JP2009000961A - 液体噴射記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体の供給不足の発生を抑えると共に、液体噴射ヘッドの温度の上昇を抑制し、記録不良の発生を防ぐ。
【解決手段】インクジェットヘッド3へ供給するインクを貯蔵する液体貯蔵タンク61と、液体貯蔵タンク61と液流入口13及び液流出口14とをそれぞれを連結するチューブ65,66,67,68と、を有し、液体貯蔵タンク61に貯蔵されたインクを、ヘッド液室内で液流入口13から液流出口14に向かって連続的に流動させる液供給ポンプ62及び液吸引ポンプ63を備える。液供給ポンプ62及び液吸引ポンプ63は、インクジェットヘッド3が記録動作中であってもヘッド液室内でインクを連続的に循環可能にされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体噴射ヘッドの吐出口から液体を吐出して、被記録材に画像等を記録する液体噴射記録装置に関する。特に、本発明は、液体噴射ヘッドの吐出口列の長さが、被記録材の幅とほぼ等しい長さにされ、液体噴射ヘッドと被記録材との1回の相対移動のみによって被記録材のほぼ全面に記録を行うフルラインタイプの液体噴射ヘッドを用いた、液体噴射記録装置に関する。
インクジェット記録装置は、いわゆるノンインパクト記録方式の装置であり、高速な記録と様々な被記録材に対して記録することが可能であり、記録時における騒音がほとんど生じないといった特徴を有している。このようなことから、インクジェット記録装置は、プリンタ、ワードプロセッサ、ファクシミリ、複写機等の記録機構を担う装置として広く採用されている。
インクジェット記録装置は、液体噴射ヘッドに配設された微小な吐出口から微小な液滴を吐出させ、この液滴を被記録材に対し付着させるものであり、圧電素子や電気熱変換素子等を用いたものが知られている。このようなインクジェット記録装置は、一般に、液滴を形成するための吐出口(ノズル)をもつインクジェットヘッドと、このインクジェットヘッドに対して液体であるインクを供給するインク供給系とを備えて構成されている。例えば、電気熱変換素子を用いた液体噴射ヘッドでは、電気熱変換素子がノズル内に設けられ、この電気熱変換素子に吐出信号となる電気パルスを印加することによって、インクに熱エネルギーを与えている。そして、このインクジェットヘッドは、熱エネルギーを与えたときのインクの相変化によって生じるインクの発泡(沸騰)時の気泡圧力を液滴の吐出に利用している。
また、従来から、インクジェット記録装置のように、微小断面積の流路でインクを流動させる装置では、インク中のゴミやインクからの析出物によって流路やノズルの目詰まりが発生することを防止する必要があった。したがって、インクジェット記録装置は、インク液滴を吐出するためのノズルが、ゴミや析出物等で詰まるのを防ぐために、微小なゴミなどを除去するためのフィルタを有するゴミ除去装置を備えている。このゴミ除去装置は、液体貯蔵タンク(インクタンク)からインク供給経路、共通液室などを介してノズルまでインクを供給するインク供給系に配置されている。
一方、被記録材の幅全域にわたる印字幅を有しているフルラインタイプのインクジェットヘッドを用いた記録装置で、このようなインクジェットヘッド、インク供給経路、フィルタについて、特許文献1、特許文献2にその構成が開示されている。
特許文献1には、図7に示すように、インク108を吐出する記録ヘッド113を備えるインク供給系の全体構成が開示されている。このインク供給系は、図7に示すように、回復動作時に記録ヘッド113にインク108が流入する往路側に配置されたゴミ除去装置106と、記録ヘッド113からインク108が流出する復路側に配置されたゴミ除去装置107とを備えている。また、このインク供給系は、往路側(流入側)ポンプ(チューブポンプ)109及び復路側(流出側)ポンプ111と、これらポンプ109,111を駆動制御する制御装置110,112とを備えている。
このインク供給系は、記録動作時に、制御装置110,112から送られる信号に基づいて、チューブポンプ109,111が配置されているそれぞれのチューブが開放されるように構成され、インク108がポンプ109,111を自由に通過可能にされている。インク108はインク流路122,128を介して、チューブが開放されたポンプ109,111を通ってそれぞれのゴミ除去装置106,107へ進入し、これらゴミ除去装置106,107内のフィルタ101によって塵埃が濾過される。このフィルタ101によって、インク108中のゴミ及び気泡は、フィルタ101の上流側に溜り、記録ヘッド113に侵入することが防止されるので、安定した吐出を保つことが可能にされている。
また、回復動作は、記録装置の電源をON状態にして記録動作を行う直前や、記録ヘッドの共通液室、ノズル、ゴミ除去装置、その他のインク流路途中に気泡が溜った場合にそれを除去するために適時に行われ、手順は図8に示すように行われている。
図8に示すように、まず制御装置110,112から制御信号を出力し、それぞれポンプ109、111を動作させる。好ましくは、図8に示すように、往路側ポンプ109を始動した後に復路側ポンプ111を始動する(ステップS101,S102)。このような動作によって、吐出口115から気体を引き込むことを防止できる。往路側ポンプ109は、図7中のAからBに向かう矢印方向へインクを圧送し、また復路側ポンプ111は図7中のCからDに向かう矢印方向へインクを圧送する。ポンプ109とポンプ111の単位時間当りのインク圧送量はほぼ等しくされている。
このインク循環の際に、インク循環と並行して、図8中のステップS103,S104に示すように、記録ヘッドのインク吐出用素子を所定時間駆動して、例えばキャップに対して予備吐出を行う。これは、インク循環と予備吐出とが相乗的に作用して、良好な回復効果を得られるからである。
次に、記録ヘッドのノズル内に残っている気泡を除去するために、図8中のステップS105,S106に示すように、回復動作の最後に復路側ポンプ111を先に停止し、0.5秒程度経過した後に往路側ポンプ109を停止する。復路側ポンプ111が停止して往路側ポンプ109が動作している0.5秒間は、共通液室114内が加圧されるため、吐出口115からインクが流出し、ノズル内に溜っていた気泡が外部に押し出される。
以上のように、この従来例では、廃インクとして廃棄される量は、ノズル内の気泡を除去するための極く僅かな量のインクのみであり、流路や共通液室の気泡を除去するためにインクを浪費することがないように構成されている。
また、従来の記録装置のように、吐出口からのインクの流出を見込んで復路側に十分インクが流れるよう容量の大きなポンプを使用する必要がないため、小容量の簡単な構造のポンプでも効果的に気泡の除去を行うことができるとしていた。
次に、第2の従来例として特許文献2に開示されているインク供給系について、図9を参照して説明する。インク108は、インクタンク121からインク流路122を介して記録ヘッド113の共通インク室123内に供給される。共通インク室123内に供給されたインク108は、毛管現象によりインク路124に供給され、インク路124先端の吐出口115でメニスカスを形成することにより、安定に保持される。ここで、インク路124内に設けられた電気熱変換体に通電することにより、電気熱変換体の上に位置するインク108が加熱されて発泡現象が発生し、その発泡エネルギーにより吐出口115からインク滴が吐出される。このインク供給系は、インク流路122に配置されたフィルタユニット132と、インク流路128に配置されたフィルタユニット133とを備えている。
これらフィルタユニット132、133に隣接する位置に、インク流路122及びインク流路128を覆うようにインク加熱装置134が設けられている。インク加熱装置134は、記録動作開始の操作により、各記録ヘッド113の電気熱変換体が画像データに応じて駆動されると同時に、インク流路122及びインク流路128内のインク108を加熱し始める。このとき、回復ポンプ129、130は、その作動を停止した状態にある。そして、インク108は、記録ヘッド113から吐出されるインク108の消費に伴い、毛管現象によってインクタンク121からインク流路122及びインク流路128を通ってインク加熱装置134に進入する。インク108は、このインク加熱装置134で温められてフィルタユニット132、133にそれぞれ組み込まれたフィルタ135を通過し、記録ヘッド113に供給される。この間に、インク108に含まれる異物がフィルタ135に捕捉され、記録ヘッド113側へは供給されない。
フィルタ135を通過するインク108は、インク加熱装置34によって加熱されて、その粘度が低下しているため、インク108中に気泡が混在していても、この気泡はフィルタ135に捕捉されることなく、フィルタ135を通過する。このため、フィルタ135に気泡が捕捉されることによって、インク流路122やインク流路128内を流れるインク108の流路抵抗が増大してしまうような不具合を未然に防止することができる。一般に、フルラインタイプの記録ヘッド113は、シリアルタイプの記録ヘッドよりもインクの消費が大きい。上述の結果、フルラインタイプの記録ヘッド113であっても、フィルタ135の面積やインク流路122及びインク流路128の通路断面積を特別に大きく設定せずに、記録ヘッド113に対するインク108の供給を円滑に行うことが可能にされている。
特開平8−244250号公報 特開平11−198403号公報
しかしながら、上述したような被記録材とほぼ等しい幅を有するフルラインタイプのインクジェットヘッドを用いた従来のインクジェット記録装置には、以下のような問題点があった。
近年、インクジェット記録装置は、高精細化と高速化の傾向がますます強くなり、解像度では、1200dpi→2400dpi→4800dpiの順で、年を追うごとに高解像度の製品が提供されている。高解像度化に伴い、1回に吐出されるインク滴の大きさも、どんどん小さくなり、現在では2plというような非常に小さなインク滴を吐出可能な製品もある。これに伴い、インクを吐出するノズルの径もどんどん小径化しており、ごく小さなごみでもノズルに引っかかり、不吐出となる可能性が以前にも増して高まっている。
また、一方で、解像度が上がりインク滴が小さくなると、単位面積当たりのインク吐出数を増加させる必要が生じるとともに、高速記録を実現するために、インクの吐出周波数を大幅に増大させる必要が生じる。それに伴い、記録速度の高速化を図るために、液体噴射動作中である記録動作中に、大量のインクをインクジェットヘッドに供給する必要が生じる。これは、一度に大量のインクを消費するフルラインタイプのインクジェットヘッドを用いる場合に特に顕著になる。
さらに、インク吐出ノズルの小径化に伴って、インクタンクとインク吐出ノズルとの間に設けられている異物除去のためのフィルタは、以前にも増して微細に形成する必要がある。例えば、目の粗さが従来は10μm程度であったものを、5μm程度に変更する必要が生じてきている。
以上の2つの理由により、フィルタ部による圧力損失が増大する傾向にある。フィルタ部の圧力損失が増大すると、記録動作中にインクタンクからインク吐出ノズルへインクが良好に供給され難くなり、記録濃度の低下や、吐出不良を招くことになる。
微小な異物がインク吐出ノズルに到達することを抑え、かつ、記録動作中にインク供給不足が生じるのを防ぐためには、インクの消費量に応じたインクを供給可能なポンプをインク供給経路に配置することも考えられるが、製造コストの大幅な上昇を招いてしまう。また、比較的低い製造コストで可能な対策としては、インクタンクとインク吐出ノズルとの間に設けられるフィルタの面積を増大させるという方法がある。しかしながら、インクジェットヘッド単体で放置された場合でも、インク供給口からのごみ等の異物の混入を避けるためには、インクジェットヘッドとフィルタ部とが一体化されている必要がある。このため、インクジェットヘッド単体の大型化を招いてしまい、さらには、記録装置全体が大型化してしまうという問題点があった。
また、インクジェットヘッドの往復動によって画像を形成していくシリアルタイプのインクジェット記録装置の場合には、複数パスに分散して画像形成を行うことで、同時に使用するインク吐出ノズルの数を最大でも数分の一程度に少なくすることが可能である。しかしながら、フルラインタイプのインクジェットヘッドを用いるインクジェット記録装置の場合には、記録用紙用の被記録材と記録ヘッドとの1回のみの相対移動(1パス)で、比較的高速に記録を行っている。このため、フルラインタイプのインクジェットヘッドを用いるインクジェット記録装置の場合には、上述のシリアルタイプのようにインク吐出ノズルの数を少なくすることが不可能である。
また、フルラインタイプのインクジェットヘッドを用いるインクジェット記録装置では、常に1パスでヘッド全体を使用する必要があるために、連続記録によるヘッド温度の上昇がさらに激しく生じることになる。インクジェットヘッドの温度が上昇しすぎると、特に、電気熱変換体を用いるインクジェットヘッドの場合には、インクの吐出動作を安定して行うことができなくなり、画像不良を生じてしまうという問題点があった。
上述した特許文献1の構成は、面積が30mm2程度で、大きさが10μmよりも大きなごみ等を通過させないフィルタを有し、1秒間当たりのインクの流量1.5ml/s(流速)のときのフィルタ部の圧力損失が600mmAq程度のものである。また、特許文献1の構成は、記録動作を行っていないときのみ、インクジェットヘッド内でインクを循環させ、ヘッド内の泡などの除去を行うようにしたものである。しかしながら、特許文献1には、連続記録動作を行ったときのインクジェットヘッドの温度上昇を抑制するための手段に関して、一切開示されていない。
また、特許文献2の構成では、記録動作時のインク供給不足を防ぐために、インク加熱装置によってインクを加熱して、インク粘度を低下させている。これによって、特許文献2では、インク中に気泡が混在していた場合であっても、この気泡がフィルタに捕捉されることなく、フィルタを通過できるようにされている。このため、特許文献2の構成は、フィルタに気泡が捕捉されることでインク流路内を流れるインクの流路抵抗が増大して、インク供給不足による濃度低下や吐出不良といった不具合が発生することを防止することができるように構成されたものである。また、特許文献2の構成は、シリアルタイプに比してインクの消費が大きいフルラインタイプの記録ヘッドでも、フィルタの面積やインク流路の通路断面積を特別に大きく設定せずとも、記録ヘッドに対するインクの供給を円滑に行うことが可能にされている。しかしながら、この特許文献2の構成は、インクを加熱するものであり、その結果、ヘッドの温度上昇を促進してしまうこととなり、連続記録を実現することは不可能であった。
そこで、本発明は、フルラインタイプの液体噴射記録装置であっても、液体の供給不足の発生を抑え、また連続記録時であっても液体噴射ヘッドの温度上昇を抑制し、記録不良の発生を防ぐことができる液体噴射記録装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明に係る液体噴射記録装置は、液体を吐出する複数の吐出口が設けられると共に液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する複数の吐出エネルギー発生素子が設けられた素子基板と、素子基板を支持するベース基板と、ベース基板に設けられた開口部を含み複数の吐出エネルギー発生素子に液体を供給するための共通液室と、ベース基板における素子基板の反対側に配置され開口部を覆うように設けられたフィルタと、ベース基板におけるフィルタ側に配置されて液流入口と液流出口の少なくとも2つの開口部が設けられたヘッド液室と、を有する液体噴射ヘッドを備える。また、この液体噴射装置は、液体噴射ヘッドへ供給する液体を貯蔵する液体貯蔵タンクと、前記液体貯蔵タンクと前記液流入口及び前記液流出口とをそれぞれを連結する液体流路と、を有し、液体貯蔵タンクに貯蔵された液体を、ヘッド液室内で液流入口から液流出口に向かって連続的に流動させる液体循環装置を備える。そして、液体循環装置は、液体噴射ヘッドが液体噴射動作中であってもヘッド液室内で液体を連続的に循環可能にされている。
本発明によれば、液体噴射動作中であってもヘッド液室から液流出口に液体を循環可能な液体循環供給系を有することで、フルラインタイプの長尺な液体噴射ヘッドであっても、液体噴射ヘッドを大型化することなくフィルタの面積を大きくすることが可能になる。また、本発明は、液体噴射動作中にヘッド液室内で液体を循環させることで、連続記録動作のときでも液体噴射ヘッドの温度の上昇を抑制可能になり、かつ、液体循環経路途中に微細なフィルタを設ける必要がない。このため、本発明は、ヘッド液室内でより一層大流量の液体を循環させることが可能であり、より一層冷却効率が高く、安定して連続した記録動作が可能になる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態のインクジェット記録装置のインク供給系とインクジェットヘッドの構造について、図1から図6を参照して説明する。
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置のインク供給系とインクジェットヘッドの概略構成を模式的に示す斜視図である。図2は、実施形態のインクジェットヘッドの主に液吐出面から示す斜視図である。図3はフレキシブル配線基板を取り除いた状態のインクジェットヘッドを示す図である。図3(a)が、インクジェットヘッドを液吐出口面から示す平面図、図3(b)が、図3(a)におけるA−A断面図、図3(c)が側面図、図3(d)は図3(a)における裏側から示す平面図である。図4は、図3(a)におけるB−B断面図である。また、図5は、本実施形態中で使用する液体循環装置としてのポンプの一例である遠心渦巻きポンプを示す図であり、図6(a)及び図6(b)は、本実施形態で使用するポンプの他の例であるギヤポンプを示す図である。
本実施形態のインクジェットヘッド3は、図2、図3、図4に示すように、有効吐出幅が2インチ程度の長さを持つ4つの素子基板1が、ベース基板11に千鳥状に配列されて接着されている。各素子基板1は、素子基板1の長手方向の両端部に配置された電極部がフレキシブル配線基板6にワイヤボンディングによって電気的に接続されている。したがって、インクジェットヘッド3は、有効吐出幅が8インチ程度の長さを有しており、A4の記録用紙の短辺方向の長さとほぼ一致した長さで、A4の記録用紙の縦送りで、1パスにより連続記録が可能な長さのインクジェットヘッドである。また、インク色毎に同一のインクジェットヘッドを有しており、フルカラー記録が可能なインクジェット記録装置を構成している。
素子基板1の中央付近の表面側には、液体としてのインクを吐出するための複数の吐出口2が開口して形成されている。実際の記録動作では、これらの各吐出口2から吐出されるインクの液滴によって記録を行う。また、素子基板1上には、各々の吐出口2に対応して吐出エネルギー発生素子としての不図示の発熱素子(電気熱変換素子又は加熱ヒーター)が形成されている。発熱素子は、通電加熱してインクを発泡させ、その運動エネルギーでインクを吐出口2から吐出させる。素子基板1の電極部とフレキシブル配線基板6とを電気的に接続しているワイヤボンディング部は、封止性及びイオン遮断性に優れたシリコン系樹脂等の封止剤によって被覆、封止され、インクによる接続信頼性が低下しないように構成されている。これによって、ワイヤボンディング部は、吐出口2から飛散した液滴や被記録材上から跳ね返った液滴が電極部などに付着することで電極やその下地金属が腐食されることが防止されている。
また、素子基板1の背面側には、図3(b)及び図4に示すように、粒径を持った異物を通過させないように、ステンレスの極細線を編み込んだものである。これらのフィルタ支持部材50とフィルタ部材51は、全ての素子基板1に対して同一のものが取り付けられている。
また、フィルタ部材51は、1つの素子基板1で、全ての吐出ノズルで液吐出動作を行うような場合の最大の液体流量に対して、大きな圧力損失を生じないような十分な面積を確保するように形成されている。ベース基板11には、インクを保持するためのスリット状の共通液室10が、1つの素子基板1に対して1対1で対応して形成されている。共通液室10は、複数の吐出口が配列されてなる吐出口列の長さと略等しい長さに形成された開口部を含んでいる。
素子基板1には、その背面側に位置する共通液室10内のインクを、反対側の液吐出面側に供給するためのテーパ状のスリット4が設けられている。また、ベース基板11には、共通液室10に隣接する位置に、素子基板1が配置された側の反対側に、フィルタ支持部材50を介してフィルタ部材51が接着されて設けられており、ベース基板11と共に共通液室10が形成されている。フィルタ部材51は、直径5μm以上に形成されている。フィルタ部材51が直径5μmよりも小さく形成された場合には、フィルタ部材51の面積が小さく、最大液体流量のときにフィルタ部材51での圧力損失が大きくなってしまったとき、吐出口2に十分な量のインクが供給されないことになる。したがって、フィルタ部材51の面積が小さい場合、1回の吐出におけるインクの吐出量が減少し、記録動作時の濃度低下や、不吐出を生じてしまう恐れがあり、好ましくない。
さらに、ベース基板11におけるフィルタ部材51が接着された側には、各素子基板1に対応して接着された全てのフィルタ部材51を覆うようにヘッド液室9が形成されるように、ヘッド液室部材12が接着されている。図3(c)及び図3(d)に示すように、ヘッド液室部材12の長手方向のほぼ両端には、ヘッド液室9と連通するように液流入口13と液流出口14がそれぞれ設けられている。これら液流入口13と液流出口14の内側には、ゴムからなる液コネクタ15がそれぞれ挿入され、液コネクタ15の内側に、図1に示すようにチューブ66,67が差し込まれている。この構成によって、インク供給系とインクジェットヘッド3との間のインクの流入及び流出が可能にされている。液流入口13から液流出口14までの間の、ヘッド液室9内には、フィルタ部材が設けられていないので、液流入口13から流入したインクは、ほとんど圧力損失なく液流出口14に向けて流動させることが可能に構成されている。また、インクを吐出することに伴って消費されるインクは、ヘッド液室9から、各素子基板1に対応したフィルタ部材51を通過して、各共通液室10、スリット4を経由して、各吐出口2へと供給される。
また、図示しないが、ヘッド液室は、一方の端で折り返すような略U字状に形成されて、液流入口と液流出口が、ヘッド液室の長手方向の一端側に隣接して配置される構成にされてもよい。
次に、インク供給系の構成について、図1、図5及び図6を参照して説明する。
図1に示すように、インク供給系は、液体貯蔵タンク61と、液体流路を構成するチューブ65,66,67,68と、液体循環装置である第1のポンプとしての液吸引ポンプ63と、第2のポンプとしての液供給ポンプ62とを有している。このインク供給系は、液体貯蔵タンク61から、チューブ65、液供給ポンプ62、チューブ66を介して、インクジェットヘッド3に設けられた液流入口13に連結されており、インクジェットヘッド3にインクを供給可能に構成されている。また、このインク供給系は、インクジェットヘッド3の液流出口14から、チューブ67、液吸引ポンプ63、チューブ68を介して、液体貯蔵タンク61に連結されており、液体貯蔵タンク61にインクを回収可能に構成されている。したがって、このインク供給系では、液供給ポンプ62及び液吸引ポンプ63によって、液体貯蔵タンク61に貯蔵されたインクを、インクジェットヘッド3内で液流入口13から液流出口14に向かって連続的に流動させる。また、液体貯蔵タンク61には、ペルチェ素子によるタンク冷却装置69が配設されている。
図5に、液供給ポンプ62の構成を示す。図5(a)に液供給ポンプ62の外観図を示し、図5(b)に液供給ポンプ62の断面図を示す。図5(b)に示すように、液供給ポンプ62は、いわゆる遠心渦巻きポンプであって、インペラ76の回転によってインクに遠心力を与えることでインクを圧送することが可能にされている。液供給ポンプ62は、液流入口71と液流出口72が一体に設けられた上ケース77と、Oリング79を挟み込んで上ケース77と密着される下ケース78とを備えている。また、この液供給ポンプ62は、回転することでインクに遠心力を与えるためのインペラ76と、磁石で構成されて回転自在に配置されたロータ74と、下ケース78の下側にコイルなどで形成されて配置されたステータ75とを備えている。インペラ76は、上ケース77と下ケース78の間に配置され、ロータ74の上部に一体化されている。
ステータ75のコイルに通電されたときに、磁界を発生し、磁石からなるロータ74と一体化されたインペラ76が回転するとによって、圧力を発生し、液流入口71からインクを吸引し、液流出口72からインクを排出するように動作する。液供給ポンプ62として使用されるこの遠心渦巻きポンプでは、ステータ75に通電されずにロータ74が静止しているとき、上ケース77とインペラ76との間にインクが流れる充分な隙間があるため、内部でインクを自由に流動させることができる。
また、遠心渦巻きポンプは、ロータ74が一定回転しているとき、つまり一定条件で駆動している場合であっても、常に一定の流量でインクを流動させることが可能なわけではなく、ポンプの前後の圧力差によってインクの流量が変動する特性を有している。また、遠心渦巻きポンプは、ロータ74の高速回転によって、インクが圧送されるという動作原理であるため、液体の圧送時の脈流がほとんどないという特性も有している。つまり、液供給ポンプ62は、同程度の流量を流すことが可能なダイヤフラムと逆止弁の組み合わせからなるダイヤフラムポンプや、チューブをローラでしごくことによって液体を圧送するチューブポンプに比較して、液体の圧送時の脈流がほとんどない。
次に、図6を参照して、液吸引ポンプの構成を説明する。液吸引ポンプは2つのかみ合うギヤの回転によってインクを圧送するギヤポンプであり、図6(a)に液吸引ポンプ63の外観図、図6(b)に、液吸引ポンプ63の動作原理を説明する図を示す。
液吸引ポンプ63は、ギヤを駆動するためのDCモータ82を備えている。このDCモータ82は、マグネット回転伝達部83を介して、ポンプヘッド81内の駆動ギヤ86へ駆動力を伝達する。ポンプヘッド81内には、図6(b)に示すように、ケーシング90の中に、駆動ギヤ86と従動ギヤ87が噛み合った状態で配置されている。そして、ポンプヘッド81内には、ギヤ86,87の噛み合い部の両側に位置している液流入口88と液流出口89の部分を除いて、ほぼギヤ86,87の歯先円とほとんど隙間がない形状にポンプ液室91が形成されている。液流入口88は、ポンプヘッド81の側面に設けられた液流入口84と連通されている。一方、液流出口89は、ポンプヘッド81の液流入口84と反対側に開口されている液流出口に連通されている。
DCモータ82に通電され、回転駆動力がマグネット回転伝達部83を介して駆動ギヤ86に伝達されると、駆動ギヤ86は従動ギヤ87と共に、図5(b)中の矢印方向に回転を開始する。それぞれのギヤ86,87の歯先とケーシング90内のポンプ液室91の内壁との間にはほとんど隙間がないため、それぞれのギヤ86,87の歯の間に進入したインクは、ポンプ液室91の内壁との間に保持されて矢印方向に搬送される。ギヤ86,87の噛み合い部では、お互いの歯の間に噛み合う歯が存在するため、インクはわずかな量は搬送されるのみで、ケーシング90とギヤとの間で搬送されるインクの方がはるかに多くの量のインクが搬送される。したがって、ポンプ液室91内で、液流入口88側が負圧、液流出口89側が正圧となり、インクが圧送されることになる。
このギヤポンプは、ケーシング90と各ギヤ86,87の歯との間に挟まれた一定容積のインクを搬送する。このため、ギヤポンプは、ポンプの前後が所定の圧力差以下で、ギヤ86,87の回転数が一定であれば、ポンプの前後の圧力差にかかわらずに、ほぼ一定の流量のインクを流動させることができる特性を有している。また、ギヤ86,87の歯の間とケーシング90とで形成される空間は非常に小さな空間である。このため、ギヤポンプは、上述の遠心渦巻きポンプと同様に、同程度の流量のダイヤフラムポンプやチューブポンプに比較して、インクの搬送時の脈流はほとんど無視できるくらいに小さなものである。
以上のように構成されるインクジェット記録装置のインク供給系によって、インクの吐出を行うときの動作について説明する。
本実施形態のインクジェット記録装置が記録開始信号を受け取ったとき、液吸引ポンプ63と液供給ポンプ62はそれぞれ同時に回転を開始する。これによって、インクは、液体貯蔵タンク61からチューブ65、液供給ポンプ62、チューブ66、ヘッド液室9、チューブ67、液吸引ポンプ63、チューブ68を通って、液体貯蔵タンク61に戻る液体循環経路を経て循環される。このとき、液吸引ポンプ63は、1秒間当たりの流量1.0ml/s(流速)になるように、液吸引ポンプ63のDCモータ82へ電圧がかけられる。一方、液供給ポンプ62も、ポンプの前後の圧力差がない場合に流量1.0ml/sでインクを搬送できる条件で駆動する。したがって、液体循環経路内では、インクが流量1.0ml/sで循環される。このとき、液体循環経路内では、フィルタ部材などの圧力損失を発生させるものは何もないため、ヘッド液室9内はほぼ大気圧に保たれており、インクを循環させることで、吐出口2からインクが漏れ出したり、逆に、空気を吸い込んだりすることはない。なお、インクの流量(液体循環量)としては、流量0.5ml/s以上であればよく、流量1.0ml/s以上にされるのが望ましい。
次に、記録するための画像データがインクジェットヘッド3へ伝えられると、素子基板1内に設けられた発熱素子に電圧が印加され、発熱素子に接するインクが膜沸騰圧力により吐出口2から吐出される。吐出された分のインクは、ヘッド液室9から、素子基板1毎に対応するフィルタ部材51を通過して、共通液室10、スリット4を通って、吐出口2へと供給される。1つの素子基板1内で、全ての吐出口2からインクを連続して吐出する必要があるような画像データを記録する場合には、フィルタ部材51を通過するインクの量が最大になる。本実施形態では、各吐出口2から吐出される一発の液滴の大きさが4plで、吐出口2が1200dpiの解像度で配列され、1つの素子基板1に対する有効印字幅が2インチ程度にされている。したがって、本実施形態は、1つの素子基板1内での吐出口2の総数が2400個にされている。また、各吐出口2の液滴吐出周波数が最大16kHzとなるように駆動するので、1つの素子基板1での最大の液滴吐出量は、0.1728ml/sとなる。
ここで、各素子基板1に対応するフィルタ部材51の有効面積は、幅3.5mm×長さ60mm=210mm2に形成されている。本実施形態で用いられているフィルタ部材151は、実験の結果、流量0.1728ml/sのときの圧力損失がほぼ50mmH2O(4.9kPa)であった。したがって、フィルタ部材51は、液滴の吐出に対して影響が及ぼすとされている200mmH2O(19.6kPa)に対して十分に小さな値であるので、ほとんど問題ない。このことは、インクジェットヘッド3内に設けられている全ての素子基板1においても同様である。
また、インクジェットヘッド3内の全ての素子基板1の全吐出口2で、液滴吐出を行ったときには、全体の液体吐出量が4倍になり、流量0.6912ml/sとなる。この場合であっても、液吸引ポンプ63による液体循環量は、液吸引ポンプ163が定流量ポンプであるために一定の駆動条件で駆動し続けているので、流量1.0ml/sのままである。しかしながら、液供給ポンプ62のよる液体循環量は、インクジェットヘッド3側が液滴吐出動作によって負圧となることで、その分だけ流量を増加し、流量1.6912ml/sとなる。これは、液供給ポンプ62が、ポンプの前後の圧力差によって流量が変化する遠心渦巻きポンプであるためである。
このように記録動作を行うときに、ヘッド液室9内で常にインクを循環させることによって、液滴吐出動作によって温度が上昇したヘッド液室9内のインクを入れ替えることで、インクジェットヘッド3の温度の上昇を防止することが可能になる。このようにヘッド液室9内で常にインクを循環させることで、特に、多数の吐出口2で吐出動作を行うような場合に効果的である。
さらに、本実施形態では、液体貯蔵タンク61に密接する位置に設けられたタンク冷却装置69(放熱手段)が有するペルチェ素子によって、液体貯蔵タンク61の内部のインク温度(液体温度)を低下させることが可能である。このタンク冷却装置69は、吐出動作を行っている間、常に動作させる必要はなく、記録動作が連続した場合に液体貯蔵タンク61内のインクの温度が所定の温度以上になった場合に、動作するように制御される。このように構成されることによって、連続記録動作が続いた場合であっても、冷却されたインクがインクジェットヘッド3内を循環することで、インク温度の上昇を抑えることができ、長時間にわたって安定した記録動作を実現することが可能となる。
また、外気温が高く、連続記録動作が続くなどの悪条件が重なり、液体貯蔵タンク61の内部のインク温度が所定の温度以上になる場合がある。このような場合には、タンク冷却装置69の冷却能力と、流量1.0ml/sの循環量のみでは、インクジェットヘッド3を十分に冷却することができないおそれがある。
そこで、本実施形態は、液供給ポンプ62及び液吸引ポンプ63の内部、又は液体貯蔵タンク61の内部のインク温度を測定する温度測定手段としての温度センサ(不図示)を備えている。また、本実施形態は、温度センサによる測定結果に基づいて、液供給ポンプ62及び液吸引ポンプ63による循環量を変更する制御部(不図示)を備えている。
この構成によって、本実施形態では、温度センサによる測定結果に基づいて、必要に応じて、制御部が液吸引ポンプ63による液体循環量を、2.0ml/s、さらには、3.0ml/sと徐々に増やすように制御する。また同時に、制御部は、液供給ポンプ62の液循環量も同様に増やすように制御する。このように液体循環量を増していった場合であっても、循環経路内には、フィルタ部材のような大きな圧力損失を生じるものが何も存在しないので、常に、ヘッド液室9内をほぼ大気圧に制御することが可能である。したがって、液循環中に吐出口2からインクが漏れてしまったり、逆に空気を吸い込んで、吐出不良を生じたりすることがない。
上述したように、本実施形態は、記録動作中(液体噴射動作中)であってもヘッド液室9の共通液室10の開口部から液流出口14にインクを循環可能なインク供給系を有している。本発明は、この構成によって、フルラインタイプの長尺な記録ヘッドであっても、記録ヘッドを大型化することなくフィルタ部材の面積を大きくすることが可能になる。
また、本実施形態は、記録動作中にヘッド液室内でインクを循環させることで、連続した記録動作のときであってもインクジェットヘッドの温度の上昇を抑制可能で、かつ、インク循環経路途中に微細なフィルタ部材を設ける必要がない。このため、本実施形態によれば、ヘッド液室内でより一層大流量のインクを連続的に循環させることが可能であり、冷却効率が向上され、安定して連続記録動作が可能になる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態のインクジェット記録装置について説明する。
上述の第1の実施形態では、1つの素子基板1の有効印字幅が2インチに形成された構成であったが、本実施形態では、1つの素子基板の長さが8インチの長さに構成されている。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、このような素子基板に対応して、ベース基板に、共通液室の開口部も長尺状に細長く1つだけ形成されており、また、フィルタ部材も素子基板の長さに対応して細長く形成されたものが1つ設けられている点である。したがって、本実施形態のフィルタ部材は、面積が第1の実施形態におけるフィルタ部材に比較して4倍程度の面積を有することになる。なお、このフィルタ部材の面積は、第1の実施形態の構成と同様に、全ての吐出口から液滴を吐出した場合における流量であっても、大きな圧力損失を生じることがない大きさにされている。
以上の構成によって、本実施形態は、第1の実施形態で得られる効果に加え、素子基板1が1つのみであることで、第1の実施形態のように複数の素子基板1を千鳥状に配列した場合に比較して、インクジェットヘッドを小型化することが可能になる。したがって、本実施形態によれば、複数個のインクジェットヘッドヘッドを用いてフルカラー記録を行うインクジェット記録装置において、装置全体の小型化が可能となる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態のインクジェット記録装置について説明する。
本実施形態は、第1及び第2の実施形態のインクジェットヘッドの構成に加えて、インクジェットヘッド3の液流入口13に、フィルタ部材51よりも網の目の粗い第2のフィルタ部材が設けられて構成されている。第2のフィルタ部材は、直径5μm以上の粒径を持った異物を通過させないように、ステンレス製の極細線を編み込んで形成されている。本実施形態では、直径0.1mm以上の粒径の異物を通過させないようなフィルタ部材51が、インクジェットヘッド3の液流入口13に設けられている。
このように構成することで、液体貯蔵タンク内に直径0.1mm以上の大きな異物が誤って混入した場合に、このような異物がインクの循環によってインクジェットヘッド3のヘッド液室内に侵入することを防ぐことができる。したがって、このような異物がフィルタ部材51に付着して、フィルタ部材51の有効面積が縮小され、フィルタ部材51の圧力損失を増加させることが防止されている。このような、比較的目の粗い第2のフィルタ部材が循環経路内に設けられた場合であっても、第2のフィルタ部材の目が比較的粗いので、第2のフィルタ部材による圧力損失がほとんど生じることがない。したがって、本実施形態によれば、更に長期間にわたって記録動作を安定して行うことが可能になる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態のインクジェット記録装置について説明する。
本実施形態は、第3の実施形態の構成に加え、インクジェットヘッド3の液流出口14に、液流入口13に設けられたフィルタ部材と同一のもの、又は液流入口13に設けられた第2のフィルタ部材よりも更に目の粗い第3のフィルタ部材が設けられている。この構成によって、インクジェットヘッドの製造後や、インクジェットヘッドの交換作業を行うときなどに、インクジェットヘッド単体で空気中に放置された場合であっても、ヘッド液室内に空気中から比較的大きな異物の混入を防止可能にされる。したがって、フィルタ部材51の有効面積が縮小されることがなく、また液循環経路内で大きな圧力損失を生じることがない。したがって、本実施形態によれば、更に長期間にわたって記録動作を安定して行うことが可能になる。
第1の実施形態のインクジェット記録装置のインク供給系とインクジェットヘッドの概略構成を模式的に示す斜視図である。 第1の実施形態のインクジェット記録装置のインクジェットヘッドを主に液吐出面から示す斜視図である。 上記インクジェットヘッドからフレキシブル配線基板を取り除いた状態を示す図である。 インクジェットヘッドを示すB−B断面図である。 ポンプの一例である遠心ポンプを示す図である。 ポンプの他の例であるギヤポンプを示す図である。 従来のインクジェット記録装置の構成を示す模式図である。 従来のインクジェット記録装置の動作を説明するためのフローチャートである。 従来の他のインクジェット記録装置の構成を示す模式図である。
符号の説明
1 素子基板
2 吐出口
3 インクジェットヘッド
4 スリット
6 フレキシブルフィルム
9 ヘッド液室
10 共通液室
11 ベース基板
12 ヘッド液室部材
13 液流入口
14 液流出口
15 液コネクタ
17 封止剤
50 フィルタ支持部材
51 フィルタ部材
61 液体貯蔵タンク
62 液供給ポンプ
63 液吸引ポンプ
65,66,67,68 チューブ
69 タンク冷却装置

Claims (14)

  1. 液体を吐出する複数の吐出口が設けられると共に液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する複数の吐出エネルギー発生素子が設けられた素子基板と、前記素子基板を支持するベース基板と、前記ベース基板に設けられた開口部を含み前記複数の吐出エネルギー発生素子に液体を供給するための共通液室と、前記ベース基板における前記素子基板の反対側に配置され前記開口部を覆うように設けられたフィルタと、前記ベース基板における前記フィルタ側に配置され液流入口と液流出口の少なくとも2つの開口部が設けられたヘッド液室と、を有する液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドへ供給する液体を貯蔵する液体貯蔵タンクと、前記液体貯蔵タンクと前記液流入口及び前記液流出口とをそれぞれを連結する液体流路と、を有し、前記液体貯蔵タンクに貯蔵された液体を、前記ヘッド液室内で前記液流入口から前記液流出口に向かって連続的に流動させる液体循環装置と、を備え、
    前記液体循環装置は、前記液体噴射ヘッドが液体噴射動作中であっても前記ヘッド液室内で液体を連続的に循環可能にされていることを特徴とする液体噴射記録装置。
  2. 前記液体噴射ヘッドは、前記複数の吐出口が配列されてなる吐出口列の長さが被記録材の幅とほぼ等しい長さにされる、請求項1に記載の液体噴射記録装置。
  3. 前記ベース基板には、前記素子基板の複数が千鳥状に配列されている、請求項1又は2に記載の液体噴射記録装置。
  4. 前記液流入口と前記液流出口が、前記ヘッド液室の長手方向の両端に設けられている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体噴射記録装置。
  5. 前記ヘッド液室は、一方の端で折り返すような形状に形成され、前記液流入口と前記液流出口が前記ヘッド液室の長手方向の一端側に隣接して配置されている、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液体噴射記録装置。
  6. 前記液体循環装置はポンプを有している、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液体噴射記録装置。
  7. 前記液体噴射ヘッドの前記液流出口と前記液体貯蔵タンクとの間の液体流路中、又は、前記液体噴射ヘッドの前記液流入口と前記液体貯蔵タンクとの間の液体流路中の少なくともいずれか一方に、第1のポンプが配置されている、請求項4又は5に記載の液体噴射記録装置。
  8. 前記液体噴射ヘッドの前記液流出口と前記液体貯蔵タンクとの間の液体流路中に第1のポンプが配置され、前記液体噴射ヘッドの前記液流入口と前記液体貯蔵タンクとの間の液体流路中に第2のポンプが配置されている、請求項4又は5に記載の液体噴射記録装置。
  9. 前記第1及び第2のポンプの少なくともいずれか一方は、ポンプを駆動している場合であっても、ポンプの前後の圧力の変動によって流量が変化するように構成されている、請求項8に記載の液体噴射記録装置。
  10. 前記液体循環装置による液体循環量は、0.5ml/s以上である、請求項4ないし7のいずれか1項に記載の液体噴射記録装置。
  11. 前記液体貯蔵タンク又は前記液体流路には、液体の温度を低下させるための放熱手段が設けられている、請求項4ないし10のいずれか1項に記載の液体噴射記録装置。
  12. 前記液体噴射ヘッドの前記液流入口には、前記ベース基板に設けられた前記フィルタよりも目の粗い第2のフィルタが取り付けられている、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の液体噴射記録装置。
  13. 前記液体噴射ヘッドの前記液流出口には、前記第2のフィルタと同じか又はより目の粗い更に第3のフィルタが取り付けられている、請求項12に記載の液体噴射記録装置。
  14. 前記液体循環装置の内部、又は、前記液体貯蔵タンクの内部の液体温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段による測定結果に基づいて前記液体循環装置による液体循環量を変更する制御装置と、を備える、請求項4ないし13のいずれか1項に記載の液体噴射記録装置。
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