JPH07325199A - 電子線照射装置 - Google Patents
電子線照射装置Info
- Publication number
- JPH07325199A JPH07325199A JP6140692A JP14069294A JPH07325199A JP H07325199 A JPH07325199 A JP H07325199A JP 6140692 A JP6140692 A JP 6140692A JP 14069294 A JP14069294 A JP 14069294A JP H07325199 A JPH07325199 A JP H07325199A
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- JP
- Japan
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- irradiated
- irradiation
- window
- electron beam
- window foil
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 被照射物の電荷蓄積による照射窓箔の放電損
傷を防止すること。 【構成】 真空チャンバ3内のフィラメント4は熱電子
を放出し、電子線は照射窓6の窓箔7を透過して照射室
1の照射領域に取り出され、搬送コンベア8によって搬
送される被照射物9に照射される。照射窓の照射領域側
近傍に複数本の水冷グリッド10が設けられ、グリッド
には照射領域側に向けて針状突起11が分布して設けら
れている。被照射物の絶縁性が高く、あるいは電子線処
理層が厚く、被照射物に電荷蓄積が生ずると、被照射物
と接地電位にある針状突起との間で放電が起こり、窓箔
への放電を防ぐ。グリッドには支持パイプ部材12を介
して冷却水が供給されており、グリッドは被照射物の搬
送方向に対し斜めに位置し、照射ムラは生じない。
傷を防止すること。 【構成】 真空チャンバ3内のフィラメント4は熱電子
を放出し、電子線は照射窓6の窓箔7を透過して照射室
1の照射領域に取り出され、搬送コンベア8によって搬
送される被照射物9に照射される。照射窓の照射領域側
近傍に複数本の水冷グリッド10が設けられ、グリッド
には照射領域側に向けて針状突起11が分布して設けら
れている。被照射物の絶縁性が高く、あるいは電子線処
理層が厚く、被照射物に電荷蓄積が生ずると、被照射物
と接地電位にある針状突起との間で放電が起こり、窓箔
への放電を防ぐ。グリッドには支持パイプ部材12を介
して冷却水が供給されており、グリッドは被照射物の搬
送方向に対し斜めに位置し、照射ムラは生じない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被照射物の電荷蓄積に
よる照射窓箔の放電損傷を防止する電子線照射装置に関
する。
よる照射窓箔の放電損傷を防止する電子線照射装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】図6はエリアビーム型電子線照射装置の
一例を示す構成図であり、照射室1の上方に電子線発生
装置2が設けられている。同発生装置は真空チャンバ3
の内部に熱電子放出用フィラメント4を有し、同フィラ
メントの周りはフィラメントと共に負の高電位にバイア
スされているシールド電極5で囲われている。フィラメ
ント4で発生した熱電子は接地電位にある真空チャンバ
3及び同チャンバの下端部を真空シールしている照射窓
6に向けて加速され、照射窓の窓箔7を透過し、照射領
域に取り出される。照射領域にはメッシュ(ネット)コ
ンベア、スラットコンベア等の搬送コンベア8によって
シート状或いは板状の被照射物9が搬送され、窓箔7を
透過した電子線e-が照射される。
一例を示す構成図であり、照射室1の上方に電子線発生
装置2が設けられている。同発生装置は真空チャンバ3
の内部に熱電子放出用フィラメント4を有し、同フィラ
メントの周りはフィラメントと共に負の高電位にバイア
スされているシールド電極5で囲われている。フィラメ
ント4で発生した熱電子は接地電位にある真空チャンバ
3及び同チャンバの下端部を真空シールしている照射窓
6に向けて加速され、照射窓の窓箔7を透過し、照射領
域に取り出される。照射領域にはメッシュ(ネット)コ
ンベア、スラットコンベア等の搬送コンベア8によって
シート状或いは板状の被照射物9が搬送され、窓箔7を
透過した電子線e-が照射される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】被照射物9が絶縁性が
高い高分子材料であったり、被照射物の電子線処理層が
厚い場合、電子線照射による電荷が接地電位にある被照
射物搬送コンベア系に逃げず、被照射物に電荷蓄積が生
ずる。かかる電荷蓄積により、被照射物9が部分的に高
電位になると、照射窓箔7との間の空気層、エアパスを
介して接地電位にある窓箔に被照射物の蓄積電荷が放電
し、放電エネルギーにより窓箔にピンホールが発生し、
真空が破れ、電子線照射装置が運転が阻害される。特
に、加速電圧が300kV以下の低エネルギー電子線照
射装置の場合にはエアパスが35mm以下と短いため、
かかる事態が発生しやすい。
高い高分子材料であったり、被照射物の電子線処理層が
厚い場合、電子線照射による電荷が接地電位にある被照
射物搬送コンベア系に逃げず、被照射物に電荷蓄積が生
ずる。かかる電荷蓄積により、被照射物9が部分的に高
電位になると、照射窓箔7との間の空気層、エアパスを
介して接地電位にある窓箔に被照射物の蓄積電荷が放電
し、放電エネルギーにより窓箔にピンホールが発生し、
真空が破れ、電子線照射装置が運転が阻害される。特
に、加速電圧が300kV以下の低エネルギー電子線照
射装置の場合にはエアパスが35mm以下と短いため、
かかる事態が発生しやすい。
【0004】本発明は、被照射物に電荷が蓄積し、局部
的に高電位になるようなことがあっても、照射窓箔との
間で放電が生じないようにした電子線照射装置の提供を
目的とするものである。
的に高電位になるようなことがあっても、照射窓箔との
間で放電が生じないようにした電子線照射装置の提供を
目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子線照射装
置において、照射窓の照射領域側近傍に配置された接地
電位の水冷グリッドを有し、前記グリッドは、被照射物
の搬送方向に対して斜めに位置し、針状突起を備えてい
ることを特徴とするものである。
置において、照射窓の照射領域側近傍に配置された接地
電位の水冷グリッドを有し、前記グリッドは、被照射物
の搬送方向に対して斜めに位置し、針状突起を備えてい
ることを特徴とするものである。
【0006】
【作用】被照射物に電荷が蓄積し、局部的に高電位にな
っても、接地電位にある水冷グリッドの針状突起との間
で放電が生じ、窓箔との間での放電を防ぐ。水冷グリッ
ドは被照射物の搬送方向に対し斜めに位置しているか
ら、被照射物に照射ムラは生じない。
っても、接地電位にある水冷グリッドの針状突起との間
で放電が生じ、窓箔との間での放電を防ぐ。水冷グリッ
ドは被照射物の搬送方向に対し斜めに位置しているか
ら、被照射物に照射ムラは生じない。
【0007】
【実施例】本発明の実施例について図面を参照して説明
する。以下の説明において図6と同一符号は同等部分を
示す。図1は実施例の概略構成図、図2は実施例の要部
部分の上面図、図3は同じく要部部分の斜視図である。
真空チャンバ3の照射領域側下端部に同チャンバ内を真
空シールし電子線が透過する窓箔7を有する照射窓6が
設けられており、この照射窓の照射領域側近傍に水冷グ
リッド10を複数本設け、同グリッドには、その下方に
搬送される被照射物9に向けて針状突起11が設けられ
ている。
する。以下の説明において図6と同一符号は同等部分を
示す。図1は実施例の概略構成図、図2は実施例の要部
部分の上面図、図3は同じく要部部分の斜視図である。
真空チャンバ3の照射領域側下端部に同チャンバ内を真
空シールし電子線が透過する窓箔7を有する照射窓6が
設けられており、この照射窓の照射領域側近傍に水冷グ
リッド10を複数本設け、同グリッドには、その下方に
搬送される被照射物9に向けて針状突起11が設けられ
ている。
【0008】水冷グリッド10は、電子線が当りそのエ
ネルギーを吸収し発熱するから内部を冷却水が通流する
パイプで形成されており、被照射物9の電子線照射ムラ
を防止するために被照射物の搬送方向に対し斜めに位置
させて設ける。水冷グリッド10の配置ピッチは図2の
点線で示す照射面積の4割以下の占有面積となるように
し、水冷グリッドによる線量損失を防ぐ。低エネルギー
電子線照射装置の場合、窓箔7を透過後の気中での電子
線の散乱が大きいため、各水冷グリッド体10間の開口
率が6割以上であれば被照射物9における照射ムラは生
じない。
ネルギーを吸収し発熱するから内部を冷却水が通流する
パイプで形成されており、被照射物9の電子線照射ムラ
を防止するために被照射物の搬送方向に対し斜めに位置
させて設ける。水冷グリッド10の配置ピッチは図2の
点線で示す照射面積の4割以下の占有面積となるように
し、水冷グリッドによる線量損失を防ぐ。低エネルギー
電子線照射装置の場合、窓箔7を透過後の気中での電子
線の散乱が大きいため、各水冷グリッド体10間の開口
率が6割以上であれば被照射物9における照射ムラは生
じない。
【0009】水冷グリッド10の両端は支持パイプ部材
12に結合されており、水冷グリッドへの冷却水は支持
パイプ部材により供給、排出される。照射窓6の窓箔7
は窓枠13に箔押え板14を用いて取り付けられている
が、水冷グリッド10を支持するパイプ部材12は照射
窓の窓枠13の四隅に固定され、グリッドは照射窓及び
窓箔と同じ接地電位にされる。図4(a)はその固定態
様の一例を示すものであり、支持パイプ部材12に腕部
材15が溶接により固着されており、同腕部材と窓枠1
3との間にスペーサ部材16を介在させ、ボルト17を
用いて支持パイプ部材を窓枠に取り付ける。また、水冷
グリッド10の端部は図4(b)に示すように支持パイ
プ部材12に溶接により取り付けられている。
12に結合されており、水冷グリッドへの冷却水は支持
パイプ部材により供給、排出される。照射窓6の窓箔7
は窓枠13に箔押え板14を用いて取り付けられている
が、水冷グリッド10を支持するパイプ部材12は照射
窓の窓枠13の四隅に固定され、グリッドは照射窓及び
窓箔と同じ接地電位にされる。図4(a)はその固定態
様の一例を示すものであり、支持パイプ部材12に腕部
材15が溶接により固着されており、同腕部材と窓枠1
3との間にスペーサ部材16を介在させ、ボルト17を
用いて支持パイプ部材を窓枠に取り付ける。また、水冷
グリッド10の端部は図4(b)に示すように支持パイ
プ部材12に溶接により取り付けられている。
【0010】水冷グリッド10には針状突起11を図
1、図3に簡略図示するようにグリッドの長手方向に適
当に分布して設けられており、これら針状突起は、図5
に示すように、全体として被照射物9側に向けて設けら
れている。照射窓の窓箔7を透過した電子線は被照射物
9に照射される。被照射物が絶縁特性の良い高分子材
料、或いは照射処理層が厚いものであると、照射電子は
被照射物から接地電位にある搬送系へと移動せず、被照
射物に電子したがって電荷の蓄積が生ずる。窓箔7と電
子が蓄積されている被照射物との間に電界が形成される
が、箔面との電界を超える高電界Eが被照射物と接地電
位にある水冷グリッド10の針状突起11との間に形成
され、放電により針状突起に電子が捕捉される。したが
って、窓箔7への放電が防止され、窓箔を保護すること
ができる。針状突起11の設置数を多くすることによ
り、放電確率を高くすることができる。
1、図3に簡略図示するようにグリッドの長手方向に適
当に分布して設けられており、これら針状突起は、図5
に示すように、全体として被照射物9側に向けて設けら
れている。照射窓の窓箔7を透過した電子線は被照射物
9に照射される。被照射物が絶縁特性の良い高分子材
料、或いは照射処理層が厚いものであると、照射電子は
被照射物から接地電位にある搬送系へと移動せず、被照
射物に電子したがって電荷の蓄積が生ずる。窓箔7と電
子が蓄積されている被照射物との間に電界が形成される
が、箔面との電界を超える高電界Eが被照射物と接地電
位にある水冷グリッド10の針状突起11との間に形成
され、放電により針状突起に電子が捕捉される。したが
って、窓箔7への放電が防止され、窓箔を保護すること
ができる。針状突起11の設置数を多くすることによ
り、放電確率を高くすることができる。
【0011】上述の実施例ではエリアビーム形電子線照
射装置について説明したが、本発明は、走査型電子線照
射装置に対しても実施することができる。
射装置について説明したが、本発明は、走査型電子線照
射装置に対しても実施することができる。
【0012】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成した
ので、被照射物に電荷が蓄積し、局部的に高電位になっ
ても、接地電位にある水冷グリッドの針状突起との間で
放電が生じ、窓箔との間での放電を防ぐ。水冷グリッド
は被照射物の搬送方向に対し斜めに位置しているから、
被照射物に照射ムラは生じない。
ので、被照射物に電荷が蓄積し、局部的に高電位になっ
ても、接地電位にある水冷グリッドの針状突起との間で
放電が生じ、窓箔との間での放電を防ぐ。水冷グリッド
は被照射物の搬送方向に対し斜めに位置しているから、
被照射物に照射ムラは生じない。
【図1】エリアビーム型電子線照射装置についての実施
例の概略構成図である。
例の概略構成図である。
【図2】実施例の要部部分の上面図である。
【図3】実施例の要部部分の斜視図である。
【図4】実施例の要部部分の取付け、固定態様の一例を
示す構成図である。
示す構成図である。
【図5】実施例の水冷グリッドにおける針状突起の設置
態様及び被照射物蓄積電荷の放電についての説明図であ
る。
態様及び被照射物蓄積電荷の放電についての説明図であ
る。
【図6】従来のエリアビーム型電子線照射装置の概略構
成図である。
成図である。
1 照射室 2 電子線発生装置 3 真空チャンバ 4 フィラメント 6 照射窓 7 窓箔 8 搬送コンベア 9 被照射物 10 水冷グリッド 11 針状突起 12 支持パイプ部材
Claims (1)
- 【請求項1】 照射窓の照射領域側近傍に配置された接
地電位の水冷グリッドを有し、前記グリッドは、被照射
物の搬送方向に対して斜めに位置し、針状突起を備えて
いることを特徴とする電子線照射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6140692A JPH07325199A (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | 電子線照射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6140692A JPH07325199A (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | 電子線照射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07325199A true JPH07325199A (ja) | 1995-12-12 |
Family
ID=15274539
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6140692A Pending JPH07325199A (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | 電子線照射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07325199A (ja) |
-
1994
- 1994-06-01 JP JP6140692A patent/JPH07325199A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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