JPH07329244A - ポリオレフィン樹脂被覆鋼材 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂被覆鋼材

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JPH07329244A
JPH07329244A JP6130448A JP13044894A JPH07329244A JP H07329244 A JPH07329244 A JP H07329244A JP 6130448 A JP6130448 A JP 6130448A JP 13044894 A JP13044894 A JP 13044894A JP H07329244 A JPH07329244 A JP H07329244A
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JP
Japan
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polyolefin resin
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JP6130448A
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Takayuki Kamimura
隆之 上村
Hiroshi Kishikawa
浩史 岸川
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 鋼材表面にクロメート処理層、プライマー
層、変性ポリオレフィン樹脂層およびポリオレフィン樹
脂被覆層を順次積層させた重防食被覆鋼材において、プ
ライマー層を2層以上とし、クロメート処理層側の第1
層目のプライマー層を0.1 〜3μmの膜厚とし、全体の
プライマー層を10〜50μmの膜厚とする。 【効果】 冷熱サイクル性、高温陰極剥離性、高温耐水
性に優れたポリオレフィン被覆鋼材が得られる。高温腐
食環境下での密着性だけでなく、温度の変化、例えば砂
漠での気温の変化にも耐えられ、優れた防食性を維持で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷熱サイクル性、高温
耐陰極剥離性、高温耐水性に優れたポリオレフィン被覆
鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】原油、天然ガスの輸送用などの厳しい温
度環境に曝される鋼管、あるいは長期にわたり厳しい腐
食環境下での防食性が望まれる鋼矢板、鋼管杭等は、一
般に防食層として高耐食性を有するポリオレフィン樹脂
等の外被で被覆される。このようなポリオレフィン被覆
鋼材においては、外被と鋼材の間に密着性と機械特性に
優れた変性ポリオレフィン系接着樹脂が接着層として使
用されるのが普通であるが、この接着層と金属との接着
性は、一次接着力は高いものの、腐食環境に曝されると
接着力の低下が生じてポリオレフィン樹脂が剥離してし
まう。その対策としては、鋼材面にクロメート処理を施
す方法、エポキシ樹脂などのプライマーを塗布する方
法、あるいはこの両者を併用する方法などがある。
【0003】さらに、高温での耐陰極剥離性、耐水性向
上に関しては、特開平3−234527号では、クロメート処
理剤として、リン酸と無水クロム酸の混合液を有機系還
元剤で部分的に還元し、シリカ系微粒子とシランカップ
リング剤を添加した混合液を使用すること、特開平1−
150540号では特定のエポキシ樹脂、変性脂肪族ポリアミ
ンおよび無機顔料からなるプライマーを使用することが
提案されている。
【0004】しかしながら、近年ポリオレフィン被覆鋼
材の使用環境が寒冷地から熱帯に至るまでの広い温度範
囲域となり、また砂漠地帯などの気温日格差が大きい場
合は、その冷熱サイクルによる鋼材と被覆との剥離など
が大きい問題となっている。さらにラインパイプ等で
は、重質油の輸送向上を目的に重質油を加熱して低粘度
化して輸送することにより、管内流物が高温化する。従
って、ポリオレフィン被覆鋼材においては高温での耐陰
極剥離性、耐水性向上が要求されるだけでなく、これら
の性能に加え、冷熱サイクル性も重要な課題となってき
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の特開平3−2345
27号、特開平1−150540号に記載のポリオレフィン被覆
鋼材では、それぞれ、クロメート処理剤の改良、プライ
マーの組成の改良によって、高温耐水性、高温陰極剥離
性の向上を図っているが、高温陰極剥離性、高温耐水性
に加えて冷熱サイクル性の向上を図ったものはこれまで
なかった。従って、本発明の目的は、高温陰極剥離性、
高温耐水性および冷熱サイクル性に優れたポリオレフィ
ン被覆鋼材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の問題
点を解決すべく、プライマー層の構成に着目し検討した
結果、従来まで一層であったプライマー層を二層以上と
し、その膜厚を特定の範囲とすることにより、高温陰極
剥離性、高温耐水性および冷熱サイクル性の性能をバラ
ンスよく向上しうることを見出した。
【0007】すなわち、鋼材表面のクロメート処理層の
上に、膜厚0.1 〜3μmの第1層目のプライマー層を設
け、全体のプライマー層の膜厚が10〜50μmの範囲内と
なるように第2層目以降のプライマー層を設け、次い
で、変性ポリオレフィン樹脂接着層、ポリオレフィン樹
脂層を順次積層することにより、鋼面とポリオレフィン
との密着性が著しく向上し、冷熱サイクル性、高温陰極
剥離性、高温耐水性に優れたポリオレフィン被覆鋼材を
製造することが可能であることを見出した。
【0008】ここに本発明は、鋼材表面に、クロメート
処理層、プライマー層、変性ポリオレフィン接着剤層お
よびポリオレフィン樹脂被覆層が順次積層されているポ
リオレフィン被覆鋼材において、前記プライマー層が2
層以上からなり、クロメート処理層側の第1層目のプラ
イマー層の膜厚が、0.1 〜3μmであり、プライマー層
全体の膜厚が10〜50μmであることを特徴とするポリオ
レフィン被覆鋼材、を要旨とする。
【0009】次に本発明を詳細に説明する。
【0010】まず、本発明に用いる鋼材は、炭素鋼、あ
るいはステンレス鋼等の合金鋼などいずれの材質のもの
でもよく、また、その形状も限定されず、ラインパイプ
等で使用する鋼管の他、鋼管杭等の管状材、鋼矢板等の
鋼板などがある。
【0011】被覆される鋼材は、その外表面を予め公知
のショットブラスト、グリッドブラスト、サンドブラス
トなどの物理的手段や酸洗、アルカリ脱脂などの化学的
手段を適切に組み合わせて、表面を洗浄化しておくこと
が好ましい。
【0012】鋼材には、密着性や防食性を高めるための
下地処理としてクロメート処理を施す。クロメート処理
剤としては、シリカ系塗布型クロメートが作業性に優
れ、また一次密着力も高いため好ましい。シリカ系塗布
型クロメートは単独であるいは必要により所定量のリン
酸を添加して使用してもよい。クロメート処理は、表面
を洗浄化した鋼材表面に、しごき塗り、エアスプレーな
どの公知の方法によりクロメート処理剤を塗布し、その
後焼き付け処理を施すことにより行う。
【0013】クロメート処理剤の付着量は、全クロム量
として50〜1000mg/m2 が好ましい。クロム付着量50mg/m
2 未満では高温耐水性、高温陰極剥離性が劣り、100
0mg/mを超えると、クロメート皮膜自体が厚くな
りすぎ、冷熱サイクル性、一次密着力が低下する。
【0014】本発明のポリオレフィン被覆鋼材では、プ
ライマー層が2層以上であることが特徴である。各層の
プライマーの組成は同じでも異なっていてもよいが、各
層間の密着性を考えると、同じ組成のもの、あるいは同
様の化学結合をもったプライマーを使用するのが好まし
く、また経済的でもある。
【0015】この2層以上のプライマー層を形成するの
に使用するプライマーとしては、ポリオレフィン被覆鋼
材の製造においてクロメート処理した鋼材と変性ポリオ
レフィン樹脂層との間に使用できるプライマーであれば
任意のものが使用できる。例えば、エポキシ樹脂、硬化
剤を主成分とし、無機顔料を所望により添加した熱硬化
型プライマーがある。プライマーに使用できる代表的な
エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型グリシジルエ
ーテル、フェノールノボラック型グリシジルエーテルが
挙げられ、硬化剤としては、アミン系硬化剤、ジシアン
ジアミド系硬化剤、イミダゾール系硬化剤等が例示でき
る。無機顔料としてはシリカ、アルミナ、タルク、マイ
カ、酸化クロム等が使用でき、必要に応じて他の添加
剤、例えば体質顔料を添加してもよい。プライマーの形
態は、二液硬化型プライマーでも、硬化剤をマイクロカ
プセル化した一液型プライマーでもよい。また、エポキ
シ樹脂以外にウレタンを主成分とした熱硬化型プライマ
ーも使用できるが、耐食性の観点からエポキシ樹脂が好
ましい。
【0016】さらに、本発明ではプライマーとして活性
エネルギー線硬化型プライマーも使用でき、例えば特公
平3−26712 号に記載されているような紫外線や
電子線等の活性エネルギー線により硬化しうるプライマ
ーが挙げられる。このようなプライマーの具体的例とし
ては、(a) エポキシ化合物とエチレン性不飽和結合を有
するモノカルボキシル化合物 (アクリル酸、メタクリル
酸など) との反応生成物である不飽和エポキシエステ
ル、(b) ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジ
シクロペンチル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸
エステルモノマー、および(c) エポキシ化合物からなる
組成物にベンゾインイソブチルエーテル等の光増感剤を
添加した紫外線硬化型プライマーなどがある。
【0017】本発明では、2層以上からなるプライマー
層のうち、第1層目のプライマーは硬化した塗膜の膜厚
が0.1 〜3μmとなるように、クロメート処理した鋼材
表面に塗布する。プライマーはそのまま、あるいは膜厚
の制御のために、慣用の溶剤で希釈したものを塗布して
もよい。溶剤としては、トルエン、キシレン、イソプロ
ピルアルコール、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン等がある。また、難燃性を考慮して二塩
化メチレンで希釈してもよい。塗布は、しごき塗り、エ
アスプレー、ローラー塗り、刷毛塗りなどの公知の方法
により行うことができる。特に、ブラストした鋼材に均
一な薄膜を形成させるには、エアスプレーが好ましい。
次いで、鋼材に塗布されたプライマーの硬化を行わせる
が、熱硬化型プライマーの場合は誘導加熱炉等で加熱す
ることにより硬化させる。活性エネルギー硬化型プライ
マーの場合は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を
照射して硬化させる。このようにして第1層目のプライ
マー層を形成させた後、第2層目以降のプライマーを第
1層目のプライマーと同様にして塗布、硬化させ、プラ
イマー層を形成する。
【0018】第1層目のプライマーの膜厚が上記範囲内
であり、全体の膜厚が10〜50μmであれば、プライマー
層の数は特に限定されないが、ラインの構成上、プライ
マー層は5層以下とするのが好ましい。第1層目のプラ
イマーの膜厚を0.1 μm未満とするには、膜厚調整のた
めシンナーによりプライマーを希釈する際希釈率が高く
なりすぎるため、プライマーの硬化が十分ではなく、ま
たプライマー被膜が不均一になりやすいため、性能が低
下する。3μm超では、冷熱サイクル性、高温陰極剥離
性、高温耐水性に関して、プライマー層が1層の場合と
同程度であり、2層以上とすることによる効果が発揮で
きない。プライマー層を2層以上にした場合の詳細なメ
カニズムは明らかではないが、次のように推定される。
プライマーの残留応力は剥離方向であるため、第1層目
を薄くすることにより、剥離方向の残留応力を小さくす
ることができる。従って、鋼材と第1層目のプライマー
との密着性が向上し、その結果、冷熱サイクル性、高温
陰極剥離性、高温耐水性が向上すると推定される。
【0019】プライマーは、全プライマー層の硬化後の
膜厚が10〜50μmとなるように塗布する。全体の膜厚が
10μm以下であると、高温陰極剥離性、高温耐水性が低
下し、50μm以上となると、高温陰極剥離性、高温耐水
性は向上するが、冷熱サイクル性が著しく低下する。
【0020】上記のようにプライマー処理した鋼材に、
変性ポリオレフィン接着樹脂層を介してポリオレフィン
樹脂被覆層を設ける。ポリオレフィン樹脂は接着性が比
較的低いので、プライマーと樹脂層との界面に接着剤層
として変性ポリオレフィンを介在させる。変性ポリオレ
フィン樹脂は、好ましくは被覆層に使用するのと同種の
ポリオレフィン樹脂をマレイン酸、アクリル酸等の不飽
和カルボン酸もしくはこれらの無水物で変性して接着性
を付与したもの、またはこれらの変性物とポリオレフィ
ン樹脂の混合物である。無水マレイン酸変性ポリオレフ
ィン樹脂が特に高い接着性を示すので好ましい接着剤で
ある。その他、エチレン/酢酸ビニル共重合体などのエ
チレン共重合体なども使用可能である。接着剤層の厚み
は接着剤の種類によっても異なるが、一般には 0.1〜0.
5 mm程度であり、特に限定されない。
【0021】本発明において被覆層を構成するポリオレ
フィン樹脂は、一般に鋼材の被覆に用いられているポリ
オレフィンのいずれでも使用できる。例えば、低密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、または少量の
他のオレフィンもしくはビニルモノマー (例、プロピレ
ン、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステルな
ど) が共重合されたオレフィン系共重合体が挙げられ
る。これらは混合して用いてもよい。ポリプロピレン被
覆の場合は、ポリエチレン成分を10〜50%含有している
ポリプロピレンを使用するのが好ましく、ポリエチレン
成分をブロック共重合させたものがさらに好ましい。ポ
リプロピレンは低温で脆化しやすいが、ポリエチレン部
分の効果により低温脆化が著しく改善されるためであ
る。なお、上記ポリオレフィンには慣用の酸化防止剤、
紫外線吸収剤、顔料、充填材剤等の添加剤を配合しても
よい。特に酸化防止剤の添加は好ましい。
【0022】変性ポリオレフィン接着剤およびポリオレ
フィン樹脂の被覆は、溶融丸ダイ共押出被覆や溶融Tダ
イ押出被覆等を使用した慣用の方法により行い、接着剤
層を介してポリオレフィン樹脂が被覆された重防食被覆
鋼材が得られる。このポリオレフィン被覆鋼材は、以下
の実施例で示すように、高温陰極剥離性、高温耐水性だ
けでなく冷熱サイクル性にも優れており、温度の変化の
激しい環境下でも、冷熱サイクルによる密着性の低下が
防止でき、優れた防食性を発揮しうる。
【0023】
【実施例】
(実施例1〜8)予めグリッドブラストで表面を調整
し、洗浄された直径114 mmの鋼管の外面に、管移動速度
13m/min で搬送ロールを移動させながら鋼管温度を60℃
に誘導加熱器を用いて加熱し、まずクロメート処理剤を
全クロム付着量が250 mg/m2 になるようにしごき塗りし
た。次いでエポキシ系紫外線硬化塗料を第1層として、
第1表に示すように塗布し、それぞれ集光型2KW高圧水
銀ランプを3灯づつ備え付けた2基の照射装置 (各長さ
50cm) を通過させることにより2秒間の紫外線による管
全周照射 (管表面での照射エネルギー:17000 J/cm2)を
行って、第1層目のプライマー層の硬化被膜を形成し
た。次に第2層目以降のエポキシ系紫外線硬化塗料を表
1に示す膜厚で塗布し、続いて直ちにそれぞれ集光型2
KW高圧水銀ランプを3灯づつ備え付けた2基の照射装置
(各長さ50cm) を通過させることにより2秒間の紫外線
による管全周照射 (管表面での照射エネルギー:17000
J/cm2)を行って、プライマー層の硬化被膜を形成した。
ここで使用したエポキシ系紫外線硬化塗料は、日本ペイ
ント (株) 製:ユービーコート H-14 である。
【0024】この硬化プライマー層の上に、溶融丸ダイ
共押出装置により、無水マレイン酸変性ポリプロピレン
(三菱油化 (株) 製、商品名モディックP-300)からなる
接着層を介してポリプロピレン樹脂 (三菱油化 (株)
製、BC-8D :プロピレン−エチレンブロック共重合体)
外被を被覆することにより外面ポリプロピレン被覆鋼管
を得た。
【0025】上記の被覆鋼管から 150×70mmに切りだし
たサンプルについて、二次密着力の評価として、熱塩水
浸漬試験 (浸漬温度90℃、3%NaCl、3000時間) を行
い、試験後、端面からの浸水幅を測定した。
【0026】また試験片の被覆層に、直径5mmの鋼面に
達する人工傷を設け、これを80℃に保った3%NaCl食塩
水に接液させ、飽和カロメル電極に対して−1.5Vの電位
として500 時間保持し、500 時間後の人工傷を含めた剥
離距離直径を測定し、これを陰極電解剥離長さとして評
価した。
【0027】また 150×70mmに切りだしたサンプルを、
−30℃、12時間、+120 ℃、12時間を1サイクルとした
冷熱サイクル試験を20サイクル実施し、ポリプロピレン
被膜の密着力を測定した。以上の試験結果をまとめて表
1に示す。
【0028】(実施例9〜16)直径216 mmの配管用炭素
鋼鋼管 (JIS G 3452) をグリッドブラストにより表面を
調整し、管移動速度3m/min で搬送ロールを移動させな
がら、鋼管温度を60℃に誘導加熱器を用いて加熱し、ま
ずクロム処理剤を全クロム付着量が250 mg/m2になるよ
うにしごき塗りした。次いで熱硬化型プライマーとして
ポリアミン硬化エポキシプライマーを第1層目として、
表1に示す膜厚となるように塗布し、加熱硬化させ、第
1層目のプライマー層の硬化被膜を得た。次に第2層目
以降の熱硬化プライマーを表1に示す膜厚に塗布し、硬
化させた。ここで用いた熱硬化型プライマーは日本ペイ
ント (株) 製No.66 プライマーである。
【0029】次にこの硬化プライマー層の上に、実施例
1〜8と同様にして、無水マレイン酸変性ポリプロピレ
ン (三菱油化 (株) 製、商品名モディックP-300)からな
る接着層を介してポリプロピレン樹脂 (三菱油化 (株)
製、BC-8D)を被覆し、外面ポリプロピレン被覆鋼管を得
た。上記の被覆鋼管から、実施例1〜8と同様にサンプ
ルを切り出し、熱塩水浸漬試験、陰極剥離試験および冷
熱サイクル試験を行い、その結果を表1に示す。
【0030】(比較例1〜5)プライマーの膜厚を表1
に示すように変えた以外は実施例1〜8と同様にして被
覆鋼管の製造および試験を行った。
【0031】(比較例6〜10)プライマーの膜厚を表1
に示すように変えた以外は実施例9〜16と同様にして被
覆鋼管の製造および試験を行った。
【0032】表1の結果から明らかなように、本発明の
ポリオレフィン被覆鋼管(実施例1〜16)では、プライ
マー層が1層のみの場合(比較例5および10) に比べ、
冷熱サイクル性試験、陰極剥離試験および塩水浸漬試験
の結果が優れている。すなわち、紫外線硬化型プライマ
ー、熱硬化型プライマーのどちらを使用した場合でも、
冷熱サイクル20サイクル後に、試験前と同様、20kg/cm
以上の密着力(密着力測定時にポリプロピレン樹脂が破
断)を示し、冷熱サイクル性が優れている。また陰極剥
離試験、塩水浸漬試験の結果も良好である。
【0033】一方、比較例1、6に示すように、第1層
目のプライマー層の厚みが0.1 μm以下の場合は、冷熱
サイクル試験、陰極剥離試験および塩水浸漬試験の結果
がすべて劣る。また比較例2、7に示すように、第1層
目の膜厚が3μm以上となると、1層のみの場合 (比較
例5、10) とほぼ同等の結果となり、2層以上塗布する
ことによる効果がない。
【0034】また、比較例3、8に示すように、全膜厚
が10μm以下の場合、陰極剥離試験、塩水浸漬試験の結
果が劣る。また比較例4、9に示すように全膜厚が50μ
m以上となると陰極剥離試験、塩水浸漬試験結果は向上
するが、冷熱サイクル性が著しく低下する。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
鋼材表面にクロメート処理層、プライマー層、変性ポリ
オレフィン樹脂層およびポリオレフィン樹脂被覆層を順
次積層させた重防食被覆鋼材において、プライマー層を
2層以上にし、かつクロメート処理層側の第1層目のプ
ライマー層の膜厚および全体のプライマー層の膜厚を特
定の範囲とすることにより、冷熱サイクル性、高温陰極
剥離性、高温耐水性に優れたポリオレフィン被覆鋼材を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるポリオレフィン被覆鋼材の一部断
面図である。
【符号の説明】
1:脱脂、酸性、ブラスト処理を施した鋼材 2:クロメート処理剤層 3:第1層目のプライマー層 4:第2層目のプライマー層 5:変性ポリオレフィン樹脂層 6:ポリオレフィン樹脂被覆層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材表面に、クロメート処理層、プライ
    マー層、変性ポリオレフィン接着剤層およびポリオレフ
    ィン樹脂被覆層が順次積層されているポリオレフィン樹
    脂被覆鋼材において、前記プライマー層が2層以上から
    なり、クロメート処理層側の第1層目のプライマー層の
    膜厚が0.1 〜3μmであり、プライマー層全体の膜厚が
    10〜50μmであることを特徴とするポリオレフィン樹脂
    被覆鋼材。
JP6130448A 1994-06-13 1994-06-13 ポリオレフィン樹脂被覆鋼材 Withdrawn JPH07329244A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008233667A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Toppan Printing Co Ltd 反射防止フィルムおよび偏光板

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008233667A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Toppan Printing Co Ltd 反射防止フィルムおよび偏光板

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