の流れに応じて漂うように揺れ
動くことが可能な、フィルタ1の面積よりも小さい弁部
材7と、フィルタ1とで弁部材7の中央部を保持するた
めの保持部材30とを備えている。この弁部材7は、そ
の中央部が保持部材30によってフィルタ1に押し付け
られることで保持されているが、その弁部材7の中央部
以外はフィルタ1に密着しておらず、記録時に必要なイ
ンクの流れを妨げることはない。なお弁部材7として
は、例えばPPSフィルムが挙げられる。また、弁部材
7は、フィルタ1の有効濾過面積を妨げない為にも一点
で保持されることが好ましい。
【0036】このような構成の、ごみ除去装置20は、
流入チューブ21と流出チューブ22の間に設置されて
おり、インク2は図1中矢印a側の流入チューブ21か
ら流路3に流れ込み、フィルタ1を通過して図1中矢印
b側の流出チューブ22へと流れ出る。
【0037】ところで、記録時にはインク2は矢印aの
方向から矢印bの方向へゆっくり流れる。この場合、弁
部材7は若干フィルタ1側に揺れ動くもののフィルタ1
には密着しない。この時のフィルタ1の有効面積は弁部
材7がない場合と同じである。この状態では、フィルタ
前後の圧力差は僅かであり、微小気泡はフィルタ1を通
過しない。
【0038】一方、加圧回復時にはポンプの圧送によっ
てインク2は矢印aの方向から矢印bの方向へ早く流れ
る。この場合には、弁部材7は矢印c方向、すなわちフ
ィルタ1側に流され、その多くはついにはフィルタ1表
面に密着する。この時のフィルタ1の有効面積、すなわ
ち弁部材7がフィルタ表面を覆っていない面積は、弁部
材7がない場合と比較して約1/6となる。また、たと
え弁部材7の下流側に気泡が侵入していても、弁部材7
がフィルタ1の中央部で保持されているので、弁部材7
の、気泡が付着していない部分はフィルタ1の下流側に
流されてフィルタ1表面と密着し、フィルタ1の有効濾
過面積を小さくする。
【0039】これらの状態ではフィルタ1前後に大きな
圧力差が生じるので、気泡はフィルタ1を通過する。こ
の結果、加圧回復時には効果的に気泡の除去が可能とな
る。図2は、図1に示したごみ除去装置を備えたインク
ジェット記録装置の供給回復系を示す摸式的斜視図であ
る。
【0040】インクジェット記録装置の供給回復系は、
図2に示すように、インク15を収容したインクタンク
8を備えており、インクタンク8内には、2本のチュー
ブ216,217が配設されている。このうち一方のチ
ューブ216は、ギアポンプ9および図1に示したもの
と同様のごみ除去装置213を介して記録ヘッド14の
一端部に接続されて、記録ヘッド14の共通液室(不図
示)内に通じている。また、他方のチューブ217は、
図1に示したものと同様のごみ除去装置213を介して
記録ヘッド14の他端部に接続されて記録ヘッド14の
共通液室(不図示)へ通じている。
【0041】ギアポンプ9には、不図示のモータが備え
られており、そのモータにはスイッチ11におけるON
接続によって電力を供給する電源10が接続されてい
る。
【0042】記録ヘッド14は2048個のインク吐出
口を有しており、このインク吐出口はn1からn204
8まで水平に配列され、記録時には記録ヘッド駆動回路
(図示せず)によりインク液滴を図2中矢印の方向に吐
出する。なお、ごみ除去装置212,213は、記録ヘ
ッド14の両側にそれぞれ配置されている。
【0043】次に図2に基いて、記録時におけるインク
供給動作について説明する。
【0044】まずは、記録時の最大インク流量Qdmax
計算してみることにする。1滴あたりのインクの体積を
200pl(ヒ゜コリットル)とし、記録周波数400Hz
で、2048本すべての吐出口からインクを吐出した場
合には、 Qdmax=200pl×400Hz×2048=0.16
ml/sec となるから、毎秒0.16mlのインクが吐出される。
【0045】記録動作時には、記録ヘッド等のインクに
対する毛管力等によってインクの供給が行なわれる。こ
の場合、インク15はインクタンク8から記録ヘッド1
4までギアポンプ9のあるチューブ216側からと、チ
ューブ217側からの両側から供給比率3:7の割合で
供給される。つまり、ギアポンプ9側からQd1≒0.0
5ml/secのインクが流れ、チューブ217側から
d2≒0.11ml/secのインクが流れる。ギアポ
ンプ9側から流量の比率が小さいのは、ポンプ自体にイ
ンクの流れに抗する抵抗分があるためである。
【0046】インクジェット記録装置において、加圧回
復動作は、この装置に電源をONにして記録動作を行な
う直前や、吐出口内に気泡が溜まったのを除去するとき
に行われる。回復動作はインクジェット記録装置の一つ
の操作として適時に行われる。 そこで図1および図2
を参照し、この加圧回復動作について説明する。
【0047】加圧回復動作の際にはまず、スイッチ11
がON状態とされる。このようにスイッチ11をON状
態にすると、ギアポンプ9に電源10から電力が供給さ
れてギアポンプ9のモータが回転する。このため、イン
クタンク8のインクは、チューブ216を介してごみ除
去装置212に送られる。
【0048】このとき、ごみ除去装置212内へインク
はギアポンプ9により圧送されて早く流れるので、弁部
材7もフィルタ1側に流されてフィルタ1の有効面積が
弁部材7がない場合と比較して約1/6となり、気泡は
フィルタ1を通過する。そして、気泡は記録ヘッド1
4、ごみ除去装置213およびチューブ217を介して
インクタンク8に戻る。
【0049】このように、インク流路中に含まれていた
気泡はインクタンク8から大気中に放出され、インク流
路内の気泡は除去される。
【0050】ここで、ギアポンプ9側のインク供給路に
注目すると、記録動作時の最大インク流量に対して、加
圧回復動作時には、インクは圧送されて早く流れるの
で、回復動作中はごみ除去装置212内の弁部材7がフ
ィルタ1に密着し、ごみ除去装置212におけるフィル
タ1の上流側と下流側との圧力差は約0.3atm以上
となる。この圧力差のもとでは、ごみ除去装置212に
設けられたメッシュサイズ約8μmのフィルタ1に付着
した気泡は、フィルタ1を通り抜け、インクと共にごみ
除去装置213およびチューブ217を介してインクタ
ンク8に戻り、大気中に放出される。
【0051】上述の回復動作が終了すると、フィルタ1
と弁部材7との密着が開放される。この時は記録状態で
あって、インクの流量が比較的に小さく、ごみ除去装置
212のフィルタ1の上流側と下流側との圧力差が0.
1atm以下である。この圧力差のもとでは、微小気泡
はフィルタ1を通過しない。これにより、記録時におい
てインク吐出口側の流路には気泡が混入することなくイ
ンクの吐出は安定する。
【0052】また、このような動作を繰返し行なって
も、弁部材7は、その中央部を保持部材30によってフ
ィルタ1に押し付けることで保持された、インクの流れ
に応じて受動的に液中で漂うように動作するものである
ので、たとえ弁部材7の下流側に気泡が侵入していて
も、フィルタ1の下流側に流されてフィルタ1表面と密
着することができる。さらに、ごみ除去装置の内壁にあ
る接合部などの突起(不図示)に弁部材7がひっかか
り、フィルタ1に弁部材7が密着できなくなることもな
い。したがって、常に安定して気泡除去ができる。
【0053】(第2の実施例)図3は、本発明のインク
ジェット記録装置に備えられるごみ除去装置の第2の実
施例を示す摸式的断面図である。ここでは、第1の実施
例と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は
省略する。
【0054】図3に示すごみ除去装置21は、第1の実
施例の弁部材に代えて、インクの流れが無い時には上流
側(高圧側)に凹型の形状をした弁部材31を有してい
る。この弁部材31は、第1の実施例と同様に、その中
央部を保持部材30によってフィルタ1に押し付けるこ
とで保持されている。
【0055】インクジェット記録装置において、回復動
作時には第1の実施例と同様にインクの流れが早くなる
ので、弁部材31は平坦な形状に変形してフィルタ1表
面に密着する。また、たとえ弁部材31の下流側に気泡
が侵入していても、弁部材31は保持部材30によって
フィルタ1中央部で保持されているので、弁部材31
の、気泡が付着していない部分はフィルタ1表面と密着
し、その結果、フィルタ1の有効濾過面積を小さくす
る。
【0056】これらの事により、フィルタ1前後の圧力
差が大きくなるので、如何なる場合でも気泡はフィルタ
1を通過する。
【0057】一方、回復動作が終了してポンプによるイ
ンクの圧送がなくなると、弁部材7が上流側にもとの凹
型に復元するので、フィルタ1は即座に開放される。
【0058】このように本実施例は、フィルタに対する
弁部材の動作をより確実なものとすることができる。
【0059】(第3の実施例)図4は、本発明のインク
ジェット記録装置に備えられるごみ除去装置の第3の実
施例を示す摸式的断面図である。ここでも、第1の実施
例と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は
省略する。
【0060】図4に示すごみ除去装置22は、上流側
(高圧側)に凸型の形状をしたフィルタ32を有し、こ
のフィルタ32には、インクの流れが無い時には平坦な
形状をした弁部材33の中央部が保持部材30によって
押し付けられている。
【0061】インクジェット記録装置において、回復動
作時には第1の実施例と同様にインクの流れが早くなる
ので、平坦な弁部材33は下流側に変形してフィルタ3
2表面に密着する。また、たとえ弁部材33の下流側に
気泡が侵入していても、弁部材33は保持部材30によ
ってフィルタ32中央部で保持されているので、弁部材
33の、気泡が付着していない部分はフィルタ32表面
と密着し、その結果、フィルタ32の有効濾過面積を小
さくする。
【0062】これらの事により、フィルタ32前後の圧
力差が大きくなるので、如何なる場合でも気泡はフィル
タ32を通過する。
【0063】一方、回復動作が終了してポンプによるイ
ンクの圧送がなくなると、弁部材33がもとの平坦な状
態に戻る、すなわちフィルタ32が弁部材33に対して
凸型の形状となるので、フィルタ32は即座に開放され
る。
【0064】このように本実施例は、フィルタに対する
弁部材の動作をより確実なものとすることができる。
【0065】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、インク吐出を行なわせる為に利用されるエネル
ギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱
変換体やレーザ光など)を備え、前記熱エネルギーによ
りインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記
録装置において、優れた効果をもたらすものである。こ
のような方式によれば記録の高密度化、高精度化が達成
できるからである。
【0066】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうものが好ましい。
【0067】この方式はいわゆるオンデマンド型、コン
ティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、
オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持され
ているシートや液路に対応して配置されている電気熱変
換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な
温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加する
ことによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せし
め、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果
的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内
の気泡を形成できるので有効である。
【0068】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。
【0069】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、更に優れた記録を行なうことができる。
【0070】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含ま
れるものである。
【0071】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。
【0072】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果を
一層有効に発揮することができる。
【0073】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも
本発明は有効である。
【0074】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モード
を行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0075】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、圧力発生
手段の動作時にフィルタ表面に密着する弁部材の中央部
をフィルタへ保持部材により保持した構成であるので、
圧力発生手段の動作時にたとえ弁部材の下流側に気泡が
侵入していても、弁部材の、気泡が付着していない部分
はフィルタ表面と密着し、フィルタの有効濾過面積を小
さくすることができる。このため、気泡はフィルタを通
過することができ、フィルタと弁部材の間に溜まること
はなくなる。また、ごみ除去装置の内壁に接合部などの
突起がある場合も、この突起に弁が引っ掛かって動作し
なくなることもない。
【0077】したがって、加圧回復時には如何なる場合
でも弁をフィルタに密着させ、確実に気泡除去が行なえ
るので、インク吐出の安定化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置に備えられる
ごみ除去装置の第1の実施例を示す摸式的断面図であ
る。
【図2】図1に示したごみ除去装置を備えたインクジェ
ット記録装置の供給回復系を示す摸式的斜視図である。
【図3】本発明のインクジェット記録装置に備えられる
ごみ除去装置の第2の実施例を示す摸式的断面図であ
る。
【図4】本発明のインクジェット記録装置に備えられる
ごみ除去装置の第3の実施例を示す摸式的断面図であ
る。
【図5】従来のインクジェット記録装置に備えられたご
み除去装置の全体構成を示す摸式的断面図である。
【図6】従来のインクジェット記録装置に備えられたご
み除去装置の全体構成を示す摸式的断面図である。
【図7】従来のインクジェット記録装置に備えられたご
み除去装置の全体構成を示す摸式的断面図である。
【図8】従来のインクジェット記録装置に備えられたご
み除去装置の全体構成を示す摸式的断面図である。
【符号の説明】
1,32 フィルタ 2 インク 3 流路 7,31,33 弁部材 20 ごみ除去装置 21 流入チューブ 22 流出チューブ 30 保持部材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録液を吐出するための記録ヘッドと、
    該記録ヘッドに供給する記録液を貯留する記録液タンク
    と、該タンクと前記記録ヘッドとの間にて前記記録液を
    循環させるための二つの流路と、該各流路にそれぞれ配
    設された、フィルタを有するごみ除去装置と、前記記録
    ヘッドの回復処理時に前記各ごみ除去装置のうちの一方
    へ前記タンク内の記録液を圧送するための圧力発生手段
    と、を少なくとも備えたインクジェット記録装置におい
    て、 前記ごみ除去装置には、 前記圧力発生手段の動作時に前記フィルタ表面に密着す
    る弁部材と、 前記フィルタとで前記弁部材の中央部を保持する保持部
    材と、がさらに設けられていることを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記弁部材は、前記フィルタの面積より
    も小さいことを特徴とする、請求項1に記載のインクジ
    ェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記弁部材は、前記記録液の流れに応じ
    て漂うように揺れ動くものであることを特徴とする、請
    求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記弁部材はPPSフィルムであること
    を特徴とする、請求項3に記載のインクジェット記録装
    置。
  5. 【請求項5】 前記弁部材は前記記録液の流れが無い時
    には上流側に凹型の形状をしたものであり、前記フィル
    タは平面形状のものであることを特徴とする、請求項1
    に記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記弁部材は前記記録液の流れが無い時
    には平面形状のものであり、前記フィルタは上流側に凸
    型の形状をしたものであることを特徴とする、請求項1
    に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録ヘッドは、インク吐出用の熱エ
    ネルギーを発生するための電気熱変換体を備えているこ
    とを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット記録
    装置。
  8. 【請求項8】 前記記録ヘッドは、前記電気熱変換体に
    よって印加される熱エネルギーにより、インクに生ずる
    膜沸騰を利用して吐出口よりインクを吐出させることを
    特徴とする、請求項7に記載のインクジェット記録装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019171580A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 三菱重工業株式会社 インクジェット吐出方法、部材の製造方法、およびインクジェット吐出装置

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JP2019171580A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 三菱重工業株式会社 インクジェット吐出方法、部材の製造方法、およびインクジェット吐出装置

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