JPH07324251A - パイル布帛 - Google Patents

パイル布帛

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Publication number
JPH07324251A
JPH07324251A JP6137906A JP13790694A JPH07324251A JP H07324251 A JPH07324251 A JP H07324251A JP 6137906 A JP6137906 A JP 6137906A JP 13790694 A JP13790694 A JP 13790694A JP H07324251 A JPH07324251 A JP H07324251A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pile
fiber
fibers
moment
area
Prior art date
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Pending
Application number
JP6137906A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Kino
義之 木野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP6137906A priority Critical patent/JPH07324251A/ja
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  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 風合いがソフトであり、しかもパイルがへた
り難い。 【構成】 パイル糸がポリエステル繊維からなるパイル
布帛であって、パイル糸を構成する繊維の断面二次モー
メントが0.40×10-9〜2.0×10-9mm4であ
り、かつ断面二次モーメントと布帛面積100mm2 当た
りのパイル糸を構成する繊維本数との積が200×10
-7〜500×10-7mm4 である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、家具や車両の椅子、
カーペット類等に好適に利用されるパイル布帛に関し、
更に詳しくは風合いが著しくソフトで、なおかつパイル
のへたりが少なく、特に車両の内装用として好適なパイ
ル布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の内装用布帛として、レザー、織
物、編物等の種々の布帛が用いられているが、最近にな
って高級なパイル布帛、例えばモケット、ダブルラッセ
ル地、トリコット起毛布、シンカーパイル編み等が用い
られるようになってきた。そして、これらパイル布帛の
パイル糸にはナイロン繊維が広く使用されていたが、特
に自動車用内装材の分野では高度の耐脆化性および耐光
堅牢性等が要求されるため、最近になってポリエステル
繊維が使用されるようになってきた。しかしながら、ポ
リエステル繊維は、ナイロン繊維に比べて上記の耐脆化
性および耐光堅牢性等に優れている反面、弾性率が大き
いため、パイル糸として用いた場合に手触りや風合いが
硬くなり、また巻縮堅牢性が劣るため、繰返し圧縮荷重
によってパイルがへたり易いという問題があった。
【0003】これらポリエステル繊維の欠点を解決する
方法として、種々の提案がされている。例えば、特開昭
61−152849号公報には、断面形状が偏平なポリ
エステル繊維でパイルを形成したパイル布帛が記載され
ている。また、特開昭63−50552号公報には、繊
維断面の4箇所以上に頂点を有し、かつ隣接する頂点を
結ぶ接線の内側に凹部を有し、この凹部が3箇所以上形
成されたポリエステル繊維をモケットパイルに用いるこ
とが記載されている。しかし、これらの方法は、繊維の
断面形状を円形以外の異形とすることにより、円形に比
べて曲げ剛性を小さくしたり、比表面積を大きくしたり
するものであり、風合いのソフト化や開繊性の改善には
有効であっても、パイルのへたり易さを改善するもので
はなかった。
【0004】一方、パイルのへたり易さを改善する方法
として、特開平5−321060号公報には、沸水収縮
率に差のある2種の繊維からなる混紡糸をパイル糸に使
用することが記載されているが、単繊維の繊度が太く、
また高収縮率繊維が固まり易いため、風合いが粗硬にな
り、また混紡糸の沸水収縮率が大きく、7〜30%に達
するため、通常のパッケージ染色(チーズ染色)ができ
なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、ポリエス
テル繊維をパイル糸に使用したパイル布帛であって、風
合いが著しくソフトで、しかもパイルがへたり難いとい
う、従来満たし得なかった相反する要求を満足させるパ
イル布帛を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、パイル糸が
ポリエステル繊維からなるパイル布帛であって、パイル
糸を構成する繊維の断面二次モーメントが0.40×1
-9〜2.0×10-9mm4 であり、かつ上記の断面二次
モーメントと布帛面積100mm2 当たりのパイル糸を構
成する繊維本数との積が200×10-7〜500×10
-7mm4 であることを特徴とするパイル布帛である。
【0007】この発明のポリエステル繊維は、ポリエチ
レンテレフタレートのホモポリマー、または該ポリエチ
レンテレフタレートとイソフタレートその他とのコポリ
マーからなる繊維のいずれでもよく、またその断面形状
は円形または円形以外の異形のいずれでもよいが、その
1本の繊維の断面二次モーメントが0.40×10-9
2.0×10-9mm4 であることが必要であり、特に0.
60×10-9〜1.2×10-9mm4 であることが好まし
い。したがって、円形断面の繊維は、使用可能な繊度の
範囲が異形断面の繊維に比べて小さくなる。
【0008】そして、この発明では、パイル布帛の単位
面積(100mm2 )に存在するパイル糸中の全繊維本数
と上記断面二次モーメントとの積が200×10-7〜5
00×10-7mm4 であること、好ましくは250×10
-7〜350×10-7mm4 であることが必要である。した
がって、パイル糸を構成する繊維が細く、断面二次モー
メントが小さい場合は、比較的密に配列される。
【0009】なお、この発明のパイル糸は、マルチフィ
ラメント糸または紡績糸のいずれでもよく、また仮撚加
工糸および空気交絡糸等の巻縮加工糸であってもよい。
また、パイル布帛は、モケット、別珍、コール天等のパ
イル織物、およびダブルラッセル地、トリコット起毛
品、シンカーパイル編地等のカットパイルまたはループ
パイルを有する編織物である。
【0010】
【作用】パイル糸を構成する繊維の曲げ剛性は、繊維の
ヤング率と断面二次モーメントの積で表され、比較する
2本の繊維のヤング率と断面積が互いに等しくても、断
面形状が異なれば、その曲げ剛性すなわち手触り(風合
い)が異なる。例えば、図1に示される断面円形の繊維
の断面二次モーメントは、πD4/64(ただし、Dは円
の直径)で表される。また、断面長方形の繊維の断面二
次モーメントは、a3 b/12(ただし、aは短辺の長
さ、bは長辺の長さ)で表される。なお、曲げ応力は、
長辺に垂直な方向とする。ここで、断面長方形の繊維に
は、図2に示すような楕円形もしくは小判形等の断面偏
平な繊維、および図3に示すように長辺に複数個、例え
ば4個の山を有する四つ山偏平形状の繊維等が含まれ
る。したがって、繊度が2.5デニールで、断面円形の
繊維の断面二次モーメントは、3.2×10-9mm4 とな
り、同じデニールで断面長方形(ただし、bがaの2
倍)の繊維の断面二次モーメントは、1.07×10-9
mm4 、すなわち円形断面繊維の約1/3になる。
【0011】この発明では、パイル糸を構成する繊維の
断面二次モーメントの大きさを限定すると共に布帛面積
100mm2 当たりのパイル糸を構成する繊維本数の範囲
を限定するので、断面二次モーメントが比較的大きい繊
維をパイル糸に使用した場合は、上記の繊維本数を比較
的少なく、すなわちパイル糸を粗くする結果になり、曲
げ剛性の比較的大きい繊維が繊維間の空隙の増大によっ
て曲げ易くなり、そのため手触り(風合い)の粗硬化が
防止される。また、断面二次モーメントの比較的小さい
繊維をパイル糸に使用した場合は、上記の繊維本数を多
く、すなわちパイル糸を密にする結果になり、曲げ剛性
の比較的小さい繊維が繊維間の空隙の増大に伴い周囲の
繊維で支えられて倒れ難くなり、そのためへたり難くな
る。すなわち、断面二次モーメントの大小と繊維密度の
粗密とが相互に補完し合って、風合いがソフトで、しか
もパイルのへたり難いパイル布帛となる。
【0012】ただし、断面二次モーメントが0.40×
10-9mm4 未満であったり、該断面二次モーメントと上
記繊維密度との積が200×10-7mm4 未満であったり
した場合は、風合いがソフトである反面、パイルがへた
り易くなる。反対に、断面二次モーメントが2.0×1
-9mm4 を超えたり、上記の積が500×10-7mm4
超えたりした場合は、パイルがへたり難くなる反面、風
合いが粗硬になる。
【0013】
【実施例】種々の断面形状と繊度を有するポリエチレン
テレフタレート製ステープル(繊維長2インチ)を用い
て実施例1〜6および比較例1〜4の20/2番手のパ
イル糸(下撚りの撚り係数2.9、上撚りの撚り係数
2.2)を製造した。このパイル糸、ポリエステル繊維
とレーヨン繊維との混紡糸(混紡比率65/35)から
なる20s /2番手の地経糸および地緯糸を使用し、こ
れを経二重パイル織機に供給してV綾組織の経二重パイ
ル織物を製織し、次いで常法にしたがって毛割り、シャ
ーリングおよび樹脂加工を行い、パイル高さを2.6mm
に仕上げ、次いで風合いおよびへたり性を評価した。そ
の結果を下記の表1、2に示す。
【0014】ただし、パイルのへたり性は、80℃の雰
囲気中のテーブル上に試料を置き、その上に直径4cm、
重さ2kgの円柱状重錘を置いて6時間放置し、この重錘
を除去した後のパイル倒れ跡を目視で判定し、5段階に
評価し、荷重跡無しを5級とした。また、風合いは、1
0人のパネラーによる官能検査を行い、5段階に評価
し、最もソフトなものを最良の5級とした。
【0015】 表 1 実施例番号 1 2 3 4 5 6 繊維断面 図1 図1 図3 図2 図3 図2 a/b − − 1/3.1 1/4.1 1/4.1 1/6.7 繊度(デニール) 1.0 1.0 2.0 2.5 3.0 3.0 断面二次モーメントA (×10-9mm4 ) 0.49 0.49 0.68 0.82 1.19 0.72 繊維本数B (本/100mm2 ) 90,355 45,178 45,186 36,040 30,090 30,090 A×B(×10-7mm4 ) 442.7 221.4 307.3 299.5 358.1 216.7 へたり性(級) 4〜5 4 4 4 4〜5 4 風 合 (級) 4〜5 5 5 4〜5 4〜5 5
【0016】 表 2 比較例番号 1 2 3 4 繊維断面 図3 図2 図1 図1 a/b 1/3.4 1/3.1 − − 繊度(デニール) 1.5 2.0 2.0 2.5 断面二次モーメントA (×10-9mm4 ) 0.36 0.68 2.05 4.60 繊維本数B (本/100mm2 ) 60,248 22,589 45,186 30,090 A×B(×10-7mm4 ) 216.9 153.6 926.3 1384.1 へたり性(級) 2〜3 1〜2 5 2 風 合 (級) 4〜5 5 2 1〜2
【0017】上記の表1、2から明らかなように、本願
発明の要件を満たす実施例1〜6は、いずれもパイルの
へたり性および風合いの双方が4級以上であった。これ
に対して比較例1は断面二次モーメントが小さいため、
へたり性が悪く、比較例2はA×Bの積が小さいため、
へたり性が悪く、比較例3、4は断面二次モーメントお
よびA×Bが双方とも過大であるため、風合いが劣って
いた。
【0018】
【発明の効果】この発明のパイル布帛は、上記のとおり
パイル糸がポリエステル繊維からなり、パイル糸を構成
する繊維の断面二次モーメントを0.40×10-9
2.0×10-9mm4 に、また上記の断面二次モーメント
と布帛面積100mm2 当たりのパイル糸を構成する繊維
本数との積を200×10-7〜500×10-7mm4 に限
定したものであるから、風合いが著しくソフトで、しか
もパイルがへたり難く、従来満たし得なかった相反する
要求を満足させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】断面円形繊維の断面図である。
【図2】偏平繊維の断面図である。
【図3】四つ山偏平繊維の断面図である。
【符号の説明】
D:直径 a:短辺の長さ、b:長辺の長さ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイル糸がポリエステル繊維からなるパ
    イル布帛であって、パイル糸を構成する繊維の断面二次
    モーメントが0.40×10-9〜2.0×10-9mm4
    あり、かつ上記の断面二次モーメントと布帛面積100
    mm2 当たりのパイル糸を構成する繊維本数との積が20
    0×10-7〜500×10-7mm4 であることを特徴とす
    るパイル布帛。
JP6137906A 1994-05-27 1994-05-27 パイル布帛 Pending JPH07324251A (ja)

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JP6137906A JPH07324251A (ja) 1994-05-27 1994-05-27 パイル布帛

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11226465A (ja) * 1998-02-12 1999-08-24 Konica Corp 塗布方法及び塗布装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11226465A (ja) * 1998-02-12 1999-08-24 Konica Corp 塗布方法及び塗布装置

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