JPH07328399A - 芳香族ポリアミドからなる多孔質膜 - Google Patents

芳香族ポリアミドからなる多孔質膜

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JPH07328399A
JPH07328399A JP13047395A JP13047395A JPH07328399A JP H07328399 A JPH07328399 A JP H07328399A JP 13047395 A JP13047395 A JP 13047395A JP 13047395 A JP13047395 A JP 13047395A JP H07328399 A JPH07328399 A JP H07328399A
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Reinhard Dr Wagener
ラインハルト・ヴァゲナー
Karsten Blatter
カルステン・ブラッター
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アルノルト・シュネラー
Joachim Krauss
ヨアヒム・クラウス
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Hoechst AG
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    • C08G69/02Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids
    • C08G69/26Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids derived from polyamines and polycarboxylic acids
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定剤を添加することなくその多孔性と透過
性とを十分に維持して乾燥することができる、芳香族ポ
リアミドからなる新たな膜を提供する。膜は限外濾過、
微細濾過及びナノ濾過に使用することができる。 【構成】 式(I): 【化1】 (式中、Arは1,3-または1,4-フェニレン基であるかこれ
らの混合物である)の単位から形成された芳香族ポリア
ミドを主成分として含む多孔質非対称膜。指数a、b、
c及びdは、a+b= 1 であり、c+dの合計が少な
くとも0.9 であり最大1.1 であるようにように選択され
る。cの値は少なくとも0.4 である。該膜は転相法によ
り製造される。最初に得られた湿潤膜は安定剤を添加す
ることなく乾燥することができる。そして膜内外圧力p
=3バールにおいて測定して水について少なくとも20 l
/m2hの水圧透過率を有する。窒素、酸素または空気につ
いての透過率は少なくとも 1・106 バレール/cm であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微細濾過(microfiltra
tion) 、限外濾過(ultrafiltration)あるいはナノ濾過
(nanofiltration)に適しており、芳香族ポリアミドから
なるか、またはそれとその他のポリマーとの混合物から
なり、乾燥状態においてもその多孔質構造を保持する多
孔質膜に係わる。
【0002】
【従来の技術】膜及び膜分離工程は、高い非対称性を有
する膜が成功裏に製造された(Adv. Chem. Ser. 38, 117
(1962))後に初めて広い工業的な用途が見出されるよう
になった。これに必須である転相製造法(phase inversi
on production process) は、最初は酢酸セルロースに
ついて開発され、その後疎水性ポリマー、例えばポリス
ルホン等について応用されることが可能となった。とこ
ろで、膜について多様なポリマー構造が提案され、試験
されており(desalination, 35, 5〜20 (1980))、いくつ
かのものは工業的に受け入れられており、また臨床上の
用途も見出されている。多孔質膜は(非多孔質膜を使用
する透析蒸発(pervaporation)は別として)、水中に溶
解または懸濁した成分を分離するのにかなり一般的に使
用されている。非常に多種の処理水流についてこの要求
が高まっている。しかし、市販の膜を使用すると当業者
にファウリング(fouling) と呼ばれている問題が起こ
る。ファウリングは、膜の孔の詰まり、あるいは膜表面
への供給成分の不可逆的な吸着を意味するものと理解さ
れる。ここでは、疎水性、即ち非極性の相互作用力が重
要な役割を一般的に演ずる。親水性表面を有する膜が水
溶液においてファウリングを抑制できることは示されて
いる。親水性表面を有する非対称膜は天然または合成由
来の親水性ポリマーから得ることができる。
【0003】既に挙げた酢酸セルロースは天然由来のそ
のような親水性膜形成ポリマーである。しかし、膜材料
としてはいくつかの欠点を有する。酢酸セルロースによ
り形成された膜は35℃より高い温度に対して非常に感受
性が高く、比較的容易に微生物に侵される。その上、酸
性または塩基性の媒体中で加水分解されてしまう。従っ
てポリマー化学においては、良好な安定性を有する膜の
製造のための、合成の親水性ポリマーを提供するという
課題がある。洗剤及び有機溶媒に対して良好な化学耐性
を有し、良好な熱安定性を有し、良好な生物耐性を有す
る親水性膜形成ポリマーであって、これまでに記載され
たものとしては、特に、芳香族コポリアミド(EP 325 96
2, EP 539 870, EP 501 425) 及び芳香族コポリエーテ
ルアミド(EP 543 171)及びそのポリビニルピロリドン(P
VP)とのアロイ(EP 382 009)がある。これらの材料から
形成された微細濾過、限外濾過あるいはナノ濾過型の多
孔質膜は、多くの場合において良好な抗吸着性と低ファ
ウリングを示す。
【0004】芳香族ポリアミドは、他の親水性ポリマー
と全く同様に、強力な分子間極性相互作用力により区別
される。このような力は、例えば双極−双極あるいは水
素結合型のものであり得る。このことは、これらのポリ
マーの表面に対する吸着について、水が他の分子と極め
て効果的に競争できるという効果を有する。従って、水
性環境下において、膜表面に対する試験物質の不可逆的
な吸着はずっと起こりにくくなる。しかし、これらの極
性相互作用は、ポリマーの乾燥表面上で不飽和のままで
なければならない。従って、親水性ポリマーについて
は、臨界表面張力の高い値が測定される。特に、少なく
とも70% の気孔率(volume porosity) を有する多孔質膜
では、結果として生じる自由表面エネルギーが極めて高
い。
【0005】従ってこれらの膜は、ポリマーの高い臨界
表面張力及びその高い気孔率のために、特別な予防処置
なしには乾燥させることができない。孔を充填する液体
を除去する場合は、表面張力は多孔質膜構造が崩壊して
しまうほど高い値に達する。先行技術(EP O 325 962, E
P 539 870, EP 501 425, EP 382 009) においては、膜
の安定化と貯蔵のために、孔液体水が、揮発性が弱く水
と混合できる軟化剤 (softener) 、例えばグリセロール
と置き換えられるような手順が取られ、そのようにして
孔の崩壊に対して膜が保護される。しかし、孔充填剤と
して使用される軟化剤は別のポリマー層の膜表面への接
着を著しく妨げる。従って、複合膜の製造や、これらの
膜をモジュール内に一緒に接合することが、疎水性ポリ
マーからなる膜と比較して困難になる。もちろん、高い
臨界表面張力を有する芳香族ポリアミド及びそのポリマ
ーアロイからなる親水性膜を乾燥する場合には、膜は必
ずしも崩壊するわけではなく、膜の透過性の完全な損失
あるいは悲惨的に高い損失を招くこともある。
【0006】芳香族ポリアミドからなる多孔質膜の温和
な乾燥の分野における先行技術の概観はEP-A O 604 883
にみられる。そこに記載されている乾燥方法は全て重大
な欠点を有しており、これは有毒で健康上有害な溶媒の
助剤としての使用によるものか、あるいは非常に複雑で
装置が高価であるプロセス工程の使用によるものであ
る。EP-A O 604 883は、課題を解決するために、水溶性
ポリマーと電解質との水性溶液中で多孔質の非対称膜を
処理することを提案している。それに続く乾燥の後、軟
化剤を含まずに十分な透過性を有している多孔質膜が得
られる。しかし、この方法も軟化剤での処理による慣用
の安定化方法の欠点から完全に解放されたものではな
い。EP-A O 604 883に従って安定化のために使用される
試薬、即ち水溶性ポリマーと電解質は、少なくとも部分
的には膜の孔容積中に残存する。これらは実際の使用場
所において膜ユニットを始動させるときに再度洗い流さ
れる。従って、最初に得られる透過物はその物質により
汚染されている。この効果は、膜を臨床的領域あるいは
食品分野において使用する場合に重大な問題となり得、
ある状況においてはそこでのそれらの使用が妨げられも
する。
【0007】膜の乾燥状態においては孔容量のいくらか
の部分は安定剤により充填されるので、乾燥膜の気体に
ついての透過性は比較的低い。従ってこのような形で乾
燥された芳香族ポリアミドからなる膜は、逆浸透、ガス
分離及び透析蒸発に使用されるような複合膜のための多
孔質支持膜としてのみ制限はあるものの適している。そ
の親水性、その化学的及び生物学的安定性、及び特にそ
の蒸気殺菌可能な性質のために、芳香族ポリアミドから
なる膜は、臨床領域、食品分野における分離の問題にお
いて、及び複合膜のための多孔質支持膜としての使用に
基本的に非常に適している。
【0008】EP O 543 171、実施例1及び4は、非対称
膜を開示しており、そのポリアミド材料はテレフタル
酸、及び適当な場合にはイソフタル酸のジカルボン酸単
位と、2,2-ビス[4-(4'- アミノフェノキシ) フェニル]
プロパン(BAP) のジアミン単位からなる。製造は転相法
によって行われる。膜はグリセロールを添加して、ある
いは添加なしに空気流中で乾燥できると記載されてい
る。しかし、実施例においては乾燥工程は挙げられてい
ない。膜試料は、そのままの(native)、即ち水で湿っ
た状態での限外濾過実験においてむしろ特色が示され
る。EP 543 171に記載された膜については乾燥の問題は
あまり重要ではないようである。膜を乾燥することにつ
いてはどこにも詳細に記載されておらず、明細書の詳細
な説明中に簡単に触れられているのみである。従って、
EP 543 171には乾燥膜試料の気体透過率または水流束(w
ater fluxes)の測定はない。
【0009】本出願人による比較的最近の研究によれ
ば、EP 543 171によるある膜試料の気体透過は、窒素ま
たは酸素について106 バレール(barrer)/cm を越える程
度までである。「バレール」の用語の定義は例えばEP-A
-0 489 418に見られる(1バレール = 1・10 -10[cm3-(ST
P)・cm]/[cm2・sec・cmHg]; 1/cm Hg = O.075/mbar)。
バレール/cm によるデータは膜を特性化するものであ
り、バレールによるデータは膜材料を特性化するもので
ある(その厚さとは無関係に)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、安定剤を添加することなくその多孔性と透過性とを
十分に維持して乾燥することもできる、芳香族ポリアミ
ドからなる新たな膜を見出すことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】式(I) の構造単位から形
成された芳香族ポリアミドを主成分として含む多孔質非
対称膜(porous asymmetric membrane)が今回見出され
た。
【化2】 式中、Arは1,3-または1,4-フェニレン基であるかこれら
2種の混合物であり、指数a、b、c及びdについて
は、以下の関係を有するものである: a+b = 1; 0.9 ≦ c+d ≦ 1.1; c ≧ 0.4 該膜の特徴は、安定剤を添加することなく乾燥すること
ができるということ、並びに、乾燥後において膜がp=
3バールの膜内外圧力において測定して水について少な
くとも20 l/m2hの水圧透過率(hydraulic permeability)
を有し、少なくとも 1・106 バレール/cm の窒素、酸素
または空気についての気体透過率(gaspermeability)を
有するということである。
【0012】本発明の膜は、乾燥操作においてその多孔
性及び透過性を失わない。疎水性ポリマーからなる多孔
質膜とは対照的に、本発明の芳香族ポリアミドからなる
乾燥膜は、表面活性助剤の使用を必要とすることなく水
で湿潤化することができる。本発明の膜を使用して得た
透過物は、最初から安定剤あるいは湿潤化剤を含まな
い。
【0013】前記膜に含まれる芳香族コポリアミドを製
造するためには、1種または2種のジカルボン酸誘導体
(指数a、b)及び1〜3種のジアミン成分(指数c、
d)が必要であり、合計(c + d) の合計(a + b) に対す
る比は0.90:1〜1.10:1 である。適当な場合には、膜の
価値ある性質を損なうことなく特定の効果あるいは特別
の機能を得ることを目的として、酸塩化物(またはアミ
ン)のモル量の合計に対して10モル% までの量のその他
のコモノマーを使用することができる。
【0014】本発明の膜の芳香族コポリアミドは、芳香
族ジカルボン酸塩化物テレフタロイルジクロリド及び、
適当な場合には、イソフタロイルジクロリドの、芳香族
ジアミン2,2-ビス[4-(4'- アミノフェノキシ) フェニ
ル] プロパン、及び適当な場合にはp-フェニレンジアミ
ンまたは/及びm-フェニレンジアミンとの非プロトン性
極性溶媒中での溶液縮合により公知の方法で製造され
る。この重縮合反応は、好ましくは、反応の終了後に重
縮合物の3 〜50重量% 、好ましくは5 〜35重量% が溶液
中に存在するように行われる。重縮合は慣用の方法によ
り終了させることができ、例えば、塩化ベンゾイルのよ
うな単官能性化合物の添加により終了させることができ
る。この重縮合方法は、記載した芳香族コポリアミドの
極性非プロトン性アミド溶媒中での良好な可溶性との組
合せにより、溶液中の芳香族コポリアミドの分子質量及
び濃度を互いに実質的に独立して変化させることができ
る。これにより、EP 325 962に記載された芳香族ポリア
ミド膜と比較して、膜製造、特に中空糸(hollow fiber)
膜の製造の融通性において格段に有利となる。
【0015】重縮合の終了後、即ちポリマー溶液が膜製
造に必要なシュタウジンガー指数に達したら、生成した
塩化水素を塩基性物質を添加することにより中和する。
シュタウジンガー指数は得られたポリマーの平均鎖長の
尺度である。前記芳香族コポリアミドのシュタウジンガ
ー指数は50〜300 cm3/g の範囲内にある。これは25℃で
N-メチルピロリドン(NMP) 中の芳香族ポリアミドの溶液
について測定した。本発明の多孔質非対称膜を製造する
ためには、前記芳香族コポリアミドの溶液を濾過し、脱
気し、その後、転相法により公知の方法で非対称多孔質
膜を製造する(Robert E. Kesting, “Synthetic Polyme
ric Membranes" 2nd Ed., 1985, pp. 237 ff.)。この
目的のためには、ポリマー溶液を液体層としてできるだ
け平坦な支持体上に拡げる。平板支持体は例えばガラス
板、金属ドラム、またはマクロ多孔質布、あるいは不織
ウェブを含むことができる。その後、沈殿液(precipita
tion liquid)を液体層に作用させる。この沈殿液は溶液
の溶媒とは混和可能なものであるが、その中において、
溶解した芳香族コポリアミドは膜として沈殿析出する。
【0016】本発明の膜は、公知の方法により管状膜と
しても製造できる。このためには、例えば、適当な管状
マクロ多孔質支持体の内側をポリマー溶液で被覆し、そ
してその管を沈殿液に浸漬する。本発明の膜の厚さは10
〜300 μm 、特に20〜120 μm の範囲である。中空糸膜
または毛細管膜の形態の本発明の膜を製造するために
は、従来技術に従い、前記芳香族コポリアミドの溶液を
環状ダイまたは中空針状ダイを通して沈殿液中に紡糸す
る。中空糸の内部空間は、沈殿液または同心の内側ダイ
を通して入れられる空気により形成される。この場合
は、従来技術に従って、製造条件を選択することによっ
て外側表面または内側表面またはその両方を形成するこ
とができる。そのような毛細管及び中空糸の壁厚は一般
的には20〜500 μm の範囲内である。
【0017】ポリマー溶液にEP-A-0 382 009に従いポリ
ビニルピロリドン(PVP) を添加すると、より高い親水性
および(膜の形態において)より高い分離効率を有する
均一に混合されたポリマーブレンドを製造することが可
能になる。全体的に非対称な膜の親水性が増加すること
は、封鎖の傾向の低下、即ち好ましいファウリング挙動
(単位時間あたりの流束の減少の低下、及び高レベルで
の生成物流束の安定化)につながる。しかし、芳香族コ
ポリアミドと比較した場合にポリマーブレンドの親水性
の方が高いことは、膜形成ポリマーの臨界表面張力の増
加という避けられない結果を招く。従って、乾燥操作の
間に多孔質芳香族コポリアミド膜の崩壊を導く力は、親
水性のブレンド相手のPVP の添加によるところが一般的
にはより大きい。
【0018】驚くべきことに、本発明の膜は、前述の芳
香族コポリアミドとPVP とのブレンドから成るものであ
る場合、安定剤の添加なしでも乾燥できることが見出さ
れた。これらのブレンド膜は、格別に有利な形で、さら
に増加した親水性を伴う芳香族コポリアミド膜の化学
的、熱的及び生物学的安定性と、助剤の添加なしに乾燥
し再び水で湿潤化することができるという本発明に特徴
的な性質とを併有するものである。ポリビニルピロリド
ンを添加する場合の量は、ポリアミドの質量に対して 1
〜100 重量% 、好ましくは20〜80重量% である。ポリビ
ニルピロリドンの分子量は10,000〜2,000,000 g/モル
(重量平均で表して)、好ましくは20,000〜1,000,000
g/モルの範囲である。実施例により本発明をさらに詳細
に説明する。
【0019】
【実施例】実施例において製造した多孔質膜は、以下の
方法により特性を調べた。限外濾過膜の水流束(water f
lux)及び溶解巨大分子の除去率(rejection) は、攪拌し
た円筒形セル(容量250 ml、膜表面積38 cm2、500 rpm)
中、20℃で3.0 バールの圧力で測定した。除去率は以下
のように定義される。 R = [(c1 - c2) /c1] * 100 [%] 式中、c1は水性試験溶液の濃度であり、c2は透過物の濃
度である。濃度は密度測定により決定した。使用した試
験溶液は水性ポリビニルピロリドン溶液と分画化したデ
キストランの水溶液であった。 K30: ポリビニルピロリドン MW = 49,000 g/mol、
Luviskol(商標)K30 、BASF、2%強度水溶液 T1O: デキストラン MW = 10,000 g/mol、Dextran
(商標) T1O 、Pharmacia 、1%強度水溶液 T2000: デキストラン MW = 1,000,000 g/mol 、Dext
ran(商標) T2000 、Pharmacia 、1%強度水溶液
【0020】乾燥膜の気体透過率は、6.7 cm3 の排気可
能な透過物容量を有するステンレス鋼セル(膜表面積1
2.6 cm2) 中で測定した。膜試料に、p = 1 バールの純
粋なガス(O2, N2)を供給側に衝突させた。排気された透
過物空間と真空ポンプ間の連絡を閉鎖した後、透過物側
の圧力の増加速度を測定し、それから膜試料の透過率を
決定した。透過率は [バレール/cm]で表す。ここで、1
バレール = 1・10-10 (cm3(STP)・cm)/(cm2・sec・c
mHg) である。
【0021】実施例1:0.80 モルのテレフタロイルジ
クロリド (TPC)、0.20 モルのイソフタロイルジクロリ
ド(IPC) 、0.721 モルの2,2'- ビス[4-(4'- アミノフェ
ノキシ)フェニル] プロパン(BAB)及び0.309 モルのp-フ
ェニレンジアミン(PPD)から、NMP 中40℃の温度で、芳
香族コポリアミドを重縮合した。溶液の最初の濃度は20
重量% であった。NMP の添加により、膜の製造について
表1に記載した濃度が得られた。膜は水中での凝集によ
りポリプロピレン不織ウェブ上に製造された。所望の膜
特性を得るために、ポリビニルピロリドン(Luviskol
(商標) K30、Luviskol (商標) K90 、BASF) を混合相手
として、あるいは高度に多孔性のシリカ(Aerosil (商
標) 200 、Degussa)を添加物として希釈ポリマー溶液に
添加した。これらについて上記の方法により限外濾過実
験において特性を調べた。膜の試料を、安定剤を添加す
ることなく室温で16時間乾燥した。これらの試料につい
て水流束を限外濾過条件下で測定した。
【0022】
【表1】 表1: ポリマー溶液 添加物 水流束1 水流束2 除去率の濃度 l/m2h l/m2h l/m2h K30 T2000 12% 3% PVP K30 2500 40 56% 95% 8% 4% PVP K90 1200 60 <5% 45% 8% 4% PVP K90+ 2600 58 <3% 40% 2% Aerosil 1 p = 3 バールにおけるそのままの水湿潤膜の水流束 2 p = 3 バールにおける乾燥膜の水流束
【0023】実施例2:0.80モルのTPC 、0.20モルのIP
C 、0.721 モルのBAB 及び0.309 モルのm-フェニレンジ
アミン(MPD)から実施例1と同様にして芳香族コポリア
ミドを製造した。実施例1と同様にして膜を製造し、特
性を調べた。
【0024】
【表2】 表2: ポリマー溶液 添加物 水流束1 水流束2 除去率の濃度 l/m2h l/m2h l/m2h K30 T2000 12% 3% PVP K30 2800 50 20% 65% 8% 4% PVP K90 1350 75 <5% 50% 8% 4% PVP K90+ 1800 82 <5% 33% 2% Aerosil 1 p = 3 バールにおける、そのままの水湿潤膜の水流
束 2 p = 3 バールにおける、乾燥膜の水流束
【0025】実施例3:1.00モルのTPC 、及び1.04モル
のBABから、NMP 中70℃の温度で、芳香族コポリアミド
を重縮合した。溶液の濃度はc= 16重量% であった。こ
の溶液を環状ダイから水沈殿浴に紡糸することにより内
径 dI = 1.2 mmの毛細管膜を製造した。内部沈殿液は同
様に水を使用した。環状ダイから外側沈殿浴までの空気
通過は30 cm であった。特性を調べるため、単一の中空
糸を2つのカニューレの間に引き伸ばした。3m/s のオ
ーバーフロー速度においてクロスフロー条件下に循環ポ
ンプを使用して限外濾過実験を行った。平均の膜内外圧
力 PTM = (PE + PA )/2 は PTM = 3.5バールとした。
ここで PE は糸入口における膜内外圧力、 PA は糸出口
における膜内外圧力である。
【0026】湿潤膜の水流束: F= 40 l/m2h 除去率: R(K30) = 78% 安定剤の添加なしに中空糸膜試料を乾燥し、それの水に
ついての透過率を上記のようにして測定した。 乾燥膜の水流束: F = 22 l/m2h
【0027】実施例4:0.85モルのTPC 、0.15モルのIP
C 、及び1.02モルのBABから、NMP 中65℃の温度で芳香
族コポリアミドを重縮合した。溶液の濃度はc =20重量%
であった。追加のNMP 及び適当な場合には、非溶剤及
び/または添加物を加えることによって、これを表3に
記載した組成に希釈した。溶液をPP不織支持体ウェブ上
に拡げ、水中で凝集させることにより平坦な膜を製造し
た。これを水中で24時間貯蔵し、その後室温で乾燥し
た。乾燥膜についてp = 6 バールにおける限外濾過実験
及び気体透過率の測定により特性を調べた。
【0028】
【表3】 表3: ポリマー溶液 添加物1 水流束 気体透過率 除去率の濃度 l/m2h l/m2h バレール/cm T10 K30 15% 260 4・107 75% 91% 10% 3% PVP K30 1880 5・106 77% 15% 3% Aerosil 660 1.2・108 40% 94% 15% 3% PEG 400 225 6・107 62% 96% 15% 10%グリセロール 48 8・107 93% 97% 1 Aerosil:高度に多孔性のシリカ、Aerosil(商標) 200
、Degussa PEG 400:ポリエチレングリコール MW = 400 g/mol
【0029】比較例5:0.97モルのTPC 、0.25モルのPP
D 、0.50モルの3,3'- ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニ
ル、及び0.25モルの1,4-ビス(4'-アミノフェノキシ) ベ
ンゼン(BAPOB)から、NMP 中温度T = 50℃で、本発明の
膜を与えるものではない芳香族コポリアミドを重縮合し
た。芳香族コポリアミドの濃度は6重量%(溶液の100 重
量部に対しての重量部) であった。溶液に、溶液の質量
に基づいて4重量% のPVP K30 (Luviskol(商標) K30, B
ASF)を加えた。粘性(viscose) 溶液をポリプロピレン不
織支持体ウェブ上に拡げ、22℃の水中で凝集させた。水
で湿潤した膜は限外濾過実験における水流束: F= 460 l
/m2h 、及びPVP K30 についての除去率: R =87% を有し
ていた。安定剤を加えることなく膜の試料を室温で16時
間乾燥した。乾燥膜は気体透過性を示さなかった。また
水中でのかなり長いコンディショニングの後でも水流束
を示さなかった。
【0030】比較例6:0.98モルのTPC 、0.50モルのPP
D 、0.375モルのMPD 、及び0.125モルのBAPOBから、NMP
中70℃の温度で、本発明の膜を与えるものではない芳
香族コポリアミドを製造した。溶液の濃度は10重量% で
あった。この溶液をポリ(エチレンテレフタレート)不
織支持体ウェブに200 μm の厚さの層として塗布し、20
℃の水中で凝集させた。膜の湿潤試料の特性を限外濾過
実験により調べた。 水流束: F= 300 l/m2h 除去率: R(K30) = 86%
【0031】膜の試料を、EP-A 0 604 883に従って、4%
PVP K30及び5% NaCl の水溶液中で処理し、その後50℃
で2 時間乾燥した。その後に限外濾過実験で特性を調べ
たところ、下記の特性が得られた。 水流束: F= 150 l/m2h 除去率: R(K30) = 83% 気体透過実験においては、膜の試料は下記の透過率を有
していた。 P < 5・105 バレール/cm
【0032】実施例は、芳香族ポリアミドからなる本発
明の膜が多孔質の親水性膜の乾燥について初めに記載し
た問題を解決することを教示している。表4に、従来技
術と比較した場合の本発明による乾燥膜の水流束と気体
透過率の値を再度まとめる。
【0033】
【表4】 表4: 水流束 乾燥 気体透過率 実施例番号 (l/m2h) (バレール/cm) 1 ≧ 40 n.d. 2 ≧ 50 n.d. 3 22 n.d. 4 ≧ 48 ≧ 5・106 比較例5 < 1 < 104 比較例6 150 < 5・105
【0034】EP 0 382 009による芳香族ポリアミド/PVP
アロイからなる乾燥膜(比較例5)と比較して、実施例
1〜4の本発明の膜の水流束は全て少なくとも20倍高
い。EP-A 0 604 883に提案された方法により得られた乾
燥膜は、再び水に戻した状態で非常に良好な流束を示す
(比較例6)。しかし、安定剤が孔容量の一部を塞ぎ、
気体透過率を減少させている。実施例4の本発明の膜の
気体透過率は少なくとも10倍高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アルノルト・シュネラー ドイツ連邦共和国デー−55126 マインツ, アウバッハシュトラーセ 9アー (72)発明者 ヨアヒム・クラウス ドイツ連邦共和国デー−65929 フランク フルト,ヨハネスアレー 41

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 (式中、Arは1,3-または1,4-フェニレン基であるかこれ
    ら2種の混合物であり、指数a、b、c及びdについて
    は、以下の関係を有するものである: a+b = 1; 0.9 ≦ c+d ≦ 1.1; c ≧ 0.4 )の構造単位から形成された芳香族
    ポリアミドを主成分として含む多孔質非対称膜であっ
    て、該膜は安定剤を添加することなく乾燥することがで
    き、乾燥後の膜は膜内外圧力p=3バールにおいて測定
    して水について少なくとも20 l/m2hの水圧透過率を有
    し、少なくとも 1・106 バレール/cm の窒素、酸素また
    は空気についての気体透過率を有するという特徴を有す
    る前記膜。
  2. 【請求項2】 dが0より大きい請求項1記載の多孔質
    非対称膜。
  3. 【請求項3】 dが少なくとも0.05である請求項2記載
    の多孔質非対称膜。
  4. 【請求項4】 前記芳香族ポリアミドとポリビニルピロ
    リドンとの混合物またはアロイからなる請求項1〜3の
    いずれかに記載の多孔質非対称膜。
  5. 【請求項5】 平坦な膜である請求項1〜4のいずれか
    に記載の多孔質非対称膜。
  6. 【請求項6】 管状の膜である請求項1〜4のいずれか
    に記載の多孔質非対称膜。
  7. 【請求項7】 中空糸または毛細管膜である請求項1〜
    4のいずれかに記載の多孔質非対称膜。
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EP0604883A3 (de) 1992-12-30 1995-02-15 Hoechst Ag Verfahren zur Herstellung poröser, hydrophiler Membrane.

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EP0685254A2 (de) 1995-12-06

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