JPH0732603B2 - 直流電源装置 - Google Patents

直流電源装置

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JPH0732603B2
JPH0732603B2 JP1157885A JP15788589A JPH0732603B2 JP H0732603 B2 JPH0732603 B2 JP H0732603B2 JP 1157885 A JP1157885 A JP 1157885A JP 15788589 A JP15788589 A JP 15788589A JP H0732603 B2 JPH0732603 B2 JP H0732603B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、交流入力ラインにおける電圧が変化しても電
流波形の改善を効率の低下を招かないで達成することが
できる直流電源装置に関する。
[従来の技術] 整流回路に接続されたスイッチングレギュレータ又はイ
ンバータ等のスイッチング素子のオン・オフ動作に基づ
く交流入力ラインの電流波形の歪みを補正するために、
電源ラインにリアクトルを接続し、整流回路の一対の直
流出力ライン間の接続されたスイッチング素子をオン・
オフ制御することは公知である(例えば特開昭63−1905
57号公報)。
[発明が解決しようとする課題] ところで、上記のような直流電源装置を100Vの交流電源
と200Vの交流電源とに択一的に接続したいことがある。
直流電源装置は入力電圧の変動に拘らずに一定の直流出
力電圧を得るように構成されているので、入力電圧が変
動すると、スイッチング素子のデューティが変化する。
特に昇圧チョッパー型の直流電源装置を100Vの交流電源
に接続すると、デューティが大きくなり、スイッチング
回路における損失が増大し、効率が低下する。
そこで、本発明は、交流電源電圧の変動に拘らずにスイ
ッチング素子のデューティを一定に保って効率の低下を
防ぐことができる直流電源装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するための本発明は、交流電源端子と、
前記交流電源端子に接続された整流回路と、前記交流電
源端子と前記整流回路との間の交流電源ラインに直列に
又は前記整流回路の直流出力ラインに並列及び/又は直
列に接続されたインダクタンス回路要素と、前記整流回
路の出力側に配置されており、前記交流電源端子の交流
電圧の周期よりも短い周期をオン・オフ動作し、前記イ
ンダクタンス回路要素に対するエネルギーの蓄積及び放
出を制御するスイッチング素子と、前記スイッチング素
子よりも出力側に設けられた平滑用コンデンサと、前記
平滑用コンデンサで平滑された直流出力電圧を検出する
電圧検出回路と、前記電圧検出回路から得られた検出電
圧に基づいて前記スイッチング素子をオン・オフ動作さ
せるための制御パルスを形成し、この制御パルスを前記
スイッチング素子に与える制御回路とから成る直流電源
装置において、前記交流電源端子又は前記整流回路の電
圧の変化に比例して変化する直流電圧を参照電圧として
得るための参照電圧形成回路と、前記電圧検出回路から
得られた検出電圧と前記参照電圧形成回路から得られた
参照電圧との差に対応する電圧を得るための差信号形成
回路と、前記差信号形成回路の出力に基づいて前記スイ
ッチング素子の制御パルスを形成する回路であって、前
記スイッチング素子のデューティが前記交流電源端子の
電圧の変化に追従して変化しないように構成されている
制御パルス形成回路とを設けたことを特徴とする直流電
源装置に係わるものである。
なお、制御パルス形成回路は、実施例のように、乗算器
と、電流検出器と、コンパレータと、フリップフロップ
とで構成することが望ましい。
[作 用] 上記発明において、交流電源電圧が例えば低くなると、
参照電圧も低くなる。この結果、直流出力電圧が低くな
っても差信号形成回路の出力は交流電源電圧の変動の影
響を受けずに実質的に一定になる。従って、スイッチン
グ素子のデューティは交流電源電圧の変動に応じて実質
的に変化しない。
[実施例] 次に、第1図及び第2図を参照して本発明の実施例に係
わる直流電源装置を説明する。この装置は、例えば50Hz
の商用交流電源が接続される一対の交流電源端子1、2
を有する。電源端子1、2に接続された高周波除去用フ
ィルタ3はラインに直列に接続されたリアクトル4、5
と、一対のライン間に接続されたコンデンサ6、7とか
ら成る。
フィルタ3の出力段には、全波整流回路8が接続されて
いる。この整流回路8と一対の直流出力端子9、10との
間の一対の直流ライン11、12の一方にはエネルギー蓄積
用インダクタンス回路要素としてのリアクトル13と逆流
阻止用ダイオード14がそれぞれ直列に接続されている。
リアクトル13の出力端子と下側の直流ライン12との間に
はFETから成るスイッチング素子15と電流検出器として
の電流検出抵抗16とが接続されている。平滑用コンデン
サ17は逆流阻止用ダイオード14の出力段において出力端
子9、10間に接続されている。なお、整流回路8とスイ
ッチング素子15との間には平滑用コンデンサが接続され
ていない。
抵抗18、19から成る電圧検出回路20は出力端子9、10間
に接続され、この電圧検出ライン21はスイッチング素子
制御回路22の差信号形成回路としての差動増幅器23の一
方の入力端子に接続されている。差動増幅器23の他方の
入力端子には参照電圧形成回路24が接続されている。
参照電圧形成回路24は、整流回路8の出力ライン11に接
続された逆流阻止用ダイオード25と平滑用コンデンサ26
と分圧抵抗27、28とから成り、交流電源電圧の平均値に
対応した直流参照電圧を差動増幅器23に与える。
乗算器29には、差動増幅器23の出力端子と整流出力ライ
ン11とが接続されている。従って、乗算器29からは、正
弦波の脈流の振幅を差動出力で制御した出力が得られ
る。
電流検出器16の一端から導出されている電流検出ライン
30は電圧コンパレータ31の一方の入力端子に接続されて
いる。電圧コンパレータ31の他方の入力端子には、乗算
器29が接続されている。
制御パルスを発生するためのRSフリップフロップ32のセ
ット端子Sには、リアクトル13に電磁結合されたトリガ
ー用コイル33がセットトリガ回路34を介して接続され、
リセット端子Rにはコンパレータ31がリセットトリガ回
路35を介して接続されている。フリップフロップ32のQ
出力端子はスイッチング素子15の制御端子(ゲート)に
接続されている。
36は起動回路であって、整流出力ライン11に抵抗37を介
して接続されたコンデンサ38と、コンデンサ38の一端と
セットトリガ回路34との間に接続されたダイオードD1及
び抵抗39と、コンデンサ38の一端とスイッチング素子15
の上端との間に接続されたダイオードD2とから成る。
[動 作] 次に、第1図の回路の動作を第2図の波形を参照して説
明する。電源端子1、2に第2図(A)に示すような正
弦波交流電圧を印加すると、整流回路8の出力段に全波
整流電圧波形が得られる。この電圧波形をスイッチング
素子15で電源周波数よりも十分に高い周波数(数Hz以上
の例えば20kHz)で断続すると、交流電源端子1、2に
は第2図(B)に示す電流が流れる。スイッチング素子
15は平滑された直流を断続するのではなく、正弦波の脈
流を断続するので、電源端子1、2に流れる電流波形は
第2図(B)に示すように近似正弦波になり、且つ力率
が改善される。
各部の動作を詳しく説明する。電源の接続によって整流
回路8の出力段に電圧が得られると、起動回路として36
のコンデンサ38が充電され、セットトリガ回路34を介し
てフリップフロップ32にセット信号が与えられ、このQ
出力によってスイッチング素子15がオンになる。スイッ
チング素子15がオンになると、リアクトル13とスイッチ
ング素子15とから成る回路に電流が流れ、リアクトル13
にエネルギーが蓄積される。リアクトル13はインダクタ
ンスであるので、第2図(G)に示すスイッチング素子
15のオン期間にリアクトル13の電流は第2図(E)に示
すように徐々に増大する。このオン期間の電流は電流検
出抵抗16で検出されてコンパレータ31の入力となり、乗
算器29から与えられる入力電源電圧対応の正弦波と比較
され、三角波が正弦波に達した時にコンパレータ31の出
力が転換し、リセットトリガ回路35からフリップフロッ
プ32にリセット信号が与えられ、フリップフロップ32の
Q出力が低レベルとなってスイッチング素子15がオフに
転換する。スイッチング素子15のオフ期間にはリアクト
ル13に蓄積されたエネルギーが、ダイオード14を介して
コンデンサ17に移される。この時、電源電圧にリアクト
ル13の電圧を加算した電圧でコンデンサ17が充電され、
コンデンサ17は電源電圧よりも高い電圧に充電される。
オフ期間にはリアクトルの電流が第2図(E)で点線で
示すように時間と共に減少する。なお、正弦波の角度位
置の変化に応じて乗算器29から与えられる脈流の振幅が
変化すれば、これに追従してリアクトル13を通って流れ
る電流のピークも変化し、交流電源端子1、2には第2
図(B)に示す近似正弦波が得られる。リアクトル13の
エネルギーの放出が終了すると、リアクトル13の2次巻
線即ちトリガ用巻線33に今迄とは逆の方向の電圧が発生
し、これがトリガ信号としてフリップフロップ32に与え
られ、再びスイッチング素子15がオンになる。
ところで、交流電源端子1、2には100V(第1の電圧)
と200V(第2の電圧)とが択一的に接続される。200Vが
接続された場合には、第2図のt1以前の区間に示す動作
になる。即ち、200Vの場合には整流回路の出力段の脈流
の振幅も当然大きくなり、且つ出力端子9、10に得られ
る出力電圧も高くなる。この結果、差動増幅器23に入力
する検出電圧も高くなる。しかし、参照電圧形成回路24
は入力電圧(電源電圧)に比例する。従って、乗算器29
の出力電圧もさほど高くならない。一方、スイッチング
素子15のオン期間にリアクトル13に流れる電流は比較的
急な傾きで上昇し、乗算器出力に交差し、コンパレータ
31の出力が反転してスイッチング素子15がオフになる。
今、スイッチング素子15のデューティが50%であるとす
れば、スイッチング素子15のオン期間にリアクトル13の
電圧VLは+V2になり、オフ期間に−V2になる。
次に、出力端子9、10に接続された負荷41に供給する電
力を一定に保って電源端子1、2の電圧を例えば100Vに
すれば、第2図のt1以後の動作になる。負荷電力が一定
であるので、第2図(A)の電圧が低下した分だけ、第
2図(B)の電流が大きくなる。本装置は入力電源電圧
の変動にも拘らず昇圧比が一定に保たれているので、直
流出力電圧は第2図(C)に示すように低下し、直流出
力電流は第2図(D)に示すように増大する。この時、
参照電圧形成回路24の電圧は電源電圧の低下に追従して
低下する。従って、差動増幅器23から出力直流電圧を上
昇させる傾向の出力は発生しない。直流出力電圧を上昇
させる動作が生じないということは、スイッチング素子
15のデューティが一定に保たれることを意味する。この
時、交流電源電圧は1/2になったので、リアクトル13に
流れるオン期間の電流の傾きは1/2倍になり、電流のピ
ーク値はt1以前の2倍になる。デューティはt1以後にお
いても50%に保たれるが、オン・オフ周波数は変化す
る。リアクトル13のオン時の電圧+V1はV+2の1/2で
あり、オフ時の電圧−V1は−V2の1/2である。なお、従
来回路と同様に第1図において参照電圧形成回路24の出
力電圧を固定の基準電圧とすれば、第3図に示す動作に
なり、交流電圧の変化に拘らず直流出力電圧を一定に保
持するための誤差制御信号が差動増幅器23から発生し、
第3図(G)に示すようにデューティが大きくなって電
源電圧の低下分を補償する。
負荷41が変動した場合には、第1図の回路においても従
来と同様に出力電圧を一定に保持するための動作が生じ
る。
出力端子9、10の電圧が電源電圧の切り換えによって変
化するが、負荷41として入力電圧が変化しても差し支え
ない広入力範囲のコンバータ等を接続する場合には問題
が生じない。
[変形例] 本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、例え
ば次の変形が可能なものである。
(1) リアクトル13を整流回路8の交流入力ラインに
接続してもよい。
(2) 第4図に示すように、リアクトル13の代りに、
トランス1次巻線13aと2次巻線13bとを設け、1次巻線
13aに直列にスイッチング素子15を接続し、トランスに
蓄積されたエネルギーを2次巻線13bで放出するように
構成してもよい。
(3) 第5図に示すように、スイッチング素子15をラ
イン11に直列に接続し、リアクトル13をライン11、12間
に接続してもよい。
(4) 第6図に示すように、インダクタンス素子とし
てのトランス1次巻線13aと2次巻線13bとを絶縁分離し
てもよい。
(5) 第7図に示すように、インダクタンス素子とし
ての2次巻線13bの出力段に、ダイオード14の他に、ダ
イオード51とリアクトル52とから成る平滑回路を設けて
もよい。なお、スイッチング素子15による電圧変換回路
は更に種々変形可能である。
(6) 出力電圧が低い場合は、抵抗18、19の分圧回路
を省いて出力端子9に電圧検出ライン21を直接に接続し
てもよい。
(7) 乗算器29に入力させる正弦波(脈流)を整流回
路8の出力ライン11から得ずに、交流電源端子1、2に
独立の整流回路を接続して得てもよい。
(8) 差動増幅器23の出力に基づいてスイッチング素
子15の制御パルスを形成する回路は、第1図に限定され
るものでなく、種々変形可能なものである。
[発明の効果] 上述から明らかなように本発明では、参照電圧が交流電
源端子の電圧又は整流回路の電圧の変化に比例して連続
的に変化する。この結果、電源電圧の変化にも拘らず、
スイッチング素子のデューティ即ち電圧変換比が一定に
保たれるので、常に最適デューティ駆動によって効率の
低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の1実施例の直流電源装置を示す回路
図、 第2図は第1図のA〜Gの状態を示す波形図、 第3図は従来の直流電源装置の動作を第2図に対応して
示す波形図、 第4図、第5図、第6図及び第7図は変形例の直流電源
装置の一部をそれぞれ示す回路図である。 1、2……交流電源端子、8……整流回路、13……リア
クトル、15……スイッチング素子、16……電流検出器、
17……平滑用コンデンサ、23……差動増幅器、24……参
照電圧形成回路、29……乗算器、31……コンパレータ、
32……フリップフロップ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流電源端子と、 前記交流電源端子に接続された整流回路と、 前記交流電源端子と前記整流回路との間の交流電源ライ
    ンに直列に又は前記整流回路の直流出力ラインに並列及
    び/又は直列に接続されたインダクタンス回路要素と、 前記整流回路の出力側に配置されており、前記交流電源
    端子の交流電圧の周期よりも短い周期を有してオン・オ
    フ動作し、前記インダクタンス回路要素に対するエネル
    ギーの蓄積及び放出を制御するスイッチング素子と、 前記スイッチング素子よりも出力側に設けられた平滑用
    コンデンサと、 前記平滑用コンデンサで平滑された直流出力電圧を検出
    する電圧検出回路と、 前記電圧検出回路から得られた検出電圧に基づいて前記
    スイッチング素子をオン・オフ動作させるための制御パ
    ルスを形成し、この制御パルスを前記スイッチング素子
    に与える制御回路と から成る直流電源装置において、 前記交流電源端子又は前記整流回路の電圧の変化に比例
    して変化する直流電圧を参照電圧として得るように形成
    された参照電圧形成回路と、 前記電圧検出回路から得られた検出電圧と前記参照電圧
    形成回路から得られた参照電圧との差に対応する電圧を
    得るための差信号形成回路と、 前記差信号形成回路の出力に基づいて前記スイッチング
    素子の制御パルスを形成する回路であって、前記スイッ
    チング素子のデューティが前記交流電源端子の電圧の変
    化に追従して変化しないように構成されている制御パル
    ス形成回路と を設けたことを特徴とする直流電源装置。
  2. 【請求項2】前記制御パルス形成回路は、 前記整流回路又は別の脈流検出用整流回路から得られる
    脈流と前記差信号形成回路から得られる差信号とを乗算
    する乗算器と、 前記スイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出
    器と、 前記乗算器の出力と前記電流検出器の出力とを比較する
    コンパレータと、 前記リアクトルのエネルギー放出終了後にセットされ、
    前記コンパレータの出力に基づいてリセットされて前記
    スイッチング素子の制御パルスを出力するフリップフロ
    ップと から成ることを特徴とする請求項1記載の直流電源装
    置。
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