JPH07327762A - 家具の高さ調節装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 家具の下端部と床面との間に形成されたスペ
ースを確実に密閉できるようにする。 【構成】 家具の下端部を支持するナット部材６が螺着
されたアジャスターボルト３と、上記ナット部材６の下
方において上記アジャスターボルト３のねじ軸４に係合
される支持ブラケット７と、この支持ブラケット７に取
り付けられる幅木８と、上記ナット部材６に支持される
とともに、幅木８の上端部にオーバーラップした状態で
設置される被覆プレート９とを設け、家具と床面との間
に形成されたスペースを上記幅木と被覆プレート９とに
よって覆うように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、食器台、タンスおよび
流し台等からなる家具を高さ調節可能に支持する家具の
高さ調節装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば図１１〜図１３に示すよう
に、ベースプレート３１にねじ軸３２が突設されてなる
アジャスターボルト３３と、このアジャスターボルト３
３のねじ軸３２に螺着される雌ねじ部を備えた支持ブラ
ケット３４と、この支持ブラケット３４の表面にビス止
めされた幅木３５とを有する高さ調節装置により、家具
３６の下端部を高さ調節自在に支持するとともに、上記
幅木３５によって家具３６と床面との間に形成されたス
ペースを覆うことが行われている。

【０００３】すなわち、上記アジャスターボルト３３の
ねじ軸３２に螺着された支持ブラケット３４上に家具３
６を載置することにより、この支持ブラケット３４およ
びアジャスターボルト３３によって家具３６の下端部を
支持するとともに、上記支持ブラケット３４に取り付け
られた幅木３５によって家具３６の下方部を覆うように
構成されている。そして、アジャスターボルト３３の上
端部に形成されたスリット３７に回動操作用の工具を挿
入してアジャスターボルト３３を回動操作することによ
り、上記支持ブラケット３４を螺進させて家具３６の支
持高さを調節することが行われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記構成の高さ調節装
置は、床面が傾斜している場合等においても家具の左右
両端部の支持高さを変化させることにより、家具の水平
度を正確に設定できるという利点を有する反面、家具の
支持高さを調節可能とするため、上記幅木の幅寸法を、
家具と床面との間に形成されるスペースの上下寸法より
も小さく設定する必要がある。このため、上記幅木と床
面との間に間隙が形成され、この隙間から上記スペース
内にゴミや害虫等が侵入するのを防止することができな
いという問題があった。

【０００５】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、家具の下端部と床面との間に形成さ
れたスペースを確実に密閉することができる家具の高さ
調節装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明は、
家具の下端部を支持するナット部材が螺着されたアジャ
スターボルトと、上記ナット部材の下方において上記ア
ジャスターボルトのねじ軸に係合される支持ブラケット
と、この支持ブラケットに取り付けられる幅木と、上記
ナット部材に支持されるとともに、幅木の上端部にオー
バーラップした状態で設置される被覆プレートとを設
け、家具と床面との間に形成されたスペースを上記幅木
と被覆プレートとによって覆うように構成したものであ
る。

【０００７】請求項２に係る発明は、上記請求項１記載
の家具の高さ調節装置において、ナット部材と支持ブラ
ケットとの間に、この支持ブラケットを下方に付勢する
付勢部材を配設したものである。

【０００８】

【作用】上記請求項１記載の発明によれば、アジャスタ
ーボルトに螺着されたナット部材の設置高さを変化させ
ることにより、家具と床面との間隔が微調節されて家具
の水平度が正確に設定されることになる。また、上記ナ
ット部材の設置高さが変化するのに応じて被覆プレート
が昇降変位し、家具と床面との間に形成されたスペース
の上端部が上記被覆プレートによって覆われるととも
に、上記スペースの下方部が上記幅木によって覆われる
ことになる。

【０００９】上記請求項２記載の発明によれば、圧縮ば
ね等からなる付勢部材によって支持ブラケットおよび幅
木が下方に付勢されることにより、幅木の下端部が床面
に圧接された状態で係止されることになる。

【００１０】

【実施例】図１および図２は、本発明に係る家具の高さ
調節装置１の実施例を示している。この高さ調節装置１
は、流し台、タンスもしくは食器台等からなる家具２の
下端部を支持するアジャスターボルト３と、このアジャ
スターボルト３のねじ軸４に螺合するねじ孔５が形成さ
れたナットプレート６と、上記アジャスターボルト３に
係合される支持ブラケット７と、この支持ブラケット７
の表面にビス止めされる幅木８と、この幅木８の上端部
にオーバーラップした状態で設置される被覆プレート９
と、上記支持ブラケット７を下方に付勢する付勢部材１
０とを有している。

【００１１】上記アジャスターボルト３は、床面上に設
置されるベースプレート１１と、このベースプレート１
１の上面に突設されたねじ軸４とからなり、このねじ軸
４の上端部には、回動操作用のスリット１２が形成され
ている。そして、上記ねじ軸４の上部には所定範囲に亘
ってねじ部が設けられ、このねじ部にナットプレート９
からなるナット部材が螺着されることにより、家具２の
下端部を支持するナット部材がアジャスターボルト３の
上部に保持されるようになっている。

【００１２】上記支持ブラケット７は、幅木８の取り付
け孔１３が形成された前壁部１４と、その一側辺部に設
けられた側壁部１５と、その上下両端部に設けられた上
壁部１６および下壁部１７とを有している。また、上記
支持ブラケット７の上壁部１６および下壁部１７には係
合孔１８が相対応する位置に形成され、この係合孔１８
に上記アジャスターボルト３のねじ軸４が挿通されるこ
とにより、このアジャスターボルト３のねじ軸４に上記
支持ブラケット７が係合されるように構成されている。

【００１３】上記幅木８は、合成樹脂材もしくは木材等
からなり、その全長が家具２の左右寸法と同じ長さに設
定されるとともに、幅寸法が家具２と床面との間に形成
されるスペースの上下寸法Ｈよりもやや小さな値に設定
されている。また、上記幅木８の左右両側端部が支持ブ
ラケット７の前壁部１４に固着されることにより、この
支持ブラケット７と上記幅木８とが一体の状態で上記ア
ジャスターボルト３のねじ軸４に係合されるようになっ
ている。

【００１４】上記被覆プレート９は、合成樹脂材もしく
はアルミニウム合金等からなり、上面板１９と、その先
端部から下方に突設された前面板２０とを有する断面Ｌ
字状に形成されている。また、上記被覆プレート９は、
上面板１９がナットプレート６上に載置された状態で支
持されることにより、上記前面板２０が幅木８の上端部
内面に沿って設置されるように構成されている。

【００１５】すなわち、上記上面板１９の左右両端部に
は、アジャスターボルト３のねじ軸４が挿通される係合
孔２１が形成され、この係合孔２１が上記ねじ軸４の上
端部に外嵌されることにより、上記被覆プレート９がね
じ軸４の上端部に係合された状態でナットプレート６上
に載置されて支持されるようになっている。また、上記
被覆プレート９の前面板２０は、幅木８とナットプレー
ト６との間に配設され、上記前面板２０の下端部と幅木
８の上端部とがオーバーラップした状態で設置されるよ
うに、その上下寸法が設定されている。

【００１６】上記付勢部材１０は、アジャスターボルト
３のねじ軸４に外嵌される圧縮コイルばねからなり、上
記ナットプレート６と支持ブラケット７との間に圧縮状
態で配設されることにより、支持ブラケット７および幅
木８を下方に付勢するように構成されている。

【００１７】上記のように構成された高さ調節装置１を
使用する場合には、まず幅木８の左右両端部をそれぞれ
支持ブラケット７の前壁部１４にビス止めするととも
に、アジャスターボルト３のねじ軸４に上記支持ブラケ
ット７および付勢部材１０を外嵌して係合させた状態
で、上記ねじ軸４の上端部にナットプレート６を螺着す
るとともに、その上に被覆プレート９を載置することに
より、図２に示すように、高さ調節装置１を組み立て
る。

【００１８】次に上記高さ調節装置１を家具２の設置部
にセットした後、その上に家具２を載置することによ
り、家具２の底壁部に形成された透孔２２を上記アジャ
スターボルト３の上端部に外嵌する。この結果、このア
ジャスターボルト３のねじ軸４に螺着されたナットプレ
ート６によって支持された上記被覆プレート９の上面板
１９上に家具２の底壁部が載置され、上記高さ調節装置
１によって家具２の下端部が支持されることになる。

【００１９】そして、上記アジャスターボルト３の上端
部に形成されたスリット１２にドライバー等の回動操作
用の工具を係合し、この工具によって上記アジャスター
ボルト３を回動操作して上記ナットプレート６を螺進さ
せることにより、家具２の支持高さの微調整を行う。す
なわち、上記ナットプレート６は、被覆プレート９の前
面板２０によってその回動変位が拘束されているため、
上記アジャスターボルト３の回動操作に応じ、ねじ送り
されてその設置位置が変位し、これに伴って上記家具２
の支持高さの微調節が行われることになる。

【００２０】したがって、例えば図３に示すように、床
面が傾斜しているために家具２の一端部２ａと床面との
間に形成されたスペースの上下寸法Ｌ１が、家具２の他
端部２ｂと床面との間に形成されたスペースの上下寸法
Ｌ２よりも大きい場合に、家具２の一端部２ａ側に設置
された高さ調節装置１ａによる家具２の支持高さを、家
具２の他端部２ｂ側に配設された高さ調節装置１ｂによ
る家具２の支持高さよりも上方に位置させるように上記
ナットプレート６の設置高さを調節することにより、家
具２の水平度を正確に設定することができる。

【００２１】また、上記高さ調節装置１の幅木８が圧縮
ばねからなる付勢部材１０により下方に付勢されている
ため、幅木８の下端部が床面に圧接された状態で、家具
２と床面との間に形成されたスペースの下端部から上端
部近傍に至る領域が上記幅木８によって覆われることに
なる。また、上記被覆プレート９上に家具２が載置され
ることにより、被覆プレート９の上端面が家具２の底面
に圧接された状態で係止されているため、この被覆プレ
ート９の前面板２０によって上記スペースの上部が覆わ
れることになる。

【００２２】このように上記支持ブラケット７に取り付
けられた幅木８と、ナットプレート６上に支持された被
覆プレート９とによって家具２と床面との間に形成され
たスペースを覆うように構成したため、上記ナットプレ
ート６の設置高さを調節することによる家具２の高さ調
節機能を維持しつつ、上記スペースを隙間なく密閉する
ことができる。

【００２３】すなわち、上記幅木８の上端部と、被覆プ
レート９の前面板２０とをオーバーラップさせた状態で
両者を設置し、家具２と床面との間に形成されたスペー
スの下端部から上端部近傍に至る領域を上記幅木８によ
って覆うとともに、上記スペースの上部を被覆プレート
９の前面板２０によって覆うように構成したため、家具
２の支持高さを調節する際に、上記アジャスターボルト
３のねじ軸４に螺着されたナットプレート６の設置高さ
を変化させた場合においても、上記幅木８の上端部と、
被覆プレート９の前面板２０との間に隙間が形成される
のを防止し、上記スペースの前面を密閉することができ
る。

【００２４】また、上記のようにナットプレート６と支
持ブラケット７との間に圧縮ばねからなる付勢部材１０
を配設し、この付勢部材１０によって上記支持ブラケッ
ト７および幅木８を下方に付勢するように構成した場合
には、上記付勢部材１０の付勢力に応じて幅木８の下端
部を床面に圧接させることにより、幅木８をがたつかせ
ることなく、安定した状態で床面に係止することができ
る。なお、上記付勢部材１０を省略し、幅木８の自重に
よってその下端部を床面に当接させるように構成しても
よい。

【００２５】また、上記実施例ではナットプレート６か
らなるナット部材上に被覆プレート９の上面板１９を載
置することにより、この被覆プレート９を上記ナット部
材上に支持させるようにした例について説明したが、図
４に示すように、被覆プレート９に形成された保持部に
市販品のナット２３からなるナット部材を保持させ、こ
のナット２３と被覆プレート９とを一体に連結した状態
でアジャストボルト３のねじ軸４に支持させるように構
成してもよい。

【００２６】上記のように被覆プレート９にナット２３
を一体に保持させるように構成した場合には、このナッ
ト２３の取付位置を家具２の設置現場で変化させること
ができないので、上記被覆プレート９の長さおよび上記
ナット２３の取付位置を予め家具２の大きさに正確に対
応させて設定する必要がある。このため、上記図１〜図
３に示すように、被覆プレート９とナットプレート６と
を別体に形成し、この被覆プレート９の長さおよびナッ
トプレート６の取付位置を家具２の設置現場において変
化させ得るように構成することが望ましい。

【００２７】また、上記実施例では、家具２の前面下方
部に一対の高さ調節装置１ａ，１ｂを設置し、家具２と
床面との間に形成されたスペースの前面を上記幅木８お
よび被覆プレート９によって覆うように構成した例につ
いて説明したが、家具２の設置部の各コーナ部に上記高
さ調節装置１を設置することにより、図５および図６に
示すように、家具２と床面との間に形成されたスペース
の前面および左右両側面部を上記幅木８および被覆プレ
ート９によって覆うように構成し、あるいは上記スペー
スの外周部全面を上記上記幅木８および被覆プレート９
によって覆うように構成してもよい。

【００２８】また、圧縮コイルばねからなる上記付勢部
材１０に代え、図７に示すように、Ｕ字状に折り曲げ形
成されたばね板からなる付勢部材２５をナットプレート
６と支持ブラケット７との間に配設した構造としてもよ
い。さらに上記ナットプレート６からなるナット部材
と、被覆プレート９とを必ずしも別体に形成する必要は
なく、図８に示すように、所定の厚さを有する板材２６
にアジャスターボルト３のねじ軸４に螺着されるねじ孔
２７を形成し、上記板材２６に被覆プレートとしての機
能とねじ部材としての機能とを兼ね備えさせるように構
成してもよい。

【００２９】また、上記前壁部１４、側壁部１５、上壁
部１６および下壁部１４からなる上記支持ブラケット７
に代え、図９に示すように、ブロック体からなる支持ブ
ラケット２８を設けた構造としてもよい。さらに、図１
０に示すように、アジャスターボルト３のねじ軸４と、
ベースプレート１１とを別体に形成し、これらを回転自
在に連結した構造としてもよい。このように構成した場
合には、上記ねじ軸４の上端部に形成されたスリット１
２に回動操作用の工具を係合してねじ軸４を回動操作す
る作業を容易に行なうことができる。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に係る発
明は、支持ブラケットに取り付けられた幅木の上部と、
ナット部材に支持された被覆プレートとをオーバーラッ
プさせた状態で設置し、この幅木と被覆プレートとによ
って家具と床面との間に形成されたスペースを覆うよう
に構成したため、上記ナット部材の設置高さを調節する
ことによる家具の高さ調節機能を維持しつつ、上記スペ
ースを隙間なく密閉することができる。したがって、家
具の設置部に隙間が形成されることに起因する外観の低
下を防止することができるとともに、上記スペース内に
ゴミや害虫が侵入することを確実に防止できるという利
点がある。

【００３１】また、請求項２に係る発明は、上記ナット
部材と支持ブラケットとの間に付勢部材を配設し、この
付勢部材によって上記支持ブラケットおよび幅木を下方
に付勢するように構成したため、上記付勢部材の付勢力
に応じて幅木の下端部を床面に圧接させることにより、
幅木をがたつかせることなく、安定した状態で床面に係
止することができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る高さ調節装置の実施例を示す分解
斜視図である。

【図２】高さ調節装置の組立状態を示す断面図である。

【図３】家具の設置状態を示す説明図である。

【図４】高さ調節装置の別の実施例を示す断面図であ
る。

【図５】高さ調節装置のさらに別の実施例を示す断面図
である。

【図６】図５のＡ−Ａ線断面図である。

【図７】高さ調節装置のさらに別の実施例を示す断面図
である。

【図８】高さ調節装置のさらに別の実施例を示す断面図
である。

【図９】高さ調節装置のさらに別の実施例を示す断面図
である。

【図１０】高さ調節装置のさらに別の実施例を示す断面
図である。

【図１１】高さ調節装置の従来例を示す分解斜視図であ
る。

【図１２】従来例に係る高さ調節装置の組立状態を示す
断面図である。

【図１３】従来例に係る高さ調節装置の使用状態を示す
説明図である。

【符号の説明】

１ 高さ調節装置 ２ 家具 ３ アジャスターボルト ４ ねじ軸 ６ ナットプレート ７，２８ 支持ブラケット ８ 幅木 ９，２６ 被覆プレート １０，２５ 付勢部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 家具の下端部を支持するナット部材が螺
   着されたアジャスターボルトと、上記ナット部材の下方
   において上記アジャスターボルトのねじ軸に係合される
   支持ブラケットと、この支持ブラケットに取り付けられ
   る幅木と、上記ナット部材に支持されるとともに、幅木
   の上端部にオーバーラップした状態で設置される被覆プ
   レートとを設け、家具と床面との間に形成されたスペー
   スを上記幅木と被覆プレートとによって覆うように構成
   したことを特徴とする家具の高さ調節装置。
2. 【請求項２】 ナット部材と支持ブラケットとの間に、
   この支持ブラケットを下方に付勢する付勢部材を配設し
   たことを特徴とする請求項１記載の家具の高さ調節装
   置。