JP2019002783A - 電子線照射装置 - Google Patents

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JP2019002783A JP2017117313A JP2017117313A JP2019002783A JP 2019002783 A JP2019002783 A JP 2019002783A JP 2017117313 A JP2017117313 A JP 2017117313A JP 2017117313 A JP2017117313 A JP 2017117313A JP 2019002783 A JP2019002783 A JP 2019002783A
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崇 井出
昌好 伊藤
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Abstract

【課題】エリアビーム型電子線照射装置において、電子線シャワーの長さ方向の線量分布の均一性を向上させる。
【解決手段】電子線発生部は、内部空間に電子銃を有し、底部に電子線取出窓を有する真空チャンバからなる。電子銃は電子線取出窓に略平行して延びるフィラメントをターミナルが筒状に包囲した構造を有し、ターミナルの底部にはフィラメントから放出された熱電子が通り抜けるグリッドが設けられ、フィラメントはグリッドを挟んで電子線取出窓と対向するように構成されている。グリッドは、フィラメントが延びる方向において、中央部領域の開口率が端部側領域の開口率より小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、エリア状に形成された低エネルギー電子線を被照射物(照射対象物)に対して照射するエリアビーム型の電子線照射装置に関する。
電子線照射は様々な目的に用いられているが、コーティング剤、印刷インキ、接着剤などの硬化、あるいは食品用ないし医薬品用の包装材料や容器の滅菌のような、表面ないし表層の処理には300keV以下の低エネルギー電子線が照射されることが多い。低エネルギー電子線であれば、X線管に用いられる程度の小型電源を使用することができ、また、プローブ状の電子線で被照射物の照射エリアを二次元的に走査する走査型の装置を用いる代わりに、エリア状に形成された電子線シャワーの下をくぐるように被照射物を搬送するタイプの所謂「エリアビーム型」の装置が利用できることから、大面積の照射エリアに対する電子線照射処理を簡便に効率よく行うことができる。近年、エリアビーム型の電子線照射装置に対し、小型軽量化や保守の簡素化を狙った改良がさかんに行われている。
例えば特許文献1は、エリアビーム型の電子線照射装置に用いられる電子ビーム加速器を記載している。特許文献1には、電子ビーム加速器が、真空チャンバ内に電子発生器を有し、該電子発生器を構成するフィラメントに電流を流すと該フィラメントが加熱されて熱電子を発生し、発生した熱電子は、該フィラメントを包囲するハウジングの一方の側に該フィラメントと平行して設けられた開口列から、該真空チャンバの該開口列に対向する位置に設けられた電子ビーム放射窓に向かって加速されて電子ビームとなり、この電子ビームが該電子ビーム放射窓をシールする窓箔を透過して外部へ放射されるように構成されている。特許文献1は、電子ビーム加速器全体を小型化したモジュールとして一体的に構成することにより、電子ビーム加速器全体を簡便に交換できるようにして、電子線照射装置の保守の簡素化を図っている。
一方、エリアビーム型の電子線照射装置においては、エリア状に形成される電子線シャワーの断面内における線量分布が均一であることが好ましいことから、従前より、線量分布の均一化を図る様々な試みがなされている。例えば特許文献2は、電子線シャワーをエリア状に形成すべく当該電子線シャワーの幅方向(矩形状のエリアの短辺方向)に配向させた複数本の線状カソード(フィラメント)1を長さ方向(矩形状のエリアの長辺方向)に並設したエリアビーム型の電子線照射装置を記載し、該複数本の線状カソードの線径分布(ひいては温度分布)や並設間隔、あるいは該線状カソードから発生した熱電子を電子線シャワー形成側に引き出すための引出しグリッドの開口割合を、上記長さ方向に変動させることにより、上記長さ方向における線量分布の均一化を図る手法を開示している。
また、特許文献3は、電子線シャワーをエリア状に形成すべく当該長さ方向に配向させた1本または複数本のフィラメントを当該幅方向に配設した電子ビーム発生装置100を有するエリアビーム型の電子線照射装置を記載し、該フィラメントから発生した熱電子を該電子ビーム発生装置の外に引き出すための制御グリッドとして、複数の開口部を幅方向(フィラメントに平行な方向すなわち上記長さ方向と同じ)に配列した開口部列を高さ方向(フィラメントに垂直な方向すなわち上記幅方向と同じ)に複数並べて設けることでハニカム状のグリッドを構成し、該複数の開口部の面積が当該開口部列の位置によって異なるように調整することにより、上記幅方向における線量分布の均一化を図る手法を開示している。
特開2010−164582号公報 特開昭61−183859号公報 特表2013−536554号公報
特許文献2に開示される手法は、幅方向に延びる複数本のフィラメントを長さ方向に並設した場合に、フィラメントごとに熱電子発生量が異なることにより生ずる線量変動、すなわちフィラメントに対して横方向(フィラメントが延びる方向と垂直な方向)の線量変動を是正するものである。また、特許文献3に開示される手法も、1本または複数本のフィラメントからの横方向の距離による線量変動、すなわちフィラメントに対して横方向の線量変動を是正するものである。
しかしながら、本発明の発明者らは、1本のフィラメントの長さ方向に熱電子発生量が異なる場合があることを見出した。その場合、例えば、長さ方向に配向させた1本のフィラメントを有するシングルフィラメント構成の電子線発生部を真空チャンバ内に1基有するエリアビーム型の電子線照射装置を用いて被照射物の表面に対し電子線照射処理を行うに際し、フィラメントの長さ方向に熱電子発生量が異なると、長さ方向の線量分布が不均一になり、ひいては被照射物の表面に対する電子線照射量が長さ方向に不均一になるという問題を生ずる。
そこで、本発明の目的は、長さ方向に配向させたフィラメントに電流を流して該フィラメントから熱電子を発生させるエリアビーム型電子線照射装置において、電子線シャワーの断面内線量分布が均一化された電子線照射装置を提供することである。
本発明は、
電子線を発生する電子線発生部と、該電子線発生部で発生した電子線を被照射物に照射する電子線照射部とを含んでなる電子線照射装置であって、
前記電子線発生部は、減圧可能な内部空間を包含する真空チャンバと、該内部空間内に配置されて電子を放出することができる電子銃とを有し、該真空チャンバは、該電子銃が該内部空間に放出した電子を電子線として外部へ取り出すための電子線取出窓を有し、
前記電子線照射部は、前記電子線取出窓に隣接する照射空間を形成し、被照射物を搬送する搬送手段を該照射空間内に有し、
前記電子銃は、電流を流して加熱すると電子を発生する線状のフィラメントと、導体からなり該フィラメントを包囲するターミナルとを有し、該ターミナルは、該フィラメントが発生した電子を前記電子線取出窓に対向する側に引き出すグリッドを有し、該グリッドは、該フィラメントに沿って設けられ
前記電子線発生部は、前記電子銃が前記内部空間に放出した電子を前記電子線取出窓に向けて加速するための加速電圧を、該電子銃と該電子線取出窓との間に印加することができるように構成され、
前記搬送手段が被照射物を前記フィラメントが延びる方向と交差する方向に搬送するとき、前記電子線取出窓から前記照射空間に導入された電子線が該搬送手段により搬送される被照射物に照射されるように構成され、
前記グリッドは、前記フィラメントが延びる方向に配列した複数の開口を有する導体のプレートからなり、該フィラメントが延びる方向において、該グリッドの中央領域における該プレートの開口率が該グリッドの両端領域における該プレートの開口率より小さいことを特徴とする電子線照射装置、を提供し、
それにより前記課題を解決するものである。
本発明によれば、大面積の照射エリアに対する電子線照射処理を簡便に効率よく行うことができる所謂エリアビーム型の電子線照射装置において、電子線シャワーの長さ方向線量分布の均一化を図ることができることから、被照射物の所望の照射エリアに対する電子線照射処理を均一に行うことができる。
本発明の電子線照射装置の内部構造を例示する模式的正面図である。 図1に示す装置を同図のA−A断面で見た模式的側面図である。 図1に示す装置の背面プレートの一例を示す。 図1に示す装置のグリッドの一例を示す。 図1に示す装置のグリッドの別の例を示す。 図1に示す装置のコネクタと電源プラグを示す斜視図である。 照射条件1で電子線照射を行ったときの線量分布を示す。 照射条件2で電子線照射を行ったときの線量分布を示す。 照射条件3で電子線照射を行ったときの線量分布を示す。 照射条件4で電子線照射を行ったときの線量分布を示す。 照射条件5で電子線照射を行ったときの線量分布を示す。 照射条件6で電子線照射を行ったときの線量分布を示す。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電子線照射装置の内部構造を例示する模式的正面図であり、図2は、図1に示す装置を同図のA−A断面で見た模式的側面図である。図1及び図2に示す電子線照射装置は、電子線を発生する電子線発生部1と該電子線発生部で発生した電子線EBを被照射物Xに照射する電子線照射部2を含む。
電子線発生部1は、真空排気システム3により減圧可能な内部空間10を包含する真空チャンバ11と、該内部空間内に配置されて電子を放出する電子銃12とを有する。真空チャンバ11は、中心軸が略水平になるように配置された円筒形状の筒状筐体11aと、その筒状筐体の両端の開口をそれぞれ閉封するエンドキャップ11b、11cからなる。電子銃12は、基本構成要素として、線状に延びる発熱抵抗体であるフィラメント13とその周りを筒状に包囲する導電体であるターミナル14とを有する。
真空チャンバ11の底部には、電子銃12が放出した電子(熱電子)を加速して外部(照射空間20)へ電子線EBとして導入するための電子線取出窓15が設けられている。電子線取出窓15は、真空チャンバ11の筒状筐体11aの中心軸に平行な方向を長手方向とする矩形状をなし、その長手方向の長さを長さ、それに直交する方向の長さを幅とする断面矩形状の電子流(電子線シャワー)を形成する。
電子線取出窓15は、真空チャンバ11の底部に取り付けられた窓枠体15aと、該電子線取出窓の開口16を塞ぐことで密閉された内部空間10を形成する金属箔15bとを備える。金属箔15bは、チタン、マグネシウム、アルミニウム、ベリリウム等からなり、電子線EBを透過させる一方、内部空間10を真空排気したときの真空チャンバの内外圧力差に耐える必要がある。用いる材料にもよるが一般的には3〜20μm程度の厚さを有する。このとき、金属箔15bを内側から支える支持体15cを設けることにより、所望の耐圧性をもたせながら金属箔15bの厚さを抑えることができる。
電子銃12の基本構成要素の一つであるフィラメント13は、通常、タングステンのような高温に耐える金属からなる発熱抵抗線であり、これに電流を流して高温に加熱すると熱電子が放出される。フィラメントが細いと切れやすくなり寿命が短くなるが、一方、太すぎると長さ方向に均一に加熱されなくなり熱電子の発生バランスが悪くなる。タングステン製のフィラメントの場合、フィラメントの線径は0.15〜0.5mm程度が好ましい範囲である。フィラメント13は、電子線取出窓15に対向して該電子線取出窓の長手方向(すなわち電子線シャワーの長さ方向)に略平行して延びるように設けられることが好ましい。
電子銃12の基本構成要素の他の一つであるターミナル14は、フィラメント13の周りを囲んで該フィラメントを電磁的にシールドする役割を果たすとともに、フィラメント13に流す電流を供給し、また、フィラメントから放出された熱電子を電子線取出窓に向けて送り出す役割を果たす。このため、ターミナル14の底部(フィラメント13と電子線取出窓15とがターミナル14の当該部位を挟んで対向する領域)には、電子を引き出す複数の開口部が配列して設けられたグリッド17を形成する。
また、フィラメント13の上方(グリッド17から見てフィラメント13の背面側)には背面プレート(リペラともいう)18が設けられ、フィラメント13から上方に放出された熱電子がグリッド17の方に向けて跳ね返されるように構成されている。背面プレート18を設ける場合には、図3に示すように、最も高温になるフィラメント中央部の上方に位置する部分をくり抜いた形状にすると、背面プレート自体が加熱されて抵抗が増大するのを回避することができ、また、グリッドが加熱されるのを抑制する効果もあるので好ましい。
フィラメントに沿って設けられたグリッド17を構成する複数の開口部は、フィラメント13が延びる方向に配列されていることが好ましい。図4及び図5は、本実施形態の電子線照射装置に好ましく用いられるグリッドの開口部の配列を示すものである。図4は円形の開口部が3列に配列されたものを示し、図5は円形の開口部が5列に配列されたものを示す。円形の開口部の場合、その直径は2.0〜8.0mm程度とすることが好ましい。ただし、グリッドを構成する個々の開口部の形状は円形に限られるわけではなく、矩形、六角形、長円形など任意の形状であってよい。また、複数の開口部は必ずしも3列または5列に配列されていなくてもよく、更にいえば規則的に配列されていなくてもよい。図4及び図5に示されるように、本実施形態の電子線照射装置のグリッド17では、その長手方向(フィラメント13が延びる方向と平行な方向)に関してグリッドの中程に位置する領域(以下「中央部領域」という)における開口率(当該領域の面積に対してその領域内の開口部の面積の総和が占める割合)が、該中央領域を両端側から挟む領域(以下「端部側領域」という)における開口率よりも小さい。中央部領域における開口率は、端部側領域における開口率の75%以下であることが一般に好ましく、端部側領域における開口率の25%〜75%であることがより好ましい。これにより、フィラメント13から放出される熱電子の分布の不均一性(中央部領域からの熱電子放出量が多い)が是正される。なお、特に中央部領域において、フィラメントの直下に位置する領域の開口率は、その両側の(フィラメント直下からフィラメントが延びる方向と垂直な方向にずれた)領域の開口率よりも小さいことが好ましい。
フィラメント13が発生した電子は、グリッド17からターミナル14の外側(電子線取出窓と対向する位置)に引き出される。このとき、ターミナル14に電子線取出窓15に対して負の電圧が印加されていると、引き出された電子が電子線取出窓15に向かって加速されて電子線EBとなり、電子線取出窓15を塞いでいる金属箔15bを透過し電子線シャワーとなって、電子線照射部2の照射空間20内に導入され、照射空間20内を当該電子線シャワーと交差する方向に搬送されている(あるいは当該電子線シャワーが照射する位置に支持されている)被照射物Xに照射されることになる。
通常、フィラメント13とターミナル14(及びその一部を構成するグリッド17)とは電気的に導通しており、このため、フィラメントを電流が流れる際の電圧降下(フィラメント両端間の電位差)を無視すれば、これらは略同じ電位にある。このため、電子銃12で発生した電子を電子線取出窓15に向けて加速するためにターミナル14に印加される負の加速電圧(電子線取出窓15側は接地される)は、電子がグリッド17からターミナル14の外側に引き出されるまでは当該電子の移動に殆ど寄与しない。ただし、フィラメント13からグリッド17を電気的に絶縁してグリッド17の方がフィラメント13よりも高い電位になるように構成したり、ターミナル14や背面プレート18の方がフィラメント13よりも低い電位になるように構成してもよい。そのような場合には、ターミナル14の内部でもフィラメント13から放出された熱電子をグリッド17に向けて誘導する力がはたらくため、それにより電子銃12の電子線発生効率が向上することもある。
電子線照射部2は、電子線取出窓15に隣接して照射空間20を形成し、該照射空間内に被照射物Xを搬送あるいは単に支持するための不図示の搬送手段を有する。被照射物を照射空間内で搬送する場合、断面矩形状の電子線シャワーの長さ方向と交差する方向に被照射物を搬送すれば、一度の搬送動作で当該長さ(の当該搬送方向に垂直な成分)に相当する幅で電子線シャワーによる照射が行われるため、効率よく広い面積に対して電子線照射処理を行うことができる。そして、本発明によれば、電子線シャワーの断面内線量分布、特に長さ方向の線量分布の均一化が図られるため、長さ方向と交差する方向に被照射物Xを搬送したときに、被照射物Xを均一に電子線照射処理することができる。
なお、上でいう照射空間20とは、電子線取出窓15を通過した電子線EBが十分な強度で到達する範囲を意味し、照射空間が大気圧下にあり電子線取出窓を透過した時点で100keVの電子線を照射する場合では、電子線取出窓13から最大14cm程度離れた距離までの空間がここでいう照射空間20ということになる。照射空間20自体は必ずしも筐体21で囲われていなくてもよいが、被照射物Xに電子線を照射する際に制動X線が発生するため、電子線照射部2全体を鉛等の遮蔽壁で覆ってX線被曝を防止することが好ましい。なお、深い凹凸のある表面形態をもった被照射物の滅菌処理を行う場合のように、電子線の到達距離を大きくしたい場合には照射空間を減圧することが好ましく、その場合には照射空間を封止するために筐体で囲う必要があるのは当然である。
本実施形態の電子線照射装置の電子線発生部1における真空チャンバ11の一方のエンドキャップ11bには、真空チャンバ11の中心軸と同心的に貫通孔が設けられ、そこに挿入された電力供給用のコネクタ40が電子銃12に接続している。フィラメント13に流す電流やターミナル14に印加する負の加速電圧(小型電源を用いる場合は最大100kV程度)は、高電圧ケーブル4の先端に設けられた電源プラグ42をコネクタ40に設けられたレセプタクル41に挿入することで、高電圧電源から電子銃12に供給される。
図6は、コネクタ40と電源プラグ42の構成を示す斜視図である。真空チャンバ11に挿入されたコネクタ40の外側に露出した表面の中央部には、レセプタクル41が窪み状に形成されている。コネクタ40は、一体に形成された樹脂性であり、大径部43と小径部44とを備えている。コネクタ40が真空チャンバ11に挿入されたとき、小径部44は該真空チャンバの内側に位置し、大径部43は該真空チャンバの外側に位置する。また、大径部43と小径部44の間にはフランジ部45が備えられ、これら全体が一体に形成されている。フランジ部45は、真空チャンバ11の一方のエンドキャップ11bの外面に締結されて固定され、真空チャンバ11を密閉するように構成されている。レセプタクル41はコネクタ40の大径部43の端から小径部44の途中まで延びており、レセプタクル41の底面(図では右側の面)からは小径部44を構成する樹脂の内部を通して電源線46a、46bが延びている。
以上、図1〜図6に示す本発明の実施形態について説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本願の各請求項の記載に基づいてその範囲が規定されるものであることはいうまでもない。
図1及び図2に示す電子線照射装置の電子線発生部1に相当する実験装置を製作し、電子線取出窓15に近接して配置した線量計測用のフィルムに対し電子線照射を行った。フィラメント13としては線径0.2mmのタングステン線を用いた。また、グリッド17としては、図4に示すものと同様の、フィラメント13が延びる方向に沿って円形の開口部を3列に設けたものを用いた。図4に示すように、3列のうち中央の列を構成する開口部の数は25個、両側の列を構成する開口部の数は24個とし、隣接する開口部の中心間距離は6mmとした。すなわち、フィラメント13が延びる方向に沿ったグリッド領域の長さは150mm(幅は約16mm)と考えてよい。このとき、中央の列を構成する25個の開口部のうち列の中程に位置する9個が含まれる領域を中央部(長さ54mm)とし、その両側の領域を両端部(それぞれ長さ48mm)として、グリッド領域を長さ方向に3分割した。そして、フィラメント13の長さ及びグリッドの開口部の径を段階的に変えて照射実験を行った。照射後、電子線から受けたエネルギーにより変化したフィルムの濃度を吸光度計で測定してフィルムに吸収された線量を求め、各照射条件について、長さ方向に線量の最大値を100とする相対線量分布を求めた。
(照射条件1)
100kVタイプの小型電源を用い、加速電圧を90kV、フィラメント長を106mm、開口部の径は全て4.5mm(均一)とした。このときの相対線量分布を図7に示す。長さ方向に大きく湾曲した凸形の相対線量分布を示し、長さ方向に中心から45mm離れた(両端部に属する)位置では、最大線量の30〜50%程度の線量しかなかった。
(照射条件2)
フィラメント長を照射条件1より10mm伸ばして116mmとし、開口部の径を全て4.9mm(均一)とした以外、照射条件1と同じ条件で電子線照射を行った。このときの相対線量分布を図8に示す。中央部の最大線量を示す領域の長さは伸びたが、やはり長さ方向に大きく湾曲した凸形の相対線量分布を示し、長さ方向に中心から45mm離れた(両端部に属する)位置では、最大線量の40〜50%程度の線量しかなかった。
(照射条件3)
中央の列に属する開口部の径を、中央部では4.5mm、両端部では4.7mmとし、両側の列に属する開口部の径を4.5mm(均一)とした以外、照射条件1と同じ条件で電子線照射を行った。このときの相対線量分布を図9に示す。長さ方向に中心から約35mm離れた所に線量分布のピークが見られるものの、中央部から両端部にかけての線量分布はかなり均一化されたが、その外側の領域に当たる長さ方向に中心から45mm離れた(両端部に属する)位置では、最大線量の50〜70%程度の線量であった。
(照射条件4)
フィラメント長を照射条件1より30mm伸ばして136mmとし、中央の列に属する開口部の径を、中央部では4.5mm、両端部では4.7mmとし、両側の列に属する開口部の径を4.5mm(均一)とした以外、照射条件1と同じ条件で電子線照射を行った。このときの相対線量分布を図10に示す。中央部から両端部にかけての線量分布は照射条件3と比べてかなり均一化され、その外側の領域に当たる長さ方向に中心から45mm離れた(両端部に属する)位置でも、最大線量の70〜80%程度の線量を示した。
(照射条件5)
フィラメント長を照射条件1より44mm伸ばして150mmとし、中央の列に属する開口部の径を、中央部では4.5mm、両端部では4.7mmとし、両側の列に属する開口部の径を4.5mm(均一)とした以外、照射条件1と同じ条件で電子線照射を行った。このときの相対線量分布を図11に示す。中央部から両端部にかけての線量分布は照射条件4とほぼ同等であり、その外側の領域に当たる長さ方向に中心から45mm離れた(両端部に属する)位置では、最大線量の80%程度の線量を示した。
(照射条件6)
フィラメント長を照射条件1より44mm伸ばして150mm(すなわち照射条件4と同じ)とし、中央の列に属する開口部の径を、中央部では4.5mm、両端部では4.7mmとし、両側の列に属する開口部の径を5.3mm(均一)とした以外、照射条件1と同じ条件で電子線照射を行った。このときの相対線量分布を図12に示す。中央部から両端部にかけての線量分布は照射条件6とほぼ同等であり、その外側の領域に当たる長さ方向に中心から45mm離れた(両端部に属する)位置でも、最大線量の80%程度と照射条件6とほぼ同等であった。ただし、両側の列の開口部の径を5.3mmと大きくしたことにより、加速電圧を50kVに落としても照射条件6より電子線が出やすくなり最大出力が上昇した。
本発明の電子線照射装置は、大面積の照射エリアに対して均一に電子線照射を行う必要がある、コーティング剤の硬化処理や包装材料の滅菌処理等を簡便に効率よく行う用途に好適に用いることができる。
1 電子線発生部
2 電子線照射部
3 真空排気システム
4 高電圧ケーブル
10 内部空間
11 真空チャンバ
11a 筒状筐体
11b エンドキャップ
11c エンドキャップ
12 電子銃
13 フィラメント
14 ターミナル
15 電子線取出窓
15a 窓枠体
15b 金属箔
15c 支持体
16 電子線取出窓の開口
17 グリッド
18 背面プレート
20 照射空間
21 照射空間の筐体
40 コネクタ
41 レセプタクル
42 電源プラグ
43 大径部
44 小径部
45 フランジ部
46a 電源線
46b 電源線

Claims (8)

  1. 電子線を発生する電子線発生部と、該電子線発生部で発生した電子線を被照射物に照射する電子線照射部とを含んでなる電子線照射装置であって、
    前記電子線発生部は、減圧可能な内部空間を包含する真空チャンバと、該内部空間内に配置されて電子を放出することができる電子銃とを有し、該真空チャンバは、該電子銃が該内部空間に放出した電子を電子線として外部へ取り出すための電子線取出窓を有し、
    前記電子線照射部は、前記電子線取出窓に隣接する照射空間を形成し、被照射物を搬送する搬送手段を該照射空間内に有し、
    前記電子銃は、電流を流して加熱すると電子を発生する線状のフィラメントと、導体からなり該フィラメントを包囲するターミナルとを有し、該ターミナルは、該フィラメントが発生した電子を前記電子線取出窓に対向する側に引き出すグリッドを有し、該グリッドは、該フィラメントに沿って設けられ、
    前記電子線発生部は、前記電子銃が前記内部空間に放出した電子を前記電子線取出窓に向けて加速するための加速電圧を、該電子銃と該電子線取出窓との間に印加することができるように構成され、
    前記電子線照射部は、前記搬送手段が被照射物を前記フィラメントが延びる方向と交差する方向に搬送するとき、前記電子線取出窓から前記照射空間に導入された電子線が該搬送手段により搬送される被照射物に照射されるように構成され、
    前記グリッドは、前記フィラメントが延びる方向に配列した複数の開口部を有する導体のプレートからなり、該フィラメントが延びる方向において、該グリッドの中央部領域における該プレートの開口率が該グリッドの端部側領域における該プレートの開口率より小さいことを特徴とする電子線照射装置。
  2. 前記グリッドの中央部領域における前記プレートの開口率が該グリッドの端部側領域における該プレートの開口率の75%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子線照射装置。
  3. 前記複数の開口部が同じ形状を有し、前記グリッドが延びる方向に配列されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子線照射装置。
  4. 前記複数の開口部が3列または5列に配列され、中央の列を構成する開口部の大きさが両側の列を構成する開口部の大きさより小さいことを特徴とする請求項3に記載の電子線照射装置。
  5. 前記複数の開口部が円形状を有し、各開口部の直径が2.0〜8.0mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子線照射装置。
  6. 前記フィラメントの長さが前記グリッドの該フィラメントが伸びる方向の長さより小さいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子線照射装置。
  7. 前記フィラメントの線径が0.15〜0.3mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子線照射装置。
  8. 前記加速電圧が50〜100kVであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子線照射装置。
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