JPH0732529A - 熱回復性物品 - Google Patents

熱回復性物品

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JPH0732529A
JPH0732529A JP5200309A JP20030993A JPH0732529A JP H0732529 A JPH0732529 A JP H0732529A JP 5200309 A JP5200309 A JP 5200309A JP 20030993 A JP20030993 A JP 20030993A JP H0732529 A JPH0732529 A JP H0732529A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、チューブやシートの片面に接着剤
層を設けた熱回復性物品の製造時における放射線照射で
の架橋の際、接着剤層側の架橋を適宜抑制することによ
り、流動性を抑え、良好な接着性を有するようにした熱
回復性物品を提供することを目的とするものである。 【構成】 本発明は、熱回復性を有するゴム、プラスチ
ック製外層チューブ1の内面の全面に、ダイマー酸ベー
スポリアミド樹脂20〜70重量%とマレイン酸変性の
ポリオレフィン系樹脂80〜30重量%とからなる熱溶
融型の接着剤層2を設けた熱回復性物品にあり、上記構
成の接着剤層2により、流動性を抑え、各種のゴムやプ
ラスチック、金属類などに対して良好な接着性が得ら
れ、被着物に対して、優れた絶縁や防水、防食機能が達
成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チューブやシートの片
面に接着剤層を設けた熱回復性物品の製造時における放
射線照射での架橋の際、接着剤層側の架橋を適宜抑制す
ることにより、流動性を抑え、良好な接着性を有するよ
うにした熱回復性物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えばチューブなどの内部に
接着剤層を設けた熱回復性物品は、プラスチックや金属
類に被覆させ、これらの絶縁や、防水、防食などに使用
されている。
【0003】このようなチューブなどの内層接着剤とし
ては、一般にホットメルト型の接着剤が使用されてい
る。例えば、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレ
ン−エチルアクリレートコポリマー、アイオノマー樹
脂、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル
三元共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレートコ
ポリマー、ダイマー酸ベースのポリアミド樹脂、飽和ポ
リエステル樹脂などが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記各接着
剤のうち、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン
−エチルアクリレートコポリマー、アイオノマー樹脂、
エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル三元
共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレートコポリ
マーにあっては、ポリ塩化ビニル樹脂への接着が不十分
であったり、チューブ材料のゴム、プラスチック層部分
に良好な熱回復性を付与するため、後工程で行う放射線
架橋処理の際、これらのチューブ材料と共に架橋してし
まい接着特性が低下したり、あるいは耐老化性が劣った
りといった欠点があった。さらにまた、金属管に被覆さ
せる際、低温では十分な接着強度が得られないという欠
点もあった。
【0005】一方、ダイマー酸ベースのポリアミド樹
脂、飽和ポリエステル樹脂にあっては、ポリ塩化ビニル
樹脂やポリエステル樹脂と銅、鉛、アルミニウムなどの
金属との接着性はよいものの、ポリオレフィン樹脂との
接着性や低温衝撃性が劣るという欠点があった。さらに
また、ダイマー酸ベースのポリアミド樹脂は被覆物との
接着温度では流動性を有し、その流動性によりチューブ
の被着時、当該チューブの両端から接着剤が流出し、作
業性の悪さや外観などを悪化させるという問題があっ
た。
【0006】そこで、このような問題点を改善するた
め、本出願人は、既にダイマー酸ベースのポリアミド樹
脂の流動性を抑え、かつ、十分な接着強度を維持するこ
とができるようにするべく、このダイマー酸ベースのポ
リアミド樹脂にマレイン酸変性のポリオレフィン系樹脂
を混合した接着剤を用いた熱回復性物品を提案している
(特願平04−082667号)。
【0007】しかしながら、この熱回復性物品にあって
も、その製造に際して、放射線架橋処理(電子線照射処
理など)を施すと、やはりチューブ材料側と共に接着剤
層側も架橋される傾向が強く、接着特性が低下するとい
う問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】本発明
は、このような点に鑑みてなされたもので、その特徴と
する点は、ダイマー酸ベースのポリアミド樹脂とマレイ
ン酸変性のポリオレフィン系樹脂とを混合した接着剤中
に、さらに架橋防止成分材料を適量添加して、後工程で
の放射線架橋処理時における接着剤層側の架橋を適宜抑
制することにある。この架橋の抑制により、流動性が抑
えられると共に、良好な接着性が得られる。
【0009】かゝる本発明のより具体的な構成は、ゴ
ム、プラスチック製外層チューブの内面または外層シー
トの裏面の一部または全面に、ダイマー酸ベースポリア
ミド樹脂20〜70重量%とマレイン酸変性のポリオレ
フィン系樹脂80〜30重量%とからなる両樹脂成分1
00に対して架橋防止成分材料を0.5〜10重量%添
加してなる熱溶融型の接着剤層を設け、この後、放射線
照射により架橋させ、引き続き、膨張処理を施した熱回
復性物品にある。
【0010】本発明で使用されるダイマー酸ベースポリ
アミド樹脂とは、ダイマー酸と呼ばれる二塩基酸とジア
ミンとを反応させてなるポリアミド樹脂で、具体的な商
品としては、マクロメルト6219、6228、623
8、6301、6239、DPX1301(商品名、各
ヘンケル白水社製)などが挙げられる。
【0011】一方、このダイマー酸ベースポリアミド樹
脂と混合されるマレイン酸変性のポリオレフィン系樹脂
としては、低結晶性エチレン重合体を無水マレイン酸で
クラフト化したアドマーXE070、ME070、VE
300、NE065(商品名、三井石油化学工業社製)
などが挙げられる。
【0012】また、架橋防止成分材料としては、上記両
樹脂の混合からなる接着剤層の架橋を防止(抑制)する
性質の材料が用いられ、例えば老化防止剤、光安定剤、
ロジン、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂などが挙
げられる。さらに、上記老化防止剤としては、フェノー
ル系酸化防止剤やチオエーテル系酸化防止剤などが挙げ
られ、また、光安定剤としては、ヒンダードアミン系光
安定剤などが挙げられる。そして、これらの各材料は、
単独で用い、あるいは必要により併用することもでき
る。
【0013】上記フェノール系酸化防止剤の具体的なも
のとしては、例えばテトラキス−[メチレン−3−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタンのアデカスタブAO−60
(商品名、旭電化工業社製)、4,4′−チオビス−
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)のノクラッ
ク300(商品名、大内新興化学工業社製)などがあ
り、また、チオエーテル系酸化防止剤の具体的なものと
しては、例えばペンタエリストールテトラキス(3−ラ
ウリルチオポロピオネートのアデカスタブAO−412
S(商品名、旭電化工業社製)があり、さらに、ヒンダ
ードアミン系光安定剤の具体的なものとしては、例えば
ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケートのアデカスタブLA−77(商品名、旭
電化工業社製)、テトラギス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテト
ラカルボキシレートのアデカスタブLA−57(商品
名、旭電化工業社製)などがある。
【0014】そして、先ず、上記ダイマー酸ベースポリ
アミド樹脂とマレイン酸変性のポリオレフィン系樹脂の
両者の混合割合を、上記のようにダイマー酸ベースポリ
アミド樹脂20〜70重量%とマレイン酸変性のポリオ
レフィン系樹脂80〜30重量%としたのは、ポリアミ
ド樹脂の含有量が20重量%未満では、ポリ塩化ビニル
樹脂への接着力および低温接着処理時の接着力が不十分
となり、また、架橋処理時に接着剤の架橋が進行して接
着力の低下を招くようになるからである。一方、マレイ
ン酸変性のポリオレフィン系樹脂の含有量が30重量%
未満では、ポリアミド樹脂の流動性が優って樹脂の流出
防止機能が得られるなくなるからである。
【0015】一方、上記架橋防止成分材料の添加量を、
上記のようにダイマー酸ベースポリアミド樹脂とマレイ
ン酸変性のポリオレフィン系樹脂からなる両樹脂成分1
00に対して、0.5〜10重量%としたのは、0.5
重量%未満では、放射線照射による架橋処理の際、十分
架橋を抑制することが難しく、接着性の低下が免れず、
また、10重量%を越える場合には、架橋防止成分材料
自体が接着界面部分にブルームとして流出し易く、やは
り接着特性が低下したり、あるいは流動性が大きくなっ
て、外観の悪化を招いたりするからである。
【0016】上記のような配合構成とすることにより、
低温熱処理で、流動することなく、各種のゴムやプラス
チック、金属類などに対して良好に接着して、所望の絶
縁や防水、防食機能などを発揮する優れた熱回復性物品
が得られる。
【0017】図1〜図2は、上記架橋防止成分材料を添
加した接着剤を用いて製造した、本発明に係る熱回復性
物品を示したものである。図において、1はゴム、プラ
スチックからなる外層チューブで、図1の場合には、そ
の内面の全面に上記接着剤からなる接着剤層2を設け、
また、図2の場合には、その内面の一部(長手方向に間
欠的)にやはり上記接着剤からなる接着剤層2を設けて
ある。この外層チューブ1や接着剤層2の形成にあたっ
ては、例えばポリオレフィン系樹脂などにより外層チュ
ーブ1を押出し成形し、この後、接着剤層2を設けた
り、あるいは外層チューブ1の同時押出により接着剤層
2を設ければよい。
【0018】このように形成された外層チューブ1に
は、電子線などの放射線を照射して、チューブ材料を架
橋させる。この際、放射線の照射は、内側の接着剤層2
部分にも照射されるため、一般的には、当該接着剤層2
部分でも架橋が進行するわけであるが、本発明では、こ
の接着剤層2部分が架橋防止成分材料が添加された接着
剤からなるため、接着剤層2部分の架橋は極力抑えら
れ、接着性の低下は効果的に防止される。
【0019】この後に、例えば膨張処理などを施して外
層チューブ1を接着剤層2と共に拡径させ、この状態を
常温で保持すれば、本発明の熱回復性物品が得られる。
この熱回復性物品の使用にあたっては、ゴムやプラスチ
ック、金属類などの被着物に被せ、これを、加熱バーナ
や熱湯などにより外部から加熱すれば、外層チューブ1
側は熱収縮して当該被着物に密着被覆される。
【0020】このとき、外層チューブ1の内面には、上
記した放射線架橋処理によっても接着性が変質すること
のない(殆ど架橋が進行することのない)接着剤層2が
設けてあるため、被着物表面と極めて良好に接着され
る。これにより、極めて優れた絶縁や防水、防食機能な
どが得られる。もちろん、接着剤層2が流れ出すことも
ないため、綺麗な仕上がりが得られる。さらに、この接
着剤剤は、低温熱処理においても十分その機能を発揮す
るため、上述のような加熱バーナや熱湯などによる簡易
な加熱手段によっても対応でき、現場作業での使用も容
易に行える。
【0021】なお、本発明に係る熱回復性物品は、上記
図1〜図2のような外層チューブ1に限定されず、外層
シート(フイルム)の裏面の一部または全面に、上記架
橋防止成分材料を添加してなる熱溶融型の接着剤層を設
け、この後、放射線照射により架橋させ、引き続き、膨
張処理を施したものでもよく、この物品にあっては、被
覆しようとする被着物に巻き付けるなどした後、やはり
加熱バーナや熱湯などにより外部から加熱して使用すれ
ばよい。
【0022】
【実施例】
実施例1 エチレン酢酸ビニルコポリマーを主成分とする外層チュ
ーブの内面に、ダイマー酸ベースポリアミド樹脂(商品
名、マクロメルト6301)とマレイン酸変性のポリオ
レフィン系樹脂(商品名、アドマーXE070)との混
合比を、20:80の重量%とした両樹脂成分の100
に対して、架橋防止成分材料であるフェノール系酸化防
止剤(商品名、アデカスタブAO−60)を5重量%添
加してロール混練した接着剤の層を2重押出により成形
し、外径14mm、肉厚1.3mmの2層チューブを
得、この後、放射線照射により架橋させ、最後に膨張さ
せて、目的とする熱回復性物品を得た。
【0023】
【実施例】
実施例2 エチレン酢酸ビニルコポリマーを主成分とする外層チュ
ーブの内面に、ダイマー酸ベースポリアミド樹脂(商品
名、マクロメルト6301)とマレイン酸変性のポリオ
レフィン系樹脂(商品名、アドマーXE070)との混
合比を、20:80の重量%とした両樹脂成分の100
に対して、架橋防止成分材料であるフェノール系酸化防
止剤(商品名、アデカスタブAO−60)を0.5重量
%添加してロール混練した接着剤の層を2重押出により
成形し、外径14mm、肉厚1.3mmの2層チューブ
を得、この後、放射線照射により架橋させ、最後に膨張
させて、目的とする熱回復性物品を得た。
【0024】
【実施例】
実施例3 エチレン酢酸ビニルコポリマーを主成分とする外層チュ
ーブの内面に、ダイマー酸ベースポリアミド樹脂(商品
名、マクロメルト6301)とマレイン酸変性のポリオ
レフィン系樹脂(商品名、アドマーXE070)との混
合比を、20:80の重量%とした両樹脂成分の100
に対して、架橋防止成分材料であるフェノール系酸化防
止剤(商品名、アデカスタブAO−60)を10重量%
添加してロール混練した接着剤の層を2重押出により成
形し、外径14mm、肉厚1.3mmの2層チューブを
得、この後、放射線照射により架橋させ、最後に膨張さ
せて、目的とする熱回復性物品を得た。
【0025】実施例4 エチレン酢酸ビニルコポリマーを主成分とする外層チュ
ーブの内面に、ダイマー酸ベースポリアミド樹脂(商品
名、マクロメルト6301)とマレイン酸変性のポリオ
レフィン系樹脂(商品名、アドマーXE070)との混
合比を、70:30の重量%とした両樹脂成分の100
に対して、架橋防止成分材料であるフェノール系酸化防
止剤(商品名、アデカスタブAO−60)を5重量%添
加してロール混練した接着剤の層を2重押出により成形
し、外径14mm、肉厚1.3mmの2層チューブを
得、この後、放射線照射により架橋させ、最後に膨張さ
せて、目的とする熱回復性物品を得た。
【0026】実施例5 エチレン酢酸ビニルコポリマーを主成分とする外層チュ
ーブの内面に、ダイマー酸ベースポリアミド樹脂(商品
名、マクロメルト6301)とマレイン酸変性のポリオ
レフィン系樹脂(商品名、アドマーXE070)との混
合比を、80:20の重量%とした両樹脂成分の100
に対して、架橋防止成分材料であるチオエーテル系酸化
防止剤(商品名、アデカスタブAO−412S)を5重
量%添加してロール混練した接着剤の層を2重押出によ
り成形し、外径14mm、肉厚1.3mmの2層チュー
ブを得、この後、放射線照射により架橋させ、最後に膨
張させて、目的とする熱回復性物品を得た。
【0027】実施例6 エチレン酢酸ビニルコポリマーを主成分とする外層チュ
ーブの内面に、ダイマー酸ベースポリアミド樹脂(商品
名、マクロメルト6301)とマレイン酸変性のポリオ
レフィン系樹脂(商品名、アドマーXE070)との混
合比を、80:20の重量%とした両樹脂成分の100
に対して、架橋防止成分材料であるヒンダードアミン系
光安定剤(商品名、アデカスタブLA−77)を5重量
%添加してロール混練した接着剤の層を2重押出により
成形し、外径14mm、肉厚1.3mmの2層チューブ
を得、この後、放射線照射により架橋させ、最後に膨張
させて、目的とする熱回復性物品を得た。
【0028】実施例7 エチレン酢酸ビニルコポリマーを主成分とする外層チュ
ーブの内面に、ダイマー酸ベースポリアミド樹脂(商品
名、マクロメルト6301)とマレイン酸変性のポリオ
レフィン系樹脂(商品名、アドマーXE070)との混
合比を、80:20の重量%とした両樹脂成分の100
に対して、架橋防止成分材料であるロジン(商品名、ハ
リタックAQ−110、播磨化成工業社製)を5重量%
添加してロール混練した接着剤の層を2重押出により成
形し、外径14mm、肉厚1.3mmの2層チューブを
得、この後、放射線照射により架橋させ、最後に膨張さ
せて、目的とする熱回復性物品を得た。
【0029】実施例8 エチレン酢酸ビニルコポリマーを主成分とする外層チュ
ーブの内面に、ダイマー酸ベースポリアミド樹脂(商品
名、マクロメルト6301)とマレイン酸変性のポリオ
レフィン系樹脂(商品名、アドマーXE070)との混
合比を、80:20の重量%とした両樹脂成分の100
に対して、架橋防止成分材料であるテルペン樹脂(商品
名、ピユライト−S115、理化ハーキュレス社製)を
5重量%添加してロール混練した接着剤の層を2重押出
により成形し、外径14mm、肉厚1.3mmの2層チ
ューブを得、この後、放射線照射により架橋させ、最後
に膨張させて、目的とする熱回復性物品を得た。
【0030】実施例9 エチレン酢酸ビニルコポリマーを主成分とする外層チュ
ーブの内面に、ダイマー酸ベースポリアミド樹脂(商品
名、マクロメルト6301)とマレイン酸変性のポリオ
レフィン系樹脂(商品名、アドマーXE070)との混
合比を、80:20の重量%とした両樹脂成分の100
に対して、架橋防止成分材料であるクマロンインデン樹
脂(商品名、日鉄クマロンG−90、日鉄化学工業社
製)を5重量%添加してロール混練した接着剤の層を2
重押出により成形し、外径14mm、肉厚1.3mmの
2層チューブを得、この後、放射線照射により架橋さ
せ、最後に膨張させて、目的とする熱回復性物品を得
た。
【0031】上記各熱回復性物品について、表1に示し
たように、各試験(剥離強度試験、耐水性・耐薬品性試
験、耐溶剤性試験、流動性試験)を行い、その特性を当
該表1に併記した。
【0032】比較のため、本発明条件を欠く各熱回復性
物品も以下のようにして得た。 比較例1 エチレン酢酸ビニルコポリマーを主成分とする外層チュ
ーブの内面に、ダイマー酸ベースポリアミド樹脂(商品
名、マクロメルト6301)とマレイン酸変性のポリオ
レフィン系樹脂(商品名、アドマーXE070)との混
合比を、20:80の重量%とした両樹脂成分の100
に対して、架橋防止成分材料であるフェノール系酸化防
止剤(商品名、アデカスタブAO−60)を0.4重量
%(条件未満の量)添加してロール混練した接着剤の層
を2重押出により成形し、外径14mm、肉厚1.3m
mの2層チューブを得、この後、放射線照射により架橋
させ、最後に膨張させて、比較のための熱回復性物品を
得た。
【0033】比較例2 エチレン酢酸ビニルコポリマーを主成分とする外層チュ
ーブの内面に、ダイマー酸ベースポリアミド樹脂(商品
名、マクロメルト6301)とマレイン酸変性のポリオ
レフィン系樹脂(商品名、アドマーXE070)との混
合比を、20:80の重量%とした両樹脂成分の100
に対して、架橋防止成分材料であるフェノール系酸化防
止剤(商品名、アデカスタブAO−60)を10.5重
量%(条件を越える量)添加してロール混練した接着剤
の層を2重押出により成形し、外径14mm、肉厚1.
3mmの2層チューブを得、この後、放射線照射により
架橋させ、最後に膨張させて、比較のための熱回復性物
品を得た。
【0034】比較例3 エチレン酢酸ビニルコポリマーを主成分とする外層チュ
ーブの内面に、ダイマー酸ベースポリアミド樹脂(商品
名、マクロメルト6301)とマレイン酸変性のポリオ
レフィン系樹脂(商品名、アドマーXE070)との混
合比を、18:82の重量%とした両樹脂成分の100
に対して、架橋防止成分材料であるフェノール系酸化防
止剤(商品名、アデカスタブAO−60)を5重量%添
加してロール混練した接着剤の層を2重押出により成形
し、外径14mm、肉厚1.3mmの2層チューブを
得、この後、放射線照射により架橋させ、最後に膨張さ
せて、比較のための熱回復性物品を得た。
【0035】比較例4 エチレン酢酸ビニルコポリマーを主成分とする外層チュ
ーブの内面に、ダイマー酸ベースポリアミド樹脂(商品
名、マクロメルト6301)とマレイン酸変性のポリオ
レフィン系樹脂(商品名、アドマーXE070)との混
合比を、72:28の重量%とした両樹脂成分の100
に対して、架橋防止成分材料であるフェノール系酸化防
止剤(商品名、アデカスタブAO−60)を5重量%添
加してロール混練した接着剤の層を2重押出により成形
し、外径14mm、肉厚1.3mmの2層チューブを
得、この後、放射線照射により架橋させ、最後に膨張さ
せて、比較のための熱回復性物品を得た。
【0036】比較例5 エチレン酢酸ビニルコポリマーを主成分とする外層チュ
ーブの内面に、ダイマー酸ベースポリアミド樹脂(商品
名、マクロメルト6301)とポリオレフィン系ホット
メルト樹脂(商品名、エバテートM5011、住友化学
社製)との混合比を、50:50の重量%とした両樹脂
成分の100に対して、架橋防止成分材料であるフェノ
ール系酸化防止剤(商品名、アデカスタブAO−60)
を5重量%添加してロール混練した接着剤の層を2重押
出により成形し、外径14mm、肉厚1.3mmの2層
チューブを得、この後、放射線照射により架橋させ、最
後に膨張させて、比較のための熱回復性物品を得た。
【0037】上記各比較例1〜5の熱回復性物品につい
ても、上記表1と同様の各試験を行い、その特性を表2
に記した。
【0038】なお、上記各試験は、次のようにして行っ
た。 <剥離強度試験>外径8mmの金属パイプ、PVCパイ
プ、PEシースケーブル、ポリフッ化ビニリデン(PV
DF)コーテングの金属管に各サンプルの熱回復性物品
を被せ、エアオーブン中に入れ、120℃×20分の加
熱により熱収縮させ、冷却後に熱回復性物品に5mm巾
のノッチ傷を入れ、被着物との剥離強度を求めることに
より行った。
【0039】<耐水性・耐薬品性試験>外径8mmの銅
パイプに各サンプルの熱回復性物品を被せ、エアオーブ
ン中に入れ、120℃×20分の加熱により熱収縮さ
せ、冷却後、0.1Nの硫酸(H2 SO4 )液、0.1
Nの水酸化ナトリウム(NaOH)液および温水にそれ
ぞれ7日間づづ浸漬し、端部の変化を観察して耐水性・
耐薬品性の良否を見た。
【0040】<耐溶剤性試験>外径8mmの銅パイプに
各サンプルの熱回復性物品を被せ、エアオーブン中に入
れ、120℃×20分の加熱により熱収縮させ、冷却
後、キシレン溶液およびエチルアルコール液にそれぞれ
7日間づづ浸漬し、端部の変化を観察して、耐溶剤性の
良否を見た。
【0041】<流動性試験>外径8mmの銅パイプに、
長さ各200mmのサンプル熱回復性物品を被せ、エア
オーブン中に入れ、120℃×20分の加熱により熱収
縮させ、冷却後、端部における接着剤層の流れを観察し
て、その端部からの流出距離(mm)を測定して行っ
た。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】上記表1から、本発明に係る熱回復性物品
(実施例1〜9)では、各特性において満足のできる性
能が得られることが判る。これに対して、上記表2か
ら、架橋防止成分材料の添加量が少なくて本発明条件を
欠く熱回復性物品(比較例1)あっては、接着剤層部分
のゲル化(架橋)が進行して接着力が殆ど得られないこ
とが判る。また、逆に架橋防止成分材料の添加量が多く
て本発明条件を欠く熱回復性物品(比較例2)の場合に
は、ブルームなどの発生に起因して小さな接着力しか得
られないことが判る。さらに、ダイマー酸ベースポリア
ミド樹脂とマレイン酸変性のポリオレフィン系樹脂の配
合比が本発明条件を満たさない熱回復性物品(比較例3
〜4)あっても、良好な接着力が得られなかったり、あ
るいは接着剤層の流動性が大きくなるなどの問題がある
ことが判る。一方、ダイマー酸ベースポリアミド樹脂と
マレイン酸変性ではない通常のポリオレフィン系ホット
メルト樹脂からなる接着剤を用いた熱回復性物品(比較
例5)では、各樹脂同志の相溶性が悪く、接着性があま
り良くないことが判る。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、ゴム、プラスチック製のチューブ内面やシート
裏面の一部または全面に、ダイマー酸ベースポリアミド
樹脂とマレイン酸変性のポリオレフィン系樹脂とからな
る両混合樹脂成分に対して架橋防止成分材料を添加して
なる熱溶融型の接着剤層を設けてあるため、その後、放
射線照射による架橋処理においても、当該接着剤層側部
分の架橋の進行が効果的に抑制されるので、低温熱処理
においても、流動することなく、各種のゴムやプラスチ
ック、金属類などに対して良好に接着性を有する、優れ
た絶縁や防水、防食機能などを発揮する熱回復性物品が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱回復性物品の一例を示した縦断
面図である。
【図2】本発明に係る熱回復性物品の他の例を示した縦
断面図である。
【符号の説明】
1 外層チューブ、 2 接着剤層、

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム、プラスチック製外層チューブの内
    面または外層シートの裏面の一部または全面に、ダイマ
    ー酸ベースポリアミド樹脂20〜70重量%とマレイン
    酸変性のポリオレフィン系樹脂80〜30重量%とから
    なる両樹脂成分100に対して架橋防止成分材料を0.
    5〜10重量%添加してなる熱溶融型の接着剤層を設
    け、この後、放射線照射により架橋させ、引き続き、膨
    張処理を施したことを特徴とする熱回復性物品。
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