JPH11279481A - 鋼材用防食塗料組成物 - Google Patents

鋼材用防食塗料組成物

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JPH11279481A
JPH11279481A JP8105198A JP8105198A JPH11279481A JP H11279481 A JPH11279481 A JP H11279481A JP 8105198 A JP8105198 A JP 8105198A JP 8105198 A JP8105198 A JP 8105198A JP H11279481 A JPH11279481 A JP H11279481A
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amine
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JP8105198A
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Hiroshi Kishikawa
浩史 岸川
Takayuki Kamimura
隆之 上村
Mitsuo Kuze
光夫 久世
Tomoyuki Hirai
智之 平井
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Nippon Paint Co Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海水等の侵食性環境下において、優れた防錆
性、長期密着性(耐陰極剥離性)および冷熱サイクル特
性を有する鋼管の提供。 【解決手段】 4,4-(ビスヒドロキシフェニル)アル
カン-グリシジルエーテル類を含むエポキシ樹脂、アミ
ン系硬化剤、ホウ酸亜鉛化合物、およびクロム酸系防錆
顔料を含有する鋼管用防食塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材用防食塗料組
成物、およびそれを塗装した鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】海水や食塩水等の電解質を含む湿潤環境
下における鋼材の腐食を防止する手段の一つに電気防食
がある。電気防食は、鋼材を陰極に保って鉄のイオン化
を抑制することにより溶解を防止する方法であるが、鉄
部分が大面積になると電力や犠牲陽極の消費が増すた
め、通常は鋼材をそのまま電気防食することはなく、塗
装やライニング(例えば、ポリオレフィン被覆)のよう
な有機被膜による防食手段と併せて行うことが多い。こ
の複合防食によれば、鋼材の大部分が有機被膜により防
食され、該有機被膜に発生する傷、ピンホール等の欠陥
部分を電気防食で補うことができ、補完的な機能を介し
て経済効率を高めることができる。
【0003】一般に、陰極に分極された金属表面では金
属イオンが還元されて溶解されなくなるため、溶解しよ
うとする金属イオンに見合うだけの電力を与えて電気防
食すれば十分な効果が得られる。この際、溶解しようと
する金属イオンの量は、金属の表面積に比例し、塗装鋼
材では欠陥部分の表面積に相当することになる。しか
し、前記欠陥部分の表面積を知ることは極めて困難であ
るため、過剰な電気防食を施すのが通例とされている。
ところが、過剰な分極化は、陰極における水の電気分解
により、水酸イオンを発生させるため、陰極となる有機
被膜の傷部が常にアルカリ雰囲気に曝されることとな
る。このような事態が生じると、鋼材−有機被膜ないし
は有機被膜間のいずれかの界面、特に耐アルカリ性の弱
い部位で被膜の劣化や接着点の切断が起こり、陰極剥離
現象が発生する。
【0004】このような陰極剥離現象を抑制するため
に、鋼材表面にクロメート処理を施したり、エポキシ樹
脂などのプライマーを塗装したり、あるいはその両者を
採用したりしている。
【0005】したがって、現在最も多く採用されている
パイプライン用鋼管の表面は、図1に示すように、鋼管
表面に表面処理層(ブラスト/クロメート被膜)、エポ
キシプライマー層、ポリオレフィン接着剤層およびポリ
オレフィン被膜層を順に形成した構造を有している(例
えば、特開平8−25560号公報および特開平7−3
29244号公報等)。
【0006】この構造をもつ鋼管のエポキシプライマー
の改良技術として、特開平6−100802号公報に
は、エポキシ系の熱硬化性樹脂中に、ホウ酸亜鉛化合物
を配合したものが提案されている。この防食塗料組成物
は、陰極剥離を効果的に防止することができるが、その
剥離防止作用を更に長期的に確保することが望まれてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鋼材
を使用する海水等の侵食性環境下において、鋼材に、優
れた防錆性、長期密着性(耐陰極剥離性)および冷熱サ
イクル特性を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、a)4,4-
(ビスヒドロキシフェニル)アルカン-グリシジルエー
テル 50重量部とノボラック型エポキシ樹脂 20〜8
0重量部からなる主剤、b)前記主剤の合計エポキシ当
量とアミン系硬化剤の活性水素当量の比が1:1〜0.
5となる量のアミン系硬化剤、c)前記主剤総量とアミ
ン系硬化剤との和を100重量部として5〜50重量部
のホウ酸亜鉛化合物、およびd)前記主剤総量とアミン
系硬化剤との和を100重量部として1〜30重量部の
クロム酸系防錆顔料を含有する鋼材用防食塗料組成物を
提供する。
【0009】本発明は、さらに、鋼材表面に、1)a)
4,4-(ビスヒドロキシフェニル)アルカン-グリシジ
ルエーテルとノボラック型エポキシ樹脂から成る主剤、
b)アミン系硬化剤、c)ホウ酸亜鉛化合物およびd)
クロム酸系防錆顔料を含有する防食塗料組成物から成
る、膜厚10〜100μmの塗膜、および2)ポリオレ
フィンライニングを順に形成した鋼材も提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳しく説明す
る。本発明の第1の態様である鋼材用防食塗料組成物
は、a)4,4-(ビスヒドロキシフェニル)アルカン-
グリシジルエーテル類を含むエポキシ樹脂、b)アミン
系硬化剤、並びに防錆性、電気防食性並びに冷熱サイク
ル特性を付与するためのc)ホウ酸亜鉛化合物および
d)クロム酸防錆顔料を含有する。
【0011】ここで防食作用を付与する対象である鋼材
は、炭素鋼、またはステンレス鋼等の合金鋼などから製
造されたパイプライン等での使用に有用なもの(鋼材、
バルブ、板等)をいずれも包含する。鋼材は、使用前
に、必要により公知の方法(例えば、ショットブラスト
処理、グリッドブラスト処理、サンドブラスト処理等の
物理的手段、または酸洗、アルカリ脱脂等の化学的手
段、あるいはそれらの組み合わせ)で表面処理されてい
てよい。また、下地処理としてクロメート処理やリン酸
亜鉛処理等の化成処理を行うことも可能である。
【0012】本発明の塗料組成物に含まれる主剤(a)
は、4,4-(ビスヒドロキシフェニル)アルカン-グリ
シジルエーテル類とノボラック型エポキシ樹脂から構成
される。
【0013】本発明に使用する4,4-(ビスヒドロキシ
フェニル)アルカン-グリシジルエーテル類としては、
ビスフェノールA[2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)プロパン]、ビスフェノールF[4,4-(ビスヒド
ロキシフェニル)メタン]等の4,4-(ビスヒドロキシ
フェニル)アルカン類に、エピハロヒドリンを作用させ
て製造され得るものである。このような樹脂の例として
は、商品名「エポトートYD128」(東都化成製、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂)、「エピコート828」(油
化シェルエポキシ製、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂)、および「エポトートYDF-170」(東都化成製、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂)などが挙げられる。
【0014】また、上記ノボラック型エポキシ樹脂とし
ては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂およびクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂のいずれかまたは両者
が使用できる。この種のエポキシ樹脂は、例えば、商品
名「エピコート152」(油化シェルエポキシ製、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂)、および「エピコート
180S-65」(油化シェルエポキシ製、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂)などが挙げられる。
【0015】本発明の塗料組成物中において、主剤は、
上記4,4-(ビスヒドロキシフェニル)アルカン-グリ
シジルエーテル類50重量部とノボラック型エポキシ樹
脂20〜80重量部から成る。最も好ましい主剤は、
4,4-(ビスヒドロキシフェニル)アルカン-グリシジ
ルエーテル類とノボラック型エポキシ樹脂(重量比5
0:40〜60)から構成され得る。
【0016】本発明の塗料組成物中に含まれるアミン系
硬化剤は、上記主剤中のエポキシ基に対して付加重合し
得る官能基(アミノ基)を分子内に複数個含有する常套
のアミン系エポキシ硬化剤であって、例えば、脂肪族ジ
アミン、芳香族ジアミン、複素環式ジアミンなどのジア
ミン類、およびそれらの各種変性物、並びにそれらの混
合物を包含する。このようなアミン系硬化剤の例として
は、商品名「エポメート」(油化シェルエポキシ製、各
種複素環式ジアミン変性物)、「サンマイド」(三和化
学製、各種アミンアダクト)、「トーマイド」(富士化
成製、各種ポリアミド)が挙げられ、塗料組成物の形態
や硬化条件(常温硬化、加熱硬化)等に応じて適宜選択
できる。
【0017】アミン系硬化剤は、その添加量が、エポキ
シ当量とアミン系硬化剤の活性水素当量の比を1:1と
した場合よりも硬化剤が少ない方が良好な耐陰極剥離性
を与えることが分かっており、本発明の塗料組成物にお
いては、エポキシ当量とアミン系硬化剤の活性水素当量
との比が1:1〜0.5の範囲となるような量で添加さ
れ得る。最も好ましいアミン系硬化剤添加量は、エポキ
シ当量/アミンの活性水素当量の比1/0.7〜0.9で
ある。アミン系硬化剤の添加量が上記当量比1/0.5
より少ないと、硬化反応が十分に行えないため塗膜の低
温衝撃性等の物理性能が得られず、当量比1/1を超え
ると、硬化剤が過剰となって親水基が増えるため、耐水
性が低下することがある。
【0018】本発明の塗料組成物に含まれるホウ酸亜鉛
化合物は、塗料組成物に防食・防錆性を付与することを
目的とする。このようなホウ酸亜鉛化合物は、例えば、
メタホウ酸亜鉛[Zn(BO2)2]、塩基性ホウ酸亜鉛
[ZnB47・2ZnO]またはホウ酸亜鉛[2ZnO
・3B23・3.5H2O]の1種または2種以上の混合
物が挙げられる。
【0019】ホウ酸亜鉛化合物は、主剤総量とアミン系
硬化剤添加量の和を100重量部として、5〜50重量
部、もっとも好ましくは20〜30重量部の量で使用し
てよい。ホウ酸亜鉛化合物の量が、5重量部未満では、
陰極剥離現象に対する抑制効果が発現できず、また50
重量部を超えると、陰極剥離効果は発揮されるが、形成
された塗膜が脆弱となり、実用性に欠けるため、好まし
くない。
【0020】本発明で使用するクロム酸系防錆顔料は、
防食塗料の分野において公知のものがいずれも使用でき
る。その例としては、例えば、クロム酸ストロンチウ
ム、クロム酸亜鉛、クロム酸鉛が挙げられる。
【0021】本発明の塗料組成物中に添加し得る上記ク
ロム酸系防錆顔料の量は、主剤総量とアミン系硬化剤添
加量の和を100重量部として、1〜30重量部であ
る。クロム酸系防錆顔料の添加量は、1重量部未満であ
ると、クロム酸イオンの溶出による不動態化の機能が発
現できないために長期防食性が低下し、30重量部を超
えると、それ以上の効果がみられず、2次密着性が低下
する。クロム酸系防錆顔料の添加量は、最も好ましくは
主剤総量とアミン系硬化剤添加量の和を100重量部と
して、5〜15重量部である。
【0022】本発明の塗料組成物には、上記必須組成成
分以外に、必要に応じ、有機溶剤、着色顔料、表面調整
剤等の成分を添加してよい。
【0023】本発明の塗料組成物は、通常の塗料の製造
と同様の方法で製造できる。すなわち、液状無溶剤型塗
料の場合には、必要量の各組成成分を、ロールミル、デ
ィゾルバー等で分散処理し、有機溶剤型塗料の場合に
は、ロールミル、ディゾルバー、SGミル、ボールミル
等で分散処理する。
【0024】本発明の塗料組成物は、塗装に使用する前
に、60〜80℃に予備加熱するか、または溶剤を添加
して粘度を低下させることにより、最適な使用粘度(例
えば、通常、1000cps以下)に調節することがで
きる。
【0025】本発明の第2の態様では、本発明の上記塗
料組成物から成る塗膜、およびポリオレフィンライニン
グを順に含んで成る鋼材を提供する。すなわち、本態様
によって得られる鋼材は、鋼管等の鋼材上に、本発明の
鋼材用防食塗料組成物を塗布・乾燥させて塗膜を形成さ
せた後、ポリオレフィン系樹脂被覆を形成することによ
り、防食性を付与した鋼材である。
【0026】鋼材は、前述と同様のものであってよく、
さらに必要に応じて公知の方法で表面処理され得る。
【0027】処理された鋼材上に、本発明の第1の態様
において記載した防食性塗料組成物を、スプレー塗装ま
たはしごき塗布等の常套の方法で塗装し、加熱乾燥し
て、当該塗料組成物の塗膜を形成する。
【0028】形成され得る防食性塗料組成物塗膜の厚さ
は、平均測定値10〜100μmであるのが好ましい。
前記塗膜厚さが10μm未満では、防食機能が発現でき
ず、また100μmを超えると冷熱サイクル特性が低下
して剥離面積が増加する。
【0029】上記防食性塗膜形成後、ポリオレフィンラ
イニングを施して、ポリオレフィン被覆を設ける。この
ポリオレフィン被覆を形成するのに使用するポリオレフ
ィン樹脂は、一般に、鋼材の被覆に用いられているポリ
オレフィンをいずれも使用できる。このようなポリオレ
フィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン
等、並びに少量の他のオレフィンもしくはビニルモノマ
ー(例えば、プロピレン、酢酸ビニル、アクリル酸、ア
クリル酸エステル等)が共重合されたオレフィン系共重
合体、または変性ポリオレフィンが挙げられ、これらを
単独でまたは混合して用いてよい。ポリオレフィン樹脂
としてポリプロピレンを用いる場合、ポリエチレン成分
10〜50%を含有するポリプロピレンを使用するのが
好ましく、ポリエチレン成分をブロック共重合させたも
のがさらに好ましい。これは、ポリプロピレンは低温で
脆化し易いが、ポリエチレン部分の効果により低温脆化
が著しく改善されるためである。
【0030】本発明のポリオレフィン被覆に使用する好
ましいポリオレフィン樹脂は、ポリエチレンまたはポリ
プロピレンあるいはそれらの変性物であり、好ましい被
覆厚さは、1〜6mmである。
【0031】ポリエチレン被覆を用いる場合として、鋼
材との密着性を高めるために、鋼材とポリエチレン被覆
との間に変性ポリオレフィン接着樹脂を含有する接着樹
脂層を介在させる。このような変性ポリオレフィン接着
樹脂は、好ましくはポリオレフィンライニングに使用す
るのと同種のポリオレフィン樹脂を、マレイン酸もしく
はアクリル酸等の不飽和カルボン酸またはこれらの無水
物で変性して接着性を付与したもの、あるいはこれらの
変性物とポリオレフィン樹脂の混合物である。無水マレ
イン酸変性ポリオレフィン樹脂は、特に高い接着性を示
すことから、この目的を達成する観点から好ましい。上
記以外にも、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のエチレ
ン共重合体等も使用できる。この目的のための変性ポリ
オレフィン接着樹脂層の厚さは、使用する樹脂の種類に
よって異なり、一般に300〜500μmであるが、こ
の範囲に特に限定されるものではない。
【0032】上記ポリオレフィン被覆用組成物には、常
套の酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、充填剤等の添加
剤を配合してもよい。特に酸化防止剤の添加は好まし
い。
【0033】本発明の防食性鋼管には、上記ポリオレフ
ィン被覆の上に、必要に応じて、重防食ウレタン被覆、
エポキシ樹脂塗料などの重防食塗膜、および美装のため
の上塗り層をさらに形成しても差し支えない。
【0034】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例1 先ず、表1に記載の組成および配合量において、エポキ
シ樹脂Aおよびエポキシ樹脂Bを60〜80℃に加熱し
た。次に、その温度で撹拌しながら、ホウ酸亜鉛および
クロム酸ストロンチウムを徐々に加え、均一に混合した
後、3本ロールミルを用いて、粒度20μm以下までロ
ールミル分散を行うことにより、防食用塗料組成物(以
下、エポキシプライマーという。)を調製した。
【0035】除錆度合い:SIS規格でSa2.5以上
および表面粗度(Rz)40μm程度までグリッドブラ
スト処理した、直径216mmの配管用炭素鋼管(JI
SG3452)を、管移動速度3m/分で搬送ロールを移動
させながら、誘導加熱器を用いて鋼管温度を60℃に加
熱し、塗布型クロメート(サーフコートNRC-300、日本
ペイント製)をしごき塗りしてクロメート皮膜を形成し
た。クロメート皮膜は、焼付け後のクロム付着量換算
で、300mg/m2となるようにした。
【0036】次に、上記で調製したエポキシプライマー
を60〜80℃に予備加熱することにより、使用粘度を
1000cpsまで下げて、スプレー時の霧化状態を向
上させた。このエポキシプライマーをエアレススプレー
(ポンプ圧力120〜140kg/cm2、ガン距離2
00〜400mm)により、膜厚50μmとなるように
塗布し、180〜200℃で5分間加熱して、塗膜を形
成した。その後、その上に、溶融丸ダイ共押出により、
接着性ポリエチレン(商品名「アドマー」、三井石油化
学製)を膜厚300〜500μmに、および高密度ポリ
エチレン(商品名「ショウレックス」、昭和電工製)を
膜厚3〜3.5mmとなるようにラミネートした。
【0037】こうして得られたプライマー塗膜を有する
鋼管を、100mm×150mmに切断して、試験材と
した。
【0038】実施例2〜6および実施例9〜12 エポキシプライマーの組成および配合比並びにエポキシ
プライマー膜厚を表1に記載の如く変えたこと以外は、
実施例1と同様にして、プライマー塗膜を有する鋼管を
作製し、試験材を切り出した。
【0039】実施例7および8 ポリオレフィンライニングとして、接着性ポリエチレン
(商品名「アドマー」、三井石油化学製)の代わりに膜
厚300〜500μmの接着性ポリプロピレン(商品名
「モディックP-300」、三菱化学製)、並びに高密度ポ
リエチレン(商品名「ショウレックス」、昭和電工製)
の代わりに、膜厚3〜3.5mmのポリプロピレン(商
品名「BC-8D」、三菱化学製)を用いたこと以外は、実
施例1と同様にして、エポキシプライマー塗膜を有する
鋼管を作製し、試験材を切り出した。
【0040】
【表1】
【0041】比較例1〜11 エポキシプライマーの組成および配合比並びにエポキシ
プライマー膜厚を表2に記載の如く変えたこと以外は、
実施例1と同様にして、エポキシプライマー塗膜を有す
る鋼管を作製し、試験材を切り出した。
【0042】
【表2】
【0043】上記表1および表2中の各符号は、以下の
意味を表す。 a:ビスフェノールA型エポキシ樹脂[商品名エポトー
トYD128(東都化成製)、エポキシ当量=190] b:フェノールノボラック型エポキシ樹脂[商品名エピ
コート152(油化シェルエポキシ製)、エポキシ当量=
175] c:商品名エポメートB-002(油化シェルエポキシ
製)、活性水素当量=95 d:以下のポリエチレン(PE)またはポリプロピレン
(PP)を溶融丸ダイ共押出しによりラミネートした; PE=接着性ポリエチレン(商品名「アドマー」、三井
石油化学製、膜厚300〜500μm)および高密度ポ
リエチレン(商品名「ショウレックス」、昭和電工製、
厚さ3〜3.5mm) PP=接着性ポリプロピレン(商品名「モディック」、
三菱化学製、300〜500μm)およびポリプロピレ
ン(商品名「BC-8D」、三菱化学製、厚さ3〜3.5m
m)
【0044】評価方法 上記で得られた実施例1〜12および比較例1〜11の
試験材について、ポリオレフィンライニング後の性能評
価を調べるために、以下の各試験を行った。
【0045】1.電防試験1 ASTM G−8に準拠して、電防試験を行った。試験
材のポリオレフィン被覆層に、直径9mmの鋼面に達す
る人口傷を設けた。これを80℃に保った3%NaCl
水溶液に接液させ、飽和カロメル電極に対して−1.5
Vの電位として15日間保持した後、人口傷からの剥離
距離(mm)を測定した。
【0046】2.電防試験2 試験材を、最初に3%NaClに80℃で100日間浸
漬した後、上記電防試験1と同様の条件で試験し、剥離
幅(mm)を測定した。
【0047】3.密着力試験 被覆層に1cm幅で鋼材に達するカットをカッターナイ
フで形成し、180°の角度での引っ張り試験値を測定
する方法により、初期密着力、食塩水(60℃、3%)
に14日間浸漬した後の密着力、および沸騰水(95〜
100℃)に5日間浸漬した後の密着力をそれぞれ測定
した。
【0048】4.冷熱サイクル試験 試験材を−45℃で24時間保持した後、95%RHに
おいて80℃で24時間保持することを1サイクルとし
て、これを20サイクル行った。その後、ポリオレフィ
ンライニングを剥離した。ポリオレフィンライニング剥
離後のエポキシプライマー剥離面積(%)を測定した。
【0049】上記評価結果を表3にまとめる。評価の基
準として、以下の測定結果を良好とした。 電防試験1…4mm以下 電防試験2…7mm以下 密着力試験…20Kg/cm以上 冷熱サイクル…10%以下
【0050】
【表3】
【0051】表3中、 a:ポリエチレンが破断した。 +:ポリオレフィンライニング剥離後のエポキシプライ
マー剥離面積率
【0052】上記表3中、本発明のエポキシプライマー
を有する試験材は、比較例の各試験材に比べて、ポリオ
レフィンライニング後に、優れた耐陰極剥離性を発現し
た。また、本発明の試験材は、食塩水および沸騰水に対
する防食性も良好で、かつ十分な冷熱サイクル特性も有
していることが分かった。
【0053】
【発明の効果】本発明の防食塗膜を有する鋼管を使用す
ると、海水等の侵食性環境下において、防錆性が向上
し、かつ優れた長期密着性および冷熱サイクル特性が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パイプライン用鋼管表面の構造を表す模式的
断面図。
【符号の説明】
1…鋼管、2…表面処理(ブラスト/クロメート処
理)、3…防食性エポキシプライマー層、4…ポリオレ
フィン接着剤層、5…ポリオレフィン被膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 59/62 C08G 59/62 (72)発明者 久世 光夫 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 平井 智之 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)4,4-(ビスヒドロキシフェニル)
    アルカン-グリシジルエーテル 50重量部とノボラック
    型エポキシ樹脂 20〜80重量部からなる主剤、 b)前記主剤の合計エポキシ当量とアミン系硬化剤の活
    性水素当量の比が1:1〜0.5となる量のアミン系硬
    化剤、 c)前記主剤総量とアミン系硬化剤との和を100重量
    部として5〜50重量部のホウ酸亜鉛化合物、および d)前記主剤総量とアミン系硬化剤との和を100重量
    部として1〜30重量部のクロム酸系防錆顔料を含有す
    る鋼材用防食塗料組成物。
  2. 【請求項2】 鋼材表面に、 1)請求項1記載の防食塗料組成物から成る、膜厚10
    〜100μmの塗膜、および 2)ポリオレフィンライニングを順に形成した鋼材。
JP8105198A 1998-03-27 1998-03-27 鋼材用防食塗料組成物 Pending JPH11279481A (ja)

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